2015年02月20日



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アメリカ大統領選にツールとして登場予定の「UFO情報開示」。そして、約50年間成果の出ないSETI(地球外知的生命体探査)は方針を巡り紛糾中



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▲ 2015年2月16日の Boing Boing より。フランク・ドレイク氏は、世界で最初に「地球外知的生命体探査」をおこなった天文物理学者。




アメリカ議会のUFO ロビーイスト

今回は冒頭の記事をご紹介したいと思いますが、最近は UFO 関係の報道、しかも、メジャー媒体でのものが何となく多いですね。

先日は、オバマ大統領の元顧問がツイッターに、

2014年の私の最大の失敗:またもや UFO に関するファイルを開示できなかったこと。

と書き込んだことが多くのアメリカメディアで報道されていました。

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▲ 2015年2月16日のアメリカ Fox ニュースより。


下が実際のジョン・ポデスタ元顧問の投稿です。

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THP


このポデスタという方は、大統領の元側近ということで、政府の中枢にいた方なのですが、かなり以前から UFO や地球外生命体に関心を持っているとされていて、なおかつ、「そのこと(自分は UFO に関心があること)を有権者にいつも大きくアピールしてきた」という人であるようです。

アメリカ議会にはいろいろな「ロビー活動」があるようなのですが、たとえば、先日の記事の、

メロンパンとステビアから知ったアメリカの「シュガー・ロビー」による過去50年間の砂糖消費拡大プロジェクトの現実
 2015年02月18日

には、砂糖消費の拡大を目的とした「シュガー・ロビー」というものの存在があったわけで、それによって、アメリカの砂糖消費は急激に拡大していったのですが、

「 UFO ロビー」

というのもあるようなのですよ。

2月17日のアメリカ HUFF POST の記事には以下のような下りがあります。


UFO ロビーは、最初、ヒラリー・クリントンによってその希望がつながれた。それは、2008年に彼女が大統領候補に立候補した時に、ポデスタ氏との強力関係を築いたためだ。

これから 2016年のアメリカ大統領選挙運動が本格的に開始する時に、そして、ポデスタ氏が選挙運動を行う際には、事実として、このことは重要な役割を果たす。

つまり、UFO支持者と UFO懐疑論者が共に「真実はそこにある」のかどうかを見ることになるからだ。



ここにある「真実はそこにある」というはの、アメリカのテレビ番組『Xファイル』のキャッチフレーズです。

今度の選挙で、このポデスタ氏がどのように大統領選挙と関わるのかはわからないですが、仮に関わった際には、「UFO というツール」をも使うと見られています。

具体的にはよくわからないですが、今回のツィートの内容から例えれば、

「〇〇が当選した暁には UFO ファイルを開示します」

だとか、そのような感じになるかどうかはわからないですが、FOX ニュースによれば、ポデスタ氏は、2002年からアメリカ議会で UFO 記録の開示の必要性を議論しています。

またその頃から、アメリカの市民グループとの話し合いを持っていることから「 13年間」も、このことに関わっていますので、UFO 支持者からの信頼はかなり厚いものと思われます。

まあ、いろいろとあれですが、こういうことを思う時、過去記事の、

ミスター・スノーデンが示唆する米英政府機関の「 UFO での大衆マインドコントロール作戦」
 2014年03月19日

などの記事を思い出します。

しかし、今回ご紹介する記事はそのようなこととは関係ないもので、長い歴史を持つ「 SETI 」と呼ばれる地球外知的生命体探査に関わる話です。




地球外知的生命体探査の現況

冒頭のフランク・ドレイクという人は、地球外知的生命体探査を世界で初めておこなった天文物理学者ですが、Wikipedia の説明をお借りしますと、


フランク・ドレイク(1930年5月28日 - )はアメリカ合衆国の天文学者・天体物理学者。世界で最初の SETIを実施し、また地球外文明の数を推定するドレイクの方程式の提唱者として知られている。

ハーバード大学院時代の1960年、グリーンバンクのアメリカ国立電波天文台(NRAO)にて、世界初の SETIであるオズマ計画を実施した。

1961年、ウェストバージニア州グリーンバンクのアメリカ国立電波天文台(NRAO)で、最初の SETI(地球外知的生命体探索)に関する会議を開催した。



という方です。

その SETI の説明は以下のようなものです。


地球外知的生命体探査

地球外知的生命体探査(Search for Extra-Terrestrial Intelligence)とは、地球外知的生命体による宇宙文明を発見するプロジェクトの総称。頭文字を取って「SETI(セティ、セチ)」と称される。現在世界では多くのSETIプロジェクトが進行している。


とあるように、特定の組織による単独のブロジェクトではなく、世界各地で様々におこなわれているものの総称です。日本でも、過去から現在まで数多くの SETI 観測が行われています。


さて、そして、この地球外知的生命体探査の約 50年間の歴史での成果は?


・・・といいますと、

「ほぼゼロ」

なんです。

「ほぼ」というのは、一応つけたような感じで、不審な信号は希にキャッチされることはありますが、ほぼ自然の発生源によるものとされていて、少なくとも SETI の科学者たちが、知的生命体のシグナルだと認めたものはひとつもないと思われます。

50年間はそれほど短期間とも言えないです。

そのようなこともあり、成果の上がらない SETI 観測が続くためか、最近の SETI の国際会議では、電波をスキャンするだけではなく、地球から積極的に宇宙空間に電波を送るべきだ、という意見と、それはしないほうがいい、という意見が衝突しているようです。

まあしかし。

50年間、何のシグナルも発見できなかったといことは、それが存在するかしないかは別として、この先続けて成果が出るかどうかは疑問ではあります。

このあたりについては、あまり強い主張はできないのですが、何となく、昨年の記事、

人類は宇宙へは行けないし、異星人たちも地球には来られないことを悟る中、人々から「神の存在が消えていっている」ことも知る
 2014年10月29日

を思い出します。

バンスペルミア説を信じている私は、全宇宙の生物の特徴はおおむねのところは似ていると思っています。その中で、人間を含む大型生物や多細胞生物の身体的特性から考えると、「宇宙空間は生体に合っているとは言い難い」と感じます。

そういう意味では、計画が進んでいる火星有人飛行も含めて、長期間の宇宙旅行は難しい面があるかなあと。

あるいは、それがものすごく進化した生命体、たとえば「すでに物質としての肉体を持たない」ような生命体であれば・・・それならそれで、わざわざ肉体を持つ存在として他の惑星に「乗り物にのって」向かう必要はなさそうにも思えまして・・・。

このあたりはなかなか難しい問題にも思えまして、あまり入り込んで考えないようにはしています。

いずれにしましても、UFO 関係の話に関しましては、イギリスの政府通信機関 GCHQ や、アメリカの諜報機関が絡んでいる問題以外は、私には知識がありませんので、あまりいろいろと余談を書かずに上の記事をご紹介します。

今回の記事は、莫大な予算をかけて、地球から宇宙へ電波メッセージを送るべきかどうかということの議論に関しての記事で、他のメディアでも大きく報道されていますが、この記事は、SETI の象徴であるフランク・ドレイク氏がタイトルとなっていましたので、ご紹介しようと思いました。

ここからです。



Frank Drake thinks it’s silly to send messages to ET
Boing Boing 2015.02.16


フランク・ドレイク氏は地球外生命体にメッセージを送信するのは愚かなことだと考えている


宇宙にどのくらいの地球外生命体が分布しているのかを推定する、伝説的なドレイクの方程式を考案したドレイク氏は、我々はより多くを聞くべきだと示唆する。

エイリアンとのコンタクトを行うこと --- それは多くのSF物語のテーマとなり、様々な想像の成果をもたらしてきた。

そして、もし私たちが知的地球外生物と接触した場合に何が起きるのかを知るものは誰もいないにも関わらず、科学者たちは私たちが進むべき方向について、様々な意見の対立の渦中にいる。

地球外知的生命体探査 SETI は、もう何十年も地球外生命からの信号を探査し続けているが、はっきりとした結果は何も検出できていない。もちろん、これまで興味深い信号は存在したが、それらに知性の指標となるような具体的なものは何もなかった。

SETI の科学者たちの議論は激しくなっており、数年前からは議論が荒れることが多くなってきた。

たとえば、受動的に空の信号をスキャンし続けるよりも、むしろ私たちのほうから積極的に宇宙空間へメッセージを送ることを始めるべきではないのか、という意見がある。

今週、サンノゼの米国科学振興協会の年次総会での記者会見の席上、ダグラス・ヴァコッホ( Douglas Vakoch )氏は、活発に電波を送信することを開始すると声明を出し、このような直接的な方法は、人類の「成長」の一部となり得るだろうと述べた。

さらに、ヴァコッホ氏は、これが私たち人類にエイリアンとの「コンタクト」に近づく試みとなり得るとすれば、それは感嘆すべきことだとも語った。

ヴァコッホ氏と同じ立場の科学者であるセス・ショスタク( Seth Shostak )氏は、太陽系を越えて、知的生命体を積極的に探査するためのリソースは、私たちにとっての義務であると雄弁に語った。

議論の主題は、私たちの惑星の電波の漏洩についてだった。この電波の漏洩は他の高度な文明に対して、私たちの存在について高度な警告になっている怖れがある。それならば、どうして本格的に会話を始めない理由があろか、というものだ。

これに対して、人気SF作家であり、物理学者でもあるデイヴィッド・ブリン( David Brin )氏は、そこにどんなものがいるのか見当もつかない上に、そして、彼らの動機が何であるのかを知る者もいないと反論する。

確かに、宇宙で信号を探しているものからすれば、私たちは見えていないわけではない。しかし、私たちはトラブルを見に行きたいのではない、と。

ブリン氏は、知的地球外生命体にメッセージを送ることについての議論は、人類すべてが考慮すべきことだと強調した。

ブリン氏は利他主義が浸透していることを疑問に思っている。生物の行動戦略とは、自分自身のために考えるのではなく、他者に対して素晴らしいことをおこなうことで、それは実際に自然の中に存在すると述べる。

将来のシナリオとして、私たちが地球外生命体との取り引きをおこなう必要がある場合、情報こそが私たちの最も貴重な資産となるだろうとブリン氏は言う。そのためには、情報は守られ、評価されるべきだという。

METI (積極的に電波を送る試み)プログラム起動の着手に対するさらなる議論は、そこにあるリスクの実際的な考慮を伴っている。そこには、宇宙生物(細菌やウイルスなど)での汚染の問題を含む、地球の保護も含まれている。

私たち人類は微生物の世界に住んでいる。

その状況を人類が描写できるようになって、まだわずかであり、まして、人類は微生物の世界をほとんど理解していない。

エイリアンは、宇宙のあらゆるタイプの微生物を運ぶ可能性が高い。その中には、私たち人類がまったく初めて遭遇するものもあるかもしれないし、あるいは、人類の免疫では防御できない壊滅的なタイプも存在するかもしれないのだ。

そして、これは私たちの地球の微生物が、他の惑星の生命体に対して及ぼす影響についても同じだ。

これらのすべての議論は、完全に経済的な考慮に照らしてなされている。

現在の技術を駆使して、数少ない近くの惑星へ繰り返し連続した信号を送信するための費用が計算されている。しかし、その費用は、新規の建設や新しい技術が必要になるにつれて拡大することは言うまでもない。

ドレイクの方程式で知られるフランク・ドレイク氏は会議の中で、高度な生命体フォームにコンタクトすることについての多くの潜在的な利点はあるとしても、「今、メッセージを送信することは愚かなことだ」と述べる。

まず、私たちが今そのようなプロジェクトを始めても、少なくとも 50〜 100年間は、このプロジェクトの恩恵を受けることはできないことがある。なので、その時点でリソースの浪費となり得る。

私たちの時間、費用、そしてエネルギーをよりよい探査に向けるとするなら、「メッセージを送信することは効率的ではない」という。

ドレイク氏は、私たちの探査と活用は太陽系内に絞るべきだという。

なぜなら、知的生命体は星間を移動することはないだろうからとドレイク氏は言う。
その理由は、星間の移動のコストが法外であるからだ。

たとえば、近隣の惑星に光速の 10分の1の速度で 100年の宇宙飛行をするとした場合、アメリカ合衆国のすべての支出の 200年分と同等のコストが必要となる。そこには、着陸した後のコストは含まれていない。

最も進化した文明の中には、自らの太陽系を越えて移動しているものもあるかもしれないとしても。


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