
▲ 2015年2月20日のナショナル ジオグラフィック・ニュース「7万年前に恒星が最接近、地球に彗星の嵐か」より。
めまいのその後
少しは改善してきているとはいえ、回転性めまいは相変わらずです。めまい発作からもう1週間ほど経っているのですが、激しくフラつくので、ごく近く以外への外出は厳しいです。
今日は、奥さんが花粉症の薬をもらいに耳鼻科に行くというので、奥さんに付き添ってもらって、私もその耳鼻科に行きました。病院は、歩いて5分ほどのところにあります。
地元で人気の上に、今は花粉症の人たちが多く、大変混んでいるのですが、花粉症の方々に対しての診察は非常に早く、それほど待つこともなく診察に。
メニエール病などの疑いを含めて、めまいの場合にはおこなわれる一通りの検査である、聴力検査や、眼振(がんしん)といって、眼球が意志に反して動く状況の検査など、めまいのいくつかの検査をしました。眼振は予想以上に強かったようです。
医師 「これはあれですよ。あなたはめまいに慣れているから、立っていられるのかもしれないですが、普通の人なら立てる状態ではないです」
わたし「確かに慣れてはいますね。キツいのはキツいすけど」
というわけで、点滴みたいな、どでかい注射を打たれて、戻ってきました。
(これは効きましたが)
原因については、結局はっきりしようがないのですよね。
ただ、一度、首のレントゲンを撮ってみてほしいと言われました。
このお医者さんには言ってないですが、確かに私の首の骨は古傷というか、変形箇所があるのです。
まあ、もう仕方ないので、おこなえるところから自己リハビリをするしかないです。
7万年前の地球に何が起きていたか
そんなわけで、戻ってきてから、なんとなくニュースをいくつか見ていましたら、冒頭の記事を見つけました。
その記事の抜粋です。
7万年前に恒星が最接近、地球に彗星の嵐か
ナショナル ジオグラフィック・ニュース 2015.02.20
今から7万年前、太陽系の内側に、ある星が飛来した。現生人類がアフリカからの移動を始めようとしており、ネアンデルタール人も絶滅していない時代である。
学術誌『Astrophysical Journal Letters』に発表されたレポートによると、地球から1光年未満の距離をかすめ去ったその星は、史上もっとも接近した、恒星と地球のニアミス事故だった。
彗星の嵐が地球を襲った?
恒星のような巨大な物体がオールトの雲を通過したと仮定するなら、もっとたくさんの彗星が地球に飛来したはずだ。
彗星の嵐は、地球上の生命に壊滅的な被害をもたらしただろう。
というものでした。
このナショナル ジオグラフィックの記事によりますと、「7万年前」に、「地球上の生命に壊滅的な被害をもたらしただろう」という出来事(ここでは彗星による爆撃)が地球上で発生していた可能性があるいうのですが、「7万年前」で思い出すことがあります。
過去記事、
・私たちが経験している現在の気候変動は次の数万年の人類史への扉かもしれない
2012年07月13日
の中で、米国スタンフォード大学が 2008年に発表した研究のことを思い出したのです。
研究チームが、ミトコンドリアDNA の解析をしたところによれば、
7万年前に人類は「 2000人程度」にまで減ったかもしれない
ことが判明したというものでした。
2000万人ではなく、たった 2000人です。
当時の記事を翻訳したものを載せておきます。
Study says near extinction threatened people 70,000 years ago
AP 2008.04.24
人類は7万年前に全世界でわずか2000人にまで減少し、絶滅しかけていたことが研究で判明
遺伝学研究によると、ミトコンドリア DNA の追跡により、現在の人類は約 20万年前にアフリカに住んでいたミトコンドリア・イブと呼ばれる単一の母親の子孫であることがわかっている。
そして約6万年前から全世界へ人類の分散が始まった。
しかし、この「人類の全世界への分散までの間に何が起きていたか」については今までほとんどわかっていなかった。
最近のスタンフォード大学の研究によると、南アフリカのコイ族とサン族が 9万年前と 15万年前にほかの人々から分岐した形跡がミトコンドリア DNA の解析で判明した。
そして、今から7万年前には極端な気候変動によって人類の数は一時 2000人にまで減少し、絶滅の危機に瀕していた可能性があることがわかった。
というものでした。
仮にこの 2000人という数が、ある程度でもいいので正しければ、人類は「絶滅寸前」にまで追いつめられていたことになります。
上の AP の記事の中に、
> 極端な気候変動によって
とありますが、この部分は、ミトコンドリア DNA の解析研究とは関係ない部分で、つまり「推定」ということだと思われます。そんなに極端に人口が減ったその理由については、これまで分かっていなかった部分があります。
しかし、今回のナショナル ジオグラフィックの「7万年前に地球を彗星の嵐が襲ったかもしれない」ということがあったとするならば、これは十分に、7万年前に人類が極端に少なくなった理由となる気がします。
そして、当時、現世人類と共にいたネアンデルタール人(約2万数千年前に絶滅)も壊滅的な被害を受けていたと考えられます。仮にこの7万年前に、まるで小規模な「後記重爆撃時代」みたいなことがあったとするならば、
「現世人類」も「ネアンデルタール人」も、共に滅亡する可能性があった
はずです。
しかし、それから数万年後に絶滅したのはネアンデルタール人の方で、現世人類は大変少数ではあっても、生きのびたのでした。
理由が単に「ツキ」か他のことかはわからないけれど、現世人類は生きのびた
このことについても、判明していないことだらけではあるようですけれど、
「現世人類はややツイていた」
という部分はあります。
それは、当時の生息域や移動ルートの問題と関係します。
ネアンデルタール人 - Wikipedia の「絶滅」という項目には、以下のように記されています。
テキサス大学アーリントン校の人類学者ナオミ・クレッグホーンは、約4万年前の、現在のイタリアやコーカサス山脈に相当する地域で火山が相次いで噴火したことを絶滅の理由として説明している。
このような環境的要因を指摘する説は以前にも発表されていたが、約4万年前の噴火はその種の災害とは規模が違っており、例えば、複数の火山がほぼ同時期に噴火していたという。
「ネアンデルタール人のほとんどがヨーロッパに居住していたのに対し、現生人類はアフリカやアジアにより大きな人口を抱えていたため絶滅を避けられたようだ。」と同氏はいう。
この約4万年前の噴火は、北半球での過去 20万年で最大の火山噴火だったイタリアでの超巨大噴火を含んでいると思われ、このために、ヨーロッパ中心に住んでいたネアンデルタール人は、壊滅的な被害を受けたと考えられます。
ちなみに、この「約4万年前」に地球に起きていたことについて、過去記事、
・[重要]ドイツの科学研究法人が「急速なポールシフトと気候変動と超巨大火山の噴火が同時に発生していた」ことを証明
2012年10月18日
で、比較的最近のドイツでの研究をご紹介したことがあります。
それは、
・41,000年前の地球で、磁場の完全で急速な逆転が発生したこと
・その時期に急激な気候変動が起きていたこと
・イタリアの超巨大火山噴火もその時期と連動していたこと
というドイツ地球科学研究センターの調査を記したものでした。
サイエンス・コーデックという科学メディアに掲載された、その報道から一部抜粋します。
An extremely brief reversal of the geomagnetic field, climate variability and a super volcano
Science Codex 2012.10.16
極めて急速な磁場の反転と、気候変動・巨大火山との関係
41,000年前の地球で、磁場の完全で急速な逆転が発生したことを、ドイツ地球科学研究センター (GFZ)のチームによる黒海の堆積物のコアの分析の研究論文は示す。
今回の研究で注目に値するのは、地球の磁場の逆転のスピードだ。
研究者のノワクズィク博士は次のように言う。
「磁場の完全な反転はわずか 440年間の移動でなされましたが、そのうちの多くはわずかな移動であり、実際には、両磁場の極の変化はたった 250年でなされたことを示します。この 250年というのは地質学的な変化からみると非常に早いスピードです」。
結果として、地球は磁場を失い、また磁場による宇宙線からの防御を完全に失ったために地球上がほぼ完全な被爆状態に至ったことが、グリーンランドの氷床から回収された放射性ベリリウムの解析によって明らかになっている。
同時に、研究チームは黒海の堆積物の分析から、その当時、突然の気候変動が発生していたことを発見した。
この影響と、関連する火山噴火などによって最終的にネアンデルタール人は滅亡したという説が先ほどのようにあるわけですが、滅亡と関係しているかどうかは別としても、この時期には、
・激しい気候変動
・たった250年で地球の北と南の磁極が入れ替わった(磁極のポールシフト)
ということが起きています。
ネアンデルタール人も現世人類も共にかなりの影響やダメージを受けたことが想像できます。
なぜかというと、後にも書きますが、磁極が入れ替わる時、地球の地磁気がゼロになる期間が生じると考えられるからです。これは人類にも、他の大型動物にもかなり厳しいことだと思われます。
いずれにしても、現世人類とネアンデルタール人は、
・7万年前
にも、
・4万1千年前
にも、どちらにおいても、彗星の爆撃や、あるいは環境の巨大な変化の影響を受けて、多分、少しずつ数を減らしてきた。火山の影響はともかく、磁極の反転と、彗星の爆撃時代の影響は、地球に住むどんな大型生物にも激しく影響したはずです。
しかし、人類で絶滅したのはネアンデルタール人の方だけでした。
単なる幸運なのか、他の理由があるのかはわからないですが、
・2000人にまで人口が減少したり
・磁場がゼロの状態を経験した
にも関わらず、現世人類はほんの少数ではあれ、何人かは生き残った。
「磁場がゼロ」というのは、北と南の磁極が入れ替わる時にそのようになると言われていて、誰も経験していないので、実際にはわからないことですが、その場合、地球から磁場のシールドが消えるために、宇宙から有害な宇宙線が降り注ぐといわれています。
かつて、秋田大学地球資源学科のウェブサイトに、1880年から2000年までの「地球の磁場の減少」についての、グラフが載せられていましたが、地球の磁場は一直線に減少し続けています。
1880年から2000年までの地球の地磁気の強度変化

そして、このグラフの掲載されていたページには、
磁極が入れかわるときに地磁気の強度はゼロになるとの予想があります。
地磁気の減少は磁場逆転の前触れかもしれません。
地磁気がなくなると、私たち人間にも大きな影響があります。今まで地球磁場が食い止めていた宇宙線が直接降り注いで人類は危機に直面することになります。
とあり、どうやら、4万1千年前の現世人類とネアンデルタール人は、共にこの「地磁気が消えた状態」の過酷な地球を経験していたと考えられます。
その中で、ネアンデルタール人は滅びましたけれど、しかし、現世人類は絶滅しなかった。
それから数万年後の今、地球の現世人類の人口は 72億人を超えています。
実に7万年前の・・・多分 360万倍くらいに増えたのですかね。
滅亡したネアンデルタール人の人口は、今にいたるまで、当然ながら「ゼロ」のままです。
現世人類がこちらの「ゼロ」になる可能性も十分にあったと思われます。
「ゼロ」になると、そこから「1」になることは生物においてはとても難しいです。
あまりにも当たり前のことかもしれないですが、ここに、
「完全に滅亡することと」
と
「ほんの少しの人数だけでも生き残ること」
のあまりにも大きな違いを見るのです。
本当に当たり前のことで恐縮ではあるのですがも、しかし、漠然と自分で考えていた以上に、この差は大きいと感じます。
なぜ、ナショナルジオグラフィックの記事からこんなことを書いているかといいますと、まあ、311からそろそろ4年ですけれど、それとは別に、いくつかの観点から、
「いろいろといつ起きてもおかしくない段階にまで来ている」
という気はするのです。
あくまで「気」ですので、あまり深刻にとらえられていただきたくないですし、もちろん、それが具体的に何なのかだとか、まして時期など、私にわかるはずもないですが、「いつ起きるか」とか「何が起きるか」ということではなく、
「何がいつ起きてもいいように、心や、あるいは物質的な準備をしておく」
ということは、今の時、そして今年を含めた数年間は無駄ではないと感じます。
準備が無駄なら、それはそれでいいことですしね。
7万年や4万1千年前のように「ほんの少しだけ」でも生きのびることができるのなら、人類の歴史はまだ続くはすでしょうから。
ネアンデルタール人のように「ゼロ」になったらそれでおしまいなんです。