▲ 2015年3月9日のアメリカ CBS ニュースより。
この2月から3月は、場所によって、とんでもない気候や現象が相次いだ時期でもありました。
上の写真は、記録的な寒波がいまだに続いているアメリカ東部にあるケープコッド湾の海岸に、ご覧のような巨大な氷の塊が多数打ち上げられている光景です。下のような、ちょっとアメリカの海岸とは思えない光景が広がっているようです。
CBS の報道では「一生に一度あるかどうかという出来事だ」と記されていますが、ここ数年はわりとそういう「一生に一度あるかどうかという出来事」が、いろいろな現象として、世界各地で起きている感じがあります。
それらのいくつかをダイジェスト的にご紹介したいと思います。
ところで、今日は 3月11日なのですね。
少し思い出すことを書きたいです。
2011年3月11日に気づかせてくれたこと
4年前の地震の日からの数ヶ月間は、毎日いろいろと考え続けて、そして、あてもなく毎日いろいろなところを歩き回りました。東京の風景をいろいろと見ておきたかったのです。
そして、被災された東北の方々を見ている中で、その頃は毎日「日本と日本人」のことを考え続けていました。それは愛国的な意味での考えではなく、むしろ、生物学的な意味や、地質学的な意味で「日本人の歴史」というものをよく考えました。
そして、地震によって、自分の曖昧な感覚から脱出できた感じもありました。
震災2日目の3月13日に書いた「決意の涙: 東京 DAY3」に私は下のように書いています。
こういう現実の災害の圧倒の前には、私たちは異常に現実的になる必要があると思っています。
すなわち、あらゆる宗教、あらゆる神様、あらゆるオカルトを排除しながら進む他はないように思います。
そして、しばらくは、異常なほど現実だけの思考で生きていました。
その頃は、「ほんの少し先のことも予測や推測しない」ということもつとめていました。
予測や推測も、現実に起きていない限りはオカルトだからです。
実際に体験していること以外は信じない。
そんな数ヶ月でした。
そして、当時はそれは大事なことでもあり、たとえば、インターネット上では、様々な煽りや奇妙な噂話が次々と噴出していたという事実もありました。
ただ、予想や予測とは違いますが「ちょっとした不安」は現実にはありました。
地震の起きた当日に書いた記事にも少し書いているのですが、東北の震災が起きる少し前に書いた記事で取り上げていました名古屋大学の論文を思い出して、直感的に不安を感じてしまっていたことは事実です。
それは、名古屋大学大学院の古本宗充教授の「東海から琉球にかけての超巨大地震の可能性」という論文で、詳しいところは、リンクからお読みになっていただければよろしいかと思いますが、2004年のスマトラ地震の発生が「これまでの地震学の常識を覆した」というところから、従来の地震学の見地を越えて考察したものでした。
この論文では、特に、地域としては、今でいう南海トラフ地震と重なる場所(ただし、もっと広範囲)での地震の話が展開されます。
従来の南海トラフ地震説と違うのは、たとえば、一般的に南海トラフ地震は、
約 90年から 150年間隔、あるいは 200年などの周期で起きる。
とされているものに対して、名古屋大学の論文では、
南海トラフから琉球海溝まで全長1000kmにも及ぶ断層が連動して破壊されることで、非常に細長い領域におけるM9クラスの連動型地震、あるいはM9クラスの二つの超巨大地震が連動して発生する可能性。
を、海底の化石の年代決定などから突き止めたものでした。
そして、この周期は、150年や 200年といった短いものではなく、
「 1700年〜2000年の周期」
という、比較的長い周期を持つ海底の地殻の変動のようですが、過去には周期的に「必ず起きていた」ものでもあるようです。
その論文にある図は下のものです。
日本語はこちらで入れています。
1700年 - 2000年の周期での海底の隆起があったとされるされる断層
このことは科学誌ニュートンの 2011年9月号でも取り上げられていて、そこに見やすい図が載せられています。
・Newton
もちろん、上の図に示したような地震は、「過去には起きた」ものではあっても、今後起きるのかどうかはわからないですし(ただ、いつかは必ず起きるとするほうが合理的ですが)、また、仮に起きても、それが私たちの今の人生の時間の中で起きるかどうかはわかりません。
しかし、4年前の 3月11日に「まったく想定されていなかった超巨大地震が起きた」という事実は大きく、そのために、上のことがふと頭に浮かんだのでした。
ニュートンの記事は、
「そのとき」がいつになるのか誰も知る由はないが、次の東海地震、東南海地震、南海地震が超巨大地震となる可能性も考慮に入れた議論がはじまろうとしている。
としめくくられています。
ちょっと前置きのつもりが長くなってしまいました。
2015年2月の世界各地の光景
気づけば早いもので、今年もすでに3月ですが、3月ですと、北半球の多くでは一応は「春」という方に近いことになると思いますが、冒頭のアメリカ東部などを含めて、非常に厳しい気候が続いているところが多いです。
今現在は、ヨーロッパのギリシャからブルガリアなどが暴風雪などで激しい天候となっていまして、ブルガリア中部の各地で大雪による非常事態宣言(参考記事)、ギリシャでは降雪と洪水で非常事態宣言が出されています。
ブルガリア中部では、各地で雪による孤立、停電、道路の閉鎖が相次いでいて、今日現在も6つの自治体で非常事態宣言が出されたままとなっているようです。
この冬は、特に寒波と大雪に関しては、場所により極めて荒れている感じが強いですが、この2月に世界でどんな気候や現象が起きていたかということがまとめられているニュースがありました。
その中のいくつかをご紹介したいと思います。
February 2015 - Extreme Weather, Earth Changes, and Fireballs
SOTT 2015.03.08
2015年2月 - 極端な天候、アースチェンジ、そして火球
2015年2月1-3日
フランス・ピレネー山脈で3日間で3メートルの積雪
2月2日
トルコで激しい強風。5名が犠牲に
2月2日
ロシアで「オレンジ色の雪」が降る(原因不明)
2月-3日
北極からの大気「極渦」によりアメリカの1億人が寒波の中に
このアメリカの極渦による寒波は、2月中旬にもアメリカの広範囲に大寒波をもたらし、また、現在もアメリカは同じような状況となっています。
2月6日
米国フロリダ州ジャクソンビルで謎の巨大な轟音と震動で警察への通報が相次ぐ
いわゆる「ソニックブーム」といわれるような轟音と震動が広範囲で感じられて、警察への電話が殺到しましたが、原因はわかっていません。フロリダ州では、この後も何度も同じような轟音が報告されていて、住民たちの中には「何かの前兆なのではないか」と話している人々もいるようです。
2月9日
オーストラリアのクィーンズランドで記録的な豪雨
2月13日
200頭のイルカがニュージーランドのゴールデン湾で座礁
これについては、「ニュージーランド中部で同地域としては過去数十年で最大の約200頭のクジラが座礁し、すでに数十頭が死亡」という記事に詳しく書いています。
ところで、何の関係もない話ではあるのですが、4年前の震災があった日の3週間前にも、同じニュージーランドでイルカが多数打ち上げられたことがありました。
2011年2月21日の AFP の記事
ニュージーランドのイルカの座礁と日本の地震に関係あるはずもないでしょうが、先ほど 311のことを書いた時にふと思い出しまして、今年もその時と同じような時期に、同じニュージーランドでイルカの座礁があったのだなあと気づいた次第です。
2月19日
オーストラリアをカテゴリー5の2つのサイクロンが直撃
2月18-21日
アメリカのナイアガラの滝が凍結
2月24日
カリフォルニアの海岸に数百頭の死亡したアシカが打ち上げられる
2月28日
テネシー州で「空から大量の死んだ鳥が落ちてくる」という現象
2月28日
アメリカとカナダで2月の積雪の観測史上の記録が塗り替えられる
2月27日
マサチューセッツ州で「波が瞬間凍結する」という現象が起きる
上については、「アメリカ北東部のナンタケット島で、あまりの低温のために「海の波が瞬間凍結」したような状態に」という記事でふれています。
今回のオリジナルの記事では、他にも多くの2月の出来事が取り上げられていて、上のはその3分の1程度となります。
今回はご紹介しなかったのですが、特徴的だったのは「この2月は巨大な火球の目撃数が全世界で多かった」ということもあります。隕石の突入が増えているのかもしれません。
また、そのうち記事にしたいと思っていますが、アメリカでの謎の振動や轟音は、過去記事の、
・世界中で響き渡る「謎の轟音」の正体は?
2012年01月17日
などを始めとして、過去何度か取り上げたことがありますが、アメリカでは、今年に入ってから「謎の振動と轟がアメリカ中に拡大している」ということがあるのです。
下は、今年の 1月1日から 3月1日までに、轟音が報告された場所です。
・Earthfiles
これは興味深いことでもありますので、近いうちに記事にできたらと思っています。
とにかく、この2月は、
・悪天候
・地質の不安定
・火球
というものが多かった時といえそうです。
そして、今後も荒れた状況がそうすんなりとは収まりそうにもない感じはあります。