2015年03月18日



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スーパームーンと皆既日食が重なった後に続いて「4連続する皆既月食の3回目」の日がユダヤ教の過越祭と共にじきにやって来る



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The Wachers






 


スーパームーンと皆既日食が同日に起きる2015年の春分の日

今度の 3月20日には上のようなことが1日に起きます。

もっとも、皆既日食が見られるのは、北大西洋からノルウェー海、北極圏あたりにかけてのことで、ヨーロッパでは広範囲で観測されますが、それ以外の地域で完全な皆既日食が見られる場所は少ないと思います。

さらに、それらと重なるものとしましては、そろそろ1年ほど前の記事となりますが、

赤い月と黒い太陽: 2014年から 2015年まで「4回連続する皆既月食」がすべてユダヤ教の重要宗教祭事の日とシンクロ。そして、過去の同じ現象の時に「イスラエルの建国」があった
 2014年04月06日

に載せました図から抜粋しますと、下の時期と重なります。

nisan-2015.gif


上の記事は、

「4回の皆既月食が連続して起きる」

という比較的珍しい現象が、2014年から 2015年にかけて、

「ユダヤ教の重要な宗教的祭事と時期がシンクロする」

という、極めて珍しい連動のことや、過去にも同じようなシンクロがあり、その時期とイスラエル国家建設の関係について書いたものですが、それ以外にも、

過去の同じ時は「大量死の時代」だった

ことを書きました。

過去の同じ時というのは、20世紀で2回ありました。

過越(すぎこし)の祭りと仮庵の祭り(かりいおのまつり)は、どちらも「三大祭」と呼ばれるユダヤ教の最重要祭事です。

第一次中東戦争(イスラエル側の呼称は「イスラエル独立戦争」 )の際の 1948-1949年

1949年04月13日 皆既月食 過越
1949年10月07日 皆既月食 仮庵の祭り
1950年04月02日 皆既月食 過越
1950年09月26日 皆既月食 仮庵の祭り

この時と、

第三次中東戦争(イスラエル側の呼称は「六日戦争」)の際の 1967年

1967年04月24日 皆既月食 過越
1967年10月07日 皆既月食 仮庵の祭り
1968年04月13日 皆既月食 過越
1968年10月06日 皆既月食 仮庵の祭り

この時の2回で、これらの時も「4回連続する皆既月食の時期と、ユダヤ教と宗教的祭事が重なった」時だったのでした。

そして、この「奇妙なシンクロを見せた時期」に起きた2つの戦争は、イスラエルという国家が形成され、国家の拡大を果たした、イスラエルにとって重要な戦争でした。




大量死事故の続発の時期

そして、ユダヤ教やイスラエルのこととは別に、昨年の4月から始まった「4回続く皆既月食」の、

1回目の皆既月食(2014年4月15日)

から

2回目の皆既月食(2014年10月8日)

の時期の周辺にどんなことが起きていたかといいますと・・・まあ、本当にいろいろと起きていたのですけど、たとえば、ここでは、「死亡を伴う航空機事故」だけをピックアップしますと、以下のようになります。

airplane-ac-2014.gif

文字にしますと、

・2014年03月08日 マレーシア航空370便 インド洋で消息を絶つ(乗客乗員 239名 / 安否不明)
・2014年07月17日 マレーシア航空17便 ウクライナで撃墜(乗客乗員 298名 / 全員死亡)
・2014年07月23日 トランスアジア航空222便 台湾で墜落(48人死亡)
・2014年07月24日 アルジェリア航空5017便 マリで墜落(118人死亡)
・2014年08月10日 セパハン航空140便 イランで墜落(39人死亡)
・2014年12月28日 エアアジア8501便 インドネシアで墜落(乗客乗員 162名 / 84遺体収容)


となります。

この期間には、4月16日の韓国セウォウル号の沈没( 295 名死亡)などもあり、こう見ますと、普通それほど起きるわけではないほどの規模の大きな事故が、比較的集中的していたことがわかります。

この中で、マレーシア航空とエアアジアはマレーシアの飛行機会社で、全体のうちの3件を占めるということになっていて、災難としかいいようがないですが、ただ、この「災難」が、偶発的な災難であるのか、「何かの意図」がそこにあるのかに関しては、実際のところは何もわからない面があるのは確かですが、昨年12月の、

闇の組織「黒い手」:マレーシア機MH370便の失踪前に警告を出していたベトナム人女優と、エアアジア8501便の「事故」を事前に警告した中国人の正体
 2014年12月30日

という記事などを思い出しますと、単純な事情ではない可能性はあるのかもしれません。

ch-blog2014.gif

▲ 2014年12月15日の中国の BBS Ianya より。エアアジア 8501便の事故の13日前に何度も同じ内容が中国語で投稿されました。


ところで、上のような多くの死者を伴う航空機事故を思い出しますと「 2014年は非常に航空機の死亡事故が多かった」というような感覚を受けるかもしれません。

ところが、違うのです。




戦後もっとも死者を伴う航空機事故の少なかった2014年

実は、2014年は、死者を伴う航空機事故の発生件数は「戦後最低」だったのです。

下のグラフは 2015年2月6日の AFP 「相次ぐ旅客機墜落、年別発生件数の推移」という記事の図からのものです。

air-crash-2014.gif
AFP


上のグラフの棒グラフのほうが、死者を伴う旅客機事故の「発生件数」で、折れ線グラフは、「死者数」です。

このうちの「発生件数」に関しては、2014年は死者を伴う旅客機事故が 8件となり、戦後からの統計では最も死者を伴う航空機事故が少なかったことになるようです。最も多かったのが、1948年と 1972年の 55件です。2014年はそれと比較すると実に7分の1ほどに減少しています。

こう見ますと、死者を伴う旅客機事故は、実際には緩やかに減少し続けていることがわかります。

しかし、2014年は、なぜ、こんなに「航空機事故が印象に残る1年」だったのかというと、

事故発生件数は史上最低だったのに、事故での死者数はここ数年で最も多い。

ということによるものだと思われます。

つまり、「2014年は、一度の事故での死者が多かった」のです。

2014年の旅客機事故においての死者数は「 924人」でしたが、これだけの死者が、たった8件の航空機事故で発生しているということになります。

平均値としては、「1回の事故につき 115人が亡くなっている」という計算になります。

他の年と比較してみますと、たとえば、史上最も死者を伴う航空機事故が多かった 1948年と 1972年は、

・1948年 発生件数 55件 死者 738人 1回の事故での平均値は約 13人
・1972年 発生件数 55件 死者 2429人 1回の事故での平均値は約 44人


となり、2014年は、事故件数そのものは少なかったにも関わらず、「一度の事故で死亡する人数の割合が極端に高かった」ことがわかります。

2014年は、一度の事故での死者数は史上最高クラスだったということになりそうです。

そういう意味では「異常な大量死に見舞われた年」ともいえます。

これらに加えて、イスラエルのガザ侵攻(2014年7月18日)を含む紛争や内戦、あるいは、昨年から大きく露出が増えた ISIS やボコ・ハラムをはじめとするテロなどでの大量死、そして、飢餓、感染症での死者などを含めますと、2014年は「平年にはない大量死の状況」があったといえると思います。

そして、個人的には、この傾向は今年も継続するか、あるいは「さらに拡大する」という懸念を拭いきれない部分があります。

ところで、タイトルに「スーパームーン」の文字を入れたのですが、スーパームーン自体は珍しい現象ではないですが、このような「皆既月食や皆既日食の連続の中でのスーパームーン」ということもあり、ちょっとふれてみます。




スーパームーンは何かに影響を与えるか

super-moon-greek.jpg
・ギリシャのスーパームーン。AP通信 より。


スーパームーンとは、簡単にいえば、地球に月が軌道上で最も接近する時に「いつもより大きく明るく見える」現象です。

そして、このスーパームーンは、2011年以来、巨大地震などの発生と関連付けられて語られることがあります。もっとも、公式な見解ではたとえば、スーパームーン - Wikipedia には、


2011年の東北地方太平洋沖地震や2004年のスマトラ島沖地震のような自然災害は、1、2週間以内に発生しているスーパームーンに起因するという憶測があるが、スーパームーンと大地震の相関関係を示す証拠はない。


とあり、「関係を示す証拠はない」としています。

東北の震災の後は、NASA も「スーパームーンとは関係がない」と公式に発表しています。

japan-supermoon-nasa.gif

▲ 2011年3月12日の英国 メトロ より。


実際、東北の震災の時は、地震発生時の月の位置は、むしろ普段より地球より遠くにあったりしたこともあり、地震発生との「直接の関係」は見出しにくいです。

しかし、では「スーパームーンは地球に何も影響しないのか」というと、そういうこともないです。

どんな影響を地球に与えるのかといいますと、「地球の潮位を変化」させます。また Wikipedia からですが、

潮汐への影響

太陽と月からの地球の海洋に対する影響は、月が新月または満月の時に最も大きくなる。月が近点にいる時は、潮汐力はいくらか強くなる。しかし、この力が最も強い時でも、せいぜい数インチ程度の影響である。

とあります。

ここでは「インチ」を使っていますが、センチですと、最大で 20センチくらいの潮位の変化があるようです。


この・・・20センチの潮位の変化・・・この力、大したことがないと思われるでしょうか。


しかし、地球の海の水の「水量」を考えますと・・・。

地球の海水の量というのは、日本海事広報協会のサイトには、


地球上にある水の量は、すべてをあわせると14億km3にもなります。そしてその97%あまりが海水で、およそ13億5,000万km3になります。


とあります。

現実感のない質量で、想像もしにくいですが、とにかく「地球の海の水の量というのは、とんでもない質量」を持ちます。

この 13億立方メートルの海水の一部を「 20センチ動かす」のです。

いい加減な比較ですが、これは、日本列島を 20センチ浮かす、というようなパワーと同じ程度のエネルギーを地球は受けているのではないかなあと思ったりすることはあります。

いずれにしても、この「潮位の数十センチの変化」は決して弱いエネルギーではないはずです。

そこから考えますと、海だけではなく、地上にも何らかの影響を与え続けている「可能性」があることは否定できないのではないかと思う部分も多少あります。

それは、スーパームーンが近づくから地震が起きるというような単純なことではないけれども、地質レベルでは、何らかの影響を地球の地質は受けているのではないかとは思います。

それがどういう形となって出てくるのかは予測しようがないですが。




月と人間の関係

さらにいえば、そこまでのエネルギーなら、生物や、あるいは人間に影響を与える可能性も考えます。月 - Wikipedia には、「月齢と人間的事象の関連の有無」というセクションがあります。

現代においても、月齢が、人間の生理的、精神的な事象(例えば出産や、自殺、殺人、交通事故の起こりやすさ等)に影響を及ぼしているという説が語られることがある。 これについては議論が多いようである。

このような記述がありますが、科学の世界には「月の人間への影響を肯定」する学説論文があり、また。それを否定する学説論文もあります。

2007年には、イギリスの警察署が「満月の日には犯罪が増える」と発表したことなどもあります。

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▲ 2007年06月06日の AFP 満月の日には犯罪が増える?英警察発表 より。


ところで、上の Wikipedia の文の中に、

> 現代においても

という部分があります。

これは言い換えれば、「過去にはあった」ということを示唆しています。

たとえば、「月」は英語でムーン( Moon )と表記しますが、ラテン語からのルナ( Luna )から派生した英単語もあり、特に「精神異常者」と訳されるルナティック( lunatic )という英語の語源を Weblio 辞書で引きますと、

ラテン語「月に影響された」の意;昔は月から発する霊気に当たると気が狂うとされたことから

とあり、古代では、月の光が人を狂気に駆り立てるという概念が一般的だったようです。

この 3月20日の前後1週間くらいは、いろいろと混沌とする可能性もあるかもしれませんね。

そして、連続する4回の皆既月食の4回目となる 2015年9月28日までは、本当に混沌とした、あるいは「あまり明るくない時代」が続く可能性を否定できません。