・casacastruzzo
散歩の途中で見かけた冊子
今年2月に長いこと、めまいに見舞われていたのですけれど、これは結構いい機会だったんですね。
それまであまり真剣に調べなかった「めまいというものの本質」を知ることができたり、あるいは、「首」というものの重要性や、「人間本来の生活とはどんなものだったのか」というようなことも考えさせてくれることになりました。
「人間本来の生活」というのは大げさですが、要するに、本来の人間は動く生き物だということで、最近の私は動かなすぎだったということはあります。
東京の西荻窪にいた頃は散歩が好きで、長い時には3時間くらい散歩していました。
西荻窪から吉祥寺のあたりは、「些細なカオス」がいたるところに散らばっていて、毎日散歩しても飽きなかったのですけど、ところが、所沢に越してきてから、どうも散歩をしていなかったのですね。
理由は明白で、「散歩しても見るものがない」のです(苦笑)。
しかし、ちょっとしたキッカケで最近、また散歩を始めています。
それは3月の始め頃、隣の駅にある脳神経外科の先生と話していた時からでした。
めまいの相談に行っているのに、
「毎日、ラジオ体操をして、散歩してみて下さい」
と言われたのです。
それは冗談ではなく、それでめまいが改善した人がいくらでもいると言うのです。それで、ラジオ体操を1日2回始めましたら、数日でめまいが引いていって、それから散歩も少しずつおこなうようになりました。
ちなみに、この脳神経外科の先生から、私は「行動」ということに対して、大変感銘を受けさせていただいた人であり、名医なのかどうかは私にはわからないですが、とても好きな先生のひとりです。
それは、昨年はじめて行った際に、つまり初診の時なんですが、私が診察室に入った時に、その先生は、「よろしくお願いいたします」と言って椅子から立ち上がって、手を前に置いて、深々と私にお辞儀をしたのです。
私は、患者に対して「立ち上がってお辞儀をしたお医者さん」を見たことがありませんでした。多分、初診の患者さんには皆さんにやっているのだと思いますが、これは意識していても、なかなかできるものではないと思います。
その姿を見まして、「お辞儀っていいものだなあ」と再認識しまして、私もお辞儀をする時はきちんとしよう、と、その体験から心がけています。
まあ、そんなわけで、最近は散歩を2日に1度くらいはしているのですが、「何も見るものがない」と思っていた風景も、よく見ればいろいろとあるものです。
今日は、近所に何本かある桜の木を見ようと歩いていました。
もうこのあたりでは、満開を少し過ぎたくらいの感じで、見事な桜の姿があちこちで見られます。
でも、意外と桜の木を眺めている人っていないもので、そんなこともあり、本当はボケーッと突っ立って見続けたいのですが、それもかなわず、「歩いていたら、こんな所に桜が」というような演技をしながら、桜を見て帰ってきたのですが、近所の本屋さんの外の雑誌が並べてあるコーナーがふと目に入りました。
ふだんは、その本屋の棚を見るということはないのですが、何となく目にしたところにあったのは、健康系の冊子でした。『爽快』とか、あっち系の健康雑誌のムックだと思うのですが、『免疫を高めると病気は勝手に治る』というものでした。
別に立ち読みをするでもなく、しかも、そんなに安い本ではないのですが、何となくそのまま買ってしまったのでした。
「なんでオレはこんなもん買ってるんだろ」
と思っていましたが、最近の「健康調べ癖」が影響していたのかもしれません。
「薬をやめなさい」という西洋医学の方向があったのですね
これは、新潟大学名誉教授の安保徹さんという方が監修されていて、日本自律神経免疫治療研究会に所属の医師の方々が執筆されているもので、つまり、完全な「西洋医学の本」なのですが、ちょっと読みますと、この本の主旨は、
「すべての薬をやめること」
の方向で書かれているものだったのです。
いろいろな記事があるのですが、その中に、高木智司さんという神経内科が専門のお医者さんが書かれた、「なぜ、薬は体に悪いのか? マクロファージとアセチルコリンに注目したら、その理由が判明」という記事があり、それを読みまして、はじめて私は、
基本的にすべての薬は人間の自己治癒力を弱めている
ことを知ったのでした。
今回は、その部分を抜粋してご紹介したいと思います。
決してわかりやすい記述ではないのですが、そこには、人間が本来持っている自己免疫力が「薬によって破壊されるシステム」が、書かれています。
これを、簡単に私の言葉で書きますと、
西洋医学の薬の作用は、「症状を出している原因の経路を遮断する」という方向にあり、これは確かに症状に効果はあっても、人間の自己免疫を促すシステムも「遮断」してしまう。
と理解しています。
本当に目からウナギが落ちるような(恐いわ)、いや、目からウサギが落ちるというか(もっと恐いわ)、まあ何が落ちてきてもいいんですが、西洋薬の「原因の遮断」という方向が、「自己免疫能力の遮断」と結びついていたということを知ったことは相当自分の人生に影響を与えそうです。
なお、専門用語がたくさん出てきます。
その中でも、理解しておかないとわかりにくいものを Wikipedia などからの説明で記しておきたいと思います。
アセチルコリン
アセチルコリンは神経伝達物質である。副交感神経や運動神経の末端から放出され、神経刺激を伝える。
抗アセチルコリン薬(抗コリン薬)
アセチルコリンがアセチルコリン受容体に結合するのを阻害する薬物のことである。抗コリン作動薬とも呼ばれる。この抗コリン作用によって副交感神経が抑制される。
この抗アセチルコリン薬が、人間の自己免疫システムの妨害をしているという主旨ですが、抗アセチルコリン薬というのが、どのくらいの薬の範囲にわたっているかといいますと、まず、抗ヒスタミン薬、つまり、
・かぜ薬全般
・花粉症などのアレルギーの諸症状を緩和する薬
・睡眠改善薬
・乗り物酔いの薬
さらに、
・多くの抗うつ剤(三環系抗うつ剤)、
・不安症やパニック障害等に処方される精神安定薬の多く(ベンゾジアゼピン系)
・胃腸鎮痙薬
・抗精神病薬
・パーキンソン病の薬
と、非常に多くの薬が、この抗アセチルコリン薬といえるわけで、これらが「人間の自己免疫能力を低下させる」のだそうです。
簡単にいえば、「かぜを治すためにかぜ薬を飲んでいること自体が、かぜの治りを遅くしている」と言ってもいいのかもしれないのです。
あと、マクロファージも記しておきます。
マクロファージ
マクロファージは白血球の1種。生体内をアメーバ様運動する遊走性の食細胞で、死んだ細胞やその破片、体内に生じた変性物質や侵入した細菌などの異物を捕食して消化し、清掃屋の役割を果たす。とくに、外傷や炎症の際に活発である。また抗原提示細胞でもある。
免疫系の一部を担い、免疫機能の中心的役割を担っている。
本来は、人間の体はこのマクロファージの働きで、ほとんどの病気は「自己免疫で治癒していく」のが、薬によって妨げられているというのです。
つまり、「薬を飲めば飲むほど、人間の免疫能力は落ち、病気は深刻化していく」ということです。
確かに、現在の日本や主要国の現状、つまり、高齢者で薬を服用していない人はほとんどいないというような現状を見ますと、現在の「不健全な高齢化社会」になってしまった理由がわかる気がします。
その高木智司医師の文章の一部を抜粋します。
実際には非常に長いものですが、
私たちの情報伝達システムは生命の存続を基盤に、いっさいの隙なく設計されています。生命の存続に最も重要な自然治癒力は、マクロファージとアセチルコリンという、動物進化を支えた絶対的な力で守られています。
ということを前提にして、後半部分を抜粋してみたいと思います。
太字の部分は、実際に本の中でも強調されていた部分です。
なぜ、薬は体に悪いのか? マクロファージとアセチルコリンに注目したら、その理由が判明 より
高木智司
西洋薬はアセチルコリンの作用を阻害するから治せない
マクロファージとアセチルコリンに注目してわかったのが、現代医学の根本的な矛盾でした。それも単純明快な話です。西洋薬の大部分が、神経伝達によって最終的にアセチルコリンの作用を阻害するから、病気が治らないのです。
しかも、アセチルコリンの働きは実に多様です。細胞膜の重要な成分として膜の機能を調整しているし、脳では体の日内リズムの形成や記憶、感情などを司る働きもしています。
アメリカには、「抗アセチルコリン剤を継続的に服用している高齢者の8割に、軽度の認知障害が認められる」との報告があります。これは、弊害のひとつに過ぎません。抗アセチルコリン剤の常用は老化を促進し、脂肪肝、腎臓の壊死、動脈硬化、脳出血、うつ病、統合失調症、発達障害などの発症リスクを高める事実を知るべきでしょう。
そして、さらなる危険をはらんでいるのが、医学の行き詰まりを打開する新薬として注目される、分子標的治療薬です。それも、分子標的薬の多くがマクロファージの働きを阻害する目的で開発されているからです。
その理由は、マクロファージが血管を新生し、炎症やガンの成長を促進し、病状を重くするからだそうですが、それは大いに疑問です。
マクロファージが免疫細胞として処理しているのは、主に老廃物や、古くなった細胞です。炎症は代謝の亢進反応ですから、老廃物がふえますし、ガン細胞も新陳代謝を繰り返しながら成長します。
ですから、マクロファージが集まってくるのは当然ですし、そのマクロファージが血管を作るのも、老廃物や老化したガン細胞の処理能力を高めるためでしょう。
このように、マクロファージが引き起こす反応にはすべて意味があります。しかも、それらはすべて自分の分身、さらにいえば自分自身を守るための反応だからこそ、間違いはありえなかったのです。その大原則を理解してほしいと思います。
高木智司
西洋薬はアセチルコリンの作用を阻害するから治せない
マクロファージとアセチルコリンに注目してわかったのが、現代医学の根本的な矛盾でした。それも単純明快な話です。西洋薬の大部分が、神経伝達によって最終的にアセチルコリンの作用を阻害するから、病気が治らないのです。
しかも、アセチルコリンの働きは実に多様です。細胞膜の重要な成分として膜の機能を調整しているし、脳では体の日内リズムの形成や記憶、感情などを司る働きもしています。
アメリカには、「抗アセチルコリン剤を継続的に服用している高齢者の8割に、軽度の認知障害が認められる」との報告があります。これは、弊害のひとつに過ぎません。抗アセチルコリン剤の常用は老化を促進し、脂肪肝、腎臓の壊死、動脈硬化、脳出血、うつ病、統合失調症、発達障害などの発症リスクを高める事実を知るべきでしょう。
そして、さらなる危険をはらんでいるのが、医学の行き詰まりを打開する新薬として注目される、分子標的治療薬です。それも、分子標的薬の多くがマクロファージの働きを阻害する目的で開発されているからです。
その理由は、マクロファージが血管を新生し、炎症やガンの成長を促進し、病状を重くするからだそうですが、それは大いに疑問です。
マクロファージが免疫細胞として処理しているのは、主に老廃物や、古くなった細胞です。炎症は代謝の亢進反応ですから、老廃物がふえますし、ガン細胞も新陳代謝を繰り返しながら成長します。
ですから、マクロファージが集まってくるのは当然ですし、そのマクロファージが血管を作るのも、老廃物や老化したガン細胞の処理能力を高めるためでしょう。
このように、マクロファージが引き起こす反応にはすべて意味があります。しかも、それらはすべて自分の分身、さらにいえば自分自身を守るための反応だからこそ、間違いはありえなかったのです。その大原則を理解してほしいと思います。
ここまでです。
ところで、これを書かれた高木医師は神経内科が専門ですので、他のページの記事に「抗うつ剤」のことについて書いていまして、そこにはこのようにありました。
抗うつ剤は、まだ使われ始めて 20年ほどの歴史しかないため、未解明な点が多い薬です。最も心配なのは、副作用。例えば、未成年では自殺リスクが2倍に高まり、暴力性は平均 8.4倍高まるとされています。自動車事故の危険性が 70%高まるという報告もあります。
薬をやめようとすると、めまいや知覚障害といった、離脱症状が現れるため、薬漬けになる人が少なくありません。さらに問題なのは、抗うつ剤の危険性が、医師にすら十分に認知されていない点です。
近年では、専門外の医師が、深く考えずに抗うつ剤を処方することもあります。
と書かれていましたが、
> 暴力性は平均 8.4倍高まる
これは驚きましたね。
「ほんまかいな」と思い、調べてみましたら、「抗うつ剤が原因の暴力と自殺についてのアメリカ食品医薬品局( FDA )の報告」というタイトルの記事がありました。
・Violence and Suicide Caused by Antidepressants Report to the FDA
今から、11年前にこんな報告があったのですね。
そして、それ以来、さらに爆発的に伸び続けている抗うつ剤市場。
抗うつ剤市場規模の推移
・シーマ・サイエンスジャーナル ai Report2011 抗うつ剤
2004年からだけでも、抗うつ剤の市場規模は倍にはなっています。
何だかもう・・・ダメだなこりゃ。
しかし、私は上の「薬が自己免疫を低下させる」という文章を読んで、本当に腑に落ちた部分があるのです。
私は若い時にパニック障害で、結構な期間、薬を飲んでいました。
それは上にもあるベンゾジアゼピン系といわれるもので、不安神経症やパニック障害の人たちに最も多く処方される「定番」の薬です(私が服用していたのはレキソタンという薬)。
その一覧は、ベンゾジアゼピンの一覧にありますが、多分、この中のどれかを服用した経験のある方は非常に多いと思います。普通の内科でも処方されることも多いです。
これが「抗アセチルコリン薬」だと、今回初めて知ったのですが、確かに薬を服用していた時には、まずはカゼを引きやすい。
そして、原因不明の体調不良が多い、などをたくさん経験しました。
今の年齢で原因不明の体調不良ならわかりますが、その頃はまだ 20代前半ですからね。
そして、30代の前半には、深刻な原因不明の微熱と体調不良に数ヶ月ほど陥ったこともありますが、今思うと、あれも・・・。
もちろん、すべての薬が抗アセチルコリン薬ではないですので、タイトルの「すべての」という表現は間違っていますが、「ほとんど」とは言えると思います。
そして、この高木医師の書いていることは、この本の監修でもある「日本自律神経免疫治療研究会」に所属している医師たちの共通認識だと思われます。
薬漬けは良くないよなあ・・・と、何となくは誰でも思っているわけですけれど、具体的な論拠を知らなかったですので、「それでも薬は効くこともあるし」というようなとらえ方をしていました。
しかし、どんな薬でも、長期的な服用は「必ず悪い方向に行く」ということがわかった気がします。
もちろん、緊急に服用しなければならないような薬はともかく、「薬を飲む機会を減らしていく」ということは大事なことなんだと始めて理論的に知ることができました。