▲ 宮城県白石市で撮影された桜の中に浮かぶ皆既月食。Daily Mail より。
月食の悪魔ラーフが怒るから
昨晩( 4月4日)は、
・テトラッドの3回目の皆既月食がやってくる中で何だかいろいろとおかしい : トルコとオランダの大停電、CERNの大型ハドロン衝突型加速器の故障、相次ぐ事故や爆弾予告
2015年04月01日
という記事などで、これまで何度か記してきましたが、4回連続する皆既月食の3回目が観測された日でした。
その昨日の夜、うちの子どもが、
「あ、今日、4日だよね」
と言いました。
わたし 「何かあるの?」
子ども 「今日、8時過ぎから皆既月食が見られるんだよ」
わたし 「ああ今日か。でも、曇ってるから見えないよ」
子ども 「いちおう見に行こうか」
わたし 「そんなもん見なくていいです」
子ども 「なんで?」
奥さん 「なんで?」
わたし 「それはちょっと話すと長いけど、まあ伝統的な話として」
というわけで、いずれにしても、私の住んでいるあたりは悪天候で見られなかったと思いますけれど、過去記事の「月食を司る不滅の魔神 ラーフ」などにありますように、伝説や伝統的には、「日食や月食の前後の空を直接見ることは不吉」だというようなことが比較的広く言われています。
そんなわけで、「伝統を守りましょう」というような話なんですが、月食をめぐっては、2011年にタイで下のような出来事が起きています。
月食う悪神払え 月食で空中に発砲、タイ各地でけが人
newsclip 2011.12.12
月食となった12月10日の夜、月を食べるとされる悪神ラーフーを追い払うためと、タイ各地で住民が空中に発砲し、落下してきた銃弾で数人がけがをした。
タイ字紙マティチョンによると、東部パタヤ市ではピックアップトラックの荷台から月食を眺めていたホテル従業員の男性の足に銃弾が当たった。中部ナコンナーヨク県では落下してきた銃弾が民家の屋根を突き破り、住人の女性の胸をかすった。
拳銃を空に撃つのは勘弁してほしいですが、「タイ各地で」とありますように、月食のたびに同じようなことが繰り返されている地域もあるようです。
ところで、昨日は皆既月食の空は見なかったのですけれど、ただ、皆既月食の時は、曇っていても「空は赤く染まる」ということを、今日のデイリーメールの写真で知りました。
アメリカのニューヨークも昨日は雲っていたようなんですが、下のように、「月が雲を血の色に染めた」というような写真が掲載されていました。夕焼けのようですが、これは皆既月食で赤く染まった 4月4日の夜のニューヨークの空です。
・Daily Mail
なお、子どもによれば(どこで見聞きしたのかわからないですが)、桜の満開の時期に皆既月食が起きるというのは珍しいことなのだそうで、次に起きるのは、28年後(これはこちらで確認しましたので本当のようです)だそう。
そして、前回、皆既月食と桜のシーズンが重なったのは 197年前だったと、子どもは言ってましたが、これは確認できないですので、多分、うちの子どもの思い違いか何かだと思います。
いろいろな面で珍しかった4月4日の皆既月食
いずれにしても、桜の満開の時期と皆既月食が重なることは珍しいということで、さらに、今回の皆既月食の少し前には、
・スーパームーンと皆既日食が重なった後に続いて「4連続する皆既月食の3回目」の日がユダヤ教の過越祭と共にじきにやって来る
2015年03月18日
という記事で書きましたように、「1日のうちにスーパームーンと皆既日食が重なる」という比較的珍しいことも起きていますので、
・スーパームーンと皆既日食が重なる
・4回連続する皆既月食
・桜の満開の季節と皆既月食が重なる
というように、いろいろと珍しいことが重なった皆既月食だったようです。
しかも、皆既日食と同じ 4日、太陽では磁気フィラメントからのフレア(爆発)による CME (コロナ質量放出)が発生、という賑やかな天体ショーが続いた日でもありました。
▲ 2015年4月5日の Spaceweather より。
このフィラメントの爆発は 30万キロメートルに及ぶ巨大なものでしたが、地球方向にはダイレクトではないので、「おそらくは地球への CME の影響は少ないだろうが、今のところはまだよくわからない」とスペースウェザーは記しています。
そういえば、全然関係ないですが、上のほうで、「桜のシーズンと皆既月食が重なる」ことについて書いたのですけど、今年、寒波が続いたアメリカ北東部ですが、それも関係しているのでしょうけれど、首都ワシントンD.C. では、記録がとられて以来、はじめて「3月に桜が開花しなかった」そうです。
・Real Science
皆既月食と桜のシーズンが重なるのは、次は 28年後らしいですが、日本も 28年後に気候が大きく変化して、桜の開花の時期も変わっていたりすることもあるのかもしれません。
まあ、28年後ともなると、桜の存在そのものも含めて、いろいろと激しく変化している可能性の方が大きいような気はしますが。
テトラッドの4回目の皆既月食まであと半年
いずれにしても、2014年4月15日から始まった「4回続く皆既月食」の3回目と、ユダヤ教の過越(すぎこし)祭のシンクロの時期を通過しました。
▲ 過去記事「赤い月と黒い太陽: 2014年から 2015年まで「4回連続する皆既月食」がすべてユダヤ教の重要宗教祭事の日とシンクロ」より。
この1年の間に起きた、大量死を伴う事故や、IS やボコ・ハラムなどを含む、多くの犠牲者を出し続けている戦争やテロの数々を思い出しますと、あまり実感はないけれど、「想像以上のものすごい時代の中を生きている」ことに気づきます。
そして、次は、9月13日の部分日食を経て、9月28日に、再び「ユダヤ教と重要祭事と皆既日食がシンクロ」します。
これからの約半年の時期がどんな時期になるかの想像は、やはりできないですが、「何となく事故や、何かに巻き込まれることが起きやすいかも」程度に注意して生活するのも悪くはないのかもしれません。特に海外に行かれる方は。
赤い月・・・といえば、2012年から2014年にかけては、やたらと川や海が赤くなっていたことを思い出します。In Deep の記事を検索してみますと、「赤い海」や「赤い川」関係の記事だけで、10本近くあることがわかります。
オーストラリア・ボンダイビーチ 2012年11月26日
▲ 2012年11月28日の記事「2012年の「赤」の意味: DNA を持たずに増殖する「赤い雨から採取された細胞」とつながる人間の赤血球」より。
中国 浙江省 温州市 2014年7月25日
▲ 2014年07月28日の記事「赤い血と赤い月、そして大量の犠牲が続く中で読む…」より。
そして、その後の 2014年から2015年にかけての現在は2年にわたり月が赤くなり続けています。
水…… 夜空…… と来て、次は何が赤くなると考えるといいのでしょうかね。