
▲ 2015年07月07日の英国王立天文学会ニュースプレスより。
南と北が「非対称の磁場」である太陽
今回記事のタイトル「太陽が割れてきた」というのは、上の王立天文学会プレスリリースの「太陽磁場は、太陽の南北の分割を示している?」というものを、そのまま書いたものなんですが、よく読みますと、このタイトルは「やや大げさ」ではあります。
英国ウォーリック大学のジュゼッペ・ニスティコ博士という方と国際チームが、NASA の太陽観測衛星 STEREO のデータを使っての調査で、
太陽の磁場が、南の極と、北の極で《非対称》になっている
かもしれないことを見出したというものです。
太陽の磁場というと、具体的にはともかく、何となく下のような「中心を軸として、対照的で、均等な紋様を描く」かのようなイメージを持たれることが多いのではないでしょうか。
例としての太陽の磁場のイメージ

・NASA
しかし、今回の研究によると、太陽は、「南と北でバラバラ」の磁場の紋様を描いているという可能性があるようです。
あるいは、
「以前はそうではなかったけれど、最近になって、そのようになってきている」
ということかもしれないです。
まあしかし、太陽はこの数年間、如実に変化していましたからね。
3年前の記事で、
・奇妙な太陽のポールシフトは太陽系全体に影響を与えるか?: 国立天文台が発表した「4極化する太陽磁場」
2012年04月21日
という「太陽の磁極が4つになる」という国立天文台などの発表をご紹介したことがあります。
下の図は、国立天文台の発表をもとに作成したもので、左の「2008年の太陽」と書かれてあるのが、それまでの普通の太陽です。北極にマイナス磁場である「S極」があり、南極にプラス磁場であるN極があるという対極したふたつの磁場があります。

右の太陽は、国立天文台が今回発表した 2012年以降の「4つの磁極」があらわれるという状態になる太陽の磁場の予測・・・なのですが、その後、たとえば今、太陽の磁場がどのようなことになっているのかは、その後の発表や報道がありませんので、よくわかりません。
いずれにしても、「太陽」という存在は、研究が進めば進むほど「従来考えられていた存在とは何かちがうもの」のような感覚を持たせてくれる示唆が次々と出てきます。
こうなってくると、太陽というのは、もう本当に何か全然、私たちの今の科学で説明されているものとちがうものなのではないかという気さえしてきます。
太陽の役割
太陽などについて、「プレアデスの自称姐さんはどう言っているのかな」と、パッと適当に本をめくりますと、太陽に関しての記述があります。
『プレアデス+地球をひらく鍵』より
太陽はあなた方の太陽系の統治者であり、あなた方が住居するこの地球を支配する知性の所在地です。
多くの文化のなかで、太陽は神のように、この世界を統治する知的なエネルギー体として崇められています。
太陽に住んでいる存在がいると聞いたら、みなさんはびっくりするでしょうか。
太陽は幻想にすぎません。非常に高度な進歩を遂げた世界は、みずからを太陽のように見せかけて、光の力によって侵略から身を守ることができるのです。
地球の科学者が言うような、ただガスが燃焼しているだけの存在ではないのです。
地球の科学は、生命についての解釈を非常につまらないものにしてしまいました。科学は楽しさ、生命力、心のときめき、神秘性といった要素を生命から奪ってしまいました。
科学のために、生命はまるで何の意味もないかのように、ありきたりで退屈なものにされてしまいました。太陽に何の意味もないなんて想像することができるでしょうか。
これについて考えてみてください。現在、太陽に対する恐怖心をかき立て、太陽を否定的なものとするキャンペーンが展開されています。
自然は安全ではないと科学が主張したことによって、人々は自然とのつながりをこれまでのように感じなくなってしまいました。
太陽、自然、地球にに対する猜疑心が、現在あなた方が直面している、危機の原因となっています。
それはつまり、あなた方が住んでいる家を尊重し、大切にするき気持ちがないということです。
この中のある部分を読みまして、「ああ、これは・・・」と思いました。
それは、
> 太陽に対する恐怖心をかき立て、太陽を否定的なものとするキャンペーンが展開
の部分です。
このブログでも、かつてさんざん太陽フレアの脅威などについて書いたことがありまして、私の「太陽を否定的なものとするキャンペーン」の一端を担った「罪」というものもあります。
それらの証拠となる数々の記事は、こちらのリンクにあります。
とはいえ、特大のスーパー太陽フレアが地球を直撃した場合、大きな影響が出ることは事実です。
・1859年の規模の「超」太陽嵐がもし現代の世の中に発生したら
2010年10月20日
などに書きましたように、地球の文明がおそらくは「復旧の目処が立たないほど」破壊されてしまうことは確かです。
特に、
・電力送電網の崩壊(永続的な停電)
・通信システムの崩壊
・放送網インターネットシステムの停止
・コンピュータシステム(軍事、医療、政治含めて)の停止
・移動手段の停止
・物流とインフラの停止
・食料供給へのダメージ
などは厳しいものとなることが考えられます。
これらが起こることは良いことではないかもしれません。
しかし、ここでふと、最近加えた「革命カテゴリー」にある記事などを思い出すのです。
たとえば、
・資本主義の崩壊と、この文明の崩壊は《「破壊」は「創造」に対しての愛》という観点から私たち人間にとって「最も幸せなこと」だと確信してみる
2015年07月09日
で、確信するに至りました「創造の母は、破壊」であり、さらにいえば、
破壊は、愛
であるということ。
そして、前回の記事のラストのほうに、「社会を子どもたちに返還する」ということに対して、
そのような劇的な変換(かつての日本への回帰)がおこなわれるためには、現在の日本のシステムか文明そのものが終焉する必要があります。
というようなことを書いています。
システムか文明の終焉。
この「必ず通過しなければならない概念」を・・・もし・・・ですけど、私たち人間自身が、地球を変えることができない場合、
それを太陽がやってくれる
ということをふと思うのです。
新しい世界の創造のために必要な破壊と、それをなしうることができるのは、太陽と小惑星と彗星くらいしかないとしか思えないのです。
小惑星たちは、注意深く地球の状態に応じながら軌道を周回し、場合によって、たまにその軌道を外れ、太陽は、フレアを放出する。
巨大フレアは、太陽活動が活発(黒点が多い状態)な時に発生しやすいという思い込みがありますが、現実は、活動状態とは関係なく、太陽はいつでも超巨大フレアを放出させることができます。
事実、過去 200年で最も強いレベルの太陽フレアは「過去 200年で太陽活動が最も弱い時」に発生しています。
それは 2012年7月23日の時でした。
この日、場合によっては「地球の文明は終わっていた」かもしれないことを報道していた アメリカの経済誌フォーブスの 2014年の記事をご紹介したことがあります。
・2012年 7月 23日に地球の文明は太陽によって「終末」を迎えていたかもしれなかった
2014年03月21日

▲ 2014年3月19日のフォーブスより。
この時の太陽フレアが仮に地球を直撃していれば、「地球は数千年前に逆戻り」していたかもしれないというようなことが書かれてあります。
それにしても、なぜ、経済誌のフォーブスがこのような記事を取り上げたかといいますと、この時の太陽フレアが地球を直撃していれば、その損害額は数百兆円規模の算定不可能なものとなっていた可能性があり、何年も文明が再興できなかった可能性があるためでした。
太陽は、「未来の地球」を創造するためなら、いつでもやってくれると思います。
2012年7月23日のフレアは、そのことを私たちに知らせてくれてイベントだったのだと確信します。
私たちの自然は本来人間の敵じゃない
それにして、自称プレアデスの人・・・うーん、この呼び方も味気ないですね。
これからは「自プちゃん」と呼びます。
自プちゃんの言う、
> 自然は安全ではないと科学が主張したことによって、人々は自然とのつながりをこれまでのように感じなくなってしまいました。
というのは、私も最近になって、そう感じるようになりました。
自然のほとんど(実際にはすべてなのでしょうけれど)は、その存在も現象も人間のためにあるというように考えると、私たちも、地球との関わり合いのありかたを少しちがって考えられるような気がするのです。
少し前に、
・地球の3分の1の地下水源が枯渇しようとしている
地球の記録 2015年07月13日
という記事を書いたのですが、これは、帯水層と呼ばれる地下の水脈源が、地球全体でどんどん枯渇していっていることをご紹介したものでした。
そのこと自体はともかく、その世界の帯水層の地図を見ると、日本には巨大な帯水層というものがないことに気づきます。
となると、日本はたえず、大雨など「空からの水」がないと、豊かな自然体系や、もちろん人間が使う水にしても、常に不足気味になるような場所であるように見えたのです。
そこで、
「なぜ日本は地理的に台風が頻繁に直撃する場所にあるのか」
という疑問もすんなり解けるのでした。
その理由は、台風があってこそ、日本は文明を存続できるからです。
帯水層の分布を見る限り、春から秋の台風がなければ、日本の多くは慢性的な水不足にさらされ、基本的に人間が住むには苦しい場所になるはずです。
台風のおかげで、日本人は文明を存在し得た。
そして、世界の地図を見ますと、台風やモンスーン、ハリケーンなどに度重なり見舞われる上に「人が多く住んでいる土地」には、巨大な帯水層がほとんどないことがわかります。
世界の主要な地下水源(アジア〜アフリカ)

・NASA
台風も豪雨も大雪も「自然に備わった素晴らしいシステム」であり、台風やモンスーンやハリケーンの意味は、その土地に豊かな自然と、人間が文明を築くために「用意」されたものだと。
あるいは逆をいえば、日本を含めた多くのアジア地域では、
台風やモンスーンが消えた場合、人間が住めない場所になる。
ということになると思います。
台風もまた最大の「恵みの神」であることがわかるのです。
しかし、どんなことでも、現代社会は「災害」という一言で括ってしまいます。
台風も太陽フレアも全部悪者で、自然や宇宙は「危険ばかり」という観念が広く浸透してしまった。
そういう意味では、虫の大量発生や、疫病、地震などを「悪」として描いている「聖書」に最近やや疑念の思いもあるのですが、そのことは今回はふれません。
この宇宙と地球の大自然で、人間の営みのために協力しないものは存在しないということが、こんなに年をとってしまったとはいえ、最近になって、ようやくわかりかけています。
それもこれも、キッカケは、野口晴哉さんの『風邪の効用
「風邪ウイルスは人間のために作用している」
ことを知ってからでした。
このことは、
・人間にとって最も日常的で慈悲深い治療者は風邪ウイルスかもしれないこと…
2015年04月21日
という記事に書きました。
この「風邪は自然良能である」という野口さんの知見を知り得たことは大きかったです。知ったのは、ほんの3ヶ月前のことですが、それ以来多くのものが「自然良能だ」と思えるようになっています。
(本当は「全部が自然良能」なのでしょうけれど、そう思えるまでには至っていません)
そんなわけで、英国王立天文学会の研究で示唆された「太陽の構造の非対称性」も、地球に与える影響として、何らかの意味を持っているはずです。
そういえば、この王立天文学会が、最近、「地球はミニ氷河期に入る」ことを、総会で全会一致した意見として採用したことが報じられていました。少しご紹介しておきます。
地球は15年後“ミニ氷河期”に入る」英国王立天文学会で発表
IROIRO 2015.07.13
先週、イギリスのウェールズで開催された英国王立天文学会総会で、「今後15年以内に、地球はミニ氷河期といえる時代に入る」という予測が発表された。これは太陽を専門に研究する学会員の一致した意見で、「97%確実」であるとのこと。
研究者たちを代表してこの発表を行なったのは、英国ノーザンブリア大学のヴァレンティナ・ジャルコヴァ教授。
ジャルコヴァ教授は、「太陽の活動は、2030年あたりには今と比べて60%減衰する」と言う。また、この予測は「97%」確実であるとのこと。
ということです。
ミニ氷河期の「自然としての意味」ってどんなものなんでしょうかね。
考えてみたいです。
それでは、ここから本記事です。
Does the solar magnetic field show a North-South divide?
王立天文学会 ニュース&プレス 2015.07.07
太陽磁場は、太陽の南北の分割を示しているのか?

毎秒 200〜500キロメートルの間の速度で太陽のコロナを通過する噴射の研究は、太陽の磁場によるプラズマの動きの速い行列が、南半球よりも北半球ではるかに強く偏向されていることを示す。
この太陽の南と北での非対称性は、太陽の磁場を発生させる機構である「太陽ダイナモ」に対しての理解に重要な意味を持っていると思われる。
この研究結果は、2015年7月8日に、英国ウォーリック大学のジュゼッペ・ニスティコ博士( Dr Giuseppe Nisticò )によって、ランディドノーでの国立天文学会議で発表される。
ニスティコ博士と国際研究チームは、2007年3月から 2008年4月の間に発生した 79の太陽の極の噴射を研究してきた。
この研究は、NASA の太陽調査プロジェクト STEREO (太陽立体化計画 )によって観察したものだ。STEREOは、太陽の軌道に沿って地球から離れて、反対方向に周回している双子の衛星だ。
NASA の STEREO

・STEREO
二機の衛星により運ばれる STEREO のふたつのデータが、太陽の立体観察を可能にする。ニスティコ博士と研究チームは、双子のSTEREO探査機によって同時にコロナ噴出を観察するために、極端紫外線撮像装置(EUVI)と呼ばれる撮像装置と、COR と呼ばれる機器の画像を使用した。
特定されたそれぞれの噴出のために、研究チームは、太陽の南側と北側共に、太陽表面から 70万キロメートルの距離で、噴出と太陽との角度を測定した。北と南の2つの測定場所の間には、約 10分の時間遅延がある。

ニスティコ博士は、以下のように語る。
「STEREO は、太陽の異なる層を調べることができますので、私たちは時間をかけて噴出の進行状況を見ることができるのです。 EUVI は、太陽の表面に祝言した噴出を示し、 COR1 は、太陽の大気やコロナを通じて進行状況を表示します」
「噴出が低いところから高いところに移動する時には、それらの噴出は、磁力線によって”案内”され、直線ではなく、むしろ丸く追随していきます。しかし、太陽の極に近い噴出を分析すると、この偏向量が異なるという意外な事実を示すのです。」
「私たちは太陽の南よりも北の極で、相当大きな偏向(変位)を確認しました。このことが、私たちに疑問を生じさせます。・・・この太陽の極の噴出は、『太陽の磁場が南北で対称ではない』ことを示している?・・・という疑問です。」
「初めて黄道面に周回する宇宙船から太陽の極地の機能の測定を行うことの難しさにもかかわらず、私たちは、太陽コロナの全体的な構造のトレーサーとしての冠状の噴出を研究できました。そして、南北非対称性としての太陽のそれぞれの存在の独立した指標をさらに提供しています」
「将来的には、ソーラー・プローブ・プラス( NASA の太陽コロナの観測のための探査機)と、ソーラー・オービター(欧州宇宙機関が開発中の太陽観測衛星)が、太陽に近い位置からの極の直接観測によって、太陽の南北非対称についての新たな洞察を提供するでしょう」