2015年07月16日



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新たな段階に入った感のある大量死が示すことは「地球の磁場異変」の最終章?:フロリダの「鳥の謎の大消滅」と、オランダのウナギたちの自滅を見て思うこと



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▲ 2015年07月07日の米国フォックス・ニュースより。






 

すべての巣と卵を放棄して「一夜にして」消滅したフロリダの数千羽の鳥たち


春頃から「大量死報道」の記録を続けていますが、今回も基本的には、大量死の報道の記録です。

昨日アップしようと思ったのですが、まとめるのが予想外に時間がかかってしまいました。

なお、今回は妙に気になる事例が2つありまして、そのニュースを先にご紹介したいと思います。

ひとつは、アメリカのフロリダ州での「大型の鳥の大量消滅」という出来事です。

フロリダ州のメキシコ湾岸にあるシーホース・キーという島は、「鳥たちの楽園」として知られている場所で、サギやペリカンなど多数の大型の鳥たちが、春から夏に繁殖を行う場所でした。

普通だった頃のシーホース・キー
Seahorse-Key.jpg
Earthfiles


「でした」と書きましたのは、今はここは「デッドゾーン」となっていて、鳥はまったくいないのです。5月の「ある日」、数千羽の鳥たちが、一斉に消えてしまったのでした。1番の疑問は、子育て中だった鳥たちが、

「すべての巣と卵を放棄して消えてしまった」

ということで、いわゆる本能的な問題から考えても、普通ではあり得ないことで、今、アメリカでは大変な話題となっています。

このことを取り上げた、アメリカのフォックス・ニュースの記事をご紹介します。




Bird mystery: Thousands disappear and abandon eggs, nests on island off Florida's Gulf Coast
FOX NEWS 2015.07.07


鳥の謎:フロリダ州の湾岸の島で、数千羽の鳥たちが巣と卵を放棄して消滅


生物学者たちは、何千羽にものぼる繁殖中の鳥たちが、巣を放棄して消滅してしまった理由を見つけ出そうとしている。

フロリダ州の湾岸にある鳥たちの繁殖地として名高いシーホース・キー( Seahorse Key )で、突如として、巣作りをしていた鳥たちが一斉に消滅してしまったのだ。青サギ、ヘラサギ、シラサギ、そして、ペリカンなど数千羽の鳥が、5月のある日に一斉に島からその姿を消してしまった。

アメリカ魚類野生生物局の生物学者ヴィック・ドイグ( Vic Doig )氏は、「メキシコ湾岸内で最大の鳥の繁殖地だったシーホース・キーが今や”デッドゾーン”と化してしまっている」と述べる。

科学者たちは、病気、汚染物質、何ものかに捕食される、などのすべての理由についての兆候はないと語る。原因はまったくわかっていない。

生物学者たちは今回の鳥たちの「巣の放棄」に波及効果がある可能性があるため、懸念を持つ。この場所には、毎年多くの鳥類たちが戻ってきて繁殖を行うのだ。

また、この「消失」が、このシーホース・キーの生態系にどんな影響を与えるかについてはまったくわからないという。この場所には鳥たちに依存して生きている生物たちがおり、それらにどのように影響するかがわからないためだ。





ここまでです。

今月の始め頃に、

大量死の時代に生きる意味:鳥のいない地球をもたらすのは磁場の変化なのか…
 2015年07月03日

という記事で、アイダホ州の広範囲で起きていた「鳥が空から落ちてくる」という出来事をご紹介したことがありますが、今回のフロリダの例では、そういうことではなく、「数千羽の鳥の姿自体が一夜にして消えた」ということになっています。

アメリカのメディアアースファイルズは、これらの鳥の異変と最近の地球の「磁場の変化」の関連にふれていますが、これらの鳥の異変と、地球の磁場の異変が関係あるのかどうかはわかりません。




地球の磁場が急速に変化している可能性

地球の磁場の異変に関しては、ちょうど1年前に、地球の磁場が、特にアメリカ大陸において、異常に弱くなっていることをご紹介したことがあります。

急速に消えていく地球の磁場 : 地球の「磁場の反転」は今すぐにでも起きる可能性を示唆する欧州宇宙機関( ESA )の科学者の言葉
 2014年07月15日

欧州宇宙機関のSWARM衛星が観測した2014年6月までの半年間の磁場の変化
magnetic-2014-jun5.gif
・Livescience


鳥は、地球の磁場の方向を感知して、それを移動の手がかりとしているため、極端に磁場が弱くなると、基本的に移動できません。また、鳥だけではなく、かなり多くの動物たちが磁場を感知して、移動の手段にしていると思われます。

どんな動物でも、「移動」とは「命そのもの」でもあります。

鳥も移動してエサを得て、適温の場所に移動して生きていますので、

移動できない=生きることができない

ということになります。

これに関しては、もし、アメリカ大陸の磁場の弱さが鳥の異変と関係があるとするならば、南北アメリカ大陸で、他に「鳥の異変」などの出来事があるかどうかを見ていけばいいのかもしれません。

・・・って、あ、そうだ。

今回、6月から7月の大量死報道をまとめていた時に、南米ペルーの報道で、

6月20日 ペルー - リマのビーチで何百羽ものカモメやペリカンが死体で発見される(報道

7月6日 ペルー - タクナの海岸で、30羽のウミドリが死亡しているのが発見される(報道

というのがありました。

pelican-peru-2015.gif

▲ 2015年06月18日のペルー La Republica より。


ん?・・・フロリダとペルー・・・といえば、2012年にもフロリダとペルーで、ペリカンの大量死が起きています。

それぞれ、

800頭以上の死亡したイルカが漂着したペルー北部で、今度は推計1,500羽以上のペリカンの大量死
 2012年05月01日

キリストの象徴でもある「ペリカン」の大量死がペルーに続き、米国でも発生している
 2012年05月10日

という記事で記したことがありますが、どちらも原因不明の上に、数が尋常ではないです。


そもそも、アメリカでは、

陸地では数千万羽のニワトリが死に、海では「デッドゾーン」の中であらゆる海洋生物が死に続けるアメリカで
 2015年05月20日

という記事で書いたことがありますが、今年、ウミドリやハクガンなど、とんでもない数の鳥の大量死が相次いでいるのでした。

過去記事をちょっと振り返りますと、こちらの記事と、こちらの記事では、最近のアメリカ大陸では、

2015年3月17日 米国 - アイダホ州で 2,000羽以上の雪ガチョウが、空から死んで落ちてきた。

2015年4月2日 米国 - アラスカのスワード市沿岸で、海鳥が衰弱での大量死。

2015年4月7日 米国 - ノースダコタ州の湖で 600羽以上の水鳥が死んで発見される。

2015年5月4日 アルゼンチン - トレスアロヨスの海岸に沿って、数百頭のペンギンが死亡。

2015年5月14日 米国 - ハヴァス湖で、「重度の鈍的外傷」を負って死んでいた 30羽の鳥が発見される。

2015年5月21日 カナダ - バラード市の入り江で1万羽の鳥の大量死。

などが起きていることを思い出します。

そして、「磁場」で方向を獲得しているのはき鳥だけではなく、おそらくは、カメやアシカや、あるいはイルカやクジラなども同じではないでしょうか。

クジラやイルカの座礁はあまりにも多いですが、最近の特徴としで「ウミガメ」の大量死が頻繁に起きていることがあります。

2015年1月26日 ブラジル - 過去2ヶ月の間に、リオ・グランデ・ド・スルの海岸に 350頭のカメが死んで打ち上げられている。

2015年2月19日 インド -オリッサ州で 800頭以上(おそらく数千頭)の死んだカメが打ち上げられる。

2015年5月17日 米国 - フランダースベイビーチで何百頭ものウミガメが死体で発見される。


カメが磁場で方向を得ているのかどうかはわからないですし、アメリカ大陸で相次ぐ鳥の異変にしても、磁場が原因かどうかはわからないにしても、それにしても、少し鳥の異変が多すぎる感じはします。

地球の磁場・・・もしかすると、何か起きているのかもしれないですね。

磁場の異変が起きているとするならば、魚もそうですけれど、おびただしい種類の動物たちに影響を与えるわけで、特に、急速に磁場が弱くなっている南北アメリカでは、あらゆる種類の動物たちに異変が見られるようになる可能性があります。

まあ・・・異変はもう十分に起きている感じもしますが、4月に書かせていただきました、

途方もない「大量死の時代」の進行が加速していた : 2015年最初の4ヶ月だけで270件を超える大量死報道があることを知り
 2015年04月30日

というタイトルにある

途方もない「大量死の時代」の進行が加速していた」というフレーズも、仮に、磁場の異変が加速しているのなら、それと平行して大量死の数が加速する、ということも考えられないことではないです。

うーん・・・。

これからどのようになりますかね。

人間を含めて、さらなる影響というものがあるのかどうか。

ところで、上のほうで、

> 今回は妙に気になる事例が2つありまして

としたのですが、もうひとつの事例は鳥ではないのですが、とても気になるものです。

オランダで、

川のウナギたちが、一斉に陸地に上がってきて、そのまま死んでしまった

というものです。

川の中で死んだのではなく、みんな「わざわざ陸地に這い上がって死んでいた」のです。

eels-die-off.gif
telegraaf.nl

オランダのテルムンテンという町で起きた、この報道をご紹介します。

ちなみに、このテルムンテンという町は下のような、自然に囲まれた美しい町です。

オランダ・テルムンテン
Termunten.jpg
Termunten




elegraaf.nl


謎のウナギの大量死


テルムンテン近くで何千匹ものウナギが死んだことについては、非常に多くの謎がある。ウナギたちは、突如として一斉に川の外に這い出し、すべてが死亡したと見られる。

今週、ダラードの道路沿いに無数のウナギの死体が並んでいるのを道路管理者が発見したことにより判明した。

おそらく、ウナギは酸素不足により死亡したと思われるが、しかし、この領域では、最近の熱波にもかかわらず、他の魚の大量死は起きていない。

なぜ、ウナギだけが陸にのぼって無数に死亡したのか。

この謎の出来事の解明のために、当局による川の水質のサンプルの調査が進められている。

長くウナギ漁をしている経験豊富な漁師のポストマさんにきくと、過去にこのような大規模なウナギの大量死は聞いたことがないと言い、「何が起きているのかに興味がある」と述べる。

ポストマさんによれば、熱波のために藻が大発生したとしても、ウナギは藻に弱くはないという。

この悲劇を再発させないために、現在さまざまな調査が行われている。





ここまでです。

まあ、「悲劇を再発させないため」とはいっても、原因がわからない以上は、そのあたりどうにもならない感じもします。

先ほどの鳥の消滅にしても、どうにも、大量死報道にも奇妙さが漂い始めていますが、「奇妙に見えるできごと」には「明確な理由」があるはずです。

まして、数千という単位で一斉に起こした行動には、「完全な理由」があるはずです。

それを知りたいとは思います。

なお、今回ここまでで長くなりましたので、2015年6月から7月の大量死報道については、別の記事にまとめたいと思います。

大量死のご紹介は明るいことではないかもしれないですが、それが起きている地球にリアルタイムで私たちは生きています。