
・lavendertown
そんなわけで、明日には終わる夏休みではありますが、昨日から緑の多いところに来ていまして、今日明日は通常の記事の更新をお休みさせていただきます。
ところで、緑の多いところにいて・・・確かに緑はとても多いのですが、「虫」が少ないのです。
子どもにいろいろと虫を見せたり取らせたりしたかったのですが、以前の記憶を辿って探してみましても、まったくといっていいほどいません。
むかしはウジャウジャといたトノサマバッタは、まったく見ることはなし。
あれほどうるさかったキリギリスの声もほとんどなし。
むかしは絶滅させたいほどうるさかったアブラゼミの声も、その「絶滅させたい」と願った少年時代の気持ちが通じてしまったのか、まったく聞こえず。
「思えば叶う」というようなかたちで絶滅したのかもしれません(想念の大量殺人鬼)。
聞けば、クワガタなどもほとんどいないそうです。
むかしは、ミヤマクワガタなら小さなバケツにいっぱいはとれました。

▲ ミヤマクワガタ。大きいので強そうに見えますが、脚の力が弱く、早朝に木を蹴るだけで,いくらでも木から落ちてきました。 e-mushi.com
むかしはそこらの川でいくらでもとれたニホンザリガニも今はまったくいないのだそう。
トンボも見かけないということは、その子どものヤゴもあまりいないのでしょう。
木を見ても、草をかきわけても、水を探しても、形而上的なほど何もいない。
子どもに虫を見せるのは無理そうです。
住宅街の周辺でも、昔は夜になると、外灯のあかりの周囲を何十何百という虫がくるったように飛び回っていましたが、今は夜の外灯の周囲にも虫はゼロです。
まあ、衛生的ではありますが・・・。
ただ、少し離れたところに行きましたところ、地元の人が、
「このあたり、クマと、あとマムシが出ますね」
と話されていました。
ちょっと危険なものはよく出るようです。
ちなみに、今年の北海道でのクマの目撃件数は、過去 10年で最高なのだそうです。
2015年のクマ目撃件数と平年の比較

・北海道新聞
これらも自然の生物ですが、クマやマムシが出ても、子どもにそのまま見せてあげるわけにもいかず、たくさん出てこられても少し困りますね。
それにしても、何となく不思議です。
緑は死ぬほどあるのに、虫が全然いない。
まるで、大自然の中から「虫の周波数が消えてしまった」かのよう。
草や木や森だけは以前と変わらず、いや、自然公園などが増えたせいで、むしろ以前よりも緑は増えているのに虫がいないというのは、奇妙な違和感があります。
何か、映画のセットの中で遊んでいるような。
自然というものが、全体のバランスの中で統一された光景を作り出しているものだとするならば、そのバランスの何かが崩れたか変化しているのかもしれません。
あるいは他の事情で「消滅」していっているのかもしれないですし、さまざまな変化が複雑に(あるいは単純に)起きているだけなのかもしれません。
まあしかし、実際に「あふれる自然の中でも虫はいない」という現実の中にいるのですから、これはこれとして楽しむしかありません。
ところで、観光地に行くと、中国語の看板とパンフレットがやたらと目につきます。中には「中国語のパンフレットはあったけれど、日本語のパンフレットはなかった(ように見えた)」という施設もありました。
日本でありながら、日本人にはやや不便ですが、飛び交う中国語の波の中にいますと、黒竜江省に旅行にでも来たような気持ちにもなり、お得感もあります。
消えた虫の替わりにたくさん出現してくれているのかもしれません。
何はともあれ、そんな短めの夏休みの中におります。