前記事:パンスペルミア2015(1):地球の生命は「地球や太陽系よりも古い歴史を持つ可能性」がアメリカの国立研究所により示される
・INQUISITR
髪の毛の幅のチタンの球に収められた「生命の素材」
前回の記事で少しご紹介した「高層大気圏で捕獲された地球外微生物」についての、英国シェフィールド大学の研究に関しての記事をご紹介します。冒頭の写真がそうです。
今回はご紹介する記事そのものがかなり長いものですので、あまり前置きなしに本題に入らせていただことかと思います。
なお、この「パンスペミア説」というものがどんなものかということに関しては、今回の記事に出て来る英国シェフィールド大学の分子生物学者であるミルトン・ウェインライト教授の 2013年の言葉がそのままパンスペミア説を表していると思います。
私たちの結論は、生命が絶えず宇宙から地球に到達しているということです
--- 分子生物学者ミルトン・ウェインライト
--- 分子生物学者ミルトン・ウェインライト
ミルトン・ウェインライト教授
・EXPRESS
それにしても、今回のウェインライト教授たちの発見には、正直いくつも驚く点がりまして、本文を読まれて下さればわかることですが、以下の点は本当に驚きました。
・チタンで作られた直径30ミクロンほどの球の中に生物的な素材が入っている
・採取された塵には、レアアースが含まれていた。
下がその実際の写真ですが、このようなものが、絶えず地球に降り続けていることがわかったというような驚きというのか。
2014年に採取された「生命の球」
ここまで来ますと、「自然に作られたもの」なのかどうかもよくわからなくなる部分もありますが、しかし、考えてみれば、この地球の生物の DNA の構造や、私たちを含む生物の体内メカニズムなども、「自然に作られたもの」としては、あまりにも複雑です。
自然とはそういうものなのかもしれないです。
なお、今回の高層大気での微生物の単離(塵から分離して採取)は、2014年のペルセウス座流星群の時に行われたのですが、「流星群の意味」ということも関係してくることかもしれません。
今度、「彗星」と「流星群が存在する本当の意味」について今度書かせてもらうかもしれません(もちろん私自身の思い込みですが)。
なお、記事の中に、
> 未知の文明によって地球に送信されたと述べるような人たちもいる
というような下りがありますが、このあたりは微妙な話だなとは思いますが、この精巧な「球」を見ていると、誰かというのは別としても「人為」というようなキーワードも感じられなくもはないです。
ちなみに、「レア・アース」が含まれていたことが、なぜ重要なのかといいますと、含まれていた中に「ジスプロシウム」というレア・アースがあったのですが、Wikipedia を読むと下のようにあります。
ジスプロシウム - Wikipedia
ジスプロシウム は原子番号66の元素。元素記号は Dy。希土類元素の一つ。きわめて偏在しており、現在99%が中国で産出されている。
> 99%が中国で産出される
というようなレア・アースが「英国の上空 30キロメートルの物質から発見されている」というのは、この物質が「地上から噴き上げたのではない」ことを物語るのと同時に、
「宇宙からは、生命だけではなく、レア・アースも降っている」
ということになりそうです。
では、前置きが長くならないうちに、本題に入ります。
ちなみに、この同じ研究チームによる、同じ研究については、過去記事「パンスペルミア説を証明できる実験が数十年ぶりにおこなわれ、成層圏で宇宙から地球への「侵入者」が捕獲される」で、2013年の研究をご紹介しています。
First Ever Image Of An Alien Or An Extraterrestrial Organism Has Been Captured, Says University Of Buckingham Scientist
INQUISITR 2015.09.06
捕獲されたエイリアン、あるいは地球外生命体の初めて公となる写真だとバッキンガム大学の研究者は語る
英国バッキンガム大学・宇宙生物学研究センター( University of Buckingham Center for Astrobiology )とシェフィールド大学の科学者たちは、彼らが、歴史上初めてとなるエイリアン、あるいは地球外生物の写真を撮影したと述べている。
科学者たちは「牛の形」をした「生物」としており、それを「完全な生命体」と説明する。
英国シェフィールド大学の分子生物学者、ミルトン・ウェインライト( Milton Wainwright )教授が率いる科学者チームによると、 写真(上記)は、エイリアンや地球外生命体が、私たちの地球の大気圏の外宇宙に存在することの証拠だと、サンデイ・エクスプレス紙は報じている。
科学者たちは、この画像は「地球上の生命は宇宙に起源がある」とするパンスペルミア説の理論を支持する新たな証拠を提供するものだと述べた。
科学者たちはまた、今現在も、宇宙から生きた微粒子が地球に常に降り続けているという理論を支持するものであるのとも語っている。
研究者たちは、強力な磁石を使用し、領域の成層圏の境界から収集した塵からこの生物を単離した。
塵は、宇宙空間の境界付近の成層圏で集められた。これは、英国ダービーシャー州で実施された、地上から 30キロ近い高度へ塵を収集する風船を送るプロジェクトの一環だ。
ウェインライト教授によると、画像は、その表面に付着した生命体の「非晶質固体」(訳者注 / 原子や分子が規則正しい空間格子をつくらないで、乱れた配列をしている固体)と、塩の結晶の粒子を示しているという。
「この写真は、成層圏で単離した中の最大の地球外微生物であると私たちが確信しているものです。私たちのチームは、これらの微生物は絶えず宇宙から地球に到着していると主張していましたが、そのために、過去4年間ほどにわたって、非常に物議を醸しているのです」
「しかし、私たちを批判する人たちの中には、今のところ、誰ひとりとして、私たちのこの作業と主張に対しての代替えの説明を提供した人はいません」
塩の粒子からは、ジスプロシウム、ルテチウム、ネオジム、および、ニオブなどの希少元素が同時に発見されたと科学者たちは述べている。
(訳者注 / それぞれ、いわゆる「レア・アース」で、ジスプロシウムは、地球では、ほぼ中国でしか産出されないものです)
ウェインライト教授は、「私たちが言える限りのこととして、ここに付着していたものが、地球(地上)由来の粒子とは関係がないということです」と述べる。
このこと、つまり、30キロに近い高さで、希土類元素(レア・アース)を含む粒子を発見したということも、この最新の研究のエキサイティングな部分だ。
英国シェフィールド大学とバッキンガム大学の科学者たちが、地球の成層圏における微細構造体の発見を主張したのは、これが初めてのことではない。
2015年1月18日に当メディアでは、彼らが、上空 27キロメートルの高層大気から収集した粒子から、彼らが「幽霊粒子( ghost particle )」と呼ぶ生物を単離したと主張していることを報告した。
それは人間の髪の毛ほどの幅のものだ。
幽霊粒子( ghost particle )の写真
高層圏の粒子を収集する風船は、昨年のペルセウス座流星群の際に、上層大気圏に打ち上げられた。
チームは、上層大気から収集した破片のサンプル中から、彼らが「ドラゴン粒子」と呼ぶ粒子を発見したことを 2014年9月に報告した。
そして、2015年1月30日に、科学者たちは、地球外生命体が「チタンの球」の中に存在して、それは地球に舞い降り続けていることを報告したのだ。
研究者によると、約 30ミクロンの微細なチタン球(下の画像)に、生物学的物質が含まれているという。30ミクロンは人間の髪の毛の幅とほぼ等しい。
生物学的素材が含まれているチタンの球
「この人間の髪の毛ほどの幅のボールの中心からネバネバとした生物的な素材が滲み出るのです。つまり糸状の生命を内包しているのです」
私たち記者は、この球のX線分析を見た時に大きな感銘を受けた。
というのも、この球は、主にチタンでできていて、そこにバナジウムの痕跡があるのだ。
一説として、この球は、数々の惑星たちに「生命の種」を播種し続けるために、何かの未知の文明によって地球に送信されたと述べるような人たちもいる。
研究者たちは、この極めて小さなチタン球を、宇宙から地球の大気に落下する「地球外生命の種( extraterrestrial life-seed )」だと説明する。
その後、この地球外生物は、地球上で広がっていく。
研究者たちによると、これらの粒子は、地上から上層大気に上昇したものではないと述べる。チームはまた、彼らが集めた塵の試料の中に、地球からの粒子による汚染の証拠は認められなかったと述べた。
パンスペルミア説の有名な支持者として名高い、チャンドラ・ウィックラマシンゲ教授の最近の、『地球中心の生物学から、宇宙生命への移行( The Transition from Earth-centered Biology to Cosmic Life )』というタイトルの論文では、ウィックラマシンゲ教授は、「研究者たちは、パンスペルミア説理論を支持するパラダイムシフトが過去 30年間にわたって行われてきた」と主張している。
しかし、今なお、ウィックラマシンゲ教授や、ウェインライト教授たちのようなチームの研究成果は、主流派の科学研究者たちから疑いの目で見られ続けており、また、パンスペルミア説の支持者たちは、彼らの理論を支持する説得力のある科学的証拠を提供していないともいわれている。
ここまでです。なお、
この今回の英国での研究については、実は同じような「高層大気での収集」は、1960年代にはアメリカの NASA がおこなっていて、1970年代には、ソ連でも実験がおこなわれましたが、「理由を示さないまま」どちらの実験も打ち切られました。
このことを、フレッド・ホイル博士は著作『生命・DNAは宇宙からやって来た』に書かれていますので、参考までに、抜粋しておきます。
『生命・DNAは宇宙からやってきた』第2章「地球大気へ侵入する彗星の物質たち」より
フレッド・ホイル / チャンドラ・ウィクラマシンゲ共著
1960年代には、アメリカの科学者たちが高度 40キロメートルまで気球を飛ばして、成層圏にバクテリアがいるかどうか調査した。その結果、ごく普通のテクニックで培養できる生きたバクテリアが回収され、実験者を当惑させた。
さらに問題だったのは、バクテリアの密度分布だった。成層圏の中でも高めのところでは、1立方メートルあたり平均 0.1個のバクテリアがいて、低めのところでは 0.01しかいないという結果になったのだ。
高度が高いほど多くのバクテリアがいるという結果は、バクテリアが地上から吹き上げられたと考える人々が期待していたのとは正反対の傾向だった。不思議な結果に、研究資金を出していたNASAはこれを打ち切ってしまった。
1970年代後半には、旧ソ連で同じような実験が行われた。彼らは、成層圏より上の中間層にロケットを打ち上げて、高度 50キロメートル以上の高さでパラシュートにくくりつけた検出装置を放出した。パラシュートが落下するにつれて、いろいろな高さで次々にフィルムが露出され、粒子を付着させては密封された。
回収されたフィルムを研究室に持ち帰って微生物を探したところ、 50から 75キロメートルの高度について、バクテリアのコロニーが 30個ほどできた。中間層は空気が薄く、バクテリアはすみやかに落下する。したがって、中間層のバクテリアの密度は成層圏では数ケタ低いはずだ。それにも関わらず、これだけの結果が出たのである。
なお、この実験もたったの3回で打ち切られてしまった。
アメリカと旧ソ連で行われた実験は、はからずしてバクテリアが宇宙からやってきたというわれわれの仮説に見方してしまった。
ここまでです。
> 研究資金を出していたNASAはこれを打ち切ってしまった。
から 50年が経ち、実験は盛んになり、今回のような驚異的な発見もなされたのでした。