2015年09月22日



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大規模システム障害が連続発生した9月21日。その翌日から続く米中首脳会談(サイバー戦争中)、そして、ユダヤ教最大の休日「ヨム・キプル」。さらに赤い月へと流れるように過ぎていく日々



[2015年9月21日]世界各地で大規模なシャットダウンが発生

昨日、9月21日は、世界中でいろいろなものが「停止」した日でした。

スカイプ( Skype / インターネットを利用しての電話、チャット)、アメリカのアマゾン( Amazon )のウェブサービス、そして、ロシア最大の証券取引所であるモスクワ証券取引所が、それぞれ何らかのシステムトラブルで、一定時間、停止に追い込まれました。

モスクワ証券取引所に至っては、9月だけで「4回」も、システム障害によって取引が停止していて、ちょっと普通ではない感じの上に、原因も明白にはわかっていないようです。

とりあえず、それぞれの出来事の概要を記しておきます。






 


スカイプ

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▲ 2015年09月21日のRT Skype communication app is down across the globe より。

スカイプが世界中で接続障害

人気の通信アプリケーション「スカイプ」が 9月21日から、世界全体で利用できない状態となっている。多くのユーザーが、現在、スカイプにサインインすることができないことをソーシャルメディアで訴えている。

具体的には、ログインしづらい、ログイン状態を変更できないなどで、通話もできなくなっているという。



アマゾン(米国)

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▲ 2015年09月20日のインターナショナル・ビジネス・タイムズ Amazon Web Services Experiences Outages Sunday Morning, Causing Disruptions On Netflix, Tinder, Airbnb And More より。

アマゾンのウェブサービスが 9月20日の朝にシステム障害を起こし、さまざまな関連サービスに混乱が広がる

アマゾンのウェブサービスの停止は、アマゾンのサービスを使用している顧客たちと、ネットフリックスのユーザー、そして、映画のデータベースサイト IMDb のユーザーの間に大きな混乱を引き起こした。

アマゾンは、また、多くの企業やアプリケーションにクラウド・コンピュータ・サービス(ソフトウェアやデータなどを、インターネットなどを通じて利用するサービス)を提供しているため、21日の午前、企業などにも大きな影響を与えた。



ロシアの証券取引所

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▲ 2015年09月21日のRT Russian Stock Exchange resumes trading after another technical crash より。

またも技術的な障害により取引停止していたロシア証券取引所が再開

モスクワ証券取引所は、9月21日に、システム障害のため1時間以上、取引が停止された後、午前11時45分午前にデリバティブ市場の取引を再開した。

取引停止はシステムの技術上の問題だという。

証券取引所当局は、「現時点では、デリバティブ市場でのアプリケーションの削除に問題がある可能性がある」と述べている。

ロシア証券取引所の取引が技術的な問題で停止するのは、今月に入って、これが4回目となる。9月8日にも、コンピュータのシステム障害により、取引が2時間停止された。

その前の週にも、同様の技術的な問題で、市場のすべての取引が1時間停止した。


などとなっていて、いろいろなものがシャットダウンした日だったのでした。

スカイプは全世界に展開していますが、欧米を始め、全世界的なシャットダウンとなったようです。

私はスカイプというものは使ったことがないですが、スカイプのユーザー数は、こちらのページによりますと、2013年の時点で 2億8000万人ということで、この系統のサービスの中ではかなり巨大なものですので、日常的に使っている人たちにとっては、それなりに混乱を招くことにもなったのかもしれません。


このように「同じ日に複数のシステム障害が起きた」という日は、この夏にもありました。


サイバー黙示録:激化するアメリカと中国の「完全なる戦争」の中で
 2015年08月05日


という記事に記したことがありますが、今年の 7月8日、ニューヨーク証券取引所がシステム障害で取引になり、同じ時に、アメリカのユナイテッド航空もシステム障害で運航が停止されたという日がありました。


2015年7月8日に相次いだ大規模システム障害

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THP


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日本経済新聞



この 7月8日のシステム障害について「サイバー攻撃系の出来事なのでは」という話が出たのは、前日の 7月9日に、ハッカー集団が予告めいた書き込みをしていたことが原因でした。



ハッカー集団が不気味な“予言” ニューヨーク証券取引所システム障害
zakzak 2015.07.09

ニューヨーク証券取引所のシステム障害をめぐり、インターネット上の自由侵害を攻撃するハッカー集団「アノニマス」が、ツイッターで不気味な“予言”をしていた。

取引停止になる約12時間前、ツイッターで「明日、ウォールストリートで悪いことが起きるだろう」と書き込んでいた。

欧米メディアなどは「ギリシャの債務問題や中国の株価急落の影響を意図したものだろう」と冷静に見ているが、タイミングの良すぎるツイートに、ネット上ではさまざまな憶測が広がった。




アメリカ当局は、サイバー攻撃を即座に否定しましたが、さきほどリンクしました記事にも書きましたけれど、


アメリカと中国は実質的なサイバー戦争を開戦している。


ということなどもあり、いろいろと連想してしまうのかもしれません。


サイバー攻撃をリアルタイムで表示するサービス NORSE より

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NORSE


そのアメリカと中国の大きなイベントは、システム障害が相次いだ 9月21日の翌日から始まります。



[9月22日]米中首脳会談

その「アメリカとサイバー戦争中」の中国の国家主席である習さんが訪米するのは、今日( 9月22日)なんですね。

その前日( 9月21日)に、アメリカなどで大規模なシステム障害が起きていたわけですが、最近、サイバー攻撃に関する報道というのは、奇妙なことに「何か起きた日」の前後に大きな報道ネタが発表される傾向にあります。

たとえば、アメリカのニューヨーク証券取引所とユナイテッド航空がシステム障害を起こしたのは 7月8日ですが、その翌日の 7月9日、アメリカ政府は、以下の発表をします。


米政府職員の情報流出、新たに2150万人 史上最大規模
日本経済新聞 2015.07.10

中国系ハッカーの犯行か

米人事管理局は9日、サイバー攻撃で新たに2150万人の政府機関職員や契約業者らの経歴情報が盗まれたと発表した。6月に発覚した連邦政府職員(最大420万人)の個人情報盗難事件とは別だが、同じく中国系ハッカーの犯行とみられる。

史上最大の政府職員の情報流出とみて、人事管理局と連邦捜査局(FBI)、国土安全保障省は捜査を進める。

流出したのは、現在や過去に政府の職員か契約業者だった1970万人と、180万人の配偶者・同居者らの情報。主に2000年以降の登録申請者が対象とみられる。




これに対して、当然、アメリカ側は、いわゆる若者用語ですと、「激オコ」な状態となった様子が伺えるのですが、それ以降のアメリカと中国のサイバー攻撃をめぐっての状態は、むしろ泥沼化しているようにも見えます。


数日前には下のような記事もありました。



中国のサイバー攻撃への制裁発動示唆…オバマ氏
読売新聞 2015.09.18

オバマ米大統領は16日、ワシントンで講演し、米企業を標的にしたサイバー攻撃に中国政府が関与しているとして、「解決されなければ、2国間関係を重大な試練にさらすことを中国側に示す手段を準備している」と述べた。

報復措置として中国に対する制裁発動に踏み切る可能性を示唆し、圧力をかけた。




こういう中で、今日 9月22日に米中首脳会談ということのようですが、あまり楽しげな首脳会談にはならないかもしれません。

そういえば、大規模なシステム障害が相次いだ翌日の今日 9月22日は、以下の報道がありました。

昨日の記事「エイリアンは人類とコンタクトを取りたがっているが、地球の通信は暗号化されていて、人類がエイリアンと接触する手段は閉ざされている」のエドワード・スノーデンさん絡みです。



中国サイバー攻撃:米NSA、作戦データを入手
毎日新聞 2015.09.22

米国防総省の情報収集機関である国家安全保障局(NSA)は2009年、中国人民解放軍でサイバー攻撃やスパイ活動を行う総参謀部第3部所属の部隊が米政府に攻撃を仕掛けた証拠を入手していた。

米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン容疑者が持ち出していたNSA内部文書を毎日新聞が分析した結果、明らかになった。




その文書には以下のようなことも書かれているようです。


文書によると、(中国の)総参謀部第3部所属の部隊が、米軍の世界的な兵站(へいたん)や輸送活動を統括する輸送軍のコンピューター網の管理者パスワードや内部プログラム情報など2500以上のファイルを盗み出した。


とあるようで、管理者パスワードや内部プログラムをこんなに盗まれてしまっては、オバマ大統領も、あまりにこやかにはできないかもしれません。

というか、つくづく「本当に戦争になっている」と思います。





[9月23日]ユダヤ教最大の休日

そして、明日( 9月23日)は、ユダヤ教の「贖罪の日」であるヨム・ キプルというユダヤ教における最大の休日のひとつの日です。

この、


・9月21日 全世界でシステム障害
・9月22日 アメリカと中国の首脳会談
・9月23日 ユダヤ教における最大の休日



という流れるような進行。

そして、9月28日は、4回連続した「赤い月」(皆既月食)の4回目の日です。


下の図を改めて眺めますと、この激しかった1年半を思います。


sukkot-and-passover-2014-2015-0928.gif
赤い月と黒い太陽: 2014年から 2015年まで「4回連続する皆既月食」がすべてユダヤ教の重要宗教祭事の日と…



そして、2015年の 9月も残すところ、あと1週間ほどとなりましたが、どうなっていきますかね。

過去記事の、

開きつつある「パンドラの箱 2015」の気配を放つ中国に対して2億年以上前から付随していた「崩壊」というキーワード
 2015年08月23日


に書きました、

今年のキーワードは「中国」と「パニック」なのかもしれない


というようなことがあるのかどうなのか。


エコノミスト『2015 世界はこうなる』の表紙より

panic-frb-2.gif



そして、現実として、「何でもかんでもコンピュータ制御」である今の世界は、パニックもわりと簡単に起こり得ることが想像しやすいです。飛行機も電車も、ありとあらゆる近代的な乗り物は今はコンピュータ制御で、銀行、金融市場などもコンピュータ制御です。

「悪意」のある者がスイッチを押すだけで、それらが崩壊する可能性だってあり得ます。

何が起きるか、あるいは何も起きないかはともかくとしても、考えてみれば、私たちのこの社会は、大体過去 20年くらいをかけて、「過去とは比較にならないほど崩壊しやすい社会」を作り上げてきてしまったのかもしれないですね。