2015年09月25日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




テトラッドの4回目の「赤い月」は、33年ぶりの「スーパームーンと皆既月食が重なる日」だった。そして、その直前のイスラム教の「犠牲祭」の日に起きた大巡礼の悲劇



2014年10月18日の皆既月食

blood-moon-2014.jpg

▲ 4回続いた「赤い月」の2回目のもの。この日は、ユダヤ教三大祭の一つ「仮庵の祭り」の日でした。写真は、中国安徽省にある合肥市。Time より。






 

スーパームーンだった4回目の皆既月食

昨年4月の記事、


赤い月と黒い太陽: 2014年から 2015年まで「4回連続する皆既月食」がすべてユダヤ教の重要宗教祭事の日とシンクロ。そして、過去の同じ現象の時に「イスラエルの建国」があった
 2014年04月06日


から、1年半近くに渡って続いた「4回連続する皆既月食とユダヤ教の重要祭事がシンクロする期間」が 9月28日に終わります(日本では、9月29日になると思われます)。


今日のスペースウェザーに、その4回目の「赤い月」の予定時間軸が図で示されていました。


sep-27-eclipse.gif

▲ 2015年09月25日のスペースウェザー SUPERMOON ECLIPSE より。


月食が始まってから終わるまでの時間は約 3時間20分、皆既月食の時間は、約 1時間10分くらいのようです。

上の表の時間の単位「 PDT 」は、太平洋夏時間というもので、日本時間の場合は、ここに 16時間を足したものとなりますので、午前11時くらいから始まるという感じであるという以上に、日本では位置的に、この皆既月食は見られません。

この、個人的には歴史的な皆既月食を見られるのは下の地域です。色の濃い部分が見ることのできる地帯。アメリカからアフリカ、ヨーロッパ、中東の一部など広く見られるようです。


9月28日の皆既月食を見られる地域

lunar-eclipse-sept-28-2015-visibility.gif
Space.com



そして、今日知ったのですが、この4回目の「赤い月」は、何とスーパームーンだったのです。スーパームーンとは、月が地球に近いために通常より大きく明るく見えることです。

下は AFP の記事からのものです。



数十年に1度の天体ショー、スーパームーンと皆既月食が同時に
AFP 2015.09.24


巨大な満月「スーパームーン」と、これが赤く染まる皆既月食を同時に見ることができる数十年に1度の天文現象が間近に迫っており、多くの天文観測者たちは心を躍らせているようだ。

太陽と地球、そして通常よりも大きく明るく見える月が一列に並ぶことで起きるこの現象は、グリニッジ標準時で28日午前2時11分(日本時間同11時11分)から約1時間、南北アメリカ、欧州、アフリカ、西アジアと東太平洋で観測できる。

同日、月は地球に最も近い「近地点」にあり、その明るさも最大となる。「遠地点」の月と比べると、約30%明るく、14%ほど大きく見える。「遠地点」と「近地点」では、地球からの距離で約4万9800キロの差がある。

月と太陽の間の一列に地球が位置する皆既月食では、地球の縁の大気を通り抜ける太陽光のうちの赤い光が月をぼんやりと照らすため、月は赤く染まり「ブラッドムーン(血の月)」となる。

米航空宇宙局(NASA)によると、1900年以降にスーパームーンと皆既月食が重なったのは5回で、最後に観測されたのは1982年。33歳より若い人たちは、この二つの現象を同時に体験するのは今回が初めてとなる。次回に見られるのは2033年になるという。




> 1900年以降にスーパームーンと皆既月食が重なったのは5回で、最後に観測されたのは1982年

ということのようです。

ただでさえ皆既月食が4回続くということ自体がわりとレアなことで、過去 2000年では、8回のみというものです。

4th-bm-02.gif
過去記事


その中で、過去にスーパームーンと重なった時があるかどうかはわからないですが、この「赤い月」とスーパームーンが重なっているというのは、「稀少度アップ」ということになるのではないでしょうか。


そして、上の AFP の記事に出てくる「数字」にも何だかグッときます。


・33年ぶり

・次は20「33」年



というあたりは「 33という数字研究」をしている(大したしてないですが)私には、やや興味深いです。

そして、今年の皆既月食は、


4連続する赤い月とシュミータが過去2000年で初めてシンクロした2015年の9月…
 2015年09月05日


という記事に書きましたように、今年2015年は、テトラッドとユダヤ教の安息日シュミータが(過去 2000年で)シンクロしている唯一の年でもあり、この皆既月食の日というのは、なんというか、「様々なサイクルの時間軸のシンクロ」が集約されているような日ではあります。

そして、この1年半というのは、最近の歴史の中でも際だった「大量死の時代」でもありました。

大量死は、人間も、あるいは人間ではない動植物も含めてですが、人間に焦点を当てますと、どうもこの「4回の皆既日食とユダヤ教の祭事が重なる日」の周辺、あるいは翌日に、際だった出来事が起きやすいような気がします。

たとえば、9月24日に、サウジアラビアのメッカ近くのミナ( Mina )という場所で起きたことなどもそれと関係します。





悪魔に石を投げてはいけない

サウジアラビアで起きた出来事は下のような大惨事です。


サウジ将棋倒し、死者717人に 大巡礼で史上最悪規模の事故
AFP 2015.09.25


サウジアラビアにあるイスラム教の聖地メッカ近郊で24日、大巡礼「ハッジ(Hajj)」の最中に発生した将棋倒し事故で、同国の民間防衛局は、死者が少なくとも717人、負傷者が863人となったと発表した。

メッカでは、今月11日に建設工事用のクレーンが倒壊する事故が発生し、109人が犠牲になったばかり。メッカから5キロ離れたミナ(Mina)で起きた将棋倒しは、毎年行われるハッジで過去に起きた中でも最悪規模の事故となった。

民間防衛局などによると、ミナの将棋倒しは、悪魔に投石する儀式が行われていた午前9時ごろに起きた。内務省報道官は、ミナの道路2本が交わる交差点で「多数の巡礼者が同時に動いていた」際に将棋倒しが起きたと説明。




> 悪魔に投石する儀式

の中で、将棋倒しによって 700名以上が亡くなるという事故となってしまいました。


「悪魔に石を投げる儀式」というのは、「悪魔の塔」と呼ばれる、石で作られた塔にイスラム教の信者たちが石を投げる下のような儀式のようです。


悪魔の塔に石を投げる儀式

stoning-of-devil.jpg


stoning-of-devil2.jpg
Daily Mail


この中で、死傷者千人を超える将棋倒しが起きた。

何といってもですね、この周辺はどういう状況になっているかというと、下のような凄まじい人の波。


mina-mecca.jpg
Daily Mail



先日、

2001年と2015年のどちらの9/11にも浮き上がったオサマ・ビン・ラディンの亡霊を眺めつつ、「変化に突入した地球」の時代を生きる
 2015年09月14日


という記事で、サウジアラビアのメッカで、ビン・ラディン一族が経営する会社のクレーンが倒壊し、100人以上が亡くなった事故のことにふれましたが、今の時期のメッカや、その周辺には人の数がものすごく多いのですので、何らかの事故などが起きた場合、通常以上の重大な事故となってしまう可能性があるようです。


今回のサウジアラビアの将棋倒しでの事故が起きたのは 9月24日だったのですが、先日の記事、


大規模システム障害が連続発生した9月21日。その翌日から続く米中首脳会談、そして、ユダヤ教最大の休日「ヨム・キプル」。さらに赤い月へと流れるように過ぎていく日々
 2015年09月22日


に記しましたように、その前日の 9月23日は、ユダヤ教の「贖罪の日」であるヨム・ キプルというユダヤ教における最大の休日のひとつなのでした。

先ほどのサウジアラビアのミナの惨事を「4回続く皆既月食とユダヤ教の祭事がシンクロする」時系列に加えますと、次のようになります。


2015-09-24.gif



そして、4回連続する赤い月の最初の皆既月食(2014年4月15日)を思い出しますと、それは下のようになっていました。


2014-04-15.gif



韓国でのセウォウル号の沈没事故は、このテトラッドの最初の皆既日食と 2014年のユダヤ教の過ぎ越し(すぎこし)祭が一致した日の「翌日」だったことがわかります。


偶然にしろ何にしろ、この1年半に起きた様々なことの中には、確かに「いろいろな法則性を見出すことができる」ような部分があります。

とはいえ、終わった時期の出来事に法則性を持ち出しても仕方ない面はありますので、いろいろと上のような事例を始め、様々なシンクロなどが見られた時ではありましたことにふれるに留めたいと思います。

先ほどリンクした記事で書きました「最近の流れ」に加えますと、この数日の流れは下のようになっています。


・2015年 9月21日 全世界でシステム障害
・2015年 9月21日 フォルクスワーゲン・ショック
・2015年 9月22日 中国主席がアメリカへ到着
・2015年 9月22日 ローマ法王がアメリカに到着
・2015年 9月23日 ユダヤ教における最大の休日「ヨム・ キプル」
・2015年 9月24日 イスラム教の大巡礼で史上最悪級の死傷事故
・2015年 9月25日 アメリカと中国の首脳会談の予定
 (明日と明後日)
・2015年 9月28日 皆既月食とスーパームーンが重なる



そして、サウジアラビアでイスラム教徒たちが多数亡くなった 2015年9月24日は、もうひとつの重要な「祭」が始まる日でもあるのです。

それは、皮肉な話にも聞こえますが、イスラム教の重要祭事「犠牲祭」なのでした。






「犠牲祭」の初日にイスラム教徒たちの大きな犠牲が生じてしまった

イスラム教の犠牲祭とは、正式名は、イード・アル=アドハーというものらしいですが、さすがに馴染みの薄い語感ですので、ここでは「犠牲祭」と記します。

それは以下のようなものです。



犠牲祭、世界のイスラム教徒が祝祭
イランラジオ 22015.09.24

今日9月24日は、イスラム暦ゼルハッジャ月10日にあたり、イスラム教徒の大きな祝祭である犠牲祭の日です。

犠牲祭の日、サウジアラビアの聖地メッカの神の家を巡礼した人々は、神の命により、神の満足を得るために生け贄をささげ、偉大な預言者イブラヒームの記憶をよみがえらせます。




この犠牲祭は、大巡礼の終わりとシンクロして行われ、巡礼に参加していないイスラム教徒たちも、動物を1匹生贄として捧げることになっているそうです。


こういう祝日が始まった日に、サウジアラビアの悲劇が起きています。


ちなみに、「羊などを犠牲に捧げる(簡単に書くと、命を奪うということ)」の意味では、「子羊を殺して犠牲に捧げる」という源流を持つ、ユダヤ教の過ぎ越し祭と、行為そのものではあまり変わらない面はありそうです。

ユダヤ教の過ぎ越し祭の源流は、


「神の意志、あるいは悪魔の輪郭」 : 北緯 33度線にある韓国の済州島。そして「血の月」の連続と共にユダヤ教では祭りに突入
 2014年04月18日


という記事などに書いたことがありますが、その出所は、旧約聖書「出エジプト記」 12章 21節にある、


「さあ、家族ごとに羊を取り、過越の犠牲を屠りなさい。」


というモーセの言葉を守ることにあり、つまり、過ぎ越しの祭というのは、もともとは、


初子を厄災から守るために子羊を犠牲にする


という「犠牲」の上に成り立っている宗教的式典でもありました。

犠牲という概念は、ユダヤ教、イスラム教、どちらの宗教にもあり、概念だけではなく、どちらも現代においても、規模は様々でしょうが、「毎年の祭りの際に、実際に羊や牛などを犠牲に捧げている」という点でも共通のようです。

それにしても、神という存在はなぜ、そんなに犠牲(命)を望むのかなあとはたまに思います。

そして、今年のイスラム教の犠牲祭は、その初日に、サウジアラビアで近年最悪の巡礼中の事故により、多くの「犠牲」が生じたというのは皮肉という言葉で済ませていいものなのかどうかを少し考えます。

いずれにしても、9月もあと少しです。