【科学技術と未来】 の記事一覧

2015年09月29日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




赤い月と赤い惑星が出会った9月28日: NASA が行った火星に関しての重大会見から改めて思う「宇宙探査の無駄」



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5年ぶりの事前アナウンス会見らをした NASA の「事情」

「赤い月+スーパームーン」が世界の半分くらいの地域で観測された 9月28日の夜、 NASA は「赤い惑星」とも呼ばれる火星に関しての「重大会見」を開くことをアナウンスしていました。

事前に記者会見の内容をアナウンスするのは比較的珍しいことで、「それだけ特別なものですよ」というようなニュアンスを漂わせていたのですが、その結果は、


火星に流れる水が存在する可能性がある


という、予想通り「空気のような」内容の会見でした。

本当に何の衝撃もない発表内容で、報道もそれほど大きな扱いではないのは、誰にとっても予想をはるかに下回るインパクトだったからかもしれません。

私などは、むしろ、「衝撃的なほど陳腐」であることに衝撃を受けた部分はあります。

しかし、逆に、


「なんでこんなものを『特別記者会見』的なイベントにしなければならなかったのだろう」


と、ふと思いました。

何だか焦りにも似た不思議な感覚を受けました。

それで、少し報道を探したりしていましたら、9月21日のニューヨーク・タイムズの下の記事を見つけました。


nasa-budget-01.gif

▲ 2015年09月21日の米国ニューヨーク・タイムズより。



「ああ、この問題も多少関係あるのかもしれない」


と思いましたので、このニューヨーク・タイムズの記事を最初にご紹介しておきたいと思います。
意見記事です。




Starving NASA’s Budget
NY Times 2015.09.21


予算不足にあえぐ NASA


当紙の 9月8日の論説「予算の戦いは NASA に害を与える」は、アメリカの政府予算の不確実性が NASA のプロジェクトのコストを増大させ、それが与えるマイナスの影響がいかに深く大きなものかを述べたものだ。

1990年代の半ば以来、NASA はアメリカ議会からの予算の検討に関して、強い圧力を受け続けている。

その結果、NASA のプロジェクトの資金調達に関して、日々の不確実性をもたらし、ミッションの目標を超えた長期的な不確実性をもたらしている。

そして、それは、NASA の職員たちに対して、徒労を増大させ、職員たちの士気の喪失にもつながっている。

NASA は、単に宇宙ミッションを作り出す工場ではない。

アメリカの非軍事部門と、非医療研究のための中枢部なのだ。

NASA の飛行計画や宇宙研究プログラムの数々は、例えば、宇宙ベースの研究をおこなう際には事実上、アメリカの国内すべての科学技術専門家たちと連携する。

NASA と契約する独立した科学団体は、それらの団体が研究できる範囲の技術を持っており、そして、プロジェクト管理や資金調達などを NASA に依存している。

現在のように、常に短期的な予算編成の目標を達成するために NASA が常に予算不足にあえいでいる状態は、長い目で見れば、アメリカ経済にとって良くはない。それは、私たちアメリカの科学技術研究をリードするコードを破壊されてしまっている状態だといえる。

NASA がおこなっていることをおこなえるのは NASA だけであり、代替え機関は存在しないのだ。だからこそ、NASA は長く、アメリカの誇りであり続けるのだ。





ここまでです。

NASA の予算不足は長い歴史がありますが、しかし、予算不足とはいっても、アメリカの宇宙開発の年間予算は、日本などとは比較になりません。

NASA の政府予算は以前より減ってはいますが、それでも現在でも、ざっと2兆円ほどあります。

ただ、以前と比べますと、かなり予算が減ってきているのは確かなようです。


NASA の予算の推移

NASA-Budget-Federal.gif
Budget of NASA



NASA が設立した 1958年と、アポロ計画の際に最も予算が多かった 1966年とも、そして、昨年の予算を比較しますと、次のようになります。

金額はすべて現行のドルの価値に換算されたものです。


1958年
7億3200万円( 878億円 / 政府予算における割合は 0.1%)

1966年
435億ドル( 5兆2264億円 / 政府予算における割合は 4.41%)

2014年

176億ドル( 2兆1176億円 / 政府予算における割合は 0.5%)




ところで、NASA は 2010年にも、今回と同じような「事前アナウンスした大々的な発表」をおこなっています。

その時は「まったく新しい生命」に関しての発表でした。

覚えていらっしゃるでしょうか。


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2010年の NASA の前例「まったく新しい生命の発見」のその末

これは、2010年の記事、


地球上で見つかった「炭素ベースではない」まったく新しい生命: NASA による発表が行われる予定
 2010年12月03日


で、宇宙専門メディア「デイリーギャラクシー」の記事をご紹介したものです。

その冒頭は以下のようなものでした。



「驚異の発見: NASA が新たに発見された「 DNA ベースではない生命形態」の発表をおこなう」 より
Daily Galaxy 2010.12.02


NASA が本日驚くべき発表をする予定だ。

米国カリフォルニアにある湖、モノ・レイクの有毒性のヒ素水の中から、現在の地球上に住んでいるあらゆる生物とは、いかなる生物学的素材を共有しない新しい生物形態を発見したのだ。

これは、この天の川銀河、そして、それを越えたすべての宇宙の生物の概念を変えるものだ。

今、私たちにとっての宇宙は「突然」変わった。

既知の、そして未知を含む何兆にも及ぶであろう宇宙の星の数々にいるかもしれない、あらゆる生物の形態が私たちの前に広がろうとしている。

12月2日におこなわれる科学会議で、 NASA の科学者フェリサ・ウォルフ‐シモン氏は、こんにち我々が知っているものとはまったく違う形態のバクテリアを発見したことを発表する。このバクテリアは、リンではなく、ヒ素を使う。




というように、

> 今、私たちにとっての宇宙は「突然」変わった。

などという、とんでもなく大きな発表のような響きがあります。

私たちにとっても、何だか「この世の概念が変わる」ような期待感がありました。

そして、その NASA の発表は予定通りに行われました。


ところが、その2年後・・・。


2012年7月の In Deep には下のタイトルの記事が踊りました。


nasa-life-2010b.jpg

▲ 2012年07月10日の記事「NASA が 2010年に大々的に発表した「新しい生命」は「普通の地球の生物」であることが判明」より。



発表から2年後の 2012年、アメリカの科学誌サインエンスなどに、スイス連邦工科大学チューリヒ校と、米国プリンストン大学のそれぞれの研究チームが、


あれは単なる普通の生物


だとする論文を発表して、NASA の見解が完全に否定されてしまったのです。

その時に翻訳した記事の冒頭部分をご紹介します。



Biznes Portal
2012.07.09

NASA の科学者たちの地球上での生命についての発見は完全に間違っていた

欧米のふたりの科学者が、米航空宇宙局(NASA)の研究チームが発表した仮説を否定する論文を米国の科学誌に発表した。

NASA の研究チームは、ヒ素を生存に利用する細菌を米国のモノ湖で発見し、これが地球外生命の探索に影響すると 2012年12月に発表したが、今回これを全面的に否定する複数の論文が発表され、NASA の発見した生命は新しい形態の生命ではなかったことがわかった。

発表は、スイス連邦工科大学チューリヒ校と、米国のプリンストン大学のそれぞれの研究チームにより発表された。




> NASA の発見した生命は新しい形態の生命ではなかったことがわかった


ということになり、結局、あの会見の興奮は「なかったもの」のような存在となってしまいました。


その細菌は GFAJ-1 と名づけられたもので、これが新しいタイプの生命であることが否定された経緯などは、GFAJ-1 - Wikipedia などにも書かれています。

この 2010年の時のことに関してはともかく、今回の「火星」についてのアナウンスをした「背景」に関して、以前の記事から思い当たる部分があるのです。

たとえば、現在、「火星探査」そのものが、予算的に非常に厳しい立場に置かれている可能性があるのです。





火星と手を切りたがっているアメリカ政府

2012年2月に、


米国政府が NASA 火星計画の予算を停止。米国の火星ミッションが事実上終了へ
 2012年02月29日


という記事を書きました。

今はそれから3年経っていますので、現状はよくわからないですが、2012年の時点で、アメリカ政府は「火星探査を継続する意志はない」ことを表明していたようです。

これは当時の AP 通信に書かれていたもので、2012年2月の時点で、


・ホワイトハウスは 2016年と2018年に予定されていた NASA の火星計画への予算計上を中止。
・2012年の無人探査機キュリオシティの打ち上げは行われる。
・太陽系探査の優先順位を「火星から木星の衛星エウロパ」に変更。
・火星への有人飛行計画は、白紙(多分消滅)。
・欧州宇宙機関等は、中国とロシアに火星計画を持ちかけている。



ということになったことが記事に書かれています。

どうして、こういうことになってしまったかというと、いろいろな意味はあるのでょうけれど、


「 NASA の火星ミッションが誰にも魅力的に映らなくなっている」


という部分はあると思います。

特に、科学者たちではなく、私たちのような一般人から見て、魅力的に見えない。

アポロ計画のように、アメリカ人、あるいは世界中のみんなに支持されて、喜ばれたようなものとは違い、「無人探査機が淡々と砂と石の上を移動するだけ」(にしか見えない)ような火星探査は、一般の人々にはさほど支持されていないように思えます。

火星に化石の痕跡などを探して記事にしている、アメリカの The Oldest Human Skull というブログの 2012年2月28日の記事には、下のように書かれていました。



ホワイトハウスのメッセージ: 「バイバイ火星。もはやこれまで」より

火星探査に対しての予算削減の理由は経済的な理由だけによるものではない。

簡単にいうと、NASA は火星での生命の発見に事実上失敗しているが、それが最大の原因だ。

科学者たちは長い間、火星で実際の生命を発見することのないまま、議論上だけで「生命が存在する可能性」を延々と語ってきた。

そして、多大な資金が火星探査に費やされてきた。

それなのに、今でもなお、NASA は「火星探査のミッションは火星の生命を探すためではない」とアナウンスし続けている。

そして、科学者たちと NASA は公共の資金から搾り取れるだけ絞り取ってきた。




今回、NASA が「水」についての発表をしたのは、「流れる水の存在 → 生命が存在する可能性」ということを「人々に連想してもらおう」としたのかもしれないですが、水じゃ、もうダメなんですよ。水では。

たとえば、1970年代の探査機バイキングの時から、


火星では、季節ごとに緑の空間が出現したり消えたりしている


ことが、定点撮影の写真で確認されています。

下の写真は火星探査機オポチュニティが撮影したものですが、このようなものです。


mar-green-02.jpg


この緑に植物的な意味合いがある可能性(特に、菌類と藻類からなる地衣類という生命)について、フレッド・ホイル博士が述べていたことなどを含めて、以前、


NASA の火星無人探査計画が無駄な理由
 2012年08月12日


という記事を書いたこことがありましたが、そこに 無人火星探査機バイキングが行った「ラベル放出実験」などのいくつかの「火星の生命の探査実験」のことを書きました。

そして、それらを含めて、 NASA の火星を含めた宇宙探査の歴史を振り返ると、


「 NASA は、本気で火星で微生物を発見しようとはもはや思っていない」


と思えて仕方なくなったのです。





パンスペルミア説から見れば、火星には100%生命は存在する

この見出しの通り、パンスペルミア説のように、宇宙の中を生命の種子が満遍なく行き渡っているならば、どういう形の生命かは別としても、火星に生命が「いない理由がない」わけです。

火星には薄いながら大気が存在し、いや、地球の苛酷な環境に生きている「極限環境微生物」と呼ばれる生命たちを見れば、大気さえも必要ない生物など、数多くいます。


[参考記事] 無酸素状態の湖の中で発見された「スーパー」バクテリア


あるいは、地球には、「極限乾燥耐性生物」という、「カラカラに乾いても死なない」生物などもたくさんいます。


この世に存在する生命というのはすごいのです。


どんな環境の場所でも、たとえ水も酸素のない場所でも生命は生きられる、あるいは、生きられる生命がいる、のが生命の世界の真実であって、そこから考えると、超高熱の惑星などを除けば、生命はそこで生きることができるメカニズムを持っています。


多分、NASA の科学者たちは、その生命の持つ「強靱さと多様性」を信じていない。


そして、多分「宇宙は全体として生命に満ちている」ことを信じていない。


その観点からは、どんなに予算をつぎ込んでも、どんなに高度な観測機器があったとしても、その探査はひたすら無駄であると思います。

水があるとかないとかが問題ではなく、生命存在の根本を見つめない限り、つまり、自分たちも今、おびただしい生命に囲まれて生きている、という感覚を宇宙にも当てはめないと始まらないような気がします。

これは NASA だけではなく、宇宙探査に関わるすべてに当てはまることだとは思いますが。

そして、そういう観点から見ますと、宇宙探査という行為そのものが終焉の方向に向かってもいいのではないかとも思うことがあります。


外に宇宙を見ている限り、宇宙の本当の姿は見えないような気がします。

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2015年03月23日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





cern-univese-top.gif

▲ 2015年3月20日の英国 Express より。


昨日、昼間とても暖かかったので、油断して薄着で横になっていたら、どうも風邪っぽくなってしまっています。寒暖差が激しいですね。

うちのあたりの明日朝の最低気温は氷点下にまでなるらしいです。
数日前の最高気温なんて、23度だとかまで上がったのに。

ところで、昨日の記事、

宇宙の創造…ひも理論…432Hz…528Hz…ライアー…:数々のシンクロの中で、この世の存在は「音そのもの」であるかもしれないことに確信を持てそうな春の夜(1)
 2015年03月22日

では「次は 432 Hz の音についての記事を書きます」というように書いたのですが、今朝、いくつかニュースを見ていましたら、上の「パラレル・ユニヴァース」というような言葉が入っている報道を見ました。

最近、この「パラレル・ワールド」という言葉や会話とよく出会います。

そういうシンクロがある時には素直に従ったほうがいいと思いまして、こちらを記事にすることにしました。

そして、もうひとつ気になったのは、この実験が、

ブラックホールの生成実験

ということなんですね。

それほど理解していないながらも、ちょっと気にもなりましたので、ご紹介したいと思います。




ジュネーブに極小ブラックホールが出現するか

スイスにある CERN (欧州原子核研究機構)で稼働している、世界最大規模の科学装置ともいえそうな、大型ハドロン衝突型加速器( LHC )というものがあります。

これは「陽子をものすごいスピードで衝突させて、高エネルギー宇宙を再現する」という大がかりなもので、その目的は、コトバンクによりますと、


主な狙いはヒッグス粒子や超対称粒子の発見。最近のブレーン宇宙の理論から、4次元時空を超える隠れた次元探しや微小ブラックホールの探究にも期待がかかるようになった。


とありまして、私は知らなかったのですが、最近の物理学の世界では、

4次元時空を超える次元探し

などがおこなわれているのですね。

「しかし、ブラックホールの生成って何か問題になっていたような気がする」

と、大型ハドロン衝突型加速器 - Wikipedia を読んでみますと、


余剰次元理論からの計算によれば、極小ブラックホールが生成される可能性があり、危険であるという理由から、フランス高等裁判所及び、欧州裁判所に実験の中止を求める訴訟が起こされている。

(略)

しかし、たとえ理論が正しかったとしても、LHC程度のエネルギーでは極小ブラックホールは生じない可能性が高い。



ということで、また仮にブラックホールが生成されても、瞬時に蒸発してしまうとのこと。

いずれにしても、今回は、その「極小ブラックホール」を科学者たちが作ろうとしている報道です。
先に報道の翻訳を載せます。



Scientists at Large Hadron Collider hope to make contact with PARALLEL UNIVERSE in days
Express 2015.03.20

大型ハドロン衝突型加速器の科学者たちは、いずれ「パラレル・ユニヴァース」とコンタクトすることを願っている

lhc-fond.jpg
CERN


CERN (欧州原子核研究機構)の大型ハドロン衝突型加速器( LHC )で驚異的な実験を行っている科学者たちは、パラレル・ユニヴァース(平行宇宙)へのコンタクトの希望を持っている。

スイス・ジュネーブの CERN にある驚くほど複雑な「原子衝突器」 LHC は、これまでにない高エネルギーでの素粒子反応を起こすために、陽子ビームを加速しての正面衝突実験を行っている。

その目的は、様々な検出と、そして「極小ブラックホール」を生成することだ。

この実験が成功したなら、完全に新しい宇宙が明らかにされ、物理学の書だけではなく、哲学書も書き換えられることになる。

実験が成功した場合、私たち自身の宇宙の重力が、パラレル・ユニヴァースへ「流出する」可能性さえあると LHC の科学者たちは言う。

LHC の高エネルギー粒子加速実験は、当初、批判的な立場の人たちから非難されていた。彼らは、実験によってブラックホールが生成され、私たちの宇宙が消滅してしまう可能性を挙げていた。しかし、そのようなことは起きておらず、ジュネーブは現在も無傷で残っている。

実際、LHC の実験は成功している。科学者たちは、宇宙のビルディング・ブロックであり「神の粒子」とも呼ばれるヒッグス粒子の存在を証明した。

そして、今は、いまだに検出されていない「暗黒物質(ダーク・マター)」の検出に進もうとしている。暗黒物質は、宇宙の大部分を占めると考えられている、私たちには認識できないとされる物質だ。

しかし、来週行われる実験は、内容がやや異なるものだ。

実験チームのひとり、ミール・ファイザイ( Mir Faizal )氏は以下のように語った。

「これはちょうど、たくさんの紙が平行に積まれているようなものです。それらには、[幅と長さ]という2次元オブジェクトが[高さ]という3次元の中に存在している。そして、パラレル・ユニヴァースは、さらに高い次元(余剰次元)に存在しているという可能性があるのです」

「私たちは、重力が余剰次元に流出することを予測しています。そしてもし、それが起きた場合、極小ブラックホールが LHC で作られるでしょう」

「通常、人びとが多次元を考える場合、量子力学の多世界解釈(エヴェレットの多世界解釈)を考えます。これは、どこにでもその可能性があるというものです。しかし、この多世界解釈は実験できるものではないので、科学というよりは、むしろ哲学です」

「それらは、私たちが述べるパラレル・ユニヴァースではありません。私たちが述べるパラレル・ユニヴァースは、余剰次元に現実として存在する宇宙のことです」

「これは、LHC での極小ブラックホールの検出によって、私たちの宇宙の重力が、余剰次元の宇宙へと流れていく可能性についてテストするものなのです」

「私たちは、極小ブラックホールの検出の期待が持てるエネルギーを計算しました。それは[重力の虹](gravity's rainbow)という新しい科学理論による計算です」

「もし、この算出されたエネルギーで、私たちが極小ブラックホールを検出した場合、その後、[重力の虹]理論と余剰次元理論が正しいことを知ることになるでしょう」

LHC の発射エネルギーは、テラ電子ボルト( TeV )を計測している。テラボルトは、1,000,000,000,000ボルト、あるいは、100京(けい)電子ボルトなどレベルのエネルギーだ。

今まで LHCは、5.3 テラ電子ボルトより低いエネルギーレベルで、極小ブラックホールを探索してきたが、最近の研究では、これではエネルギーが低すぎることがわかった。

その研究では、少なくとも、6つの次元で 9.5テラ電子ボルト、10の次元で 11.9テラ電子ボルトのエネルギーレベルで、極小ブラックホールが形成されると予測されている。





というようなものです。

ちなみに、この記事には、「ヒッグス粒子の証明」とありますが、「確定」という意味では、まだなされていないです。ヒッグス粒子 - Wikipedia で、ヒッグス粒子関連の時間軸を見ますと、以下のようになっています。


・2011年12月、実験データの中に、ヒッグス粒子の存在を示唆するデータがあることを見つけ、ヒッグス粒子は 「垣間見えた」と発表した。これは「発見」の発表ではない

・2012年7月4日、「新たな粒子を発見した」と発表された。だが、この「新しい粒子」が、捜し求めていたヒッグス粒子であるのかそうではないのか、ということについては確定的には表現されず

・2013年3月14日にCERNは、新たな粒子はヒッグス粒子である事を強く示唆していると発表



というように、現在まで「垣間見られた」か「示唆している」で何年も止まったままです。

しかし、このヒッグス粒子問題は今回は関係ありません。





異次元との接触と異次元への脱出

今回の実験のは量子力学での概念での多次元宇宙との接触ということではなく、

「リアルな別次元宇宙」

を見つけ出し、

「その別次元の宇宙とリアルに接触する」

というところまでを目指しているらしいのですが、ちょうど、最近、少しずつですが、読んでいるミチオ・カクさんの『パラレルワールド―11次元の宇宙から超空間へ』には、「今の次元の宇宙から、他の事件の宇宙へ脱出する方法」について述べている部分があります。

これは、何らかの理由で、私たちが私たちの宇宙から脱出しなければならなくなった際に、他の次元の宇宙へ「逃げる」ことのできる可能性があるかどうかを述べていて、そこには全部で 11 のステップが「可能性」として書かれていますが、その中のひとつに、

「ブラックホールをつくる」

という項目があり、

「巨大な粒子加速器を建設する」

という項目があるのでした。

その 11のステップは、下のようになっています。
それぞれの見出しの後に膨大な説明がつくのですが、ここでは見出しだけを。

他の次元への宇宙への脱出方法

ステップ1 万物理論を打ち立て検証する
ステップ2 自然に存在するワームホールやホワイトホールを見つける
ステップ3 ブラックホールに探査機を送り込む
ステップ4 ゆっくりとブラックホールを作る
ステップ5 ベビーユニバースを作る
ステップ6 巨大な粒子加速器を建造する
ステップ7 爆縮機構を生み出す
ステップ8 ワープドライブ・マシンを作る
ステップ9 スクイズド状態による負のエネルギーを利用する
ステップ10 量子論的な遷移を待つ


11番目は「それらがダメだった場合」というものですので、ここでは除いています。

聞いたこともない科学用語がいくつかありますが、特に「爆縮機構」と「スクイズド状態」がわかりませんので、調べてみますと、

爆縮は、「全周囲からの圧力で押しつぶされる破壊現象のこと」
スクイズド状態は、「量子力学の基本原理とされる真空のゆらぎが人工的に制御された状態」


だそうです。

上の中で、「ブラックホールを作る」とか「巨大な粒子加速器を建造する」というところは、今回の実験の内容と重なります。

なお、この本は 2006年に発行されたもので、まだ、大型ハドロン衝突型加速器が稼働していない頃です(稼働は 2008年から)が、建設はされていたので、文中にも出てきます。

その部分を抜粋します。


『パラレルワールド』 第12章より

われわれの宇宙は一枚の膜で、わずか1ミリメートル離れた超空間に別の平行宇宙が浮かんでいるかもしれない。

もしそうなら、大型ハドロン型加速器で今後数年以内にその平行宇宙が発見される可能性がある。われわれは、タイプT文明に進歩を遂げる前に、この隣り合った宇宙の性質を探るテクノロジーを手に入れているのではなかろうか。

となれば、平行宇宙と接触するというのもそれほどとんでもない考えではない気もする。



2006年から「数年以内」に、多次元宇宙と接触するということは行われていないわけですけれど、それにしても、ブラックホールが実際に生成されたら、何がどうなるのでしょうかね。


全然関係ないんですが、ふと、「ブラックホール」という言葉から、この数年の「あまりにもキレイな壁面を描くシンクホール」を思い出したりしてしまいました。

2010年6月1日 グアテマラシティのシンクホール
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2010年7月19日 グアテマラシティのシンクホール
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中南米の「地殻変動ライン」


2014年のシベリアのクレーターのなめらかな壁面
hole1b.jpg
ロシア国防省が報告したという「シベリアの穴と地球の磁場反転の関係」。そして「未知の大気物質」の存在

上の記事の、英語のニュースサイトの引用には、以下のような部分があります。


これらの3つの穴の相互の関係から推測すると、このそれぞれの穴が、「確定できない / あるいは未知の《大気》」によって作られたと結論づけることができる。

これらの「確定できない / あるいは未知の《大気》」を「活性化させたトリガー」について、報告書では、6月にコペンハーゲンでの会議で、欧州宇宙機関( ESA )が、前例のない磁気の揺らぎがシベリア領域に渡って発生していることを観測したことについてふれられている。

今回のロシア国防省の報告書は、最近のシベリアの穴から排出された「謎の」大気物質が、「大惨事が発生する何らかの早期の警告の状態である」ことを否定することはできないと結論づけている。



とあり、まあ、今回の記事の内容とは関係ないのですけど、「未知の大気」とか、「前例のない磁気のゆらぎ」とか、地球自身でもいろいろなことが起きている可能性もあるかもしれず、そして、このシベリアのクレーターなどは、どう考えても自然現象として不自然な感じもあります。

グアテマラのシンクホールの「キレイな円」も何となく奇妙に思い続けているものでもあります。

地球のほうにもいろいろな「未知の力」が存在しているんでしょうね。

そして、空間とか宇宙のほうにも、地球に「不思議に見える現象」を発生させるような様々な「未知の何か」がありそうな。もしかすると、その原因の一部は、ブラックホールみたいな得体の知れないものが宇宙からきたりするものなのかもしれないですし。

今回の大型ハドロン型加速器の「ブラックホール生成実験」も、何か予想外のことなどが起きる可能性などもあるのですかね。

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2015年03月13日



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イギリス産婦人科学会は妊娠10週までのエコー検査を行わないガイドラインを策定中、アメリカ食品医薬品局は、必要のない超音波検査を「推奨しない」と勧告



超音波で「胎内の赤ちゃんの記念画像」を欲しがる人々が多い中

最近は子どもや赤ちゃんに関しての記事をたまに書きますが、

胎内で200種類以上の汚染物質に包まれながら成長して生まれてくる赤ちゃんたちのサバイバル…
 2015年02月01日

という記事で書きました内容など、現代生活の中では、生まれてからというよりも、むしろ「生まれる以前」から、子どもたちは様々な外部の要因と戦いながら生まれてきます。

そして、中には問題を抱えて生まれてくる赤ちゃんたちもいて、あるいは、喘息やアレルギーの子どもたちの率も増え続けています。

ここ十数年の子どもたちに起きている様々な問題が「もしかすると、生まれる以前のお母さんの胎内にいる時から始まっているかもしれない」というような感覚は、最近は多少は持っていますが、そんな中、イギリスのデイリーメールに下のようなニュースがありました。

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▲ 2015年3月12日の英国デイリーメールより。


今回、この記事をご紹介しようと思っていますが、先に概要を書きますと、イギリスの産婦人科学会や、アメリカ食品医薬品局( FDA )などが相次いで以下のような主張をしているという内容です。


胎児への超音波(エコー)での画像取得の安全性について、イギリス産婦人科学会では、妊娠10週以前の妊婦へのエコー検査を見直す動きを見せており、アメリカ食品医薬品局も、胎児が最も脆弱である妊娠初期に過剰な超音波診断、あるいは、3Dや4Dの高負担の超音波スキャンはお薦めすることができないとしている。



アメリカ食品医薬品局が発表したのは昨年 12月ですが、そのページが下です。

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▲ アメリカ食品医薬品局ウェブサイト Avoid Fetal "Keepsake" Images, Heartbeat Monitors より。

上の見出しの英語に「ドップラー」という単語はなく、「 Heartbeat Monitors (心拍モニター)」となっていますが、本文にこれがドップラー心音計(あるいは、ドップラー胎児超音波心音モニター)というものだと書かれてありましたので、そうしました。

ところで、「ドップラー心音計」とは一体何なのか?

知りませんでしたので、ちょっと調べてみますと、こちらに、

妊娠9~12週以降のお母さんのお腹にいる赤ちゃんの心音などが聞ける聴診器心音計

とありました。

そして、これも「超音波」を胎児に当てる器具ということになるようです。

エコーも、このドップラー心音計にしても、このような超音波を使う医療器具について、アメリカ食品医薬品局が上のページで問題としているのは、以下のことのようです。


超音波はわずかに組織を加熱する可能性を持ち、場合によっては、それにより、いくつかの組織に対して非常に小さな気泡(キャビテーションと呼ばれる)を生成する懸念がある。しかし、組織の加熱と気泡の生成が胎児に与える長期的な影響はわかっていない。


ということで、胎児の組織がわずかに加熱されることで、組織に気泡が作られる可能性があることが最近わかってきたということのようですが、ただ、それが胎児に何らかの影響を与えるのかどうかはわかっていません。

ただし、すでに現時点で、アメリカ食品医薬品局は

「使用しないことを推奨する」

としています。

ところで、この「エコー」なんですが、今はいろいろとあるようで、デイリーメールの記事には、3D とか 4D という言葉が出てきます。

今は平面の 2D だけではなく、3D とか 4D とかのエコーがあるようです。
しかし、3D (立体)まではわかるとして 4D とは?

これについては、クリムフ夫津子マタニティクリニック臨床胎児医学研究所という診療所のサイトに「2D, 3D, 4Dって何?」という記述があります。


2D, 3D, 4Dって何?

技術開発により最近では三次元超音波(3D)や四次元超音波(4D)などといった機能を搭載している機器も普及してきました。

簡単に言うと、普通に赤ちゃんの断面を見ている超音波法は二次元(2D)法です。これに対して3Dというのは、羊水中に浮かぶ赤ちゃんの表面をリアルに表現するものです。4Dはこの立体表現に時間軸をプラスして「動く立体画像の赤ちゃん」をリアルに表現するものです。

これらの3D, 4D超音波法というのはお母さんに「まだ見ぬ赤ちゃん」を見てもらう絶好の機会を与えてくれ、精神的に安定したマタニティライフを送っていただくことに貢献しています。

(略)

付け加えておきたいのは、3D/4D超音波がないと診断ができないのではなく、ほとんどの胎児診断は2D超音波で可能なのです。



ということで、

> ほとんどの胎児診断は2D超音波で可能なのです。

とありまして、どうやら 3D や 4D という立体写真は、医学的な見地からの必要性の大きさからというより、デイリーメールの記事の見出しにも、アメリカ食品医薬品局サイトのタイトルにもある、

「記念に」

という言葉が出てくるように、「お腹の赤ちゃんの姿を記念に残しておきたい」という目的を持つ親御さんたちが比較的多いことに起因しているようにも感じます。

あるいは、現実として、今の世の中は、病気や障害を持って生まれてくる赤ちゃんの比率が昔と比べて劇的に増加していますので、お母さんの気持ちとして、「病気がないかどうか確かめたい」という心境があることはしても理解できます。

上の、クリムフ夫津子マタニティクリニック臨床胎児医学研究所のページにも、


少子化の現在、お母さん、お父さんは赤ちゃんが健康であるかとても心配されています。数十人にひとりはなんらかの病気があるといわれています。


という記述があります。

これは、WHO の報告にある「現在は、出生児の4-5%が何らかの生まれつきの疾病をもつ」( 出生前診断 - Wikipedia )という数も、この「数十人にひとりはなんらかの病気がある」という率と大体一致します。

いずれにしても、

・記念のため
・心配を解消するため


という理由などによって、頻繁におこなわれる超音波での画像スキャンについて、「それを避けることを強くお勧めします」と、アメリカ食品医薬品局は述べているということになります。

デイリーメールでは、英国の医学博士の見解として、「妊娠 10週以前の妊婦は避けるべき」としていますが、アメリカ食品医薬品局に関しては、妊娠の経過週についての言及はありません。

ちなみに、私の子どもが生まれた病院は、東京の西荻窪で現在残っている産婦人科の中では最も古くからある病院で、外観も内観も簡単に書くとボロボロの、しかし、昭和を彷彿とさせる風情のある病院で、最新機器などはほとんど見かけませんでした。

(……と思って、久しぶりにその病院の様子でも見てみようと検索してみましたら、新築されてキレイになっていました)

そんな古典的な病院でもエコーは何ヶ月かに1回かは撮影していたと記憶していますが、エコー(超音波検査)って、いつ頃から普及したのですかね。




エコー検査の歴史

現在の日本の産婦人科医で、3D や 4D はともかくとして、エコー検査そのものがないという病院は多分ないと思うのですが、いつ頃から普及したものなのかを調べていましたら、川崎医療福祉学会誌に「超音波診断を含む妊婦健診の導入と普及要因」という研究論文がありました。

そこにある歴史を箇条書きにしますと、



日本における胎児の超音波検査の歴史

・1960年代までは妊婦検診は一般診察、外診、聴診、骨盤計測などで、当時は医師も助産婦も妊婦に対しての検診項目は同じようなものだった。また、定期検診も特にはなかった。

(私が生まれたのは 1963年でしたので、このあたりです)

・1965年に「母子保健法」が制定され、医師の定期的な妊婦検診が奨励された。

・1968年に超音波ドップラー法を応用した分娩監視装置の普及が進み、1,000台以上が市販される。

・1970年代になり、早期妊娠診断に超音波診断が有効であるとされ、この頃から普及が始まる。

・1980年代になって、胎児の詳細な形態診断や臓器の診断のための超音波検査機の開発が進む。

・1990年代になり、3D 超音波診断が臨床の現場に登場する。





という感じのようです。

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超音波応用機器の市場の拡大は下のグラフのようになるようで、太い線が現在まで続く系統の超音波機器だと思いますが、このような大きな伸びを見せてきました。数百億円規模の市場ですから、小さくはないです。

1969年から2001年までの超音波検査機器の市場規模の拡大
echo-market.gif

まあ……このグラフを何かと関連させたくはないですが(エコー検査そのものには、大事な面があるとは思いますので)、最近の記事に載せたグラフで年代などと比較的連動しているものをふと思い浮かべてしまいます。

日本における低出生体重児の1970年から2000年までの推移
t-baby-number2.gif

▲ 2015年01月30日の記事「「そのうち日本から子どもが消えちゃうんじゃないか」と思わせる日本をめぐる統計グラフ…」より。元グラフは赤ちゃん通信より。


日本におけるおける先天異常発生頻度の1974年から2004年までの推移
dna-anomaly-5.gif

▲ 2015年02月01日の記事「胎内で200種類以上の汚染物質に包まれながら成長して生まれてくる赤ちゃんたちのサバイバル…」より。グラフはニコチル調査より。


うーん……まあ、いろいろと考える部分もないではないですが、ちなみに、最初のほうにも書いていますけれど、イギリスの産婦人科学会は、「妊娠初期の超音波検査と医療的な根拠のない過度な超音波使用は避けるべき」と言っているわけで、エコー検査そのものを否定しているわけではありません(ただ、アメリカ食品医薬品局は基本的にすべての妊婦に「非推奨」としています)。

しかし、たとえば、エコーで赤ちゃんの病気や異常が実際に見つかるケースは多いと思われ、また、お母さんにしても、今のこの時代に、お腹の中の赤ちゃんの様子を少しでも詳細に知りたいと思うのは、ある程度は当然だと思います。ですので、なかなか難しい問題ですよね。

自分のお腹の中の状態をまったく知らないまま、すべての妊娠期間を過ごすというのも、今の時代ではやや勇気がいることだと思います。

結局、イギリスの産婦人科学会の言うように「妊娠初期には(できるなら)控える」ことや、あるいは、例えば、超音波ドップラー心音計などを個人で「医療上の根拠のないまま何度も使う」というようなことは慎んだほうがいいということなのかもしれません。

ただ、日本ではこの理論は通用しないと思いますが。

ところで、関係ないんですが、昨日の朝日新聞に、

島から子どもが消える 「その日が来てしまったんじゃ」
 朝日新聞 2015.03.12

というタイトルの記事がありまして、内容は、高齢化が進む広島県福山市の走島(はしりじま)という小さな島で、今月、島に一つずつあった小・中学校と幼稚園が閉じて、島から「子どもがいなくなる」ことが記されたものでした。

このような光景そのものは、今では日本のあらゆる地方で見られていると思うのですが、この記事の最後の文章が「まるで未来の日本で誰かが呟く言葉のようだ」と感じてしまいました。

それは、島の公民館の副館長の高橋松美さんという方が述べた以下の言葉です。


「ずっと前から『このままじゃ子どもがいなくなる。何とかしよう』と思っていたのに、その日が来てしまったんじゃ。でも、もう遅い」


何だかこの方の言葉がとても切なく響いてしまいました。

これが未来の日本という国の単位で、

> でも、もう遅い。

となるような日が来ないといいのですけれど……。

そんなわけで、脱線しながら来てしまいまして、何だかわからくなってきましたが、デイリーメールの記事をご紹介いたします。

なお、この記事にある「危険性」には現時点では医学的なエビデンスはなく、この意見は英国でも米国でも「統一した見解ではない」ということは書いておきたいと思います。



Souvenir scans 'should be banned for first ten weeks of pregnancy': Ultrasound used to capture photos could expose foetus to unknown risks
Daily Mail 2015.03.12


記念のための胎内スキャンは「妊娠初期10週は禁止されるべき」。超音波での画像撮影は胎児が未知のリスクに晒される可能性がある


お腹の赤ちゃんの記念のスキャンは妊娠の初期 10週以内で行われるべきではないと医師たちは言う。

今はこれから両親になる人々が、記念のために妊娠のあらゆる時期的段階において胎児の画像を超音波で撮影し、それらを記念として部屋に飾ったりする人々も多い。

そのような中で、英国産婦人科学会は、医学的な理由がない場合の妊娠初期の妊婦に対してのエコー検査はおこなわない方向でのルール作りを進めている。

胎児の画像撮影には高周波数の超音波を使用するが、これによって、胎児が未知のリスクにさらされる可能性があることが新たな科学レビューで述べられているのだ。

現時点で、超音波が胎児に有害であるというエビデンス(医学的証拠)はない。
しかし、レビューは「予防原則は適用されるべきだ」だと述べる。

レビューの主筆の英国インペリアル・カレッジ・ロンドンの胎児医学者であり産婦人科医のクリストフ・リーズ( Christoph Lees )博士は、特にそれは妊娠 10週以内では顕著に見えたと語っている。

本来なら、エコー検査は、臨床医によって潜在的な問題を識別された場合に使用されるものであったが、クリニックの数が増え、今では妊娠6週目から画像提供をおこなう場合もある。

リーズ博士はこのように述べる。

「胚の期間での超音波検査は、いくつかの重要な筋書きから、胚に対してのリスクを持つ可能性があるのです。もっとも、現在、超音波診断の安全性に対しての問題があるという根拠はありません」

「しかし、現実として、超音波画像診断が、ますます明白な医療的な目的ではないことでも使用されるようになっており、胎児が胚という脆弱な妊娠初期の時期におこなわれる超音波の長期的な悪影響を認識する必要があると考えます」

アメリカ食品医薬品局( FDA )は、昨年 12月、妊娠のどの段階であっても、必要のない超音波検査をするべきではないという勧告を出した。

リーズ博士は、有害性の可能性とひとつとして、超音波によってわずかに発生する過熱効果をあげる。博士は、記念の胎児の画像がほしい場合、妊娠 20週以降にしたほうが良いと述べている。

また、同時に、超音波を使用するドップラー心音計も、妊娠初期 10週以前に使うことは全くお勧めできないと博士は言う。

さらに、3D 、 4D の超音波エコーに関しては、特に4D 超音波は、リアルタイムで、スキャン時間が長く、また、通常より高い電力放出を伴うことにも言及している。


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2015年01月05日



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▲ 2014年12月26日のロシア 3dnews より。



連鎖する世界の大噴火

今年の最初の日に書きました、

全宇宙を崩壊させたテュポンの封印が解かれる日:トンガの海底火山フンガ・ハーパイと、イタリアのエトナ島の大噴火で終えた2014年
 2015年01月01日

という記事で、トンガの海底火山「フンガ・トンガ=フンガ・ハーパイ」と、イタリアのエトナ火山が年末に大噴火を起こしたことを書きました。

そして、2015年に入り、すぐの 1月3日に、インドネシアのシナブン山が、近年最大クラスの噴火を起こし、現在の警戒レベルが最高の「コードレッド」となっています。

sinabung-01.jpg
The Watchers


sinabung-02.jpg
Twitter


下のほうの写真で、地面のほうにある煙は火砕流が発生していることを示していると思います。

何かこう、わりと人々が携帯で写真撮ったりして、のんびりと眺めているんですけど、火砕流は時に、かなりの距離をものすごいスピードで進みますから、ちょっと危うい感じがしないでもないですね。

年末から年始は、大規模な噴火が相次いでいます。

なお、トンガの海底火山フンガ・トンガ=フンガ・ハーパイの噴火ですけど、昨年の3月にも噴火を起こしていたようで、その時の動画を見つけました。音は本当の音声ではないです。




そして、最近知ったのですけれど、このあたりの海域には、このフンガ・ハーパイのような海底火山が 36 もあるのだとか。

ひとつの噴火だけで上の状態ですからね。

複数、あるいは全部噴火したらどんな状態になるのか。

海底火山の噴火が増えると、どうしても海水温は局地的で、なおかつ一時的であっても上がると思われるのですけれど、最近、

北半球の雪で覆われた面積が観測史上最高を記録。なのに、気温と海水表面温度は観測史上で最も高いという異常な矛盾…
 2014年12月06日

などの記事で書いていますように、ただでさえ、現在は世界中の海水温度が上昇しているというのに、海底火山の噴火も相次いだ場合、さらに海水温度が上昇していくようなことも考えられないわけでもなさそうで、そうなった場合は、世界の天候はさらに荒れることになるような気もします。

西之島などを含めて、最近は海底の地質的な変化がはっきりとわかる形で現れることも多く、今年あたりは、もっと大きな「大陸の浮上」なんかも起きても不思議ではなさそうです。

それでは、ここから「終末」と関係する本題です。




ロシアで始まる「すべての生物種の生体バンク」構築計画

よく「世界の終末に備えた種子貯蔵庫」( 2011年10月14日の Wired )というような呼ばれ方をされることが多い、地球上の種子を冷凍保存している巨大施設である「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」というものがあります。

これは、

スヴァールバル世界種子貯蔵庫 - Wikipedia

スヴァールバル世界種子貯蔵庫は、ノルウェー領スヴァールバル諸島最大の島であるスピッツベルゲン島に位置する種子銀行である。

2008年2月26日、ビル・ゲイツ主導のもと、地球上の種子を冷凍保存する世界最大の施設がスピッツベルゲン島の中心地・ロングイェールビーン近郊にて操業開始した。

施設は、今後さまざまに予想される大規模で深刻な気候変動や自然災害、(植物の)病気の蔓延、核戦争等に備えて農作物種の絶滅を防ぐとともに、世界各地での地域的絶滅があった際には栽培再開の機会を提供することを目的としている。

という施設で、最大 300万種の種子の保存が可能な地下貯蔵庫を持ちます。

スヴァールバル諸島が選ばれたのは「寒い場所だから」で、

地下貯蔵庫の温度はマイナス18〜20°Cに保たれ、万が一、冷却装置が故障した場合にも永久凍土層によってマイナス4 °Cを維持できる環境に置かれている。

というものです。

場所は、ノルウェー北部の海域にあるスヴァールバル諸島の下の星印の位置にあります。

svalbard-map.gif


内部は下のような感じで、現在は、50万種以上の植物の種子が収められているそうです。

svalbard-1.jpg
Glamox Svalbard Global Seed Vault

このスヴァールバル世界種子貯蔵庫は「植物だけの種子バンク」ということになりますが、これに対して、ロシアのモスクワ大学は、冒頭にありますように、

地球の数百万種の生体組織バンクを構築する計画を今年 2015年から開始する

ということが、ロシアの各メディアで伝えられていました。

植物から哺乳類まで、入手可能な限りの生物種のマテリアルバンクを作る試みということなのだと思います。報道では、絶滅危惧種をはじめとして、その目標数が「 430万種」と書かれています。

どのような保存形態となるのかはわからないですが、下のようなイメージもありましたので、このような感じの保存になるのかもしれません。

bio-bank.jpg
REGNEWS


スヴァールバルでの植物の種子保存に低温環境が必要なのと同様に、他の生物マテリアルも「細胞などが生きたままの状態」で保存するのであれば、かなりの低温を必要とするはずです。

通常は電気で保冷しても、「停電などにより電気が使えない状態になっても保存できる場所」というのが必要だと思われますが、極寒の場所なら豊富なロシアだからこその計画かもしれません。

そして、このプロジェクトにつけられた名称が「ノアの方舟」なんですね。

アメリカ主導のスヴァールバルの種子貯蔵庫も「終末の日に備えたプロジェクト」だと言われることが多い中、ロシアの計画も自ら「ノアの方舟」とつけるあたり、終末準備プロジェクトの香りがします。

ところで、「ノアの方舟」とはどんなお話だったのか、念のために記しておきます。ノアの方舟 - Wikipedia には、

・シュメルの洪水神話における記述
・ギルガメシュ叙事詩における記述
・旧約聖書『創世記』における記述


が記されていますが、ここでは旧約聖書のものを載せます。

旧約聖書『創世記』による「ノアの方舟」の記述の概要

神は地上に増えた人々が悪を行っているのを見て、これを洪水で滅ぼすと「神と共に歩んだ正しい人」であったノア(当時500〜600歳)に告げ、ノアに箱舟の建設を命じた。

箱舟はゴフェルの木でつくられ、三階建てで内部に小部屋が多く設けられていた。箱舟の内と外は木のタールで塗られた。ノアは箱舟を完成させると、妻と、三人の息子とそれぞれの妻、そしてすべての動物のつがいを箱舟に乗せた。

洪水は40日40夜続き、地上に生きていたものを滅ぼしつくした。水は150日の間、地上で勢いを失わなかった。その後、箱舟はアララト山の上にとまった。

この中に、

> 地上に生きていたものを滅ぼしつくした。

とありますように、やはり「全滅の神話」のわけです。

(ところで、40日間、動物たちのエサをどのように調達?)

まあ、細かいところはともかく、ノアの方舟の時には、実際の動物の雄雌を連れていかなければなりませんでしたが、モスクワ大学の「ノアの方舟」は、助けたい生物に用意するものは、ひとつの種の生物に対して小さな試験管2本で済むのですから、便利になったものです。


ところで、実は最近の生物科学関係のニュースの中では、こロシアの「生物種保存計画」よりもさらに驚いた「終末的な報道」がありました。

それは、「人工の精子」と「人工の卵子」の作成に成功したというニュースでした。




人の手で作り出された精子と卵子

artificial-sperm-eggs.gif

▲ 2014年12月24日のガーディアンより。


これは、ケンブリッジ大学の研究者たちが、ヒトの胚性幹細胞を培養し、成人の皮膚細胞を使用することで、「人工的に作られた精子」と、初期段階ながらも「人工的に作られた卵子」を作り出すことに成功したというものです。

ここに出てくる「胚性幹細胞」というのは、いわゆる ES細胞と呼ばれるものです。

こういう「何とか細胞」の報道は最近よく目にするのですが、私がほとんど理解していないのと同時に、「そこまで人体の細部まで人の手が入り込むってのもどうなのかね」と思う部分もないではないということで、「何とか細胞」という名前のつくニュースは一切見てきませんでした。

何とか細胞でノーベル賞を受賞された方の報道も一切目にしませんでしたし、久保さんだったか何だったか女性のニュースも、ウェブでは見出しも見ないし、テレビのニュースなら、その報道が出た途端に消していました。

ということで、これまでは興味がなかったのですが、

「人工の精子と卵子を作り始めた(しかも人間の)」

というところまで来たとなると、話も違ってきます。

ES 細胞の説明で最もわかりやすかったものとなると、やはり少年少女向けサイトで、「生物史から、自然の摂理を読み解く」というサイトの、ES細胞って何?(基礎編)に説明があります。

ES細胞は人体を形づくるあらゆる細胞にへと変ぼうすることのできるおおもとの細胞であるとともに、変ぼうする前の状態のまま自らをいくらでも分裂させて増やすことができる特性を持っています。

そのようなES細胞を手に入れることができるようになったということは同時に、ES細胞を上手に誘導してやれば目的とする必要な細胞、組織、器官を意図的に作り出し、さまざまな治療に生かせる可能性が大いに広がったということを意味します。

おぼろげでしか理解できないですが、要するに、

様々な状態に変貌して増殖することのできる ES細胞を使って、人間の体内の組織や臓器などを新たに作り、「細胞レベル」で医療に応用する。

という試みのようです。

この「大義名分」がどうもアレなんですよ。
上でいえば、「さまざまな治療に生かせる可能性」の部分。

これは、今回の「人工の精子と人工の卵子」についても、「不妊治療への応用」という大義名分が述べられています。また、これは確かに不妊に悩む方々には朗報であることも事実だと思います。

しかし、この研究がさらに進めば、

親がいなくとも、人間を作ることができてしまう。

ということが現実となるわけで、男女が子どもを作り出す、という構図は不要となってしまうばかりか、まず、

人を増やすために男性は完全に不要になる

ことは確定するわけですが、同時に、

施設が進化すれば、母体そのものも不要になる

という可能性もありそうです。

そりゃまあ、実際そんなようなことを試みた場合、倫理的にいろいろと問題を指摘されるのでしょうけれど、「発表しないで研究を続ける分には誰もわからない」ということがあります。

このガーディアンの記事の内容に対しての反響はコメント数の多さでも理解できます。

comment-648.gif

12月24日の記事で、今日 1月5日までに 648件と、かなりの数です。

それぞれの内容や賛否の比率まではわからないですけれど、どうにも、生体科学は「ある線を越えつつある」というような感じもしないでもないです。

そんなわけで、植物や生物の生体バンクの構築が進められる一方で、「人工物だけによる人間の誕生」に近づきつつあるという方向に科学は向かっているようです。

これを「科学の進歩」と感じるか、「終末感漂う時代」と感じるかは人それぞれなのでしょう。

それでは、ここから、ロシアの生物バンクのニュースの翻訳です。
記事そのものは短いものです。



ru-bio-bank.gif
3dnews.ru 2014.12.26

モスクワ大学が 10億ルーブルをかけ「ノアの方舟」を創造する


モスクワ国立大学に世界初の生体材料貯蔵庫(バイオマテリアル・バンク)が作られる計画が、サドヴニチイ学長によって明らかにされた。

このプロジェクトは「ノアの方舟」と命名された。

学長によれば、長期的な保管の後でも再生できる形での細胞材料の低温保存をおこない、さらに、蓄積した材料の分析のための最新のコンピュータ・ブラットフォームの設置もおこなわれるという。

この特別なコンピュータ・システムは、ロシアの他の研究拠点と、また、海外の生体バンクともネットワークを持つ予定だ。世界には、今のところ、このような形式での生体材料の統一した低温貯蔵システムは存在しない。

費用は 10億ルーブル(約 20億円)で、2018年の稼働を目指す。

完成したバイオバンクには、世界中の絶滅危惧種と共に、全世界の 430万種類の生物種の生体材料が貯蔵される予定だ。


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2014年09月26日



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bash-bug-top.gif

▲ 2014年9月25日の Bidnessetc より。ユニックス系というのは、現在の「 Mac 」の OS のすべてを含みます。



突然 Mac に押し寄せた「大災害」

私はパソコンとしては、 Mac も Windows もどちらも使っていますが、遊んだり、気楽な用途の場合は Windows ですが、この In Deep を書いたりすることも含めて、きちんとした作業をする時には Mac を使っています。

今日、「記事にしよう」と昨日から思っていたテーマで記事を更新しようとしていたときに、ふと、ある記事を目にして、その Mac (を含む UNIX 系というシステム)に「史上最悪のバグ」が発見されたことを知りまして、アメリカ国土安全保障省から、注意喚起が出ていることを知りました。

冒頭の記事に出てくる「ハートブリード」というのは、過去記事の、

インターネット史上最悪で、かつ破局的なセキュリティ危機が発覚。個人情報からカード番号、バスワードまですべて流出する可能性が内在する欠陥の存在が明らかに
 2014年04月12日

などでご紹介したこともある「インターネット史上最悪のバグ」と呼ばれたものですけれど、今回の Mac などに影響を及ぼすセキュリティバグは、

「それよりも多くの被害をもたらす恐れがある」

と書かれてあっては、さすがに気になり、対策はわからないものの、

OS X を含む UNIX 系 OS に史上最悪級の脆弱性が発見される。そして、ご自身の OS が脆弱性の影響を受けるかどうかをターミナルで確かめる方法
 
などという記事を書いていました。

この話は Mac を含むユニックスといわれる基本ソフトに関係するもので、一般の Windows ユーザーには関係のない話ですので、多くの方には興味のある話ではないでしょうけれど、企業などではかなり深刻な影響がある場合もありそうですので、簡単に記しておきたいと思います。

何しろ、ご存じのように、最近の「企業からの情報の漏洩の多さ」はものすごいものですが、今回のものは、それに加えて、「そのマシンを乗っ取ってしまうことができる」ものだそうです。

しかも、非常に簡単に。

下は AFP の記事からの一部抜粋です。

「Mac OS」などに致命的脆弱性、数百万台に影響の恐れ
 AFP 2014.09.26

米政府とIT専門家らは25日、米アップルの「Mac OS」を含む一部の基本ソフト(OS)の脆弱性によって、広範囲かつ深刻なサイバー攻撃が発生する恐れがあると注意を呼び掛けた。

アメリカ国土安全保障省コンピューター緊急対応チーム(CERT)によると、Linux やMac OSなどの「Unix ベースのOS」が、この不具合によって影響を受ける恐れがある。

CERTは、ハッカーがこれを悪用すると、コンピューターが乗っ取られる可能性があると指摘している。

米セキュリティー企業ブロミウム・ラボのラフル・カシャップ氏は、この脆弱性が、今年に全世界のコンピューター数百万台に影響を与えた暗号化ソフトウエア「OpenSSL」の欠陥「ハートブリード(Heartbleed)」よりも多くの被害をもたらす恐れがあると指摘。

ウェブサーバーやマッキントッシュ・コンピューター、リナックス系OSを搭載したウェブカメラなどのネット機器など、数百万台の端末に及ぶ可能性があると、AFPの取材に対し語っている。

ここにある「マッキントッシュ・コンピューター」というのは、いわゆる Mac のことです。

このような報道などを読みながら、

「ついに Mac もか……」

と、しみじみ思いましたが、これまで、このブログでも、

アメリカ国土安全保障省と日本のセキュリティ機関が同時に出した深刻な PC のセキュリティ警告
 2013年01月13日

などを含めて、たまにインターネットのセキュリティ上のことにふれたりしたこともありますけれど、上のハートブリードのことはともかく、これまでは、基本的に、マルウエアと呼ばれる悪質なソフトのターゲットは、ほとんど Windows だったわけで、Mac ユーザーは私も含めて、セキュリティに無頓着な面があります。

しかし、今回は「史上最悪」というバグに見舞われてしまいました。

すぐに修正アップデータなどが出るのでしょうけれど、「加害者側の動きが常に一歩リードしている」のがこの世界です。



日本だけで1年に数十億円規模で悪質ソフトによりインターネットパンキングから不正送金されている

ところで、今年、最もインターネットで「巨大な脅威」となっていたものに「ゲームオーバーゼウス」( GameOver Zeus )というものがあります。

これは、簡単に書きますと、

インターネットバンキングのお金を狙うことに特化した悪質ソフト

で、自分のパソコン( Windows )がこれに感染すると、自分のキーボード入力を攻撃者が盗み取ったり、特定のサイトの表示内容を改ざんしたりすることで、「インターネットバンキングでの不正送金を可能とするもの」です。

つまり、「他人が勝手に自分の口座から他の口座にお金を振り込むことができる」のです。

2014年 6月 8日のマイナビニュースの記事によれば、この「ゲームオーバーゼウス」による日本の 2014年の被害金額は、5月9日の時点で 14億 1,700万円に上っています。

2014年 6月 3日の日経コンピュータの「脅威の「ゲームオーバー・ゼウス」、10カ国以上が連携して追い詰める」という記事によりますと、

ゲームオーバー・ゼウスは、世界中で50万台から100万台のコンピュータに感染し、その約25%は米国に存在するという。米連邦捜査局(FBI)では、10億ドル以上の損害が発生しているとみている。

とあり、これは、米国連邦捜査局( FBI )や欧州刑事警察機構(ユーロポール)、日本の警察庁など、国際的な連携で摘発にも乗り出しているほどのものです。

警視庁にはこの「ゲームオーバーゼウス」の特設ページが儲けられています。

goz-police.jpg

▲警視庁「国際的なボットネットのテイクダウン作戦」のトップページ。


何しろ、この「ゲームオーバーゼウス」の被害状況は、

・アメリカ 25%
・日本 20%


となっていて、日本へのターゲット傾向が鮮明になっています。

下の図は、上の日本の警視庁のページにあるもので、あまり読みやすくはないですが、この中にもそのことが書かれてあります。

japan-20p.jpg


とにかく、次から次へと、こういうものが出てくる

そして、上の数字を見てもおわかりのように、実際に被害はどんどん大きくなり続けています。

さらには、現在のスマートフォンの爆発的普及。

このスマートフォンに対しての悪質なソフトの増え方はどのようになっているかと言いますと……。


2012年7月から2013年10月までの Android のマルウェアの数の推移

2013-2014-malware.gif
EE Times Japan

ここでは Android の表ですが、他のスマートフォン用の OS も、傾向としては似たようなものなのかもしれないですし、いずれにしても感じるのは、

「悪い人(攻撃側)は良い人(守る側)より常にやや先にいる」

という法則がありまして、そのため、セキュリティ問題は減るどころか、ますます増える一方だというのが現実のようでもあります。

ロシアのユージン・カスペルスキーという人が代表のセキュリティ会社傘下のカスペルスキー研究所の専門家が、昨年、下のようなことを言っていたことが記事になったことがあります。

2014年にインターネットは消滅する
ロシアの声 2013.12.15

カスペルスキー研究所の専門家の意見では、来年、現在の姿のインターネットは消滅する。

専門家アレクサンドル・ガスチョフ氏によれば、法律レベルの禁止、電子マネー「ビットコイン」をめぐる不安定な状況、ハッカー集団の攻撃の過激化など、一連の好ましからざる外的要因により、ワールド・ワイド・ウェブは「死亡」する。

それに代わって、各国のナショナル・インターネットが多数乱立するようになる。外国の情報リソースへのアクセスが相当程度制限されるようになる。


そして、最近、プーチン大統領が「緊急時にロシアがインターネットから離脱する」という計画を持っていることが明らかになっています。

russia-unplug-internet.gif

▲ 2014年9月19日の英国ガーディアンより。


これは、ロシアでネットに接続できなくなる、という意味ではなく、いわゆる「ワールド・ワイド・ウェブ( WWW )」という意味での、「世界的な通信網からロシアのネットを切り離す」というような意味です。

プーチン大統領の想定している「緊急時」とか「非常事態」が具体的にどんなものなのかはわからないですが、国内の騒乱や軍事行動などを指しているというようなことが VOR の記事に書かれています。

それにしても、今年になって、

「史上最悪の」という冠

がついたセキュリティバグ(脆弱性)がこれで2つ目。

そして、アメリカ国土安全保障省のコンピューター緊急対応チームから出された緊急の注意喚起に至っては、何度になることか。

コンピュータ、あるいはポータブル端末の世界は何だか進化しているように見える一方で、実は「終わりに向かって加速している」という側面はあるのかもしれません。

これが自然の流れとしての「単なる自滅」なのか、そこに誰か、あるいは何らかの「意図」があるのかどうかはわかりません。

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2014年08月19日



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sad-mac.png


パソコンの OS として多く使われているウインドウズには「月例パッチ」というものがあります。

これは、マイクロソフト社が毎月公開するウインドウズの「脆弱性の修正プログラム」で、セキュリティ上、この更新を定期的におこなっておくことは大事です。

しかし、現実としては、「自動的にアップデート(自動で脆弱性が修正される)される」設定となっている場合も多いと思いますので (例えば、購入したままの状態のパソコンでは、ほとんどの場合、既定で自動更新が有効になっていますので、自動でアップデートされています) 、多くの方の場合は意識しなくともウインドウズはアップデートされているはずです。

これで本来はセキュリティ上は安心・・・なのですが、ところが、8月 12日にリリースされた、この本来はウインドウズを守るための「月例パッチ」が、深刻なシステムエラーを起こすことが、マイクロソフトから発表されました。

マイクロソフトの月例パッチに不具合 -- 一部アンインストールを推奨
CNET 2014.08.18

Microsoftの月例パッチが米国時間8月12日にリリースされてから、複数のアップデートによって深刻なシステムエラーが生じるという報告が同社に寄せられている。これを受けて同社は、ダウンロードセンターから複数のアップデートを取り下げ、削除方法に関するアドバイスを提供した。あるケースに対しては、アップデートのアンインストールを推奨している。


深刻なシステムエラーとは簡単にいうと、

・起動しなくなる
・ブルースクリーン表示となる


などです。

この「ブルースクリーン」というのは、ウインドウズのシステムに深刻なダメージが発生し、起動できない時に表示される下のような画面です。

blue-screen.jpg


今回の問題は、Windows 7、あるいは Windows 8 で起き得るもので、しかも結構、症状が厄介なもののようですので、現在、起動しないなどの症状が出ていない方でも、マイクロソフトは、公式ブログにおいて、

特に問題が発生していないコンピューターでも、予防的処置のために、これらの更新プログラムをアンインストールすることを推奨します。

と記していますので、されたほうがよろしいかと思います。

すでに、起動不能、つまり、ブルースクリーン状態となってしまっている場合、復旧はできますが、かなり面倒なことになりますので、症状が出ていなくともアンインストールしておいた方がいいと思われますので、その方法を記しておきます。

下は Windows 7 での場合です。




1. 問題のプログラムがインストールされているかどうかを確認する

画面左下の「スタート」から「コントロールパネル」を選びます。

s-1.gif


そして、コントロールパネルから「 Windows Update 」(ウインドウズ・アップデート)という項目を探します。

コントロールパネルが下のような表示となっている場合は、右上の「表示方法」を「大きいアイコン」か「小さいアイコン」のどちらかに変更して下さい。

s-2.gif


どこかに「 Windows Update 」の項目がありますので、それをクリックします。

s-3.gif


さて、下のは私のパソコンの今朝( 8月 19日)の「 Windows Update 」の表示です。

s-4.gif


s-5.gif


このように、8月13日以降に「 Windows は最新の状態です」と表示される場合は「問題あり」ということになります

問題の月例アップデートは 8月12日のものですので、つまり、現時点で「最新の状態です」と表示されるということは、

問題のあるアップデートがインストールされている

と考えていいと思います。

つまり、変な話ですが、

現時点では「最新の状態」が「最も危険な状態」

なのです(笑)。


このような場合、このアップデートプログラムを削除しなければなりません




2. 問題のあるアップデートを探して削除する

「 Windows Update 」の左下にある「インストールされた更新プログラム」をクリックします。

s-6.gif


これまでインストールされたアップデートプログラムの一覧が表示されます。

s-55.gif


この中の「 Microsoft Windows 」と青文字で書かれた下の部分から探します。

s-7.gif


Microsoft Windows (KB2982791) などの文字がズラーッと並んでいますが、この (KB2982791) などの数字の番号から問題のあるプログラムを探していきます。

見づらいようでしたら、右上にある四角のボタンを押しますと、「全画面表示」に拡大されますので、少しは見やすくなると思います。

s-8.png


今回、問題のあるプログラムは以下の「4つ」です。
番号で区分されていますので、間違いのないようにお探し下さい。
わかりやすいように KB を入れておきます。

KB2982791
KB2970228
KB2975719
KB2975331


基本的には、上から 10番目くらいまでにはあると思いますので、探すのはそれほど大変ではないです。

このうち、Windows 7 と Windows 8 など、システムのバージョンによって、インストールされているプログラムも違いますが、上に該当するものが見つかった場合はすべて削除(アンインストール)します。

ちなみに、私は Windows 7 を使っていますが、

KB2982791
KB2970228

のふたつがありました。

s-9.gif


削除するプログラムを選び、アンインストールをクリックします。

1度にひとつしか削除できませんので、ひとつずつこの作業を行います。

s-10.gif


アンインストールをクリックするたびに、「このコンピューターからこの更新プログラムをアンインストールしますか?」と表示されますので、「はい」をクリックします。

s-11.gif


プログラムが削除された後に、下のように再起動を促す表示が出ますが、すべての削除が終わってからの再起動でいいです。

s-12.gif


すべて終わるまでは「後で再起動する」をクリックし、すべての問題のあるプログラムの削除が終わりましたら、「今すぐ再起動する」をクリックします。






以上ですが、もし、すでに起動不能やブルースクリーンの状態になってしまっている場合は、上の画面に行き着くこともできませんので、その場合の復旧手順はマイクロソフトの公式セキュリティブログの記事、

【リリース後に確認された問題】2014 年 8 月 13 日公開の更新プログラムの適用により問題が発生する場合がある

の中で「復旧方法」として詳しく説明されています。

マイクロソフトは「まだ問題が出ていない場合でも、速やかにアンインストールすること」を薦めていますので、しておかれるほうがよいかと思います。


私もこれまで、 Windows でのブルースクリーンなどは日常茶飯事ですが、比較的安定している Mac での同様の状態(昔は Sad Mac というものがあり、今ではカーネルパニックと呼ばれる状態)など、パソコンの致命的なトラブルは数限りなく経験してきましたけれど、やっぱり精神的に良くないですので、避けられるトラブルは避けたいところであります。

まあ、今回はその種を蒔いたのがマイクロソフト自身というのはあれですが。

ところで、今回のアップデートの内容ですが、

・KB2982791 は「カーネルモードドライバのセキュリティ更新プログラムについて」

・KB2970228 は 「 Windowsでのロシアルーブルの新しい通貨記号をサポートするためのアップデート」

・ KB2975719 は 「 Windows RT 8.1、Windows 8.1、およびWindows Server 2012 R2用のアップデートのロールアップ」

・ KB2975331 は「 Windows RT、Windows 8、および Windows Server 2012用のアップデートのロールアップ」


とあるのですが、興味深かったのは、ふたつめの、

「ロシアルーブルの新しい通貨記号をサポートするためのアップデート」

でした。

「ロシアルーブルの新しい通貨記号?」と思い、調べてみると、昨年12月の投資関係の記事にそのことがありました。

国民投票で選定されたロシアルーブルの通貨記号が制定
Forex Magnates 2013.12.12

ロシア中央銀行がウェブサイト上でルーブルの通貨記号の投票結果を発表、¥、$、£、€に加え、ロシアルーブルの記号が新たに制定された。

選ばれた記号は、キリル文字の「P」に横線を加えたもので、“この二本の平行線はロシアルーブルの確固たる地位を象徴する”という。ロシアルーブルは、登場してから初めて公式な通貨記号を手に入れた。



ということで、ロシアルーブルは、

初めて公式な通貨記号を手に入れた

ということらしいのですね。

つまり、これまで、ロシアのルーブルには、たとえば、¥(円)とか、$(ドル)のような通貨記号はなかったということらしく、昨年はじめて制定されたということのようです。

そのロシア・ルーブルの通貨記号はこちらです。

ruble.png


そして、このロシア・ルーブルの通貨記号をサポートするためのウインドウズのアップデートが「深刻なトラブルを招いた」というのは、何だか今の世界を象徴するようで印象深かったです。

というわけで、今回は番外記事でしたが、パソコンが起動しなくなってしまうと、ブログも閲覧していただけなくなりますし、書かせていただきました。

次回からは通常の記事の更新をします。

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2014年04月17日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。






ブルームバーグ報道に対して当局から出された公式声明ページより

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▲ 2014年4月11日にアメリカ国家情報長官ウェブサイト内に掲載された公式声明 Statement on Bloomberg News story that NSA knew about the “Heartbleed bug” flaw and regularly used it to gather critical intelligence より。




韓国フェリー事故の不思議

本題とは関係ないですが、近年の東アジアでは未曾有の惨劇をもたらした事故だと思われる韓国のフェリー沈没は、乗客の多くが若い人たちだったということもあり、親御さんたちの姿を見ていて、何とも悲しいところですが、今朝の朝鮮日報の見出しを見ると、船長をはじめとして、乗組員の行動などに問題もあったようです。

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▲ 2014年4月17日の朝鮮日報のトップ。


それにしても、済州島行きのフェリーという、韓国で最もポピュラーな航路で大きな座礁が起き、しかも、数分で大きな船が横向きになってしてしまったというのは、どうも不思議です。

朝鮮日報の上での特集記事のひとつでは、専門家が見て疑問に感じる点として、

・それまでそこになかったサンゴ礁に衝突することなどあり得るのか
・爆発の音は、内部爆発ではないか
・なぜ突然、横に傾いたのか


などが言われているそうです。
ぶつかったとしても、他のものではなかったかと。

この海域の一帯には、船を沈めるさせるほどのサンゴ礁はないそうで、地元の人も「これまで発見されていないサンゴ礁が突然出現したと見るには無理がある」と述べているそう。

なんかこう・・・妙な事件性や「軍事性」などがありそうな感じもないではなかったりという感覚もぬぐえませんが、いずれにしても、悲劇は悲劇で、そして、どうも今は悲劇の多い時代にも思えます。

世界のいろいろなところで起きていることは単なる事故といえるものも含めても、「見えないところで進行しているカタストロフ」というような感じさえします。


というわけで、今回の本題です。




ハートブリードをめぐりはじまった「国家 vs メディア」の仁義なき戦い

先日からたまに記している「ハートブリード」と呼ばれるセキュリティ上のバグ(欠陥)ですが、実は、

インターネット史上最悪で、かつ破局的なセキュリティ危機が発覚。個人情報からカード番号、バスワードまですべて流出する可能性が内在する欠陥の存在が明らかに
 2014年04月12日

の記事を書いていた時点で、「諜報機関などがこれを利用したら、ものすごい質の個人情報の収集ができそう」ということを感じてはいたのですけれど、変な推測で変なことを書くのもイヤでしたので、書かなかったのですが、その後、「変な憶測でもなかったかもしれない」ということが表沙汰になりつつあります。

このことをめぐっては、「経済メディアのブルームバーグ」と「アメリカ家安全保障局(NSA)」が、インターネットサイト上で全面的に対立し、インターネットメディアの多くが、ブルームバーグ側につくような姿勢を見せるというような構図を見せています。

映画「仁義なき戦い」のモデルとなった 1950年から始まった第一次広島抗争での広島市の岡敏夫率いる岡組とテキヤ村上組の対立では、岡組が、周辺を次々と縁戚関係としていきます。同じように、現在のブルームバーグにも、岡組のように「周囲のインターネットメディア」が次々と応援に駆けつけていて、 NSA もメディアも一歩も引かない態度を見せているようです。

映画「仁義なき戦い」の中の主人公の、

「広島の喧嘩ゆうたら、とるかとられるか(殺すか殺されるか)しかありゃせんのですよ」

という台詞がありますが、最近は、特に NSA を巡ってなどの報道は上の台詞のような激しさも感じることもあり、今の状況は「仁義なき戦い」というように映ります。


さて、何だかわからない比喩はともかくとして、最初にブルームバーグがこのことを報道したのは、4月11日の「 NSA はハートブリード・バグを知っていた?( Did the NSA Know About the Heartbleed Bug? )」という報道でした。

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今はその動画はすでにプルームバーグ上にはないですが、 各メディアが、その日のうちに、その報道を記事にして、内容を記録しています。

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▲ 2014年4月11日の The Wire Surprise! The NSA Reportedly Knew About the Heartbleed Bug for Years (but They Deny It) より。


関係者の話として、 NSA は少なくとも2年前からハートブリードの脆弱性について認識していながら放置し、定期的に重要な情報を収集するために利用していたというようなことを報じたらしいのですが、それに対して、同日、アメリカ家安全保障局自らがその報道を公式に否定したのが、トップに貼った声明です。

これに関しては、インターネット・ウォッチがわかりやすく報道しています。


NSA、「Heartbleed脆弱性を情報収集に利用していた」とする報道を否定
INTERNET Watch 2014.04.14

米国家安全保障局(NSA)は11日、OpenSSLの“Heartbleed”と呼ばれる脆弱性を、NSAが情報収集に利用していたとする米Bloombergの報道に対して、否定する声明文を発表した。

Bloombergでは、この問題に詳しい2人の関係者の話として、NSAは少なくとも2年前にはHeartbleedの脆弱性について認識していながら放置し、定期的に重要な情報を収集するために利用していたと報じている。

NSAはこの報道に対する声明文を発表。

NSAや政府機関がHearbleedの脆弱性を2014年4月より前に知っていたというのは誤りで、民間のセキュリティ企業などが公表するまで連邦政府は脆弱性を認識していなかったと説明。

政府のウェブサイトやその他のオンラインサービスでも利用者のプライバシー保護のためにOpenSSLを使用しており、もし先に脆弱性を発見していたならば、OpenSSLのコミュニティに連絡していただろうとしている。




ということで、この問題は決着したように思われました


そして、公式声明から3日後のブルームバーグテレビ。

bb-ns-2014-0414.gif

▲ 2014年4月14日の Bloomberg TV What and When Did NSA Know About Heartbleed Bug? より。


公式声明を受けても、どうにも攻撃的な様相が見てとれます。


ブルームバーグだけではなく、現在の世の中は NSA に対してどこまでも懐疑的なようで、 WirelessWire News には、ニューヨーク・タイムズの報道が引用されていて、


NYTimesは、オバマ大統領が今年1月にNSAによる諜報活動の内容見直しを実施した際、NSAが何らかの重大なセキュリティバグを見つけた際、基本的には公にすべきだとする立場を取りつつも、国防や法執行の必要性に応じて例外的な措置を取ることを容認するとの判断を下していたという。

その結果、一般の人々に大きな損害を与える可能性のある「Heartbleed」バグが放置され、NSAの諜報活動に利用されることとなった可能性がある。




と記されています。




もはや「公式声明」のたぐいを完全に信用していない国民とメディア

この問題がこんなに大きくなっているのは、 NSA の問題も、ハートブリードの問題もどちらも、特にアメリカ国民にはとても関心があるという面はありそうです。

何しろ、たとえば、 Google のニュース検索で、 NSA knew about the Heartbleed bug ( NSA はハートブリード・バグについて知っていた)と検索すると、下のように、山のような数の報道が出てきます。

search-bloomberg-nsa.gif

▲ Google ニュース検索 NSA knew about the Heartbleed bug より。


真実はわからないにしても、多くのメディアが「今回の件は NSA がクロ」と想定しているかのような報道ぶりとなっています。


しかし、これは多くの人々が不安に思うのも無理はないのですよ。


今回の問題は、これまでアメリカ国家安全保障局がおこなってきたメールの収集とか、電話の盗聴だとか、そういうレベルの個人情報の収集ではないわけで、

インターネット上の秘密保全が消滅していた

ことであり、もともとがアメリカ国家安全保障局が俎上に挙げられている中で起きたことでもありますし、実際がどうだったのかを本当に知りたがっているのだと思います。

思えば、最近の In Deep では、こういうような「機関による情報収集」に関しての記事も多いです。以前はほとんどなかったような記事ではありますけれど、やはり、元 NSA のエドワード・スノーデンさんとか、元世界銀行のカレン・ヒューズさんとかの存在は大きいようですね。

最近はイギリスの政府通信本部(GCHQ)とアメリカの国家安全保障局(NSA)がコンビを組んで、いろいろと行っていたことが、よく報じられます。

過去記事の、

イギリス政府の機密作戦の結果が教えてくれる「私たちのいる現実の世界」
 2014年02月28日

などに、書いています。

gchq-yahoo-03.gif

▲ 上記の記事より。オリジナル記事は、2014年2月27日の Guardian Yahoo webcam images from millions of users intercepted by GCHQ より。

カレン・ヒューズさんに関しては、

この世界の正体 : 世界銀行元上級職員カレン・ヒューズさんが語る「地球のお金と宗教をコントロールする"人類ではない種族"」
 2014年04月03日

にあります。


まあ、確かにいろいろと不穏な感じではあるのですけれど、上の「イギリス政府の機密作戦の結果が教えてくれる「私たちのいる現実の世界」」という記事には、イギリス政府通信本部の「合同脅威研究情報班」( JTRIG )のプレゼンテーション書類を載せていますが、そこにもあるように、これらの情報を共有する国は、書類では、「米国、オーストラリア、カナダ、イギリス、ニュージーランド」となっています。

gchq-plesent.gif

▲ 公開されたイギリス政府通信本部「合同脅威研究情報班」によるプレゼンテーション書類より。オリジナルは Training for a New Generation of Online Covert Operations(オンライン秘密工作の新世代のためのトレーニング)にあります。


それでは、「米国、オーストラリア、カナダ、イギリス、ニュージーランド」以外の国は関係ないのかというと、それはわからないです。

あるいは、それぞれの国が独自で同じようなシステムを持っている可能性は常にあるわけですし、社会全体が不安定になってきた場合、個人情報収集システムのような存在は、その国家にとっては便利で重要なものにはなり得るとは思います。

わりと今後の世界にびびっている私(苦笑)としましては、本当はいろいろな面で通信テクノロジー依存の生活スタイルそのものを変えていかなければならないとは思うのですけれど、キッカケがつかめないですね。

なお、最近の「次々と発生する暴露」に関しては、ウェブボットの昔の記事などを含めて、「今後はどんなディスクロージャーが起こりうるか」ということを考えてみたいところもありますので、もう少し体調が良くなったら、調べ直してみたいと思います。

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2014年04月12日



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▲ 2014年4月10日のウォールストリート・ジャーナルより。




インターネット世界に起きていたカタストロフ

最近はよく眠ることのできる日々が続いていたのですが、昨晩、というより少し前の夜中、頭の中で「ガガガガガ」みたいなノイズの音が走り気分の悪い目覚めをしてしまって、そのまま起きてインターネットを見ていましたら、数日前に「とんでもないこと」が発覚していたことがわかりました。

あまり悠長に書いている感じでもないですので、手短に書きますと、これまで盤石と考えられていた、インターネット上の「暗号化技術」に重大なバグ(欠陥)があったということなのです。

つまり、現在、

世界中のインターネット上で、たとえぱパスワードなどを含む暗号化された文字列の多くが丸見えになっている可能性がある

ということなのです。

今、IT 系のサイトのほぼすべてでニュースとなっていますので、素人の私が説明するより、それらの記事から抜粋します。詳細については下のそれぞれの記事などをお読み下さい。

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▲ 2014年4月10日のギズモード・ジャパン「ネット史上最大級のバグ発見。カナダは確定申告を緊急停止、危険度は10段階の11?」。



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▲ 2014年4月11日のアスキー「ウェブを襲った最悪のセキュリティ災害「Heartbleed」から自分の身を守る方法」。


あるいは「 Heartbleed 脆弱性」などで、検索すると数多く出てきます。


まず、どういう問題なのかということを、ギズモード・ジャパンの記事の冒頭から抜粋させていただきます。


サイトでクレジットカード番号入力しても鍵がかかるから大丈夫、という過去15年ぐらいの安心感を根底から覆すバグが検出され、世界各地でサイト管理者を震え上がらせています。

それに伴い、カナダ政府は確定申告のサービスを緊急閉鎖しました。この件に関して、セキュリティの専門家Bruce Schneier氏は「壊滅的。10段階評価で考えると、これは11レベル」と青筋立てて叫んでいます。

このように一国の公共サービスも停止させる重大なバグの名前は「Heartbleed」。血を吹く心臓という意味です。




そして、この何が問題なのかというと、ギズモードの記事の続きです。


例えばユーザーがメールアカウントにログインする際に攻撃者に秘密の握手を見られてしまうと、中の個人情報もその人に見られてしまいます。ユーザーネーム、パスワードはもちろん、覗かれた時に何かの決済をしてたら、クレジットカード情報も全部筒抜けです。

もっと怖いのは、個人情報を預かってるサイト側がどう身分証明してるのかも見られてしまうこと。過去の決済を覗き見したり、サイトに入力した内容の傍受などやりたい放題です。




ということになってしまっているのです。

もちろん、大手サイトでは急ピッチで対策を進めているところが多いですが、しかし、現段階では多くのサイトで対処されていないと考えられます。

個人での対処としてできることとしては、まずは、アスキーに書かれてある下の通りのことです。


パスワードを変更する

プロからのアドバイスとして、まず直ちにパスワードを変更し、影響を受けたサイトが Heartbleed バグに対応した後で、再びパスワードを変更してほしい。




また、ネットエージェント社が、「 Heartbleed 脆弱性検査」という脆弱性の有無をホスト名の入力で判別できる無料サービスサイトを無償で公開しています。

hb-03.gif


ただ、こういうものは、私もそうですが、ネットに詳しくない場合、使い方や結果の閲覧がわかりにくい部分もありますので、状況や報道を見ながら、パスワードを変更していくというのが最もよいかと思います。


ギズモードによれば、


幸い決済の大手は大丈夫です。



とありますので、日本の場合でも、多分、大手ポータルサイト、銀行、証券、ショッピングサイト、決済サイトなどは大丈夫だと思うのですが・・・・・。


なお、4月12日の午前の段階で、「パスワードの変更が推奨されるサイトの一覧」が、ギズモード・ジャパンの記事に掲載されています。フェイスブックも対象となっています。


また、英語のサイトですが、 heartbleed-masstest / top1000.txt のページに、脆弱性がある方式を採用しているサイトのリストがあります。

ここにある「vulnerable」が、「脆弱性あり(攻撃されやすい)」ということになりますので、参考になるかもしれません。

val.gif


順次、対処されていくと思いますので、とりあえず、私たちが現時点で行えることは、特にカード番号や個人情報などが登録されているサイトなどのパスワードを即刻変更することだと思います。

他には個人では対処のしようがありません。


そして、アスキーの記事にはこのように書かれています。


これはまだ始まりにすぎない。実際にどのサイトが悪用されたかを知ることができないため、もしユーザーが被害にあっていたとしても、それに気付くのは取り返しがつかなくなってからとなる。

さらに、攻撃者が過去数年にわたって被害者の暗号化されたウェブ・トラフィックを記録していたとすれば、彼らはそれを過去に遡って解読することができてしまう。Heartbleed に関してはまだ謎が多く、将来的な被害も読めていない。

そのためセキュリティーの専門家で暗号技術のベテランでもあるブルース・シュナイアーは、このバグが「壊滅的」であると言っており、「危険度を1〜10の10段階で示すとしたら、11だ」と警告している。




この先、今回の脆弱性を利用した被害の全貌が明らかになるまでの時間がどのくらいかかるかはわからないですが、ギズモード・ジャパンに書かれてあるように、


ひょっとすると今回の脆弱性の被害は未曾有の規模かもしれませんね。



という可能性も高いと思います。


何しろ、誰もが盤石だと信じていたインターネットのセキュリティ神話のひとつがほぼ完全に崩壊したのですから。


2年くらい前の、

地球文明を破壊する威力を持つウイルス「フレーム」が歩き始めた
 2012年06月10日

という記事で、ロシアのセキュリティ会社の社長であるカペルスキー氏の言葉を載せたことがありました。

kapel.jpg


今回の問題は、ウイルスとは関係ないのですが、危険性の種類の問題は別として、カペルスキー氏の下の言葉を思い出します。


「残念ながら世界にはまだこのような攻撃から完全に身を守る手段がない」


今回の問題は、個人では積極的な対策がなく、パスワードを変更する他は、ログイン履歴をまめにチェックするとか、クレジットカードの利用状況を確認するくらいしかなさそうです。そして何より、企業でネットを管理されている方は迅速に対処されるべきだと思われます。

なお、このような騒動の時には、騒動を利用した「悪質な迷惑メール」が出回りやすいです。

実際に、IT media の「OpenSSLの Heartbleed 脆弱性に便乗攻撃、陰謀説や政府機関利用説も」という記事に、


米SANS Internet Storm Centerは4月10日、正規の業者を装って、エンドユーザーにパスワードの変更を促すリンク付きの詐欺メールが出回っていると伝えた。こうしたメールのリンクを不用意にクリックすると、マルウェアに感染したり、だまされて入力したパスワードなどの情報を盗まれたりする恐れがある。



というようなことが起きていることを伝えています。「このリンクをクリックしてしてバスワードを変更して下さい」というたぐいのメールにはご注意下さい

今回の問題は、冗談ではなく、インターネットに依存している社会にとっての明確なカタストロフです。しかし、パニックになっても仕方なく(どうなっていくのかがわからない問題なので)、できそうなことをやっていくしかなさそうです。

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2014年02月28日



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gchq-yahoo.gif

▲ 2014年2月27日の英国 Guardian Yahoo webcam images from millions of users intercepted by GCHQ より。



最近公開されたイギリス政府通信本部の極秘書類の表紙

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▲ これについての日本語報道は、米国 NBCニュースの内容を伝えた CNET Japan の記事にあります。また、公開されたオリジナル書類は、全 50ページで、The Art of Deception: Training for a New Generation of Online Covert Operations(欺瞞の芸術:オンライン秘密工作の新世代のためのトレーニング)にあります。





英国政府の180万人に対する盗撮の発覚が教えてくれる「いろいろとやっておきたいこと」

冒頭に貼りました英国のガーディアンで見たニュースを見て、いろいろと考えましたので、今回はそのことを書かせていただこうと思っています。また、「それ」を行っていたのは、ガーディアンによりますと、やはり冒頭に貼りました書類を作成した英国の機関です。

その内容は、その後、日本の AFP でも報じられました。
冒頭部分を抜粋させていただきます。


英米、ヤフー利用者のウェブカメラ映像を傍受 英紙報道
AFP 2014.02.28

英紙ガーディアンは27日、英政府通信本部(GCHQ)と米国家安全保障局(NSA)が、米IT大手ヤフーの180万人以上のユーザーが利用したウェブカメラの映像を傍受し保存していたと報じた。

この情報は、NSAの情報収集活動を暴露して米当局に訴追された中央情報局(CIA)の元職員エドワード・スノーデン容疑者から提供されたもの。「オプティック・ナーブ(Optic Nerve、視神経の意)」という暗号名の活動により、ウェブカメラを使ったチャットの静止画がどのように収集されていたかが明らかにされていた。その対象者は、犯罪の容疑者だけに限定されていなかったという。




というニュースで、このガーディアンの報道に対しての読者たちの反応の激しさは、コメント数でわかります。出来事が英国、つまり自分の国でのことであるということもあるのでしょうが、掲載後、すぐにコメントは数千に達しました。

上の報道にあります「オプティック・ナーブ」作戦の極秘書類も掲載されていて、下のようなものです。

ragout-001.gif

▲ ガーディアンより。


しかし、これは、多分かなり多くの人々が「予測していた出来事」なのではないかとも思います。予測というのはイギリス政府というほうではなく、「パソコンの内蔵カメラが本格的に何かに利用される」ということについてです。





どんなものにでも「カメラと通信機能」がついている時代に

今の時代は、Windows マシンだとか Mac だとかは関係なく、家庭用のノートパソコンの多くに Web カメラが搭載されていて( Mac はノートタイプは全部)、タブレット、スマートフォンには、むしろ搭載されていないものを探すほうが難しいほど普及しています。

大抵は、ノートパソコンの場合は、モニターの上あたりについています。

pc11.gif


この内蔵カメラの厄介な点は、「カメラの機能そのものを止めることは OS、機種を問わず、とても難しい」のです。

そして、最近では下みたいなニュースもありました。

mac-cam.jpg

▲ 2013年12月21日の日本経済新聞より。


これは Mac だとか Windows だとか、あるいは Android だとか、そういう問題ではなく、すべてのパソコン、そして、すべてのタブレットに言える問題であると思われます。

何しろ、すでに、実際にガーディアンの報道のように、「 180万人の人々の Webカメラに写った人たちの映像を第三者が入手する」ということに成功している事実があり、そして、それが始まったのが今から6年前の 2008年です。

技術の進歩が飛躍的なこの世界。
今はどこまで「その技術」が進んでいるのか想像もできません。


さて、技術的なことはともかく、この「内蔵カメラの機能を停止する」には、簡単な方法があるのです。特に、ふだんまったく内蔵カメラをお使いになっていないのでしたら、その機能を止めることで特に不便が出るわけでもないと思います。

その方法とは・・・これも昨年の日経 BP からの記事をご紹介します。
記事というより、ほんの一言です。

web-camera-02.jpg

▲ 2013年6月21日の日経パソコンより。


そうなんですよ(笑)。

カメラのレンズを塞いでしまうのです。

上にはテープと書いてありますが、あまりにも見た目が悪くなりますので、パソコンと同じ系統の色の小さな丸いシールとか、デザイン的に気に入ったシールなどで貼れば、そんなに気になるものではないです。

私自身は、Webカメラ自体ほとんど使いませんが、使う時には外部に接続するタイプのものを使っていて、内蔵のものは機能を止めています。

上の日経パソコンの記事に、「セキュリティ企業がソフトウエアの脆弱性を悪用されると警告」とありますが、悪用の方法も進んでいて、今ではウイルスソフトなどではどうにもならない手段もあります。

昨年の記事、

アメリカ国土安全保障省と日本のセキュリティ機関が同時に出した深刻な PC のセキュリティ警告
 2013年01月13日

などに記したことがありますが、通常のパソコンの使用状況では防ぐことが難しい攻撃というものがどんどん増えているのが現状で、さらにタブレットやスマートフォンに関しては、もしかすると、野放し的な雰囲気もありそうな感じがあります。

また、今年 4月 9日に Windows XP のマイクロソフト社からの正式なサポートが終わります。

現在でも Windows XP ユーザーは多く、この 4月 9日以降、特に企業などで使われている場合、何が起きるのかということは「 XP マゲドン」というような言葉で表現したいような部分もあります。

Windows XP のサポート終了に関しては、マイクロソフトの「 Windows XP と Office 2003 のサポート終了の大事なお知らせ」というページをご覧下さい。



今回のガーディアンの報道は、そのような「悪用とも言える方法」を、国家機関が正々堂々とおこなっていたということで、やはりショックを受けた人が多かったようです。


ちなみに、トップに貼りましたイギリス政府のGCHQ (政府通信本部)の書類には、下のような「インターネットで彼らがおこなうこと」が並べられています。

そして、今回の報道を見ると、それは実行されているのだと思います。

gchq-01.gif

▲ GCHQ の「合同脅威研究情報班」( Joint Threat Research Intelligence Group/略称:JTRIG )のプレゼンテーション書類より。日本語はこちらで入れています。


ちなみに、この GCHQ という組織は 政府通信本部 - Wikipedia によりますと、


政府通信本部(GCHQ)とは、イギリスの情報共同体において、偵察衛星や電子機器を用いた国内外の情報収集・暗号解読業務を担当する諜報機関である。



とのこと。


今回の報道で色めき立った人たちが多いのは、パソコンでウェブカメラを使ってチャットなどをしている人たちの中には、「他人に見られてはいけないような行為をカメラの前でしていること」が実に多いということが、 GCHQ の書類でわかったらしいということもあるようです。

AFP の記事には下のような文面がありました。


英国ガーディアン紙はさらに、収集されたデータは、NSAとの間で日常的に行っている情報共有の一環としてNSA側のアナリストも閲覧でき、中には性的な映像も非常に多く含まれていたと伝えている。

ある文書には、「驚くべき数の人々が、自分の体の性的な部位を相手に見せるためにウェブカメラでの会話を使っているとみられる」と記されていた。




とあり、「そんなものまで政府に見られていたのかよ」という人たちの憤りなのか焦りなのかわかりませんが、それがニュースへのコメントの多さにもつながっているのかもしれません。

私はインターネット上での動画でのチャットをしたことがないので、その楽しさはわからないですが、その全世界でのユーザー数はかなりのものになるようです。それらが「すべて見られていたら・・・」と考えると、私たちが住んでいるこの世界というのはなかなかすごいものだと思わざるを得ないです。


アメリカとイギリスのこれらに関連した報道としては、上の AFP の記事の下に次のような項目が並べられています。

afp-2014-02.gif


このようなことが、「通常の報道」にまでになっている感じもあります。

基本的に、このようなことに完全に関わりを持たないためには、ネットワークに依存したライフスタイルをすべて投げ出すしかないわけですが、それは「携帯もスマホもテレビもパソコンもATMも捨て去る」というようなことになり、そんなことが現実的なわけもなく、せいぜい、自分たちの行える範囲で何かしておくというのも、仮に無駄なことだとしても、精神衛生的にはいいことのようにも思います。


そういえば、「ネットワークに依存したライフスタイルを投げ出す」といえば、北朝鮮がそれに近いものがあるかもしれません。





北朝鮮の夜

最近 NASA が撮影した「北朝鮮の夜景」の衛星画像を見て、そう思いました。下の写真です。

nasa-nk-001.gif


これは地図でいえば、下の範囲を撮影していて、北朝鮮のほぼ全土が「真っ暗」であることを示しています。

nasa-map-01.gif


お隣の韓国や中国が明るい夜景やネオンで光っているのに対して、北朝鮮は首都の平壌でさえ、ほぼ真っ暗のようです。電力事情もいろいろとあるのでしょうが、東アジアの人が住んでいる地域でここまで「暗い夜」を送っている国や地域は少ないように思います。


そういえば、日本も 311の後には長く節電が続いたことを思い出しました。

気づけば、今はまた煌々とした明るい夜に戻っていますけれど・・・まあ、どちらがいい状態なのかは価値観次第ということなのでしょうかね。正直、最近はコトの善し悪しの判断が以前よりつきません。

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2013年12月27日



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アプリケーションの削除(アンインストール)をされたことがない方のために


先日、下のような報道がいろいろなところでありました。

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▲ 12月26日の NHK 「中国製の日本語入力ソフト 入力情報を無断送信」より。


報道の冒頭は以下のようなものです。


中国最大手の検索サイト「百度(バイドゥ)」が提供する日本語の入力ソフトが、パソコンに打ち込まれたほぼすべての情報を、利用者に無断で外部に送信していたことが分かりました。セキュリティー会社は、機密情報が漏えいするおそれもあるとして、利用には注意が必要だと指摘しています。



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▲ 情報が送信されるイメージ図。biznot.xsrv.jp より。



ほぼすべての大手メディアで報じられていたので、ご存じの方も多いかと思われますが、このソフトは実は「かなりの数のパソコンにインストールされている」と推定されます。「自分では知らない間にインストールされていた」場合を含めて

以前から、このソフトが他のソフトと、一種の「抱き合わせ」のような形でインストールされるようになっていることを見ていますので、知らずにインストールした方や、あるいは、パソコンによっては最初からインストールされているものもあります。

追記ですが、12月27日の毎日新聞の「<中国・百度>無償入力ソフト 福島県の個人情報流出か

という記事に下のような下りがあります。


県の聞き取りでは、10台のパソコンを使っていた職員が「ソフトに身に覚えがない」と話していることから、別の製品をネットからダウンロードする際に「バイドゥIME」も一緒にインストールされたとみられる。



このように、知らない間にこのソフトがインストールされているパソコンは、数十万台から百万台以上あるのではないかとも思います。つまり、今この記事をお読みの方のパソコン( Windows パソコン)にもインストールされている可能性も、わりとあると思われます。


まあ、ものによっては気にしないというのもアリかとも思いますが、今回の場合、やはり、


> パソコンに打ち込まれたほぼすべての情報を、利用者に無断で外部に送信


ということで、全角文字で打ち込んだ文章が、すべてバイドゥのサーバに送信されているようですので、いずれにしても、あまり気持ちのいいものではない方もいらっしゃると思いますので、削除する方法を記しておきます。


方法としては、通常のアプリケーション(ソフト)の削除と同じなのですが、実は意外と、「ソフトの削除」をしたことのない Windows ユーザーの方は多いと思われます。

この「アプリケーションの削除」の方法を一度覚えれば、その後、「確実に不要」だと思われるソフトを削除できるようになりますし、そういう意味でも記しておこうかと思います。


ちなみに、今回はこのために、この「 Baidu IME 」の最新版をインストールして、それから削除(アンインストール)しました。レジストリ(というものがあります)の中など含めて、完全に削除されましたので、記すことにしました。


私の環境は Windows 7 で、その環境での例となりますが、 Windows XP や Windows Vista も基本としては同じです。

ここからです。



日本語入力ソフト Baidu IME をパソコンから削除する方法


1. デスクトップの左下のスタートアイコンをクリックして、上部タブから「コントロールパネル」を選択。

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2. コントロールパネルの中の「プログラムのアンインストール」という項目をクリック。

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表示が上のようにカテゴリではなく、小さな項目別になっている場合は、「プログラムと機能」という項目を探してクリックして下さい。

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Windows XP の場合は下のように「プログラムの追加と削除」という名称です。

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Windows 8 の場合は、画面の左下隅で右クリックすると、下のようにメニューが表示されますので、そのメニューから「プログラムと機能」をクリック。

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3. プログラムのアンインストールの一覧から Baidu IME を探し「アンインストール」。

プログラムのアンインストールのウインドウが下のように開きますので、そこから「 Baidu IME 」という名前のついているものを探して下さい。

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ここに「 Baidu IME 」という名称のものが見つからない場合、そのパソコンにはこのソフトはインストールされていませんので、作業を続ける必要はありません。


「 Baidu IME 」が見つかった場合、削除する場合には、アンインストールを実行します。 Baidu IME の項目をダブルクリックします。





4. 削除の続行

ダブルクリックすると、下のように、つまり「削除はやめませんか?」と女の子がお願いしてきますが、ひるまずに(笑)、「アンインストール」をクリックします。以下、「赤で囲んだほう」をクリックしていきます。

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下のようにいろいろ言われますが、「はい」を押して続行します。

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下のように、さらに女の子が泣きながら、いろいろと言ってきますが、ここもひるまずに、理由を適当にひとつ選択して、「アンインストール」をクリックします。

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5. 削除の完了

下のように「アンインストール」というウインドウが出れば、作業は終わりに近いです。

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ここで、「学習情報と環境設定を保存しますか?」と尋ねられますが、ここは「いいえ」をクリックして、すべて削除します。

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「アンインストールが完了しました」という下のウインドウが出れば、削除は完了です。
「完了」を押します。

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それと同時にブラウザが開き、 Baidu IME のサイトのアンケートサイトが表示されますが、すぐに閉じてOKです。


そして、その後、パソコンを「再起動」して下さい。

これは「レジストリ」という、まあ、 パソコンのシステムの設定情報のデータベースのようなものがあるのですが、削除した時点ではまだこのレジストリに Baidu IME のデータが残っていますので、再起動すれば、完全に削除されます。


これで作業は終わりです。








しかし結局は今はすべてにおいてそういう世の中でもありまして

今回のことは結構大きく報道されましたけれど、このような例はこれだけではないでしょうし、何より Windows そのものにも「ちょっと類似した機能」は携わっているわけで、下のような記事が、今年はよく出回りました。

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Jimstonefreelance.com より。



アメリカの国家機関がクローズアップされたことを別とすれば、このことは、 15年くらい前からわかっていたことで、過去記事の、

何が起こっているのかわからない社会の中で日本からタイへと続く集団パニック
 2013年07月02日

という記事の余談で、 1999年に記されたドイツのサイトをご紹介したことがあります。

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▲ 1999年9月4日の ドイツ Telepolis より。


他にも様々な類似した例はあるはずで、「私たちはハイテク生活している限りは逃げ場ナシ」と考えていたほうが妥当なように思います。


ところで、世界有数のコンピュータ・セキュリティ関連であるロシアのカペルスキー研究所が先日、以下のように述べていたということが報じられていました。

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▲ VOR 「カスペルスキー研究所:2014年にインターネットは消滅する」より。

下のような記事です。


専門家アレクサンドル・ガスチョフ氏によれば、法律レベルの禁止、電子マネー「ビットコイン」をめぐる不安定な状況、ハッカー集団の攻撃の過激化など、一連の好ましからざる外的要因により、ワールド・ワイド・ウェブは「死亡」する。

それに代わって、各国のナショナル・インターネットが多数乱立するようになる。外国の情報リソースへのアクセスが相当程度制限されるようになる。




これは、「いわゆる普通に使われている意味でのインターネットが消える」ということではなく、これまでのような「世界中の情報ネットワークとしてのインターネットが消える」ということで、現在の中国などのように「国家内で管理されたインターネットの方向になっていくだろう」というような意味のようです。

実際にそうなるかどうかはわかりませんけれど、もしそうなれば、ワールド・ワイド・ウェブ ( WWW ) という楽しかった技術も、普及してからたった 20年程度の短い期間で消滅するということにもなりそうです。

これは、


・自由だけれど、情報を全部垂れ流している状況



・自由ではないけれど、それに歯止めがかかる


との選択ということにもなり・・・まあ、どちらもつまらない話ではあります。
2014年はこちらのほうでも注目すべき年になるのかもしれません。

というわけで、番外記事でした。

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