2013年12月20日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。




ノーベル賞とロボトミー : 「科学の歴史」を振り返って、ちょっと考え込んでしまいました



今日は通常の時事の更新はお休みします。

というのも、まあ、今日、下の記事を目にしたのですね。
それでいろいろと考えてしまいまして。

lobotomy.jpg

ウォールストリート・ジャーナルより。


上の記事そのものは大変長いもので、記事の内容そのものにはここではふれないですが、この「ロボトミー手術」。

今はその言葉も使われることもほとんどなく、場合によってはご存じのない方もあると思われますが、1940年代から、うつ病や精神的な疾患の患者などにおこなわれていた「脳の外科手術」で、その方法は上のウォールストリート・ジャーナルから抜粋しますと、下のような手術法です。


方法

標準的なロボトミーでは、外科医が額から頭蓋骨に2つの穴を開け、そこに回転する器具、もしくは、へらのような形のメスを挿入し、額の裏にある前頭葉前部と脳のそれ以外の部分とを切断した。




というものですが、非常に簡単に書くと、下の赤い丸のところに器具を差し込んで、脳の前頭葉を他の部分から切断してしまう手術です。

lobe-01.gif


こんな一種の乱暴ともいえる方法は、当然、夥しい死者や、廃人を生み出したわけで、1970年代頃には完全に消え去りました。




さて・・・話は変わりますが、最近は日本人もよくノーベル賞などを受賞して、その時期には大きな話題になります。

以前に、

疑似と近似が積み重なっただけの「絶対」への信奉が義務づけられるリアル社会のウソくささに耐えきれなくなって疲れちゃいました
 2013年10月30日

という記事の中でも書いたことがありますが、私たちのような一般人は、受賞したその内容を特に知るわけでもなく、「ノーベル賞だ。バンザーイ」というような雰囲気に包まれることが多く、またそういうふうにしないといけないような雰囲気も報道などからにじみ出たりします。

下の方をご存じでしょうか。
エガス・モニスという医学者です。

egas1.gif


上のように、1949年にノーベル生理学・医学賞を受賞した人ですが、 Wikipedia から抜粋すると、この方の「受賞理由」がわかります。


エガス・モニスは、ポルトガルの政治家、医者(神経科医)である。

ロボトミーという名前で良く知られる精神外科手術、前頭葉切断手術を精神疾患を根本的に治療する目的で考案した。これが功績として認められ、1949年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。




そうなんですよ。このロボトミーというとても人間が人間に対しておこなったとは思えないことを考案した人は、その業績でノーベル賞を受賞しているのです。

つまり、ロボトミーは当時の「医学的な偉業」なのでした。

もちろん、ここでは、誰がいいとか悪いとかを書きたいわけではないです。ただ、こういう過去の例を忘れないでいたいとは思います。どれだけ科学界やマスメディアが称賛・絶賛しても、あるいはそれがノーベル賞を受賞するような偉大な業績でも、私たち一般人は、それを冷静に「観察」しているべきだと思っています。

ちなみに、私がこの「ロボトミー」という響きに比較的感情的になるのは、時代と生きている国が違えば、私もそういう候補になっていた可能性があったからです。






単なる神経症や PTSD もロボトミーの対象だった

私は不安神経症であり、 20代の始めに、一般的には PTSD とか心的外傷後ストレス障害とかいわれる、つまり強いトラウマが原因でのパニック障害になり、それは今でもある程度続いています。

ロボトミーというと、何だか相当重い精神的な疾患にだけ行われていたように感じるかもしれないですが、そういうわけではなかったようです。

上のウォールストリート・ジャーナルの『ロボトミー手術を受けた兵士の戦後』を読むと、今なら心療内科の範囲に相当するような些細な病状でもそれを受けていたことが明らかになっています。

記事では、当時のアメリカで、第二次大戦による PTSD と考えられる患者数がどれだけ多かったかということ、そして、彼らのその治療にも「ロボトミー」が使われていたことが書かれていました。

抜粋します。


1955年の米国学術研究会議の調査によると、戦時中に精神的、神経内科的な障害で軍の病院に入院した現役兵士は120万人もいたという。これに対して戦傷で入院した兵士は68万人だった。

1940年代の終わりと1950年代初めには、ベトナム戦争後に台頭し始めた病名「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」という診断が存在しなかった。当時使われていたのは「砲弾ショック」とか「戦闘神経症」という病名だった。しかし、かつて復員軍人援護局の精神科医をしていたバレンスタイン氏は、ロボトミーを受けた患者たちの多くが、今であればPTSDと診断されたかもしれないと話す。




とあります。

この記述にある、第二次大戦で、

戦闘などでの肉体的な負傷で入院した軍人は 68万人

だったのに対して、

戦時中に精神的・神経内科的な障害で入院した兵士が 120万人

だったという「肉体よりも精神をやられて入院した人のほうが多かった」という数の比較に、「戦争」というものを思ったりもしますが、それはともかく、今なら心療内科などでの抗不安剤などの処方により、場合によってはそれだけで良くなる可能性のある病気の人たちが、次々と「前頭葉」へのリンクを切断されるという手術を受けていたようなのです。


そして、多くは、ロボトミーを受ける以前とは「違う人間」となってしまいます。


それについては、ウォールストリート・ジャーナルの記事に、


そうした手術は退役軍人たちを自分たちの面倒も見られない成長し過ぎた子供同然にしてしまうことが多かった。引きつけ、記憶喪失、運動技能の喪失などに苦しむ人も多く、命を落とす人もいた。



とあります。


私が神経症やパニック障害になった時には、すでに効果のある薬があったわけで、ほんの 30年ほどの違いで、一方では、脳の経路の切断という手術により、事実上その人の人生は終わってしまった場合があったといってもいいのかもしれません。

とはいえ、現在の精神・神経疾患に対しての薬での治療にも多くの問題があることも確かです。私自身もそれは経験しています。



それにしても、この「ロボトミー」という言葉はロボットを連想させるあたりにも、日本語にすると恐怖感はありますが、実際には「葉の切除手術」という英語をカタカナにしただけのものだそうです。

下は脳のイラストですが、前頭葉などのように多くの部位に「葉」という言葉がついていることがおわかりかと思います。

brain.gif

この「葉」を英語でローブ( lobe )といい、切除はエクトミー( ectomy )といいます。その「葉切除手術」という意味のロベクトミーという言葉から来ているようです。




時代が戻らないとは誰にも言えないと思い続けた 1980年代から現在までの私たち

今から 40年ほど前に『カッコーの巣の上で』というジャック・ニコルソン主演のアメリカ映画がありました。内容は Wikipedia にありますが、そこには、


精神異常を装って刑務所での強制労働を逃れた男が、患者の人間性までを統制しようとする病院から自由を勝ちとろうと試みるという物語である。


とあります。

しかし、結局そのマクマーフィーという主人公は、


戻ってきたマクマーフィーは病院が行った治療(ロボトミー)によって、もはや言葉もしゃべれず、正常な思考もできない廃人のような姿になっていた。


という結末の映画でした。



そういえば、英国のお笑い集団モンティ・パイソンの元メンバーでもあったテリー・ギリアム監督の1985年の映画『未来世紀ブラジル』のラストシーンも主人公がロボトミーを受けたことを彷彿とさせるシーンで終わっています。

brazil-ending-01.jpg

▲ 映画『未来世紀ブラジル』のラストシーンより。映画のテーマは、監督本人によると「ぶざまなほど統制された人間社会の狂気と、手段を選ばずそこから逃げ出したいという欲求」だそう。


こういう施術が正当化されれば、上の映画のストーリーで主人公が実質的に社会システムから排除されたように、「不要な人物を社会から排除する」ということはできるわけで。

そういう時代が来ないといいですね。

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2013年11月05日



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worm-blood-top.gif

▲ ルーマニアの Jurnalul.ro より。
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赤くない血が流れても人間は生きていられることを知り

昨日、欧州やロシアなどのメディアで、「ルーマニアで人工血液の開発に成功」という記事がありまして、今回はこのことをご紹介したいと思います。

報道によれば、この人工血液は、「水と塩、そして海の無脊椎動物が持つヘムエリスリンという物質」から作られたものらしいのですが、すでに試験的なレベルは越えていて、近々、人間への臨床も開始されるのだそう。

つまり、「人工的に作った血液を人間に移植する」ということがおこなわれるということになります。

これまで、皮膚とか、臓器の一部などで人工的に作られた人間の器官の「代替物」はいろいろありますが、血液だけは何だかこう他の臓器とはまた違った意味を持つもののような気が私などはしています。

そして、今回のこの人工血液は「赤くない」のです。そのところにも興味というのか、いろいろと感じる部分がありました。


ab-2013.jpg

▲ 人工血液の製造に成功したラドゥ・スィラヒ教授。手に持っている透明に近い液体が人工血液だと思います。 Monitorulbt より。



以前、

2012年の「赤」の意味: DNA を持たずに増殖する「赤い雨から採取された細胞」とつながる人間の赤血球
 2012年11月28日

という記事を書かせていただいたことがあります。

red-bloodsea.jpg

▲ その記事。


これは、昨年2012年に「世界中のいろいろな場所で水が赤く染まった」ということと関連して「人間にとっての赤という意味」を考えてみたものでした。

上の写真は、2012年11月26日にオーストラリアのボンダイビーチというリゾートの海岸の海が真っ赤に染まった時のものです。原因は藻とされていますが、あまりにも鮮やかな赤に染まった海の色に驚いたものでした。

その記事では、


・血の赤は「鉄」であるということ

・そして、血を赤くする赤血球は人体で「 DNA を持たない部位」であること



から、節操なく、いろいろと記したのですが、その思いの中心には、


「人間は体内に赤い血が流れていてこそ生きている」


という大きな事実があるという確信だったのですが、その確信は今回の人工血液の登場で瞬時に消えてしまったわけで、上のほうの写真の通り、人間の血液として機能する人工血液は「赤くない」のです。


赤い血を持たなくても人間は生きられるという事実。


ちなみに、この人工血液の材料の「要」となるのは、ヘムエリスリンという物質で、どんなものか知らなかったですので、調べてみましたら、下のようなものでした。



ヘムエリスリン

ムエリスリンは海洋無脊椎動物である星口動物、鰓曳動物、腕足動物や環形動物のゴカイで酸素を運搬する多量体タンパク質である。

ヘムエリスリンとミオヘムエリスリンは、酸素が結合していない時は無色であるが、酸素と結合すると紫からピンク色になる。




どんな物質か具体的には私などにはわからないにしても、これを持っている生物は例えば、海の中の下のような生物です。

golfingia-2.jpg

Wikipedia - 星口動物より。


こういう、普段の生活ではほとんど馴染みのない海の中の生物たちが、人間や動物たちの生きる根幹とも言える「血」を作りだせる物質を持って海の中に生きているこの地球という現実にもショックというか、興味を持ちました。


そんなわけで、ルーマニアの現地では多くの報道がなされているのですが、その中のひとつをご紹介します。

しかしそれにしても、「ルーマニアの話題」というのも久しぶりで、 In Deep でのルーマニア単体での記事というのは、3年以上前の、

サイキック vs ルーマニア議会
 2010年09月12日

で取り上げたことがあるだけでした。

ro-majo.jpg

▲ その記事。翻訳だけの記事ですが、内容自体は「ルーマニアの人々の魔女や占いに対しての考え方」ということがややわかって、少し面白いです。


最初に貼りましたルーマニアのメディアの記事の冒頭にも下のように書かれていました。


欧米のメジャープレスは、今では、もはやルーマニアの移民問題や雇用問題を取り上げることはほとんどないが、久しぶりに、ルーマニアの話題で英国でのタブロイドにまで取り上げられる科学の話題が登場した。ルーマニアで医学の革命となるかもしれない人工血液が発明されたのだ。




ルーマニアは実際にどうも話題として取り上げられることが少ない国となっているようです。

その中で、今回の報道は英語圏からロシア圏までの多くの国々で記事となっています。

今回はそんな中のひとつです。
ここからです。



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2013年07月05日



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ネオニコチノイド系殺虫剤がミツバチの遺伝子活動に変化を与えることが判明


bee-canada.jpg

▲ 先月、カナダのオンタリオの養蜂場で同国として最悪のミツバチの大量死が発生しました。その数 3700万匹。崩壊した(ハチが消えた)巣の数は 600 。msn living より。
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ミツバチのささやきは地域的には消滅している


最近、米国やカナダにおいて、再びミツバチの大量死の報道を多く見かけます。ミツバチだけではないので、もはや蜂群崩壊症候群( CCD )という言葉だけではなく、大量死とか、あるいは「大量絶滅」という表現も見受けられます。


今回のタイトルにつけた「英国の子どもの5人に1人は生まれてから一度も野生のミツバチを見たことがない」というのは、今年4月に米国 msn が報道した下の記事から拝借したものです。

uk-bee-kids.jpg


この概要も短くご紹介しておきます。


A shocking number of British kids have never seen a bee
msn (米国) 2013.04.15

ミツバチを一度も見たことのない英国の子どもの衝撃的な数

長期間にわたり、私たちはミツバチの個体数の減少についての話を聞いてきた。その原因が、病気か天候か寄生虫か殺虫剤かはともかく、結果として、英国で行われた新たな調査は「ハチに刺された」かのように痛みを伴うものだった。英国の10歳未満の子どもの5人に1人は野生のミツバチを生まれてから一度も見たことがないことがわかったのだ。





主要原因に近づきつつある CCD の研究

この「ミツバチの大量死」については上の記事にも「その原因が、病気か天候か寄生虫か殺虫剤かはともかく」とありますが、諸説あるのですけれど、最近では、ネオニコチノイド系と分類される農薬が要因のひとつであることについては、かなり重要と見なされています。

2012年に欧米で数多くの実験によって、ネオニコチノイド系の成分により CCD が発生することが確認され、そして、2013年には日本人研究者による実験で「蜂群が最終的に消滅することが確認されました。

下は蜂群崩壊症候群 - Wikipedia からの抜粋です。


2013年には金沢大学教授山田敏郎の研究でネオニコチノイド系農薬によって蜂群が最終的に消滅することが確認された。実験では高濃度から低濃度(100倍に希釈)までの農薬を餌に混ぜてセイヨウミツバチ1万匹8群に投与したところ、濃度にかかわらず成蜂数が急激に減少し群は最終的に絶滅した。

従来の有機リン系農薬の場合は、時間経過とともに蜂は回復するとしたうえで、ネオニコチノイド系農薬は「農薬というより農毒に近い」もので、「このまま使い続け、ミツバチがいなくなれば農業だけでなく生態系に大きな影響を与える」と警告した。



とのことです。

下は山田敏郎教授がおこなった実験の様子の写真です。

bee-kanazawa.jpg

▲ 2013年6月18日の東京新聞オンライン版「ミツバチの群れ 農薬で消滅 ネオニコチノイド系 金沢大確認」より。


このような実際的な実験では証明されるにも近い形となってきているのですが、さらに最近になって、ネオニコチノイド系農薬が、「ミツバチの遺伝子を変化させてしまう」ことが判明したことが、7月2日のアメリカの科学サイト PHYS.ORG に掲載されていました。

今回はその記事をご紹介します。

その前に、最近起きたアメリカでのハチの大量死についても簡単にふれておきたいと思います。




アメリカ・オレゴン州で6月に発生したハチの大量死

アメリカで発生したハチの大量死はオレゴン州で起きたもので、ミツバチではなく、「マルハナバチ」というもので、下の記事の写真にあるような黒いハチです。

bee-oregon.jpg

Oregon Live より。


上で禁止された殺虫剤は、ノミなどの駆除に使用するジノテフランというネオニコチノイド系の殺虫剤とのことです。

この大量死は農地ではなく、都市部の街の中で起きたことのようで、街中にこのマルハナバチが地面や道路に大量に散らばっていたようです。

Bumblebees-0621.jpg

▲ 地元(オレゴン州ウィルソンヴィル)の人が撮影した死んだマルハナバチが地面に散らばる様子。6月21日。Earth Files より。


これも、6月15日に近くの農園で農薬を散布して、すぐにハチの大量死が始まり、因果関係がハッキリしているもののようです。


ちなみに、2013年12月よりネオニコチノイド系農薬3種はEU全域で使用が原則禁止となるとのこと。

ただ、以前からいろいろな生き物の大量死のことを書くこともありましたけれど、近年の大量死はミツバチに限ったことではなく、ミツバチ以外の大量死が人間に重要ではないかというのも、それはそうは言えない面もあるはずで、この問題の範囲は大きいような気もします。

ネオニコチノイドが昆虫全般の神経系に影響するという説が正しければ、大量死しているのはミツバチだけではないはずで、膨大な種類の昆虫が減少しているように思います。しかし、「効果的な害虫駆除」を強く望んだのも私たち(人間)であって、そこが難しい部分なのかもしれません。


ともあれ、私たちが食べている食物の3分の1は、ミツバチの受粉と関係しているものだそうですので、人間は確かに「ミツバチに生かされてきた」という側面はかなりありそうです。

都市伝説となっている「地球からミツバチが消え去ったら、人間は4年も生きてはいけない」というアメリカの映画『ハプニング』の中でアインシュタインの言葉だとして出てくる架空の言葉は、それは架空の言葉であっても、多分、それに近いニュアンスは事実であるようにも感じます。

では、ここから農薬とミツバチの遺伝子についての記事です。




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2013年07月01日



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妙な圧迫感と共に目覚めた夜中に感じた「もし 2015年になっても世界が今と同じだったらどうしよう」という不安


昨日の記事、

個人的観測史上最大の「暴落」を見せた宇宙線とその原因を作った太陽フレア
 2013年06月30日

で、6月28日の「宇宙線の瞬間的な急減」について書きまして、その原因となったと思われる CME (太陽からのコロナ質量放出=大量の磁気)ですが、地球には日本時間の今日(7月1日)の午前頃に到達したようなのですが、とても弱かったもののようです。

下は今朝のスペースウェザーの記事の見出しです。

sw-2013-07-01.png

▲ 今朝の Spaceweatherより。下が大体の内容です。


6月28日のCクラスの太陽フレアによって発生し、地球に向かって放出されたコロナ質量放出( CME )が地球に到達した。その影響は非常に小さいために、いかなる地磁気活動も起こさなかった。



とのことですので、特に心配はないようです。


ただ、昨日の記事に載せました下の宇宙線の数値の急落の状態はそのままです。




地磁気の影響はなくとも、突然の宇宙線の減少によって(特に人間による社会に)何か変化というのか、「人間の荒い面」は増加するような感じもします。


荒っぽい社会的混乱といえば、エジプトのデモは、その数にしても規模にしても、大変なことになっているようです。


大統領就任1年のエジプト、全国で1400万人が抗議デモ
ロイター 2013.07.01

eg-demo.jpeg

▲ カイロ中心部にあるタハリール広場。6月30日。

モルシ大統領就任1年を迎えたエジプトで30日、同大統領の辞任を求める1400万人規模のデモが全国各地で実施され、これまでに4人の死者が確認された。首都カイロ中心部にあるタハリール広場では、約50万人の国民が国旗を掲げながらモルシ大統領の辞任を求めた。



その数については報道によって様々のようですが、ロイターでは上のように 1400万人ということになっていました。それにしても・・・ 1400万人がデモに参加。

「エジプトの人口は?」と、 Wikipedia を見てみると 82,999,000人ということで、大体、8300万人ということのようです。

これは日本の人口の大体7割くらいですので、日本の人口で例えれば・・・えーと、このくらいの計算もできないですが、約1千万以上の規模の抗議デモということにはなります。

いわば、「日本全土で 1500万人が抗議デモ」という見出しが出るような状態と同じと言えるかとも思いますので、スゴイといっても差し支えない状態といえるかもしれません。





夜中の「圧力」で起こされて

そういえば、このセクションの見出しが「妙な圧迫感と共に目覚めた夜中に感じた「もし 2015年になっても世界が今と同じだったらどうしよう」という不安」という妙に長いものなのですが、昨日、眠っている時に、夜中の3時頃だったか、足もとのほうから、

「ボワッ!」

というような、風圧のような・・・何かこう「柔らかい衝撃」を感じて目が覚めたんです。時間を確かめるために枕元のコンセントで動いているセグのデジタル時計を見ると消えていました。

「停電?」

と思ったのですが、停電ではないことはすぐわかり、結局、朝になってわかったのは、コンセントが外れただけだったのですが、ベッドの下の奥の誰もさわることのできない場所にコンセントの元はあって、今まで自然に外れたことがないのですが、その時に何かの理由で外れたようです。

しかしその時は、先ほどの「ボワッ!」の感覚がとても気になっていました。

いろいろと原因を考えてみて、今度は、

「泥棒とか侵入しているとか?」

など別の方向に思いがいって、部屋を見て回ったりしているうちに、何だか急にいろいろと不安になってきた次第だったりしました。

「幽霊とか?」

などとも思いましたが、私はスピリチュアルな能力が完全に「ゼロ」で、生まれて以来、幽霊とか人魂とかのたぐいは見たことがないし、それどころか誰だって一度くらいは見たことがあると言われる UFO さえ見たことがありません

空はわりとよく眺めるほうですが、見るものはすべて説明がつくものばかりです。

まあ、「自分の中にある別の宇宙が見えたり」とか、そっちの無意味な方向に関して見えたりするということはありますが、それらはスピリチュアルというより、「誰にでもある複数宇宙に関係する普通の事実」だと思っています。


いずれにしても、どうせ、どんな悪霊や精霊が現れても絶対に見えやしないので、「考えるだけ無駄か」と寝ようとしましたがどうも眠れない。なぜだか「不安」が大きくなっていきます。

それくらいに不安になるほど、起こされた「風圧」はすごくて、あるいは「重力波」みたいな感じさえするものでした。


確かに最近はふだんでも「不安」の感覚がかなり強くて、こんなに強いのは十数年ぶりかと思います。もともと私は二十代のはじめから不安神経症というものにかかっている人で、強迫的な不安にとらわれやすい気質を持っているわけなんですけれど、それでも、かなり久々の感覚です。

しかし、以前と違うのは、今の私の不安は「何かが起きることへの不安」ではなく、「ずっと今と変わらない世界だったらどう生きればばいいのだろう」というほうの不安だと自分では思います。


ともあれ、あまり長々とこんな不毛なことを書いていても仕方ないですので、今日の本題というか、タイトルと関係したことに入ります。






2012年7月にグリーンランドの氷があっという間にほぼすべて溶けてしまった理由


昨年の記事で、「たった数日の間にグリーンランドの氷がほぼすべて溶けてしまった」という出来事があったことを記事にしたことがあります。記事は、

メルトダウンの序章? : 「たった4日間でほぼすべて溶けて消えた」グリーンランドの氷床
2012年07月26日

というものです。

下の図がその時に発表された図です。白い部分が氷の部分で、写真の左側が2012年7月8日。右側が2012年7月12日のもの。つまり、4日後のものです。




上の記事で NASA のニュースリリースをご紹介していますが、最初の部分を抜粋しておきます。


NASA の衛星が捕らえた予測もしなかったグリーンランドの氷床の急速な融解
NASA 2012.07.24

NASA の観測衛星からの観測によって、グリーンランドの氷床が 7月8日から 7月12日までの間に推定 97パーセントが融解していたことがわかった。

グリーンランドの氷床の衛星観測は過去 30年続けられているが、その 30年間での衛星による観測で、最も広範囲で、また「突然」の氷床の融解が起きていたのだ。

7月のたった数日間のうちに、グリーンランドの氷床全体の 97パーセントが溶けてしまったことを衛星データは示す。



最近、この異常といえる現象に関して、英国のシェフィールド大学の科学者を中心とした国際研究チームによって原因が解明されたということが発表されていました。

jet-greenland.jpg

Phys.org より。


記事の内容は、簡単に書きますと、「地球規模のジェット気流の循環に異常が起こり、それによってグリーンランドの上に暖かい南の熱をもった空気が流れ込んだために起きた現象」だったということのようです。

ジェット気流の異変に関しては、オックスフォード大学の気象物理学者であるティム・パーマーという人も、「異常気象の原因は、ジェット気流の変化が関係しているかもしれない」というようなことを述べていたことを、昨年の地球の記録に書いたことがあります。

jetstream-02.jpg


とはいっても、パーマー博士も、「気候変動の全体とジェット気流の関係はわからない」と述べており、現在のように地球の、特に北半球の非常に広い地域で日常的に起きている「異常な気象」についての説明はジェット気流だけで説明できるものではないようです。





海水面の上昇との関係

しかし、昨年のグリーンランドのように「瞬く間」に広大な土地の氷床が溶けるというような現象が、仮に相次いだ場合には、何となく「海水面に影響を与えたりはしないのだろうか」というようなことも考えてしまいますが、それに関しても、最初にご紹介した英国シェフィールド大学のグリーンランドの研究の記事の最後に、大体、以下のように記されています。


この(2012年のグリーンランドの出来事のような)自然変動により高い次元での氷床の溶解が起きたという出来事が 2012年だけの珍しい現象だったのか、そうではないものなのかは、今後の 5年から 10年の間に明らかになっていくと思われる。

将来の気候を予測することは難しいが、このことは次の 100年から 1000年の間での海水面レベルの変動要因に支配的となるかもしれないことを理解するということも重要なことだ。



これは、グリーンランドのような広い面積の氷床の突然の溶解などは、海水面レベルに影響するということを言いたいのだと思います。

ただ、ここでも、科学者たちは「次の 100年から 1000年」というようなことを言っていますけれど、昨年のグリーンランド(大変に広大な面積の大地です)の氷床がほぼすべて溶けるということが、たった4日間で起きているという現実を考えると、極端な例えですが、たとえば、「地球上のすべての氷が溶ける時間も、100年どころか、2週間程度と計算できてしまうのかもしれない」というようなことにもなりそうな感じもします。

北極や南極にはジェット気流のような循環する大気の流れは現在は存在しないわけですが、地球の気流がどうなるかは誰にもわからないことだとも思うのです。


ほんの少し先のことでも。


先日の「「大西洋の消滅が近い」と科学者たちが発表し、プレートの大移動による大災害が近いとメディアが書き記す時代に」という記事にも書きましたけれど、地球での現象は起きる時には「あっという間に起きる」ということを感じます。





セントヘレンズの場合

MSH1980Erupt.jpg

▲ セントヘレンズの 1980年の噴火。


関係ない話かもしれないですけれど、 Walk in the Spirit に「シアトルの内陸部でM4.3、近くのセントへレンズ山で想う」という記事がありました。

セント・ヘレンズは、アメリカのワシントン州にある火山で、1980年5月に大噴火を起こしたことで有名ですが、上の記事の中に、7 Wonders of Mount St. Helens (セント・ヘレンズの7つの不思議)というものを訳してくれていた部分がありました。

それを抜粋させていただきます。


The 7 Wonders of Mount St. Helens

1)噴火後、9時間で、山の全体が出来上がった、
(地質学では、1万年を要するとされている変化だが、)

2)噴火後、5ヶ月で、大規模な峡谷(キャニオン)ができた、
(普通、数百年かけて、侵食されてできるとされている、)

3)噴火後、5日間で、美しい断層のバッドランズ地形ができた、
(何世紀もかかるとされているが、)

4)最後の噴火後、3時間で、100層もの地層が作られた、
(長年を要するとされているが、)

5)大量の(雪解け)水流は、一気に海へ流れ、
河川はわずか、9時間でできた、
(長期間の浸食作用でできるとされているが、)

6)湖に沈んでいる丸太は、森林のように見えるが、
噴火で埋められたもので、わずか10年しか経っていない、
(地質学者は5億年の歳月をかけて、このような湖中森林ができるとしている、)

7)石炭の形成には何百年かかるとされてきたが、火山のそばの湖の湖底には何万本もの、石炭になる一歩手前の状態の木が確認できた、
(これらに、熱と圧力がかかると、アッと言う間に石炭に変質する、)



ということが書かれてあるのだそう。


これの真偽はともかくとして、私が最近の自然現象に思うことは、この「あっという間に起きる」ということなのです。


たとえば、創世記にあるような「7日間」もあれば、地球の何もかも変わってしまうのに十分な時間ともいえるような気さえしています。


何だか長くなってしまっている気がしますので、今回はここまでにしておきますが、つい最近、日本の海洋研究開発機構の主任研究員である中村元隆さんという研究員が発表した「 2015年から地球は寒冷化に入る可能性」についてのことがメディアで記事になっています。

朝日新聞の「北半球、数年後に寒冷化? 海洋機構が海水温から解析」で内容を読むことができますが、このことなどと過去に書いた「太陽活動から見た寒冷化」などとの関係をもう一度考えてみたいと思っています。


ただ、以前にも書きましたけれど、「寒冷化」というような語感よりも、今は「寒さも暑さも極端になっていっている」という感覚のほうが強い現実世界ではあります。


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2013年03月19日



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imac-java.jpeg

▲ 最近こういうような感じのイラストがいろいろなところで見られます。 Mac Trast より。
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今年になってから、

インターネットを使った世界の終末は絵空事ではありません: ブロックされた北朝鮮国営ウェブサイトを見て考えるその日
 2013年03月16日

アメリカ国土安全保障省とセキュリティ機関が同時に出した深刻な PC のセキュリティ警告
 2013年01月13日

という記事を書いたのですが、読み直してみると、あれだけの説明では、特に Wimdows のインターネット・エクスプローラなどで Java のプラグインを無効化したり有効にしたりするのは難しいかもと思いまして、今回、具体的に記しておきます。

私の使っているのは Windows 7 + IE 9 (インターネット・エクスプローラー9)で、それでおこなった実際の作業を載せておきます。

ところで、上に「無効化したり有効にしたり」と書きましたが、それはどうしてかというと、これだけ長い間、 Java というものが多くの OS やハイテク機器に使われてきたかというと、「便利で、必要なもの」だからです。

特に動的な様々を制御することが多いと思いますので、Java のプラグインを無効化することによって、表示されなくなったりするものもあるかと思います。

たとえば、私がたまにご紹介することもある下のような NASA が提供している流星や小惑星の軌道の表示サービスなども Java プラグインを使っていて、それがなければ画面上に表示されません。なので、その時だけプラグインを有効にしたりしています。



▲ 過去記事 地球上空での7つの流星の衝突はわりと大きなイベントだったのかもしれない より。


しかし、一般的なウェブサイトの閲覧で問題が起きることはあまりないと思います。
私も上の1月の記事以来、自分のものも家族のものも含めて、家の中のすべてのパソコンの Java を無効化しています。





セキュリティの根本的な問題は、あまり改善していない状況

なお、一般的にウイルス「のようなもの」の話の場合、

・ウイルスソフトを使っているから大丈夫
・OS のセキュリティ・アップデートをしているから大丈夫


ということだけでもこれまでは十分に対応できたのですが、今回の問題は上のふたつは根本的な対策にはなりません。もちろん、やったほうがいいに決まっていますが、これまでのセキュリティ問題とは、本質が違うようなのです。


下は2月26日の Computerworld の日本語記事からの抜粋です。
途中からです。


Javaにまたもや2件の新たなゼロデイ脆弱性が発覚
Computerworld 2013年02月26日


Java の脆弱性を突いた攻撃では大手IT企業も標的にされており、このところ米国Facebook、米国Apple、米国Microsoftなどが、自社のエンジニアのコンピュータが攻撃を受けたことを相次いで報告している。

「非常に多くのIT企業が、Javaのセキュリティ脆弱性を突いた攻撃の被害にあっており、驚いている」と、ゴーディアク氏は25日に述べた。「われわれは2012年4月から、Javaのセキュリティ問題について警告してきたが、シリコンバレーの人々の耳にはまったく届かなかったようだ」。

(中略)

意外なことではないが、今回の脆弱性の報告を受けて他のセキュリティ専門家は、Javaの無効化やアンインストールをユーザーにあらためて呼びかけている。

「現時点で最善のアドバイスは、ブラウザでJavaを有効にしておく必要がなければ、今すぐJavaを無効にすることだ」と、セキュリティ・ベンダーの米国Sophosのシニア技術コンサルタント、グレアム・クルーリー氏は公式ブログへの投稿で述べた。

「Javaをブラウザで有効にしている人の多くは、実はJavaをまったく必要としていない。このため、多くの人にとってベストなソリューションは、Javaをブラウザから削除することだ」。



というように、 OS 作りのトップの人々のいるアップルもマイクロソフトもすべて、この Java の脆弱性を使っての攻撃を受けているのです。

しかも、上の記事のように脆弱性は日々見つかっているようです。


なので、私たちのような一般人ができることとしては、上の記事のセキュリティ・アドバイザーの人が言うように、「今すぐ Java を無効にすること」だと思います。



それでは、ここからご説明します。
Windows 7 上での IE と Firefox です。

Mac については、

Mac OS X の Java はしばらくオフにしておいたほうがいいかもしれません
 Mac にスイッチしました 2013.02.03

のページにありますが、 Mac のメインブラウザである Safari の場合は手順が一発ですので、ここにも載せておきます。


Mac OSX の Safari で Java のプラグインを無効化する方法

1. Safariの「環境設定」を選択する。

1-safari.jpg


2. 環境設定パネル上部の「セキュリティ」を選択して下の「 Java を有効にする」のチェックを外す

2-safari.jpg



これだけです。



では、ここから Windows 7 についてです。

Windows 8 はさわったことがないため、どのような OS かわからなく説明できません。
申し訳ありません。



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2013年03月16日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





再びご忠告したいご自分のパソコンのインターネット環境のチェック


北朝鮮関係のニュースをご紹介する時に、記事を抜粋することもある北朝鮮の国営ウェブサイトの「ネナラ」というものがあります。わりとよく見るんですが、今日アクセスすると、下のような表示が出ました。


mmm-01.jpg

▲ 「警告:このサイトに移動すると、コンピュータに危害が加えられる可能性があります」とあり、また、閲覧するだけで問題が起きる可能性が示唆されています。


北朝鮮の国営ウェブサイトが有害サイトとしてブロックされていました。

今まで上の表示は何度も見たことがありますが、いわゆる「国営」のサイトで見たのはこれが初めてです。

上のは Safari での表示で、 Firefox でアクセスすると下のような表示でした。

mmm-02.jpg

▲ 「攻撃サイトとして報告されています!」とあり、訪問すると問題が起きる可能性が示唆されています。



上のような表示は、何かこう、特別に北朝鮮向けに行われているとか、そういうものではなく、表示される基準が数値としてありまして、そこから疑いのあるサイトには同じような表示が出ます。


実は、私は2週間くらい前だったか、北朝鮮の上の Webサイトのデザインに変更が加えられていることに気づいていました。下は日本語化したものですが、2週間くらい前から、訪問するとサイトの中間部分の一部が下のようになっていて、以前はなかった不自然な動画プログラムがあったり、他に意味なく設置されているスペース等が存在していました。

mmm-03.jpg

▲ 現在の北朝鮮のサイトのトップページ。「第3回地下核実験に成功」という部分や、モノクロの写真などはフラッシュというものを使った動画です。フラッシュというものも使い方によっては攻撃ブログラムとして使えます。



そして、その時に「このサイト・・・ Java の欠陥使ったブービートラップ仕込んでそうな感じがするなあ」と思ったものでした。


今年の In Deep の1月の記事で、

アメリカ国土安全保障省と日本のセキュリティ機関が出した深刻な PC セキュリティ警告
 2013年01月13日

というものがあります。

そこに、その記事で取り上げた問題は、


・専門知識がなくても攻撃可能

・ターゲットは全世界の 11億台のパソコンや 30億台の携帯電話


ということもありまして、私は書きながら、その時に、「これはえらいことになるかも・・・」とは思っていました。それは IT の歴史で「ここまで広範囲のブラットフォーム(携帯、OS 、パソコンの種類を問わないということ)に攻撃できる欠陥など存在したことがなかったから」です。

java-tv-01.jpg

▲ 2013年1月に上のように米国のテレビなどでも大々的に報道され In Deep でも記事にした Java と呼ばれるプログラムについての被害が急速に拡大しています。



それで記事にしたのですが、しかし、「こんなことは自分たちとは関係ないことだろう」と思われる方もいらっしゃるかもしれないですけれど、私からみると「関係ある」のです。

上の過去記事にも、私は「あまり人ごとだとは思われないほうがいいかと思います」と記しましたが、実際それから、あっという間に上の方法での犯罪が日本でも発生しています

下の記事は、2月18日の NHK の報道です。


銀行ホームページを閲覧しただけでウイルス感染 1800万以上不正送金
NHK 2013.02.18

nhk-2013-02-18.jpg


インターネットバンキングの利用者のパソコンをウイルスに感染させ、口座の現金を不正に送金する事件が相次いでいますが、このウイルスは、細工が施されたホームページを 閲覧しただけで感染するようになっていたことが、情報セキュリティー会社の調査で分かりました。

三井住友銀行やゆうちょ銀行など6つの銀行のインターネットバンキングでは、 利用者のパスワードがウイルスによって盗まれ、先月末までに、合わせて1800万円以上が 不正に送金されたことが分かっています。

このパスワードを盗み出すウイルスを情報セキュリティー会社が調査したところ、 不正な細工が施されたホームページを閲覧しただけで感染するようになっていたことが分かりました。



これがまさに、上の過去記事に書きました Java というものを使った犯罪の例ですが、しかし、これは私が「これはえらいことになるかも・・・」と思った「はじまり」に過ぎないと思っています

なぜなら、「この方法でおこなえる可能性は無限だから」です。
知らない間に自分のパソコンが兵器(サイバー攻撃の中継ポイント)になっているということもあり得ると思います。

そのあたりは、そういう事件が起きるかもしれませんので、その時にご紹介したいと思います。
時間の問題だと思います。


上のニュースに、

> 不正な細工が施されたホームページを閲覧しただけで感染する


とありますが、今回の問題はこの「ウェブサイトを閲覧するだけで感染してしまう」という威力のすごさというものがあります。

そして、感染したことには本人はまったく気づきません。
表面には何の変化もないからです。

しかも、相手の機種、国籍、ブラウザを選ばないというのがすごい。 Mac、 Windows、スマートフォン、機種は関係なくなんでも一律に感染、攻撃できるというものなのです。





皆さんもできれば対策を

でも、上の過去記事にも書きましたけれど、これは私たちのほうの防御、つまり対策も「簡単」なんですよ。何も必要ありません。ウイルスソフトさえ必要ありません。時間も数分で済みます。

史上最も簡単なネット犯罪対策だと思います。

実際にはやっていない方が多いと思いますけれど、北朝鮮はともかくとして、上の NHK の報道にあるようなニュースは今後も増えると思いますので、されたほうが絶対にいいと思います。今回の一番下に方法を再度載せておきますので参考になさって下さい。


ところで、Google には、セーフ・ブラウジングという、サイトの「有害の判定」をするページがあり、ここで一定基準以上の「有害判定」が出ると警告が表示されるということになります。

ちなみに、今回の北朝鮮の国営サイトを Google のセーフ・ブラウジングで診断してみましたら、下のような判定結果でした


Google Safe Browsingより。

セーフ ブラウジング
診断ページ: naenara.com.kp




naenara.com.kp の現在の状況
疑わしいサイトとして認識されています。このウェブサイトにアクセスするとコンピュータに損害を与える可能性があります。
過去 90 日間に、このサイトの一部で不審な動きが 2 回検出されています。


Google がこのサイトを巡回したときの状況
このサイトで過去 90 日間に Google がテストした 5726 ページのうち 18 ページで、ユーザーの同意なしに不正なソフトウェアがダウンロードされ、インストールされていたことが判明しました。Google が最後にこのサイトを巡回したのは 2013-03-15 で、このサイトで不審なコンテンツが最後に検出されたのは 2013-03-15 です。

不正なソフトウェアには 145 exploit(s), 9 trojan(s) などがあります。感染先のコンピュータで平均 16 個のプロセスが新たに発生しています。



昨日の時点でも、まだ悪質なプログラムか検出されていたということのようです。

私はまあそれでも見に行きましたが(苦笑)、一般的にはこのような警告の出ているサイトには行かないほうがいいです。私のように「もう人生どうでもいいや」という人なら構いません(それでも Java 切ってから行くようにして下さいね)。

そんな私も、一応考えられる対策をしてから訪問しているわけですが、しかし、北朝鮮など国家単位でのサイバー集団では、私らのような一般人のわからない方法論も存在するかもしれないですので、やはり行かれないほうがいいかと思います。

以前も書きましたが、今回の Java というものを使った攻撃の場合、ウイルスソフトは基本的に役に立ちません



なお、こういう「警告サイト」の表示設定はスマートフォンなどにもあるようですので、お各自の会社のサイトなどをご覧下さい。

docomo.gif

▲ docomo の危険サイトへのアクセスの際の警告画面。セーフブラウジングご利用方法より。


日々インターネットへのアクセスを繰り返す日常にいる私たちですが、その脅威は確実に「新しい段階」に入っていることを感じざるを得ません。



そして・・・・・。


これは本当に単なる「心配しすぎ」の妄想ともいえる次元なのですが、何百万人ものパソコンに一斉に混入したマルウェア(知らない間に仕込まれるプログラム)が、たとえば、それがスタクスネットのような「インフラ破壊プログラム」と接続していたような場合、自分が知らない間に「世界の破滅に荷担していた」ということもあり得ないことではないかと思います。


ひとりひとりのパソコンやひとりひとりのスマートフォンが、核施設や電力施設への攻撃媒体と化してしまう・・・ということです。


そんなことは絶対に起きない・・・・・・と言いたいですが、「そんなことは絶対に起きない」と言える専門家はこの世にいるのでしょうか?


方法論的には「できる」のですから。


というわけで、攻撃サイトと知りつつ訪問した北朝鮮の国営サイトの本日の記事はサイバー関係の記事でしたので、ご紹介しておきます。リンクは上記の理由もありますので載せません。

その記事の下に、「ウェブサイトを閲覧しただけで感染するという攻撃に対策しての防御の方法」を再度記しておきます。



nk-16.png
ネナラ (北朝鮮) 2013.03.16


最低、かつ卑劣な行為


最近、米国とそれに追随した傀儡勢力による反共和国圧殺策動が度を増している中、一方では並々ならぬ動きが現れている。

わが共和国(北朝鮮)が運営しているインターネットサーバに対する集中的、かつ執拗なウィルス攻撃が連日強行されている。

われわれは、これを全面対決戦に突入した朝鮮の超強硬措置に恐れをなした敵対勢力の最低かつ卑劣な行為と断定するところである。

看過できないことは、このようなサイバー攻撃が米国をはじめとする敵対勢力が強行している狂気にも似た「キー・リゾルブ」合同軍事演習と時を同じくしているということである。

米国と南朝鮮の傀儡政権が、わが共和国に対する破壊・謀略策動のため、サイバー攻撃力を大々的に増強していることは今や明らかである。

われわれは、反共和国圧殺策動の一環である敵のサイバー攻撃が、極めて無謀かつ重大な段階に至っていることを決して単に傍観しないだろう。

朝鮮民族の自主権守護のためのわが軍隊と人民の全面対決戦に恐れをなした敵対勢力が裏部屋に閉じこもって強行しているわれわれのインターネットサーバに対してのウィルス攻撃策動は笑止千万なことだ。

このような卑劣な行為をもってわが共和国の正義の声を止めることができると思うのなら、それにまさる大きな誤算はないだろう。






というわけで、ここからは、パソコンの設定についてです。

アメリカ国土安全保障省と日本のセキュリティ機関が出した深刻な PC セキュリティ警告
 2013年01月13日

に載せたものの再掲です
簡単ですので、多くの方がおこなわれることを期待しています。


なお、Mac をお使いの方は、さらに詳しく、

Mac OS X のブラウザで Java を無効にする方法

というページに掲載されていますので、ご参考下さい



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2013年01月22日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





top-dna.jpg

▲ グアニン四重鎖といわれる DNA の四重螺旋構造を視覚化したもの。
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先日、最近の極端な気象のことについての下の記事で、ヨーロッパなどでは異常な寒波に見舞われていることについて書きました。


カオス化した地球の気候: 北半球と南半球での極端な気候の原因は磁場の異変と関係がある?
 2013年01月20日


現在も欧州の多くの国で寒波と大雪が続いているようですが、昨日の英国テレグラフ紙の記事で、英国の大ロンドン市長のポリス・ジョンソン( Boris Johnson )という人が、

「本当に小氷河期が始まったことを実感します」

と述べたことが大きな記事になっていました。

telegraph-2013-01-20.jpg

▲ そのテレグラフの記事。

本題とは関係ないですが、少しまた気候のことについて書かせていただきます。





地球の環境は常に変化し続けてきた


まあ、そういうようなこと(小氷河期)が始まったかどうかはともかく、一昨年にご紹介した NASA の科学者のインタビューを何回かにわけて書いた下の過去記事、


あらかじめ予測されていた小氷河期の到来(全5回)


では、その NASA の科学者は「太陽活動と地球の寒冷化の過去の歴史の関係」の観点からの意見を述べていました。特に、過去の「マウンダー極小期」という黒点のなかった数十年間との比較です。


しかし、地球の気温は「太陽だけではない様々な(原因のわからないもの含めての)理由」で変化してきました。


スパンの長いところでは下の過去 42万年の気温の推移(南極)の表というものがあります。



▲ 南極の氷床コアから測定した過去42万年の何挙の気温の推移。CDIACより。


しかし、上の表は南極の気温の推移なので、わりと穏やかに私には見えます。

ヨーロッパと北米などの北半球に関しては、過去1万4千年くらいだけで、下のように「上下で十数度」の大きな平均気温の変化があったことがわかっています。当然、日本でも当時、同じような気候変動があったはずです。



▲ 過去記事「「良い時代と悪い時代」(1): 500年ほど続いた「穏やかだけれど傲慢な時代」は終わろうとしているのかも」より。


上の気温変化の理由について、フレッド・ホイル博士は、以下のように著作の中で述べています。



氷河期が終わった紀元前八〇〇〇年(一万年前)頃からの地球の気温の変遷を調べてみると、約一〇〇〇年周期の変動があることがわかる。図(上の気温変化の図)に示すように気温は三〜六度Fの間で変動している。

地球だけ考えていてこのパターンを説明するのは難しいが、彗星の衝突を考えるときれいに説明できる。地球上空もしくは地球の近くでバラバラになった彗星は成層圏に塵をまき散らし、太陽光線を錯乱するようになる。その結果、太陽光線の届く量が減少し地表温度が下がる。

計算によると温度を五〇度F(※ 摂氏約10度)下げるために必要な塵の量は現在の一〇〇〇倍も必要ではなく、これは今まで述べてきた彗星の衝突を考えれば可能である。


(『生命はどこから来たか』 エピローグより。大島泰郎(東京工業大学名誉教授)訳)




何が言いたいかというと、今現在でも気候や気温は混沌としてきているのですが、今後の地球上での出来事次第では、これがさらに大きくなる可能性は十分にあるということだと思います。


フレッド・ホイル博士は「その時代が近づいている」ということを生前の著作で書いていました。そのこともあり、昨年、「良い時代と悪い時代」というようなタイトルでの連続した記事を書いたこともありました。


悪い時代というのは、要するに地球が水星や隕石や小惑星の爆撃にさらされやすい時代のことで、もう地球は数百年以上、その時代から遠ざかっています。

そういえば、一昨日だったか、関東の各地で「隕石らしき火球の目撃が相次いだ」ことが朝日新聞に出ていましたが、今年は彗星アイソンなど、大きな「天空からのイベント」がたくさん待機していますので、空の出来事を目撃する機会は増えることになりそうです。

その朝日新聞のニュースもメモとして抜粋しておきます。


関東上空に隕石? 大きな音と光、目撃情報相次ぐ
朝日新聞デジタル 2013.01.21

20130121-meteo.jpg


関東地方の広い範囲で 1月20日未明、大きな音とともに明るい流れ星(火球)を見たという目撃情報や画像、動画がネットに投稿されている。隕石である可能性がある。

アマチュア天文家らで作る「日本火球ネットワーク」にも15件以上の目撃情報が寄せられた。メンバーによると、軌道計算の結果、隕石らしきものは高度30キロ付近で消えたという。下田さんは「燃え尽きたかもしれないが、海に落ちた可能性もある」と話す。



かつての地球では、このような火球や、あるいは彗星など「天体からの物体の地上への衝突が日常的だった時代」が存在したことは事実で、その際には、数多くの文明が消滅していったと考えられています。フレッド・ホイル博士は、著作で下のようにも書いています。



衝突によって死ぬ範囲を五〇〇〇平方キロメートルとすれば、地球の全表面積は一億平方キロメートルなので、一回の爆発で死ぬ確率は二万分の一となる。一年に一または二回の割合で衝突があるとすれば、現在の交通事故と同じほどの確率となる。しかし彗星の群と遭遇する頃の、一年間に一〇〇回もの衝突があるとすれば、三〇年間に当たる確率は一五パーセントとかなり高くなる。

 もっとも古代では、他の理由で死ぬ確率も同じくらいあったであろう。さらに重要な結果は、三つの人口中心地帯のうち一つは完全に破壊されるであろということである。生き残った人は一〇〇キロメートル以上遠くから、空から火の雨が降るのを見ただろう。そう考えると、下の図のような中世の描写もよく理解できよう。




▲ 十六世紀の「最後の審判」の図。ギリシャ・アトス山にあるディオニシオン修道院のフレスコ画。




何か一回だけ大きな災害が起きるということではなく、そういう時代に入ると、数百年から数千年の長きにわたって続くわけで、それはいつわかるのかというと、

「そういう時代に突入して何年も経ってからはじめてわかる」

もののようです。

ひとつひとつの事前の予測については、例外を除けば、現在でも予測はできません。なぜなら、現在の科学でも、宇宙の彗星の軌道や、小惑星の軌道で「完全に」把握されているのは、ほんの一部だということもあるし、それ以上に、現在、地球、あるいは太陽系がどこへ進もうとしているのかよくわからないということもあります。

宇宙には小惑星や彗星の群がたくさん集まっているような場所や、状態のあまりよくわからない宇宙の場所が確かに存在します。


しかし、仮に、何かの事象で地球上がダメージを受けても、また地球の表面はいつかは再生するわけで、とりあえず私たちは地球は「宇宙の中にある」というキーワードを忘れずに生きていれば、それだけでいいのではないかと思います。

そんなに崇高なことなど考えたり実行したりしなくとも。


というわけで、妙に話が逸れてしまいましたが、タイトルにした「四重螺旋 のDNA 」の記事を書きます。





DNA の二重らせん構造が発見されてから60年目に


一般的に、DNA というのは「二重らせん」の構造となっているわけですが、この語義は「2本の線が平行したらせん状になっている構造」のことで、下のような状態のことを言います。

dna-atcg.jpg

「A」、「T」、「C」、「G」、とあるのは、DNA を構成する4つで、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、グアニン(G)、をこのように表記する慣習があります。


DNA はすべてこのような構造となっている・・・と思っていたのですが、このたび、英国のケンブリッジ大学の科学者たちが、「四重らせん構造」がヒトゲノム(人間の生殖細胞に含まれる染色体もしくは遺伝子)の中に存在することを証明した論文を発表したという記事です。

これは新しい発見というわけではないようで、その存在は「四重鎖」として長く示唆されていたようですが、今回証明されたということのようです。


ちなみに、 DNA の二重らせん構造が発見されたのは 1953年のことだそうですから、今年はちょうど60年目。そして、その1953年に DNA の二重らせんを発見して論文を書いたうちのひとり、フランシス・クリック博士は、今回と同じケンブリッジ大学で研究を続けていた科学者だったそう。


では、ここから記事です。



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2013年01月13日



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(注)具体的な設定などの方法は、「 Windows での Java プラグインの無効化の具体的な方法」という記事に書きました。ご参考にしていただければ幸いです。



java-danger.jpg


唐突な感じの記事ですが、このブログにもパソコンでアクセスされている方が多いと思いますが、その意味でも無視できない深刻な可能性のあるニュースがありましたので、いつもとはちょっとカテゴリーの違う記事ですが、記しておきます。


まず、下は昨日の朝日新聞デジタルの記事からの抜粋です。


Java、外部から攻撃の恐れ 米の公的機関が警告
朝日新聞デジタル 2013年01月12日

パソコンやスマートフォンで動画やゲームなどを利用するため幅広く普及している米オラクル社製のプログラム言語「Java(ジャバ)」に情報セキュリティー上の弱点があることがわかり、米国土安全保障省などが使用を控えるよう警告を出した。

ソフトに弱点が指摘されるのは珍しくないが、トレンドマイクロは「実際に攻撃に利用されることが証明されたのに修正ソフトが公開されておらず、今回は緊急度が高い」としており、米政府の警告にもそうした事情があるとみられる。



というものなのですが、「たかがパソコンのセキュリティ」と思われると思いますが、しかし、「米国土安全保障省が警告を出す」というような大事になっている。その理由はこのJavaというものの普及度にあります。






ターゲットは数十億台で、攻撃の方法も簡単。しかも現在は対策なし


このJavaというものがどういうものかということを理解するのは難しいですが、「知らずに毎日のように使っているもの」と考えていいかとも思います。 1995年に開発されて以来、ウィンドウズでも Mac OSX でも、パソコンのほとんどの基本ソフト(OS)で共通で使われているだけではなく、動画やゲームなどを動かすために存在しています。

その普及度は、日本オラクルによれば


11億台のデスクトップ型パソコンや 30億台の携帯電話のほか、ブルーレイディスクプレーヤーに使われている。



というものです。

つまり、今回のセキュリティ問題は、「全世界の数十億台の機器をターゲットにできる」という類い希な規模を持っているにも関わらず、


現段階では修正パッチ(セキュリティ上で安全にできる修正プログラム)がまだ作られていない


ということで、今回の大規模な報道となっているようです。

また、アットマーク・アイティという IT メディアの「Java 7に未パッチの脆弱性、すでに攻撃も発生」という記事によりますと、「CVSSによる深刻度評価は、最高値の「10.0」となっている」とあり、最近では類例のない深刻なセキュリティ問題となっているようです。

CSVV とは、「共通脆弱性評価システム」( Common Vulnerability Scoring Systemt )というセキュリティの危険に対しての評価の基準のことで、基本的には全世界共通と考えても構わないと思います。

cvss.png

▲ CSVV - 共通脆弱性評価システムの段階。


共通脆弱性評価システムのレベルは、日本では「独立行政法人 情報処理推進機構 ( IPA ) 」というところが決定しますが、今回の件と合わせて詳しい記事をお読みになりたい方は、そのサイトである JNV をお読み下さい。

最新記事は「Oracle Java 7 に脆弱性」というもので、それが今回の話のものです。

jvn-2013-1-11.png



そのページによりますと、下のようにほぼすべての危険度で「最高」を示しています。

cvss-level.png


特に上で、私が黒で囲んだ部分の、

「専門知識がなくても攻撃可能」

という部分に私は着目してしまいます。


そして、上のページにある「対策について」なんですが、下のようになっています。


対策方法

2013年1月11日現在、対策方法はありません。

以下の回避策を適用することで、本脆弱性の影響を軽減することが可能です。

・ウェブブラウザの Java プラグインを無効にする



つまり、根本的な対策は現在なく、 Java プラグインを無効にするという方法だけなのですが、今回はその方法にも最後にふれておきます。






サイバー被害は以前よりも極めて身近になっているからこその脅威


どうして、このニュースにこれほど反応したかというと、ご存じのように、最近だけでも、


パソコンの遠隔操作ウイルス事件

悪質な偽の銀行サイトへの誘導の多発


など、個人に対してのサイバー被害の深刻さは日々増しています。
そこに飛び込んできた、「犯罪者サイドにとっては朗報」(苦笑)の今回の件。

何しろターゲットは「パソコン10億台」です。
世界すべてが宝の山。

ここに目をつけない犯罪者がいるとも思えません。

なので、あまり人ごとだとは思われないほうがいいかと思います。


私は(私自身もやられていると思っていますが)、多くの人々が毎日毎日、少しずつ、様々な情報をパソコンや携帯やスマートフォンから持ち出されていると考えています。その相手が国家や大企業であるとか、個人であるとか、そういうことは関係なく、「セキュリティのしようのない部分」が増えていると感じざるを得ません。

米国などでは、最近は「ツィッターもフェイスブックも結局は CIA の情報収集端末」というような、まあ陰謀論ではありつつも、一概には否定できないような意見も多いです。

下のような記事(英語)などがたくさんあります。


Facebook, Twitter and other social media sites are an elaborate CIA spying scheme
(「フェイスブックもツイッターも CIA が枠組みを作成した精巧なスパイツールだ」)
 Natural News 2012.12.28


私はツイッターもフェイスブックも使ったことがないので何ともいえないですが、確かに「脅威」を少しでも減らすには、上のような「匿名性の薄いメディアから離れる」ということも考える必要もあるような気もしますけれど、しかし、それが極論にまで突き進むと、最終的には「携帯もインターネットもダメ」ということになってしまう。さすがにそういうわけにもいかないでしょうし。



さて、いずれにしても、ここから先は、現在、唯一の有効な対策といえる「 Java の無効化」について記しておきますが、 Mac については、

Mac OS X のブラウザで Java を無効にする方法(米国土安全保障省による「Java」の使用を控える警告を受けて)
 Mac にスイッチしました 2013.01.13

にイラストつきで、ほぼすべてブラウザについて説明してありますので、ご参考下さい。

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2012年11月25日



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それと、久々に火星の地表の拡大写真など。


nasa-team.jpg

▲ 「火星での大発見」についての会見準備を進める NASA のキュリオシティ・チーム。嬉しそうです。Daily Galaxy より。
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最近すっかり忘れていたキュリオシティのこと

・・・火星無人探査機キュリオシティ。

このブログでも何度か取り上げことがあります。

NASA の火星無人探査計画が無駄な理由: 1976年にバイキングがおこなった火星地表の質量分析から 36年経って進化しない観念
 2012年08月12日

キュリオシティへの無関心を貫けない夏の夜
 2012年08月19日

などです。

上の記事などでは NASA の火星探査への姿勢には(機器の話よりも、科学者としての資質として)いろいろと問題があるような気もしないでもない・・・というようなことを書いたりもしていたのですが、キュリオシティの火星到着の成功の時の下の NASA のスタッフの人たちの喜びようを見て、「ま、いいか」と思いました。




▲ キュリオシティの火星着陸に成功した時の NASA のコントロールセンター。キュリオシティの悲劇より。


考えてみれば、魚屋さんは魚を売って生活している。
大工さんは建物を作って生活している。

その流れで考えれば、上の人たちは「火星に何か飛ばして生活している」という人たちなわけで、その仕事を淡々とおこなっているだけのことであるのだなあという気もしたのでした。

そして、NASA のキュリオシティ・チームは、ついに大きな会見ができるところにまで来たようです。先日、NASA が火星に関して「非常に示唆深い」会見を匂わせました。



キュリオシティが見つけたものは火星探査計画の継続につながるか?

それは簡単にいえぱ、キュリオシティが火星で生命か有機物、あるいはそれに準じたものを発見したと思われる NASA スタッフの発言でした。

11月20日に、NASA の無人探査機キュリオシティの火星土壌分析結果から「極めて重大な発見があった可能性がある」ということが非公式に発表されたのです。

「非公式」というのは、慎重に発表するというような意味で、12月3日から開催されるアメリカ地球物理学連合の会議後に記者会見をおこなうそうです。

WIRED でニュースを訳したものがありましたので、以下に抜粋しておきます。


火星の土に有機物か:「歴史的な分析結果」発表へ
WIRED 2012.11.22

curiocity-12.jpeg

火星探査機「キュリオシティ」の主任研究員が、火星で採取された土から驚くべき分析結果が得られたが、詳細については12月に発表すると述べた。内容をめぐって憶測が飛び交っている。

第一報をもたらしたのは、キュリオシティの主任研究員を務めるカリフォルニア工科大学の地質学者ジョン・グロツィンガーだ。同氏によると、先ごろキュリオシティが採取し、探査機搭載のサンプル分析装置( SAM )にかけた火星の土から、これまでにない驚くべき分析結果が得られたという。

「このデータは歴史に残るだろう」と、グロツィンガー氏は、ナショナル・パブリック・ラジオで述べた。

詳細については12月3日から7日に開催される米国地球物理学連合(American Geophysical Union:AGU)の学会で記者会見を行うと述べた。非常に影響力のある結果なので、研究チームはチェックを重ねているとのことだ。



などの内容です。
詳しくは、リンクからお読み下さい。

NASA の重大発表」というと思い出すのが、2010年の「地球で発見された想像を絶する形態の生命」という発表でした。

そのあたりはこのブログでも当時紹介していて、2010年12月の「地球上で見つかった「炭素ベースではない」まったく新しい生命: NASA による発表が行われる予定」という記事でその内容を取り上げました。

その際、 NASA は「ヒ素で構成される DNA をベースとしないまったく新しい地球の生命形態を発見した」というものでした。

これに関しては、一応、「地球のほぼすべての生命とはどのようなものか」の説明を上の記事から抜粋しておきます。


地球上で見つかった「炭素ベースではない」まったく新しい生命: NASA による発表が行われる予定より。
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NASA の科学者が、現在、我々が知っているものとはまったく違う形態のバクテリアを発見したことを発表する。このバクテリアは、リンではなく、ヒ素を使う。

地球上のすべての生命は、6つの構成要素からなっている。
それは、炭素、水素、窒素、酸素、リン、硫黄だ。

小さなアメーバから、大きなクジラまで、地球上で生命といわれるものはすべてこの構成要素を共有している。

しかし、今回発見されたバクテリアはそれが完全に違うと考えられるという。



というものでした。

私たち素人には何がスゴイのやらよくわからなかったのですが、しかし、とにかく「何だかスゴイようだ」と。

ところが、今年 2012年7月。

NASA が 2010年に大々的に発表した「新しい生命」は「普通の地球の生物」であることが判明
2012年07月10日

ということに。

それは下のような報道でした。


NASA の研究チームは、ヒ素を生存に利用する細菌を米国のモノ湖で発見し、これが地球外生命の探索に影響すると 2012年12月に発表したが、今回これを全面的に否定する複数の論文が発表され、NASA の発見した生命は新しい形態の生命ではなかったことがわかった。



「ぎゃふん」。

上の記事の中に私は「成果が求められ続ける現代科学界の迷走」というセクションを記しましたが、ご存じのように、特に予算の大きな宇宙開発や宇宙観測計画では、「成果」が常に求められ続けます。

たとえば、何かの巨大宇宙プロジェクトの代表者が、

「このプロジェクトには5年で3兆円の予算をかけましたが、成果はゼロでありました」


と述べることは許されないはずです。

上のプロジェクトはいい加減ですが、トータルとして見れば、非常に多くの予算がかかる宇宙計画というのは存在していて、それは通常だと「どこかの国家」が支払います。 NASA ならアメリカ。CERN や ESA (欧州宇宙機関)や ESO (欧州南天天文台)などはヨーロッパを含めて多くの国から予算を計上します。

国家予算を使う以上は、「今年も何も見つかりませんでした!」では許されないという部分があるはずです。


まして今の時代。

予算編成に対しての目の厳しさは、米国もヨーロッパ各国も同じだと思います。「金のかかる宇宙計画などはどんどんやめたい」と思っている首脳部もいないとも限りません。

そういうこともあり、宇宙計画のスタッフたちは一生懸命だと思います。

なので、今では私はそちら方面から見ていて、かなり同情的でもあり、上でご紹介した WIERD の記事にある「火星の歴史的発見」の発表が大々的に世界中で報じられることを期待しています。

なーに、内容なんてどうでもいいんですよ
1度大きく報じられれば。

たとえば、今年の夏、「ヒッグス粒子 存在確実か」と大々的に報じられたことがありしまた。

ヒッグス粒子とは、美香の乳歯だか神の粒子だか呼ばれている仮定上の物質で、ビッグバン理論の足支えとなるものです。今年の4月に CERN (ヨーロッパ合同原子核研究機構)がその粒子を発見したと、それはそれは大騒ぎでした。

下は当時のニュース検索です。



それから半年。
先日、下のような報道が流れていました。


ヒッグス粒子の可能性より強まる 東京大などが発表
共同通信 2012.11.14

質に重さを与え、質量の起源とされる「ヒッグス粒子」を欧州合同原子核研究所(CERN、スイス)で探索している東京大などの国際実験チームが14日、「7月に発見した新粒子がヒッグス粒子である可能性がより強まった」と発表した。



半年前とほぼ同じ表現、つまり「可能性が高まった」という言い方が続いています。

私はこのヒッグス粒子に例を見るような、「ゴリ押しでビッグバン理論を進めて、人類のさらなる奴隷的精神を決定づけようとする態度」に当時とてもイヤな気分になり、この頃から、(一部の)科学者というものを比較的嫌悪するようになりました。


とはいえ、この「事情」というものも上に書いたことと同様だと感じて、翌日までにむしろ私は同情的になりました。

この翌日、私は、

科学者たちの「神」の意味
 2012年07月05日

という記事を書いて、そこに下の CERN の予算を載せました。



▲ 10年ほど前のものですが、CERN の予算の概要です。予算のほとんどは「加盟国からの分担金」でまかなわれています。つまり、様々な「国」が拠出しています。


恒久的に 800億円から 1000億円の年間予算がかかり、毎年 50億円以上の赤字を出している CERN は、世界で最も「何もなかった」では済まされない機関だということです。若者の失業率が 50パーセントにも迫る欧州の国々もお金を出しているのです。

「なんでもいいから何か発表しなければならない」。

その意識はかなり強いと思います。




願わくば、いつまでも「ほぼ確実」と発表し続けてほしいけれど


ところで、上に書いた「ビッグバン理論と人類の奴隷的精神が関係するかのような書き方」に違和感があるかと思いますが、明らかに関係があります。

このことは何度も書いていることなので今回はあまりふれないですが、


・この世の存在には限りがある(ビッグバン理論以後の宇宙観)





・この世はすべて永遠とその輪廻で構成されている(古来の通常の宇宙観)


という宇宙観では、長い間、人がどちらかの価値観の下で生きていると「必ず」それぞれの影響が人間の精神活動に出ると私は思っています。


もし仮に本当にヒッグス粒子というものが確定されたのなら、「それこそがドゥームスデイ(終末の日)だと」思っています。

まあ、それでも構いませんけれど。
私にとって、今の世界がまた少し遠のくだけの話です。


さて、なんだか重い話になってしまいましたが、今回の最後は少し楽しい話題として、「興味深い最近の火星の写真」のいくつかを載せておきます。
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2012年09月08日



2015年10月7日に In Deep は http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





(訳者注) 今回のテーマは「中国でフェイク(偽物)の化石が博物館などで数多く展示されているというレベルにまで広がっている」というニュースをご紹介しようと思いますが、その前に最近書いていて、なかなかアップできない「火山のこと」が報道ベースでも少し出てきていますので、少し書かせていただきたいと思います。


富士山、クラカタウ火山、そして地球の人類史を牛耳る火山噴火


最近、プライベートでも「富士山」にかかわるいろいろなことが多いなあと思っていました。
1週間ほど前に書いた、

大出血のような太陽フレアと真っ赤な富士山上空を眺めながら「物質は永遠」という法則を子ども科学本で知った日
 In Deep 2012年09月03日

という長いタイトルの記事(本文も長いです)では、その前日に夜の富士山の上空が真っ赤だった光景を見たというようなことを書いたのですが、その翌日くらいに、買い物に行く途中にその方向の空を見ると、「フェニックスのような鳥と十字架が並んだような形」みたいな雲が出ていて、「ほお」と眺めていました。

最近は携帯を持たないことが多く、写真も撮れませんでしたが、ネットで見てみると、「フェニックスの形の雲」というのはよく見られるもののようで、下のは、Deluxe moonというブログにあったもので、彩雲と一緒できれいでしたのでお借りしたものです。

phoenix.jpg

私の見たのは、この鳥の顔のほうに、別の雲が十字架の形をして見えていた感じでした。
それは富士山の上あたりに位置していました。

富士山に関しては、昨年、

「鎖国」と「富士山大噴火」を生み出した前回マウンダー極小期
 In Deep 2011年11月09日

という記事を書いたことがありましたが、数日前、茨城県つくば市にある防災科学技術研究所が「富士山に、現在きわめて大きな圧力がかかっていることを確認した」という報道が日経新聞に載っていました。

nikkei-2012-09-06.jpg


報道は下のリンクにあります。

震災で富士山マグマに圧力 研究チーム「警戒を」
 日本経済新聞 2012.09.06

直近の富士山噴火である 1707年の宝永噴火の時よりも大きな圧力がかかっているのだそうです。

これは極めて大ざっぱにいえば、「いつ噴火しても基本的にはおかしくない」ということでもあります。もちろんそれは長いスパンでの「いつ」の話ですけれど。


そして、ちょうど、最近、「火山噴火と地球の人類史」というようなことを In Deep の記事として、書いては止まり書いては止まり、という感じで進めていた時でした。

最近、インドネシアのクラカタウ火山という巨大火山の活動レベルが上がっています。このクラカタウというのは、最近 2000年間くらいの「人間の文明史」に影響を与えたと考えられています。

インドネシア当局は数日前に、クラカタウに対しての警戒レベルを上位に上げました。

そして、クラカタウを含めて、いろいろ調べているうちに「巨大な火山噴火は、地球全体を変化させていく可能性」ということがあると知るにいたります。

たとえば、7万年前に人類は滅亡寸前までになったということが、最近のミトコンドリア DNA の解析でわかってきたということが数年前の報道でありました。下のリンクに当時の USA トゥディ などで報道された内容が要約されています。

人類は7万年前に絶滅寸前、全世界でわずか2000人
 GIGAZIN 2008年04月25日

この原因は気候変動ではないかとする考えが一般的ですが、しかし、その「気候変動の原因の源」は、インドネシアのトバ火山によるものではないかという見方が多く、下のような形で人類は7万年に「ほぼ全滅した」と見られています。


8万年〜12万年前にいったん東アフリカを出て世界に拡散し、数百万人まで増えた人類は、7万3千年前のインドネシアのトバ火山の大噴火による地球全体の寒冷化のもとでほぼ絶滅。かろうじて東アフリカにもどった1万人あるいは1000人程度の現世人類が、6万年前に再び世界に拡散し始め、現在の70億人になった。

石 弘之 著『歴史を変えた火山噴火―自然災害の環境史』のレビューより。




そして、今、活動をはじめたインドネシアのクラカタウ火山の噴火は、たとえば、Wikipedia には以下のような記述があります。


535年の大噴火
インドネシアの文明に歴史的な断絶を引き起こし、世界各地に異常気象をもたらした。(中略)日本においても天候不順による飢饉の発生についての言及が見られ、同時期に朝鮮半島からの渡来人の流入、馬具の発達、中国から流入した仏教の興隆などが起きており、古代日本の国家形成に与えた影響は小さくはないとする見方もある

1883年の大噴火
成層圏にまで達した噴煙の影響で、北半球全体の平均気温が0.5〜0.8℃降下し、その後数年にわたって異様な色の夕焼けが観測された。



このように、巨大な火山噴火はとにかく、「世界全部に影響する」。

地震がどちらかというと局所的な災害として終始するのに対して、火山は「空と気温を支配する」ので、世界中のあらゆる文明に影響するようです。

ところで、上の Wikipedia には「テキサス州立大学の天文学の教授が画家エドヴァルド・ムンクの代表作“叫び”は、この夕焼けがヒントになっていると主張した」という記述があります。

200px-The_Scream.jpg

▲ 『叫び』。


ムンクは、この絵を描くキッカケとなった「光景」のことを日記に残しています。一般的には「ムンクの幻覚」という言い方がされています。しかし、日記を読むと、実際にこの光景を見ていたことがわかります。




「私は2人の友人と歩道を歩いていた。太陽は沈みかけていた。突然、空が血の赤色に変わった。私は立ち止まり、酷い疲れを感じて柵に寄り掛かった。それは炎の舌と血とが青黒いフィヨルドと町並みに被さるようであった。友人は歩き続けたが、私はそこに立ち尽くしたまま不安に震え、戦っていた。そして私は、自然を貫く果てしない叫びを聴いた」

叫び (エドヴァルド・ムンク)の、ムンクの日記より。




ちなみに、幻聴や幻覚の経験のない場合はわからないことだと思いますが、自分や他人の経験も含めていえば、実際には幻聴や幻覚は、ムンクの叫びのように「曖昧な風景」として現れることはあまりないと思います。それらは LSD などの幻覚剤の作用などと混同しているのだと思いますが、薬剤と関係のない精神的な幻聴、幻覚は「ほぼリアルなもの」が現れるのが普通です(だからこそ恐ろしい)。

上の日記を読む限り、ムンクはいわゆる現在でいうパニック障害を伴う強度の神経症だったと思います(多分、間違いないです)。効果的な薬剤のなかった当時は、発作が起きた時には上の日記の「友人は歩き続けたが、私はそこに立ち尽くしたまま」というような状態となりやすかったと思います。


いずれにしても、このようなキッカケとなったかもしれない、インドネシアのクラカタウ火山を含め、世界中の火山が「 Ready 」の状態になっているようです。

そういうことを踏まえて、「火山と人類の関係」について書いていますので、今日とりあげた部分と重複してしまう部分があるかもしれないですが、そのうちアップいたします。

さて、ちょっと余談のつもりで書いたのですが、長くなってしまいました。

ここから今日の本題です。



あまりにも増えてしまった中国の「ねつ造化石」


これは、中国の科学界のトップにあたる中国科学院の科学者たちが、「中国にはあまりにも偽物の化石が多い」ということを語ったという報道です。

「科学の世界」には様々な贋作やねつ造、模倣といった出来事は数多くあるのですが、それらの中には怒りを込めたような報道スタイルや、当事者たちの憤慨の言葉などが含まれていることが多いのですが、今回の中国科学院の李淳さんという科学者の言葉からは、そういう「怒り」とかではなく、なんなく「切なさ」を感じまして、それで、ご紹介しようと思いました。

そして、李博士は、

「中国の博物館に展示されている海洋古生物の標本の 80パーセント以上が、何らかの手を加えられたものか、あるいは、人為的に加工されたもの」

と見積もっているそうで、そこまでの数となると、「博物館なのに本物のほうが少ない」という、極めて深刻な事態のはずです。だからこそ、かなり問題になりそうな李博士のこの発言も、中国の古生物学者である彼にとっても危機感がある話なのだと思います。

この李博士という人は、 2009年に米国の権威ある科学専門誌『米国科学アカデミー紀要』に掲載された「新種のチータの化石の発見」という論文で使われたチータの化石を「偽物」と見破り、科学アカデミー紀要は、今年、この論文の内容を撤回しました。

上の「新種のチータの化石の発見」が2009年に発表された際の報道は今でも残っていますので、下に抜粋しておきます。


チーターの起源は中国か、世界最古の化石発見―甘粛省
レコードチャイナ 2009.01.02

2008年12月31日、有史以前に生存していた新種のチーターの化石が、中国北西部の甘粛省で発見されたことが分かった。

これまで世界最古のチーターの化石は、北米で発見されたものとされてきた。しかし、今回の発見によって、チーターの起源は北米ではなく、中国とする説が有力になった。

上海科学技術博物館の研究員が発見したのは、ほぼ完全な頭蓋骨の化石。大きさも形状も現存するチーターの頭蓋骨に似ているが、歯に極めて原始的な特徴がみられることから、新種と判断され「Acinonyx kurteni」と命名された。この研究報告は、先月下旬に発行された「米国科学アカデミー紀要」(PNAS)に掲載されている。



ここにある「ほぼ完全な頭蓋骨の化石」が偽物だと見破ったのが李博士と同僚でした。

それがどのようなものだったのかは後で判明してして、それは こちらにありますが、


・採掘場所も地層年代も違うところから掘り出したもの
・頬骨は肋骨で作られていた
・門歯と主張されていたものは、チーター以外の食肉類の小臼歯を組み合わせて作られたもの
・頭蓋の後頭部はプラスチック製


というものだったようです。

私自身は昔から「フェイクが何もかも悪い」とは思わない人ですが、たとえば、日本にも昔から河童のミイラとか、いろいろな不思議な怪物の化石などがあって(仮に本物があるとしても)ほとんどはフェイクでしたでしょうけれど、でも、それらが子どもの頃の私たちをどれだけ楽しませてくれたことか。

「ああ、こんなのもいる!」

と、そのたぐいの本(40年くらい前は子ども用の怪獣本、オカルト本が数多くありました)を読んでワクワクしたものでした。「この世にはなんかいる」と。


fossil-japan.jpg

▲ 人魚のミイラとして日本に伝わるもののひとつ。人魚のミイラより。


まあ、実際には「この世にはなんかいる」としても、その頃思っていたものとは違う「なんか」ではあるのかもしれないですが、でも・・・「この世にはなんかいる」という感覚はとても大切だと思います。

話は逸れましたが、しかし、今回のねつ造の話は違う話で、むしろ「夢のない方向」の話です。

そして今の中国のように、あまりにもビジネス(中国は化石ビジネスが一大産業)のためだけに、業者たちがムチャクチャやっているという状況は、これ以上進むと、「博物館の化石は全部フェイク」みたいなことになりかねないもので、そうなると何より困るのが中国の科学者そのもので、それだけに、李博士も今回の発言に踏み切ったのだと思います。

では、ここから本文です。
中国のチャイナデイリーの英語版からです。



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