2015年07月13日



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太陽が割れてきた・・・。その研究を読みながら、太陽を含めた「自然の存在の役割」を考える



sun-devide.gif

▲ 2015年07月07日の英国王立天文学会ニュースプレスより。






 


南と北が「非対称の磁場」である太陽

今回記事のタイトル「太陽が割れてきた」というのは、上の王立天文学会プレスリリースの「太陽磁場は、太陽の南北の分割を示している?」というものを、そのまま書いたものなんですが、よく読みますと、このタイトルは「やや大げさ」ではあります。

英国ウォーリック大学のジュゼッペ・ニスティコ博士という方と国際チームが、NASA の太陽観測衛星 STEREO のデータを使っての調査で、

太陽の磁場が、南の極と、北の極で《非対称》になっている

かもしれないことを見出したというものです。

太陽の磁場というと、具体的にはともかく、何となく下のような「中心を軸として、対照的で、均等な紋様を描く」かのようなイメージを持たれることが多いのではないでしょうか。

例としての太陽の磁場のイメージ
solar-mag-fields.jpg
・NASA


しかし、今回の研究によると、太陽は、「南と北でバラバラ」の磁場の紋様を描いているという可能性があるようです。

あるいは、

「以前はそうではなかったけれど、最近になって、そのようになってきている」

ということかもしれないです。

まあしかし、太陽はこの数年間、如実に変化していましたからね。

3年前の記事で、

奇妙な太陽のポールシフトは太陽系全体に影響を与えるか?: 国立天文台が発表した「4極化する太陽磁場」
 2012年04月21日

という「太陽の磁極が4つになる」という国立天文台などの発表をご紹介したことがあります。

下の図は、国立天文台の発表をもとに作成したもので、左の「2008年の太陽」と書かれてあるのが、それまでの普通の太陽です。北極にマイナス磁場である「S極」があり、南極にプラス磁場であるN極があるという対極したふたつの磁場があります。

20120419-solar-polar.gif


右の太陽は、国立天文台が今回発表した 2012年以降の「4つの磁極」があらわれるという状態になる太陽の磁場の予測・・・なのですが、その後、たとえば今、太陽の磁場がどのようなことになっているのかは、その後の発表や報道がありませんので、よくわかりません。

いずれにしても、「太陽」という存在は、研究が進めば進むほど「従来考えられていた存在とは何かちがうもの」のような感覚を持たせてくれる示唆が次々と出てきます。

こうなってくると、太陽というのは、もう本当に何か全然、私たちの今の科学で説明されているものとちがうものなのではないかという気さえしてきます。




太陽の役割

太陽などについて、「プレアデスの自称姐さんはどう言っているのかな」と、パッと適当に本をめくりますと、太陽に関しての記述があります。


プレアデス+地球をひらく鍵』より

太陽はあなた方の太陽系の統治者であり、あなた方が住居するこの地球を支配する知性の所在地です。

多くの文化のなかで、太陽は神のように、この世界を統治する知的なエネルギー体として崇められています。

太陽に住んでいる存在がいると聞いたら、みなさんはびっくりするでしょうか。

太陽は幻想にすぎません。非常に高度な進歩を遂げた世界は、みずからを太陽のように見せかけて、光の力によって侵略から身を守ることができるのです。

地球の科学者が言うような、ただガスが燃焼しているだけの存在ではないのです。

地球の科学は、生命についての解釈を非常につまらないものにしてしまいました。科学は楽しさ、生命力、心のときめき、神秘性といった要素を生命から奪ってしまいました。

科学のために、生命はまるで何の意味もないかのように、ありきたりで退屈なものにされてしまいました。太陽に何の意味もないなんて想像することができるでしょうか。

これについて考えてみてください。現在、太陽に対する恐怖心をかき立て、太陽を否定的なものとするキャンペーンが展開されています。

自然は安全ではないと科学が主張したことによって、人々は自然とのつながりをこれまでのように感じなくなってしまいました。

太陽、自然、地球にに対する猜疑心が、現在あなた方が直面している、危機の原因となっています。

それはつまり、あなた方が住んでいる家を尊重し、大切にするき気持ちがないということです。



この中のある部分を読みまして、「ああ、これは・・・」と思いました。

それは、

> 太陽に対する恐怖心をかき立て、太陽を否定的なものとするキャンペーンが展開

の部分です。

このブログでも、かつてさんざん太陽フレアの脅威などについて書いたことがありまして、私の「太陽を否定的なものとするキャンペーン」の一端を担った「罪」というものもあります。

それらの証拠となる数々の記事は、こちらのリンクにあります。

とはいえ、特大のスーパー太陽フレアが地球を直撃した場合、大きな影響が出ることは事実です。

1859年の規模の「超」太陽嵐がもし現代の世の中に発生したら
 2010年10月20日

などに書きましたように、地球の文明がおそらくは「復旧の目処が立たないほど」破壊されてしまうことは確かです。

特に、

・電力送電網の崩壊(永続的な停電)
・通信システムの崩壊
・放送網インターネットシステムの停止
・コンピュータシステム(軍事、医療、政治含めて)の停止
・移動手段の停止
・物流とインフラの停止
・食料供給へのダメージ


などは厳しいものとなることが考えられます。

これらが起こることは良いことではないかもしれません。

しかし、ここでふと、最近加えた「革命カテゴリー」にある記事などを思い出すのです。

たとえば、

資本主義の崩壊と、この文明の崩壊は《「破壊」は「創造」に対しての愛》という観点から私たち人間にとって「最も幸せなこと」だと確信してみる
 2015年07月09日

で、確信するに至りました「創造の母は、破壊」であり、さらにいえば、

破壊は、愛

であるということ。

そして、前回の記事のラストのほうに、「社会を子どもたちに返還する」ということに対して、

そのような劇的な変換(かつての日本への回帰)がおこなわれるためには、現在の日本のシステムか文明そのものが終焉する必要があります。

というようなことを書いています。

システムか文明の終焉。

この「必ず通過しなければならない概念」を・・・もし・・・ですけど、私たち人間自身が、地球を変えることができない場合、

それを太陽がやってくれる

ということをふと思うのです。

新しい世界の創造のために必要な破壊と、それをなしうることができるのは、太陽と小惑星と彗星くらいしかないとしか思えないのです。

小惑星たちは、注意深く地球の状態に応じながら軌道を周回し、場合によって、たまにその軌道を外れ、太陽は、フレアを放出する。

巨大フレアは、太陽活動が活発(黒点が多い状態)な時に発生しやすいという思い込みがありますが、現実は、活動状態とは関係なく、太陽はいつでも超巨大フレアを放出させることができます。

事実、過去 200年で最も強いレベルの太陽フレアは「過去 200年で太陽活動が最も弱い時」に発生しています。

それは 2012年7月23日の時でした。

この日、場合によっては「地球の文明は終わっていた」かもしれないことを報道していた アメリカの経済誌フォーブスの 2014年の記事をご紹介したことがあります。

2012年 7月 23日に地球の文明は太陽によって「終末」を迎えていたかもしれなかった
 2014年03月21日

forbes-sun-02.gif

▲ 2014年3月19日のフォーブスより。


この時の太陽フレアが仮に地球を直撃していれば、「地球は数千年前に逆戻り」していたかもしれないというようなことが書かれてあります。

それにしても、なぜ、経済誌のフォーブスがこのような記事を取り上げたかといいますと、この時の太陽フレアが地球を直撃していれば、その損害額は数百兆円規模の算定不可能なものとなっていた可能性があり、何年も文明が再興できなかった可能性があるためでした。

太陽は、「未来の地球」を創造するためなら、いつでもやってくれると思います。

2012年7月23日のフレアは、そのことを私たちに知らせてくれてイベントだったのだと確信します。




私たちの自然は本来人間の敵じゃない

それにして、自称プレアデスの人・・・うーん、この呼び方も味気ないですね。
これからは「自プちゃん」と呼びます。

自プちゃんの言う、

> 自然は安全ではないと科学が主張したことによって、人々は自然とのつながりをこれまでのように感じなくなってしまいました。

というのは、私も最近になって、そう感じるようになりました。

自然のほとんど(実際にはすべてなのでしょうけれど)は、その存在も現象も人間のためにあるというように考えると、私たちも、地球との関わり合いのありかたを少しちがって考えられるような気がするのです。

少し前に、

地球の3分の1の地下水源が枯渇しようとしている
 地球の記録 2015年07月13日

という記事を書いたのですが、これは、帯水層と呼ばれる地下の水脈源が、地球全体でどんどん枯渇していっていることをご紹介したものでした。

そのこと自体はともかく、その世界の帯水層の地図を見ると、日本には巨大な帯水層というものがないことに気づきます。

となると、日本はたえず、大雨など「空からの水」がないと、豊かな自然体系や、もちろん人間が使う水にしても、常に不足気味になるような場所であるように見えたのです。

そこで、

「なぜ日本は地理的に台風が頻繁に直撃する場所にあるのか」

という疑問もすんなり解けるのでした。

その理由は、台風があってこそ、日本は文明を存続できるからです。

帯水層の分布を見る限り、春から秋の台風がなければ、日本の多くは慢性的な水不足にさらされ、基本的に人間が住むには苦しい場所になるはずです。

台風のおかげで、日本人は文明を存在し得た。

そして、世界の地図を見ますと、台風やモンスーン、ハリケーンなどに度重なり見舞われる上に「人が多く住んでいる土地」には、巨大な帯水層がほとんどないことがわかります。

世界の主要な地下水源(アジア〜アフリカ)
Groundwater-Basins-Distress1.gif
NASA

台風も豪雨も大雪も「自然に備わった素晴らしいシステム」であり、台風やモンスーンやハリケーンの意味は、その土地に豊かな自然と、人間が文明を築くために「用意」されたものだと。

あるいは逆をいえば、日本を含めた多くのアジア地域では、

台風やモンスーンが消えた場合、人間が住めない場所になる。

ということになると思います。

台風もまた最大の「恵みの神」であることがわかるのです。

しかし、どんなことでも、現代社会は「災害」という一言で括ってしまいます。

台風も太陽フレアも全部悪者で、自然や宇宙は「危険ばかり」という観念が広く浸透してしまった。

そういう意味では、虫の大量発生や、疫病、地震などを「悪」として描いている「聖書」に最近やや疑念の思いもあるのですが、そのことは今回はふれません。

この宇宙と地球の大自然で、人間の営みのために協力しないものは存在しないということが、こんなに年をとってしまったとはいえ、最近になって、ようやくわかりかけています。

それもこれも、キッカケは、野口晴哉さんの『風邪の効用』を読んだ時に、

「風邪ウイルスは人間のために作用している」

ことを知ってからでした。

このことは、

人間にとって最も日常的で慈悲深い治療者は風邪ウイルスかもしれないこと…
 2015年04月21日

という記事に書きました。

この「風邪は自然良能である」という野口さんの知見を知り得たことは大きかったです。知ったのは、ほんの3ヶ月前のことですが、それ以来多くのものが「自然良能だ」と思えるようになっています。

(本当は「全部が自然良能」なのでしょうけれど、そう思えるまでには至っていません)

そんなわけで、英国王立天文学会の研究で示唆された「太陽の構造の非対称性」も、地球に与える影響として、何らかの意味を持っているはずです。

そういえば、この王立天文学会が、最近、「地球はミニ氷河期に入る」ことを、総会で全会一致した意見として採用したことが報じられていました。少しご紹介しておきます。


地球は15年後“ミニ氷河期”に入る」英国王立天文学会で発表
IROIRO 2015.07.13

先週、イギリスのウェールズで開催された英国王立天文学会総会で、「今後15年以内に、地球はミニ氷河期といえる時代に入る」という予測が発表された。これは太陽を専門に研究する学会員の一致した意見で、「97%確実」であるとのこと。

研究者たちを代表してこの発表を行なったのは、英国ノーザンブリア大学のヴァレンティナ・ジャルコヴァ教授。

ジャルコヴァ教授は、「太陽の活動は、2030年あたりには今と比べて60%減衰する」と言う。また、この予測は「97%」確実であるとのこと。



ということです。

ミニ氷河期の「自然としての意味」ってどんなものなんでしょうかね。
考えてみたいです。

それでは、ここから本記事です。




Does the solar magnetic field show a North-South divide?
王立天文学会 ニュース&プレス 2015.07.07

太陽磁場は、太陽の南北の分割を示しているのか?

North-South-divide.jpg


毎秒 200〜500キロメートルの間の速度で太陽のコロナを通過する噴射の研究は、太陽の磁場によるプラズマの動きの速い行列が、南半球よりも北半球ではるかに強く偏向されていることを示す。

この太陽の南と北での非対称性は、太陽の磁場を発生させる機構である「太陽ダイナモ」に対しての理解に重要な意味を持っていると思われる。

この研究結果は、2015年7月8日に、英国ウォーリック大学のジュゼッペ・ニスティコ博士( Dr Giuseppe Nisticò )によって、ランディドノーでの国立天文学会議で発表される。

ニスティコ博士と国際研究チームは、2007年3月から 2008年4月の間に発生した 79の太陽の極の噴射を研究してきた。

この研究は、NASA の太陽調査プロジェクト STEREO (太陽立体化計画 )によって観察したものだ。STEREOは、太陽の軌道に沿って地球から離れて、反対方向に周回している双子の衛星だ。


NASA の STEREO
STEREO-spacecraft.gif
STEREO


二機の衛星により運ばれる STEREO のふたつのデータが、太陽の立体観察を可能にする。ニスティコ博士と研究チームは、双子のSTEREO探査機によって同時にコロナ噴出を観察するために、極端紫外線撮像装置(EUVI)と呼ばれる撮像装置と、COR と呼ばれる機器の画像を使用した。

特定されたそれぞれの噴出のために、研究チームは、太陽の南側と北側共に、太陽表面から 70万キロメートルの距離で、噴出と太陽との角度を測定した。北と南の2つの測定場所の間には、約 10分の時間遅延がある。

sun-kakudo.jpg


ニスティコ博士は、以下のように語る。

「STEREO は、太陽の異なる層を調べることができますので、私たちは時間をかけて噴出の進行状況を見ることができるのです。 EUVI は、太陽の表面に祝言した噴出を示し、 COR1 は、太陽の大気やコロナを通じて進行状況を表示します」

「噴出が低いところから高いところに移動する時には、それらの噴出は、磁力線によって”案内”され、直線ではなく、むしろ丸く追随していきます。しかし、太陽の極に近い噴出を分析すると、この偏向量が異なるという意外な事実を示すのです。」

「私たちは太陽の南よりも北の極で、相当大きな偏向(変位)を確認しました。このことが、私たちに疑問を生じさせます。・・・この太陽の極の噴出は、『太陽の磁場が南北で対称ではない』ことを示している?・・・という疑問です。」

「初めて黄道面に周回する宇宙船から太陽の極地の機能の測定を行うことの難しさにもかかわらず、私たちは、太陽コロナの全体的な構造のトレーサーとしての冠状の噴出を研究できました。そして、南北非対称性としての太陽のそれぞれの存在の独立した指標をさらに提供しています」

「将来的には、ソーラー・プローブ・プラス( NASA の太陽コロナの観測のための探査機)と、ソーラー・オービター(欧州宇宙機関が開発中の太陽観測衛星)が、太陽に近い位置からの極の直接観測によって、太陽の南北非対称についての新たな洞察を提供するでしょう」



  

2014年09月15日



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▲ 2003年 11月 4日の「 X28 」の太陽フレア。 NASA SOHO より。






 



先日の 9月 10日に、Xクラスの太陽フレアが発生したのですが、その時の正確な数値としては、

X 1.6

というクラスでした。

この程度の大きさの太陽フレアでも、地球に対して発せられた場合は、先日の、

太陽フレアが地球を連続して直撃し始める中、アメリカが誇る歴代の大統領たちの顔もうっすらと雪景色
 2014年09月12日

でご紹介しましたように、そのフレアについて大きく報道され、アメリカ海洋大気庁( NOAA )は、電力網や通信などに影響が出るかもしれないと警戒情報を出しました。

もう一度、数値を書きますと、「 X 1.6 」です。

では、過去に観測された中ではどのくらいの強さの規模のフレアが発生していたのか

名古屋大学の「太陽地球環境研究所 宇宙線研究室」の渡邉恭子さんという方が書かれた、

太陽中性子観測による太陽フレア現象における粒子加速機構の研究

という論文に以下の記述があります。


2003年 11月 4日 19 : 29UT に X28 という、とても大きな規模の太陽フレアが発生した。

これは観測史上最も大きなクラスをもった太陽フレアであった。


X 28 ・・・。

こんな規模の太陽フレアが発生していたことを初めて知りましたが、この論文の中には、この X 28 の太陽フレアの爆発エネルギーについて、

広島の原爆 10 兆発にも相当する

とあります。

単位は「兆」です。

この際のフレアは、当時の Space.com で報じられた ニュースのページが今でも残っています。

x28-2003.gif

▲ 2003年11月5日の Space.com より。


上の記事によりますと、この時の太陽フレアは、人工衛星による太陽観測が始められた 1970年代からの観測の中で最大規模だったとのこと。

この X28 という途方もないほどの規模の太陽フレアは、現在の前の太陽活動周期の「サイクル 23」の太陽活動の活動期におきたものですが、先に抜粋しました論文「太陽中性子観測による太陽フレア現象における粒子加速機構の研究」によりますと、サイクル 23の際には、

100 個以上のXクラスの大きな太陽フレアが発生した

とあります。

そして、そのすべてのXクラスの太陽フレアの中で、「中性子イベント」というものが発生したフレアは下の通りだそう。

cycle23-x-flare.gif


中性子イベントの概念はともかくとして、この時期には X 28 とか X 17.4 だとかのかなり大きな太陽フレアが発生していたことがわかります。

しかし、これらの太陽フレアは「地球の方向に面していない場所」で発生したようです。なぜなら、 X 28 なんてフレアが、地球方向にダイレクトに発生した場合は、確実に「大災害」となっていたはずだからです。

1989年に、カナダのケベック州で「ケベック大停電」という「 600万世帯」が停電に陥るという、カナダでは前代未聞の大停電が発生しましたが、この原因は、太陽フレアによるものでした。

この時に起きたことは、1989年3月の磁気嵐というページから抜粋しますと、

1989年3月13日に起きた磁気嵐は地球に非常に大きな影響を及ぼし、カナダではハイドロ・ケベック電力公社の電力網を破壊し深刻な被害をもたらしたり、米国の気象衛星の通信が止まるなど、各国の様々な社会インフラが影響を受けた。

ということがあったんです。

ちなみに、下の動画はその 1989年のフレアではなく、先に書きました 2003年の X28 の太陽フレア発生の瞬間を撮影した NASA の太陽観測衛星 SOHO の映像ですが、フレア発生の瞬間から画像にノイズが入り、機器が影響を受けているのがわかります。




現在の太陽活動は強いものではないですので、こんなパワフルな太陽フレアが発生する可能性はほとんどないでしょうけれど、それでも、さほど強くない太陽フレアでも地球を直撃すれば、今の社会はわりと大きな影響を受ける可能性もあります。

それは、この 20年間くらいの私たちの生活の変化に理由と原因があります。




たった25年で私たちの世界で変化した部分

カナダが太陽フレアによる大停電に陥った 1989年というのは、今から 25年ほど前のことで、さほど昔のことではないと思われるかもしれないですけれど、この頃と現在の「決定的な違い」は、

生活でのインターネットや携帯、スマートフォンへの依存度

です。

簡単にいえば、1989年と同じような太陽フレアの直撃があれば、これらは一部、あるいは規模によっては「すべて」が使い物にならなくなるという可能性があることが、25年前と現在とでの生活への影響の違いです。

25年前はどんな先進国でも、インターネットもパソコンも、まして携帯電話やスマートフォンなどとは少なくとも一般人は無縁の世界でした。

私が初めてパソコン( Mac でした)を購入したのは、多分、1993年頃で、今から 20年くらい前のことだと思います。しかし、この時でも、インターネット自体は存在していたとはいえ、日本ではまだ個人のインターネット接続はあまり普及していませんでした。

私が初めてインターネットに接続したのは 1995年くらいのことではなかったかと思います。ようやくインターネット生活が始まったわけですけれど、それでも、当時の電話回線を利用した「ダイヤルアップ」といわれる方式は今とは比較にならないほど遅い回線であって、とても「生活上で利用しまくる」というようなタイプのものではなかったです。写真1枚表示するのに数分かかったような時代でした。

しかし、その後、かなり早いペースでインターネットの環境が整い、それから 10年もしないうちに、多くの国では、生活上のありとあらゆるものが「インターネットやコンピュータプログラムに依存」していくことになります。

今では車もコンピュータの塊ですから、1989年レベルの太陽フレアの直撃があれば、車を動かすことはできなくなると思われます。つまり、物資の輸送や食糧供給も止まるということです。もちろん、パソコンを含めて、コンセントにつないでいる電化製品は、そのままの状態ですと、大きく損傷する可能性が高いです。

そんなこともあり、現在の文明社会に X 28 などという規模の太陽フレアが発生し、それが地球にダイレクトに向かった場合、前もって保護の準備をしていない場合、

通信手段から電気、物資の輸送まで、ほぼすべての生活上のインフラが崩壊する

という可能性があるところが、現代文明の脆さのひとつでもあります。

もし X28 などの巨大な太陽フレアによる磁気嵐が現代の地球を直撃した場合の具体的な被害はわからない部分も多いですが、 Wikipedia には、


仮に1859年と同レベルの太陽嵐が発生し地球に直撃すれば、広範囲で停電が発生し、現代社会における電力やGPSに依存する機能、水道などのライフラインが破壊され、全世界で2兆ドル規模の被害が発生するとの試算がある(全米研究評議会 、2008年)。


とあります。

2兆ドルは日本円で約「200兆円」ですが、そのような被害を全米研究評議会というアメリカの学術機関が推計しているようです。

このことは、過去記事の、

2012年 7月 23日に地球の文明は太陽によって「終末」を迎えていたかもしれなかった
 2014年03月21日

など、何度か記したことがあります。

気づけば、私たちの文明スタイルはあまりにも、

・電気
・無線通信(携帯やスマートフォン)
・インターネット


などに多くを依存するようになっていたということが問題なのかもしれません。

もちろん、世界には、インターネットはもちろん、電力にもほとんど依存せずに生活している人たちがたくさんいます。そういう人たちは、文明社会においては確実なカタストロフである「太陽からのスーパーフレア」の影響などまったく受けないわけです。

テクノロジーや電気的な生活に依存している国になればなるほど、太陽フレアの影響は深刻です。

そういう意味では、この 20年くらいの間に進んだ「過度にインターネットに依存した文明」というのは、冷静に考えれば、

「いつかはカタストロフ(破局)が訪れるべくして築かれた文明」

ではあるのかもしれません。

今は太陽活動最大期の頂点くらいの時期にいるとされているのですが、ここで、先ほどの論文「太陽中性子観測による太陽フレア現象における粒子加速機構の研究」の表をもう一度載せますので、見てみて下さい。

cycle23-x-flare.gif

大きな太陽フレアが発生したのが 2003年であることに気づきます。

先日の、

13年目の 9月 11日に地球を直撃するCME
 2014年09月10日

に書きましたが、この時の太陽活動の活動最大期は「 2000年」だったのです。

つまり、活動最大期から3年も後になって X28 などという途方もない規模の太陽フレアが発生したわけです。

現在の太陽活動も、いつが活動最大期なのかよくわからないような曖昧な状態が続いていますけれど、一応、 NASA などは現在が活動最大期だという認識を示しています。しかし、基本的には、現在の太陽活動は「過去数百年で最も弱い」ものです。

それを考えると X10 を越えるような巨大な太陽フレアが発生することはちょっと考えがたい面はあります。

ちなみに、下の表は 2012年 12月 29日から 2014年 9月 13日までに発生した、その日の最大の太陽フレアを示したものですが、この約1年9ヶ月ほどの間で最大の太陽フレアは、2014年 2月 25日に発生した X4.9 のフレアでした。

x-12-25.gif
太陽活動の現況


現在までに X5 を越える規模の太陽フレアは今のところ発生していないことがわかります。

上の表は「赤」の部分がXフレアが発生した日ですが、この「赤色」の数が 17個しかないということは、2年近くの間に「17回のXフレアしか発生していない」ということを示していて、今が太陽活動最大期だとすれば、このサイクル 24という弱い太陽活動周期の現実を改めて思います。

しかし、たとえば、昨年 10月の記事、

数百年来の弱い太陽活動の中で突然起きた「太陽の大爆発」の余韻と共に NASA のサイトも NOAA のサイトもシャットダウンした朝
 2013年10月02日

の中でご紹介したように、突然「予測していなかった」大規模なフレアが発生するということもありました。

要するに、

「全体的な太陽活動が弱い」

からといって、それが、

「大規模な太陽フレアが発生しない」

という理由となるわけではない、ということです。

それに、地球を直撃する巨大フレアは「たった一発」でOKなわけです。

「OK」というのは変な表現ですが、全体的な太陽活動が弱かろうが強かろうが、地球の文明を崩壊させるには、「一発」の地球方向への巨大フレアがあれば、それでいいわけで、その後何発続けて発生しようが、すでに(直撃したエリアの)文明は崩壊しているわけで、とにかくどんな理由による太陽フレアでも、一発だけでも発生すれば、それで終わりなんです。

さらに、この昨年 10月の太陽フレアは黒点の領域からではなく、プラズマの爆発による太陽フレアでした。つまり、黒点なんてなくても、巨大フレアは発生するのです

ちなみに、1975年からの観測史上での巨大な太陽フレアの上位5は NICT の資料によりますと以下の通りです。

1位 X28.0 2003年11月04日
2位 X20.0 1989年08月16日
3位 X20.0 2001年04月02日
4位 X17.2 2003年10月28日
5位 X17.0 2005年09月07日

これらはすべて、地球の方向ではない場所で発生したものでしたので、人工衛星への影響などを除けば、どれも地球での被害はなかったと思いますが、こんなものが「一発でも」地球方向に向いた面で発生すれば、直撃を受けた地域は原始時代に逆戻りしてしまう可能性もあります。

実際に、過去記事「2012年 7月 23日に地球の文明は太陽によって「終末」を迎えていたかもしれなかった」では、その 2012年 7月 23日に発生した巨大な太陽フレアが「地球をかすめていたことが判明した」ことが今年 2014年になって解析によってわかったことを書いています。

そのことを記した 2014年 3月 19日の米国フォーブスの記事のタイトルは、「地球の文明を暗黒時代に戻すことができるほどの巨大な太陽からのスーパーストームが地球のすぐ近くを通過していた」というものでした。

dark-age-flare.gif
Forbes




太陽の磁場と磁極は現在どうなっているのか

ところで、なぜ最近になって、太陽フレアが地球方向に向けて発生するようになったかということに関して、

太陽の磁極の反転との関係

について言及されたお話を伺ったことがあります。

これに関しては、昨年8月に NASA が「太陽の磁極の反転」が始まったことを確認したことを、記事に書いた後、昨年の 12月 31日の、

汚れた血も悪くはないと考えていた 2013年の終わりに「太陽の磁場のポールシフトはすでに完了していた」ことを知る
 2013年12月31日

という記事で、「太陽の磁場の反転が完了した」報道をご紹介しました。

しかし、それ以前の問題として、

今回の太陽の磁場の反転には異常があった

ことが 2011年から宇宙航空研究開発機構の太陽観測衛星「ひので」が捉えていました。下は、2011年9月2日の読売新聞の記事です。


地球環境に変動? 太陽北極域で異例の磁場反転
読売新聞 2011年09月02日

宇宙航空研究開発機構の太陽観測衛星「ひので」が、太陽の北極域で磁場が反転し始めた様子を観測することに成功した。

太陽の北極、南極の磁場は約11年周期で反転することが知られているが、今回は予想時期より2年も早いうえ、南極域では反転が見られないなど異例の様相を呈している。

地球の環境変動につながる恐れもあるという。

磁場の反転と、太陽の黒点数増減の周期は、通常約11年で一致していたが、2009年初頭まで続いた黒点の周期は12・6年に延びた。活動周期が延びる時期は、地球が寒冷化することが知られている。

研究チームの国立天文台 常田佐久教授は「観測されたことのない事態だ。地球環境との関係を調べるため、太陽活動を継続的に監視していく必要がある」と話す。


この3年前の読売新聞の記事の、

> 地球の環境変動につながる恐れもあるという。

という部分をあらためて読み直して、この2〜3年に地球で起き続けた「荒れた」自然災害や自然環境、そして荒れた天候の数多くの出来事を思い出します。

それはともかく、この「太陽の異変」はその後も続き、2012年には太陽が「4極の磁極」を持ったことが観測されるようになります。

2012-solar-polar.gif
・過去記事「国立天文台が発表した4極化する太陽磁場」より


この磁場の異変は 2013年になっても続き、

国立天文台が「太陽の磁場異変の進行」を確認し、その状態が過去の「小氷河期」と類似していることを発表
 2013年02月05日

という記事では、国立天文台などが、

太陽の北極域では磁場がマイナス極からプラス極へ反転する現象が急速に進んでいる一方、南極域の磁場は依然としてプラス極のまま変化が少ないことを確認した。

という太陽の磁場の異変を確認しています。

そんな異常の中で、2013年末までに太陽の磁場の反転は完了したのですけれど、私がふと思うのは、

「現在の太陽の磁場や磁極は正常な状態なのだろうか」

ということです。

何らかの磁場の異常、あるいはこれまでとは違った状態の磁場を持っている、というような可能性があるのではないかと思うこともあります。しかし、こればかりは「ひので」などの観測衛星のデータが発表されないとわからないことなのかもしれません。

ところで、地球の「中性子」が急激に減少していることを知らせて下さった方がいました。それは、先日の 9月 10日の太陽フレアの後に起きています。

下は、アメリカのデラウエア大学にある中性子モニターのリアルタイムデータのうちの南極のものですが、12日頃から急激に減少しているのがおわかりかと思います。

sp-0913.gif
BARTOL NEUTRON MONITOR


これが何を示しているのか・・・というと、私にはわからないのです

というのも、私が持っている曖昧な知識では「太陽フレアは大量の中性子を発生させる」というものだからです。

たとえば、名古屋大学の柴田祥一氏の論文「太陽フレアに伴う中性子の観測と地球大気中での伝播」の概要の冒頭は、

太陽フレアに伴って中性子が大量に発生する。中性子は電荷を持たないため、惑星間磁場によって曲げられることなく太陽から地球へ直進して来る。

です。

たとえば、下の表は、2006年 12月13 日に X3.4 の太陽フレアが発生した際の、上と同じデラウエア大学の中性子モニターのグラフです。

theplot-2003.gif
・200612月14日の NICT

太陽フレアの発生時に中性子が一気に上がっていることがわかります。

しかし、今回は太陽フレアが地球を直撃した後から「中性子が急激に減っている」ということになり、これはどうにも私にはわからない領域です。あるいは、このような現象は特に不思議なものではないのか、そのあたりさえもわかりません。

しかし、ふと思えば、何よりも、そもそも私は「中性子」というものをよく知らないわけで、このことはもう少し勉強してから考えた方がいいかもしれないです。

ダラダラと長くなってしまいましたが、やっばり全体として何となく「変」な感じのする最近の太陽であり、そして、地球を含む太陽系の惑星です。



  

2014年04月20日



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m7_flare-2014-04-18.jpg

▲ 4月18日に発生した太陽フレア。規模は M7.3 と、最近では大きなものでした。地球に対してダイレクトな方向ではなかったですが、今日( 4月 20日)から明日あたりにかけて、地磁気に影響が出るとのこと。2014年4月18日の Spaceweather より。






 



数日で3倍以上に急激な増加を見せた黒点を見て

この数日、太陽活動が急速に大きくなっていたんですよ。

sunspot-2014-04-17.gif

▲ 2014年4月18日の Spaceweather より。


この「 296」という数も多いんですが、その増え方がかなり急速だったので、何となく気になり、毎日様子を見たりしていました。下の表で、黒点数が 80前後からほんの数日で 300近くまで急速に増えたことがおわかりかと思います。

sunspot-increase-2014-04-18.gif

▲ 赤で囲んだところが過去 10日間の黒点数の観測値。2014年4月19日の NICT 黒点情報より。


この 293という数の多さは、過去12ヶ月の平均値と比べていただいてもよろしいかと思います。

sunspot-past-12month.gif

▲ 赤で囲んだところが月平均の黒点数。 NICT 黒点情報より。


今年2月の平均値が 102.8 と過去1年では最も多いですが、4月18日の「黒点数 296 」は、その3倍ほどにも相当します。

このまま増え続けると、「何だかえらい感じ」になりそうですが、最近の太陽活動を見ていますと、このまま増え続けるというのではなく、また減っていくのだとは思います。

それにしても、いつからこの状態が続いてるのだか……。

太陽活動自体は弱いまま推移しているとはいえ、見た目は上のように活発そのもので、そして、ずっと今のような状態が続いているわけでもあります。要するに「何となく異常な感じ」は続いているわけで、ここで唐突に超巨大フレアが起きても、今ではあまり不思議な気はしません。

実際、3月の、

2012年 7月 23日に地球の文明は太陽によって「終末」を迎えていたかもしれなかった
 2014年03月21日

という記事に書きましたけれど、2012年 7月に「過去 200年で最も強いレベルの太陽フレア」が発生していたことが最近までの研究でわかったことが報道されました。

flare-2012-07-23.gif

▲ 2014年3月19日の 米国フォーブス Massive Solar Superstorm Narrowly Missed Blasting The Earth Back Into The Dark Ages より。


この時の太陽フレアは、発生した場所が地球にダイレクトには向いていなかったため、地球の「文明」は破壊を免れたのですけれど、少しのタイミングの違いがあれば、この時に地球の文明は壊滅状態と化していたかもしれなかったのでした。

2010年のアメリカ国立科学財団の「太陽嵐の想定外の脅威」という論文に記された以下の脅威が、その時に間近だったのです。


米国科学アカデミーのレポートによると、キャリントンのような嵐は現代に怒濤の悲劇を起こす引き金となる可能性があるかもしれない。

変圧器を含む相互接続された送電網の機能を破壊し、停電が(アメリカで)最大1億3000万人に影響し、それらによってサポートされている下水システム、そして、電子運輸機構を破壊し、また、システムの崩壊は、飲料水、食物、薬、および燃料の配信を止めてしまう。




私は昨年まで、その頃までの太陽活動の弱さに、すっかり「太陽活動はオワッタ」と思っていたのですが、実際には今に至るまで「全然終わっていない」というのが事実です。

それだけに、最近の「2014年4月は「現行世界システムの終末」の始まり?」という「終末」などという単語が出てくる記事の最初のセクションの見出しの、

「世界を破滅させる力はさまざまに存在していて」

というような言葉も思い出すのでした。その「さまざま」にはもともと「太陽からの脅威」もあったわけで、そして今、とのことを改めて思い直しています。

しばらくは太陽ウォッチングは重要な気がしています。

太陽が完全に活動を停止するまでは(そのほうがマズイじゃん)。

いやいや、完全に停止ではなく、太陽活動が極端に弱い極小期に入ることを確認するまで、ということですね。それまでは、まだまだ巨大な太陽フレアや巨大 CME (太陽コロナの放出)を念頭に置いておきたいと思うのでした。


ところで、太陽フレアというフレーズで、最近、ひとつ知ったことがありました。
電磁パルスから機器を保護する箱についてです。




ファラデーケージとしての冷蔵庫

2010年の記事ですので、ずいぶん以前のものですけれど、太陽フレアや、あるいは物騒ですが、電磁パルス攻撃などを受けた場合の通信手段の確保についての海外の記事を翻訳したことがありました。

太陽フレア等による電磁パルス(EMP)に見舞われた際の通信手段
 2010年12月13日

その時、

携帯やパソコンなどの「機器そのもの」を守る方法

として、「ファラデーケージ」と呼ばれる、電磁パルスなどから機器を守る「箱」のことについても記させていただいています。

fara3.jpg

▲ 海外記事の自作のファラデーケージ。 Faraday Cage より。


ファラデーケージという言葉自体は遮断箱といった感じの意味で、「遮断したいもの」によって、どんな材料で箱を作ればいいかというのは違っていまして、たとえば、身近な脅威として、

・電磁パルスを遮断したい → 鉄
・ガンマ線(核兵器やガンマ線バーストなど)を遮断したい → 鉛など


などというようなことになっていまして、太陽フレアの場合は「電磁パルス」ですので、この場合は、「鉄の箱」を用意する。あるいは自作するということになります。

上の記事にもありますが、巨大な太陽フレアの直撃が確定した時などに、電気的な機器を保護する方法としては、まず「電磁パルスのループを断つ」ということがあります。具体的には、

・懐中電灯、携帯電話、ノートパソコンから電池を抜く。
・電子機器のプラグをすべて壁のコンセントから抜く。


というような感じです。

そして、それらの機器を鉄の箱に入れると。

基本的に鉄なら何でもいいわけですが、この場合は厳密に鉄でなければいけないわけで、アルミなどの「鉄のようなもの」では効果はないのです。鉄を見分けるもっとも簡単な方法は「磁石がくっつくかどうか」で確かめることになるのですが、さて、話はここからです。




冷蔵庫も電子レンジも外壁は鉄だった

多くの方の冷蔵庫のドアにはいろいろとマグネットだとか、そういうものが貼られているものだと思いますが、私の自宅のもそのようになっています。最近は下のようなものもあるようで驚きます。

ipad-mg.jpg

サンワダイレクトより。


ここまでいかなくても、キッチンタイマーをつけたり、ホワイトボードみたいなものをつけていたりと、「冷蔵庫のドアの表面自体がツール」となっているご家庭は多いように思います。美観的には本当は何も貼りたくないのに、ひとつ、またひとつとマグネットがついていく・・・。

先日ふと、


「あれ? マグネットがつくってことは、冷蔵庫のドアは鉄?」


と思い、しかし、冷蔵庫はドアだけではなく、「全体に磁石がつく」ということにも気づきます。


「冷蔵庫って鉄の箱なの?」


Yahoo! 知恵袋に「なんで冷蔵庫の扉って磁石がくっつくようになってるんですか?」と、私と同じ疑問を投稿してくれていた人がいました。

答えは以下のようなものでした。


それは、外壁の素材が「鉄」だからです。



とのことで、やはり冷蔵庫は外壁が鉄で囲まれているようです。

では、なぜ、冷蔵庫の外壁が鉄なのか?


冷蔵庫の外壁には、断熱効果の高い材料が望まれる。つまり、周囲から熱を与えられたとき、それ自体の温度上昇が小さい材料である。これは、熱容量の大きい材料が良いことを示す。一方、内容量の観点から、冷蔵庫の外壁は薄いほど良い。



という条件に当てはまるものが「鉄」なんだそうです。
価格も安いですし、加工しやすいというのも理由だそう。

冷蔵庫という冷蔵庫は多分、ほぼすべて外壁が鉄で作られているようです。

ということはつまり・・・。

特にファラデーケージを用意しなくとも、冷蔵庫自体が巨大なファラデーケージだということに気づいた次第です。


地球に壊滅的な影響を与えるほどの太陽フレアの発生が確定したとしても、フレアの発生から磁気嵐の地球到達までは3日前後かかりますので、時間的な余裕は十分あります。

保護したい機器から電池、バッテリーなどを抜いて冷蔵庫に入れれば、ある程度の保護条件は満たすのではないかと思います。

他に、洗濯機や電子レンジも外壁は鉄だそうです。

ただし、洗濯機は上蓋が鉄ではないものが多そうですし、電子レンジも前面は強化ガラスなどの透明である作りが普通で、「全体が鉄に囲まれている」のは冷蔵庫、あるいは冷凍庫だけではないかと思います。

ちなみに、戦争などでの EMP 攻撃では、突然攻撃された場合は対処は間に合わないと思われるので、どうにもならないとは思います。





それから、太陽と月と星に徴が現れる


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▲ 2014年4月16日の記事「赤い月と黒い太陽: 2014年から 2015年まで「4回連続する皆既月食」がすべてユダヤ教の重要宗教祭事の日とシンクロ。そして、過去の同じ現象の時に「イスラエルの建国」があった」より。


唐突ですが、聖書の「ルカによる福音書」に、以下のような下りがあります。


ルカによる福音書 21章 5 - 6節

ある人たちが、神殿が見事な石と奉納物で飾られていることを話していると、
イエスは言われた。

「あなたがたはこれらの物に見とれているが、一つの石も崩されずに他の石の上に残ることのない日が来る。」




「一つの石も崩されずに他の石の上に残ることのない」というのは難しい表現ですが、「物理的な接触なく神殿が破壊される」というような意味にも聞こえます。

そして、その後の25節から28節の有名な下りへと続きます。


ルカによる福音書 21章 25 - 28節

それから、太陽と月と星に徴が現れる。
地上では海がどよめき荒れ狂うので、諸国の民は、なすすべを知らず、不安に陥る。
人々は、この世界に何が起こるのかとおびえ、恐ろしさのあまり気を失うだろう。
天体が揺り動かされるからである。
そのとき、人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを、人々は見る。
このようなことが起こり始めたら、身を起こして頭を上げなさい。
あなたがたの解放の時が近いからだ。」




今は、こちらの記事にありますように、2014年から 2015年まで「4回連続する皆既月食」の期間に突入した時期でもあり、これで太陽にも「徴」が現れ始めると、いろいろな意味で、ざわめいた時代の始まりのようにも思います。

いや、ざわめいた時代はすでにもう始まっているようですが。



  

2014年03月24日



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long-duration-flare.gif

▲ 2014年3月23日の Spaceweather LONG-DURATION FLARE より。






 


普通ではなかった 3月 23日の太陽フレア

先日の、

2012年 7月 23日に地球の文明は太陽によって「終末」を迎えていたかもしれなかった
 2014年03月21日

という記事の最後のほうに「ついに登場した黒点群番号 2014」というセクションで、あくまで「ジンクス的な話」として、この今年と同じ通し番号がついた AR2014 という黒点群が何となく気になっていました。

ar2014.gif

▲ 上記の記事より。オリジナルは 2014年3月21日の Spaceweather より。


そうしましたら、昨日、この黒点群 2014が「異常な太陽フレア」を発生させたことがスペースウェザーに掲載されていました。

どんな点が異常だったかというと、今回の太陽フレア(太陽の表面爆発)は、Cクラスのフレアということで、本来なら極めて弱いクラスの太陽フレアでしかないはずだったのですが、「何時間も何時間も爆発が持続し続けて、結果的に強い太陽フレアと同じほどのエネルギーを放出し続けた」というものだったようです。

上に貼ったたのがその記事ですが、内容をご紹介します。


LONG-DURATION FLARE
Spaceweather 2014.03.23

長く持続したフレア

3月 23日 03:30頃から、黒点群 2014の磁気の張り出し部分が不安定となり、爆発が起きた。そして、黒点群 2014は長時間にわたって、Cクラスの太陽フレアを発生し続けた。

通常ならCクラスの太陽フレアは極めて軽微であると考えられるものだが、このフレアは非常に長い時間(何と数時間)に渡り、エネルギーの放出を続けた結果、本来のCクラスよりはるかに強力な太陽フレアと同等のエネルギーを噴出したことになった。

長時間の太陽フレアは通常、 CME (太陽からのコロナの放出)を伴うが今回のフレアも例外ではなかった。

NASA の太陽観測衛星 SOHO は太陽から噴出された CME の雲を記録した。

この CME は、地球方向に向けて広がっているように見える。その場合、フレアの発生から3日以内に地球に到達する可能性がある。




ということで、影響が出るのは、日本時間だと 3月 26日くらいからですかね。

それほど激しい CME ではないですので、影響といっても、さほどのものではないでしょうが、ただ、上の記事にもありますように「長い間、エネルギーを放出し続けた」ということで、通常よりも長い時間、地球の地磁気に影響がある可能性があります。


問題というか、気になることは、今回のことそのものによる被害や影響ということではなく、結局はこのことも含めて、

「なんか太陽が変だ」

ということなんですよね。

この黒点群 2014 の「長く持続したフレア」の様子を NASA の太陽観測衛星ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリー ( SDO )が撮影した動画があります。これが何とも「やや不気味」に私にはうつりました。

黒点群2014の2014年3月24日の太陽フレア



▲ 動画は時間が短縮されていますが、実際には何時間もこの調子でフレアが続いていたとのことです。


映像からこれが弱い太陽フレアであることはわかるのですが、何となく「パーン」と一気に噴出するイメージのある太陽フレアが、どう表現すればいいのかわかりませんけれど、ジクジクとしたような噴出を続けている。

ちなみに、現在の太陽黒点群 2014は下の位置にあり、次第に「地球の真正面の位置」に進みつつあります

ar-2014-02.gif

▲ 2014年3月23日の Spaceweather より。




そして、世界は荒れている


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▲ 2014年3月24日の台湾の國内要聞より。台湾では、中国と調印した「サービス貿易協定」に反対する学生たちのデモが続いていますが、日本でいう国会を占拠したのに続き、次は日本でいう内閣の庁舎に突入しています。警察は上のように強制排除の開始をしているようです。


今月の始めごろに、

太陽と暴動。そして、太陽と戦争
 2014年03月04日

という記事を記したことがあります。

記事の冒頭には、19世紀初頭の「ロシア宇宙主義」という科学者たちの一派だったアレクサンドル・チジェフスキー博士の以下の言葉を載せました。


「大衆の興奮も太陽の周期に従っている」
 -- アレクサンドル・チジェフスキー(1897 - 1964)



今回は、ロシア宇宙主義やチジェフスキー博士にはふれませんが、参考記事といたしましては、

「真実の太陽の時代」がやってくる(1):私たち人類は何もかも太陽活動に牛耳られている
 2013年07月11日

という記事の後半に、嶋中雄二さんの名著『太陽活動と景気』の中にある「チジェフスキーと太陽生物学」というセクションをご紹介していますので、そちらなどをご参考いただくと幸いです。


さて、その「太陽と暴動。そして、太陽と戦争」という記事にチジェフスキー博士の下のグラフを掲載しています。

helio-23-23.gif


太陽黒点の数の推移と、社会暴動の数の推移をグラフで表しているものですが、見事な一致を見せていることがおわかりかと思います。


しかし、現在の太陽活動は強くないのです。
この数百年で最も弱い「太陽活動の最大期」と言われているほどです。

先日、私は、

太陽も天体も何かおかしい
 2014年03月07日

という記事を書いた時がありましたが、その記事の最後のセクションは「太陽の異常もひしひしと」のタイトルでした。

以下のように記しています。


太陽の異常もひしひしと

タイトルに「太陽がおかしい」という文字を入れていますが、これは科学的などうのこうのというようなことではなく、見た目と、感覚的なことなんですよね。

科学というか数値の面でも奇妙に思うところもあります。
奇妙というより「異常」な気がしています。

私自身は、社会の行方は、太陽の活動の影響を大きく受けるものだと思っています。そして、太陽活動最大期の今年は大きな影響を受けるものだと考えています。

それは天候や戦争やパンデミックなど全体のことだけではなく、たとえば、人間ひとりひとりの精神・メンタルに影響すれば、犯罪を含む「人間行動の異常」が世界的に広がってしまうかもしれないというような感覚も含まれます。

その「主」である太陽が異常なままなら、その「従」である私たち人間とその社会生活が正常を保てるとも思えないのです・・・。

過去記事で何度か取り上げたことがあります、 18世紀の『薔薇十字の秘密のシンボル』には下のようなイラストがあります。


bara-777.jpg

このイラストの正確な解釈はわかりませんが、「太陽の中に神様がいるっぽい」雰囲気のようにも見えます。

あるいは逆に、「神様っぽい存在から太陽のコロナが出ている」(つまり、太陽は神様そのもの)というようにも見てとれます。

そういう存在である太陽が正常に戻るのかどうかも気になるところです。




この心配・・・というのか、何というのかわからないですが、この感覚は最近さらに強いです。

どうにも形容のし難い「不安」が常につきまとっている感じで。
何が具体的なことへの不安ではないのです。

・・・とても曖昧な・・・。


それでも、不安以前に、すでに世の中はとても荒れています。




混乱と混沌は拾い上げることのできないほどの数で


帝政という時代のロシアを思い出させる行動

昨日の記事、

「ウラジミールの栄光」や「ロシアのアラスカ編入」のキーワードから連想するババ・バンガの言葉や、お釈迦様の予言、そして、マザーシプトンの隠された予言
 2014年03月23日

の中で、「未確認ですが、ロシアとウクライナの国境付近に数万人規模のロシア兵が集結しているというような情報もあります。」などと書きましたが、未確認どころか正々堂々と集結しているようです。


ウクライナ国境に「大規模なロシア部隊」 NATO
AFP 2014.03.24

北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍のフィリップ・ブリードラブ最高司令官は23日、ウクライナとの国境に「非常に大規模な」ロシア軍部隊が駐留していると述べ、ロシアの後ろ盾を得てモルドバからの分離独立を目指す沿ドニエストル地域へ侵攻する可能性もあると警告した。



ru-moldova.gif

▲ 2014年3月24日の AFP より。モルドバ南西部の沿ドニエストルという地域の看板。



学生たちの本気のデモ行動が6日目になる台湾

上のほうに台湾の学生デモの現報道を貼りましたが、日本語でも報道されています。


台湾:学生、今度は行政院も占拠 警察は強制排除を準備
毎日新聞 2014.03.23

台湾が中国と調印した「サービス貿易協定」の承認に反対する学生らが台北市の立法院(国会)議場を占拠して6日目の23日夜、学生らのうち約1000人が立法院から数百メートル北にある行政院(内閣)庁舎に、バリケードと警官隊の警戒網を破り突入。

行政院長(首相)執務室などに侵入した模様だ。
台湾メディアは双方に複数の負傷者が出たほか、逮捕者も出たと報じた。

当局は警官隊を突入させ、同院からの強制排除に乗り出す構えだ。






タイはさらにひどい状態に

市民のデモといえば、タイでも長く続いていて、最近ではあまり大きく報道されていないので、何となく沈静化したようなイメージがありますが、どちらかというと、

「タイ全土が常に荒れた状態となってしまった」

というようなイメージがあります。

thai-01.gif

▲ 2014年3月23日のタイのメディア Post Today より。

このような爆破事件が、タイの北部でも南部でも首都バンコクでも、どこでも起きているようなのです。


たとえば、このような事件が現在のタイでどのくらいの頻度で起きているかというと、下のニュースは日本語でのタイのニュース情報 newsclip.be から集めたものですが、この1週間前後だけで、これだけの「爆破」事件が起きています。すべて記事にリンクされています。


この1週間ほどのタイの物騒な出来事

3月24日
バンコク郊外で自動車炎上、カーボム不発か
タイ北部チェンマイの3カ所で爆弾爆発、4人負傷
反政府デモ会場近くで手りゅう弾爆発 タイ東部チョンブリ

3月23日
池の底から砲弾60発 タイ東部チョンブリ

3月21日
与党事務所に銃撃 タイ東北部
タイ深南部で路面下の爆弾爆発、乗用車大破

3月19日
バンコクのタクシン派団体幹部宅に銃撃 けが人なし
バンコク地下鉄ルムピニ駅前に手製爆弾

3月18日
タイ深南部の路上で爆弾爆発、警官2人死傷 
バンコク都心のオフィスビル前に手りゅう弾 BTSチッロム駅近く
バンコク郊外の退役将軍宅で手りゅう弾爆発

3月17日
検察前などに爆弾、ラチャダピセーク通り一時通行止め
ステープ元副首相の事実婚妻宅に手りゅう弾


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▲ 2014年3月18日の posttoday より。



私はかつてタイにはよく行きましたが、これはすでに、もう正常なタイではないです。

ここに出てきた国々だけではなく、また、人の心も含めて、何もかもおかしい・・・ように感じます。

どうしてこんなことになってしまっているのかを考えながらも、今日もまた、ギラギラと、この季節にしては異常なほどまぶしい太陽を見上げます。



  

2014年03月21日



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アメリカの経済誌フォーブスに、先日、次のような報道が出ていました。

solar-storm-2012.gif

▲ 2014年3月19日の Forbes Massive Solar Superstorm Narrowly Missed Blasting The Earth Back Into The Dark Ages より。






 


下のスペースウェザーの記事の写真がフォーブスの記事で記されている太陽フレアの様子で、2012年 7月 23日に発生したものです。

solar-storm-space.gif

▲ 2014年3月20日の Spaceweather より。



過去 200年で最も弱い太陽活動の中で発生した、過去 200年で最も強いレベルの太陽フレア

これは最近になって、 2012年7月23日の太陽フレアが「キャリントンの嵐」と言われる 1859年の太陽フレアと同規模だったことが分析でわかったという内容のニュースで、もしかすると、少しのタイミングの違いがあれば、この時に地球の文明は「壊滅状態」と化していたかもしれないのでした。

それがフォーブスの「地球を暗黒時代に戻す」という言葉に表れています。


しかし、スペースウェザーが取り上げるのはわかるにしても、どうして、経済誌のフォーブスが? と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、その理由は、


「もし、この時の太陽フレアが地球を直撃していれば、その損害額は数百兆円規模の算定不可能なものとなっていた可能性があり、あるいは何年も何十年も文明が再興できなかった可能性があったから」


なのです。

このあたりは、もう4年前に、

アメリカ国立科学財団が太陽CMEによるテクノロジー破壊を警告
 2010年03月20日

という記事を記したことがありましたが、当時、アメリカ国立科学財団という財団が発表した「太陽嵐の想定外の脅威」( Taking the "Surprise" out of Surprise Solar Storms )というタイトルの論文の概要を訳したことがあります。

この中に「キャリントンの嵐」という言葉も出てきます。
抜粋します。


アメリカ国立科学財団「太陽嵐の想定外の脅威」より

1859年9月1〜2日にかけて、太陽は記録破りの大規模なCME/コロナ質量放出を起こした。このCMEで非常に多くのガスと最大10億トンとも推定される巨大なプラズマを噴出した。

そのCMEは地球磁気圏に一時入り、地球に激しい地磁気嵐を引き起こした。

その結果、オーロラがキューバとエルサルバドルと同じくらい南でも観測され、当時で最もハイテクな技術の通信装置であった電報システムを世界中で破壊してしまった。

この「キャリントンの嵐 ( Carrington Storm ) 」と呼ばれる1859年の地磁気嵐は、今まで記録された中で最も大きい地磁気嵐であった。

「キャリントンの嵐」は比較的低いテクノロジーの下で起きたので、その大きな破壊や被害を免れたが、もし、現代にキャリントンの嵐のようなものが起きて、そして IT に依存する現代の私たちの社会を見舞ったなら何が起こるかわからないと言える。




これがキャリントンの嵐ですが、1859年当時は、電気に依存したテクノロジーはほとんど存在しなかったですので、被害はしては当時の最先端の通信技術として一部に存在していた「電報」のシステムが破壊されただけでした。

当時は電気などなくても生きられる世の中だったので、被害はなかった。

今はどうでしょうか?

自分の生活からすべての電気と通信が消えるという状況を想定してみると、どのようなことになると思われるでしょうか。



上のアメリカ国立科学財団の論文の後半では、次のように記されています。


米国科学アカデミーのレポートによると、キャリントンのような嵐は現代に怒濤の悲劇を起こす引き金となる可能性があるかもしれない。

変圧器を含む相互接続された送電網の機能を破壊し、停電が最大1億3000万人に影響し、それらによってサポートされている下水システム、そして、電子運輸機構を破壊し、また、システムの崩壊は、飲料水、食物、薬、および燃料の配信を止めてしまう。




巨大な規模の太陽フレアによるスーパーストームは、EMP 兵器と呼ばれる高高度核爆発による攻撃とほぼ同じ影響をもたらします。

ですので、「 EMP兵器で想定される被害」からスーパー太陽フレアの被害の様相も予測できるというようにも言えるかもしれません。

この EMP 兵器の脅威については、やはり 2010年の記事ですが、メリカ合衆国ワシントンD.C.に本部を置く保守系シンクタンクのヘリテージ財団というものが、オバマ政権に提言した報告書をご紹介したことがあります。

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▲ 2010年11月30日の過去記事「米国の保守系シンクタンクが米国は電磁パルス攻撃で壊滅すると報告」より。





想定される被害

その被害がどの程度の範囲に及ぶのかということについては、1997年にアメリカ下院の「国家安全委員会」の公聴会に提出された資料が参考になると思います。

「 EMP 攻撃シミュレーション」だったとすると完全な成功を収めたように見える北朝鮮のミサイル実験
 2012年04月17日

という記事に、国家安全委員会の報告書の内容などに多少ふれています。
予想される被害は、


・電力送電網のクラッシュによる完全な停電
・通信システムの崩壊
・放送網(テレビ、ラジオ)の崩壊
・飛行機の墜落
・コンピュータシステムの停止
・移動手段(車、電車等)の停止
・コンピュータに依存する軍事システムの停止
・コンピュータに依存する政治システムの停止
・コンピュータに依存する医療システムの停止
・あらゆる物流の停止
・食料供給へのダメージ
・インターネットシステムのシャットダウン
・電気システムに頼るインフラの停止


となっていて、想定される被害額は「数百兆円」規模で、最大で数百万人から数千万人の被害者が出るとされています。


つまり、トップに貼りましたフォーブスの記事は、


「 2012年 7月 23日の太陽フレアが地球を直撃していれば、そのような事態になるかもしれなかったけれど、ギリギリのところで回避された」


という内容だったのでした。

それにしても、2012年のことがなぜ今になって発表されたのかというと、ずっと分析が続いていいて、結論が最近出たということのようです。

そのあたりのことを含め、スペースウェザーに掲載されていますので、ご紹介します。

なお、動画もあります。
太陽フレア自体は一瞬ですので、スローモーションにしていますが、それでも数秒の動画です。

2012年のキャリントンの嵐クラスの超巨大太陽フレア




以下、スペースウェザーの記事です。




SOLAR 'SUPERSTORM' NARROWLY MISSES EARTH
Spaceweather 2014.03.20


太陽からの「スーパーストーム」が地球をかすめた


太陽物理学の専門家たちは 3月19日、ネイチャー・コミュニケーションにおいて、ほぼ2年前、地球の方向には到達しなかった「強烈な太陽嵐」についての解説を発表した。

その太陽フレアは 2012年7月23日に発生し、典型的な太陽フレアの4倍の速度である秒速 2,000キロメートルで太陽から放たれた。

この太陽嵐は地球の軌道を引き裂くように通過していったが、幸いその時、軌道上に地球はなく、地球はこの強烈な太陽嵐の影響を受けることはなかった。

その代わりに、NASA の太陽観測衛星 STEREO A が 1976年の観測開始以来、最も強烈な太陽プロトンの嵐に襲われた。

その日以来、研究者たちはこの太陽嵐のデータの解析を続けてきた。

そして、彼らはこの時の太陽嵐が 1859年の「キャリントンの嵐」と似ていたものだと結論付けた。


solare-2012-03.jpg


研究発表の執筆者のひとりであるカリフォルニア大学バークレー校のジャネット・ルーマン( Janet Luhmann )博士は、以下のように述べた。

「あの太陽嵐が地球を直撃していた場合、おそらくは1 859年の時のように大きなものとなったと思われます。1859年のキャリントンの嵐は、はるか南方に位置するタヒチなどでもオーロラが観測された、強力な CME (コロナ質量放出)が連続して発生しました。もし現代の世界が同じ規模の太陽嵐の直撃を受けた場合、近代の電力網と通信網は壊滅的な被害を受けるでしょう」

仮に 1859年の時のような太陽嵐の直撃を受けた場合、経済的な影響は、ハリケーン・カトリーナの 20倍以上で、金額にして2兆ドル( 200兆円)を越える可能性がある。また、送電網や変圧器の修復だけでも何年もかかる可能性がある。

2012年の太陽嵐の雲は、その進行方向の軌道上に地球がなかったために影響がなかったが、しかし、今回の発表の全容は「宇宙天気の危険性」が強調されるものとなった。

何より、現在の太陽活動は過去 100年単位で、おそらくは「最も弱い」ものだ。それにも関わらず、過去最大レベルのような超強力な太陽フレアを噴出することができるという事実を知る。

地球はこれらの出来事に対して、いつでもリスクを持っていることを記憶にとどめていてほしい。





というものですが、「記録的な弱い太陽活動の中で、このことが起きた」ということには驚きを感じざるを得ません。

過去記事の、

太陽活動が「過去200年で最も弱い」ことが確定しつつある中で太陽活動は復活するか
 2013年10月21日

など、何度かふれてきましたが、現在の太陽活動は、

過去 200年で最も弱い

のに、現在の2014年よりさらに弱かった2012年に、

過去 200年で最大規模の太陽フレアが起きた

ということに、太陽のすごさみたいなものを感じます。
数式やデータで割り切れるほどそんな単純なものではないです。


私は最近の弱い太陽活動について、「ナメてかかっていた」面があります。

しかし、2012年 7月 23日の例でわかることは、太陽活動が全体的に弱いということが、「突発的に発生する超巨大な太陽フレアの発生の可能性を否定するものではない」ということで、そのことを改めて知りました。

つまり、それが起きる可能性は今日でも明日でもいつでもあるということです。

なお、かなり古い記事ですが、超巨大フレアを受けた際の時などの通信手段についての記事を記したことがあります。

太陽フレア等による電磁パルス(EMP)に見舞われた際の通信手段
 2010年12月13日

詳しくは上の記事をご参考いただきたいですが、電磁パルスは「鉄」で遮断されます。

なので、「ファラデーケージ」と呼ばれる遮断箱を用意しておくことで、とりあえず小さな通信機器等は保護できると思います。もちろん、全体の通信機能がシャットダウンしている中で、携帯やパソコンがあっても、どうにもなるものではないでしょうけれど。





ついに登場した黒点群番号 2014

実はちょっと「単なるジンクス的な意味」として気になっていることがあります。

太陽黒点が「年代と一致している」のです。

太陽黒点群というのは 1750年代の観測開始から、「1、2、3……」というようにナンバリングがされてきたという歴史があるらしいのですが、いずれにしても、順番に番号がつけられます。

最近、その「 2014 番目の黒点群」が登場しました。

多分ですが、太陽の黒点番号がつけられはじめてから、「年代と黒点番号が同じになったのはこれが初めて」だと思うのです。

ar2014.gif

▲ 2014年3月20日の Spaceweather より。


この今年 2014年と同じ数字を持つ太陽黒点群の動きを気にしていたりします。

「太陽黒点観測史上(多分)初めての数字の一致」を見せる黒点群 2014が穏やかに消えていってくれるのか、それとも、何か「モニュメント的な動き」を見せるのかどうか・・・。まあ、これは本当に単なる雰囲気的な話ですが、気になったりしたのでした。


そういえば、太陽のもうひとつの話題といえば、先日の記事、

2014年 3月 15日に環太平洋火山帯で「同時多発的な連鎖発生」を起こした中規模地震群
 2014年03月16日

で少しふれました、「巨大な磁気フィラメント」がさらに巨大になってきています。

2014年3月15日の磁気フィラメント

filament-2014-03-15.gif


2014年3月19日の磁気フィラメント(拡大中)

filaments-2014-03-19.gif

▲ 2014年3月19日の Spaceweather より。


しかし、それよりも何よりも、とりあえず私たちは「 2012年の地球文明の一時的滅亡」を回避できていたことをはじめて知ったのでした。



  

2013年10月02日



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usa-goverment-2013-01-01.jpg

▲ 10月 2日(アメリカでは 10月 1日午前)のアメリカ合衆国政府の公式ウェブサイト。基本的に運営されていません。
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この100年で最も弱い太陽活動の中で突如発生した大爆発


太陽活動については、少し前の記事、

「真っ赤な空の中の真っ黒の富士山」を見た日に太陽活動はほぼ止まった
 2013年09月17日

の頃に何度かふれることがありましたが、その後も、とにかく太陽活動は非常に静かな状態が続き、先週あたりには、 NASA などでも「この 100年間で最も弱い太陽活動最大期」と言及するようなことになっていました。

下の記事は、ロイター通信が運営する非営利法人「トムソン・ロイター財団」の 9月 18 日のニュースリリースです。

reuter-solar-act-100-low.jpg

Thomson Reuters Foundation より。


とにかく、想定していた以上に弱い太陽活動が続いていたのですけれど、9月の最後の頃、突然、太陽が大爆発を起こしたのでした。

これは太陽黒点からの爆発現象の太陽フレアではなく、プラズマの噴出だったようですが、その規模はものすごいものでした。下に動画を貼っておきます。

ちなみに、太陽写真や動画には太陽の周囲に丸いフィルターが同時に写されていることが多いのですが、これは、太陽の逆光というか、直接の光を遮るためのようなことのためにあります。

たとえば今回の動画も、実際の太陽の大きさは下の写真で真ん中の小さな丸となります。そこから今回の爆発の規模を見ていただくと、かなりの大爆発だったことがおわかりになるかと思います。

solat-eruption-2013-09-30.jpg

▲ 周囲の大きな円ではなく、中心部分の球体が太陽の大きさとなります。



太陽の 9月 29日の大爆発と CME (コロナ質量放出)





このような爆発が唐突に起きていました。

これは、 NASA の別の動画や写真もスペースウェザーにもありますが、爆発したフィラメントそのものは下の矢印で示したもので、細いものです。細いといっても、地球の直径ほどはありますけれど。

fil-01.jpg


fil-02.jpg


この大爆発が発生したのは太陽の北極のほう、つまり「上」のほうで起きたようですので、地球には直接の影響はないと思っていたんですが、規模があまりにも大きいせいか、磁気の影響はかなりあるようです。

また、9月30日のロシアの声は下のような表現のタイトルの記事を載せていました。

vor-2013-09-30.jpg


ここでは「剥がれたプラズマ・ファイバー」というあまり馴染みのない表現をしていますけれど、以下のように書かれています。


9月29日から30日深夜にかけて太陽からはがれた巨大なプラズマのファイバーは地球をめがけてと飛んでおり、10月2日夜にも磁気嵐が発生する恐れがある。

地磁気学・電離層・電波拡散研究所、宇宙気象予報センターのセルゲイ・ガイダシュ所長がリアノーボスチ通信に対し明らかにした。

「30日0時に太陽の円盤の半分ほどの大きさの巨大なファイバーが剥がれ落ちた。これは太陽の数千万トンもの成分を積む大きなキャタピラーに似ている。これが惑星間の空間に飛んでいったが、地球にぶつかる可能性もある」。



ということが書かれていました。

ぶつかるといっても、磁気ですので、それによって何か被害や災害が起きるということではないのですけれど、以前の記事にも載せたことがありますけれど、地磁気と人間の健康・精神には確実に相互の影響があります。

mag-human.png

▲ 過去記事「21世紀も「太陽が暗くなる時」を経験するのか」より。


まあ、そういう意味では、ひとりひとりに何らかの作用というのか、影響はあるのかもしれません。



しかし、どうやら今回は、もっとも太陽から影響を受けたのは「アメリカの政府の人たち」だったのかもしれません。この CME が地球に到達した頃、17年だか 18年ぶりだかで、アメリカは「政府機関の閉鎖」に突入してしまったのです。




米国政府科学機関の相次ぐ閉鎖により重要なデータやニュースや指標がしばらく見られないという事実

18年前にはインターネットは今ほど一般的ではなく、多分、私たちは「政府機関が閉鎖した時のウェブサイトの状況」ということを初めて目にしています。

たとえば、 NASA 、すなわち「アメリカ航空宇宙局」。

ここもバリバリの政府機関ですが、今朝、NASA のサイトに行ってみますと、下のように URL 自体がアメリカ合衆国政府のドメインにリダイレクト(転送)されていて、つまり、「 NASA のサイトが存在しない状態」になっています。

nasa-2013-10-01.jpg

▲ NASA のサイトにアクセスをすると、転送され、すべて上の表示となります。


上が英語で、下段はスペイン語で同じことが書かれています。


連邦政府資金の枯渇により、このウェブサイトはご利用いただけません。
ご不便をおかけしていることを心からお詫びいたします。

現在利用できる行政サービスの詳細については合衆国政府のウェブサイトをご覧ください。



というようなことが書かれてあります。


そういえば、 NOAA も政府機関では?」と気づき、アメリカ海洋大気庁のウェブサイトにアクセスしてみますと下のような状況。

noaa2013-01-02.jpg

▲ NOAA のウェブサイト。コンテンツへのアクセスはできません。


最近、北極とか南極かとの氷の状態などを調べていたりしたのですけれど、 NOAA のデータはしばらく閲覧できないようです。

氷に関しては、アメリカ国立氷雪データセンターという機関がありますが、そちらは国立という言葉が入っているのですけれど、ウェブサイトは通常に運営されていました。


その後、先ほど、下の報道がありました。


NASA職員97%が自宅待機、国立公園閉鎖も
読売新聞 2013.10.02

10月1日始まった米政府機能の一部停止は、幅広い分野に影響を及ぼす。

例えば米航空宇宙局(NASA)は職員約1万8000人のうち実に97%が自宅待機となる。より大きな組織でも財務省(約11万2000人)の80%、商務省(約4万6000人)の87%が自宅待機となるなど、中央行政や国家プロジェクトの停滞を招くことは避けられない。

目に見える形ですぐに影響が出たのが、国立公園などの閉鎖だ。壮大な自然を売り物にした国立公園や、本物の宇宙船がみられるワシントンの国立博物館などは日本をはじめ世界中から観光客を集めている。それらの閉鎖が長引けば、旅行者はもちろん、米国内外の旅行産業にも打撃となる。



この後、どういうことになっていくのか、政治のことはよくわからないですけれど、これが長引くとすると、 NASA 発の宇宙データ、あるいは、 NOAA の気象データもすべてが停止された状態となるようです。

そして、現在のアメリカの状況が長引けば、次はアメリカのデフォルトが待ち受けているというなかなか刺激的な 10月となりそうです。

確か、アメリカの新紙幣の発行って10月7日だったような?
あれは政府は関係ないからいいんですかね。

そういえば、アイソン彗星もそろそろ肉眼レベルで見えてくる時期のようです。

ison-2013-10.jpg

▲ ISON/アイソンと書かれた丸の中に彗星アイソンがあるのだそう。 9月 30日の Spaceweather より。

今年の 10月はいろいろな意味で大きな節目ではありそうです。



  

2013年07月18日



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そして、人間が影響されるかもしれない太陽の CME の磁気が現在、続々と地球に到達している

yellow-stone-auroras-0715.jpg

▲ 太陽からの CME の太陽風の磁気で発生したオーロラを背景にしたイエローストーン国立公園。7月15日。Spaceweather より。






 


2013年も「太陽に何が起きているのだろう」と考える


なんとなく、 2009年、つまり4年前の NASA の太陽活動に関してのニュースリリースを読んでいました。

2009-nasa-predict.png

NASA 2009年 5月 27日の記事より。


この 2009年の頃は、太陽活動のピークは、 2013年 5月になると予測されていました。つまり、今の 2013年 7月というのは、すでに太陽活動の最大期を過ぎた頃となっているということになっていました。

さらには、その太陽活動のピーク時には、巨大な太陽フレアが次々と発生したり、巨大な CME (太陽からのコロナ質量放出)が地球に向けて噴出されたり、といったようなことが言われていたわけですけれど、実際には、太陽は、まだ活動の最大期に入ろうともしていません

このブログでも当時は2013年の太陽活動については、下のような感じでよく記事にしていました。

2010-nasa-flare.jpg

▲ 過去記事「NASA が発表した「2013年 太陽フレアの脅威」の波紋」より。


しかし、 2013年も半分を過ぎましたけれど、壊滅的な太陽フレアどころか、「大きな規模の太陽フレアそのものがほとんど起きていない」という状態となっています。


むかし、北野武監督の『キッズ・リターン』という映画がありましたが、そのラストの台詞は、共に夢破れた十代の青年同士が自転車に乗りながら、以下のように語るシーンで終わりました。


「俺たちもう終わっちゃったのかなあ」

「バカヤロー、まだ始まっちゃいねえよ」


kids1.jpeg


現在の太陽はそのような感じとなっているわけです(どのような感じとなっているのだ)。

思い起こせば、キッズ・リターンを観た時には劇場で涙が止まらなかったわけですけれど、太陽もあのように泣かせてくれるのかどうか。


この「太陽活動が予測通りに最大期に進まない理由」は、多分ですが、ふたつの理由が考えられるように思います。



太陽活動の周期が11年ではなくなっていること

ひとつは国立天文台などが以前観測した「太陽活動の周期がズレてきている」ということとの関係。これは、過去記事、

太陽に何が起きているのか : 太陽の異常に関する数々の報道
 2011年09月03日

に、当時の報道を載せたことがあります。

部分的に再掲します。

日本の太陽観測衛星「ひので」が、太陽の北極域で磁場が反転し始めた様子を観測することに成功したことに関する記事です。


地球環境に変動?太陽北極域で異例の磁場
読売新聞 2011年09月02日

太陽の北極、南極の磁場は約11年周期で反転することが知られているが、今回は予想時期より2年も早いうえ、南極域では反転が見られないなど異例の様相を呈している。

磁場の反転と、太陽の黒点数増減の周期は、通常約11年で一致していたが、2009年初頭まで続いた黒点の周期は12・6年に延びた。

研究チームの国立天文台 常田佐久教授は「観測されたことのない事態だ。地球環境との関係を調べるため、太陽活動を継続的に監視していく必要がある」と話す。



ということで、このことが現在でも起きていれば、太陽活動の周期は従来の「 11年周期」ではなく、 12年 6ヶ月周期ということになり、予測より1年から2年近く、そのサイクルが長くなることになります。

もし、そうだとした場合、太陽活動の最大期は 2014年から、さらには 2015年にまで達する可能性もあるということかもしれません。


しかし、「もうひとつの可能性」というものもあり、こちらはやや深刻な感じでもあります。



すでに太陽活動のピークが終わった可能性

これは昨年12月にアメリカ海洋大気庁( NOAA )が発表した内容を記事にしたことがあります。

それは、

2013年に最大を迎えると予測されていた太陽活動のピークがすでに終わった可能性を NOAA が示唆
 2012年11月06日

というもので、「太陽活動のピークはもう終わったのかもしれない」というようなことを示唆する内容でした。

sunspotcycle-2012-11-02.jpg

▲ 赤い線が予測されていた太陽黒点数の推移。2013年の夏に向けてピークを迎える予測でした。青い線は実際の太陽活動の動きで、2012年秋頃に最大値(それでも低い)を記録してから、下がり始めています。


もし仮に太陽活動のピークがすでに終わったとするならば、今回のサイクル 24での太陽活動は極端に「低い」活動だったといえそうなので、その太陽活動の弱さは今後の「小氷河期の到来」というような、かつてもあった時代(マウンダー小氷期)を想定させる部分もあるのですが、まあしかし、やはり 2014年になるまではわからないと考えたほうがよさそうです。


しかし、黒点数や太陽フレアなどから見る太陽活動はそれほど大きくないのですが、現在、太陽の影響での地球の「磁気活動」は活発です。



歴史から消えた「太陽と人間の関係」の科学的研究


先日、

21世紀も「太陽が暗くなる時」を経験するのか? : 全世界が地獄の様相を呈した6世紀と酷似してきている現在に思う
 2013年07月15日

という記事で、「地磁気が生物に与える影響」について書きました。

下のような資料などもいつくか載せました。

jiki-hos-002.jpg

▲ 1967年から 1972年まで、二つの病院に入院した 5000件の救急心臓症例を、毎日の地磁気活動指標と関係づけて、季節調整済で月次データとして比較したグラフ。


そして、上の資料などが掲載されている嶋中雄二氏著『太陽活動と景気』から、地磁気と人間の肉体と精神の関係に関しての文章を抜粋しました。


ちなみに、もともと大気中の電気量と人体の関係に着目したのは 1903年にノーベル化学賞を受賞したアレニウスというスウェーデン人科学者です。

アレニウスは気管支炎の周期的発作や、出生率など様々の「周期」を見いだしています。

ただ、アレニウスの時にはまだ「太陽」は登場していませんでした。

その後、ドイツ人研究者たちが磁気嵐と人間の自殺との関係を見いだしたり、アメリカの整形外科医が、精神病院への入院と太陽フレアの相関を見つけたりといった具体的なデータが次々と示し始められます。


その時の記事には書きませんでしたが、「太陽と血液凝固の関係」を最初に見いだしたのは、日本人科学者でした。興味深いので、少し抜粋してみます。


『太陽活動と景気』第6章 太陽活動と人間の生理 より抜粋

1951年に東邦医科大学の血液学者、高田蒔教授は、血液中のアルブミン水準を検査する指標である「高田反応指標」が太陽活動の変化により変動することを発見した。アルブミンは、血液の凝固を促進する有機コロイドである。

すでにそれ以前にも 1935年に、日本の科学者たちは、人間の血液凝固速度が太陽活動と関係していることを見いだし、太陽黒点が太陽の中央子午線を通過するとき、血液凝固速度は二倍以上に高まったと報告している。



これ、なんかすごいと思いませんか?

太陽黒点が太陽の中央子午線を通過するとき、血液凝固速度は二倍以上に高まった」ということは、そういうことが関係する病気は、太陽の動きと照らし合わせれば、予防とまではいかなくても、ある程度の「対策」程度にはなりそう。


・・・それにしても・・・なんでこれらの様々な有益な医学知識が現代社会からは消えてしまったんだ?とは素直に思います。


ちなみに、日本では、1966年に日本人科学者たちによって「交通事故と太陽活動の関係の計測」もおこなわれていたんです。結果として、「黒点数と交通事故数には明確に関連がある」ことがわかったんです(黒点数が多い時のほうが交通事故が多い)。

そんなこと私は今回の資料を読むまで知りませんでした。

上のすべての実験は、その国の一流の科学者たち、あるいは医学者たちによるものだったのに、なぜか今では一般的な知識としては残っていない。


なぜ?


あまり陰謀論が好きではない私ですが、どうも、このあたりにはいろいろと思ってしまう部分もあります。

それにしても、私がこの数年で知った「好きな概念」はどうも不遇な扱いを受けています。

それはたとえば、


チジェフスキー博士の太陽生物学だったり、
フレッド・ホイル博士のパンスペルミア説だったり、
ジョルダーノ・ブルーノの宇宙は無限説だったり。



これら、あるいは彼らはすべて「焼かれて」しまった。

チジェフスキー博士は当時のソ連のスターリン政権からシベリア送りにされ、フレッド・ホイル博士は受賞が確実視されていたノーベル賞を与えられず、ジョルダーノ・ブルーノは文字通り焼かれてしまいました。


まあしかし、それはともかく、上のほうに、1903年にノーベル化学賞を受賞したアレニウスという人の名前が出てきますがけれど、実はこのアレニウスが現代科学の中に「パンスペルミア説」という言葉と概念を登場させた人なんです。




▲ スヴァンテ・アレニウス(1859年 – 1927年)。


この世界的な化学者であるアレニウスこそが、宇宙塵(宇宙の塵)そのものが生命であると言及した「パンスペルミア始祖」とも言えます。

このあたりは、過去記事の、

宇宙塵自身が生命であることに言及した 100年前のノーベル賞学者の実験
 2011年05月07日

という記事の中に、エピソードで知るノーベル賞の世界というサイトからの抜粋がありますので、再度掲載しておきます。


アレニウスは、化学の分野のみならず、あらゆる科学にも通じていた。彼が貢献しなかった科学の分野はほとんどなかったとも言われているのだ。

彼は、宇宙空間を漂っている「生命の種子」を想定し、これが太古に地球上に降り注いだ可能性もあり、地球上の生命の発生にもつながったのではないか、とする「パンスペルミア説」(汎宇宙胚種説)なども提唱。

彼は、そうした生命種子は、「太陽風を受けて、秒速100Kmの速度で宇宙を旅してきた」とまで計算していたのだ。



アレニウスが残した数々の業績の中で、この「パンスへポルミア説」だけは、現代社会で無視されたまま現在に至っています。


まあしかし、公式にどうであろうと、今の世の中では、


地球の生命は宇宙からやってきた


ことと、


地球のすべての生命は宇宙と太陽と影響を相互にして生きている


と思っている人は、案外多いような気がします。


現代社会になる前の昔の日本なんかは、みんなそう考えていたはずですし。

じゃなきゃ、「八百万の神様」なんて発想は出てこない。

この「八百万の神様」という発想は、宇宙の無数の存在のすべてひとつひとつが神と呼ばれて差し支えないものだということだと思いますし。

お米ひとつぶと神様は同一である」という思想ですね。

それを自然に受け入れていたのですから、昔の日本人は大したものだと思います。




繰り返しやってくる太陽からの磁気の中で自分の何がどう変わるかを観察してみる


というわけで、ここまで長くなってしまったんですが、最初書こうと思っていたのは、ここ最近は繰り返し地球の地磁気が強くなる時がやって来ているということだったんです。

黒点数も多くはないし、大きな太陽フレアも発生させていないのに、太陽が CME を何度も地球に向けて放出しているのです。

cme-2013-07-17.jpg

Science World Report より。


最近では、日本時間で、7月16日に地磁気活動のピークがあったようです。

そして、次は 7月19日頃に太陽風の影響を受ける見込みとなっています。


上にも書きました「地磁気と人類の心と体」に関係があるのだとすると、そういう時に、感情の爆発、体調不良、病気の発現、精神的なトラブル、人間関係のトラブル、暴力的な何らかの事象などが「増える」可能性はあると思います。


もちろん、具体的な現象となって見えてくるものではないかもしれないですが、個人的には「自分の精神状態」も含めて、世の中を見てみたいと思っています。

それと共に、皆さんも体もですけれど、「心」のほうもお気をつけ下さい。






  

2012年04月21日



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4月19日に国立天文台がリリースした下のニュースは2本のほぼすべてのメジャーメディアでも報道されたと思いますが、下の図に驚かれた方も多いのではないでしょうか。

solar-2012.jpg

上の図は4月20日の読売新聞オンラインに掲載されたものです。
あとで、自分で作成した別のタイプの図も載せます。

国立天文台のニュースリリースはこちらです。

太陽観測衛星「ひので」、太陽極域磁場の反転を捉えた
 国立天文台 2012年4月19日

今回の国立天文台の発表は連名として、


理化学研究所
宇宙航空研究開発機構
米国航空宇宙局 (NASA)
英国科学技術会議 (STFC)
欧州宇宙機関 (ESA)


という現在の世界の主要宇宙観測機関の名前が連ねられており、極めて重大なニュースリリースであることをうかがわせます。

上のニュースは、わりと多くの報道で取り上げられていて、短くわかりやすく説明されているものも多かったので、そちらを抜粋します。下の記事は読売新聞の記事からの抜粋です。


太陽磁場、来月に4極化か…300年前は寒冷に
読売新聞 2012.04.20


国立天文台などは19日、5月にも太陽の磁場が反転し、北極と南極にN極(プラス磁場)、赤道付近に二つのS極(マイナス磁場)が出現する「4重極構造」に変化するとの予想を発表した。

同天文台の常田佐久教授(太陽物理学)らは、太陽観測衛星「ひので」を使い、磁場データを分析。昨年7月以降、北極の磁場がS極からN極に反転し始めたことを確認した。一方、ほぼ同時に反転するはずの南極はN極のままで変化せず、4重極構造が確実視される状況となった。









 

簡単にいうと、普通は地球でもどんな惑星でも「南と北」というように磁極は2つのわけですが、「太陽の磁極が4つになる」という複雑な状況になっていく可能性が示唆されたのです。


下の図は、国立天文台の図を使わせていただいてこちらで作成したものですが、下のようになるということのようです。

20120419-solar-polar.png

▲ 上の図の左が、今までの普通の太陽です。北極にマイナス磁場である「S極」があり、南極にプラス磁場であるN極があるという対極したふたつの磁場。

そして、右は、国立天文台が今回発表した今後の太陽の磁場の予測。北極はポールシフトで磁場が反転したのに南極の磁場は移動せず、その結果、「4つの磁極」があらわれるという状態になることが予測されています。



新聞などの報道には「寒冷化」の件が書いてありますが、そのことにはふれません。300年前に太陽磁場が4極化していたかどうかの真偽の問題ではなく、今回の「磁場の大きな異変」は寒冷化とかそういう問題が中心にあるものではない、もっと大きな影響を与える変化だと私個人は考えているからです。


それよりも、太陽の磁場の変化が「もし」そのまま他の太陽系の惑星に同じような影響を与えるとしたら・・・

つまり、たとえばですが、「地球が4つの磁場を持つ惑星になったら」となると、これは非常に生活に大きな影響があります。

現在の地球の磁場は大体、下のようになっています。

earth-2008.jpg

上が北極で、下が南極。SとかNとかの磁場の記号は上の太陽と同じ意味です。


これがもし仮に、太陽と同じように下のようになったとしたら・・・。

earth-2012.jpg


これだといろいろな「現在の文明システム」がグチャグチャになるはずです。
飛行機もまともに飛べないので、海外に行くなどの概念が消えるかもしれない。

そもそも、「方向って何のこと?」という話にもなりかねない気がします。

私が子どものころに放映していた『天才バカボン』のオープニングテーマの最初は、


「西から上ったお日様が・・・東へ沈〜む」


というものでした。

「天才バカボンの現実化」というのも、あながちありえないことではないかもしれないです。太陽の沈む場所が変わるという意味ではなく、「地球のどちらが東でどちらが西か実質的にわからなくなる」というような。

bacabon.jpg

▲ テレビアニメ「天才バカボン」(1971年)オープニングより。


もっとも、この歌ではこれに続いて、「これでいいのだ」という結論となっているので、まあ、それでいいのかもしれないですが(笑)。

もう少しこのことについて続けます。



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2011年07月29日



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最近、月と太陽で、それぞれおもしろい現象がありましたので、ご紹介させていただきます。



月の上の丸いウサギたち

月の方のは、ちょっと微妙なものですが、「月の表面を何かが走っている」(笑)という映像です。YouTube に投稿されたものです。


写真にしました。

一つではなく、複数の何かが月の表面を動いています。
投稿者によると全部で7つ。

「UFO」というような言い方が合うのかも知れないですが、なんとなく私には「必死に走る月の上の人たち」(笑)という印象を受けます。


moon-1.jpg


moon-2.jpg


ちょっとかわいい・・・。

拡大しても何かよくわからないですが、極限まで拡大するとこんな感じです。

moon-3.jpg


YouTube に ID 「 flaxious 」という人が投稿したもので、その人の説明をそのまま訳しておきます。




新しいカメラをテストするために、月を撮影した後にパソコンで映像を確認していた時に、これらの「球」が写っていることに気づいたんだよ。UFOのようなものにも人工的なものにも見えるけれど、でもまあ、これらが何だか私にはわからない。

というより、月の上にこんなものが写ったということ自体が何かおかしくてパソコンの画面を見ながら笑ってたよ。

全部で7つのものが写っていた。





動画はこちらです。




次は太陽の話題です。
以前の記事とも関係します。


続きを読む
タグ:In Utero



  

2011年07月11日



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今日の本題は、 YouTube にアップされていた、カナダのイヌイットたちが、「太陽の位置も星の位置もおかしい」と述べていたという映像のご紹介です。

信憑性はよくわからないですが、昨年、このブログでも、

地球と太陽の位置関係が崩れ始めている?
 In Deep 2010年7月12日

という記事をご紹介したことがあったので、その関連としてです。
見ると、上の記事はちょうど1年前のものですね。

inuit-1.gif

▲ カナダのヌナブト準州イグリーリク(Igloolik)に住むイヌイット。

ちなみに、イヌイットたちが言っているのは、宇宙のほうの位置、たとえば太陽の位置などがずれたということではなく、地球の軸が傾いてきたことによって起きているものだろうと言っています。ポールシフトなども関係しているのかもしれません。

昨年の記事以降、時間も経っていますし、ポールシフトもかなり進んでいると思います。

参考記事: 
・加速するポールシフト: この100年間での極の移動の距離はすでに1100キロに
・アメリカ大気局が発表した「驚異的」な近年のポールシフトの加速



本題とは関係ないですが、太陽では現在、黒点群がチェーン状に結合していくという現象が起きていることが NASA のスペースウェザーで報じられていましたので、そちらを先にご紹介しておきます。


黒点のチェーン現象

下の図は、2011年7月10日現在、太陽で地球側に向いている黒点群をあらわしたもので、4つの黒点群が出ています。左側の白い丸で囲まれたところはこれから地球に向いて回り込んでくる黒点群です。

hmi-0711.gif

このうちの四角で囲んだ 1247 と番号つけられた黒点群がなかなかすごいことになっていて、上の写真だけでも見えているのですが、黒点が横一列に「チェーンのように」繋がっています。

NASA によると、この黒点チェーンは横幅 20万キロメートルに渡って伸びているそうです。

珍しい現象ではあるようです。

こちらが拡大したものです。
青い円で地球の大体のサイズを示してみました。

sun-earth-07-11.gif


ちなみに、この黒点 1247は 7月9日にCME(コロナ質量放出)を放出しており、7月12日(日本時間7月13日)に地球の磁場に若干の影響を与えることを NASA は発表していますが、大きな影響はないとのこと。

ここから本記事です。




Inuit People On Sun Wrong ,Stars Wrong , Earth Tilting On Axis
YouTube 2011.07.07


今は太陽の位置も星の位置も間違っており、それは地球の軸が傾いているからだと語るイヌイットの人々


ラディ・パドラクさん(カナダ/ヌナブト準州レゾリュートベイ):

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アザラシを獲るために陽の高いうちにソリで現地に到着しなければならない。最近は太陽が昇っている時間が以前と違うんだ。

この変化はすごいものだ。何しろも太陽が通常より地平よりかなり高い位置にあるんだよ。

私たちイヌイットがすべてを知っているわけではない。それでも、大気に変化が起きていることをかなり強く感じることは事実だ。

もう長い間、このあたりには北風が吹いていないんだ。
南からの風ばかりが吹く。

そして、今は東からの風が強くなっている。
この東風はとても強力だ。




イヌーキー・アダミーさん(カナダ/ヌナブト準州イカルイト):

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私は、この生まれてからずっとこの土地に住んできた。そして、毎日、太陽を見続けてきた。日の出に関しては今でもそれほど変化はないが、夕暮れの太陽の位置にものすごい変化が出ている。

多分だが・・・地球の軸の位置が傾いてきているのだと私は思う。

私はいつもこのことを考える。そして、この太陽と自然の変化のことを人と語りたいと思っている。




エリヤー・ノードラクさん(カナダ/ヌナブト準州バングナータン):

地球の軸の位置が傾いてきている。
これがいつ頃始まったのかは正確にはわからない。

以前は、夕暮れの時に太陽は、高い山の頂上の近くを通って沈んでいった。
変化が起きて以来、太陽はその位置を越えて沈んでいってしまう。




ジャイピッティ・パルークさん(カナダ/ヌナブト準州イグルーリク):

我々の世界の軸がこのまま傾いていくと、我々は太陽からより多くの熱を受けるだろう。つまり、暖かくなってしまう。



サムエリ・アマックさん(カナダ/ヌナブト準州イグルーリク):

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星が見えない時には、私は周囲を監視するようにしている。
最近、星がいつもと違って見える。

もはや星は以前の位置とは変わってしまったんだよ。

私の世界は変わった。
土地も空も自然も何もかも。