2014年10月23日



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黒点群2192は過去数十年で最も巨大な黒点群と並ぶ規模にまで成長



観測史上での巨大な太陽黒点群との面積の比較(厳密な上位3ではないです)

sunspots-compared.jpg
Big Sunspots Compared



今回の本題とは全然関係ないですが、少し前、トンボを飛んでいるのを見まして、ふと、「最近ってトンボって本当に見なくなったなあ」と思いました。

というより、昆虫そのものが、ものすごく減っている感じがします。

今年の夏、実家のある北海道に帰った際、結構自然のあるところなどにも行ったのですが、昔はバッタやらキリギリスやら夏の昆虫がワンサカいたような場所でも、ほとんど見ることがなくなっていました。

バッタも飛んでいないし、キリギリスの声も聞こえません。
夜になっても、コオロギの声もあまりしません。

昔は夜ともなれば電柱の外灯の周囲はウジャウジャといろいろな昆虫が飛び回っていたものですけど、ふと思えば、そんな光景はもう何年も見ていない気がします。

そういえば、今年9月に、赤トンボが激減しているという報道がありました。

赤トンボ急減・絶滅の恐れ? 農薬関連を調査
TBS 20014.09.30

赤トンボの代表種「アキアカネ」が全国的に減っている。20年で生息数0.1%の地域も。

三重県は今年、絶滅の恐れがある生物を記載する「県レッドリスト」の「準絶滅危惧」にアキアカネを加えた。富山県は2012年に6段階で上から5番目の「絶滅にいたる可能性があるが、情報が不足しており、今後生息・生育状況に注意すべき種」に指定。環境省が調査に乗り出した。

石川県立大・上田教授は同県内で調査を行い、「ここまで極端な減少はおかしい。農薬の影響だと考える」と指摘。

というような報道があり、上では抜粋していませんが、この報道は、いわゆるネオニコチノイド系農薬を問題にしている内容でした。このネオニコチノイド系農薬はミツバチの減少などの時にも話に上ることはありますが、影響は確かにあるのだろうとしても、それが原因のすべてかどうかは何とも言えないところもあるようです。

いずれにしても、

> 20年で赤トンボの生息数が0.1%に。

というような記述を見ますと、むしろ赤トンボを見られるのは今だと奇跡的なラッキーなのかもしれないです。

高校生の時くらいまで(三十年数年前ということですが)は、北海道の秋は、誇張ではなく、「空がトンボで埋め尽くされるほど」飛んでいたものでした。

トンボの減少の原因が何であれ、ここまで極端に減ると、急激に増えることは無理そうで、トンボも「記憶の中の生き物」ということになるのかもしれないです。そして、昆虫だけでなく、そんな生き物はいくらでもいそうです。

そういうせいもあるのか、今年6月の毎日新聞には下のような記事がありました。

大阪の高校生:ムシ触れない6割 25年で倍増
毎日新聞 2014.06.05

昆虫を素手で触れる高校生が激減 --- 大阪府内の高校の生物教諭でつくる府高等学校生物教育研究会が、府内の高校生に「昆虫に素手で触れることができるか」を聞いたところ、「できる」と回答した生徒が4割にとどまり、約25年前の7割から大幅に減ったことが分かった。

自然のあるところに行っても、あんまり虫がいない現況では、これも仕方ないのでしょうけれど、さわれないということは、「今後、この地球で彼らにとって虫は必要ない」ということでもありそうで、虫たちは「必要とされていないもの」となってしまったようです。

いろいろと理由はあるでしょうけれど、必要とされなくなってしまったものは消滅するということは、あらゆる面に存在して、生物も例外ではないのかもしれません。

それが健全な地球の姿なのかどうかはわかりません。

というわけで、今回の本題に入ります。
連続になるのですが、現在の太陽の黒点のことです。

これが「歴史的」という言葉がつく大きさに成長してきています。




観測史上で過去最大クラスの黒点群に成長した 2192 の今後

先日の記事、

超巨大黒点群が地球に向いてくる
 2014年10月20日

より続けて書いております現在の太陽の黒点群 2192 ですが、さらに成長を続けておりまして、 NOAA (アメリカ海洋大気庁)によりますと、

「観測史上に残る巨大黒点と並ぶ規模」

となってきています。

観測史上で巨大だったいくつかの太陽黒点の面積と現在の黒点群 2192 の比較が冒頭に載せたもので、スペースウェザーの History's Biggest Sunspots (観測史上の最も大きな黒点群)というページによれば、

・1947年4月8日の黒点群(名称不明)

が、観測史上で最も巨大な黒点群で、最近の観測では特別に大きな黒点群として、

・2001年3月29日の黒点群 9393
・2003年10月30日の黒点群 0486


などがあります。

そして、今回の黒点群 2192 も「歴史的な大きさ」に成長していて、それらと並ぶほどの巨大黒点群となっています。さらに「黒点群 2192 はいまだに成長を続けている」ということもあり、場合によっては、観測史上で最大の面積を持つ 1947 年の黒点活動領域に近く付く可能性もあります。

この黒点群 2192 は、10月 23日の時点では、過去 48 時間で、Mクラスのフレアを8回発生させていまして、Xフレアも2回放出しているというような非常に活発な太陽フレア活動を続けています。

スペースウェザーでも、この黒点群と太陽フレア、そして今後の予測にについて、かなり長い記事を掲載していますので、それをご紹介したいと思います。



LOTS OF SOLAR FLARES
Spaceweather 2014.10.23

多発する太陽フレア

太陽活動が活発になっている。モンスター黒点群 2192 は、過去 48 時間の間に、Cクラスの太陽フレアを 27回、Mクラスのフレアを8回発生させ、そして、Xフレアも2回炸裂させているというように、その強度は増加している。

NASA の太陽観測衛星ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリーは、その強力な紫外線を記録した。


c1-1022.jpg


注目すべきことに、これまでのところ、これだけ多くのフレアが起きていながら、どの爆発も地球へ向けての CME (コロナ質量放出)を発生させていない。

太陽フレアの主要な影響は、地球の上層大気をイオン化することにより、 短波無線や短波ラジオをブロックしてしまうことにある。このような無線への影響は、飛行士、船舶の乗員、そして、アマチュア無線家に影響を与える。

この先の数日間、地球での影響が増加する可能性がある。黒点群 2192 は、強力な爆発を作り出すエネルギーを持つ不安定な構造の「ベータ・ガンマ・デルタ( beta-gamma-delta )」の磁場を持っており、この活動領域は現在、地球方面に回り込んできている。

NOAA の予測では次の 48 時間(日本時間の25日まで)のMクラスの太陽フレアの発生確率を 95 %としており、Xフレアの発生確率に関しては 55 %としている。

黒点群 2192 はこの数十年の間で最大の面積を持つ太陽黒点になりつつあり、その面積は 2003年に記録された黒点群 0486 の面積に迫っている。

この黒点群 2192 は、木星ほどの大きさもあり、そして、あまりにも巨大なため、日没の時に太陽が雲や霧などで淡く映っている時に、この黒点群の存在を地上からでも気づく人がいると思われる。

下の写真は、パイロットのブライアン・ウィテッカー氏が、10月 21日にカナダ・ヌナブト準州の上空 1万 1,000キロメートルを飛行中に撮影したものだ。


sunspot-sunset.jpg


「北極カナダに沈む夕日の中の巨大な黒点に感動し、撮影しました」と、ウィテッカー氏は語った。

なお、太陽を撮影するカメラマンの方々に注意申し上げるが、フィルタリングされていない機器で太陽を観測しないようにしてほしい。

たとえ雲や霧により太陽が暗く見えている場合でも、カメラのレンズによって増幅された太陽光によって重篤な眼の損傷を引き起こす可能性がある。観測したい場合は、液晶画面つきのカメラを使うか、あるいは太陽観測専用の望遠鏡を手にするのもいいかもしれない。




ここまでです。

ちなみに、記事に「太陽観測専用の望遠鏡」という言葉が出ていて、専門ショップへのリンクがされていたので見てみますと……。

Solar-Telescope.jpg
Lunt LS152THa Solar Telescope

うーむ……。大体 7000ドルから 9000ドルくらいというのは、70〜 90万くらいはするということですね。地上からの太陽観測に興味はあるんですけれど。

まあ、観測はともかく、 NOAA は今後 48時間で、

・Mクラスの太陽フレアの発生確率 95 %
・Xクラスの太陽フレアの発生確率 55 %


と、かなり高い予測を出しています。

実際、過去 48 時間で8回のMクラスのフレアと、Xクラスのフレア2回を発生させているわけで、活発な黒点だということは確かで、今後も急速に黒点領域が萎縮するということがなければ、フレアの発生はあると思われます。

それと、今回のスペースウェザーの記事の、

注目すべきことに、これまでのところ、これだけ多くのフレアが起きていながら、どの爆発も地球へ向けての CME を発生させていない。

というのは興味深く、不思議というべきなのか、そうでもないのか、そのあたりはわからないですが、Mクラス以上の太陽フレアの場合、大なり小なり、 CME を放出さるるものだと思いこんでいましたので、

・Mクラス以上のフレア 10回
・CMEなし


というのは意外な感じもしました。

もし、Mクラス以上の 10 回のフレアすべてで CME が発生していた場合、地球の磁気も相当乱れたと思いますので、今のところは、「何となく守られている感」もあります。しかし、 CME がなくとも、これだけフレアが多発していると、地磁気もかなり乱れてくると思われます。

NICT の 10月 23日の宇宙天気データでは、

・フレア予測は「非常に活発」
・地磁気攪乱予報は「やや活発」


となっています。


あ!・・・今気づきましたが、NICT 内の資料をいろいろと見ていましたら、「 1874年以降に観測された面積の大きな黒点群」という 140 年分のデータがありました。初めて見るものです。

1874-sunspot.gif
NICT


冒頭の写真にある「 1947年の黒点の活動領域」が過去 140年の巨大黒点の中でも飛び抜けて大きな黒点群であることがわかります。

sunspots-compared-2.jpg


改めて比べてみますと、 1947 年の黒点群と比べても、見た目だけでしたら現在の黒点群もなかなかの大きさではないでしょうか。

上の歴代の大きな太陽フレアの表のうち、6位と 12位に 1989年の黒点群がありますが、この年は、大きなフレアが多かったようで、NICT によれば、

・1989年08月16日 X20.0 の太陽フレア(観測史上2位)
・1989年03月06日 X15.0 の太陽フレア(観測史上6位)
・1989年10月19日 X13.0 の太陽フレア(観測史上9位)


など、1989年は巨大フレアが多発した年だったようです。

この 1989年の 3月 6日の X15.0 という超巨大フレアを起こした3日後に太陽で発生した CME が、カナダの大停電を含むさまざまな影響を地球に与えました。

下のような出来事です。

1989年3月の磁気嵐 - Wikipedia

1989年3月13日に起きた磁気嵐は地球に非常に大きな影響を及ぼし、カナダではハイドロ・ケベック電力公社の電力網を破壊し深刻な被害をもたらしたり、米国の気象衛星の通信が止まるなど、各国の様々な社会インフラが影響を受けた。

この時のオーロラの発生は短波長域での電波障害を引き起こし、さらには、ラジオ・フリー・ヨーロッパとラジオ・リバティーからソビエト連邦へのラジオ放送も突然に断絶した。

極軌道上のいくつかの衛星では、何時間にもわたってコントロールが失われた。アメリカでは、気象衛星であるGOESとの通信が断絶し、気象データが失われた。

というようなことがあったわけですが、危険の目安としては、今後数日間のうちに「 X 10 」以上のフレアが発生して、それと共に CME が放出されるようなことがあれば、それなりの地球への大きな影響が出る可能性もあります。

しかし、あせるようなものでもなく、太陽からの嵐が地球に到達するには数十時間(2〜3日)かかりますので、太陽フレア発生を報道などで確認してから準備をしても十分に間に合います。

ただ、 X 28 ( 2003年 11月 4日の観測史上1位の太陽フレア)とかのクラスの超巨大フレアでしたら、変に準備するより、仲間や友人と楽しく過ごしたり、あるいは、楽しかった文明生活の思い出を作っておくというのもいいのかもしれません。

そんな可能性はないでしょうけれど、ゼロでもないあたりが。

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2014年10月21日



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dg-cvn-top.gif

Space.com より



巨大黒点群 2192 から連想したものは

昨日の記事、

超巨大黒点群が地球に向いてくる
 2014年10月20日

で取り上げさせて頂きました黒点群 2192 ですが、その翌日の本日は下のように、目視ではさらに大きくなっている気がします。

ar-2192-1020.gif
Spaceweather


太陽の黒点数も増えていて、この増加分には、 2192 の黒点の増加も含まれているかもしれないですが、注目していただきたいのは、今日になって、写真では太陽の中央あたりに突然現れている 2193 と数字がふられている太陽黒点群です。

黒点群の数字は発生順に番号づけされますので、この 2193 は、巨大黒点群 2192 より後にできたことになりますが、このように黒点というのは突然発生し、そして場合によっては、例えばですが「1日で 100 個増える」とか、そういうようなことも活動の活発な時にはあります。

巨大黒点群 2192 をさらに拡大した写真は下のものです。
米国メンフィスのアマチュア天文家の方が地上から撮影したものです。

Ross-Sackett-Sunspot.jpg
Spaceweather Realtime Image Gallery


龍のようにも見える迫力のある黒点群ですが、しかし、これを見て私は、「あれと似てる」というものを思い出したのでした。

それはこちらです。

ebola-gigantic.jpg


これは、最近、アメリカで発売された「エボラ・ウイルス人形」なのですね。

ウイルスやバクテリアの人形を専門に作っているアメリカの玩具会社(どんな会社だ)が最近発売したものなのですが、ものすごい売れ行きで、現在は在庫が尽きた状態だと報道にはあり、 iPhone 6 並みのフィーバーが起きているようです。

インターネットでも下のリンクのページから購入できます。

ebola-doll.jpg
Ebola


小さなほうが約 1,000円、大きなほうが約 2,500円くらいのようです。

サイトの「よくある質問」を見ますと、世界中どこでも発送してくれるそうですので、送料は不明ですが、日本でも購入できるようです(購入してどうする)。

この人形には、エボラウイルスの歴史、症状や予防法などが書かれた紙もついてくるということで、そのあたりも、エボラな敏感になっているアメリカ人のハートを掴んだようです。

ウイルス人形のジャンルでは(どんなジャンルだ)異例のヒットになっているそう。

この会社は、他にも下のように、ペスト、コレラ、デング熱、炭疽菌、狂犬病などから、豚インフルエンザや、眠り病ウイルスなど比較的新しく見つかった病原体まで何十種類という「病原体人形」を発売しています。

virus-dolls.gif
Giant Microbes


まあ……世界にはいろいろな会社があるものですが、くしくも太陽黒点群 2192 と、エボラ人形の「形」が同じような感じでしたので、ついこんな余談を書いてしまいました。

でもまあ、クリスマスのプレゼントに「はい、エボラ」とか「はい、狂牛病」とか子どもにあげるのも、粋なプレゼントになるかもしれないですね(そうか?)。



病原体での死因の実際

ところで、話がどんどん横道にそれていきますけれど、このエボラ。

かわいい人形はともかく、西アフリカを中心とした死者は、10月 14日の時点で 4,555 人と発表されていますが、しかし、この「アフリカ」という場所の特異性というのが下のグラフでわかります。

death-causes-africa.gif
Vox


いくらエボラが数ヶ月間で 4,000人の死者を出しているといっても、他がすごい。

上のグラフは、 2012年のデータ(エボラだけは 2014年のデータ)ですが、「アフリカでの1年間の死亡原因」のグラフです。

1位 エイズ 108 万 8000人
2位 呼吸器疾患 104万 9000人
3位 下痢症 60万 3000人


となっていて、その後にもいろいろな項目が続きますが、こうなってくると、アフリカという単位で考えると、現時点でのエボラは、死者数だけで見れば「大したものではない」ということさえ言えそうです。

これをさらに世界全体で見てみますと、かなり古いデータしか見当たらなくて恐縮ですが、 WHO が 2003年に発表しました The world health report 2003 (世界健康報告 2003年)の中から、ウイルスやバクテリアによる感染症での死者だけを挙げますと、トップ5は下のようになります。

1位 肺炎  385万人
2位 エイズ 282万人
3位 下痢症 177万人
4位 結核  160万人
5位 マラリア122万人


これから 11年経っていまして、順位の変動はあるはずですので、まあ一応の目安として見ていただればと思います。

ちなみに、エイズに関しては、エイズ予防ネットによれば、 2012年の死者は 160 万人ということですので、2003年より、エイズの死亡者はかなり減っていることになります。

ただ、エイズの患者( HIV 陽性)は 2012年で、世界に 3,530 万人もいて、そして年々増えていますので、死者数が減っているのは、治療薬の進歩によるものかと思います。

エイズは、日本で特にひどいことになっているという事実もありますしね。

他の先進国では減り続けているエイズ患者ですが、日本は下の状況。

aids-japan.gif
「元気がいいね」


2014年 5月 24日の THP 「エイズ感染・発症患者数、5年ぶりに過去最多更新 50代以上も検査を」という記事によると、

> 新たなエイズ発症患者報告数は30代以上が多く、ここ3年で伸び率が高いのは50代以上だという。

ということなのだそう。

うーん……50代……つまりオジサンたち……何をやっとる……。

でもまあ、中年男性がまあ、いろいろといろいろなことをするということ自体は昔からあったと思いますので、年齢層を問わず、全体としていろいろと乱れてきているのですかね。

ちなみに、HIV は「感染から発症までは8年ほどかかる」そうで、すでに忘れた頃におこなった様々が8年後に襲ってくるということになるのでしょうか。

赤枝恒雄さんというお医者さんが書かれた「エイズ」爆発寸前の予感---増えている日本の患者数というサイトには、

若者にエイズに対するアンケートを求めたところ、恐いことに3分の1の人は現在つき合っているパートナーにも感染の事実を告白しないと言います。

このような若者のエイズに対する消極的な意識では、エイズは拡大し、感染爆発が起きるのは時間の問題のような気がします。

とありますが、この「若者」というフレーズに「オジサン」というフレーズを加えなければならないようです。

そういえば、先日書きました、

米国のエボラ研究の第一人者が「エボラウイルスが突然変異によりさらに感染力を高めていること」を警告
 来たるべき地球のかたち  2014年10月20日

という記事に、アメリカの感染症研究のトップ・サイエンティストである米国立感染症研究所のピーター・ジャーリング( Peter Jahrling )という科学者のインタビューを載せましたが、ジャーリング博士は、

「エボラよりエイズのほうが人類にとっての脅威だ」

というニュアンスのことを述べていました。

これは結局、上にも書きましたように、エイズは、

感染から発症までは8年ほどかかる

ために、保菌したまま多数に感染させてしまうタイプの病気だという意味で、それと比べると、致死率の高い感染症、例えばエボラなどにしても、死亡した後はもう他者に感染はおこさない上に、発症してからの行動範囲が広くなることも考えられず、感染者の想定範囲はかなり狭い範囲に留まります。

その差のことを言っているようです。

ただ、エイズは性交渉さえなければ、ほぼ感染しないわけで、「性交渉の消滅した社会では絶滅する」ものでもあります。

そんな社会は来ないと思うのが一般的なのでしょうけれど、いつかそういう社会が来るかもしれないというのが、私の考えのひとつでもありますけれど、それはまたややこしい話となりますので、ここではふれません。

何だか、ひどく話がそれてしまって、ここから「スーパーフレア」の話を書くのも変なんじですが、ただ、今回のスーパーフレアの話は、私たちの太陽の話ではありません。




宇宙で実際に起きている「 X 10 万」クラスのフレア

x100000-top.jpg

▲ NASA のガンマ線バースト観測衛星スウィフトが「 X 100,000 クラス」の巨大フレアを観測した DG CVn のフレア発生時の想像図。 NASA より。


私たちの太陽で起きる太陽フレアは、エネルギーの低い順から B、C、M、X、というようにフレアの強度を区分していて、このうち、BからMまでは、それぞれの中で 10段階にわけられています。

flare-power.jpg
nict

上のように、C 3.5 とか M 1.3 などと、そのエネルギーの強さを現します。

しかし、「Xフレア」には上限がありません

なぜかというと、「どのくらい強い太陽フレアが発生するのかはわからない」からです。

これまでの太陽の観測史上で最も強力な太陽フレアは「 X 28 」という途方もない巨大なフレアでした。

cycle23-x-flare2.gif
太陽中性子観測による太陽フレア現象における粒子加速機構の研究

このことは、

太陽活動最大期の3年後に発生した観測史上最大の 2003年の X28 クラスの超巨大フレアのこと
 2014年09月15日

という記事に記したことがありますが、その中で、上の表が載せられている、名古屋大学の太陽地球環境研究所 宇宙線研究室の渡邉恭子さんという方が書かれた資料を抜粋させていただいています。

その論文には、この X 28 という太陽フレアのエネルギーがどの程度のものかということについて、

広島の原爆 10 兆発にも相当する

と書かれています。

兆、つまり、1,000,000,000,000発です。

この X 28 は、地球方向に向いていなかったために、地球は「インフラの終末」を避けることができたのですが、もし、このような、あるいはこれ以上の太陽フレアが地球にダイレクトの方向で発生した場合、2008年の全米研究評議会という機関によれば、

現代社会における電力やGPSに依存する機能、水道などのライフラインが破壊され、全世界で2兆ドル規模の被害が発生するとの試算がある。

というような可能性もあるとのこと。

日本円で約 200兆円の被害が出るという試算です。

やや大げさな試算だとしても、このレベルだと短時間での復旧は不可能だと思われ、直撃した地域はかなり長い期間、電気や通信とは無縁の社会とならざるを得ないと思われますが、このように「どのくらい強力な太陽フレアが発生するか」というのはわからないことです。

なお、観測史上での太陽フレアの上位5は以下の通りです。

1位 X 28.0 2003年11月04日
2位 X 20.0 1989年08月16日
3位 X 20.0 2001年04月02日
4位 X 17.2 2003年10月28日
5位 X 17.0 2005年09月07日


このうち、1989年 8月 16日の太陽フレアでは、カナダのケベック州において、「ケベック大停電」という 600万世帯が停電に陥るという前代未聞の大停電が発生しました。

X 20 とかのフレアでも、そのようなことが起きるわけですけれど、しかし、宇宙は広いわけで、冒頭の記事にありますように、NASA の観測衛星が「 X 100,000 クラス」の巨大フレアを地球から 60光年離れた場所にある DG CVn という恒星で発生したことを観測したのですね。


そして、何より驚くことは、この DG CVn という星の大きさは「私たちの太陽の3分の1しかない」のです。

size-DG-CVn.gif


私たちの太陽よりもはるかに小さな星が、その太陽で観測された中で最大のフレアの1万倍ほどもある超強力なフレアを爆発させたことの発見に NASA の科学者などもかなり驚いていたようです。

さらには、その数時間後に、同じ程度の規模のフレアが観測されています。

このフレアついて書かれた 9月 3日の NASA の記事では、なぜ太陽の3分の1の星が太陽の1万倍ものフレアを発生させたのかということについて「自転速度が太陽より 30倍早いため」としています。

それにしましても、このような、つまり「 X 100,000 フレア」というような現象が実際に起きているということは、私たちの太陽も遠い昔には、同じようなフレアを作り出していた可能性もあります。

あるいは……これからだってあるかもしれません。

そして、推測さえできないですが、仮に私たちの太陽が X 100,000 のフレアなどを地球に向かって放出した場合、それは明らかに、

「地球のリセット」

になり得ると思われます。

人類を含めた非常に多くの生物のリセットです。

あるいは過去の大量絶滅の中には、このような太陽フレアが地球にダイレクトに、しかも、何度も放出したことによって起きた場合もあったのかもしれません。

この X 100,000 のフレアのことを知って、あるいは、エボラウイルス人形の大ヒットのことを知って、「この世には想像以上にいろいろなことがある」と改めて知ったように思います。

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2014年10月20日



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地球を飲み込むサイズの黒点群

現在の太陽黒点は、数そのものは 60 個と、特別多くも少なくもないのですが、下の写真の左端のほうに「 2192 」と番号が書かれた黒点群があるのがおわかりかと思います。

sun-spot-1019.gif
Spaceweather


この黒点群 2192 がですね……。


でかいのです。


スペースウェザーが地球の大きさと比較した写真を掲載していました。

sunspot-ar2192.jpg
Spaceweather


地球の大きさほどもある黒点群……と書きたいところですが、地球のサイズよりはるかに大きい。それにしても、黒点っていうのは上のように近くから撮影されたものを見ると「穴」のイメージがあり、地球が黒点に吸い込まれそうな感じがしたりもします。

そして、昨日、この巨大な黒点群 2192 がXフレアを発生させました。

2014年10月19日の Xフレア

x1-ar2192.jpg
Spaceweather


スペースウェザーから記事をご紹介します。

X1-CLASS SOLAR FLARE
Spaceweather 2014.10.19

X1クラスの太陽フレア

ベヒモス級の黒点群 2192 が 10月 19日にXクラスの太陽フレアを爆発させたが、これは驚くにはあたらない出来事だ。巨大な黒点は巨大なフレアを発生させやすい傾向があり、黒点群 2192 も例外ではないからだ。

今回の爆発で、おそらく宇宙空間に CME (コロナ質量放出)が噴出されたと考えられるが、現時点ではまだ NASA の太陽観測衛星 SOHO のデータでは確認されていない。仮に CME が放出されていた場合、爆発が太陽の東の端で起きたために、地球の広範囲にまで達する可能性がある。

今後、黒点群 2192 は地球側に回り込んでくるが、Xクラスなどの巨大なフレアを発生させる可能性が高い。


上の記事に「ベヒモス級の黒点群(Behemoth sunspot )」という表現が出てきます。

「ベヒモスって、以前に記事に出てきた気がするけど何だっけ?」

と調べてみますと、2012年の記事、

夢で見た「3つめの太陽」と「笑う黒点」
 2012年06月18日

の中で、やはり、スペースウェザーの記事の中に出てきたのでした。
このベヒモスというのは、ベヒモス - Wikipedia によると、

旧約聖書に登場する陸の怪物。語源は「動物」と言う意味のヘブライ語「behamath」の複数形に由来する。

あまりの大きさのために、一頭しか存在していないにもかかわらず、複数形で数えられたとする説も存在する。一説には豊穣のシンボルであり、また悪魔と見なされることもある。

というもので、このベヒモスは、神が天地創造の5日目に造りだした存在で、同じく神に造られ海に住むレヴィアタンというものと二頭一対を成すとされているのだそうです。

そして、

世界の終末には、ベヒモスとレヴィアタンは四つに組んで死ぬまで戦わさせられ、残った体は終末を生き残った「選ばれし者」の食べ物となる。

のだとか。

世界の終末を生き残った「選ばれし者」たちは、

こちらのベヒモスか、

behemoth-2.gif


こちらのレヴィアタンか、

Leviathan.gif


の勝ったほうを食べなければならないようです(ずっとこれを食べて生きていく?)。

いずれにしましても、そのような「ベヒモス級」と比喩される巨大黒点がこれから地球方面に向いてきます。




やや緊張する今後1週間

太陽フレアそのものの脅威はともかくとして、仮に「今のような時期」に太陽が地球方面に向けて大きなフレアを発生させた場合は、「地球の磁気に大きな影響を与える」という意味では何となく厄介な感じがします。

というのも、現在の懸念として、

・エボラ
・イスラム国
・経済と市況


など、他にもいろいろとあると思いますが、どれも太陽活動と関係するものだと思っているからです。

エボラのほうは、エボラというより、インフルエンザなどを含む感染症全体の話にもなりますが、

世界中で蔓延する「謎の病気」の裏に見える太陽活動と白血球の関係
 2014年05月04日

という記事の中でふれました、

「太陽活動が活発になると、白血球減少症の患者が増加する」

という統計があります。

sww-1957-08.gif


そして、この「白血球の増減」は、人間が病気にかかりやすい体質となるかどうかと関係します。

白血球の 60 %程度を占める好中球という存在が、人間を細菌などの感染症から守ってくれているわけですけれど、そのせいかどうかはともかく、過去の統計として、

太陽活動による地磁気の増加と感染症の流行はほぼ完全に一致してきた

という歴史があります。

下はヤゴディンスキー博士という人による調査です。

各種の伝染病と地磁気活動との関係(1971年)

ss-bacteria.gif

▲ 赤痢、天然痘、猩紅熱、ポリオのそれぞれの地磁気活動との関係を示した 1971年の研究論文。過去記事「太陽活動での地磁気の乱れが誘発するもの」より。


太陽活動の増加にしたがって「白血球が減る」という傾向があると共に、太陽活動の影響での地磁気の変化と感染症の流行は、ほぼ一致したグラフを描いていることがわかります。

要するに、

現在の状況下で太陽活動が活発になり地磁気が増加すると、エボラを含めた様々な感染症の増加がさらに拡大する

というような可能性はあり得ると思います。

ところで、エボラに関しては最近、興味深い記事を見かけました。



病気の感染と発症を振り分けているものの正体

ebola-immune-top.gif

▲ 2014年10月18日のエポック・タイムズより。


これは、10月 17日に、テキサス大学オースティン校のスティーヴ・バレン( Steve Bellan )博士が医学誌ランセットに発表した論文を紹介した記事で、

・エボラ患者と密接な関係を持ったうちの 71 %は病気を発症していない

・エボラ患者と密接な関係を持ったうちの 46 %がウイルスに感染していた証拠があるにも関わらず病気を発症しなかった

という調査結果から、ある程度の割合で「あらかじめエボラに対しての免疫力を持っている人たちが存在する可能性」について書かれたもので、エボラに対する免疫力を持つ人たちと持たない人(エボラを発症した人)たちのお互いを研究することによって、エボラを制圧するための何らかの機会が見出させるかもしれないというものです。

まあしかし、これはどんな病気にも言えることではあるとは思います。

かつて、ペストが黒死病といわれていた時、治療薬などなかった西暦 500年代や中世でも、全員が感染したわけでもないし、天然痘が猛威をふるったときも全員が感染したわけではないです。

もう少し身近な例では、風邪がどれだけ流行しても、「現在、日本人全員が風邪を引いています」というようなことは起こりえないわけで。ウイルスが人々に平等に体内に入り込んでいるとしても、感染して発症する人たちがいる一方で、感染も発症もしない人たちがいる

どんな病気に対してでもそうでした。

だから、人類はとりあえず現世人類が登場して以来、十数万年を生き残ったのだとも思います。

ウイルスが全員が感染して発症するものならば、どこかの時点で人類は絶滅しています。

そして、この、

・ある病気にかかる
・ある病気にかからない


の差が何によって決められているのか明確な答えを出した医学や科学はありません。

日本では「2人に1人が感染した」 1918年のスペイン風邪のような非常に強力なウイルスによるパンデミックでも、やはり「2人に1人」なんです。半数は感染していないか、あるいは感染しても発症していない。

上に出てきました「ベヒモスを食べることになる」世界の終末を生き残った「選ばれし者」たちは、少なくとも、病気で死んだりすることもなさそうな感じです。

免疫の弱い私は真っ先にウイルスに駆逐される対象っぽいですが、あんまりベヒモスは食べたくないのでそれでもいいかな、と。最近、四つ足(哺乳類)の肉を食べることに次第に抵抗感が強くなっていて、食べられないかもしれないですし。

まあ、食べ物としてのベヒモスの話はともかくとして、病気ひとつとっても、私たち人類が「見えないところで生死を選別されている」ことを感じます。



社会の混乱は増大するか?

話がそれましたけれど、「太陽活動と病気」の他に、例えば過去記事の、


太陽と暴動。そして、太陽と戦争
 2014年03月04日

や、あるいは、

太陽と社会混乱 : 直近2年半の中で最も強い太陽黒点活動だった時に起きていたウクライナ紛争、タイのクーデター、イラクへのISILの侵攻……
 2014年06月20日

などに書きました、

太陽活動と社会混乱

の関係性も相変わらず昔から現在に至るまで続いています。

何度も登場していただいている、 20世紀初頭に「地球上の生命現象が宇宙の物理的な現象とつながっている」ことを発表したロシアのアレクサンドル・チジェフスキー博士(1897 - 1964年)は、

「大衆の興奮も太陽の周期に従っている」

と述べています。

嶋中雄二著『太陽活動と景気』 第6章より

チジェフスキーによれば、太陽の影響力は、個体から集団、群生に至る生物系のすべての組織レベルに及んでいるとされた。そして彼は、動物の血液、リンパ液、原形質等のコロイド電気変化が、太陽活動の変化やバクテリアの成長と平行関係にあることを突きとめた。

こうして、チジェフスキーは、地球上のあらゆる生物の発達は、太陽宇宙因子の直接的影響下に進んだものであり、人類もその例外ではないと考えた。彼は、戦争や革命など人間の不穏状態に関する徴候、あるいは「大衆の興奮も太陽の周期に従っている」とした。

経済や市況にも同じことが言えるはずです。

つまり、突然の為替や株式市場の崩壊的局面なども「人間によって引き起こされる」ものですので、上のチジェフスキー博士の理論を当てはめると、上に行くか下に行くかは別として、「相場の大きな変動も起きやすい」とは言えそうです。

最近、株式相場の上下の動きも荒いようですし。

太陽活動は関係ないですが、山の事故(ヒマラヤ山脈の遭難死者43人に、トレッキング中の災害で過去最悪)や、あるいは、短絡的な殺人なども含んで、相変わらず「大量死の時代」のイメージが続く最近の状況の中、これから数日の間、地球は「巨大な黒点群」の影響下に入ります。

sunspot-ar2192-2.jpg

NOAA (アメリカ海洋大気庁)の、10月 19日(日本時間 10月 20日)からの 48 時間の太陽フレア発生予測を見ると、Mクラスは 60 %、Xクラスは 20 %になっています。

noaa-forecasts-1019.gif
Spaceweather


しかし、この黒点群は先に書きましたように、すでにXクラスのフレアを発生させていて、規模はともかく、今後、地球方面にダイレクトにフレアを発生させる可能性も高いと思われます。

もちろん、X10 などのとんでもない規模のフレアが発生すれば、「直接的な影響」(停電や通信インフラなどの損傷等)のほうも懸念されますが、とりあえずは、太陽フレアの直接的影響より「間接的な影響」による社会混乱の拡大が懸念される感じもいたします。

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2014年09月15日



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flare-x28-2003.gif

▲ 2003年 11月 4日の「 X28 」の太陽フレア。 NASA SOHO より。


先日の 9月 10日に、Xクラスの太陽フレアが発生したのですが、その時の正確な数値としては、

X 1.6

というクラスでした。

この程度の大きさの太陽フレアでも、地球に対して発せられた場合は、先日の、

太陽フレアが地球を連続して直撃し始める中、アメリカが誇る歴代の大統領たちの顔もうっすらと雪景色
 2014年09月12日

でご紹介しましたように、そのフレアについて大きく報道され、アメリカ海洋大気庁( NOAA )は、電力網や通信などに影響が出るかもしれないと警戒情報を出しました。

もう一度、数値を書きますと、「 X 1.6 」です。

では、過去に観測された中ではどのくらいの強さの規模のフレアが発生していたのか

名古屋大学の「太陽地球環境研究所 宇宙線研究室」の渡邉恭子さんという方が書かれた、

太陽中性子観測による太陽フレア現象における粒子加速機構の研究

という論文に以下の記述があります。


2003年 11月 4日 19 : 29UT に X28 という、とても大きな規模の太陽フレアが発生した。

これは観測史上最も大きなクラスをもった太陽フレアであった。


X 28 ・・・。

こんな規模の太陽フレアが発生していたことを初めて知りましたが、この論文の中には、この X 28 の太陽フレアの爆発エネルギーについて、

広島の原爆 10 兆発にも相当する

とあります。

単位は「兆」です。

この際のフレアは、当時の Space.com で報じられた ニュースのページが今でも残っています。

x28-2003.gif

▲ 2003年11月5日の Space.com より。


上の記事によりますと、この時の太陽フレアは、人工衛星による太陽観測が始められた 1970年代からの観測の中で最大規模だったとのこと。

この X28 という途方もないほどの規模の太陽フレアは、現在の前の太陽活動周期の「サイクル 23」の太陽活動の活動期におきたものですが、先に抜粋しました論文「太陽中性子観測による太陽フレア現象における粒子加速機構の研究」によりますと、サイクル 23の際には、

100 個以上のXクラスの大きな太陽フレアが発生した

とあります。

そして、そのすべてのXクラスの太陽フレアの中で、「中性子イベント」というものが発生したフレアは下の通りだそう。

cycle23-x-flare.gif


中性子イベントの概念はともかくとして、この時期には X 28 とか X 17.4 だとかのかなり大きな太陽フレアが発生していたことがわかります。

しかし、これらの太陽フレアは「地球の方向に面していない場所」で発生したようです。なぜなら、 X 28 なんてフレアが、地球方向にダイレクトに発生した場合は、確実に「大災害」となっていたはずだからです。

1989年に、カナダのケベック州で「ケベック大停電」という「 600万世帯」が停電に陥るという、カナダでは前代未聞の大停電が発生しましたが、この原因は、太陽フレアによるものでした。

この時に起きたことは、1989年3月の磁気嵐というページから抜粋しますと、

1989年3月13日に起きた磁気嵐は地球に非常に大きな影響を及ぼし、カナダではハイドロ・ケベック電力公社の電力網を破壊し深刻な被害をもたらしたり、米国の気象衛星の通信が止まるなど、各国の様々な社会インフラが影響を受けた。

ということがあったんです。

ちなみに、下の動画はその 1989年のフレアではなく、先に書きました 2003年の X28 の太陽フレア発生の瞬間を撮影した NASA の太陽観測衛星 SOHO の映像ですが、フレア発生の瞬間から画像にノイズが入り、機器が影響を受けているのがわかります。




現在の太陽活動は強いものではないですので、こんなパワフルな太陽フレアが発生する可能性はほとんどないでしょうけれど、それでも、さほど強くない太陽フレアでも地球を直撃すれば、今の社会はわりと大きな影響を受ける可能性もあります。

それは、この 20年間くらいの私たちの生活の変化に理由と原因があります。




たった25年で私たちの世界で変化した部分

カナダが太陽フレアによる大停電に陥った 1989年というのは、今から 25年ほど前のことで、さほど昔のことではないと思われるかもしれないですけれど、この頃と現在の「決定的な違い」は、

生活でのインターネットや携帯、スマートフォンへの依存度

です。

簡単にいえば、1989年と同じような太陽フレアの直撃があれば、これらは一部、あるいは規模によっては「すべて」が使い物にならなくなるという可能性があることが、25年前と現在とでの生活への影響の違いです。

25年前はどんな先進国でも、インターネットもパソコンも、まして携帯電話やスマートフォンなどとは少なくとも一般人は無縁の世界でした。

私が初めてパソコン( Mac でした)を購入したのは、多分、1993年頃で、今から 20年くらい前のことだと思います。しかし、この時でも、インターネット自体は存在していたとはいえ、日本ではまだ個人のインターネット接続はあまり普及していませんでした。

私が初めてインターネットに接続したのは 1995年くらいのことではなかったかと思います。ようやくインターネット生活が始まったわけですけれど、それでも、当時の電話回線を利用した「ダイヤルアップ」といわれる方式は今とは比較にならないほど遅い回線であって、とても「生活上で利用しまくる」というようなタイプのものではなかったです。写真1枚表示するのに数分かかったような時代でした。

しかし、その後、かなり早いペースでインターネットの環境が整い、それから 10年もしないうちに、多くの国では、生活上のありとあらゆるものが「インターネットやコンピュータプログラムに依存」していくことになります。

今では車もコンピュータの塊ですから、1989年レベルの太陽フレアの直撃があれば、車を動かすことはできなくなると思われます。つまり、物資の輸送や食糧供給も止まるということです。もちろん、パソコンを含めて、コンセントにつないでいる電化製品は、そのままの状態ですと、大きく損傷する可能性が高いです。

そんなこともあり、現在の文明社会に X 28 などという規模の太陽フレアが発生し、それが地球にダイレクトに向かった場合、前もって保護の準備をしていない場合、

通信手段から電気、物資の輸送まで、ほぼすべての生活上のインフラが崩壊する

という可能性があるところが、現代文明の脆さのひとつでもあります。

もし X28 などの巨大な太陽フレアによる磁気嵐が現代の地球を直撃した場合の具体的な被害はわからない部分も多いですが、 Wikipedia には、


仮に1859年と同レベルの太陽嵐が発生し地球に直撃すれば、広範囲で停電が発生し、現代社会における電力やGPSに依存する機能、水道などのライフラインが破壊され、全世界で2兆ドル規模の被害が発生するとの試算がある(全米研究評議会 、2008年)。


とあります。

2兆ドルは日本円で約「200兆円」ですが、そのような被害を全米研究評議会というアメリカの学術機関が推計しているようです。

このことは、過去記事の、

2012年 7月 23日に地球の文明は太陽によって「終末」を迎えていたかもしれなかった
 2014年03月21日

など、何度か記したことがあります。

気づけば、私たちの文明スタイルはあまりにも、

・電気
・無線通信(携帯やスマートフォン)
・インターネット


などに多くを依存するようになっていたということが問題なのかもしれません。

もちろん、世界には、インターネットはもちろん、電力にもほとんど依存せずに生活している人たちがたくさんいます。そういう人たちは、文明社会においては確実なカタストロフである「太陽からのスーパーフレア」の影響などまったく受けないわけです。

テクノロジーや電気的な生活に依存している国になればなるほど、太陽フレアの影響は深刻です。

そういう意味では、この 20年くらいの間に進んだ「過度にインターネットに依存した文明」というのは、冷静に考えれば、

「いつかはカタストロフ(破局)が訪れるべくして築かれた文明」

ではあるのかもしれません。

今は太陽活動最大期の頂点くらいの時期にいるとされているのですが、ここで、先ほどの論文「太陽中性子観測による太陽フレア現象における粒子加速機構の研究」の表をもう一度載せますので、見てみて下さい。

cycle23-x-flare.gif

大きな太陽フレアが発生したのが 2003年であることに気づきます。

先日の、

13年目の 9月 11日に地球を直撃するCME
 2014年09月10日

に書きましたが、この時の太陽活動の活動最大期は「 2000年」だったのです。

つまり、活動最大期から3年も後になって X28 などという途方もない規模の太陽フレアが発生したわけです。

現在の太陽活動も、いつが活動最大期なのかよくわからないような曖昧な状態が続いていますけれど、一応、 NASA などは現在が活動最大期だという認識を示しています。しかし、基本的には、現在の太陽活動は「過去数百年で最も弱い」ものです。

それを考えると X10 を越えるような巨大な太陽フレアが発生することはちょっと考えがたい面はあります。

ちなみに、下の表は 2012年 12月 29日から 2014年 9月 13日までに発生した、その日の最大の太陽フレアを示したものですが、この約1年9ヶ月ほどの間で最大の太陽フレアは、2014年 2月 25日に発生した X4.9 のフレアでした。

x-12-25.gif
太陽活動の現況


現在までに X5 を越える規模の太陽フレアは今のところ発生していないことがわかります。

上の表は「赤」の部分がXフレアが発生した日ですが、この「赤色」の数が 17個しかないということは、2年近くの間に「17回のXフレアしか発生していない」ということを示していて、今が太陽活動最大期だとすれば、このサイクル 24という弱い太陽活動周期の現実を改めて思います。

しかし、たとえば、昨年 10月の記事、

数百年来の弱い太陽活動の中で突然起きた「太陽の大爆発」の余韻と共に NASA のサイトも NOAA のサイトもシャットダウンした朝
 2013年10月02日

の中でご紹介したように、突然「予測していなかった」大規模なフレアが発生するということもありました。

要するに、

「全体的な太陽活動が弱い」

からといって、それが、

「大規模な太陽フレアが発生しない」

という理由となるわけではない、ということです。

それに、地球を直撃する巨大フレアは「たった一発」でOKなわけです。

「OK」というのは変な表現ですが、全体的な太陽活動が弱かろうが強かろうが、地球の文明を崩壊させるには、「一発」の地球方向への巨大フレアがあれば、それでいいわけで、その後何発続けて発生しようが、すでに(直撃したエリアの)文明は崩壊しているわけで、とにかくどんな理由による太陽フレアでも、一発だけでも発生すれば、それで終わりなんです。

さらに、この昨年 10月の太陽フレアは黒点の領域からではなく、プラズマの爆発による太陽フレアでした。つまり、黒点なんてなくても、巨大フレアは発生するのです

ちなみに、1975年からの観測史上での巨大な太陽フレアの上位5は NICT の資料によりますと以下の通りです。

1位 X28.0 2003年11月04日
2位 X20.0 1989年08月16日
3位 X20.0 2001年04月02日
4位 X17.2 2003年10月28日
5位 X17.0 2005年09月07日

これらはすべて、地球の方向ではない場所で発生したものでしたので、人工衛星への影響などを除けば、どれも地球での被害はなかったと思いますが、こんなものが「一発でも」地球方向に向いた面で発生すれば、直撃を受けた地域は原始時代に逆戻りしてしまう可能性もあります。

実際に、過去記事「2012年 7月 23日に地球の文明は太陽によって「終末」を迎えていたかもしれなかった」では、その 2012年 7月 23日に発生した巨大な太陽フレアが「地球をかすめていたことが判明した」ことが今年 2014年になって解析によってわかったことを書いています。

そのことを記した 2014年 3月 19日の米国フォーブスの記事のタイトルは、「地球の文明を暗黒時代に戻すことができるほどの巨大な太陽からのスーパーストームが地球のすぐ近くを通過していた」というものでした。

dark-age-flare.gif
Forbes




太陽の磁場と磁極は現在どうなっているのか

ところで、なぜ最近になって、太陽フレアが地球方向に向けて発生するようになったかということに関して、

太陽の磁極の反転との関係

について言及されたお話を伺ったことがあります。

これに関しては、昨年8月に NASA が「太陽の磁極の反転」が始まったことを確認したことを、記事に書いた後、昨年の 12月 31日の、

汚れた血も悪くはないと考えていた 2013年の終わりに「太陽の磁場のポールシフトはすでに完了していた」ことを知る
 2013年12月31日

という記事で、「太陽の磁場の反転が完了した」報道をご紹介しました。

しかし、それ以前の問題として、

今回の太陽の磁場の反転には異常があった

ことが 2011年から宇宙航空研究開発機構の太陽観測衛星「ひので」が捉えていました。下は、2011年9月2日の読売新聞の記事です。


地球環境に変動? 太陽北極域で異例の磁場反転
読売新聞 2011年09月02日

宇宙航空研究開発機構の太陽観測衛星「ひので」が、太陽の北極域で磁場が反転し始めた様子を観測することに成功した。

太陽の北極、南極の磁場は約11年周期で反転することが知られているが、今回は予想時期より2年も早いうえ、南極域では反転が見られないなど異例の様相を呈している。

地球の環境変動につながる恐れもあるという。

磁場の反転と、太陽の黒点数増減の周期は、通常約11年で一致していたが、2009年初頭まで続いた黒点の周期は12・6年に延びた。活動周期が延びる時期は、地球が寒冷化することが知られている。

研究チームの国立天文台 常田佐久教授は「観測されたことのない事態だ。地球環境との関係を調べるため、太陽活動を継続的に監視していく必要がある」と話す。


この3年前の読売新聞の記事の、

> 地球の環境変動につながる恐れもあるという。

という部分をあらためて読み直して、この2〜3年に地球で起き続けた「荒れた」自然災害や自然環境、そして荒れた天候の数多くの出来事を思い出します。

それはともかく、この「太陽の異変」はその後も続き、2012年には太陽が「4極の磁極」を持ったことが観測されるようになります。

2012-solar-polar.gif
・過去記事「国立天文台が発表した4極化する太陽磁場」より


この磁場の異変は 2013年になっても続き、

国立天文台が「太陽の磁場異変の進行」を確認し、その状態が過去の「小氷河期」と類似していることを発表
 2013年02月05日

という記事では、国立天文台などが、

太陽の北極域では磁場がマイナス極からプラス極へ反転する現象が急速に進んでいる一方、南極域の磁場は依然としてプラス極のまま変化が少ないことを確認した。

という太陽の磁場の異変を確認しています。

そんな異常の中で、2013年末までに太陽の磁場の反転は完了したのですけれど、私がふと思うのは、

「現在の太陽の磁場や磁極は正常な状態なのだろうか」

ということです。

何らかの磁場の異常、あるいはこれまでとは違った状態の磁場を持っている、というような可能性があるのではないかと思うこともあります。しかし、こればかりは「ひので」などの観測衛星のデータが発表されないとわからないことなのかもしれません。

ところで、地球の「中性子」が急激に減少していることを知らせて下さった方がいました。それは、先日の 9月 10日の太陽フレアの後に起きています。

下は、アメリカのデラウエア大学にある中性子モニターのリアルタイムデータのうちの南極のものですが、12日頃から急激に減少しているのがおわかりかと思います。

sp-0913.gif
BARTOL NEUTRON MONITOR


これが何を示しているのか・・・というと、私にはわからないのです

というのも、私が持っている曖昧な知識では「太陽フレアは大量の中性子を発生させる」というものだからです。

たとえば、名古屋大学の柴田祥一氏の論文「太陽フレアに伴う中性子の観測と地球大気中での伝播」の概要の冒頭は、

太陽フレアに伴って中性子が大量に発生する。中性子は電荷を持たないため、惑星間磁場によって曲げられることなく太陽から地球へ直進して来る。

です。

たとえば、下の表は、2006年 12月13 日に X3.4 の太陽フレアが発生した際の、上と同じデラウエア大学の中性子モニターのグラフです。

theplot-2003.gif
・200612月14日の NICT

太陽フレアの発生時に中性子が一気に上がっていることがわかります。

しかし、今回は太陽フレアが地球を直撃した後から「中性子が急激に減っている」ということになり、これはどうにも私にはわからない領域です。あるいは、このような現象は特に不思議なものではないのか、そのあたりさえもわかりません。

しかし、ふと思えば、何よりも、そもそも私は「中性子」というものをよく知らないわけで、このことはもう少し勉強してから考えた方がいいかもしれないです。

ダラダラと長くなってしまいましたが、やっばり全体として何となく「変」な感じのする最近の太陽であり、そして、地球を含む太陽系の惑星です。

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2014年09月12日



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連続して起きた2度の太陽フレアによる CME が地球を直撃

何だか、ここ2日間ほど、米国のスペースウェザーのサイトが重くなっていて、どうしてかなと思っていました。

そうしましたら、先日の記事、

13年目の 9月 11日に地球を直撃するCME……
 2014年09月10日

でふれた、Mクラスの太陽フレアの後に、太陽は続けざまに「Xフレア」を放出したようでして、そのことを、下のようにワシントンポストのようなメジャー紙などが大きく取り上げていたために、多くの人が「太陽の動向」に関心を持ち、スペースウェザーへのアクセスが多くなっていたようです。

solar-x-flare.gif

▲ 2014年9月10日のワシントンポスト Major, X-class solar flare erupts on sun, second in two days より。記事にはスペースウェザーと共に、アメリカ海洋大気庁( NOAA )のフェイスブックへのリンクも示されていました。


スペースウェザーは NOAA の太陽に関するデータが最も早く、手軽に見られるサイトですので、私もですが、毎日見ている人は多いだろうなあと思いますが、今回はそのアクセスがさらに増えていたようです。

そして、昨日の記事でも、図を載せましたが、アメリカ海洋大気庁のフェイスブックにありました、「 CME の磁気の影響を受ける地域の予測」を示したのが下のものです。

flare-affected-911.gif

これは2度の太陽フレアの最初の CME に関しての予測ですので、2度目のXフレアについては、どの地域が大きな影響を受けるのかはよくわかりませんが、しかしまあ、地球は回っていますので、結局は多くの地域が影響を受けるということにはなりそうです。

日本での太陽に関してのリアルタイムでの情報公開は、独立行政法人情報通信研究機構、いわゆる NICT がおこなっていますが、見てみますと、すでに「地磁気」がかなり乱れているようです。

nict-912.png

▲ 2014年9月12日午前9時58分の NICT 宇宙天気情報より。


昨日 9月 11日の宇宙天気情報は以下のようなものでした。
ここで「活動領域」と書いているのは、私が「黒点群」と表記するものと同じ意味です。


活動領域2158でXクラスフレアが発生し、太陽活動は非常に活発でした。今後1日間、太陽活動は活発な状態が予想されます。

太陽風速度は通常速度の380km/s前後で推移しましたが、磁場の南北成分が時折強い南向きの状態となったため、地磁気活動はやや活発でした。

9日0時(UT)頃に発生したCME(コロナ質量放出)の影響が本日から明日頃にかけて到来し、地磁気が乱れる可能性があります。今後1日間、地磁気活動は活発な状態が予想されます。



黒点も相変わらず、「非常に多い」状態のままです。

ssn-0910.gif
黒点情報

今回の CME はさほど大きいものともいえず、それほど心配するようなものではないとは思うのですが、CNN の「太陽フレア、磁気嵐が地球に到達へ」という今朝の記事では、


大規模な太陽フレアに伴う磁気嵐が米国時間の13日に地球に到達し、電力網や無線、衛星通信に影響が出る恐れがあるとして、米海洋大気局(NOAA)の宇宙天気予報センターが警戒情報を出して注意を呼びかけた。

地球は大気圏に守られているため人体には普通、影響は及ばない。しかし磁気嵐の影響で停電したり、航空機などが使っている無線通信やGPS(全地球測位システム)、衛星などに障害が起きることもある。ただし障害が起きたとしても一時的だという。


とあり、一応若干の警戒はしているようです。

また上に、

> 地球は大気圏に守られているため人体には普通、影響は及ばない。

とありますけれど、地磁気そのものが乱れているので、実際には影響があると思います。

これは上にもリンクいたしました先日の記事「13年目の 9月 11日に地球を直撃するCME……」にも書いていますが、地磁気の乱れは、

・人間の精神(興奮・攻撃の方向性)
・人間の肉体(血液や体液全般)


に影響を及ぼすからです。


しかし、今回はそのことはともかく、太陽から放出されるのは「磁気嵐」などと呼ばれる、磁気の乱れですが、現在その嵐に見舞われていると思われるカナダやアメリカでは、「雪の嵐」にも見舞われています。そして、そのカナダでは、磁気嵐以前に、雪の嵐の方での大規模停電が発生しています。



暴風雪に見舞われるカルガリーと、早い初雪の記録を 126年ぶりに更新したアメリカのサウスダコタ州

カナダに非常に早い雪が降り続けていることは、先日の記事、

未知の領域に入り込んだ「季節感」……
 2014年09月08日

で、先週そのような天気予報が出ていたことを記しました。

calgary-snow.gif


その予測通りにカルガリーでは雪が降った、あるいは降り続けているようですけれど、これが「嵐」を伴う激しいものとなっているようなんです。

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▲ 2014年9月10日のカナダの CBC ニュースより。


当初の予測より雪の量も多いらしく、写真を見てもかなりの積雪となっています。

しかし、カナダの人はこの悪天候の中でもそれなりに楽しくやっているようで、楽しい写真も散見されます。すべて、同じ CBC ニュースからのものです。

行き先に「メリークリスマス」と表示させて走るバス

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なぜか全員怒った顔の雪だるま

snow-doll.jpg


今年の関東の大雪の時に、私もいくつか雪だるまを作りましたけれど、その時の写真があることを思い出しまして見てみましたら、私の作った雪だるまも怒った顔をしていました(笑)。

2014-snow.jpg

▲ 2014年2月の関東の大雪の際に作った雪だるま。


そして、アメリカ。

サウスダコタ州のラピッドシティという街で、「 126年ぶりに記録を破る早い降雪」がありました。

下は、アメリカ国立気象局( NWS )のツイッターの 9月 11日のツイートです。

rapid-city-snow.gif


記録を破ったこと以外に「9月11日にこのラピッドシティが寒かった」ということに何か意味があるのかというと、しいて言えば、

「この街は、アメリカの歴代の有名な大統領がいらっしゃる場所」

の近くなんですね。

ラピッドシティは、サウスダコタ州のラシュモア山への玄関口となっているそうです。
ラシュモア山とは下の像があることで有名な山です。

Mount-rushmore.jpg

▲ ラシュモア山の彫像。ちなみに、実際にはタイトルのように、今回のラピッドシティの雪がこの大統領たちの顔に積もったかどうかは定かではないです。


これが歴代のアメリカの大統領であることは知っているのですが、それぞれ誰だか知らなかったので、Wikipedia で調べてみましたら、左から、ジョージ・ワシントン、トーマス・ジェファーソン、セオドア・ルーズベルトとエイブラハム・リンカーンだそう。

私たちの世代は下のほうを先に知りましたけれど。

deep-purple-inrock.jpg

▲ イギリスのロックバンド、ディープ・パープルの 1970年のアルバム『イン・ロック』(YouTube)のジャケット。

変な横道に入るのはやめにしましょう。

いずれにしても、アメリカの「 13年目の 911」はアメリカの歴代の大統領の顔に雪がかかった程度(未確認)以外は、比較的穏やかに終わったようですけれど、前述しましたように、活発な太陽活動がはまだ続いていまして、人心や人命などの様々な方面にまだまだ影響を及ぼしそうです。

何より気になるのは、この2年間ほどは、どれだけ大きな太陽フレアが発生しても、地球の方向には向かなかったものが、ここにきて急に、

地球方向に対してフレアを発生させるようになってきている

ということです。

これが単なる偶然の連続なら問題ないですけれど、太陽こそ「偶然など存在しない」という主張の象徴的な存在ともいえるものですから、そのあたりはやはり気になります。

次の大きな太陽フレアも地球への直撃コースをとるようなら、いよいよ太陽も本気になり始めたということなのかもしれません。

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2014年09月10日



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太陽活動は相変わらず活発で、昨日は、Mクラスの太陽フレアが発生しました。

cme-0909.gif
Spaceweather


規模こそ中規模ですが、このフレアによって発生した CME (コロナの放出)が、

・地球への直撃コースをとっている

ということで、日本時間で 9月 12日前後くらいに地球もこの磁場の影響を受けると思います。

上の記事をご紹介しておきます。


LONG DURATION FLARE AND EARTH-DIRECTED CME
Spaceweather 2014.09.09

長時間の太陽フレアと地球方向への CME

9月9日の早朝、黒点群 2158 はその磁場の頂点から6時間以上も続いた爆発を発生させた。このフレアはピーク時に M4 の規模に達した。

長時間続くフレアの発生時は鮮明な CME を作り出す傾向にあるが、このフレアも例外でなく、太陽圏観測衛星 SOHO は、フレアの発生した地点で、秒速 1,000キロメートルの CME が噴出したことを観測した。

今回の CME の磁気の嵐や雲は、すべてではないにしても、そのほとんどが地球と太陽を結ぶラインの北に向かっている。この弱い CME は 9月 11日から 12日に地球の磁気圏をかすめるように直撃すると思われる。



とはいえ、上の太陽フレアと CME そのものは、大した出来事ではないです。地球に向かっている CME 自体は強いものではなく、いわゆる「直接的」な影響というのは、ほとんどないものと思いますけれど、何が問題かというと、

この 9月 11日前後、地球が強い磁場の影響を受ける

ことと、

今なお強い太陽活動が続いたまま

というのが問題だと思うのです。



太陽活動が「人間の興奮」と「病気の増加」に関係していることを今再び思い出す

これまで何度か取り上げていることですが、

太陽活動の強さと社会的な混乱(戦争・暴動など)が比例すること

そして、

太陽活動の強さと「感染症を含めた病気の拡大時期」が比例すること

は、黒点観測が始められた 17世紀からの期間においては、疑う余地のないところではあります。

ロシアで20世紀初頭に「太陽生物学」を研究していた、アレクサンドル・チジェフスキー博士は過去記事に何度も登場していただいている方ですけれど、

太陽と社会混乱 : 直近2年半の中で最も強い太陽黒点活動だった時に起きていたウクライナ紛争、タイのクーデター、イラクへの「イスラム国」の侵攻。あるいは、セウォウル号の沈没とマレーシア機の消息不明
 2014年06月20日

という記事の冒頭に、嶋中雄二さんの『太陽活動と景気』が、チジェフスキー博士について述べている以下の部分を記しています。

チジェフスキーは、地球上のあらゆる生物の発達は、太陽宇宙因子の直接的影響下に進んだものであり、人類もその例外ではないと考えた。彼は、戦争や革命など人間の不穏状態に関する徴候、あるいは「大衆の興奮も太陽の周期に従っている」とした。

上の記事では、この中の、

「大衆(つまり人間)の興奮も太陽の周期に従っている」

という部分に関係したことを特に書きました。

alexander-chizhevsky.jpg
・アレクサンドル・チジェフスキー( 1897 -1964年 )


さらには「人間の興奮」だけではなく、「太陽活動と病気」の関係も加えて、

「その原因は何か?」

ということについて、現在の科学の領域で判明し始めたのが、地球の磁気との関係なんです。

これは、過去記事の、

世界中で蔓延する「謎の病気」の裏に見える太陽活動と白血球の関係
 2014年05月04日

という記事にわりと詳しく書いたことがありまして、お読みいただいていない場合、お読みいただけると嬉しいのですが、上のチジェフスキー博士を含めて、下のような科学者の人びとが実験により「太陽活動と人間の体内の変化の関係」について突き止めています。

チジェフスキー博士
動物の血液、リンパ液、原形質等のコロイド電気変化が、太陽活動の変化やバクテリアの成長と平行関係にある(比例している)。

ビッカルディ博士(1985年)
太陽活動の変化に伴って、コロイド溶液の沈殿物が変化することを突き止める(人間の体液は基本的にコロイド溶液)。

高田蒔教授(1951年)
血液中のアルブミン水準を検査する指標である「高田反応指標」が太陽活動の変化により変動することを発見(アルブミンというのは、血液の凝固を促進する有機コロイド)。


さらにこれらの研究と共に、下の相関関係が見出されています。

sww-1957.gif
・嶋中雄二『太陽活動と景気』より


上のグラフが何を意味しているのかというと、「太陽活動が活発になると、白血球減少症の患者が増加する」ということです。

そして、白血球の 50〜 60%は「好中球」というもので、これは、

好中球は感染を防ぐ機能に重要な役割を担っているので、好中球が減ってくると、とくに細菌や真菌に感染しやすくなります。コトバンクより)

というもので、つまり、

太陽活動が活発になると、人間は、感染症に対して防御が弱くなる

といえそうなのです。

1971年にヤゴディンスキーという科学者が発表した論文には、赤痢、天然痘、猩紅熱、ポリオの発生が、太陽活動と比例しているグラフが掲載されています。

mag-des.jpg


また、そもそもが、人間の血液自体が磁気に反応する性質を持っているということがあります。血液のヘモグロビンは、ヘムという鉄とグロビンという反磁性からできていて、これが磁気に反応するのは非常に自然なことだといえます。



世界中で蔓延し続けるさまざまさな病気は拡大傾向に

上にリンクしました記事「世界中で蔓延する「謎の病気」の裏に見える太陽活動と白血球の関係」は、タイトルの通り、「謎の病気」が世界中で次々と出現しているというものでした。

そして、この記事を書いた5月の時点で、西アフリカでは、3月から本格的に流行が始まったエボラ出血熱の増加が「本来なら減少に転じると考えられていた時期」にも関わらず、増加が続いていて、感染拡大がコントロールしきれない状況に陥りつつある時でした。

ちなみに、9月 8日の時点で、エボラ出血熱の死者が 2300人に近づいていることが、 WHO の資料に掲載されていますが、これまでも書きましたけれど、リベリアなどでは、正確な実数はあまり把握できていないと考えられます。

さらに、9月 9日の米国ワシントン・ポストには、

Oxford study predicts 15 more countries are at risk of Ebola exposure
(オックスフォードの研究は、さらに15カ国がエボラ出血熱の曝露の危険性に晒されると予測する)

というタイトルの記事が掲載されていました。

これは、オックスフォード大学の研究者たちが、コウモリの移動により病気が拡大する可能性や、あるいは、そのコウモリを含めた野生動物を食べるアフリカの食習慣などでの感染のリスクなどを計算したものです。

下の図が、そのオックスフォード大学が予測した「危険に晒される可能性」を示した地図で、赤い部分が、その地区の動物がエボラに感染している可能性が高いと考えられる地域です。

ebola-animals-africa.jpg


オックスフォード大学の研究で、今後、エボラ感染の危険性のある国を具体的に書きますと、現在すでにエボラ患者が発生している国を含めて、

ナイジェリア、カメルーン、中央アフリカ共和国、ガーナ、リベリア、シエラレオネ、アンゴラ、トーゴ、タンザニア連合共和国、エチオピア、モザンビーク、ブルンジ、赤道ギニア、マダガスカル、マラウイ。

とのことです。


さらには、オーストラリアの news.com.au は、今朝のニュースで、

World Health Organisation says Ebola will claim 20,000 lives in next six months
(世界保健機構 WHO は、エボラが今後6ヶ月で2万人の命を奪うだろうと予測)

という記事を報じていました。

ちなみに、下の写真はその記事にあったもので、リベリアの首都モンロビアで少女とヘルスワーカーが写っている写真ですが、場所は隔離地区です。

ebola-girl.jpg
news.com.au


つまり、この女の子はエボラ出血熱に感染してしまった女の子なのでした。


笑顔で写真に応じているのを見るのは心情的に苦しいところですが、それでも、考えてみれば、現在流行しているエボラ出血熱の致死率は地区により違うといっても、全体として6割程度ですので、この女の子も治療で治ることを期待したいです。



デング熱が急増しているアジアの各国

最近の病気の話題といえば、デング熱もありますが、これもまたアジア各地で、例年にはない規模で拡大しています。日本では 70年ぶりということですが、毎年患者の出るタイやマレーシアでも、その数の増加が問題となっていて、そして、今年は中国の広東省でも拡大しています。


マレーシアでデング熱感染が急増、死者は前年の4倍に
ウォールストリート・ジャーナル 2014.09.04

マレーシアでデング熱の発生件数が急増し、今年に入ってからのデング熱による死者は前年同期の4倍近くに上っている。

マレーシアでは今年、8月30日時点でデング熱関連による死者は131人、感染者は6万8144人。前年同期は死者は38人、感染者は1万8923人だった。



タイのデング熱感染、1―8月2・3万人 23人死亡
newsclip.be 2014.09.09

タイ保健省によると、1月1日―8月31日に報告があったデング熱、重症型のデング出血熱とデングショック症候群の患者数は合計2万2903人で、このうち23人が死亡した。



中国:広東省でデング熱流行、広州市だけで1021人感染
newsclip.be 2014.09.09

広東省でデング熱感染の拡大が懸念されている。広東省疾病予防控制センターは5日、流行期に入って以降、今年はデング熱感染と確認された患者の数が4日までの累計で1145人に達したと発表した。うち広州市だけで1021人を数える。

省全体の患者数は、すでに例年のレベルを超過。うち31人は重篤が症状を呈している。重症者のほとんどは広州市内で感染した。ただ、死亡はまだ報告されていない。今後数カ月は感染が増大する見通し。



ここまで、病気のことを書いてきましたけれど、過去記事の、

崩壊したかもしれない太陽活動 : 周期の「法則」はどこへ?
 2014年07月30日

の中に書きましたように、

そもそも現在の太陽活動はサイクル自体を含めておかしい

のです。

上の記事に、「太陽活動の 11年周期はどこへ?」というセクションがありますが、これまでは、太陽活動周期は「 11年周期」のサイクルを持つという状態が長く続いていました。これは太陽活動のサイクルの期間についての一般的な説明ともなっています。これは、約 11年ごとに太陽活動の最大期が訪れるという意味です。

しかし、前回の太陽活動の最大期は「西暦 2000年」でした。

それから、すでに 14年が経過しているのに、いまだに太陽の黒点活動は冒頭のフレアの様子のように活発なままなのです。

今年の 7月 17日には、下のように1日だけ、「黒点がゼロ」になったことがあります。

sunspot-zero-4fbeb.gif
Spaceweather


そのまま減少傾向を示すのかと思いましたら、この夏は、黒点の多い状態が続いていて、昨日は下のような調子です。

sun-spot-154.gif
Spaceweather


太陽黒点の数の多さの基準としては、

・ 120 個以上は「非常に多い

と考えていただければよろしいかと思います。

このような状態が、2011年頃からずっと続いているのです。

NASA はこれについて、9月3日に、このような長期間に及ぶ太陽活動サイクルと、その変化について、太陽観測衛星ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリー( SDO )での観測の多様化について言及する記事を出しています。

Researchers Discover New Clues to Determining the Solar Cycle
(研究者たちは太陽周期を決定する新しい手がかりを発見)

この中に以下のような下りがあります。


太陽活動サイクルの理論は、次の太陽活動の最少期と、そして最大期がいつになるのかという予測のための最も適切な試験となる。

今回の研究論文では、太陽は2017年の中頃に最少期に入り、2019年の終わり頃には、次のサイクルの黒点が出現するだろうと予測する。

しかし、研究者のひとりは、「研究者はそれぞれが太陽活動サイクルの始まりと終わりを予測する。それらは、2019年かもしれないし、2020年かもしれない。あるいは、誰かの予測は正しくて、他の予測は正しくないかもしれない」と述べる。


まあ、結局は、予測は誰にもできるものではなく、「太陽まかせ」ということになるのかもしれないですが、今のままの活発な黒点活動が続けば続くほど、人びとの白血球の減少傾向が続き、病気に対抗する抵抗力を生み出す好血球が大きく減少していく人が多くなる可能性もあるかもしれません。

その状態が続けば続くほど、つまりは「病気にかかりやすい状態の体の人が増える」ということです。

太陽が人間を苦しめているわけではないでしょうが、太陽と地球の関係が科学的にはそのようになっているわけで、今後の太陽活動次第では、病気の増加のこと、あるいは「戦争や暴動的なことが増えること」に関しても気になるところではあります。

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2014年07月31日



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7月30日に太陽が放出した巨大CME(コロナ質量放出)の様子

cme-0730-top.gif

▲ 黒点群からの太陽面爆発ではなく、「磁気フィラメント」と呼ばれるものの爆発により発生した CME 。地球の方向には直接向いていないので、地球が受ける影響は限定的です。影響があるとすれば、日本時間で 8月 3日頃になると思われます。 2014年7月31日のスペースウェザーより。


昨日、

崩壊したかもしれない太陽活動 : 周期の「法則」はどこへ?
 2014年07月30日

という記事を書きまして、太陽活動が再び活発になってきたを含めて「どうにも奇妙な太陽活動」というようなニュアンスを記しました。

再び急激に増え始めた太陽黒点

nict-0729.gif
NICT 黒点情報


そして、上の記事を書いた直後あたりに、冒頭のような太陽からのコロナの巨大な噴出( CME )が発生したことを知りました。

この CME は、黒点の爆発から発生したものではなく、磁気フィラメント( magnetic filament )と呼ばれる太陽表面にある部位が爆発して起きたものです。この磁気フィラメントについては、過去に何度かふれたことがありますが、昨年の、

太陽の表面にこれまで見たことのないサーペント(蛇)のような磁気フィラメントが多数這い回っている
 2013年06月14日

では、かなり不気味な磁気フィラメントが太陽に唐突に出現したことを取り上げたことがあります。

下の黒い線状のものが、その時の磁気フィラメントです。

filaments_2013-06-13-02.jpg
Spaceweather


上の写真の中の複数の磁気フィラメントの中で最長のものは、端から端までの長さが 40万キロメートル以上あります。地球の直径は約 1万2400キロメートルですので、その長さがわかると思います。

この、磁気フィラメントは「ハイダーフレア( Hyder flare )」と呼ばれる「黒点とは関係しない非常に強力な太陽フレアを誘発させる要因となる」とされていますが、今回、太陽で発生した CME も磁気フィラメントからの噴出でした。

そして、実は今、地球の方向に向かって、新たな磁気フィラメントが回り込んできているのです。

スペースウェザーの最新の記事からご紹介します。


DARK FILAMENT ON THE SUN
Spaceweather 2014.07.30

太陽の上の暗い磁気フィラメント

太陽の黒点数は7月中旬に0個を記録して以来、リバウンドを続けており、その数を増やしているため、黒点群からの太陽フレアの発生の可能性が高まっている。

しかし、現時点では、太陽フレアに関しての最大の脅威は、黒点ではないかもしれない。私たちの注意は、今、太陽表面の長い磁気フィラメントに注がれている。

filament-jul-30.jpg

写真は、天体写真家のジャック・ニュートン( Jack Newton )氏が 7月 29日にカナダのブリティッシュ・コロンビア州の展望台から撮影したものだ。

この磁気フィラメントは、端から端まで 10万キロメートル以上にわたって伸びており、その内部は高密度のプラズマで満たされている。自由自在なフィラメントは太陽の磁場によって位置を保持されている。

この磁気フィラメントが崩壊する時に、黒点の爆発とは関係のない「ハイダーフレア」と呼ばれる太陽面爆発を起こす可能性があることが知られている。




これまでの数年で、地球に向けて発生したハイダーフレアは1度もなかったはずですので、今回もないと思いますけれど、もし地球に向けて起きたとした場合、相当パワフルな CME が地球に直撃することにはなります。

そして、理屈がどうであろうと、昨日の記事に書きましたように、この数年、「太陽がおかしい」のは確かなんです。

特にこの2年間ほどは。

確かに、昨日の記事の中でご紹介した NASA の科学者の人の言葉のように、

「私たちは何十億年も活動している太陽の動きの何百年間だけを知っているに過ぎないのです(だから、誰にも太陽活動の予測はできないのです)」


というようなニュアンスを言われてしまうと、確かにその通りだとは思うんですが、「それだと、NASA の科学者の意見も全部不要になってしまうのでは」と、つい反応してしまいそうになりますが、しかし、冷静に考えれば、世界中の多くの科学者とか太陽物理学者などが、

「結局、太陽活動がどうなっているのか、あるいはどうなっていくのかが、もはやわからない」

というような意見を語る光景に頻繁に出くわすということ自体は、太陽の科学にしても、地球を取り巻く宇宙の科学にしても「科学者の絶対的意見」が崩壊しつつある部分もありそうです。

それならそれで、私たち素人が、想像力のもとで考える「これからの太陽」と、専門家の見方との差は以前よりは小さくなっているのかもしれません。





地球上空も火球で賑やか

太陽活動も派手さを見せてきていますが、地球の上空も今とても「派手な状態」になっています。

下は、7月30日の「地球上空を通過した火球の数と、それぞれの火球の軌道」です。

all-sky-0730.gif
Spaceweather


今の時期は、ペルセウス座流星群というものの出現する時期ですので、そのせいで、多くの火球が報告されているのかと思いましたけれど、内訳を見てみますと、

・独立した火球 17個
・ペルセウス座流星群 7個
・みずがめ座δ流星群 5個
・やぎ座α流星群 2個


ということで、「何にも属していない単体の火球が最も多い」のでした。

単独の火球 17個が地球の空を通過するのは多いほうだと思います。

そんな感じで、空のほうも賑やかなようなんですが、そういえば、流星群というのは、多くは「彗星が母体となっている」と考えられています。

最近、ある彗星の「核」の奇妙な姿と動きが撮影されました。





ESAにより撮影された「彗星の核の奇妙な姿」

流星群という現象がどうして発生するのかということについては、Wikipedia - 流星群を見ますと、


流星群の成因

流星現象を引き起こす原因となる物質を流星物質という。軌道計算により、流星物質は主に彗星から放出されると考えられているが、なかには小惑星起源のものもあるようである。




というわけで、多くは「彗星」から放出される物質によるものだとされているようです。

その母体である彗星の中心となる「核」の正体となりますと、最近まで撮影することはできませんでした。始めて撮影されたのは 2010年になってからのことで、 NASA の探査機「ディープインパクト」が、ハートレー第2彗星( 103P/Hartley 2 )の核を撮影することに成功しました。

その核の「形」は予想外の下のようなものでした。

ハートレー第2彗星の核

103P-Hartley-2 .jpg

▲ 過去記事「NASAの探査機ディープインパクトがハートレー彗星の中心核の近影に成功」(2010年11月05日)より。


そして、最近、欧州宇宙機関( ESA )が、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星という、名称を覚えるだけでも大変に時間がかかりそうな彗星の撮影に成功したのですが、その形は、ハートレー第2彗星よりもさらに奇妙なもので、下のような形でした。

67P-CG.jpg
ESA


とにかく天体としては奇妙な形としかいいようがないのですが、中心核の大きさは最大の部分で5キロメートル程度のようです。

この彗星の動きは動画にもなっています。

ESA の観測衛星が明らかにしたチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の奇妙な形状




それにしても、彗星というのは、イメージとしては、まばゆい光の核と、長い光の綺麗な尾を持つ華麗なものですが、その彗星の中心(核)では、これらのような奇妙な形をしたものがクルクルと回りながら、しかも、壮絶なスピード(時速 6万キロ〜時速 200万キロくらいまでの速度があるようです)で進んでいる。

com-core.gif


クルクルまわりながら。
そして、その核から生命の素材をばらまきながら・・・進んでいる。

(この「彗星と生命の素材」という関係については、カテゴリー「パンスペルミア」や、あるいは In Deep の初期の記事「フレッド・ホイルさんの霊に捧げる」などの記事をご参照いただけると幸いです)


最近、たまに、宇宙のいろいろなことに対して、最終的には「奇跡」という言葉でしか表せない部分を感じることを書かせていただくようなことがありますけれど、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の「健気な回転」を見ていても、やはり思います。

いずれにしましても、この先しばらく、太陽絡み、あるいは天体絡みでやや騒がしい状態になっていく可能性はありますけれど、仮に奇跡のショーが起きるならば、それがどんなことであろうと甘受してみたいとも思ったり・・・あるいは、思わなかったり。

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2014年07月30日



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latimes-2014-0718.gif

▲ 2014年7月18日の米国ロサンゼルス・タイムズより。



ほんの少し前に「0個」を記録した黒点のその後

上のロサンゼルス・タイムズの記事は、太陽の状態が下のようになっていた時のもので、つまり唐突に太陽黒点が「ゼロ」になった時のものです。

sunspot-zero.gif
Spaceweather


この状態になる前の日に、

太陽から突然黒点が消えた日 : 過去1年半の中で太陽黒点数が最低数を記録
 2014年07月17日

という記事を書きまして、その時は、下のような勢いで、急速に太陽から黒点が減っていっていることを書きました。

nict-0707-0719.gif
NICT 黒点情報


そして、この記事をかいた数時間後、黒点は「0」になりました。

2012年12月29日から 2014年28日までの黒点数の記録

noaa-sunspot-zero.gif
NOAA Sunspot Number


2014年内はもちろん、2012年以降、黒点がゼロになった日は1日もありませんでした。

しかし、上にリンクしました「太陽から突然黒点が消えた日」では、私は、最近の紛争と戦争と興奮性の強い暴力が台頭している世界情勢などを見ていて、アレクサンドル・チジェフスキー博士が見出した、

「黒点数の増加は、人間の興奮度や暴力行為の増加と比例する」

という言葉を思い出して、記事の中で、


「もうこのまま黒点が消えていってくれたほうがいいのかもしれない」



と思っているようなことを書きました。

その記事にも書きましたけれど、もちろん、黒点が消えたからといって、戦争や殺人がなくなるわけではなく、単に「興奮のあまりに」とか、「発作的な衝動で」というものが減るというだけで、むしろ、

計算尽くの上で冷徹に計画や攻撃が淡々とおこなわれることが多くなる


という可能性のことをも書いています。

黒点のない時代というのは、冷静に人が管理されたり、あるいは殺されたりしていく時代という意味では怖い時代の幕開けでもあるのかもしれないですが。これは、2008年頃から 2011年頃まで続いた「太陽黒点がゼロの時代」を思い出していただければよろしいかと思います。

いずれにしても、

・怒り
・興奮
・衝動
・ヒステリックな心境
・感情や行動の爆発


などの感情や衝動的行動が、太陽黒点と比例していることは疑いようがなく、太陽黒点が減ると、これらの感情や衝動が少しずつ自分でコントロールできるようになっていくことは、これまでの記事などでも書きましたけれど、過去の研究で比較的明らかです。

その生体的な仕組みとしましては、1951年に東邦医科大学の血液学者であった高田蒔教授が、「血液中の有機コロイドが太陽活動の変化により変動することを発見した」という偉大な研究を例に挙げておきたいと思います。

これは、

「太陽活動は人間の体液を通して脳活動や精神活動までにも直接影響する」という可能性


を示唆します。

このあたりを書いた過去記事は数多くありますが、3月に「今後の紛争や戦争、暴動などへの懸念」を書きました、

太陽と暴動。そして、太陽と戦争
 2014年03月04日

という記事などご参考にしていただければ幸いです。

そもそも、黒点が多い時は、その理由を考慮しなくとも「死者の数そのものが増える」ということを示しているデータさえあるのです。

ru-ss-01.gif

▲ ロシアにおける死亡者数と太陽活動の変化を示すウォルフ数の相関を示すグラフ。A・レザーノフ『大異変 - 地球の謎を探る』(1973年)より。





再び急激に増え始めた黒点数

そんなわけで、このまま太陽黒点が減っていけば、世界も個人も少し落ち着くかなと思ったりもしていました。

ところが、黒点がまた増え始めたのです。

それも、穏やかにではなく、「急速に」増加しています。

上に載せました 7月 7日から 7月 16日まで「黒点が急速に減少していった状態」の表をもう一度載せます。

nict-0707-0719.gif
NICT 黒点情報


そして、次は、最近 10日間、つまり、7月 20日から 7月 29日までの太陽黒点の増加ぶりです。

nict-0729.gif
NICT 黒点情報


7月17日には、下のように3年ほどの時間の中で初めて「0」になった黒点。

sunspot-zero.gif
Spaceweather


しかし、その数日後からはまた少しずつ増えていき、7月27日頃から一気に増加しています。

sunspot-160.gif
Spaceweather


なお、一般的な指標としては、太陽黒点の数の多さの基準としては、

・ 40 個以下は「少ない」
・ 40 - 80 個は「やや多い」
・ 80 - 120 個は「多い」
・ 120 個以上は「非常に多い」


となっていますので、一番低いランクから一番高いランクまで、数日間で急上昇したということになります。


さて、しかし、今回最も書きたかったもっと大きな点は、黒点がまた増え始めた、というような話ではないのです。





太陽活動の「11年周期」はどこへ?

冒頭に貼りましたロサンゼルスタイムズの記事の概要としましては、


太陽の11年サイクルの太陽活動の最大期だと考えられる現在、太陽黒点数がゼロとなったことに、科学者たちは戸惑いを隠さない。何人かの科学者たちは現在の太陽のこの状態は奇妙だとの考えを表している。

米国の天文学者によると、現在、最近100年間の中で、太陽活動が最も低下している状態だという。




というようなものでした。

現在のサイクルの太陽活動が弱いことは事実ではありますけれど、そのこととは関係なく、ロサンゼルス・タイムズの記事にもあるように、そして、私たちが何度も聞いているように、


太陽活動周期は「 11年周期」のサイクルを持っている



という強い「法則」があるはずです。
多少の前後はともかく「およそ 11年」という太陽活動のサイクルの原則。

問題はこちらなのです。

今は 2014年の 7月です。

そして、たとえば NASA の科学者たちは「現在が太陽活動の最大期」だと述べています。

この「 11年周期」から考えると、その前の太陽活動の最大期は、2014年から 11年引けばいいだけですので、2003年ということになります

下は、2013年12月2日の AFP の「太陽活動の低下、地球への影響は?」という報道記事からの抜粋です。


「サイクル23」は2000年頃に「極大」に達し、その後、同サイクルの活動は徐々に弱まり、2008年に「極小」となった。



つまり、前回の太陽活動期の最大期は、今から 11年前の 2003年ではなく、今から 14年前の「 2000年」だったのです。

通常ですと、現在の太陽活動の最大期は、2011年頃には到来していなければならなかったはずです。
しかし、その頃には、まだ太陽には黒点すらまったく出ていないような状態でした。

2011年9月2日、つまり今から3年前の読売新聞に下のような記事が出たことがあります。


地球環境に変動?太陽北極域で異例の磁場
読売新聞 2011年09月02日

太陽の北極、南極の磁場は約11年周期で反転することが知られているが、今回は予想時期より2年も早いうえ、南極域では反転が見られないなど異例の様相を呈している。磁場の反転と、太陽の黒点数増減の周期は、通常約11年で一致していたが、2009年初頭まで続いた黒点の周期は12・6年に延びた。

研究チームの国立天文台 常田佐久教授は「観測されたことのない事態だ。地球環境との関係を調べるため、太陽活動を継続的に監視していく必要がある」と話す。




この時点で、

> 太陽の黒点数増減の周期は、通常約11年で一致していたが、2009年初頭まで続いた黒点の周期は12・6年に延びた。

ということは確認されていたようです。

そして、その後に太陽で起きたのは、「磁場の4極化」という異常事態でした。

20120419-solar-polar.gif

▲ 過去記事「奇妙な太陽のポールシフトは太陽系全体に影響を与えるか?: 国立天文台が発表した4極化する太陽磁場」(2012年04月21日)より。


もっとも、 NASA などは、かなり早い段階から太陽活動周期の「 11年サイクルの崩壊」を予測していたフシはあります。

下は、2009年 5月 27日の NASA の「新しい太陽活動の関しての予測」という内容の記事です。

2009-nasa-predict.gif
NASA


この時点で、 NASA は、次の太陽活動の最大期は、2013年 5月頃になるだろうとしていました。

これでも、通常のサイクルの 11年からはズレているのですが、実際にその後、上の読売新聞の記事にあるように、国立天文台は太陽観測によって「黒点の周期が 12.6年に延びた」ことを確認しています。

この状態でも、国立天文台の常田佐久教授は、

「観測されたことのない事態だ」

と述べていたのです。


しかし・・・もはや現在は 2014年の半ばを過ぎました。
NASA の予測も何もかも越えた時期で、前回の太陽活動のピークの 2000年から、実に 14年経つのです。

そして、その中で、先日のように「唐突に太陽黒点が減り始めてゼロになる」というようなことがあるかと思えば、そのまま減り続けるどころか、今回のように、また急速に黒点が増加し始める。

しかも、この1年、2年と、黒点の数に関わらず、太陽フレア活動そのものは弱いままなのです。

もし、今後も長い間このような状態を繰り返すのだとすれば、

「太陽活動サイクルは崩壊した」

そう思う他ありません。

冒頭のロサンゼルス・タイムズの記事の中に、NASA ゴダード宇宙飛行センターの科学者であるアレックス・ヤング( Alex Young )という人の以下のような談話があります。

「私たちは過去 50年間、詳細に太陽を観測してきました。それは長い期間だと思われるかもしれないですが、しかし、太陽は 45億年前から回っているのです」


要するに「太陽のこれからの予測は誰にもできない」ということを言っていますけれど、そんな億年単位の話を出さなくとも、少なくとも


過去「数百年の太陽の時代」は終わった



ということは言えそうな気がします。

新しい太陽の時代の始まりなのかもしれません。
それが人類にとって良い面が多いのか、そうではない面が強いのかはわかりませんが。

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2014年07月18日



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旧約聖書 ヨエル書 3章4節

blood-moon-2014.jpg

主の日、大いなる恐るべき日が来る前に
太陽は闇に、月は血に変わる。





昨日の記事「「太陽から突然黒点が消えた日」:過去1年半の中で太陽黒点数が最低数を記録」を記してから数時間後、太陽はついに下の状態になりました。

sunspot-zero.gif
Spaceweather

2011年以来の「黒点がない状態」となったのでした。

これで、少しずつ世の中は穏やかになっていくかと思いたいところですが、現実の世の中は・・・。




押し寄せる「大量死の既視感」

2014-passover-top.gif

今年4月に、

赤い月と黒い太陽: 2014年から 2015年まで「4回連続する皆既月食」がすべてユダヤ教の重要宗教祭事の日とシンクロ。そして、過去の同じ現象の時に「イスラエルの建国」があった
 2014年04月06日

という記事を書きました。

今はその時期の真っ最中で、上に載せた図がそうです。
紫の文字は最近の出来事ですが、その意味は後に記させていただきます。

この「4回連続して皆既月食が起きる」(テトラッド)現象は、異常なほど珍しいものではないですが、4月15日の CNN によれば、


皆既月食が4回連続する「テトラッド」という現象は、21世紀中に何回か予測されるが、19世紀以前には300年間まったくみられない時期もあった。



というように、それなりに珍しいものです。

そして、上の記事「赤い月と黒い太陽」では、20世紀に起きた、この同じ「4回連続する皆既月食」の時に「イスラエルと関係するいくつかの出来事」があったことを書きました。

20世紀の「4回連続する皆既月食」には、

・1948年

・1967年


がありました。

そして、ぞれぞれの年に、「過越」と「仮庵の祭り」というユダヤ教で最大の祭りと「皆既月食」の時期がすべて一致したのです。

そのような今年と同じようなことが起きた時には中東では下の出来事がありました。

1948-1949年 イスラエル独立戦争(第一次中東戦争)
(イスラエルが独立国としての地位を固めた戦争)

1949年04月13日 皆既月食 過越
1949年10月07日 皆既月食 仮庵の祭り
1950年04月02日 皆既月食 過越
1950年09月26日 皆既月食 仮庵の祭り


1967年 六日戦争の年(第三次中東戦争)
(ガザ地区とヨルダン川西岸の支配権獲得など現在のイスラエル国家の存在につながる)

1967年04月24日 皆既月食 過越
1967年10月07日 皆既月食 仮庵の祭り
1968年04月13日 皆既月食 過越
1968年10月06日 皆既月食 仮庵の祭り



特に、第三次中東戦争は、イスラエル側の「奇襲」で始まり、戦争の全期間はたった6日間でしたが、イスラエル側の戦果と獲得したものは大きく、Wikipedia によりますと、

> 延べ6日間の電撃作戦でイスラエルの占領地域は戦前の4倍以上までに拡大した。

のだそう。

その「たった6日間の戦争」での双方の兵力と死者数。

第三次中東戦争(イスラエルでの名称は六日戦争)の兵力と死者数

sixth-wars.gif
Wikipedia


ところで、「第三次中東戦争」という名称は、あくまで国際的な一般名称で、イスラエルでは、6日間で決着がついた戦争でしたので、「六日戦争」とも、6月の戦争でしたので、「六月戦争」とも呼ばれています。

しかし、私はふと気づいたのですが、ここにもうひとつ「6」が加わる戦争でもありました。それは、戦争に参加した国が、

エジプト
シリア
ヨルダン
イラク
サウジアラビア
イスラエル


の6カ国だったということです。

すなわち、


「6月に6カ国で6日間の戦争をした」


という「666戦争」という、アルマゲドン的な響きを持った戦争でもあったのかもしれません。

その「666戦争」が起きたのは、1967年の「4回連続する皆既月食」の時でしたが、現在も(正確には、今年の 2014年 4月 15日から来年の 2015年 9月 28日)また、それと同じ時を迎えている・・・というのが、上にリンクしました「赤い月と黒い太陽…」という記事の内容でした。




大量の犠牲という概念

その後の記事、

「神の意志、あるいは悪魔の輪郭」 : 北緯 33度線にある韓国の済州島。そして「血の月」の連続と共にユダヤ教では祭りに突入
 2014年04月18日

では、冒頭のほうに貼りました図の中にあるユダヤ教での最大級の祭事である、

過越(すぎこし / 英語 : Passover )
仮庵の祭り(かりいおのまつり / 英語 : Sukkot )

などと「犠牲」の関係について書いたことがあります。

このうちの、4月15日の「過越」というのは「過ぎ越していく(通り過ぎていく)」という意味で、

「あること」をすれば災いが過ぎ越していく(災いを受けない)

という聖典の記述が発祥だそうで、その「あること」というのは、

子羊を屠り、その血を家の門の鴨居に塗る

ということです。

12_passover-lamb-blood.jpg
crosswalk


これらは、旧約聖書の『出エジプト記』に記載されています。


出エジプト記 12章 21-23節

モーセは、イスラエルの長老をすべて呼び寄せ、彼らに命じた。「さあ、家族ごとに羊を取り、過越の犠牲を屠りなさい。

そして、一束のヒソプを取り、鉢の中の血に浸し、鴨居と入り口の二本の柱に鉢の中の血を塗りなさい。翌朝までだれも家の入り口から出てはならない。

主がエジプト人を撃つために巡るとき、鴨居と二本の柱に塗られた血を御覧になって、その入り口を過ぎ越される。滅ぼす者が家に入って、あなたたちを撃つことがないためである。





このこと(子羊を犠牲にして、その血を家の門の鴨居に塗ること)を怠ると襲ってくる災いとは何かというと、

人間から家畜に至るまで、すべての初子を撃つ

というものです。

つまり、「自分たちの家から犠牲を出さないために、他の犠牲(ここでは羊)を捧げる」という意味になりそうです。いずれにしても、それによって、厄災が「過ぎ越していった」ことを祝うのが、ユダヤ教の過越という祭りなのでした。

4月6日の「赤い月と黒い太陽…」 という記事の最後に私は以下のように書いています。


皆既月食や皆既日食は、とんでもない奇跡です。
しかし、奇跡でありながら、神話では「不吉」とされる。

そして 2014年から 2015年にはそれが4回連続して起きる。
わかっている中では、過去2回起きて、その時にはイスラエルが形成されて完成しました。

今回は何が?




というものでしたが、その後、今年のユダヤの「過越」の祭りが始まった「翌日」に起きた韓国のセウォウル号の沈没事故の後に書いた記事、

「神の意志、あるいは悪魔の輪郭」 : 北緯 33度線にある韓国の済州島。そして「血の月」の連続と共にユダヤ教では祭りに突入
 2014年04月18日

の記事の最後は、以下のような文章で締めくくっています。


まさかとは思いますけれど、私の中では、

「大規模な犠牲」を捧げ続けようとしているのでは?

という概念に結びついてしまうような強迫観念的な思いが芽生えてしまった部分があるのです。

そして、それは特に、赤い月と黒い太陽と、ユダヤ教の宗教的行事がシンクロして連続する 2014年 4月から 2015年 9月までの時期に。

まさかとは思いながらも、それでも「次に何が?」と考えてしまうのです。




となっています。

ここで、冒頭に貼りました図の一部をまた貼っておきます。

pass-incident-2014.gif


別にこれらの出来事と、過越などの祭に関係があると言いたいわけではないですけれど、それでも、

・マレーシア機の失踪(乗員乗客 239名/ 全員行方不明)
・韓国フェリーの沈没(乗員の死者 293名)
・マレーシア機がミサイルで撃墜される(乗員乗客 298名 / 全員死亡)
・イスラエル軍がガザに地上侵攻


などは、決して「よくある出来事」のたぐいではないとは思います。

昨日(7月17日)起きたマレーシア機の撃墜については、情報は錯綜していますが、現時点での西側での報道は次のようなものです。


マレーシア機、ミサイルで撃墜−ロシア側関与か
ウォール・ストリート・ジャーナル 2014.07.18

mh-17-jul.jpg

米情報機関の間では、ミサイルを発射したのがロシア軍か、親ロシア派分離主義勢力のいずれかについては見解が分かれている。ただ、親ロシア派分離主義勢力が飛行中の民間機を独力で撃墜できる能力はないと見られている。

ある米当局者は「すべての道はある程度ロシア人に帰結する」と述べた。




他にも、4月15日から最近までの期間には、他にも、イラクでの「イスラム国」という組織による大量殺戮や、リビア、シリアなどでも、その正確な実数もわからないほどのとんでもない大量死が起きていて、アフリカでも、ナイジェリアなどを始めとして、毎日多くの人々が亡くなっています。

現在の世の中は「世界大戦は起きていないけれども、世界各地で異常なほどの大量死が起きている」というのが事実です。今回はふれませんが、そこには病死や「拡大する餓死」も含まれます。



世界的なエイズ治療の権威者もマレーシア機と運命を共に

ところで、偶然なのだとは思いますが、このマレーシア機には、オーストラリアでおこなわれる国際エイズ会議に出席する予定だった国際エイズ学会 ( IAS ) の研究者たちが複数搭乗していて、全員死亡しました。

その中には、国際エイズ学会の元会長であるエイズ研究の世界的代表といえるヨープ・ランゲ( Joep Lange )博士も含まれていて、関係者および、国際エイズ学会は、かなり衝撃を受けています。

joep-lange.gif

▲ 2014年7月17日の Epoch Times より。写真が元国際エイズ学会の会長ヨープ・ランゲ博士。


エイズ学会関係者100人=墜落のマレーシア機
時事通信 2014.07.18

オーストラリア紙シドニー・モーニング・ヘラルドは18日、ウクライナ東部で墜落したマレーシア航空機に、国際エイズ学会がオーストラリアで開く国際エイズ会議に出席予定の研究者ら約100人の関係者が搭乗していたと報じた。

国際エイズ学会は声明で「多数の関係者が搭乗していた」と発表していた。報道が事実とすれば、全搭乗者の3分の1が学会関係者だったことになる。学会のヨープ・ランゲ元会長ら著名なエイズ研究者も搭乗者に含まれているという。





冒頭に載せましたように、太陽の黒点は、2011年以来の「0」を記録しました。

しかし、その太陽黒点のことをご紹介した昨日の記事で、私は、「人間が"興奮"によって暴力的、あるいは突発的な行動に走ることが少なくなる」ことによって、今後は、

むしろ、計算尽くの上で冷徹に計画や攻撃が淡々とおこなわれるようになるのかもしれない

というようなことも書きました。

この「計画」というのは具体的な意味はないですが、あるいはその中には、意図的な大量死を目的とするようなものも含まれるかもしれません。

淡々と、何の怒りの感情も憎しみの感情も伴わず、ひたすらに淡々と「計画」を遂行していく・・・というようなこともある「かも」しれないとは思います。

それでも、昨日も書きましたように、私たちも、

怒りや憎しみや差別の感情、そして、興奮、あるいは曖昧な妄想を捨てて

その中で、

明晰で冷静で、そして曖昧な部分のない考え方

で生きていく。
あるいは何か起きたのなら、対応していく。

そういうことでいいのだと思います。

しかし、一方で、最近は聖女キューブラー・ロスさんのことなどをかいたこちらの記事などでもふれたように、「命とは何か」ということそのものを考えることもあったりして、何となく変な感じの日々の感情ではあります。

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2014年07月17日



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太陽活動のピークを越えて急速に黒点が消えていく太陽

今日のスペースウェザーを見ましたら、トップの記事は下のものでした。

blank-sun-2014.gif

▲ 2014年7月16日の Spaceweather BLANK SUN より。


原文の英語は「空白の太陽」というような意味ですが、空白を作りだしているのは「少ない黒点」ですので、そのような訳として入れています。

実際にはひとつもないのではなく、非常に小さな弱い黒点群が下のようにあります。

sunspot-17-jul-14.gif


そして、黒点そのものも全部で 11個存在していますが、ほとんど見えません。

この「減り方」なんですけど・・・たとえば、ほんの1ヶ月ほど前の記事で太陽黒点のことを取り上げた際の黒点数は以下のようなものだったのですね。太陽の表面は黒点だらけで、黒点数も 276個と、この数年で最も多い日のひとつを記録していたのでした。

sunspot-14-jun-14.gif


記事は、

太陽はサイクル24最後の巨大活動に入るのか : 3回連続のXフレアを噴出した後に、急速に活動が活発化している太陽
 2014年06月14日

というもので、特に、その記事を書いた頃には「1日で 70個も黒点が増える」という激しい太陽活動が続いていたのでした。

ss-02.png


ちなみに、こちらの記事に記していますが、アメリカ海洋大気庁( NOAA )などが、太陽黒点の数が多い少ないという基準にしていますのは、下の数の区切りです。

・ 40 個以下は「少ない」
・ 40 - 80 個は「やや多い」
・ 80 - 120 個は「多い」
・ 120 個以上は「非常に多い」


ということになっていますが、何よりも今回のこの太陽黒点数が、太陽活動周期としてのサイクル24の「終焉」を物語る意味を持つかもしれないこととしては、この「 11個」という数は、

この2年半で最も少ない太陽黒点数

だということです。

下は、アメリカ海洋大気庁の 2012年 12月 29日から 2014年 7月 17日までの、黒点数の記録です。

縮小していますので、見づらいかと思いますが、見方としては、

40 個以下は青(黒点が少ない)
40 - 80 個は緑(黒点がやや多い)
80 - 120 個は黄色(黒点が多い)
120 個以上は赤(黒点が非常に多い)


となります。

2012年12月29日から 2014年17日までの、黒点数の記録

2012-2014-sunspot-number-02.gif
NOAA Sunspot Number


2013年 6月 11日に「 14個」という数を記録して以来の少なさとなりますが、今回は「減り方」も急激なものでした。下のような減り方をして、11個にまで到ったのです。

nict-0707-0719.gif
NICT 黒点情報


およそ1ヶ月ほど前の 6月 14日の記事には、「 2014年6月に入ってからの黒点の増加ぶり」についての表を載せました。

sunspot-2014-06-13.gif


その1ヶ月前の時は、55個の太陽黒点が2週間ほどかけて 276個にまで増えていく様子を示したくて載せたものでしたが、今回、つまり、現在の黒点の減り方はその時の増え方よりも急激な感じで、200個前後あった黒点が、数日のうちに 11個にまで減ってしまったということになるわけです。


地球に面している太陽の黒点は、太陽の自転に伴って、地球から見れば太陽の裏側へと移動したり、あるいは、消えていきます。その際、太陽活動が活発な時には、太陽の裏側から次々と「新しい黒点」が地球に面したほうに回ってきたり、それが成長していったり、突然出現したり、というようなことが数多く起きるものなのですが、今回はその兆しは見られません。

なので、あと2日くらい、太陽の裏側から新しい黒点が出現しない場合は、一時的ですけれど、

数年ぶりの「黒点ゼロ」の状態


が見られることになるかもしれません。

ちなみに、 NOAA によりますと、2009年から現在まで「1年間のうちで太陽黒点がゼロだった日」は次のようになっています。


太陽黒点が出なかった日数

2009年  260日 (黒点が出なかった日は年間の 71%)
2010年  51日 (黒点が出なかった日は年間の 14%)
2011年  2日 (黒点が出なかった日は年間の 1%)
2012年  0日 (黒点が出なかった日は年間の 0%)
2013年  0日 (黒点が出なかった日は年間の 0%)
2014年  0日 (これまでのところ黒点が出なかった日は 0%)




となっています。

ですので、もし仮に、今後数日のうちに「黒点ゼロ」の日がやってきますと、2011年以来ということになりそうです。





今の時代は早めに黒点が消えていったほうがいいのかも

5月の記事に、

歴史的に弱い活動のままピークを迎えた太陽活動サイクル24の中、大洪水がボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の悪夢の記憶を呼び覚ます
 2014年05月21日

というものがありましたが、そこに NOAA の太陽周期の専門家が、

「5月に、太陽活動は最大期に達したと思われる」

と述べたことなどを書きました。
つまり、太陽活動はピークを打ち、後は少しずつ弱くなっていくという予測です。

いずれにしても、多分、太陽活動は今後少しずつ静謐の状態になっていくわけではありますけれど、それでも、今回のような「急減」には少し驚きました。

もちろん、太陽活動は全体として見れば徐々に活動が弱くなっていくものですので、今回の「急減」は一時的なもので、まだしばらくの間は増減を繰り返すのでしょうけれど、過去記事の、

太陽と社会混乱 : 直近2年半の中で最も強い太陽黒点活動だった時に起きていたウクライナ紛争、タイのクーデター、イラクへのISILの侵攻…
 2014年06月20日

に「最近の、特別に太陽黒点が多い期間が続いた時に社会ではどんなことがあったのか」というようなことを書いたりしていますけれど、今の混沌とした社会の紛争などの状況を見ていますと、


「もう、このまま黒点が急速に消えていってくれたほうがいい」



と思う面もあります。

もっとも、黒点が消えたからといって、戦争や殺人がなくなるわけではないですけれど、そこから「暴力性」や「興奮性」そのものが多少減ると思われます。

ちなみに、この 200年くらいの間の「大きな戦争、あるいは流血を伴う革命」で、「太陽活動が最大の時に起こったもの」は以下の通りになります。



・第 5太陽活動周期(1790年前後がピーク) フランス革命(1789年)
・第 9太陽活動周期(1838年前後がピーク) アヘン戦争(1840年)
・第10太陽活動周期(1850年前後がピーク) 太平天国の乱(1851年)
・第11太陽活動周期(1860年前後がピーク) アメリカ南北戦争(1861年)
・第14太陽活動周期(1895年前後がピーク) 日清戦争(1895年)
・第15太陽活動周期(1918年前後がピーク) ロシア革命(1917年)
・第17太陽活動周期(1940年前後がピーク) 第二次世界大戦(1939年)
・第18太陽活動周期(1948年前後がピーク) 第一次中東戦争(1948年)
・第19太陽活動周期(1959年前後がピーク) ベトナム戦争(1960年)





近代の歴史に残る大きな戦争で、太陽活動の最大期に起きなかった戦争は「第一次世界大戦」くらいのものだと思います。

ちなみに、近代の戦争での「死者数」を見ますと、多さの順では、下のようなことになっているようです。

war-deaths.jpg
・TBS News Bird

上のうち、第一次世界大戦以外の4つの戦争は、コンゴ内戦 なども含めて、すべて太陽活動の最大期間に始まっています。

それと共に、よく載させていただくことのある 20世紀初頭のロシアの科学者、アレクサンドル・チジェフスキー博士の「黒点数の増加は、人間の興奮度や暴力行為の増加と比例する」ことを調査で突き止めた下のグラフも、それを裏付けるものとなっています。

sun-human-2014-fb4cd.gif
過去記事より。


今は世界中で、戦争や紛争で人の命が粗末になっているという状況となっているという事実がありますけれど、太陽活動が低下していく、つまり太陽黒点が減っていくことにより、「そのような戦争や紛争などの新しい発生は減る」ということにはなると思います。

ただ、今の書き方に注意されてほしいのですが、

新たな戦争や紛争の発生が減る


というように「新たな」という言葉を入れています。

すなわち、既存のあらゆる戦争・紛争、あるいは国や民族同士の対立や憎悪が消えるということではないですし、「人に愛の心が芽生える」なんてことも特にないと思います。

あるとすれば、「人間が"興奮"によって暴力的、あるいは突発的な行動に走ることが少なくなる」というだけだと思いますので、むしろ、

今度は計算尽くの上で冷徹に計画や攻撃が淡々とおこなわれる

という段階に入っていく可能性もあります。

それでも、人々が「冷静になる」ということは悪いことではないとも思います。


シュタイナーは、真実の自意識に目覚めたいと思う人の思考や行動として、

「最も不要なものは怒り、差別、憎しみ」

としていて、さらに、

「興奮やヒステリックな心」

「迷信やオカルトや妄想にふけること」

は、すべて高い人間性の意識に対して「邪魔なもの」だと断言しています。

つまり、怒りや憎しみや差別、そして、興奮、あるいは曖昧な妄想を持つことは非常に良くないことだとしているようです。

シュタイナーは「明晰で冷静で、そして曖昧な部分のない考え方の思考の中でのみ真実は開ける」と記述していますが、そのような状態になるには、人間はある程度冷静な状態でないと難しいことのようにも思います。

これから数ヶ月かけて、太陽活動は沈静化していき、そして、無意味な怒りを誘発するような興奮性は人々から消えていきますが、それと共に、地球では自然と環境の激変の時代に突入することは避けられなくなっているはずで、そして、社会生活上の問題も増大こそすれ、減ることはない過酷な時代となっていく可能性もあります。

そのタイミングで私たちは冷静になれるのですから、これからの期間は宇宙が私たちに「考えたり覚醒するきっかけを与えてくれる可能性のある」最後のチャンスかもしれません。

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