2013年10月11日



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現在の太陽は過去190年間で「最も弱い太陽活動」であることが明らかになっても世界各地では最高気温記録の更新が続いている現況の中で



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▲ 10月10日の英国エクスプレスより。イギリスも暑かったり急に寒くなったり、台風なみの桁外れの強風に見舞われたり、何だか無茶苦茶な天候のようです。






 



コタツとクーラーが同居した暑くて寒い 10月


今から1週間ほど前に書いた記事で、うちの奥さんが「コタツを準備していた」ということを書いたのですが、その後、この数日は関東でも気温はグングンと上がっています。

昨日などは、「コタツに座りながら扇風機を回し続ける」という、ややアヴァンギャルドな食事風景となった私の家ですが、今日あたりは扇風機どころか、クーラーさえつけたくなるほどの気温になっています。

今日(10月11日)の全国の気温の状況を見ると下のようになっています。

20131011-japan-kion.jpg

ウェザーマップより。


オレンジ色の地点が 25度以上で、赤いところは 30度を越えているということになります。「 10月としての観測史上 1位を記録」という場所もいくつかあります。


さて・・・。


そして、冒頭に書きました「1週間ほど前に書いた記事」のタイトルは、

10月にして世界各地からの記録破りの寒波の報告:米国では季節外れの暴風雪、チリでは非常事態宣言、ルーマニアでは100年ぶりの寒波
 2013年10月05日

という「並外れた寒さ」に関してのものでした。

しかし、一方で日本などは上のように「並外れた暑さ」というのが現状。

それどころか、一昨日は下のような報道さえありました。


新潟糸魚川で35.1度の猛暑日に 10月最高気温を更新
毎日新聞 2013.10.09

台風24号から変わった温帯低気圧に向かって南からの暖かい空気が流れ込んだ影響で、北陸を中心に真夏並みの高温が相次いだ。

新潟県糸魚川市では午後1時53分に、猛暑日となる気温35.1度を記録した。
10月としては国内の観測史上最高記録という。



私の住む関東などもこの2〜3日は、実際、日中は暑いわけで、こうなってくると、先日書きましたアメリカの大雪やら、ルーマニアの観測史上「最低」の気温記録とか、そういうのは「ホンマかいな」という気にもなるのですが、改めて最近のニュースを見ますと、アメリカのサウスダコタ州は、その時の大雪と寒波の影響による「悲惨な状況」が広がっていて、それが現実だったことを認識します。

何が悲惨かというと、現地では雪で死亡した数万頭の牛の死体が散らばったままになっているのです。






雪と政府閉鎖が生みだした米国サウスダコタの「悲惨」


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Extinction Protocol より。


上の記事は、エクスティンクション・プロトコルという米国のブログからのものですが、元記事は米国 CNN で、上にも少し写っていますが、本文は次のように始まります。

cnn-2013-1010.png


CNN の映像では、牧草地に延々と転がっている牛たちの死体が映し出されていまして、上の「終末的な」という形容もそれほど大げさでもない感じです。

cnn-3.jpg

CNN のニュース映像より。


この牛たちの大量死の原因は、もちろん主な原因は大雪なのですが、記事によれば、アメリカ政府機関の閉鎖によって、サウスダコタ州に農場を援助する予算が存在していないということも大きな原因のようです。

連邦政府は農業に関する法案を決議しないまま閉鎖してしまったので、すべてが宙に浮いたままの状態らしく、この死んでしまった牛たちの処分についても、農家が自分たちのできる範囲で穴を掘って燃やすということを繰り返し行うしかないようです。


ちなみに、上の記事では2万頭とありますが、この数値は大まかだと思われます。

地元メディアの記事では「 70,000頭の牛が死亡」というものも多くあり、あまりにも多い数の動物が死亡したため、正確な数の把握はまだおこなわれていないのかもしれません。

何しろ、その統計を行うのが政府機関である農務省のはずで、それが閉鎖している限りは、正確な数はわからないのかもしれません。



それにしても、「今、全世界の気候の状態はどうなっているのだろう」と思い、気象庁が世界の異常気象について毎週発表している「全球異常気象監視速報」を見てみました。






高温が低温を圧倒していた 2013年10月の第一週


下が10月2日〜10月8日までの、気象庁が記録した異常気象です。

anormaly-2013-10-08.png

気象庁 全球異常気象監視速報より。

赤い地域が平年より異常に高温だった地域ですが、パッと見ただけでも、高温の異常の地域が多かったことがわかります。日本などは北海道から沖縄あたりまですべて赤で覆われ、また韓国も高温で覆われています。

上の地図にある「高温」のそれぞれは下のようになっています。




2013年10月2日から10月8日まで平年より顕著に高温だった地域

(1) 日本〜朝鮮半島南部

・大阪府の大阪では、7日の日平均気温が26.7℃(平年値:20.7℃)、6日の日最高気温が32.7℃(平年値:25.1℃)となった。
・韓国のプサン(釜山)では、7日の日平均気温が25℃(平年値:約19℃)に達し、日最高気温は29℃に達した。


(4) 中国中部〜中央アジア南部

・中国シンチアン(新疆)ウイグル自治区のイーニン(伊寧)では、7日の日平均気温が18℃(平年値:約12℃)に達し、6日〜7日の日最高気温は29℃に達した。
・ウズベキスタンのサマルカンドでは、4日と6日の日平均気温が24℃(平年値:約17℃)に達し、5日〜6日の日最高気温は34℃に達した。


(8) 英国北部〜アイルランド

・英国北部のキンロスでは、7日の日平均気温が17℃(平年値:約10℃)に達し、3日と6日〜7日の日最高気温は19℃に達した。
・アイルランドのダブリンでは、7日の日平均気温が17℃(平年値:約11℃)に達し、5日〜7日に日最高気温は19℃に達した。


(9) アルジェリア北西部及びその周辺

・アルジェリアのメシェリアでは、4日の日平均気温が28℃(平年値:約19℃)に達し、5日の日最高気温は35℃に達した。





今回のページの一番上に貼りました記事の写真「英国が北極並みの気温に」という報道は、つまり、上の(8)にあるように、イギリスも日本と同様に、 10月の第1週は暖かい日が続いていたようで、それが突然、「氷点下の気温の状態にたたき込まれる予測」ということで、あのような見出しとなったものだと思います。


全球異常気象監視速報でこの1週間で「異常な低温」が記録されたのは下の地域だけのようです。

(7) ロシア西部・ヨーロッパ東部〜中東北西部

・ルーマニアのブカレストでは、4日の日平均気温が4℃(平年値:約13℃)を下回り、5日の日最低気温は-3℃を下回った。
・トルコ西部のブルサでは、4日の日平均気温が8℃(平年値:約18℃)を下回り、8日の日最低気温は3℃を下回った。


とのことで、先日の記事でご紹介しました最低気温を更新したルーマニアなどは確かに大変に寒かったようです。


それにしても、上のほうに記しました米国サウスダコタ州のあたりには異常気象としての記録はないということになっていまして、気温も降雪量も「通常だった」ということなんでしょうかね。

しかし、数万頭の牛たちが死んでいる。






現在の太陽活動は過去 190年の中で最も弱い・・・らしい


タイトルにも「現在の太陽は過去190年間で最も弱い太陽活動」と入れたのですが、上の見だしでは「・・・らしい」とあやふやな表現となっている理由は、その論文というか、記事がよく理解できないのです。

最近、このように「どうも理解できない」という記事によく当たりますが、これは何だかもう本格的な老化が始まっているのかもしれませんが、その記事のオリジナルはドイツ語の記事で、

Die (müde) Sonne im September 2013 und spektrale Fortschritte
(疲れているような2013年9月の太陽活動とスペクトルの進捗)
 Die kalte Sonne 2013.10.04

というものです。

そこには、数々のグラフや表があり、下のようなものもあります。

sun-190.png

▲ 青が平均値、赤が現在(サイクル24)を示しているそう。


これを見てみても「」という以上には理解できないのですが、しかし、現在、英語圏の数々のサイトでこのドイツ語の記事が英訳されて多く紹介されていて、そこで、「現在の太陽活動は過去190年間で最も弱い」という表現がされているという次第なのです。

ian.jpg

Ice Age Now より。

上に書かれてあるのは、


最近の温度低下は太陽活動に起因すると専門家たちは言う。

約 190年前にダルトン極小期が終わって以来、最近の7年間ほど太陽活動が活発ではなかったことはない。

太陽活動サイクル 24は現在も異常に弱い活動のままだ。



という感じのことが書かれてあるのですが、実際のドイツ語の論文からは、私自身は上のような結論を導くことができませんでした。なので、理解できる方に読まれて、あるいはご紹介していただれば幸いに思っています。

ちなみに、上に出てくる「ダルトン極小期」とは、 1790年から 1830年まで続いた、太陽活動が低かった期間のことだそうです。

この時期は、地球の気温が平均より低かったことがわかっていて、そして、この期間の気温の変動は約1度だったとか。

平均気温のことなのでしょうけれど、まあ、「たった1度だけか」と考えるべきなのか、「何と1度も下がったのか」と驚くべきなのかはよくわかりません。


何しろ、もう最近は実際の気温の上下幅があまりにも大きくて、何となく「たった1度か」というようにも思ってしまうのです。





突入すると、数十年間続く太陽活動極小期

しかし、現在の太陽活動が弱いままなのは確かで、この状態が続いていった場合、「たった1度くらい」とはいえ、過去に何度かあった「太陽活動の極小期」と同じような時代に突入していく可能性はあると思います。

その期間は過去においては、40年間(ダルトン極小期)とか、70年間(マウンダー極小期)とか、あるいは 100年間前後(シュペーラー極小期)のように、大体数十年単位で続くようです。

地球的に見れば、たった数十年という話ですけれど、人間にとっては、「数十年」というと人生の大半ですので、人生全体への影響を与えるくらいの期間になるのかもしれません。

まあしかし、現実には未来のことも、あるいはほんの少し先のこともどうなるかわからないですけれど、少なくとも今日と明日は私の家では、コタツと扇風機を同時に見ながら過ごす状況が続くことにはなりそうです。



  

2013年09月17日



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▲ 9月 16日の夕方、自宅から見えた富士山とそれを取り囲む夕焼けのイメージです。






 


台風が来る前の気圧の変化でKOしたことを書いた記事で、「気圧の変化に弱い」というようなことを書いていたのですが、今日も体調が今ひとつで、久しぶりに病人ばりに昼間寝ていたりしました。午後から元気になりましたけれど。

とにかく、上の記事を書いた日には、頭が締め付けられるというか・・・いや、むしろ「頭に体中の血液が集まってきて爆発しそうになる」というような感覚というのか、もうアレですよ。 1981年のカナダ映画「スキャナーズ」のような頭ドカーン!というような圧迫感に見舞われたりしていました(なんだかよくわからない比喩ですみません)。




今は数年前とは違う世界

昨日(台風が通過した 9月 16日)は「それにしても、あれだけ体感が悪いってどんなのが来てる?」とも思い、ふだん見ないテレビのニュースを朝から見ていました。

ちょうど、テレビをつけた頃は、京都の嵐山の浸水が始まっている頃でした。

うちの奥さんは子どもの頃、京都で長く過ごして、京都には今でも愛着があるらしいのですが、浸水している嵐山の姿を見て非常に驚いていました。


わたし 「ここってこんな大きな川があるし、浸水とかありそうだけどね」
奥さん 「ないない。私が知る限り、嵐山がこんなになったの聞いたことない」


と言っておりました。

実際、ニュースを見てみましても、


「こんなの記憶にない」京都・嵐山、紅葉シーズン前に大打撃
産経ニュース 2013.09.16

台風18号による大雨で、京都有数の観光名所として知られる京都市右京区の嵐山を濁流が襲った。付近の桂川が一部で氾濫。渦巻く流れは、中洲にある売店を軒並み水没させ、ランドマークの渡月橋の欄干すれすれまで迫った。

(中略)近くに住む男性は「40年以上この辺りに住んでいるが、こんな増水は記憶にない」と話した。



とあり、ほとんどないことだったようです。

川の増水の始まりから洪水となるまでの時間を見ても、「考えられないほどの量の雨が非常に短時間のあいだに降った」ということなんだと思いますけれど、これは、前回の、

世界でさらに拡大し続ける黙示録的な洪水 : 今や「神話」を越えつつある現実の世界
 2013年09月15日

にも書きましたけれど、何だかこういう本来ならあり得ないような豪雨が「標準化してきている」というような凄さを感じます。


まあ・・・最近ずっと感じているんですけれど、やっばり、本当に私たちは、「ちょっと前までとは違う世界に住んでいる」ということは思います。

すべてのことが今までと同じような日常の中で過ぎていくので、あまり気付かないと思うのですけれど、たとえば、震災のあった 2011年の「前」と「後」だけでも、天候や環境はもちろん現在のように変化しているのですけど、それ以上に、「人の心が大きく変わった」か、あるいは、「それぞれの方向にわかれていっている」というようにも思います。


よく言われるように「2つの世界に別れていっている」というような単純なことは思いませんが、しかし、それでも確かに方向性として、今の人類は「自分たちが生きている世の中の考え方」について、2つとか3つくらいの大きな「それぞれの方向」に向かって動いているように感じます

それぞれが、「どういう方向に進もうとしているのか」ということに関しては、うまく説明する言葉を持たないですが、この「それぞれの違う方向に向かう人々の集団」は、何か大きな出来事が起きるたびに、さらにその方向への考え方を強くしていっているように感じます。


そして、それぞれの人々の考えは、「お互いにほぼ完全に理解も許容もできない」ようなレベルにまで溝は広がっているようにも思います。


私自身も、最近は今の世の中に暮らしていることに対しての違和感は限界に近づいてきていることを感じますが、しかし、今は子どもなどもいる以上、あっさりあの世へとバイバイ・・・などという行動がとれるわけでもないですし、現実の社会との和解点を探そうとしているけれども、以前と違って、もうそれを見つけることが不可能になりつつあります。

今後、さらに自然や環境、あるいは社会に大きな出来事が起きれば、考え方の違う人々の間の許容点はさらに小さくなり、普通に同じ社会に住んでいても、要するに、「ふたつの別の世界」のような生き方にさえならざるを得ないようにも思います。




私はもともといろんなことを信じない人ですけれど、今は最も基本的なことである「自分が生きている世の中」というものとの接点を信じづらくなっているということはあります。しかし、そのあたりのことは、ウダウダと書いても仕方ないですので・・・。






風の意味や雨の意味

ところで、タイトルの「真っ赤な空の中の真っ黒の富士山」の話のほうですが、昨日 9月 16日に台風が去った後、夕暮れころの時間に、私の部屋に奥さんがきて、

「富士山がすごくはっきり見えてるよ」

と言うので、ベランダに見に行きました。

何しろ、今年は夏の間、まったく富士山が見えることがなかったのです。

植物の世話があるので、ベランダには毎日出ますが、今年は7月くらいから富士山が見えたことが多分まったくといっていいほどなかったと思います。

昨年は、9月の頭の記事「大出血のような太陽フレアと真っ赤な富士山上空を眺めながら(略)」という記事に富士山が見えたことが書いてありますので、夏だから見えないというものでもなさそうです。


まあ、今年は大気が昨年より悪かった(あるいは今も悪い)ということは言えるとは思います。


もう忘れられている感じがありますが、微小粒子状物質( PM 2.5 )のことが話題になったことがありましたが、報道されなくなった後も、今年は濃度が高い日が多かったです。地域にもよりますが、いわゆる警戒値を越えることなど日常的でした。

今でも、各都道府県では濃度を発表していて、Yahoo! 大気汚染原因物質 PM2.5 関連対策情報まとめというページにはすべての都道府県のリアルタイム情報へのリンクがあります。


まあ、それはともかく、そういうように「今の日本は基本的に大気の状態が悪い日が多い」という現実も関係していたようですが、夏は富士山が見えなかった。しかし、昨日の台風通過後に何ヶ月ぶりかに、富士山がくっきりと見えたのは、台風の雨と風がそれらを吹き飛ばしてくれたからのようです。

強風も豪雨も災害をもたらすものではあるけれど、それと同時に悪いものも含めて吹き飛ばすというような作用は確かにあります。


ちなみに、今日はすでに富士山の姿は霞んでいました。





赤い空を見て思い出す「私の存在には意味がない」と思い続けていること

話が逸れましたが、すごかったのは、その台風通過後の夕方に見えた富士山の光景・・・。

真っ黒な富士山の上を全面的に雲だけが赤くなった空が覆っているのです。写真を撮らなかったですので、一番上に載せた写真は、それを思い出してイメージ的に作ったもので、まあこのような雰囲気でした。

前述しましたように、大気中の不純物が飛ばされたせいか、夕焼けの中でも、大気そのものは赤くならずに澄んでいる。なので、空は青々としていて、そこに浮かぶ雲だけが赤くなっている。

その赤い面積の広いこと!

見上げて目に入る空のすべてがそのようになっている。
つまり、全天が赤い空。


「こんなに空全体が赤くなったのを見るのは久しぶりだなあ」


と口に出しながら、ふと、最も有名なシリアルキラーのひとりであるペーター・キュルテンの夕焼けのエピソードを思い出しました。キュルテンに関しては、英国の作家コリン・ウィルソンの 1963年の著作『殺人百科』に非常に詳細に書かれています。

キュルテンの主な犯行は 1920年代のことですが、そのような戦前の犯罪者の記録が詳細に残っているのは、キュルテンの逮捕後から処刑されるまで彼に面談し続けて、研究したドイツの精神学者カール・ベルク博士が極めて詳細な調査報告を残したからのようです。

そのコリン・ウィルソンの記述の中に以下のようなくだりがあり、空全体が赤くなっている空を見て、それを思い出したのです。


1925年、キュルテンはデュッセルドルフに帰った。その日、彼は夕日が血のように赤いのを見て喜んだ。デュッセルドルフの「恐怖時代」が始まったのは、それからである。



ちなみに、また話が逸れますが・・・っていうか、今回は本題自体よくわからないですが、上のコリン・ウィルソンの『殺人百科』をはじめて読んだ時、その長い「まえがき」を読んで、大変に衝撃を受けたことを覚えています。そして、この「まえがき」を読んだことが私がその後に演劇的なことを始める思想的なキッカケともなっています。

はじめて読んだのは学生の時だったんですが、当時、一緒に演劇などをやっていた年下の友人がいて、その男の部屋にこの本があったんですね。30年くらい前です。

コリン・ウィルソンは、そのまえがきで、殺人を語る上で避けられない問題として、「実存主義」についてえんえんと語ります。実は私は当時も今も「実存主義」というものが何かを知らないのですが、それでも、コリン・ウィルソンの文章には妙な迫力があります。

その中の一節に


実存主義の出発点は、大部分の文明人がよりどころとしている価値に現実性や意味があるという考えを否定することである。

実存主義の見方によれば、文明人は自分自身について虚像をえがいており、それが人間を今日のような、巨大な火薬樽の上に腰かけて爆弾の爆発とともに吹き飛ばされるのを待つような危険な立場にみちびいたのである。



という部分があります。

この「自分には価値や意味がない」という文字の流れにショックを受けたのも、私自身ずっと「自分には価値も意味もない」と考えていたからでした(今も自分に対しての考えはそのままです)。

いずれにしても、その実存主義というものをえんえんと書いている前書きは、まあ、とても難解なんですが、大変に興味のある内容でした。

関係ないですけど、そういや、今も漫画家なのかどうかしらないですが、少なくともかつては人気漫画家だった蛭子能収さんの 1980年代の作品にも「私の彼は意味がない」というタイトルのものがありました。

ebus-02.jpg

▲ 蛭子能収さんの『私の彼は意味がない』の表紙。30年以上前の漫画だと思います。



・・・・・なんだか、内容に収集がつかなくなってきているので、一応、今回の本題と考えていることをご紹介して、締め括りたいと思います。





ほぼ一直線に消えていく太陽活動


先日、最近の太陽活動に関して、

太陽活動の最大期と予測されていた時期に消えていく太陽黒点
 2013年09月11日

という記事を記しました。

その後の太陽活動はどのようになっているか。

それを表すような報道が 9月 16日のスペースウェザーの記事から伺えます。

sw-2013-09-16.png


その内容を記します。





ALL QUIET ALERT
Spaceweather 2013.09.16

完全沈黙警報 太陽表面から、ほぼ完全に黒点が消失した状態と共に、太陽フレアの活動が停止状態となってきている。

アメリカ海洋大気庁( NOAA )の観測衛星 GOES15 のデータは、太陽活動の主要な指標となる太陽からのX線放射のグラフはほぼ平坦となっていることを示している。

太陽のこの静寂の状態は、今後数日でも同じだと予測される。 NOAA によると、次の24時間から48時間でのMクラスやXクラスのフレアが発生する確率は1パーセントに満たないという。

それにしても、この状態はやや奇妙にも見える。

なぜなら、2013年は太陽活動の最大期をむかえるとされている年であり、数多くの太陽黒点と太陽フレアが観測される年だと予測されているからだ。

米航空宇宙局( NASA )の観測データでは、太陽は磁場の反転を開始しようとしていることが示されている。それにも関わらず、太陽活動が低下しているのだ。

これを説明できるひとつの可能性として、太陽活動の最大期には二峰性があるという仮説がある。つまり現在は太陽活動のピークの谷間にあり、今後、 2013年から 2014年にかけてふたたび太陽活動が活発化していくのかもしれない。

しかし、誰にもそれがいつなのかは予測できないのも事実だ。

太陽の黒点観測の歴史は 400年以上になる。

科学者たちは、そのような時間にわたって太陽活動を研究し続けているが、それでも、いまだに私たちは太陽周期の挙動を予測することはできないのだ。

これから太陽活動はどうなる?
それは、数週間後、あるいは数ヶ月にやっとわかることだ。





どうも「太陽活動の弱さ」はさらに顕著になっているようです。

太陽活動の最大期と予測されていた時期に消えていく太陽黒点」に「1ヶ月の太陽黒点の推移」のグラフを載せましたが、今回も、9月16日までの1ヶ月間の黒点の推移を載せておきます。

sunspot-2013-0818-0916.png


「このまま黒点が消えていきそうな感じさえする減少のカーブ」を見せていますが、もしかすると、本当に太陽活動の最大期はもう終わったのかもしれません。もちろん、それは誰にも予測できないことは上のスペースウェザーの記事に書かれてある通りだとも思います。

しかし、もし、本当に太陽活動の最大期が終わったのだとしたら、過去のデータにある「弱い太陽活動の記録の中の社会」から考え得るこれからの世の中の予測というものも想像て゜きるのかもしれません。

これについては、2年前の記事となりますが、

あらかじめ予測されていた小氷河期の到来(2) 「鎖国」と「富士山大噴火」を生み出した前回マウンダー極小期
 2011年11月09日

という記事に、マウンダー極小期という、太陽活動が非常に弱かった 1600年代中盤から 1700年代の初め頃にあった時期に起きた印象的な出来事を並べたことがあります。

日本の例として、


・鎖国

・富士山の噴火

・生類憐れみの令


の3つをその時期の日本での出来事での特異な例として挙げました。

富士山の噴火はともかく、私は上の3つのうちの「鎖国」と「生類憐れみの令」にとても興味がありますが、いずれにしても、極端に弱い太陽活動は、「非常に特異な社会を生む可能性がある」ということもあり得るのかもしれません。

このあたりは、過去のデータなどと共に見ていきたいと思っています。

それにしても、今回は久しぶりに無駄話が多くてすみません。

最近、意識的に余談は避けるようにしていたんですけれど、たまに意識の制御が外れると書いているんですよ。申し訳ないです。



  

2013年09月11日



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最初に今朝のスペースウェザーの記事をご紹介します。




ALMOST-BLANK SUN
Spaceweather 2013.09.11






 

ほとんど空白の太陽

2013年は、太陽活動が最大の年であると仮定されている。

なるほど、確かに、太陽の磁場は反転しようとしており、その点からは太陽活動の最大期に達している態勢ではあるように見える。

ところがである。
下の今日の太陽の写真を見てほしい。

この状態はどう見ても太陽活動最大期ではなく、太陽活動の「最小期」にしか見えない。何しろ、黒点がほぼまったく見えない状態なのだ。


blank_sun_2013-09.jpg


太陽の表面を慎重に見ると、活動の弱い小さな黒点群が2つあることがわかる。しかし、 NOAA の予報官は次の 24時間にMクラスかXクラスの太陽フレアが発生する確率は1%以上に満たないと推測する。

実際、今回の太陽活動最大期は、この 50年の中で最も弱いものだ。

研究者の中には、太陽活動の最大期はふたつのピークを持っていると考えている科学者が少なくとも1人いる。そうだとすれば、私たちは今、ふたつのピークの谷の中にいるとも考えられる。次には 2013年と 2014年の間に急速に太陽活動が増加する可能性がある。





ということなんですが、 NASA の他の写真で見ると、「ほとんど空白の太陽」というこの記事の表現がよくわかる気がします。

mdi_sunspots-09-11.jpg

NASA SOHO サイトより。



記事にあります2つの小さな黒点群は上の写真にも番号がありますが、下のふたつです。

sunspot-2013-0911.png


これはそれぞれが「群」で、この中に黒点が複数存在します。

その2つの群の中の全部の太陽黒点数が現在 23個ということなんですが、この「 23」という数がどのくらいのものかというと、たとえば、 8月 12日から 9月 11日までのこの1ヶ月間の黒点数の推移を見ますと、上の記事でこの記事を書いた人が、


> 今の状態は、どう見ても太陽活動の「最小期」にしか見えない。


と書いた理由がおわかりになるかと思います。

下の表は宇宙天気情報センター( NICT )の「黒点情報」というページからのものです。

sun-0812-0910.png

NICT 黒点情報より。


また、この「太陽活動最大期というより、最小期にしか見えない」という表現に関しては、これまでのそのふたつの時期(最大期と最小期)の太陽表面の感じの比較でもわかります。

下の写真は、 2001年 3月の太陽活動最大期の頃の太陽の黒点と、最小期に近い頃の 2005年 1月の太陽の比較です。

sunspot_max_min.jpg

Windows To Universe より。


少なくとも少し前までは、今頃の時期は上の写真の「左側」の状態になっているはずだったと予測されていました。

それどころか、現在の太陽活動の最大期の活動は「今までになく大きくなる」という予測も数年前までは主流でさえありました。

つまり、 2013年の夏頃は太陽表面は黒点だらけで、毎日のように太陽フレアが噴出し、地球の至る場所が電磁パルスで停電に至る・・・・・というような 2013年が本当に想定されていたのです。ほんの2〜3年ほど前まで。

いや、私だってその頃にはそう思っていました。

たとえば、ちょうど3年ほど前の 2010年 9月 23日の In Deep の 記事のタイトルは「NASA が発表した「2013年 太陽フレアの脅威」の波紋」でした。

solarflare-2010-2013.jpg


しかし、実際には今年 2013年の夏は、太陽フレアの活動も大きなのものはほとんどありません。

そして、すでに昨年の 2012年の時点で、下の過去記事のタイトルのようなこと言われはじめていました。下の記事は余談が多いですが、昨年 11月のものです。

「太陽の休止」の現実化: 2013年に最大を迎えると予測されていた太陽活動のピークがすでに終わった可能性を NOAA が示唆
 2012年11月06日








すでに4ヶ月間発生していないX級フレア


ところで、この夏、どのくらい太陽活動が静かだったかというのは、たとえば、どのくらいの規模の太陽フレアが発生していたのかということを調べてみてもわかるように思います。

太陽フレアは規模の大きさで上から「X」、「M」、「C」、「Bクラス以下」というようにわけられます。「X」が最大です。

これは NICT にその年の毎日の記録があり、そこから抜粋させていただきます。

赤い部分が「X」クラスのフレアが発生した日です。

2013-x-flare.png

NICT 太陽活動の現況より。


5月 16日にXフレアが発生して以来、約4ヶ月もの間、大きなフレアであるX級のフレアが発生していないだけではなく、黄色にも注目していただきたいのですが、Xフレアより弱いクラスの「M」クラスのフレアもほとんど発生していないことがわかります。



今年 2013年は現在までのすべてにおいて太陽活動が弱いです。

下は、今年の 9月 11日までのすべての太陽フレアの状況ですが、「赤」の部分は、すぐに数えられると思いますが、それがXフレアです。

9月 11日までの 2013年の太陽フレアの全状況

2013-all-flare.jpg



スペースウェザーの記事では「 2013年から 2014年に太陽活動が大きくなる可能性がある」というように書いていますが、それに対しては今では否定的な意見のほうが多いかと思います。

つまり、「太陽活動はこのまま増大しない状態で現在の太陽活動(サイクル 24)が終わるのでは」ということを考えるほうが確かに現状ではわかりやすいような気もします。


なお、上のスペースウェザーの記事で、


> 研究者の中には、太陽活動の最大期はふたつのピークを持っていると考えている科学者が少なくとも1人いる。


という言い方となっている部分がありますが、これは、多分、過去記事の、

「太陽に何か我々の予測できないことが起きている」: 太陽活動の今後についての NASA の物理学者の見解
 2013年03月03日

の翻訳でご紹介した記事に出てくる NASA ゴダード宇宙センターのディーン・ペスネルという太陽物理学者の人のことだと思います。

今となっては、この科学者の言っていることは時期としては否定されていますし、私自身もどうしてもそうは思えない部分がありますが、このような意見もあるということは思い出してもいいとも感じましたので、内容を短くして再度掲載します。





Solar Cycle Update: Twin Peaks?
NASA 2013.03.01

太陽活動サイクルについて: ふたつの峠が来る?


太陽に何か予測できないようなことが起きている。

2013年は、11年周期で訪れる太陽活動期での最大の太陽活動が予測されている。しかし、いまだに太陽活動は弱いままの状態で推移している。太陽の黒点数は2011年の数を下回っており、太陽フレアも強いものはほとんど発生していない。

この太陽の静けさは、予測官たちの予測ミスなのではないかという意見さえ出ているが、しかし、 NASA のゴダード宇宙センターの太陽物理学者ディーン・ペスネル博士には、異なる見解がある。

ペスネル博士は以下のように述べる。

「これは間違いなく太陽活動の最大期ですが、私たちの期待していたものと違うというように見えるということです」。

太陽活動は 11年周期の中で太陽活動が活発な時期と静かな時期を繰り返す。しかし、天文学者たちは「現実には太陽活動はもっと複雑だ」と言う。太陽黒点は、この何世紀にもわたってカウントされてきたが、その活動周期は、必ずしもいつでも規則的だったわけではない。過去を見ると、10年から13年の間で変動していた時期を見いだせる。つまり、太陽の活動サイクルの周期の幅は変化するのだ。

ペスネル博士は下のようにも語る。

「たとえば、1989年と 2001年頃の最期の太陽活動サイクルの極大期では、1つではなく、2つの太陽活動のピークを持っていました」。

ペスネル博士は、今同じことが起きている可能性があるという。

「2013年にもうひとつの太陽活動のピークが起き、2014年に終わると私は考えています」と、ペスネル博士は述べた。

現実には太陽に次に何が起きるかは誰にもわからない。それでも、 2013年は、その初頭よりも中盤にかけてのほうが太陽活動が活発になるという可能性は高いと考えられる。






(訳者注) この記事は今年3月のもので、記事の最後の「2013年の初頭よりも中盤にかけてのほうが太陽活動が活発になる」という部分に関しては、現時点で中盤を過ぎていて、その可能性は現実として否定されてしまった感じです。

いずれにしても、現時点では、急速に太陽活動が大きくなる傾向はないわけですので、太陽活動に影響を受ける地球の環境の部分でも、「太陽活動の小さいな時」と照らし合わせたほうがいいのかもしれないと最近は思っています。そして、そこを契機とする「長い太陽活動の休止の時期」に入っていくのかどうかということが、今後の数十年の地球を考える上で大事なことかもしれないです。



  

2013年08月08日



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solar-flip-topsn.jpg






 

地球は広大な「太陽圏の電流シート」と巨大な磁場嵐に包み込まれる


太陽の磁場の逆転、つまり太陽の磁場のポールシフトに関しては、一昨年以来、「いつ起きるのだろうか」というようなことを含めて、何度か記事にしていましたが、 NASA が公式に「近い」と発表しました。

あと3ヶ月〜4ヶ月くらいの間までには発生するだろうと見られているようですので、秋の終わり頃までには太陽の磁場が逆転するということになりそうです。

この太陽の磁場の逆転事態は約11年周期(今はこの周期が崩れてきていますが)の太陽活動としては正常な動きなのですが、留意したいのは、国立天文台などの観測によって、「現在の太陽磁場には異常が起きている」という可能性が高いということです。

すなわち、「太陽磁場の4極化」で、図でいえば、下の右側の「2012年の太陽」という状態となっている可能性があるということです。




上の状態について書きました過去記事は、

奇妙な太陽のポールシフトは太陽系全体に影響を与えるか?: 国立天文台が発表した「4極化する太陽磁場」
 2012年04月21日

国立天文台が「太陽の磁場異変の進行」を確認し、その状態が過去の「小氷河期」と類似していることを発表
 2013年02月05日


になりますが、今回の NASA の記事にはその「太陽の磁極の4極化」についてまったく触れられていませんでしたので、太陽の磁場の現況についてはわかりにくい面はあります。


しかし、もし仮に「太陽の4極化」が現在でも続いているというような場合、今までと同じ太陽活動周期で起きていたことと同じような「ごく普通の動きとなる」と言えるものなのかどうかは何ともいえない面がありそうな感じもしないでもない、というような感じもしないでもないです(どっちだよ)。


ちなみに、本記事には、太陽圏電流シートのような聞き慣れない言葉が出てきますが、太陽の磁場の反転の時の、地球が太陽磁場の反転で受ける「太陽圏電流シート」の影響を図で簡単に表しますと、下のような感じになるようです。

realtime_flarealert.jpg

The Extinction Protocol より。


この図などから見ますと、地球は太陽の磁場の反転によって磁場と電子の影響を大きく受ける、ということになるようなのですが、それがどのくらいの期間続くのかはよくわからないですし、その影響もわかりません。






太陽活動と地球の地震や火山の噴火などとの関係についての再考

ちょっと横道に逸れますが、先月、何度か出てきました『太陽活動と景気』という著作の中で、個人的に大変に驚く記述を見かけまして、少しそのことを書いておきます。

それは、「太陽黒点の変動と連動して、地球の表面の距離自身が変動しているかもしれない」というデータです。

下の図は、フランスのパリ国際時間研究所という機関の所長が計測した「パリ・東京」、「パリ・ワシントン」間の距離(経度)のグラフです。

stoico.png


上の図の意味しているところは、「パリ-東京間、そしてパリ-ワシントン間の距離が 11年周期の太陽黒点サイクルと連動して変動している」という、ちょっとにわかには信じがたいデータなのですが、これがもし本当か、あるいは再度実証できるのなら、「地球の表面の地殻は太陽活動と連動して動いている」ということが言えるかもしれなく、太陽活動と地殻異変の関係が、もしかしたら何かわかるのかもしれません。


それにしても、太陽については、その観測技術などについてはとても発達してきたわけですが、「太陽と人類の関係」についての学問についてはほぼ衰退してしまったというような感じがあります。

私は今となって「その理由」が何となくわかってきましたけれど、しかし、その根本的な理由はともかくとして、ごく一般的な理由として、「現在は、いわゆる科学者しか太陽のことを研究していない」ということがあることに、やはり『太陽活動と景気』の一節で気づかされます。

以下のような記述があります。

ちなみに、この著作を書いた嶋中雄二さんという方は、三菱UFJ証券参与・景気循環研究所長という立場にいる方です。


『太陽活動と景気』 第9章 コンドラチェフ・サイクルと太陽活動 より


今日の経済学者は、学問の細分化の影響を受けすぎたためか、経済問題を考える場合、経済変数だけか、あるいはせいぜい政治・文化・歴史・社会・技術といった周辺諸分野の知識のみで処理してしまおうとする傾向がある。

だが、 19世紀の経済学者は、けっしてそのような狭いアプローチでは満足しなかった。「経済学」( Economics )の名づけ親の一人でもあるジェヴォンズは、その半生を経済変動の周期性の研究に捧げ、ついにその原因を 11年の太陽活動周期に求めた。

いわゆる「太陽黒点説」の提唱者であり、 1870年代のことである。



何だかとても納得できます。

学問の細分化というのは、「専門」という意味では良い面もあったのかもしれないですが、科学の基本は「すべての根本はひとつ」という、エメラルド・タブレットなどにも通じる理念だと思う部分はありまして、「大局的に見る」ということは科学者であろうと、経済学者であろうと大事なことだと思います。いわゆる「学者」という肩書きのある方々は、そうであってほしいと願います。


というわけで、ちょっと横道に逸れてしまいましたが、 NASA のサイエンス・ニュースから太陽の磁場の反転についての記事です。





The Sun's Magnetic Field is about to Flip
NASA サイエンス・ニュース (米国) 2013.08.05


太陽の磁場が反転しようとしている


solar-flip2.jpg


大きな何かが太陽で起ころうとしている。

米航空宇宙局(NASA)からサポートされている観測施設からの測定値によると、太陽の巨大な磁場が反転しようとしているのだ。

「太陽が完全な磁場の反転をするまで、もはや、3〜4ヶ月もかからないように見えます」と、米国スタンフォード大学の太陽物理学者トッド・ホークセマ( Todd Hoeksema )博士は言う。

「この変化は太陽系全体に影響を及ぼすと思われます」。

太陽の磁場の極性の変化は、およそ 11年周期で発生する。それは、太陽の内側の磁気ダイナモを再編成する各太陽周期のピーク時に発生する。これからやって来る太陽磁場の反転は、サイクル24(第24太陽活動周期)の中間点にある。

私たちはすでに太陽活動周期の最大期の半分を過ぎた時点におり、そして、残りの半分の太陽活動最大期が控えている。

ホークセマ博士は、スタンフォード大学のウィルコックス太陽観測所( Wilcox Solar Observatory )の責任者だ。ウィルコックス太陽観測所は、太陽の極磁場を監視する世界でも数少ない観測施設となる。

地球の科学者たちが、地球の気候変動の兆候を地球の極地で観察するように、太陽物理学者たちもまた、太陽の変化の追跡に同じように極(磁極)を観測する。

ウィルコックス太陽観測所は 1976年から太陽の極磁場を追跡しており、それ以来、太陽は、太陽表面で3度の磁場の逆転を観測している。

太陽物理学者フィル・シェラー( Phil Scherrer )博士は、 「太陽の極磁場が弱くなり、そして磁場がゼロになった後、反対の極から再び磁場が出現するのです。これは、太陽活動周期の正常な動きのひとつです」と説明する。

太陽の磁場の反転は文字通りのビッグイベントだ。太陽の磁気の影響を受ける範囲を「太陽圏」とも呼ぶが、その範囲は冥王星をはるかに越え、太陽を中心とした数十キロ億メートルの範囲に広がっている。

太陽物理学者たちが、太陽の磁場の反転について語る時に、その会話の中には、しばしば「太陽圏電流シート」( heliospheric current sheet )の中心、という概念が登場する。


solar-flip1.jpg


太陽圏電流シートは、太陽が誘導磁場を回転させることにより電流を生じさせる、磁場の磁極が北向きから南向きに変わる太陽系の広大な面で、太陽圏内で赤道面上に広がっている。

そこには1平方メートル 0.0000000001アンペアの電流が流れている。弱い電流ではあるが、これが1万キロメートルの厚さで、数十億キロメートルという広大な範囲に広がっている。

太陽圏は、この巨大なシートを中心に構成されている。

磁場の反転時には、太陽圏電流シートは波状となり、私たちの地球もこの電流シートの中に浸されることになる。そして、別の面からの移動は、私たちの地球の周囲に宇宙嵐(磁気嵐)を引き起こす可能性がある。

磁場の反転は宇宙線にも影響を与える。

宇宙線は、銀河で超新星爆発やその他の激しい出来事によって、ほぼ光速に加速した高エネルギー粒子だ。宇宙線は、宇宙飛行士や宇宙探査の中で危険な存在であり、一部の研究者の中には、宇宙線が地球の雲の生成や地球の気候にまで影響を与える可能性があると言う人々もいる。

太陽圏電流シートは、宇宙線が太陽系の内側に侵入しようとした際に宇宙線の方向を曲げ、宇宙線に対するバリアとして機能する。電流シートは、深宇宙からやって来るこれらの高エネルギー粒子に対しての楯として機能する。

磁場の反転が近づくと、太陽の南と北の二つの半球のシンクロ(同調)が崩れることを、ウィルコックス太陽観測所のデータは示す。

「太陽の北極がすでに磁場の反転の兆候を見せ始めている時には、まだ南極は反転の兆候を見せておらず、後に追いついてくるのです」とシェラー博士は言う。「しかし、すぐに両方の極が反転を始めます」。

太陽の磁場の反転が始まった時には、ホークセマ博士とシェラー博士、そして研究チームは、一般にそのニュースを公開し、共有することになるという。




  

2013年07月26日



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宇宙も太陽も自分たちの中に存在しているという認識を持つ人類文明を夢見ながら

soho-angels.jpg



真実の太陽に近づくためには、太陽の変化が必要なのではなく、私たち人類の精神的変化が必要だと考える最近


少し前に、下のふたつの記事を書きました。

「真実の太陽の時代」がやってくる(1):私たち人類は何もかも太陽活動に牛耳られている
2013年07月11日

「真実の太陽の時代」がやってくる(2):私たちの太陽系は「尾」をなびかせながら宇宙を進んでいた
2013年07月14日


上の「1」のほうは、『太陽活動と景気』という本に掲載されていたおびただしい資料と近代の太陽に関しての学問の歴史を見ているうちに、「人類史と太陽との間のあまりにも密接な関係」いうものがわかってきたということを書いています。

「2」は、最近観測された「太陽系の全体の真実の姿が彗星と似ている」ということを記した記事でした。パンスペルミア説の多くでは、彗星が宇宙の中で生命を運搬すると考えられています。



▲ 上記記事「「私たちの太陽系は「尾」をなびかせながら宇宙を進んでいた」より。


そして、これらの記事に「真実の太陽の時代がやってくる」というタイトルをつけた意味なのですが、それは、太陽のほうに何か起きるというほうの意味ではなく、「太陽に対しての人間の考え方にきっと変化が起きてくる」という一種の希望をこめてつけたものです。


上の「1」の記事ではロシア宇宙主義の科学者であり、太陽生物学(ヘリオバイオロジー)という学問を提唱したチジェフスキー博士について、三菱 UFJ 証券参与・景気循環研究所長の嶋中雄二さんの著作『太陽活動と景気』の中に書かれてある下の部分を抜粋しています。


ロシアの科学者で歴史家でもあったA・L・チジェフスキーは、紀元前 600年にまで遡り、戦争、民族大移動、革命、流行病のような社会的大変動に及ぶ資料を72の国から集め、これら地球上の人間活動と太陽活動との関係を徹底的に調べた。

太陽の影響力は、彼によれば、個体から集団、群生に至る生物系のすべての組織レベルにおよんでいるとされた。

こうして、チジェフスキーは、地球上のあらゆる生物の発達は、太陽宇宙因子の直接的影響下に進んだものであり、人類もその例外ではないと考えた。彼は、戦争や革命など人間の不穏状態に関する徴候、あるいは「大衆の興奮も太陽の周期に従っている」とした。



上の中で、

> 戦争や革命など人間の不穏状態に関する徴候、あるいは「大衆の興奮も太陽の周期に従っている」


の部分に関しては、その相関グラフから明らかで、チジェフスキー博士は下の図を 1920年に発表しています。今から2年ほど前の記事「最近のカオスな太陽データから考えるいろいろなこと」に載せたものに注釈を加えたものです。

helio-1920.png

▲ オリジナルの論文は、 Cycles Research Institute に保存されています。


今、社会は全体として混沌としていますけれど、様々な要因はあるとしても、その最も大きな要因は「太陽」だと言って差し支えないと私は思います。

しかし、この響き・・・、つまり、「動乱や戦争の一番の原因が太陽」だなんてことは、今の人間社会の価値観では認められないし、もちろん、そんな報道もできないはずです。

その最も大きな理由は「人間が人間をコントロールしているのだ」という意識が、今の地球にはあまりに大きいからだと私は考えています。「エライのは自然ではなく人間である自分なのだ」と。

確かに、人間が人間を社会的にコントロールしていることも事実ですけれど、それが「大きな波」となって社会を変革や破壊するまでの大きさになるためには、地球の人間の精神状態や生理状態がいつもとは違う興奮状態にある必要があります。

もっとも、ある種の社会的指導者の人々の一部はこの「太陽と人間の仕組みを知っている」という可能性はあります。

911が起こされたのも太陽活動最大期でした。

・・・いや・・・そんな程度の話ではなく、歴代の人間による歴史的な事件のほとんどは太陽活動最大期に起きています。

下は4年前にクレアなひとときの「皆既日食と地震と1963年のことなど」という記事のために調べた、過去の太陽活動と世界の歴史的な大事件の発生の関係です。



・第5太陽活動周期(1790年前後がピーク) フランス革命(1789年)
・第6太陽活動周期(1805年前後がピーク) 神聖ローマ帝国の解体(1806年)
・第7太陽活動周期(1815年前後がピーク) ウィーン体制の開始(1815年)
・第8太陽活動周期(1830年前後がピーク) フランス7月革命(1830年)
・第9太陽活動周期(1838年前後がピーク) アヘン戦争(1840年)
・第10太陽活動周期(1850年前後がピーク) 太平天国の乱(1851年)
・第11太陽活動周期(1860年前後がピーク) アメリカ南北戦争(1861年)
・第12太陽活動周期(1870年前後がピーク) 独仏戦争(1870年)
・第13太陽活動周期(1885年前後がピーク) 甲申政変(1884年)
・第14太陽活動周期(1895年前後がピーク) 日清戦争(1895年)
・第15太陽活動周期(1918年前後がピーク) ロシア革命(1917年)
・第16太陽活動周期(1930年前後がピーク) 大恐慌スタート(1929年)
・第17太陽活動周期(1940年前後がピーク) 第二次世界大戦勃発(1939年)
・第18太陽活動周期(1948年前後がピーク) 第1次中東戦争(1948年)
・第19太陽活動周期(1958年前後がピーク) チベット動乱(1959年が頂点)
・第20太陽活動周期(1970年前後がピーク) ブレトン・ウッズ体制の終了(1971年)
・第21太陽活動周期(1980年前後がピーク) イラン革命(1979年)
・第22太陽活動周期(1990年前後がピーク) ソ連崩壊(1991年)
・第23太陽活動周期(2000年前後がピーク) アメリカ同時多発テロ(2001年)




何もかも「歴史的な争乱や変革」というのが、太陽活動の最大期に起きているのです。

この時期でなければ、それらは上の時ほど大きな動乱にならなかった可能性もあるかと思います。

なので、「仮に」、そういう事件や出来事が何者かによって仕掛けられていたものだとすれば、誘発させる「タイミング」は太陽の活動状況と照らし合わせていた可能性を強く感じます。





太陽を理解する時までに

現在の社会では、太陽と社会活動の関係は真面目な社会論の中で語られることはありません。

しかし、いつかは私たち人間はそこに向かわなければならないはずです。

太陽こそが私たち人間の活動の中心だということを認識するという方向に。



太古、さまざまな地域の人々は、太陽を神と崇め、あるいは神と崇めなくとも、太陽を中心とした生活を送っていました。

太陽が単に熱と光を与える「学問上の物体」という範疇を越えて、人間の生活の中心だったと思います。そして、太陽生物学のような近代の様々な学問も、「太陽と人間が一体化していること」を調査で明らかにしているのです。




▲ アステカ神話の太陽神トナティウ。神話では現在の太陽そのものの存在で、この神の舌(黒曜石のナイフ)が宇宙を形作る4つの要素と一致する時、現在の第5の太陽滅亡の日となるのだそう。過去記事「太陽黒点磁気スマイルと現在の太陽神トナティウ」より。


しかし、もっと重要なことは「私たち人間は太陽に単に支配されているわけでも、太陽に従属しているわけでもない」ということです。

なぜなら、太陽は宇宙の中にありますが、その宇宙の場所は最終的に「人間の中に存在する」ということを・・・まあ、以前たまに書いていましたが、なかなかわかりやすく書けないので最近は書いていませんけれど、いずれにしても、私自身は、宇宙は人間の中にあるということを理念ではなく、現実に考えています。

ところで、日月神示の「月光の巻 第25帖」という中には下のような記述があるそうです。
部分的な抜粋です。


肉体の自分と魂の自分との和合出来たら、もう一段奥の魂と和合せよ。更に、又奥の自分と和合せよ。一番奥の自分は神であるぞ。

山も自分、川も自分、野も自分、海も自分ぞ。草木動物 悉く自分ぞ、歓喜ぞ。その自分出来たら天を自分とせよ。天を自分にするとはムにすることぞ。



ここに


> 天を自分とせよ


とありますが、その状態に行き着けるかどうかとは別として、天が自分なら、「太陽はその中にある」ということにもなります。つまり、「自分の中に太陽がある」と。



何だか太陽のことを長々と書いてしまいましたが、また、先日、「太陽の天使」が NASA の太陽観測衛星 SOHO に撮影されていましたので、ご紹介しておきます。





繰り返し現れ始めた「太陽の天使」と呼ばれる光


その前のものも、過去記事の、

太陽の天使の再来
 2013年02月21日

より載せておきます。








今回のものは 7月24日の太陽観測衛星 SOHO の画像に写っていたものです。

sun-angel-20130724.jpg


実際の写真へは、 NASA の 20130724_0500_c2_1024.jpg にあります。

まあ、こういうものの正体はともかく、太陽と私たち自身の関係性に関しての「考え方」が変化していく社会を私たちの世代で見ることができるのかどうなのか。

若干諦めの気分が強いのは確かですが、多少の希望はまだあります。



  

2013年07月18日



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そして、人間が影響されるかもしれない太陽の CME の磁気が現在、続々と地球に到達している

yellow-stone-auroras-0715.jpg

▲ 太陽からの CME の太陽風の磁気で発生したオーロラを背景にしたイエローストーン国立公園。7月15日。Spaceweather より。






 


2013年も「太陽に何が起きているのだろう」と考える


なんとなく、 2009年、つまり4年前の NASA の太陽活動に関してのニュースリリースを読んでいました。

2009-nasa-predict.png

NASA 2009年 5月 27日の記事より。


この 2009年の頃は、太陽活動のピークは、 2013年 5月になると予測されていました。つまり、今の 2013年 7月というのは、すでに太陽活動の最大期を過ぎた頃となっているということになっていました。

さらには、その太陽活動のピーク時には、巨大な太陽フレアが次々と発生したり、巨大な CME (太陽からのコロナ質量放出)が地球に向けて噴出されたり、といったようなことが言われていたわけですけれど、実際には、太陽は、まだ活動の最大期に入ろうともしていません

このブログでも当時は2013年の太陽活動については、下のような感じでよく記事にしていました。

2010-nasa-flare.jpg

▲ 過去記事「NASA が発表した「2013年 太陽フレアの脅威」の波紋」より。


しかし、 2013年も半分を過ぎましたけれど、壊滅的な太陽フレアどころか、「大きな規模の太陽フレアそのものがほとんど起きていない」という状態となっています。


むかし、北野武監督の『キッズ・リターン』という映画がありましたが、そのラストの台詞は、共に夢破れた十代の青年同士が自転車に乗りながら、以下のように語るシーンで終わりました。


「俺たちもう終わっちゃったのかなあ」

「バカヤロー、まだ始まっちゃいねえよ」


kids1.jpeg


現在の太陽はそのような感じとなっているわけです(どのような感じとなっているのだ)。

思い起こせば、キッズ・リターンを観た時には劇場で涙が止まらなかったわけですけれど、太陽もあのように泣かせてくれるのかどうか。


この「太陽活動が予測通りに最大期に進まない理由」は、多分ですが、ふたつの理由が考えられるように思います。



太陽活動の周期が11年ではなくなっていること

ひとつは国立天文台などが以前観測した「太陽活動の周期がズレてきている」ということとの関係。これは、過去記事、

太陽に何が起きているのか : 太陽の異常に関する数々の報道
 2011年09月03日

に、当時の報道を載せたことがあります。

部分的に再掲します。

日本の太陽観測衛星「ひので」が、太陽の北極域で磁場が反転し始めた様子を観測することに成功したことに関する記事です。


地球環境に変動?太陽北極域で異例の磁場
読売新聞 2011年09月02日

太陽の北極、南極の磁場は約11年周期で反転することが知られているが、今回は予想時期より2年も早いうえ、南極域では反転が見られないなど異例の様相を呈している。

磁場の反転と、太陽の黒点数増減の周期は、通常約11年で一致していたが、2009年初頭まで続いた黒点の周期は12・6年に延びた。

研究チームの国立天文台 常田佐久教授は「観測されたことのない事態だ。地球環境との関係を調べるため、太陽活動を継続的に監視していく必要がある」と話す。



ということで、このことが現在でも起きていれば、太陽活動の周期は従来の「 11年周期」ではなく、 12年 6ヶ月周期ということになり、予測より1年から2年近く、そのサイクルが長くなることになります。

もし、そうだとした場合、太陽活動の最大期は 2014年から、さらには 2015年にまで達する可能性もあるということかもしれません。


しかし、「もうひとつの可能性」というものもあり、こちらはやや深刻な感じでもあります。



すでに太陽活動のピークが終わった可能性

これは昨年12月にアメリカ海洋大気庁( NOAA )が発表した内容を記事にしたことがあります。

それは、

2013年に最大を迎えると予測されていた太陽活動のピークがすでに終わった可能性を NOAA が示唆
 2012年11月06日

というもので、「太陽活動のピークはもう終わったのかもしれない」というようなことを示唆する内容でした。

sunspotcycle-2012-11-02.jpg

▲ 赤い線が予測されていた太陽黒点数の推移。2013年の夏に向けてピークを迎える予測でした。青い線は実際の太陽活動の動きで、2012年秋頃に最大値(それでも低い)を記録してから、下がり始めています。


もし仮に太陽活動のピークがすでに終わったとするならば、今回のサイクル 24での太陽活動は極端に「低い」活動だったといえそうなので、その太陽活動の弱さは今後の「小氷河期の到来」というような、かつてもあった時代(マウンダー小氷期)を想定させる部分もあるのですが、まあしかし、やはり 2014年になるまではわからないと考えたほうがよさそうです。


しかし、黒点数や太陽フレアなどから見る太陽活動はそれほど大きくないのですが、現在、太陽の影響での地球の「磁気活動」は活発です。



歴史から消えた「太陽と人間の関係」の科学的研究


先日、

21世紀も「太陽が暗くなる時」を経験するのか? : 全世界が地獄の様相を呈した6世紀と酷似してきている現在に思う
 2013年07月15日

という記事で、「地磁気が生物に与える影響」について書きました。

下のような資料などもいつくか載せました。

jiki-hos-002.jpg

▲ 1967年から 1972年まで、二つの病院に入院した 5000件の救急心臓症例を、毎日の地磁気活動指標と関係づけて、季節調整済で月次データとして比較したグラフ。


そして、上の資料などが掲載されている嶋中雄二氏著『太陽活動と景気』から、地磁気と人間の肉体と精神の関係に関しての文章を抜粋しました。


ちなみに、もともと大気中の電気量と人体の関係に着目したのは 1903年にノーベル化学賞を受賞したアレニウスというスウェーデン人科学者です。

アレニウスは気管支炎の周期的発作や、出生率など様々の「周期」を見いだしています。

ただ、アレニウスの時にはまだ「太陽」は登場していませんでした。

その後、ドイツ人研究者たちが磁気嵐と人間の自殺との関係を見いだしたり、アメリカの整形外科医が、精神病院への入院と太陽フレアの相関を見つけたりといった具体的なデータが次々と示し始められます。


その時の記事には書きませんでしたが、「太陽と血液凝固の関係」を最初に見いだしたのは、日本人科学者でした。興味深いので、少し抜粋してみます。


『太陽活動と景気』第6章 太陽活動と人間の生理 より抜粋

1951年に東邦医科大学の血液学者、高田蒔教授は、血液中のアルブミン水準を検査する指標である「高田反応指標」が太陽活動の変化により変動することを発見した。アルブミンは、血液の凝固を促進する有機コロイドである。

すでにそれ以前にも 1935年に、日本の科学者たちは、人間の血液凝固速度が太陽活動と関係していることを見いだし、太陽黒点が太陽の中央子午線を通過するとき、血液凝固速度は二倍以上に高まったと報告している。



これ、なんかすごいと思いませんか?

太陽黒点が太陽の中央子午線を通過するとき、血液凝固速度は二倍以上に高まった」ということは、そういうことが関係する病気は、太陽の動きと照らし合わせれば、予防とまではいかなくても、ある程度の「対策」程度にはなりそう。


・・・それにしても・・・なんでこれらの様々な有益な医学知識が現代社会からは消えてしまったんだ?とは素直に思います。


ちなみに、日本では、1966年に日本人科学者たちによって「交通事故と太陽活動の関係の計測」もおこなわれていたんです。結果として、「黒点数と交通事故数には明確に関連がある」ことがわかったんです(黒点数が多い時のほうが交通事故が多い)。

そんなこと私は今回の資料を読むまで知りませんでした。

上のすべての実験は、その国の一流の科学者たち、あるいは医学者たちによるものだったのに、なぜか今では一般的な知識としては残っていない。


なぜ?


あまり陰謀論が好きではない私ですが、どうも、このあたりにはいろいろと思ってしまう部分もあります。

それにしても、私がこの数年で知った「好きな概念」はどうも不遇な扱いを受けています。

それはたとえば、


チジェフスキー博士の太陽生物学だったり、
フレッド・ホイル博士のパンスペルミア説だったり、
ジョルダーノ・ブルーノの宇宙は無限説だったり。



これら、あるいは彼らはすべて「焼かれて」しまった。

チジェフスキー博士は当時のソ連のスターリン政権からシベリア送りにされ、フレッド・ホイル博士は受賞が確実視されていたノーベル賞を与えられず、ジョルダーノ・ブルーノは文字通り焼かれてしまいました。


まあしかし、それはともかく、上のほうに、1903年にノーベル化学賞を受賞したアレニウスという人の名前が出てきますがけれど、実はこのアレニウスが現代科学の中に「パンスペルミア説」という言葉と概念を登場させた人なんです。




▲ スヴァンテ・アレニウス(1859年 – 1927年)。


この世界的な化学者であるアレニウスこそが、宇宙塵(宇宙の塵)そのものが生命であると言及した「パンスペルミア始祖」とも言えます。

このあたりは、過去記事の、

宇宙塵自身が生命であることに言及した 100年前のノーベル賞学者の実験
 2011年05月07日

という記事の中に、エピソードで知るノーベル賞の世界というサイトからの抜粋がありますので、再度掲載しておきます。


アレニウスは、化学の分野のみならず、あらゆる科学にも通じていた。彼が貢献しなかった科学の分野はほとんどなかったとも言われているのだ。

彼は、宇宙空間を漂っている「生命の種子」を想定し、これが太古に地球上に降り注いだ可能性もあり、地球上の生命の発生にもつながったのではないか、とする「パンスペルミア説」(汎宇宙胚種説)なども提唱。

彼は、そうした生命種子は、「太陽風を受けて、秒速100Kmの速度で宇宙を旅してきた」とまで計算していたのだ。



アレニウスが残した数々の業績の中で、この「パンスへポルミア説」だけは、現代社会で無視されたまま現在に至っています。


まあしかし、公式にどうであろうと、今の世の中では、


地球の生命は宇宙からやってきた


ことと、


地球のすべての生命は宇宙と太陽と影響を相互にして生きている


と思っている人は、案外多いような気がします。


現代社会になる前の昔の日本なんかは、みんなそう考えていたはずですし。

じゃなきゃ、「八百万の神様」なんて発想は出てこない。

この「八百万の神様」という発想は、宇宙の無数の存在のすべてひとつひとつが神と呼ばれて差し支えないものだということだと思いますし。

お米ひとつぶと神様は同一である」という思想ですね。

それを自然に受け入れていたのですから、昔の日本人は大したものだと思います。




繰り返しやってくる太陽からの磁気の中で自分の何がどう変わるかを観察してみる


というわけで、ここまで長くなってしまったんですが、最初書こうと思っていたのは、ここ最近は繰り返し地球の地磁気が強くなる時がやって来ているということだったんです。

黒点数も多くはないし、大きな太陽フレアも発生させていないのに、太陽が CME を何度も地球に向けて放出しているのです。

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Science World Report より。


最近では、日本時間で、7月16日に地磁気活動のピークがあったようです。

そして、次は 7月19日頃に太陽風の影響を受ける見込みとなっています。


上にも書きました「地磁気と人類の心と体」に関係があるのだとすると、そういう時に、感情の爆発、体調不良、病気の発現、精神的なトラブル、人間関係のトラブル、暴力的な何らかの事象などが「増える」可能性はあると思います。


もちろん、具体的な現象となって見えてくるものではないかもしれないですが、個人的には「自分の精神状態」も含めて、世の中を見てみたいと思っています。

それと共に、皆さんも体もですけれど、「心」のほうもお気をつけ下さい。






  

2013年07月15日



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「資料、年輪、考古学資料のすべてが6世紀中期は、異常な悪天候に見舞われた時期だったことを指し示している。日光は薄暗くなり、地球に届く太陽熱は減少し、干ばつ、洪水、砂嵐が起こり、季節外れの雪と特大のひょうが降った」 (ディヴィッド・キース『西暦 535年の大噴火』)

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地磁気と地球の生物


先日の、

「真実の太陽の時代」がやってくる(1):私たち人類は何もかも太陽活動に牛耳られている
 2013年07月11日

という記事に『太陽活動と景気』という著作からグラフや一部の内容などをご紹介しました。

太陽活動が、人間活動の多くと関係していることを示したもので、 20世紀初頭のロシアで「太陽生物学」という学問を創設したチジェフスキー博士の活動などにもふれられています。チジェフスキー博士は下のような結論に達していたようです。


太陽の影響力は、個体から群生に至る生物系のすべての組織レベルにおよんでいる。

地球上のあらゆる生物の発達は、太陽宇宙因子の直接的影響下に進んだものであり、人類もその例外ではない。




チジェフスキー博士などの場合は、黒点数などから見る太陽活動から調べたものでした。

その一方、黒点数による太陽活動の他にも、太陽は CME (太陽からのコロナの質量放出)や、あるいはコロナホールなどからの太陽風とか太陽嵐などと呼ばれるものによって、地磁気などの「磁場」や「磁気」といったものの影響を地球に与えるわけですけれど、私は以前から、個人的に「この地磁気がどうもあるものと関係しているのではないか」と思い続けていました。




ヒトを心身共に攪乱する地磁気

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▲ 太陽と地磁気の関係についての一般的な説明。地磁気観測所より。


うちの奥さんは、数年前から介護と関わっていて、日々、多くのご老人たちと会うのですが、私は私で数年前から太陽に興味を持って、太陽フレアとか CME とか地磁気などのことについて、NICT 宇宙天気情報だとか、スペースウェザーなどで、日々の太陽の活動などを見ていました。

そして、奥さんの話す「その日のご老人たちの様子」の話を何度か聞いているうちに、


「磁気と人間の健康(心も体も両方)は関係あるのではないか」


と何となく思うようになっていました。

ご老人たちが倒れたり、入院したり、あるいは精神的に不安定だったり、といった話を聞いた時には、地球の地磁気が乱れていたり高かったりしていた時が多かったということがあるのです。

とはいえ、「そんなこと(地磁気と人間の健康と関係あること)は気のせいだろうなあ」と思っていたのですが、前述した『太陽活動と景気』に出ていたデータでは、「気のせいでもなさそうということが言えそうなのです。

下のグラフは、スリーヴァスターヴァという人物が、1979年に二つの病院に入院した 5000件の救急心臓症例と毎日の地磁気活動を 6年間分比較したものです。

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▲ 『太陽活動と景気』より。オリジナルの出典元はH・J・アイゼンク&D・K・B・ナイアス著『占星術 - 科学か迷信か』(1986年)。



さらに、少し違うものですが、地磁気と感染症について、下のようなグラフもあります。

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▲ オリジナルの出典元は、前田担著『生物は磁気を感じるか』(1985年)。


データの期間が長くないですので、地磁気以外の要因も考えられるかもしれないとはいえ、ここまで見事な相関グラフを描かれると、「何の関係もない」とは言いにくい部分はありそうです。

このあたりのことについて、『太陽活動と景気』から、その部分を抜粋します。
文中の「図 6-4」というのは上の「磁気活動と入院数」のグラフです。



第6章 太陽活動と人間の生理 「太陽活動と健康・精神」より抜粋


フランスの医師サルドゥーと天文学者ヴァロの二人は 267日間の期間をとり、心筋梗塞や卒中発作などが、黒点が太陽の中央子午線を通過したときに 84パーセントの確率で起こることを明らかにした。

マリンとスリーヴァスターヴァは、 1979年、こうした線に沿って、より長期間のデータでの分析を行った。

彼らは、 1967年から 1972年の6年間にわたって、二つの病院に入院した 5000件の救急心臓症例を、毎日の地磁気活動指標と関係づけた。季節調整済で月次データの比較を行った結果、彼らは、相関係数 0.4から 0.8の範囲の有意な相関を見いだした。図 6-4 は、その全般的結果を示したものである。

二人のドイツ人研究者、B・デュールとT・デュールは、 50年ほど前に、黒点、磁気嵐オーロラといった太陽活動と人間の自殺との関係について、太陽活動が特に活発な日には自殺が約 8パーセント増加することを見いだした。

1963年、アメリカの整形外科医R・ベッカーは、精神病院への入院が太陽フレアと相関していることを見いだした。後に彼は、地磁気の乱れと入院中の精神患者の行動の乱れとの間に、相関を見いだした。さらに、磁場や宇宙線の放射量が変化すると、患者の反応時間や課題遂行にも影響があらわれることを報告した。

中枢及び末梢神経系への地磁気の効果としては、精神病や神経反応との関係が調べられている。太陽活動や地磁気撹乱は、ヒトの精神活動を乱すことが知られており、精神分裂病の患者数は、約 10年の周期的変化を繰り返していることがわかっている。





これを読んで、「なるほど・・・」という思いがあります。

最近どうも世の中の出来事やヒトのすることが「くるっている」・・・というような感じを抱いていて、そのことについて書くことなどもありましたけれど、「太陽活動や地磁気撹乱は、ヒトの精神活動を乱すことが知られており」ということらしく、太陽活動最大期というものは「たくさんの人々がおかしくなって当たり前」というようなことも言える時期なのかもしれません。。


また、現在の太陽は「磁極が多極化」していますが、こういう現象は、少なくとも過去長くなかったことだと思いますので、「これまでとは違う太陽からの磁気の影響を私たち人類も、あらゆる動植物たちも受けている」のかもしれないようにも思います。



▲ 過去記事 「奇妙な太陽のポールシフトは太陽系全体に影響を与えるか?: 国立天文台が発表した4極化する太陽磁場」より。

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私たち人間もまた磁場を持つ

ところで、上で抜粋した章の後半に、下のような記述があります。


地磁気と生物との関係を考えてみれば、生物固有の「生体磁場」にも目を向けるべきかもしれない。

実際、麦などの植物の種子にも、数ガンマの磁場が発見されているが、最近では、ヒトにも磁場が存在すると考えられている。



とのことで、磁場はこの地球に生きている生物や、あるいは私たち人間自身にも存在しているということのようです。

これに関しては、TDK マガジンの「生体磁気を観測する」というページに、


科学的解明が進んでいない生体磁気は、DNAの塩基配列とともに、解読が待たれる人体最後のヒエログリフ(神聖文字)ともいえる。



というようなことが書かれていました。

簡単にいうと、「地球も太陽も人類も、とにかくこの宇宙にあるあらゆるものは自分の磁場を持っている」ということが言えるのかもしれず、それは多分、相互に影響し合っているものなのだと思われます。

この「宇宙と人間の磁場による相互作用」というのは、どうもオカルト方面ではなく、わりと正当な科学のほうでそのうち解決していきそうな感じの問題のようにも思います。


ここまで書いていたことはタイトルとあまり関係ないのですけれど、ここから少し関係します。

上のような「病気と太陽の関係」の相関図をみているうちに、以前、記事にしたことがある「西暦 535年から起きたこと」にも、太陽活動が関係していたのではないかと感じたりしたのです。




過去 2000年の中で最大の天変地異と社会的な危機に見舞われた6世紀と現在の時代の比較


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デイヴィッド・キーズという英国のジャーナリストが書いた「カタストロフィー」(邦題『西暦535年の大噴火』)という著作があるのですが、その中には6世紀に全世界で発生した異常気象、そしてやはりほぼ全世界で流行した伝染病の原因が研究されています。

著者は、

「 535年に何らかの大災害が起き、それによって世界全体でその後の数年から十数年、深刻な気象変動が発生した」


と考えるに至り、その原因として考えられる3つの要因として、


・インドネシアのクラカタウ火山の大噴火
・小惑星の衝突
・彗星の衝突



のどれかが起きた可能性を上げて、そして、この中ではクラカタウ火山の大噴火の可能性が最も高いのではないかとする内容でした。


それらについては、過去記事の、

西暦 541年の東ローマ帝国でのペスト襲来に関してのヨーアンネースの記録
 2012年09月20日

ウイルスの流入の繰り返しでDNAの進化をなし得てきた人類をサポートする「宇宙と火山」
 2012年09月23日


などに記したことがあります。そして、最近、『太陽活動と景気』にあるグラフを見ているうちに、6世紀の感染症の大流行にも太陽活動が関係していたのではないかという気がしたのです。


ちなみに、西暦 535年から 536年のあいだの1年間というのは、当時の歴史家の記述によると下のような状態だったようです。


歴史家プロコピオスの西暦 536年の記述より

昼の太陽は暗くなり、そして夜の月も暗くなった。太陽はいつもの光を失い、青っぽくなっている。われわれは、正午になっても自分の影ができないので驚愕している。太陽の熱は次第に弱まり、ふだんなら一時的な日食の時にしか起こらないような現象が、ほぼ丸一年続いてしまった。月も同様で、たとえ満月でもいつもの輝きはない。



この「太陽が暗くなった原因」というものが、本当にひとつの国での火山噴火だけで説明できるのだろうかという気は以前からしていました。そして、火山噴火の影響による災害が、干ばつから洪水から、あるいは伝染病の世界的な流行にまで及ぶものだろうかとも思います。


それはともかくとしても、この後、6世紀にはほぼ全世界を異常気象と、伝染病の大流行が覆います。ヨーロッパの各地ではペストの大流行があり、アジアでも天然痘と思われる病気の猛威が吹き荒れました。

日本でも 530年代に発生した天然痘だと考えられる大流行は大変なものだったようで、デイヴィッド・キーズの著作には以下のような描写があります。


『西暦 535年の大噴火』より


異常事態が起こった。ひどい伝染病(おそらく天然痘)が日本で発生したのである。多くの人びとが亡くなった。日本では何世代も前から天然痘が流行したことはなかったので、免疫もほとんどなかったに違いない。

「国に疫病がはやり、人民に若死にする者が多かった。それが長く続いて、手だてがなかった」と『日本書記』には書いてある。

伝染病が流行した地域は、おそらく人口密度の高い地域だったのだろう。そうした地域では、人口の六割が死亡したと推定される。とくに被害に大きかった地域では、住民の九割が罹患し、生き残れたのは三割だけだったと思われる。




記録に残る上では、日本でこのような激しい伝染病の惨禍は、その後は1918年のスペイン風邪の流行までなかったのではないかという気もします。


上でふれました『太陽活動と景気』の中にある下のような「病気と地磁気の関係」

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を見ますと、当時、確かに火山の噴火、あるいは彗星などの衝突など何かの大きな自然災害があったとは思いますが、同時に、太陽活動にも何か極めて異常な磁気活動が起きていたのではないかという気もするのです。


太陽活動の観測が始まったのは 1600年代ですので、6世紀の太陽活動の状態を知ることは無理っぽいですが、535年からの数十年間というのは、世界中が混沌とした時代だったことは明らかで、それも、経済や戦争などの方面の混沌ではなく、


・天変地異と異常気象
・病気の流行



なのですが、どうも読み直してみると、当時の時代と、ごく最近の時代が「起きていることが似ているような気がする」のです。


ただまあ、それは私だけがそう感じただけかもしれませんので、上記したデイヴィッド・キースの著作から当時の世界の自然現象をまとめた部分からアジアを中心として、かなり飛ばし飛ばしですが、抜粋してみたいと思います。






6世紀中期の気象異変
デイヴィッド・キース著『西暦 535年の大噴火』 第9章「いったい何が起きたのか」より


「太陽から合図があったが、あのような合図は、いままでに見たこともないし、報告されたこともない。太陽が暗くなり、その暗さが1年半も続いたのだ。太陽は毎日4時間くらいし照らなかった。照ったといっても、実にかすかだった。人々は太陽が以前のように輝くことは2度とないのではと恐れた」

これは、わが地球が 535年から 536年に遭遇した運命について、6世紀の歴史家で優れた教会指導者だった「エフェソスのヨーアンネース」が書いた言葉である。この終末論的な文章は、彼の偉大な歴史書『教会史』第二巻に収載されている。

(中略)

異常現象は、地球の反対側でも記録されていた。『日本書紀』によれば、天皇は詔の中で飢餓と寒さを憂えていた。

中国でもこの天災は年代記に詳述されている。 535年に、中国北部で大干ばつが生じた。『北史』はこう伝えている。「干ばつのため勅令が下された。『首都長安とすべての州以下各地域にいたるまで、死体は埋葬すべし』という内容だった」

この干ばつはすぐさま厳しさを増し、通常なら豊穣ないし、ある程度豊穣な耕地が何十万、何百万平方キロメートルも干上がってしまった。資料は、大規模な砂嵐が猛威を奮い始めたことを記している。

すなわち、 535年の 11月 11日から 12月 9日、南朝の首都だった南京に、空から砂ぼこりが大量に舞い降りてきたのだ。「黄色い塵が雪のように降ってきた」

『北史』によれば、干ばつの悪化に伴い、中国中部の陝西(せんせい)地方では 536年に人口の7〜8割が死亡した。人々は人肉を食べざるを得なかった。

何ヶ月か経過するうちに、天候はますます奇妙になってきた。『北史』の記述によると、 536年 9月には中国北部の各地でひょうが降り、「大変な飢饉になった」。

537年 3月になると、中国北部の9つの地域であられが降り、干ばつが発生した。538年に入ると干ばつは終焉を告げたが、気象異変は依然として続き、今度は大洪水が何度も発生した。この年の夏には「カエルは樹の上から鳴いていた」と記されている。車軸を流すような豪雨だったのだ。

朝鮮半島でも事態は急を告げていた、 535年から 542年は、前後 90年間( 510- 600年)で最悪の天候が続いたと記録されている。

6世紀中期の気象異変は、アメリカにも、ロシアの草原地帯にも、ヨーロッパ西部にも、そして、その他の地域にも影響を及ぼした。だが多くの地域は記録を残していない。

(中略)

ほかにも、6世紀中期の気象異変を伝える資料としては、年代的にそれほど精密とは言いがたいが、川の氾濫、湖面の高さ、そして考古学的調査結果がある。特に劇的だったのは、現在の南米コロンビアのサン・ホルヘ川流域の低地の調査で、それによると、過去 3300年間で洪水時の水位が最低だったのは6世紀中期だった。

さらには、メキシコのテオティワカンの人間の骸骨は、6世紀中期から末期に大飢饉がこの都市を襲い、その直後にこの都市が滅亡したことを強烈に示唆している。

ペルーでは、考古学的な証拠が6世紀の異常事態を示していた。つまり、ナスカ文化が地下水路を必死に建設した事実である。

アラビア半島のイエメンでは、540年代に巨大ダムが大洪水で決壊した。

(中略)

資料と年輪、それに考古学資料のすべてが「6世紀中期は、異常な悪天候に見舞われた時期だった」ことを指し示している。日光は薄暗くなり、地球に届く太陽熱は減少し、干ばつ、洪水、砂嵐が起こり、季節外れの雪と特大のひょうが降った。





ここまでです。

この中に出てくる「干ばつ」、「洪水」、「豪雨」、「ひょう」、「砂の嵐」など、他の様々も含めて、あまりにも激しい自然の異常現象は今の地球がリアルタイムで経験していることであることは事実です。それに関して「似ている」と感じた次第なのですが、ただし、まだ起きていないことがあります

それはまだ、「太陽は暗くなっていない」という事実です。

西暦 535年に太陽が暗くなった原因はわかっていませんが、私たちも「暗い太陽」というのを見ることになるのかどうなのか。






  

2013年07月14日



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関連記事:
「真実の太陽の時代」がやってくる(1):私たち人類は何もかも太陽活動に牛耳られている
2013年07月11日






 


太陽系もまた彗星のように生命を運搬する役割なのかも


私たちの天の川銀河の中での太陽系(あるいは太陽圏)の位置というのは、銀河を上から見たような形でいえば、下のあたりにあるとされています。

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▲ 名古屋市科学館サイト「銀河系と天の川」より。



太陽系が移動しているということもまた、何となくですが知ってはいることで、その速度に関しては、 2012年 5月のナショナルジオグラフィックのニュースによりますと、時速 8万 3700キロということになるそうで、かなりの高速で移動しているようです。

時速 8万 3700キロとサラリと書きましたけれど、これがどのくらいの速さかというと、たとえば、地球の直径は下の通り、1万 2700キロ程度。

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地球の直径の2倍以上の距離の時速で移動しているのです。

それでも、何となく私たちの頭の中にある太陽系の移動のイメージは下のような感じで「円のままスーッと動いている」ような状態を想定しているような感じは、少なくとも私にはあります。

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しかし、実際には太陽は下のように移動していたのでした。


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NASA には太陽圏を観測する星間探査衛星 IBEX というものがあり、星間境界、つまり太陽系の中と外の状態などを観測するために打ち上げられた衛星なのですが、その観測のデータ解析により上のことが明らかになりました。

7月12日に NASA はニュースリリースと同時に、イメージ動画も YouTube に発表しています。下は、その中からの抜粋です。実際には音楽が入っているわけではありません(苦笑)。


太陽系の尾



▲ NASA がリリースしたオリジナル動画はこちらにあります。



太陽系がこういう「尾」を持って高速で移動しているという状態を見ると「太陽系自身もまた彗星の役割を持つものなのかもしれない」ということを考えさせてくれます。

「彗星の役割」はパンスペルミア説では宇宙での生命の運搬です。

そして、役割と同時に、宇宙の遠くの他の地点から見れば、太陽系というのは案外、下のようなものに見えているのかもしれないなあと思ったりもいたします。

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太陽系が彗星なら、太陽系と共に移動する私たち人類にも「太陽系と同じ意味」があるのかもしれないと思ってみたり

そして、パンスペルミア説で言われるように「彗星が生命を宇宙にもたらしている」とすれば、太陽系も、そして太陽系の中にいる私たち人類もその太陽系という巨大な彗星の中の生命の一員であることは間違いないわけで、あるいは、生命に溢れたこの地球も、太陽系と共に銀河全体に生命を運搬し続けているものなのかもしれないとも思います。

最近の私は、

「どうして自分はこの世にいるのだろう」

ということを考えることが多いですけれど、自分には宇宙の中の生命の運搬役の末端としての役割もあるのかもしれないと思うと、そこにかろうじて「存在の理由」も何となく見いだせるのかもしれないと思ったり。

何しろ、私たちは太陽系と共に、1時間で8万キロメートルも宇宙の中を動き続けているわけですから。

全部その中でやっている。

ご飯を食べたり、恋をしたり、戦争したり、すべてその中でおこなわれています。時速8万キロの移動の中で。


まあ、そんなわけで、今回は、この「太陽系の尾」が観測されたことについて NASA のニュースリリースからご紹介したいと思います。

ところで、太陽の話題のついでに、小さな余談を。





これも例の太陽に向かう天使?


今年2月に、

太陽の天使の再来
 2013年02月21日

という記事を記したことがあります。

これは 2013年 2月 20日と、昨年の 2012年 10月 15日に太陽観測衛星に、「天使のような形」の同じようなものが写っていたというものでした。それが光などの何らかの現象なのか、あるいは何かの物体なのかはわからないですが、写っていたことは確かでした。

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そして、3日ほど前の 7月11日に、また「少し似たようなもの」が、やはり太陽観測衛星 SOHO の画像に写っていました。

20130711_angel-01.jpg



上の丸の部分で、拡大しますと、下のような感じです。

0711-angel-02.jpg


写真のリンクは SOHO のこちらとなります。


このことは、まあ一応続けて今までご紹介していることですので、簡単にふれておきました。

では、ここから「太陽系の尾」に関しての NASA のニュースリリースです。






NASA’s IBEX Provides First View Of the Solar System’s Tail
NASA 2013.07.10

NASAの星間観測衛星 IBEX は「太陽系の尾」の最初の観測を提供する


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長い間、私たちの太陽系は、彗星のような尾を持っているだろうと仮定されてきた。

それは、たとえば、地球の大気を通過する流星や彗星が尾を持っているように、別の媒体を介して移動する物体がその後部から粒子による流れを発生させるように、太陽系も彗星のような尾を持つのではないかという仮定があったのだ。

しかし、私たちの太陽系を包む泡である太陽圏と呼ばれる領域はこれまで観測されたことはなく、その尾も観測されていなかったが、太陽系と星間宇宙との境界付近の全領域を観測するために打ち上げられた NASA の星間境界探査衛星 IBEX が、以前は可能ではなかった「太陽圏の尾」のマッピングのデータを提供したのだ。

科学者たちは The Astrophysical Journal (天体物理学ジャーナル)で、2013年7月10日にその論文を発表した。その中で、この尾について説明されている。

科学者たちは、 IBEX によって観測された3年間の観測画像データを組み合わせ、高速と低速移動する粒子の組み合わせを示すことにより尾をマッピングした。

「中性原子を調べることにより、 IBEX はヘリオテイル( 太陽圏の尾)の最初の観察を行ったのです」と、 IBEX プロジェクトのディヴィッド・マッコマス主任研究員( David McComas )は述べる。

「これまで、太陽圏が尾を持つという可能性は示唆されてきました。しかし、私たちには観測することができなかったのです」。

今回、太陽圏の境界での衝突によって作成された中性粒子を測定することにより、このような領域をマッピングすることができたという。

このテクノロジーは、高エネルギー中性原子イメージング( energetic neutral atom imaging )と呼ばれ、中性原子の動きは太陽磁場の影響を受けないという事実に基づいている技術だ。その結果、中性粒子がどこから来たのか観察することができる。



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中性原子を使って、IBEXは地球の軌道から遠くの構造を観察することができる。 IBEX は全天をスキャンするので、太陽圏の持つ尾は、天の川銀河での私たちの位置を理解するために重要なもので、これはそのための最初のデータとなる。

NASA のエリック・クリスチャン( Eric Christian )氏は以下のように述べた。

「この尾は、天の川銀河の中を私たちが辿ってきた足跡です。私たちがその構造の一端を理解し始めたことは大変にエキサイティングなことだとです。次のステップは、私たちの宇宙モデルにこれらの観測を取り入れ、私たちが本当の太陽圏を理解するプロセスを開始することです」。






  

2013年07月11日



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「地球上のあらゆる生物の発達は太陽宇宙因子の直接的影響下に進んだものであり、人類もその例外ではない」(A・L・チジェフスキー)








 


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▲ 太陽系は彗星のように「尾」を持っていることが、NASA の星間境界観測機 IBEX の観測によってわかりました。NASA によるイメージ図。YouTube NASA チャンネルより。この記事については、現在翻訳していまして近いうちにご紹介できると思います。





今日、明日は太陽についての記事を書こうと思います。
ひとつは最近知った、「太陽と人間の関係」についてのこと。

もうひとつは、上の図に示した「太陽系の本当の姿がわかった」というものです。

最初はこのふたつをまとめてひとつの記事にしようとしたんですが、どうも書いているうちに、長すぎるものとなりそうでしたので、上の「尾を持つ太陽系」については、「私たちの太陽系は彗星のように「尾」を持って移動していた」というような感じのタイトルで明日以降、翻訳してご紹介したいと思います。

NASA のリリースは NASA’s IBEX Provides First View Of the Solar System’s Tail (NASA の星間境界観測機 IBEX が初めて太陽系の尾の姿を見せてくれた) にありますので、興味のある方はどうぞ。


太陽といえば、実はこの数日、大きな黒点群が地球面に向いています。活動そのものは強くはないのですが、今出ているその黒点群は肉眼でも見えるほど大きなものです。

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Spacceweather より 7月10日の夕焼け。白く囲んだところが黒点群 1785。英国セルジーから撮影。







数日前に偶然手にした「太陽に関しての本」が教えてくれたこと


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▲ フレッド・ホイル博士とチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士が、1990年にネイチャー誌に発表した「太陽黒点数サイクルとインフルエンザの流行」のグラフ。著作『太陽活動と景気』からのものです。



今回は太陽の話題なんですが、少し前に偶然、古本屋で買った本が、結果として私にとってとても貴重な買い物となったということがありました。

それは、日経ビジネス文庫というところから出ている『太陽活動と景気』というタイトルの本で、最初に書かれたのは 1987年だそうで、2010年に改訂して文庫として出版されたもののようです。

書いた人は嶋中雄二さんという方で、著者紹介を見ると「三菱 UFJ 証券参与 景気循環研究所長」という物々しい肩書きで、まるでビジネス書のように感じるかと思われるのですが、この本は・・・というか、この嶋中さんという方は「太陽に取り憑かれている人」だと感じます。

その資料の膨大さと出典元はインターネットなどで探し出せるような安易なものではなく、壮絶ともいえる「太陽と人間の関係の記録」の総まとめのようなものなっている本です。

もともと古本屋で買った理由が、パラッと開いたページにロシアのチジェフスキー博士の名前とその研究が出たり、その少し先には、フレッド・ホイル博士チャンドラ・ウィクラマシンゲ博士の名前も出てきたということがありました。


フレッド・ホイル博士は、このブログに何度も何度も出てくる方で、パンスペルミア説を現代科学の最大の見地で研究し続けた方です。最近の記事では、

「私たちはひとりではない」と語り続けるチャンドラ博士が隕石から見つけたエイリアンの化石
 2013年01月25日

という記事の最後のほうに、フレッド・ホイル博士とチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士が 1986年におこなったハレー彗星に関しての共同研究に関しての文章を載せています。

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▲ フレッド・ホイル博士(右の白髪の人)と、英国カーディフ大学時代のチャンドラ博士(左)。


ロシアのチジェフスキー博士は、ロシア宇宙主義という思想の中で「太陽生物学」という学問を切り開いた人物です。最近の記事では、

私たちに残されたかすかな「破局の回避」の可能性のために(1): 「人類のひとりと宇宙は同一のもの」
 2013年03月24日

などで取り上げたことがあります。


『太陽活動と景気』には、チジェフスキー博士の研究や、それと関係する資料もいくつか掲載されています。下は、太陽生物学の見地から調べた「デンマークにおけるコレラでの死者数と太陽活動の変化」をあらわすグラフです。

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▲ 図にある「ウォルフ数」とは、ウォルフ黒点相対数のことで、太陽表面に存在する黒点と黒点群の総量を計測、数値化したものです。


上に載せたフレッド・ホイル博士のインフルエンザの流行と太陽黒点数の相関関係といい、上のコレラと太陽活動の関係といい、あるいは、『太陽活動と景気』の中におびただしく出てくる様々な資料は、病気を含めて、「きわめてさまざまな範囲にわたって、人間の活動と太陽活動の動きは一致している」ということが言えると思います。

太陽活動と人間関係に興味のある方はぜひこの『太陽活動と景気』をお読みいただくといいと思います。グラフを見ているだけでも面白いです。 Amazon に新刊も古本もあります。

ところで、その『太陽活動と景気』には下のような図もありました。

solar-loving.jpg

なんと、結婚の数と太陽黒点活動の推移です。
比較的短い期間の集計データですが、ほぼ一致している。

「結婚や恋愛も太陽に牛耳られていたとは!」

という何となく「ヤラレタ」思いがしたものでした。

そういえば、私も今の結婚をしたのは、サイクル23の太陽活動最大期の頂点だった 2001年の夏でした。その直後にアメリカで 911が発生します。





チジェフスキー博士のこと




▲ 20世紀初頭に「黒点と人間の精神活動」の研究をはじめとして、「地球上の生命現象が宇宙の物理的な現象とつながっている」ことを発表したロシアのアレクサンドル・チジェフスキー博士(1897 - 1964年)。


先にリンクしました過去記事「私たちに残されたかすかな「破局の回避」の可能性のために」や、あるいは昨年の記事、

太陽と宇宙線と人類の関係の中で浮かび上がる 1900年代ロシア宇宙主義の科学
2012年06月22日

などで、チジェフスキー博士のことについて少し書いたのですが、彼に関して詳しいことは知りませんでした。

そのチジェフスキー博士の経歴や、研究についてのことが『太陽活動と景気』に書かれていたのです。彼はその学問のせいで、当時のソ連のスターリンにシベリア送りにされていたということも初めて知りました。

チジェフスキー博士のことを知ったことも、また私にとっては、この本が大変に貴重なものとなった意味でもあります。

その部分を抜粋しておたきいと思います。
なお、漢数字は英数字に変換しました。






チジェフスキーと太陽生物学
嶋中雄二著『太陽活動と景気』 第6章「太陽活動と人間の生理」より


1915年から24年にかけて、ロシアの科学者で歴史家でもあったA・L・チジェフスキーは、紀元前 600年にまで遡り、戦争、民族大移動、革命、流行病のような社会的大変動に及ぶ資料を72の国から集め、これら地球上の人間活動と太陽活動との関係を徹底的に調べた。

彼は、1764年から1900年に至るペテンブルグ、1800年から1900年にかけてのロシアの総死亡率を分析し、それらが太陽黒点周期と一致していることを見いだした。また彼は、ペストをはじめ、コレラ、インフルエンザ、回帰熱、脳脊髄膜炎、ジフテリアその他の伝染病、それに病害虫といったものが、いずれも太陽活動と驚くほど対応していることを発見した。

チジェフスキーは、ペストの流行は6世紀以来、太陽黒点が最小のときに比べて最多のときには、約二倍も多く生じていると主張し、この原因を太陽からの有害な放射線(たとえば紫外線)の増減に求めた。

太陽の影響力は、彼によれば、個体から集団、群生に至る生物系のすべての組織レベルにおよんでいるとされた。

そして彼は、動物の血液、リンパ液、原形物質等のコロイド電気変化が、太陽活動の変化やバクテリアの成長と平行関係にあることを突きとめた。こうした研究の延長線上で、後に、太陽活動の最盛期の年には、ジフテリア菌の毒性が減少し、あたかも無害なバクテリアのようになってしまうことも発見された。

こうして、チジェフスキーは、地球上のあらゆる生物の発達は、太陽宇宙因子の直接的影響下に進んだものであり、人類もその例外ではないと考えた。彼は、戦争や革命など人間の不穏状態に関する徴候、あるいは「大衆の興奮も太陽の周期に従っている」とした。

チジェフスキーによって先鞭をつけられたこの「太陽生物学」(ヘリオ・バイオロジー / Helio-biology )は、その後ロシアの科学者の間で支持され、研究が盛んとなっていったのだが、西欧やアメリカではあまり受け入れられず、今日に至ってもなお、受け入れられていない。とはいえ、あまりにも斬新で意表をつくような彼の研究は、当時のソ連でも反発を買い、彼自身はスターリンによりシベリアへ送られ、フルシチョフの時代にやっと釈放されている。

これは、チジェフスキーの説が正しいとすると、歴史の大変動の背後にあるものは、唯物弁証法よりもむしろ太陽であることになってしまうからであった。

チジェフスキーは次のように書き記している。

「病気や死の転帰を誘発するのが宇宙や天地間の現象である、という推測は妄想であってほしい。だがもとより妄想などではない。すでにむしばまれている個体をおそってこれを打ち倒す、例の外部の要因としての衝撃であるかもしれないのだ」。





(編者注) このチジェフスキー博士も、当時のソ連によってシベリア送りになっていたということに衝撃を受けました。

今まで私がこのブログで取り上げた好きな科学者たちはことごとく「焼かれてきた」という歴史があります。

「それは真実ではないのだろうか」というようなことを研究していた科学者の数々、たとえば「地球の生命は宇宙からきた」ことや「ビッグバンは存在しない」と主張し続けたフレッド・ホイル博士や「宇宙は無限である」と主張していたジョルダーノ・ブルーノなどのような人々の多くは「焼かれて」しまいました。そのあたりは過去記事の、

現代のジョルダーノ・ブルーノを作り出さないために
 2012年03月01日

バチカンの希望の砦は「宇宙人という神」の登場
 2011年11月01日

などにも書いたことがあります。

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チジェフスキーが当時のソ連の政権からシベリア送りにされ、さらにはその後の西欧の科学界で完全に無視されているというところにも同じ「焼かれる理由」を感じます。

そして、それ以上に、一部の人たちにとっては、「太陽が人間に最も影響を与えている」という考え方は都合の良くない学問なのかもしれません。人間に影響を与えるのは「太陽ではなく人間」というふうに政治家も、あるいは科学者もメディアなどもそう思いたいのだと感じます。

太陽生物学がその後の西側諸国で学問としてまったく相手にされなかった理由も、そのあたりにありそうです。何しろ、チジェフスキー博士の主張を裏付ける資料は「いくらでもある」のに、再考されることがない。

しかし、いくら焼かれ続けても、真実の思想、あるいは真実ではなくとも、その人(ここでは私)にとって素敵な思想というのは永遠に残るものだと思いたいです。

そういう意味で、今回、偶然この『太陽活動と景気』という本を手にしたことは大変ラッキーですし、また、こういう本を書かれていた方がこの日本にいたのだということも嬉しく感じます。





  

2013年06月30日



In Deep のトップページは http://indeep.jp に移転しました。よろしくお願いいたします。





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▲ 6月28日の太陽フレアによる CME (コロナ質量放出)の磁場の影響で、各地で見事なオーロラが観測されています。上の写真は米国の南東にあるサウスダコタ州で撮影されたもの。 Spaceweather より。






 


急減した宇宙線の下の地球でしばらく生きていく私たち


最近は、金融のことが気になっていたりして、1日に一度くらいはチャートなどを見るのですが、現在、「暴落」といっていい状態となっているのは金(ゴールド)の価格で、これはかなりのもので、ウォールストリートジャーナルの昨日の記事の見出しだけでも、いろいろなことが起きているということが何となくおわかりかと思います。


金価格、4-6月期は25%下落 - 過去最悪の下落率
ウォールストリート・ジャーナル 2013.06.29

金価格は 6月28日、寄り付きの下落から週末を控えた買戻しで1トロイオンス=1200ドル台を回復したが、4-6月期の下落率は約25%に達し、1970年代に現在の形の金取引が始まって以来、最悪の四半期下落率となった。(以下略)



この場合は四半期で 25パーセント下落したということになっているわけですが、下のチャート(?)は、6月28日に瞬間的に 14パーセントほどの急落を見せています。

cr-0628-02.png


これは何のグラフかというと「宇宙線の量」なんです。


ゴールドの話とは全然関係ないですが、「急落」同士ということで何となく並べてしまいましたが、上のグラフは、これまでも何度か取り上げたことがあります、宇宙線の観測所のあるフィンランドのオウル大学の宇宙線リアルタイムグラフの一昨日の現象です。

1ヶ月単位などのグラフを見ると、これがいかに「唐突」な急減だったかがわかります。下のものがこの1ヶ月のグラフです。

cr-0628.png


以前、宇宙線の急減について取り上げた記事に、


太陽活動で急減を見せた宇宙線と「ハートのコロナ質量放出」
 2012年01月27日


というものがあり、そこで載せたグラフは下のものでした。




ここでも宇宙線量は急減していますが、全体で 5パーセント程度であることと、曲線の角度が違います。


なお、地球に到達する宇宙線の量が「急に増えたり減ったりする」ことの原因は基本的には「太陽活動」にあると考えていいと思われます。

太陽活動による磁場の要因です。

簡単な図式としては、


・太陽活動が強くなると、宇宙線の到達する量は「減る」

・太陽活動が弱くなると、宇宙線の到達する量は「増える」


ということがいえると思うのですが、では、今回の「一瞬にして10パーセント以上も急減」した要因は何だったのか。それはやはり太陽だったのですが、それに関して、6月28日のスペースウェザーの記事をご紹介しておきます。


EARTH-DIRECTED CME
Spaceweather 2013.06.28

地球に向かう CME (コロナ質量放出)


6月28日はふたつの太陽フレアで始まった。太陽黒点群 1777と 1778の周囲にある磁界から、2つのCクラス(C4、C7)のフレアが立て続けに発生した。このフレアから噴出された CME (コロナ質量放出)は、地球の方向に向いて噴出されているように見える。

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この CME は、6月30日の遅くか、あるいは 7月1日の早く(日本時間では 7月1日〜7月2日)に地球の磁場に影響を与える打撃をもたらす可能性がある。しかし、この CME は地球に対して真っ直ぐには向いていないので、地球を直撃せずに、かすめていく可能性は依然として存在する。




ということで、6月28日の宇宙線の急減は、太陽フレアによるコロナの噴出によるもののようなのですが、しかし、太陽フレアの規模そのものは C クラスというもので、大きなものではありません。むしろ、小さな規模の太陽フレアの範疇に入ります。

なのに、地球への宇宙線を「一瞬にして」これだけ遮断してしまうエネルギーを持つ太陽からの磁場が一気に噴出されたということのようです。


どうもこう・・・太陽の動きも相変わらず数値と見た目の整合性がないような感じは受けますが、いずれにしても、今回の太陽フレアの規模は小さなものですが、もしかすると CME の規模は比較的大きなものかもしれないですので、通信や無線、 GPS などを含め、地球にも多少の影響は出る可能性もあるかもしれません。



宇宙線の少ない環境の中の人類の行動は?

そして、上の宇宙線の量が急減した後は現在に至るまで宇宙線の量は低いままなのですが、つまり、今の私たちは、宇宙線の量の少ない地球の上にいる・・・ということになります。

これは、「太陽活動最大期」と同じように、地球の人間にに対しての宇宙線からの影響が少なくなっていると思われるのです。

それがどんな影響かはわからないですが、太陽活動と人間の社会活動に明らかな相関関係があるように、何もかも突き通ってやって来る宇宙線にも人類に対しての「大きな」影響は(何かはわからなくとも)あるはずだと私は思っています。


ところで、最近取り上げることの多かった昔のウェブボットにも、「太陽の病気」、あるいは「太陽の異常」というキーワードが多く出てきました。

少なくとも、ウェブボットでは「太陽の病気」と「地球と人類の異常(あるいは進化と覚醒)」をリンクさせて書いていたこともよくありました。

昨年の、

活動を始めない太陽とそこから思い出すウェブボットの「太陽の病気」の記述
 2012年05月16日

という記事にそれと関係する部分を抜粋したことがあります。

その部分を再度抜粋しておきます。

記事は1年以上前のものですが、現在の「社会」や「自然現象」と当てはめて読むと、わりと納得できる感じもあるかもしれません。





ALTA レポート 1109 パート1
ウェブボット 2009年1月31日配信

・ 「太陽の病気」は磁気のなんらかの変化が「太陽の病気」の背景にあることが分かってくる。

・ 「太陽の病気」は人間にとっては大変に危険な影響をもたらす。人間の精神に影響するのである。これによって突然と意識を失って倒れるような現象が相次ぐ。

・ また、この太陽の異常によって人々の現実に対する意識と感覚が大きく変化し、二つの異なった世界に同時に住む人々が多く出現する。これは「超現実」「幻想」「他の世界のような」などのキーワードと関係している。


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ALTA Report 1309 パート0
ウェブボット 2009年3月28日配信

・ この時期には、社会環境の変化とそのストレスに耐えられなくなり精神的におかしくなった人々が多数出現する。

・さらに、この時期は火山噴火が相次ぐ。

・ 意識の覚醒はどんどん進む。世界人口の約5分の1の人々が意識の覚醒を体験することになる。そして現実否認の壁を打ち壊してゆく。

・だが、意識の覚醒は、幸いともなれば呪いともなることに気づかねばならない。意識の覚醒が進むと精神に異常をきたす人間の数が増える。これは、これまでの常識的な現実が壊されてしまうからである。

・北アメリカでは、異常な風や雷雨などが、こうした現象とは本来無縁な地域で多く発生するようになる。 こうした異常気象は「太陽の病気」が原因で発生する。


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ALTA Report 1309 パート5
ウェブボット 2009年4月11日配信

・ 春から夏にかけて異常気象や環境異変がいたるところで発生し、世界の3分の1の人口が何らかの形でこれを体験するようになるため、多くの人が異常気象が起こっていることを確信するようになる。

・「太陽の病気」「冬の伝染病」「通貨の喪失」「世界的な資源の再配分」などの現象とともに、 「島や都市の地震」「溶ける氷」「海洋の異常」などの自然現象が相次ぐ。




上は抜粋したものですが、あくまで「2009年の予測」として書かれたものです。

しかし、今のこの 2013年、上の記述は、よりしっくりときます。



太陽とは関係ないかもしれないけれども異常は異常といえる数々のこと


そういえば、一番上の「金価格」の記事は、ウォールストリート・ジャーナルからのものですが、そのウォールストリート・ジャーナルに下の記事がありました。

やはり、昨日(6月29日)のものです。

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米西部に熱波―デスバレーでは世界最高気温56.7度近くに より。


ここまでいくと、さすがに苦笑したほどでしたが、上に出ているデスバレーという場所は、やや特殊な場所だとしても、人の普通に生活している場所も下のような気温となっているようです。上のウォールストリート・ジャーナルの記事の後半の部分からの抜粋です。


米国立気象局によると、アイダホ州ボイジーでは気温は来週初めまでに41.7度まで上昇すると予想されている。ネバダ州ラスベガスの予想最高気温は47.2度で、1940年に観測した6月の最高気温46.7度を上回り、同市の過去最高記録に並ぶとみられている。

カリフォルニア州フレズノの来週初めまでの予想最高気温は43.9度で、2010年につけた過去最高気温42.2度を上回るとみられている。ユタ州ソルトレークシティーでは今月29日に気温が40度まで上昇すると予想されている。1961年に観測された同市の過去最高気温38.9度を更新しそうだ。




それにしても、上の記事の写真の人々は、デスバレーへとやってきた観光客の人たちみたいなんですけど、「50度の環境の下でこんなラフな格好で大丈夫なの?」と思いましたよ。

お風呂だって、50度だと暑すぎて入れないような気がするんですけれど、「空気がその温度」ということになりそうですしね。

ちなみに、熱波に襲われている地域はかなり広く、米国の気象サイトによりますと、下の黄色い部分が、場所により差はあっても一様に熱波に見舞われているということです。

us-heat.jpg

Weather Space 2013.06.26 より。



ロシアのモスクワも大変なことに

ちなみに、大国同士であるロシアのモスクワも大変なことになっていて、こちらも、過去最高気温を上回ってきている可能性が高いです。

moscow-36-do.jpg

▲ ロシアのメディア Uralin Form より。

このことについては、

モスクワ : 気温 36度の異常熱波の予測によりロシア非常事態省が市民に警告を発令
 地球の記録 2013年06月29日

にも記したのですが、ロシアの場合は、ロシア非常事態省が市民に警告を発していまして、上のアメリカの熱波と比べるとぬるま湯のような 36度の気温でも、モスクワ市民にとっては大変な気温のようです。

いやまあ、日本でも 36度だと十分に大変な気温ですが、上のふたつ・・・まだ6月のことだと考えるとすごいですね。


日本の夏はどうなんだろうなあ・・・。


いずれにしても、急減した宇宙線の下の地球で、もしかしたらやや異常なのかもしれない太陽の下で、私たちは生きていきます。


そういえば、トルコ、エジプト、ブラジル、あるいは他の様々な国で争乱も絶えていないですが、一般的に宇宙線が少ない状態(太陽活動が大きな状態)の時は、社会は「暴力的に」荒れたという過去の状態はかなりはっきりしていますので、もう少しの間は、さらにヒートアップしてしまう可能性もあるのかもしれないです。