【地球という場所の真実】 の記事一覧

2024年07月22日



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2024年も半分が過ぎました




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現在は、2024年の7月22日です。



パンデミックから5年が近くなってきました。


ワクチン接種開始からは 3年以上が過ぎました。



超過死亡数と出生数の極端な減少は進行したままです。


多くの国で超過死亡の増加が止まっていません。


世界各地で戦争、あるいは戦争の気配が進行中です。



現在の In Deep は、おかげさまで続けられていますが、こちらのブログも現在、作業をさせていただいています。


どう見ても不要な時事やニュースなどの記事は削除などして、現在でも重要だと思われる記事には、編集などを加えています。


こちらのブログもまだお役に立つものもあるかもしれないですので、よろしくお願いいたします。



  

2015年09月27日



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Supermoon-Brazil.jpg






 

いろいろと(良いことも悪いことも)ありまして、この土日は普通の記事の更新ができませんでした。

明日 9月28日は4回目の「赤い月」とスーパームーンが重なるメモリアル・デイですので、ちゃんと更新したいと思います。その日に何かあるとかの意味ではなく、「そういう時があった」という意味でのメモリアル・デイです(次は 33年後)。

33年後にはさすがに私は生きていないでしょうけれど、その時にどんな日本になっているかを想像するのもまたエキサイティングな気分です。


最近の日本に対しての個人的なキーワードは、メキシコのラ・チャイナの記事でもふれましたが、


世界一殺人が少ないけれど、世界一子どもが生まれない日本という国


ということで、どちらがより強くこの国の未来と関係するのかなあということを思います。


そういえば、NASA が 29日に「火星に関しての特別会見」を開くそうです。
内容は今のところ不明です。



「火星のなぞを解明」 NASAが特別会見へ
CNN 2015.09.27


米航空宇宙局(NASA)は米東部時間の28日午前11時30分(日本時間29日午前0時30分)から特別記者会見を開き、火星に関する「重要な科学的発見」を発表する。

会見の模様は専門チャンネル「NASAテレビ」と公式ウェブサイトを通し、ライブで公開する。

NASAがソーシャルメディア上で特別会見を予告したのに対し、「火星人が見つかったのか」などと期待するツイートが殺到した。近く公開される米SF映画「オデッセイ」で火星に取り残される架空の宇宙飛行士、マーク・ワトニーが見つかったのではないか、とのジョークも飛び出した。

一方では「宇宙人発見と思わせておいて、実際には石か何かの話だろう」と、さめた声も上がっている。

NASAはこれまでの探査で、火星にはかつて生命に適した環境があったと結論付け、現在もどこかに生命が残っているかどうかを調べている。




NASA はいつも、どちらかというと、SFファンなどの期待を裏切ってくれることで定評がありますが、今回はどうなんでしょうね。

火星の話題は最近あまり取りあげないですが、今もいろいろとあることはあるようで、「エビかザリガニみたいなの」が歩いていたりするのを探査機オポチュニティが撮影したりもしています。


火星のクルマエビ

mars-photo.jpg
NASA


なんか、せっかくの 2015年9月ですし、 NASA も派手な発表してほしいですね。
サンタクロースが火星で見つかったとか(そりゃ驚くわ)。

最近の芸能関係のニュースはガンばかりで、どんどんと若い年齢層に広がっているのは何だか切ない面もありますが、それでもそれは私たち自身に向けられたメッセージでもあるわけで、何というか、こう何となくでもいいですので、皆さん、頑張りましょう。

明日は普通に更新させていただきます。

2015.09.27



  

2015年09月21日



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snowden-alien-top2.gif
・2015年09月19日の英国ガーディアンより。






 

2015年9月18日のスノーデン氏のインタビューの内容

英国のガーディアンで冒頭のタイトルの記事を見かけました。

このブログでも、過去何度か登場していただいたことのあるスノーデン氏の話題のようです。

最近もの忘れが激しい私個人は「江戸の言葉は雪おでん」として名前を記憶しているエドワード・スノーデンさんは、2013年にアメリカ国家安全保障局( NSA )の内部告発者として、内部情報リークしたことにより一躍、時の人となった人ですが、同時に、このスノーデンさんの口から出る話には、地底人や異星人関係の刺激的なものも多く、過去記事の、


エドワード・スノーデン氏かく語りき : 「地球の地下マントルには現生人類よりさらに知的な生命が存在している」
 2013年07月10日


という記事では、彼自身の以下の言葉を載せたことがあります。



snowden-image-05.jpg

「結局、最も信頼性がある不可解な目撃例は、熱水噴出孔(海底で地熱で熱せられた水が噴出する亀裂)から海底を出た後に、直接太陽の軌道に入っていくことが目撃された車両です……」


「 DARPA (アメリカ国防高等研究計画局)の関係者たちのほとんどは、地球のマントルに、ホモ・サピエンス(現生人類)よりもさらに知的な人類種が存在していることを確信しています」




> 海底の亀裂から出てきた後に、直接、太陽の軌道に入っていく車両


とか、


> 地球のマントルに、現生人類よりも知的な人類種が存在している


とか、まあ面白いわけですが、今回の冒頭の報道も、タイトルだけではよくわからないと思いますので、先に翻訳を載せておきたいと思います。

これはニール・ドグラース・タイソン博士という著名な天体物理学者とのインタビューの内容を記事にしたもので、スノーデンさんは、下のようにモニター出演という形で 9月18日に行われました。


snowden-podcast.jpg
RT



ガーディアンの記事をご紹介しますが、読んでみますと、このエドワード・スノーデンという人の話の内容は、とても理解するのが難しい箇所がいくつもあり、それは内容そのものが難しいというより、言葉づかいが何だかわかりにくいのです。

ですので、ややわかりにくい部分もあると思いますが、とりあえずご紹介したいと思います。

なお、「宇宙背景放射」という言葉が出てきますが、

宇宙背景放射

宇宙のあらゆる方向から来る,絶対温度2.7度の黒体放射に相等する電磁波。


というものです。


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Edward Snowden: we may never spot space aliens thanks to encryption
guardian 2015.09.19


エドワード・スノーデン「暗号化のせいで、私たち人類が宇宙の異星人からの信号をキャッチすることは決してないかもしれない」

そして、私たちの暗号化技術が高度になればなるほど、いかなる地球外生命体も、私たち地球の人類の存在に気づかないかもしれないと内部告発者スノーデン氏は、天体物理学者ニール・ドグラース・タイソン博士に語った。


snowden-video-001.jpg


アメリカ政府の内部告発者エドワード・スノーデン氏は、暗号化は、宇宙背景放射の電波と、宇宙の異星人たちからの信号とを区別することを困難にさせるか、あるいは、区別することが不可能になると確信している。


スノーデン氏は、9月18日の夜、ニール・ドグラース・タイソン博士が運営するスタートレック・ポッドキャスト上に、「ビーム・リモート・プレゼンス・システム」と呼ばれるロボットビデオリンクを経由して、モスクワから登場した。


2013年、報道機関にアメリカ国家安全保障局( NSA )がおこなっている監視行動についての文書をリークした後、スパイ法に基づく米国の訴追の脅威の下、スノーデン氏はロシアに亡命を求めた。


タイソン博士の率直なインタビューに対して、スノーデン氏は、2001年 9月11日のアメリカ同時多発テロ以降の米軍のために NSA と契約したことを述べた。


タイソン博士との会話は、途中から「データの暗号化」によって、異星人からの通信を傍受することが困難になるかもしれない可能性についての話題となった。


「あなたがたが暗号化された通信を見ている場合、それらが適切に暗号化されているのなら、あなたがたは、それが暗号化されているということさえ知ることはできないのです」とスノーデン氏は言った。


「あなたがたが、ランダムな挙動から暗号化された通信を区別することは不可能です」


そのため、地球の人類の社会とエイリアン社会はより高度になり、「開かれたコミュニケーション」から「暗号化されたコミュニケーション」に移行し、じきに、放送シグナルは、認識できる信号としての状態ではなくなるだろうとスノーデン氏は続けた。


「もし、異星人が他の文明のシグナルを聞こうとしている場合、あるいは、私たちが異星人の文明と接触しようとしている場合、最も原始的かつ最も保護されていない通信手段を介して彼らのすべてのコミュニケーション手段が送られるであろう時にだけ、私たち人類社会の発展のための短い期間が生じます」


その後、スノーデン氏は、異星人たちのメッセージは、彼らが認識できないようにレンダリングされて暗号化されている可能性について述べた。


「宇宙マイクロ波背景放射の電磁波と、異星人からの信号の違いを私たちが区別できなくなるということです」


その場合には、人類社会も、異星人からそのような通信を受けていることに気付かないだろう。





ここまでです。

話自体もわかりにくい部分はあるのですが、最もわからないのは、


・どうして唐突にこんな話題になったのか

・この「暗号化」というのは、何か特別な通信の暗号化のことなのか、それとも、現在いかなる通信においても普通におこなわれている暗号化のことなのか

・異星人の受信を妨害する暗号化は「故意」におこなわれているのか、偶然そういう結果となったのか



などがどうもわかりません。






エイリアンとのコンタクトと「文明の崩壊」がリンクする理由

それで、他の報道も見てみると、アメリカのテクノロジー系の情報メディア CNET が下のようなタイトルで、このことを報じていたのですね。

それは、


エイリアンは、地球の人類とコンタクトを取りたがっている


というようなタイトルなんですが、記事の内容は、ガーディアンのものとほぼ同じなんです。


cnet-snowdesn-aliens.gif

▲ 2015年09月20日の CNET Snowden says aliens could be trying to get in touch right now より。



この流れを見ますと、エイリアンさん・・・じゃねえや、スノーデンさんは、


「異星人は人類とコンタクトを取りたがっている」


けれど、


「通信の暗号化技術によって、そのコンタクトは不可能になっている」


ということを言いたかったのかもしれません。

そして、仮にスノーデンさんの言う「通信の暗号化が異星人からの通信を認識させなくなっている」ことが本当であるならば、


今後も私たちはずーっと異星人からの通信を認識できないまま


ということになりそうです。

というのも、今の社会で、「まったく暗号化されていない通信」というものは、おそらくほとんどないのではないかと思うからです。


そういうこともあって、スノーデンさんは上の記事の後半を語っていたのかもしれません、

この部分ですが、これがまた、


「もし、異星人が他の文明のシグナルを聞こうとしている場合、あるいは、私たちが異星人の文明と接触しようとしている場合、最も原始的かつ最も保護されていない通信手段を介して彼らのすべてのコミュニケーション手段が送られるであろう時にだけ、私たち人類社会の発展のための短い期間が生じます」


というわかりにくい言い回しなのですが、この日本語をさらにわかりやすい日本語に翻訳しますと、


「異星人とコンタクトしたい場合、通信手段が最も原始的か、まったく暗号化されていないものになった瞬間(時代)だけ、私たちは異星人とコンタクトでき、その時だけが、人類社会を発展させられる時となる」


という意味のように思います。

「最も原始的な通信手段」というのが、具体的にどのようなものを想定して話しているのかわからないですが、アナログ時代の電話とか、モールス信号とか、そういうたぐいなのか、あるいは、手旗信号とか、のろしとかまで遡るのか、そのあたりはわかりません。


のろし
Frederic_Remington_smoke_signal.jpg
Wikipedia



あー、でも、なんか変な最先端通信より、のろしのほうがエイリアンの胸に響きそうな感じもしますね。

しかし、そのスノーデンさんの言う「暗号化されていない最も原始的な通信手段」を獲得する方法は意外と簡単だという気ももするのですよ。


それは「現代文明の崩壊」です。


現代文明が崩壊すれば、暗号化も何もないわけで、まったくそれだけだと思います。

暗号化は取り払われ、宇宙の異星人から情報がやってくる……という理解でいいのですかね。

しかし、ここで疑問に思いますのは、そもそも、なんでスノーデンさんがそんなことを知っているかということです。

要するに、彼は国家機関の内部告発者ですから、 NSA の監視システムや、あるいは文書内容などをリークすることは理解できますが、


「暗号化がエイリアンの通信を阻んでいる」


なんてのは、どうもそういうこととは違う感じがします。


うーん・・・どう考えればいいのだろう。


ふと思ったんですが、エドワード・スノーデンという人は、義憤に駆られて内部告発者になったというより、「何らかの存在から何らかを教えられ続けている人」だったりする可能性もあるのかなあと。

要するに、いわゆる自称プレアデスとかの人なんかから、いろいろと教えてもらっていると自称する人たちがいるわけですが、そういうような方面です。

まあしかし、それはわかりようもないことです。






この世の正体は複雑であります

それにしても、エドワード・スノーデンさんをはじめとした、過去に記事にした内部告発者の方々の主張を重ねていきますと、私たちの住んでいるこの地球というのは本当に不思議な場所であることに思いを馳せざるを得ない部分があります。

地球という場所が、単においしい納豆を安く買えるだけの場所ではない(そんな風に思ってんのかよ)ということが明らかにされていく感じで、目からウーロン茶が落ちてくる思いです。


私たちの地球の正体・・・たとえば、さきほどリンクした過去記事「地球の地下マントルには現生人類よりさらに知的な生命が存在している」には、


地球の地底に人類より知的な人類種が住み、海底から太陽の軌道に直接入れることのできるような車両で地底と宇宙空間を移動している。


というような話があり、やはりスノーデンさんの内部告発文書関係の記事、

「アメリカ国家はエイリアンの支配層にコントロールされている」と全世界で報道された 2014年 1月 14日に
 2014年01月15日

では、2014年1月の米国フォーブスの記事をご紹介していますが、その冒頭は以下のようなものでした。



alien-contral-usa.gif
Forbes


NSA (アメリカ国家安全保障局)の内部告発者エドワード・スノーデンにより漏洩した文書で、アメリカは背の高い白いエイリアンにコントロールされているということが明らかになった。そしてまた、このエイリアンは 1930年代のナチスドイツとも関係があるという。

こんな話をきくと(米国人の)あなたは眠れなくなってしまうかもしれない。

しかし、注意すべき点は、この UFO とエイリアンのストーリーが、イランのファルス通信の英字メディアで公開されたということだ。ご存じの通り、イランは核兵器の獲得に非常に近いところにいる。

これは、狂気的な陰謀論であると思われる。そして、自然に考えれば、その背後にはロシアが関与している。

というのも、このエイリアンの「アメリカ侵略」の疑惑は、ロシア連邦保安庁( FSB )の諜報機関の報告書によって明らかになっているのだ。




フォーブスでは、この話を陰謀論として片付けていますが、真偽はともかく、スノーデンさんのリークした文書には、


アメリカは異星人にコントロールされている


と記録されていた気配が伺えたりする一方で、スノーデンさんは、


ミスター・スノーデンが示唆する米英政府機関の「 UFO での大衆マインドコントロール作戦」
 2014年03月19日


という記事で、


多くの UFO 目撃はフェイク(ニセモノ)で、英米などの政府は UFO 情報を利用して、大衆をマインドコントロールしようとしている。


ということをご紹介しました。

これは事実上の、スノーデンさんによる「 UFO 全否定発言」ともとれます。

この流れは、


「異星人はいるけれども、UFO は存在しなくて、地底に住む人類種は宇宙と行き来していて・・・」


ワカラン\(^o^)/


さらに、元世界銀行職員のカレン・ヒューズさんの話をご紹介した、


この世界の正体 : 世界銀行元上級職員カレン・ヒューズさんが語る「地球のお金と宗教をコントロールする"人類ではない種族"」
 2014年04月03日


という記事では、そのヒューズさんが、


地球のお金と宗教をコントロールしているのは、人類ではない他のヒト科の生物である


というようなことを言っているのですね。

詳しくは下のようなことをラジオ・インタビューで語っていたのでした。


カレン・ヒューズ
karen-s5.jpg

私たちの地球の国家は一枚岩ではなく、この世界をコントロールしているネットワークの背後にあるグルーブのうちのひとつはイエズス会であり、その背後にいくつかのグループがあるのです。

そして、それらの中のひとつのグループは、ヒト科ではあるが、人類ではない者たちによるグループなのです。彼らは非常に頭が良いですが、創造的ではなく、数学的な思考をします。彼らは氷河期の初期に地球で強い力を持っていました。

彼らは長い頭蓋骨を持っています。彼らは人類の女性との交配でも子孫を作ることができますが、繁殖力は強くありません。

私たちは、秘密にされている世界、そして、秘密結社による世界に住んでいます。しかし、それは公になっていません。




と、やはり、地球の地下に「なんかいる」ということになっています。


複雑は複雑ですけれど、真偽はわからないながらも、少しずつ「地球の正体」が明かされてきているのか、そうではないのか・・・。


あ!


今ふと気づきましたが、さきほどの「原始的な通信」というのは、映画『美しき緑の星』のような「人間の隠された能力」的なことを言っている可能性もありますね。


『美しき緑の星』の宇宙人たちの通信方法
communication-human.jpg



それなら、文明が崩壊しなくとも大丈夫なのかもしれないですが、そもそも、この『美しき緑の星では、地球の現代の文明崩壊後に、やっと地球の新しい文明が花開くことにもふれていますので、やっぱり「崩壊」が前提なのかもしれません。



  

2015年09月16日



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utah-floods-top.gif
▲ 2015年09月15日の米国ウォールストリート・ジャーナルより。






 


洪水の悲劇の光景の中の「違和感」

9月14日に、アメリカのユタ州で、豪雨による洪水と鉄砲水が発生したことにより 15人以上の方が亡くなるという出来事がありました。

冒頭の写真は、その報道記事のひとつで、えぐられた地面などから鉄砲水の規模の大きさなど伺い知ることができますが、その光景とは別に、私は、この被害を受けたと思われる女性たちの「格好と髪型」が気になったのです。

mormons-flds-01.jpg


服装、髪型、どちらもどうにも現代のアメリカ人女性のようには見えません。

中世のような服と、そして、やはり中世のような髪型・・・。これが一人だけなら、そういう趣味の人もいるのだろうという程度のことで住むのかもしれないですが、女性全員が同じような格好をしている。

下はニュース報道の映像からで、住民たちが救出されている光景ですが、やはり、女性全員が基本的に同じような格好と髪型をしています。


flds-05.jpg
FOX 13 NOW



「なんだろう、この違和感は・・・」


と思い、どういう状況かを調べてみることにしました。

というのも、この出来事が起きたのが、最近書いていました「シュミータ(ユダヤの安息年)」の最終日の「翌日」だったからということもあります。

[参考記事]シュミータとは何か?:ユダヤ教のラビ、ジョナサン・カーンが語る「市場の崩壊、国家の盛衰、戦争、高い塔、9/11…etc」との関係についての全語録。そして「2015年9月13日の意味」


そのような時に起きた自然災害の光景が「どうも奇妙だ」ということが気になったのでした。
上の女性たちの格好は、日常の感覚から逸脱している感があります。

まず、この洪水が起きた場所を報道から見ますと、下はロイターの記事です。

米ユタ州で鉄砲水、15人死亡 車ごと押し流される
ロイター 2015.09.16

米ユタ州で、大雨による鉄砲水が発生し、アリゾナ州との州境近くで12人が死亡、州境よりやや北に位置するザイオン国立公園でも3人が死亡した。

ユタ州のヒルデールでは数百人のボランティアが行方不明者1人の捜索に加わっているという。鉄砲水によって車ごと押し流されたとみられる。

また、ザイオン国立公園では4人が行方不明になっている。

> ザイオン国立公園

とあります。

これは、英語では

> Zion National Park

となり、 Zion …… つまり「シオン」です。

この「シオン」という言葉は、私たち日本人には非常にイメージが湧きにくく、Wikipedia には、

シオンは、イスラエルのエルサレム地方の歴史的地名。日本語では英語にならった「ザイオン」との表記も見られる。

とありますが、「地名」というニュアンスには、何だか違和感があります。

むしろ、この「シオン」が語源となった「シオニズム」という言葉の語感から、この言葉を考える方が感覚的にはいいのかもしれません。

シオニズム - Wikipedia

シオニズムは、イスラエルの地(パレスチナ)に故郷を再建しよう、あるいはユダヤ教、ユダヤ・イディッシュ・イスラエル文化の復興運動(ルネサンス)を興そうとするユダヤ人の近代的運動。

シオンとは、こういう言葉や概念の源となっているということのようです。

いずれにしても、わかりにくいことはわかりにくいですが、「イスラエルやユダヤ人と深く関係している言葉」と理解でいいように思います。

今回の洪水の発生地となったザイオン国立公園は、「シオン」の名のつくアメリカの場所であったことがわかります。

ザイオン国立公園の場所
zion-map.gif
・Google Map


その「シオンの地」で起きた悲劇。

しかし、それはそれとしても、上の女性たちの服装との関係は?

ザイオン国立公園というところがどのような歴史を持っているのかは Wikipedia に書かれてありました。

ザイオン国立公園 - Wikipedia

1858年にモルモン教徒によって発見され、1860年代初めにはモルモン教徒が定住した。

あー、モルモン教徒が定住している場所。

とはいえ、モルモン教(正式名「末日聖徒イエス・キリスト教会」)の教徒は、日本を含めた各国にたくさんいますし、その人たちが上の女性たちのような特別な格好で生活しているということは聞いたことがありません。


「うーん・・・」


これだけでは、やはりよくわかりませんので、いろいろと、モルモン教関係で検索していましたら、次の写真が見つかりました。

flds-03.jpg
KUAIKE.CO


服装も髪型もこの人たちと似た感じです。

キャプションを読んでみますと、

> Women Of The FLDS Church ( FLDS の教会の女性たち)

とあります。

「 FLDS ・・・」

聞いたこともありません。

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モルモン教原理主義者たちの宗教的思想

今度は FLDS で検索しますと、ナショナルジオグラフィック日本語版に記事があったのでした。
抜粋いたします。


FLDS 一夫多妻制を守るモルモン教分派の原理主義教団
ナショナルジオグラフィック 2010年2月号

ここコロラドシティーと、州境をはさんで隣り合ったユタ州ヒルデールは、教団FLDS(The Fundamentalist Church of Jesus Christ of Latter-Day Saints)の発祥の地だ。FLDSは、モルモン教の分派で、原理主義を掲げて今も一夫多妻の慣習を守っている。

この地域に、信徒が入植したのは1920年代から30年代。米国社会からの孤立を避けようとしたモルモン教会が、一夫多妻の伝統を捨てる方針を固めたため、一部の信徒が教会を離れ、この地に入植した。

教会は1935年、一夫多妻制を廃止しなければ破門すると、彼らに最終通告を突きつけた。だが、ほぼ全員が意志を貫き、独自の教団を発足させた。



ということで、モルモン教の原理主義団体ということのようですが、英語版でも日本語版でも、モルモン教の Wikipedia の項目には、FLDS という単語はひとつも出ていないですので、異端にも近いようなものなのかもしれません。

上の記事の中に FLDS の正式名が英語で記載されていますが、日本語にしますと、大体ですが、

末日聖徒イエス・キリスト教会原理主義

というような感じになるかと思われます。

まあ、異端っぽいとはいえ、モルモン教徒ではある彼ら彼女らですが、しかし、そもそも私は、「モルモン教ってどんなものだっけ?」というような宗教オンチでもあります。

モルモン教のことは全然知りませんので、末日聖徒イエス・キリスト教会 - Wikipedia を見てみますと、モルモン教は、下のような宗教体系となっているようです。

・三位一体説を否認
・キリストおよび死者の復活を信じる
・キリストの再臨を信じる
・千年王国を信じる


千年王国とは、

終末の日が近づき、神が直接地上を支配する千年王国(至福千年期)が間近になったと説く。千年王国に入るための条件である「悔い改め」を強調する。

また、至福の1000年間の終わりには、サタンとの最終戦争を経て最後の審判が待っているとされる。
Wikipedia

というものだそう。

モルモン教の「聖典」は、

・モルモン書
・聖書


などとなっていて、宗教的「戒律」に関しては、

・モーセの十戒
・智恵の言葉


ということになっています。

神の再臨を含め、多くの宗教と共通項があるもののようです。

ふと、

「終末の日を信じているのなら、モルモン教徒にもプレッパーが多そうだな」

と思っていましたら、下のような記事を見つけました。

つい数日前のものです。

mormons-preppers.gif

▲ 2015年09月12日の米国 THP より。


プレッパーというのは、比較的最近の記事、

世界の終わりに向かって本当に必要なもの:プレッパーズの方法だけでは持続的なサバイバルは成し得ないという確信
 2015年08月27日

中東とイスラエルの「赤い朝」の光景も含めて、何となく漂う「終末感」を感じて過ごす安息年の9月11日
 2015年09月11日

などでご紹介したことがありますが、プレッパーとは、「終末の日に向けての物質的な備蓄やサバイバル訓練などを行っている人たち」のことで、特にアメリカには数百万人の武装したプレッパーたちがいると考えられています。

上の記事は、モルモン教徒たちの間にもプレッパーがいる・・・というより、「9月に終末が来ると確信している人ずモルモン教徒たちの間にものすごく多い」こことが書かれています。

そのように「終末」を強く意識するコミュニティの一派が、安息年の最終日の翌日に自然災害で甚大な被害を受けるというのは、単に皮肉的なことなのか、それとも「それを意識している人に終末は訪れる」というものなのか・・・。

実際、「想いと現実化」の話にまで拡大すると、「この世が終わる」ことも想念の世界次第で達成しちゃう部分もあるかもしれないですしね。

最近は、そのことをいろいろと考えることもあるのですが、いずれにしても、テトラッド(4回続く皆既月食)の4回目(9月28日)まで、あと2週間ほどとなり、毎日起きるいろいろなこととの関連を思います。

あんまり考えすて、本当に終わっちゃうのもアレですので、曖昧に、冬くらいまでにどうなっているのかなあと漠然と夢想する程度にしておくのがいいのかもしれません。

では、上の記事をご紹介しておきたいと思います。

ちなみに、記事の中に「ユタ州の人々は」という表現がありますが、ユタ州というのは独特な州のようで、ユタ州とモルモン教についてというサイトによりますと、

ユタ州は人口223万人のうち約70%がモルモン教徒である。2000年の国勢調査では、ユタ州人口の68%がモルモン教徒であると答えていた。

ということで、この比率ですと、議員や政府職員、教師などにも多いはずで、そういう意味では、「州そのものがモルモン教徒によって構成されている」といっても過言ではないような州なのかもしれません。

そういう意味では、ユタ州は「アルマゲドン感が強い州」といえるのかもしれないです。
非常用グッズもユタ州では、爆発的に売り上げを伸ばしているようです。



Why Some Mormons Are Preparing For Doomsday
THP 2015.09.12


一部のモルモン教徒が終末の日に向けての準備をする理由


多数のユタ州の住民たちは、聖書の預言やヘブライ暦、不安定な経済や世界政治、そして、天文学的な出来事などがミックスされた概念の中で … 彼らによれば、それは今月(2015年9月)の終わりころまでに … 終末的な出来事が差し迫っていることを確信している。

彼らは「プレッパーズ( preppers )」と呼ばれ、食糧の備蓄、懐中電灯、毛布、テントなどを用意し、中には、家自体を改造している人たちもいる。

主にフリーズドライにした食品を販売している会社「アメリカン・フォークス・スライヴ・ライフ社」によれば、同社のフリーズドライ食品の売り上げは、過去と比べて 500%以上アップしたと、顧客サービス担当者は言う。

「何かが差し迫っているような切迫感がありますね。多くの人々が、この9月に、たとえば、財政破綻のような、起こる何かについて述べるのです」

緊急時用品を売る「エマージェンシー・エッセンシャル社」の販売担当者は、驚異的な売り上げアップに「壮絶な忙しさです」と語る。

同社が販売する 72時間緊急キットは、「お店の商品棚に並ぶことは考え羅ないですね。どれだけ出荷しても、すぐに売り切れてしまって、棚に並ぶ時間がないほどです」というほどの売れ行きだ。

この販売担当者は、「お客様の多くは、この9月にそれが起きると言いますね。血の月(皆既月食)に伴って、ドルの崩壊などが起きると信じているようです」と述べる。

歴史的に見て、7年ごとに大きな経済破綻のサイクルがあると彼らは信じている。

この7年のサイクルは、ヘブライ語の shmitah (シュミータ)という安息年のサイクルの概念に則っている。確かに、たとえば、2001年や 2008年などには、壊滅的な株式市場の暴落と景気後退が訪れた。

今年は 2008年の景気後退(リーマンショック)から7年目で、この夏は、中国の自国通貨切り下げをきっかけに、株価は激しく変動した。

ユタ州の多くの人たちは、この7年のサイクルを信じ、ユダヤの新年祭となる 9月13日から、アメリカで大きな金融危機が発生し − 聖書に書かれてあるような「邪悪」な「苦難の日」が起ち上がる − と確信している。

さらに、「血の月」の出る 9月28日に、ユタ州の近くで大地震が発生し、そこに国連軍が侵入して混乱が起きると考える人たちもいる。

これらの憶測は、作家ジュリー・ロウ( Julie Rowe )氏の著作『偉大な明日:ベールを超えた私の旅( A Greater Tomorrow: My Journey Beyond the Veil )』と、『時は今( The Time Is Now )』の内容に由来している。


『偉大な明日』
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ロウ氏は3人の子を持つモルモン教徒で、これらの著作は、彼女が 2004年に経験した「臨死体験」の内容を元に、2014年に出版された。

臨死体験の際に、ロウ氏は死後の世界を訪問し、そこで地球の過去と未来を見たとしていて、その内容を本にまとめたのだ。ユタ州の人々の未来の推測はこの本の内容に沿うものが多いようだ。

しかし、ロウ氏は、記す出来事に特定の日をつけてはいない。

彼女は、フォクス・ニュース・ラジオのインタビューで「光の都市」について述べている。それは、人々が山の中の白いテントで、マンナ(聖書で神から与えられたとする食物)を食べて生きている光景だという。

彼女は、「イスラエルから離陸したリビアの飛行機から爆撃を受ける」光景を見た。

そして彼女は、モルモン教の聖典「モルモン書」に出てくるガディアントン・ラバーズ( Gadianton robbers )という、古代アメリカの腐敗した秘密犯罪組織のリーダーが、「すでにここにいる」と言った言葉を聞いた。

ロウ氏がその内容を明らかにしたのは、「人々に目覚めてほしいから」だと、インタビューで答えている。

この数年、ロウ氏は、彼女の話を聴きたがっているアメリカ中のモルモン教徒の前で、彼女が見たヴィジョンを語って回り、その意識を共有させてきた。

彼女の2冊の本は、2万部以上売れている。

その彼女の発言内容について、異例ともいえることだが、モルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)の当局者は、教会の教育システムの教師たちにメモを送った。

その内容は、

「シスター・ロウは、モルモン教の熱心な信者ですが、彼女の本の内容は、教会によって承認されたものではありません。生徒たちに教える際に、彼女の本を源として使用するべきではありません。シスター・ロウの経験は、必ずしも教会の教義を反映していないか、あるいは、教義を歪める可能性があります」

というものだった。

モルモン教使徒ボイド・K・パッカー氏は、2011年のモルモン教の総会で「終末の日は近くではない」と語っている。

「若い信者の人々は長く生きることを考えて下さい。結婚して家族を持ち、あなたの子どもや孫、そして、ひ孫と暮らす幸せな未来を考えて下さい。そして、あなたたちは、未来を前向きに見て行動する。それができるのです。終わりの日は近くになどは来ていないのです」




  

2015年09月08日



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旧約聖書に記される契約の箱

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・Breaking Israel News











契約の箱(聖櫃) - Wikipedia

契約の箱とは、『旧約聖書』に記されている、十戒が刻まれた石板を収めた箱のことである。

『聖書』ではヨシヤ王(紀元前609年没)の時代に関する『歴代誌下』 35章3節の契約の箱の記述を最後に、比喩的に用いられる以外に直接言及される部分はなく、失われた経緯についても不明である。

このことから、失われた聖櫃(アーク)と呼ばれることもある。





30年前に知った「ジャー・ラスタファリ!」のかけ声の意味


ラスタファリ主義者のボブ・マーリー(1945年-1981年)


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この「ラスタファリ」という聞き慣れない言葉については、後でご説明したいと思いますが、唐突ですが、私には、人生で、何人かの「恩人」がいます。


ひとりは、昨年の、



 2014年01月09日


という記事などにも書きました、田中くんというブルーザ・ブロディ似の年下の人で、その記事にも書きましたけれど、48歳という年齢で一昨年亡くなっちゃったんですね。


この田中くんが私の人生の最大の恩人なんですが、何のお返しもできないまま亡くなってしまいました。まあ、しかし、田中くんは(私もですけれど)「お返し」などという堅苦しいことを一番嫌った人でもありました。


もうひとりの恩人は、学生時代に、私をアンダーグラウンド演劇の道に入れてくれた年上の谷口さんという方でした。


ずいぶんとお会いしていないのですが、彼は今は、谷口マルタ正明という名前での音楽活動を学生時代から続けている一方で、東京の大久保で、ひかりのうまというライブハウスを経営してらっしゃいます。私は東京が遠くなってしまったせいで、いまだに行けていないのですが、写真を見ますと、家庭的で素敵そうなお店です。


それはともかく、30年くらい前の春のことでしたか、学校内でボーッと座っていたところに声をかけて下さったのが谷口さんで、実験劇場という名前の学生劇団で活動されていました。


そして、その公演を見に行った翌日から、演劇の世界に入っていき、今につながるいろいろな「破壊友だち」ができていくことになり、今の私の人間関係があります。


つまり、あの時に谷口さんに声をかけられなければ、私の今の人生はなかった・・・というより、多分、こんなに長くは生きていなかったようにも思います。


そんな谷口さんは、その 30年くらい前、当時の新宿2丁目にあった 69 (ろっきゅー)というレゲエバーで深夜のバイトをしていまして、私もわりとよく飲みに行っていました。不良外人のたまり場的な雰囲気もあり、なかなか刺激のある店でしたが、私も若かったので、楽しい経験でした。


その頃、20歳を少し過ぎた頃だと思いますが、それまでの人生では、「レゲエ」なんてのは聴いたことがなく、その 69 体験から、初めて多少のレゲエを聴くことになりました。


今でも私はレゲエには明るくないですが、レゲエ音楽で、たぶん唯一のアメリカでビルボード1位を獲得したミュージシャンに、ボブ・マーリーという人がいます。


さて、そのボブ・マーリーの説明は、下のようなものです。



ボブ・マーリー - Wikipedia

ボブ・マーリーは、ジャマイカのレゲエミュージシャン。

その音楽はラスタファリ運動の思想を背景としており、彼の音楽と思想は数多くの人々に多大な影響を与えた。

> ラスタファリ


という聞き慣れない言葉がありますが、昨日の記事に書きました、イスラエルの聖書と時事についてのメディア「ブレーキング・イスラエル・ニュース」の見出しに、唐突にこの「ラスタファリ」という言葉が出てきたのです。


「ユダヤ教の新聞にレゲエの合い言葉?」


と、少し興味を持ち、その記事を読み始めたのでした。






ボブ・マーリーとユダヤ民族の関係


先述しましたように、若い頃、少しだけですが、レゲエを聴いたり、その文化の周辺を知りまして、レゲエの人たちの合い言葉に、


「ジャー・ラスタファリ」


というかけ声があることを知っていました。


ボブ・マーリーも、コンサートなどでは必ず唱えていた言葉で、また、今はどうだかわからないですが、当時の日本のレゲエに携わる人々も口にする言葉でした。


当時は、この「ジャー・ラスタファリ」の意味は知りませんでしたが、今回、イスラエルのユダヤ教関係のメディアでこの言葉が出てきたことにふれて、何だかそのアンバランスに興味が出てきて、この言葉を調べました。


すると、


・ジャー(JAH) → 旧約聖書における古代イスラエルの唯一神ヤハウェ

・ラスタファリ → ジャマイカの宗教的思想運動


ということで、ボブ・マーリーは、「ユダヤ教の神を讃えていた」ことになるようです。


わりと意外感があるところです。


ラスタファリ運動に関しては、Wikipedia では、



ラスタファリ運動 - Wikipedia

ラスタファリ運動、またはラスタファリアニズムは、1930年代にジャマイカの労働者階級と農民を中心にして発生した宗教的思想運動である。

ラスタファリ運動は聖書を聖典としてはいるが、特定の教祖や開祖は居らず、教義も成文化されていない。それゆえ宗教ではなく、思想運動であるとされる。

基本的にはアフリカ回帰運動の要素を持ち、エチオピア帝国最後の皇帝、ハイレ・セラシエ1世をジャーの化身、もしくはそれ自身だと解釈する。


ここにあるように、このジャマイカのラスタファリ運動には「ジャー(神)の化身」あるいは、救世主の降臨の概念があるようでして、エチオピアの皇帝ハイレ・セラシエ1世という人を「ユダヤ教の神の生まれ変わり」だとしているというものなのです。


ハイレ・セラシエ1世(1892年-1975年


haile-selassie.jpg




今回ご紹介する冒頭の記事には、



ボブ・マーリーの古典曲といえる「アイアン・ライオン・シオン( Iron Lion Zion )」は、「ユダヤ人としてのルーツを持つ」ことに基づいた皇帝セラシエ自身についてを歌ったものだ。


という下りがあり、ジャマイカで発生したラスタファリ運動と、その主義の中で生まれた、レゲエ界最大のスターであったボブ・マーリーが作り出していた音楽は、「救世主ユダヤ人万歳」的な意味合いを背景に持っていたことを初めて知るのでした・・・。


うーん・・・やっぱり「意外感」がかなり強いです。

下がその曲です。


ボブ・マーリー - アイアン・ライオン・ザイオン(1973年頃)





ここで、とりあえず、そのブレーキング・イスラエル・ニュースの記事を先にご紹介しておきます。


ここに出てくる「契約の箱」というのは、冒頭のほうにも Wikipedia の記述を記しましたが、モーセの十戒が刻まれた石碑が収められているとされる箱で、聖櫃とも呼ばれます。


インディ・ジョーンズ・シリーズの最初の映画『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(1981年 ← もう34年も前の映画になるんですね)は、この「契約の箱」を巡る冒険を描いたものだったのかあ・・・ということを、今回のイスラエルの記事を読んで初めて知りました。


実は、先月あたりに、子どもと一緒にこの映画を DVD で見たんですが、子どもに、


「この人たちは何を奪い合ってるの?」


と訊かれて、


「あー、なんか、こう大事なもんなんじゃね」


という非常に曖昧な答えをして申し訳なかったと思います。


モーセの十戒が刻まれた石碑が入っていたとされる重大なもののようで、また、記事を読みますと、現在、アークが保存されていると考えられているエチオピア正教会では、映画レイダースばりの守護をおこなっていると考えられているようです。


それでは、ここから記事です。






Breaking Israel News 2015.08.26



「契約の箱」を護り続けるラスタファリアンの救世主



失われた契約の箱(アーク)の探索は、何千年もの間、トレジャーハンターや宗教信者たちにインスピレーションを与え続けてきた。


しかし、実は、この神聖な品物がどこに隠されているかに関して最も関係していると思われる人々がいる。それは、まったく予想外かもしれないが、ジャマイカのラスタファリ主義の人々だ。


ユダヤ教とラスタファリ主義の関係は、1916年から 1974年までエチオピアを支配した皇帝ハイレ・セラシエから始まった。


セラシエ自身は、自らが救世主であることを否定していたが、しかし、彼が救世主だと信じたジャマイカの人々は、ラスタファリ運動に心酔した。


ラスタファリ主義の人々は、永遠の平和と正義、そして、永遠の繁栄が訪れる未来の黄金時代をもたらすであろう人々でもある。


ラスタファリアンたちは、エチオピア帝国最後の皇帝ハイレ・セラシエを、彼自身の「ソロモン王とシバの女王の子孫である」とする主張から、「ユダ族のライオン( Lion of the Tribe of Judah )」と呼んだ。


13世紀以来、エチオピアの指導者たちはダビデ王の血統であることを主張してきたため、セラシエの主張は、宗教信者に対してのリップサービスだと批判を受けることもあった。


しかし、セラシエの「ソロモン王とシバの女王の子孫だ」という主張には、驚異的に感じられるほどの、いくつかの真実がある。


セラシエの王族の血統は、彼の父方の祖母を通して、アムハラ語(エチオピアの公用語)とヘブライ語(イスラエルの公用語)に関係する言葉を話すユダヤ部族の国からのものなのだ。


過去 30年間にイスラエルにやって来た多くのアムハラ語を話すユダヤ人たちは、ソロモン王とシバの女王の子孫とユダヤ人の組合せであると信じられている。


それらのユダヤ人たちは、寺院を建築するための材料を見つけるためにエチオピアを訪れた。


この事実は、他のエチオピア人の多くもソロモン王とシバの女王の子孫であり、すなわち、イスラエル人の子孫である可能性が高いことを示す。


ラスタファリアンたちが、皇帝セラシエとダビデの家を信仰をする理由は、多くのレゲエソングと、レゲエ・カルチャーの中にシオン(エルサレム)の概念が大きく示されていることにも関係する。


ボブ・マーリーの古典曲といえる「アイアン・ライオン・ザイオン ( Iron Lion Zion / 鉄・ライオン・シオン)」は、「ユダヤ人としてのルーツを持つ」ことに基づいた皇帝セラシエ自身についてを歌ったものだ。


ラスタファリアンのユダヤ民族との強い関係は、さらに驚くべきことに、失われた「契約の箱」がどこにあるのかを知る手がかりも、彼らが持っている可能性へとつながる。


皇帝セラシエを支持するエチオピア人たちは、彼らが契約の箱を所有していると主張する。彼らは、箱は、金で覆われたアカシアの木箱だと説明し、もともとがマケバの女王(シバの女王)と、女王とソロモン王の息子であるメネリク一世が持っていたという。


伝えられるところでは、彼らはソロモン王の知識なく、寺院から箱を持ち出した。


その寺院が破壊されて以来、契約の箱の行方は誰にも知られていないが、このラスタファリアン説に選考の余地を残すことは正しいと考えられる。


シバの女王とメネリク一世が箱を持ち出して以来、契約の箱は、エチオピア正教会によって保護されていると考えられている。エチオピア正教会は、4世紀に建てられた教会で、有名な大聖堂があるシオンの聖母マリア教会( Church of Our Lady Mary of Zion )を有している。


ラスタファリアンたちの主張する契約の箱の説は、確認することも反証することも、どちらも不可能だ。


なぜなら、契約の箱を見ることができるのは、教会の守護聖職者だけだからだ。これは、聖書の契約の「聖職者以外が見ることの危険性」に基づいている。


箱を守護する聖職者は、前任者が亡くなる前から任命されている。そして、守護を担当することになる聖職者は、残りの人生を、契約の箱がある礼拝堂に閉じ込められて、祈りとお香を焚き生きる。


ラスタファリアンの契約の箱に関しての主張は、あり得なそうに感じることかもしれないが、世界的に署名な『アーク・レポート』( A.R.K. Report )を記した、契約の箱の専門家、ハリー・モスコフ( Harry Moskoff )氏は、やや異なる以下のような考えを持っている。


「ユダヤ人が口伝で語り継いだ律法として知られる”タルムード”によれば、契約の箱は(単一ではなく)重複して存在していました。このエチオピア正教会には、明らかに契約の箱が存在していますが、それは、その重複していたもののいずれかであると私は考えています」


「エチオピア正教会にある契約の箱には、十戒が刻まれた石板は入っていないでしょうが、それでも、聖書に関係した品物としては非常に貴重なものです」


「しかし、ユダヤ人の伝説にある、ベツァルエルが作った金色の契約の箱は、いまだに隠されていて、それはエルサレムの神殿の丘( Temple Mount )の下に埋められていると考えています」


「歴代誌(旧約聖書におさめられたユダヤの歴史書)にあるように、第一神殿が破壊される 25年前、契約の箱は、ヨシヤ王の命により、準備された地下室に隠されたのです」


「それから 2,700年後の今もそこにあるはずです」






ここまでです。


「神の化身」と関係するものは何でもユダヤ民族というようなことになっているようですが、時期的にも今は、



 2015年08月30日


と、続くこちらの記事などで記しましたように、


・ユダヤ教の救世主メシアが9月以降に到来する

・イスラム教の救世主マハディが9月以降に到来する


というシンクロした噂というのか、そういう類いの話が大いに盛り上がっているわけですが、もともとは「アフリカの黒人回帰主義」としての意味合いも高いジャマイカのラスタファリ主義は、


・黒人の救世主


を待ちわびているのかもしれません。


そして、私たちのような宗教・主義のない人たちは、そのような救世主というようなややこしいものは出来れば来ないで、平穏に進んでほしいと思っているのかもしれないですし、そうではないのかもしれません。


さて、9月に組み込まれた救世主騒動は、どのような形で発動するのか、あるいは、しないのか。






神の言葉の真実は?


ところで、上の記事にあります「契約の箱」に入っているのは、モーセの十戒ということなんですが、下のようなものです。



モーセの十戒

1. 主が唯一の神であること
2. 偶像を作ってはならないこと
3. 神の名をみだりに唱えてはならないこと
4. 安息日を守ること
5. 父母を敬うこと
6. 殺人をしてはいけないこと(汝、殺す無かれ)
7. 姦淫をしてはいけないこと
8. 盗んではいけないこと
9. 偽証してはいけないこと
10.隣人の家をむさぼってはいけないこと


うーん・・・現状を見ますと、いろいろと教えから曲がってきているようです。


特に、「偶像を作ってはならない」とか「神の名をみだりに唱えてはならない」などについては、信仰の厚い人ほど、家にも「偶像」を置いたり、熱心になればなるほど、「神の名」をとなえる傾向にありますので、むしろ、無宗教の人たちが最もこの戒律を守っているのかもしれません


他の、盗みや姦淫や偽証などもそうですが、現代社会は、十戒がほとんど守られていないことにも気づきます。

そもそも、「戦争」なんかも、「汝、殺すなかれ」に背いています。


十戒は、


> 神の意思が記された


とありますが、私たちはかなり背いているようです。



うーん。



十戒・・・神の言葉・・・。


どれが正しいのかよくわからないですが、 30年前に知ったレゲエの合い言葉、


「ジャー・ラスタファリ!」


がユダヤ教の神を称えていたものだと初めて知り、なかなか微妙な感覚になったりしています。


それでも、レゲエの人たちのラスタファリ主義の厳密な実践者は、「聖書の教えをかなり真摯に実践している」ということはいえそうです。


たとえば、上のほうにボブ・マーリーの写真を載せましたが、レゲエの人の中には、あのような長い髪型をしている人が多く、これはドレッド・ヘア(正式には、ドレッドロックス)と呼ばれますが、旧約聖書の下の記述から、このような髪型が守られているそうです。


旧約聖書 レビ記 21章 05節
頭髪の一部をそり上げたり、ひげの両端をそり落としたり、身を傷つけたりしてはならない

旧約聖書 士師記 13章 05節
その子の頭に剃刀をあててはならない。彼は、ペリシテ人の手からイスラエルを解き放つ救いの先駆者となろう

なるほど、聖書にはこういうことも書かれているのですね。


しかし、生きている間ずっと髪を伸ばし続けなければならず、現代生活ではちょっと厳しいですかね。


また、


旧約聖書 箴言 15章17節
肥えた牛を食べて憎み合うよりは 青菜の食事で愛し合うがよい。

というような聖書の言葉などから、ラスタファリ主義者の人たちにはベジタリアンが多いです。


そして、シュミータが終わる 9月13日まで、あと5日です。




  

2015年08月01日



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community round table






 

子どもが久しぶりに体調を少し崩しまして、ナイチンゲールさんの言葉などを思い出しながら、看病をしつつ書いていたのですが、看病の方に専念しようと思いますので、記事の更新はお休みさせていただきます。

ただ、今日は子どもが体調を崩したことにも助けられた部分はありまして、「寝室で冷房入れて横になっていなさい」と子どもに言って、最初は自分の部屋にいたんですが、私は相変わらず扇風機とうちわだけで過ごしておりまして、午後になって、

「なんか今日は変だな」

と感じていました。

うちわで頑張ったのですが、今日は風がほとんどなく、今年の夏、はじめて「暑い」と感じました。

気温を見てみますと、下のようになっていました。

2015年8月1日の気温ランキング
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今日の最高気温ランキング


午後 1時 41分に 37.2度を記録していたようです。

30度以上を記録した 664地点の中で 27位の快挙です(1位は岐阜県多治見市の 39.9度)。

「あまり誇るところのない所沢も、気温なら日本で相当上位なんだ」

と誇らしい気分になりつつも、同時に、

「これは風のないこの部屋は感覚的には 40度くらいあるのかもしれない」

と、看病のかたわら、子どもが寝ている冷房の効いた部屋に居座ることにしました。

子どもが苦しむ姿はつらいものですが、こういう時こそ修練の時だと思います。
どのように前向きに考えられるか。

そういう意味では、一般的な意味でのマイナスの体験も必要なものであるとも思います。

何より、どんな症状もそれは回復過程なのだから、体がダメージを受けすぎないように、適切に補佐してあげられればいいなと思います。

それと同時に、『チベットの死者の書―サイケデリック・バージョン』の中にある、


何を見ようとも、それがどんなに奇妙で恐怖を誘うものであろうと、それらがあなたの内部からやってくることを覚えておきなさい。


という言葉も思い起こされます。

自分の周囲で起こる「不安」や「恐怖」を誘発する出来事のすべては、結局自らがこの世につくり出しているということを自覚するためにも、あらゆる出来事をきちんと見てみたいと思っています。



  

2015年07月20日



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lavendertown






 


そんなわけで、明日には終わる夏休みではありますが、昨日から緑の多いところに来ていまして、今日明日は通常の記事の更新をお休みさせていただきます。

ところで、緑の多いところにいて・・・確かに緑はとても多いのですが、「虫」が少ないのです。

子どもにいろいろと虫を見せたり取らせたりしたかったのですが、以前の記憶を辿って探してみましても、まったくといっていいほどいません。

むかしはウジャウジャといたトノサマバッタは、まったく見ることはなし。

あれほどうるさかったキリギリスの声もほとんどなし。

むかしは絶滅させたいほどうるさかったアブラゼミの声も、その「絶滅させたい」と願った少年時代の気持ちが通じてしまったのか、まったく聞こえず。

「思えば叶う」というようなかたちで絶滅したのかもしれません(想念の大量殺人鬼)。

聞けば、クワガタなどもほとんどいないそうです。

むかしは、ミヤマクワガタなら小さなバケツにいっぱいはとれました。

miyama.jpg

▲ ミヤマクワガタ。大きいので強そうに見えますが、脚の力が弱く、早朝に木を蹴るだけで,いくらでも木から落ちてきました。 e-mushi.com


むかしはそこらの川でいくらでもとれたニホンザリガニも今はまったくいないのだそう。
トンボも見かけないということは、その子どものヤゴもあまりいないのでしょう。

木を見ても、草をかきわけても、水を探しても、形而上的なほど何もいない。

子どもに虫を見せるのは無理そうです。

住宅街の周辺でも、昔は夜になると、外灯のあかりの周囲を何十何百という虫がくるったように飛び回っていましたが、今は夜の外灯の周囲にも虫はゼロです。

まあ、衛生的ではありますが・・・。

ただ、少し離れたところに行きましたところ、地元の人が、

「このあたり、クマと、あとマムシが出ますね」

と話されていました。
ちょっと危険なものはよく出るようです。

ちなみに、今年の北海道でのクマの目撃件数は、過去 10年で最高なのだそうです。

2015年のクマ目撃件数と平年の比較
kuma-2015.gif
北海道新聞

これらも自然の生物ですが、クマやマムシが出ても、子どもにそのまま見せてあげるわけにもいかず、たくさん出てこられても少し困りますね。

それにしても、何となく不思議です。

緑は死ぬほどあるのに、虫が全然いない。

まるで、大自然の中から「虫の周波数が消えてしまった」かのよう。

草や木や森だけは以前と変わらず、いや、自然公園などが増えたせいで、むしろ以前よりも緑は増えているのに虫がいないというのは、奇妙な違和感があります。

何か、映画のセットの中で遊んでいるような。

自然というものが、全体のバランスの中で統一された光景を作り出しているものだとするならば、そのバランスの何かが崩れたか変化しているのかもしれません。

あるいは他の事情で「消滅」していっているのかもしれないですし、さまざまな変化が複雑に(あるいは単純に)起きているだけなのかもしれません。

まあしかし、実際に「あふれる自然の中でも虫はいない」という現実の中にいるのですから、これはこれとして楽しむしかありません。

ところで、観光地に行くと、中国語の看板とパンフレットがやたらと目につきます。中には「中国語のパンフレットはあったけれど、日本語のパンフレットはなかった(ように見えた)」という施設もありました。

日本でありながら、日本人にはやや不便ですが、飛び交う中国語の波の中にいますと、黒竜江省に旅行にでも来たような気持ちにもなり、お得感もあります。

消えた虫の替わりにたくさん出現してくれているのかもしれません。

何はともあれ、そんな短めの夏休みの中におります。



  

2015年07月08日



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『健康全書』 (1474年)に描かれたマンドラゴラ
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▲ 毒草であり、薬草としても用いられてきたマンドラゴラ(マンドレイク)。伝承の世界では、魔法薬、錬金術、呪術、媚薬、不老不死の薬として使われたともされています。写真の絵は、マンドレイク - Wikipedia より。






 




毒という漢字は「 生 + 母 」

前回の、

植物が「緑色」であり続ける理由がわかった! そして人間の生活システムの完成は「植物との完全な共生」にあるのかもしれないことも
 2015年07月06日

を読まれた方が、掲示板に「植物全般に毒があること」に言及されていまして、確かに植物は種類によりますが、多かれ少なかれ、毒性があります。

私は「なるほど、人間と一体のものが、人間を害する毒を持つってのもアレかねえ」などと思って、ぼんやりと「毒」という漢字を見つめていましたら、毒という漢字は、

生 + 母

という構成をもつ漢字であることがわかりました。

ちょっと調べてみますと、Google ブックスにありました『大人の漢字教室』という本では、この「生」は、語源的に見れば、「生まれる」、つまり誕生のことを意味すると書かれていまして、さらには、「生」という漢字は、

土 + doku-kanji.gif

とわけられるそうで、土は土のことで、もうひとつの「 doku-kanji.gif 」は、「芽を出した植物を象形で書いたもの」なのだそう。

つまり、「毒」の上の部分は、植物が土から芽を出して「生まれる」ことを意味して、その下に「母」という字があるという構成になっていることがわかります。

「母」というのは、母親のことだと思っていましたが、漢字の語源的には「母」という漢字は「お母さんのおっぱい」を意味するのだそう。

お母さんのおっぱいは、赤ちゃんが育つための唯一の栄養ですので、漢字の構成としては、

「毒」という漢字は、生まれたばかりの植物が育つための唯一の栄養源を意味する

ということになりそうです。

次の瞬間、

「植物の毒はおそらく自然良能だ!」

と、まだ何の根拠もないのに「そうだと断定する気持ち」が湧いてきて、そのまま私の中に定着しました。

とはいえ、根拠なく断定したことを、そのまま書くというわけにもいかず、「植物の毒と人間の関係」を少し調べてみることにしました。

すると、それは、毒の歴史 - Wikipedia の1行目の記述におおむね表されていることを知ります。

その1行とは次の文章でした。

毒の歴史では、毒に関連する歴史を記述する。今日から紀元前4500年にまで遡ることができる。


毒の歴史の年代は、まさに「現代に直接関係する人類の文明史の年代」とリンクしているといえそうです。

ここで、文明 - Wikipedia を見てみます。


文明のゆるやかな成立

新石器時代の狩猟採集から、原始的な農業を経て、村、町、都市へとゆっくりと発展して、文明が成立していくため、文明が一気に成立するわけではなく、文明に至る階段を登ることになる。

例えば、シュメール文明は最古の文明の一つだが、BC5300年頃のウバイド文明から、ウルク期のBC3200年の文字の発明まで2000年を要している。

原始的農業を経て灌漑技術を生み出し、都市を構成し、冶金技術も生まれ、神官階級が文字を生み出し、歴史時代が始まる



植物毒の歴史の年代を考えますと、どうやら「毒」は、人類の文明史と寄り添って人間と関わってきたらしい雰囲気があります。毒は古代では、ほとんどが植物から採取されています。




植物毒の歴史と人類文明史とのリンク

ここで、先ほどの「毒の歴史 - Wikipedia 」に戻ります。


毒の歴史 - 概要

毒は武器や、毒そのものの解毒、そして薬など様々な目的で用いられ、毒性学(トキシコロジー)やその他さまざまの学問において飛躍的な進化を遂げてきた。

発見されたのは太古の昔であり、原始においても文明化ののちにも獲物や敵を素早く確実に倒すための道具として使用された。



その後、使われる毒は、植物毒から化学合成された毒へと変化して現代に至っています。薬も植物から化学合成に変化しました。現代の毒は、今の社会では少し困った部分があるとはいえ、良い悪いという価値判断は別としても、人間の技術進歩を示すものではあります。

そして、植物毒の歴史の流れの中に、薬と毒の知識と技術の発達があります。良くも悪くも、植物の毒が人間の技術へ刺激を与えたといってもいいかと思います。

ちなみに、自然の毒は強いものは大変にすさまじいもので、化学的に合成した毒などでは全然かなわない部分があるようです。これについて、たとえば、日本薬科大学の船山信次教授は、以下のように述べています。


毒と薬は表裏一体。身近に存在する自然界の毒

船山 「毒」は”怖い””恐ろしい”といったイメージが強いかもしれませんが、実は非常に身近な存在です。

そもそも「毒」というのは、人間の都合で命名したに過ぎません。生体に何らかの作用を及ぼす化合物の中で、私たちに芳しくない影響を与えるものを「毒」、都合の良い働きをする場合を「薬」と呼んでいるだけです。つまり、毒と薬は表裏一体で、これを私は「薬毒同源」と唱えています。

──「毒にも薬にもなる」というような表現には、そうした由来があるのですね。毒にはどのような種類があるのですか。

船山 まず、自然界由来のものと、人工物に分けられます。植物、動物、微生物などの毒が自然界由来で、農薬や、サリンのような毒ガスなどが人工物に分類されます。そして、自然界由来の「毒」の方が、圧倒的に種類が多く、一般に、毒性も強いのです。

──それは意外ですね。ニュースなどで聞く「メタミドホス」に代表される人工的な毒の方が、「毒」の中心だと思っていました。

船山 例えば、「ボツリヌストキシン」という微生物の毒がありますが、これは1gで約5500万人もの命を危うくしてしまう程の威力があります。一方、有名な人工物の毒である青酸カリウムは、フグの毒の約1000分の1の毒性しかありません。これ以外にも、強い毒性を持った自然の毒は数多くあります。



このように、自然の力は、毒においても人間の作り出すもの超えている例が多いことがわかります。おそらく、どんなに頑張っても、人間が「ボツリヌストキシン」(ボツリヌス中毒を起こす菌)と同程度の毒性を作り出すことは無理でしょう。

しかし、自然はすごいですが、しかし、人間の自然利用のすごさはそれを上回っていまして、この超猛毒のボツリヌストキシンは、Wikipedia によりますと、

ボツリヌストキシンは、医療用医薬品としては、 2010年現在、83ヵ国で様々な疾患に用いられている。

というように、薬で使われている他、美容整形では、「ボツリヌス・トキシン注入法」というものが、プチ小顔やプチしわとり、「お顔の若返り」などで使われているというあたり、猛毒もなす術がないようです。(「ボツリヌストキシン」で画像検索すると、ほとんどが美容関係)

ところで、船山教授は「薬毒同源」という言葉を使っています。

これは多くの過去の賢人たちも言っていることで、偉大なる医師ともいわれ、また魔術師ともいわれ、後世のホメオパシーにも着想を与えたパラケルスス(1493 - 1541年)は、

「すべての物質は毒である。毒でないものは何もない。摂取量によって毒にも薬にもなる 」

と言っていたことが、経済産業省のこちらの資料に書かれてあります。

パラケルススは植物学者でもありましたが、この「すべての物質は毒」というフレーズはなかなかすごいですが、確かに、そういうものなのかもしれません。

たとえば、トリカブトは毒草として有名ですが、『毒のある植物』という本には、トリカブトに関して、古代や中世では、「猛毒を説明する」場合と、「薬としての説明」されているものがそれぞれが記載されています。

また、アイヌがトリカブトの毒を用いて生活の糧としての道具としていたり、中国では戦争に使われていたことなども知ります。


『毒のある植物』より

トリカブト矢毒

洋の東西を問わず、毒草としてこれほど世界に広く知れわたっているものはないでしょう。アイヌ民族は熊や鯨を獲る毒矢に利用しており、また古く漢代の中国では毒矢用に調整したエキスを「射罔(しゃもう)」と称して、戦争に用いています。

インドのトリカブト「ビシュ」は中世アラビアでは有名で、11世紀のアラビア医師イサ・ベン・アリは、「インドにある三種のトリカブトの一種は最悪で、この毒を体に塗るだけで肉が破れ、毒蛇の毒より速く体内に入り相手を殺すことができる。また、この毒汁は矢尻にも塗られ、それで射られたものは必ず死んでしまう」と記しています。

また一方では古代インド人や中国人たちはこの毒を積極的に薬として開発しています。矢毒になる毒を古代から薬として用いたのは、このトリカブトが唯一のものでしょう。

『神農本草経』には、新陳代謝機能のおとろえた状態を元気にする薬として、手足の関節の麻痺、疼痛の治療、代謝機能失調の回復、虚弱体質者の腹痛、下痢など、内臓器官が弱った結果おこる症状の復活などを目的として用いています。

ただ毒性がきわめて強いため、中国ではトリカブトの毒性を減じるため種々の修治(加工)が工夫されています。



こういう「猛毒を医療に転用する」ためには、大変な思考と労力と、そして、犠牲もあったでしょうけれど、これらは、人類史に「新しい技術」を生み出し、「医療」を進歩させ・・・というように、植物は毒の面でも人類をサポートしていることがわかります。




植物、戦争、文明

先日の植物発電についての記事、

オランダの女性たちが発見した奇跡のエネルギー生成 : 生きた植物と生きた微生物と水のコラボレーションが生み出した驚異の発電法 - Plant-MFC
 2015年07月04日

に私は、

植物は、自分から排出される廃棄物が発電に使えることが「人間に発見されるのを待っていた」ように思えます。

と書きましたが、トリカブトや、あらゆる「毒草」も同じように、「人間に毒(=薬)として発見される時を待っていた」ように感じます。

植物発電のこともそうですが、植物の隠された「本態」が明らかになるたびに、少し人類の文明は進む、ということを繰り返してきたよにう思います。

衣服の歴史も植物利用の歴史ですし(本来、人間の衣服には「世界と人間の結びつきを表すものとして」大変重要な意味があったことをシュタイナーは述べています)、何でも植物が関与しているように思えます。

その中で、植物毒の場合は具体的にその役割を上げますと、先ほど漢の時代の中国で「戦争にトリカブトの毒を使った」ことが書かれてありますが、毒は人間社会に対して、

・戦争
・暗殺(政治の劇的変換)


などに大いに使われていくと同時に、

・医療
・薬学
・美容


の発展にも大きく貢献したということになりそうです。

ところで、「戦争」は、否定的な側面が強調されやすいですし、実際に否定的なものかもしれないですが、「戦争が医学を発展させてきた」ことは残念ながら事実で、近現代のほとんどの戦争はそうだったと思います。

たとえば、看護師の始祖といえるナイチンゲールが後世に残る看護書を示せたのも、クリミア戦争(1853-1856年)で従軍看護師として、兵士たちの看護に当たっている中で見出していったことです。

ここに、医療のひとつのパラドックスがあって、それは、

「怪我人や病人の存在がなければ、医療は進まない」

ということです。

たとえば、クリミア戦争では、病院で夥しい兵士たちが負傷で亡くなっていく中で、ナイチンゲールは「看護の気づき」を得たのでしょうし、そのナイチンゲールの看護への姿勢は、その後、百数十年続く看護の基礎となっています。

今、私たちが緊急医療などで命を助けられている背景には、過去の膨大な負傷者、病気の人、そして膨大な死者がいます。その上に現代の快適な生活システムが存在しているということを思い出します。

また、戦争は統計学をはじめとする数々の学問を生み出し、通信技術、輸送技術をはじめとする様々なテクノロジーを飛躍的に発展させてきました。

生活に本当に必要かどうかは別として、現代社会で私たちが使っているさまざまなもの、ジェット機、レーダー、緊急医療システムなどは、戦争から生まれたものだそうです。私たちが日々使っているインターネットも、多少それと関係します。

道徳的な観点や理性の面からは、戦争は否定的で悲劇的な存在であることも事実であっても、現実は理性とは逆であることも事実のようです。

しかし、これを逆に考えれば・・・。

戦争から生まれたような技術は、本来の人間の生活には必要のないものかもしれない」

とも思いますが。

最近の私は、理想的で、最も進んだ人間の生活は、植物との直接的にふれる生活だと思っていますので、それを突きつめれば、ジェット機だとか車だとかレーダーだとかテレビだとか、あるいは、インターネットさえも必要かどうかは微妙なところではあります。

植物の話から、何だかわからないですが、戦争に及んできてしまいましたが、しかし、植物は「提供する側」ではあっても、植物は人間に「これを使って何々をしなさい」と命令するわけではなく、考えるのは人間の役割です。意志と自我は人間にあります。

気づいて、そして考える。

人間の生活に必要なものを何でも提供してくれる植物を、私たちがどのように社会で利用するのかは、私たちが考えることです。よい社会にするのも、そうでない社会にするのも、私たちの役割です。

ふと、ここで、

「いつか賢明な人々が現れて、この車が全人類の利益にかなう使い方を見つけてくれる日を待っている」

というフレーズを思いました。

これは、かつてのアメリカのテレビドラマ『ローン・ガンメン』の中の台詞の中の「車」を「植物」に置き換えたものです。




いつか賢明な人々が現れて、全人類の利益にかなう使い方を見つけてくれる日

話が逸れますけれど、先日、うちの奥さんと下のような会話をしました。

奥 「ローン・ガンメンがまた見たくて、中古ビデオ買っちゃった」
私 「え? ローン・ガンメン、ビデオないじゃん」
奥 「Xファイル外伝で、2作品だけ入っているのがあるって知ったの」

「ローン・ガンメン」は、ご存じない方のほうが多いかもしれないですが、2001年にアメリカで放映されていたドラマで、もともとはXファイルの登場人物の、いわゆる「スピンオフもの」として放映されたものですが、視聴率が悪く、シーズン1(13話)で打ち切りとなり、日本では一度だけ衛星か何かで放映されただけで、基本的にビデオも DVD も出ていないという一種の幻のドラマです。

日本では Wikipedia 項目さえないです。

まあ、下の冴えない中年男性3人が主人公ですから、仕方ない面もありそうですが。

Lone-Gunmen-the-lone-gunmen.jpg
・Lone Gunmen

しかし、内容的にはどれも大変おもしろいもので、「ローン・ガンメン」という新聞を発行している上の3人(と2人の関係者)が、アメリカ政府の陰謀、石油メジャーや大企業の陰謀に立ち向かう様子をギャグ・テイストで描いているものです。全体の7割をギャグが占める一種難解な「陰謀論モノ」といえます。

ちなみに、ローン・ガンメンは、第1話の「パイロット」というストーリーが、


アメリカ政府が「民間航空機を遠隔操作して、ニューヨークの世界貿易センタービルに意図的に衝突させること」を企てている情報をローン・ガンメンのメンバーが知ることとなり、それをハッキングで阻止する。


というストーリーでした。
同時多発テロの半年前に放映された回です。

pilot-no1.jpg
・Lone Gunmen


要するに、911とまったく同じようなことがドラマで展開されていたのです。
ちがうのは、ドラマでは阻止されて、911では阻止されなかったことです。

アメリカ政府がそんなことを行う理由は、ドラマによれば、


旅客機テロを中東の反米国家や反米勢力が行ったこととしてでっち上げ、戦争を煽り、武器の売り上げを上げるため。


と説明されていました。

ドラマが放映された半年後にドラマと同じようなことがニューヨークで起きます。

現実に起きたことが、あまりにもドラマの内容と似ていたために話題になったこともありますが、それでも日本で当時 13本の吹き替え版をフルで見た人はあまりいなかったのではないかと思います。

その数少ないフルで見たひとりが私なのでした(笑)。

とっても偶然の話で、奥さんの女性の友だちが偶然、衛星で放映されていたローン・ガンメンの第1話を録画していて、見たら面白かったらしく、奥さんに「見るといいよ」と貸してくれたのです。

ふたりで見ていて、

「ああ、これは面白いね」

と結局、13話全部を見たのでした。

しかしそれ以来、十数年見られる機会もなく、「そのうち DVD でも出るでしょ」と言っていたのですが、 DVD もビデオも出ない。

そうしましたら、つい最近、先ほど書きましたようなことで、十数年ぶりに見ることがでたきのでした。

どうして、ローン・ガンメンの話などを書いているかといいますと、このビデオに入っていたうちの1本がとても私の好きな話で、そのドラマの中のナレーションがそれが先ほど書きました「いつか賢明な人々が現れて…全人類の利益にかなう使い方を見つけてくれる日を待っている」というフレーズを思わせるものだったからです。

「夢のプラン( Dream Plan )」というタイトルのその回のストーリーは、ローン・ガンメンのメンバーのひとりが、政府に情報公開を求める中で、ある資料を手に入れ、


1970年代のアメリカで、石油を使わずに、水だけを燃料として走る水力自動車が開発されていたが、水で走る自動車の登場を快く思わない石油メジャーはその車と技術を封殺しようとし、それ以来、破壊されるのを避けるために、どこかに車は隠されている。


ということを知ります。

そして、あらゆるハッキング技術を使って、その「フリーエネルギー自動車」の場所を探し出すのですが、それを作った今は亡き科学者のおこなったことは、ローン・ガンメンが考えていたこととはまったく違うことだったのです。

博士は「この夢の自動車は世に出してはいけない」と、自ら封印していたのです。
そして、娘さんに自分の意志を伝えます。

ローン・ガンメンと娘さんにこのような会話がなされます。

娘さん 「これは壊さなくてはならないのよ」
ローン 「何を言い出すんだ」
娘さん 「それが父の望みよ。父は自分では壊すことはできなかったけど、これ(夢の自動車)は存在すべきじゃない」
ローン 「どうしてだ? ガソリン要らずの無公害カーがどうして存在してはいけないんだ? 世界の経済にも寄与する」
娘さん 「ええ、すごいでしょうね。でも、その結果、開発ブームが巻き起こる。」
ローン 「ああ、それは当然だろう」
娘さん 「そして、車に乗る人が増え、車で行くところもどんどんと建てられる。そうなれば、消費だって増えるわ。もっと木が伐採され、道が作られる。道の舗装に何を使う?……石油よ」

まだ会話は続くのですが、夢の車として開発した無公害自動車が、むしろ石油の使用を増やし、さらに自然を破壊するものになるかもしれないとして、開発した博士は自らこの車を封印したのです。

そして、ストーリーでは、実は、石油メジャーこそが、この「夢の車」を探し続けていたのです。石油メジャーは「石油の使用量をさらに増やすため」と、「夢の車を収益のもうひとつの柱とするため」に、この水力自動車を大々的に売り出すことを目論んでいたのでした。

このストーリーを見て、私は、

「物事は一方向からだけ見ていてはわからないものだよなあ」

と納得した記憶があります。

まあ、最後はハッピーエンドで、

「いつか賢明な人々が現れて、この車が全人類の利益にかなう使い方を見つけてくれる日を待っている」

というナレーションが入り終わるのですが、「植物と人間と戦争」のことを書いていて、ふと、このフレーズを思い出したのでした。

下がそのシーンです。

ローン・ガンメン - ドリームプラン ラストシーン



うーん、見事に話が逸れてしまいました。

ここまで話が逸れると、ここから植物の話に戻るのは難しそうですが、今回の話の主軸は「植物の毒もまた人間と寄り添って存在している」ということでした。

そして、植物を利用する私たちは、それをどのように利用するのが正しいのかを、これから考えなければならないのだろうなあと。



  

2015年07月06日



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植物が生存のためには「非効率的な色」をしている理由

今回書こうとしていることは、「植物が緑色である理由」と関係するものですが、このことは、前回の記事、

オランダの女性たちが発見した奇跡のエネルギー生成 : 生きた植物と生きた微生物と水のコラボレーションが生み出した驚異の発電法 - Plant-MFC
 2015年07月04日

を書いている時に、ふと思ったことです。

震災の2ヶ月後くらいに、

緑の意味
 2011年05月02日

という記事を書いたことがありますが、この記事は「なぜ植物は一律に緑なのか」という疑問についての記事でしたが、4年の歳月を経て、この答えがわかったかもしれません。

なお、この「植物はどうして緑色なのか」という疑問については、ほとんど形而上的な質問でもあり、わかっているのは、「緑色に見える理由」だけで、「緑色である理由」の答えはいまだにありません。

植物が緑であることの「謎」は、植物以外のすべての生物、たとえば、哺乳類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫やそれに類するものから、微生物や細菌などに至るまで、あらゆる生物は種により様々な「色」を持っています。

花に止まる蝶
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kingofsmile


プランクトン
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しかし、地上の植物は、ほんのわずかな例外を除けば、その葉は緑色です。

地球上のあらゆる生物の中で、植物ほど、どの種類もすべてが同じ色を持っているというものはいないのです。

花の色や大きさ、葉や全体の形、 育つ環境や、生育のしくみなどは、植物ひとつひとつでまったく違うのに「葉が緑である」ことから外れた植物はほとんどいない。

ここには何か地球の創造と関係するような「大きな必然性」があるはずです。
偶然でこんなことになるわけがない。

まず、最初に、この問題の最も大きな壁であるひとつの事実、

「光と水で生きている植物にとって、実は、緑色という色は最も効率が悪い」

ということを少し考えてみます。

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緑色は植物の生存には最も適さない

まずは、4年前の記事でも抜粋しました、社団法人 日本技術士会 北陸本部のウェブサイトにあります「彼らはなぜ「緑色」を選んだのだろうか・・・???」というコラムから抜粋します。

これが、植物と携わっている人が、いつかは辿りつく究極の問いです。
少し長い抜粋ですが、これ以上は削ることができませんでした。


彼らはなぜ「緑色」を選んだのだろうか・・・???

ほとんどの植物の菓っぱは緑色をしている。そんなことはあまりにも当たり前すぎて、以前はな〜んも気にならなかった。毎日空気を吸いながら、空気の存在そのものを忘れてしまっているように。私がこの世に生まれるずっとずっとず〜と以前からそうだったはずだし、私が神に召された後もやっばりず〜とそうだろうと思う。(略)

植物の葉が緑なのは、「葉が緑色の光を反射あるいは透過し、他の色の光を吸収している」という理由による。

つまり、葉は緑色の光をあまり必要としないということである。光のエネルギーを取り入れて糖を生産(光合成)するのに、緑色の波長領域のエネルギーを捨てた……ことを意味している。

ところが……である。(私の記憶に間違いが無ければ、ここが重要!!)

地球に届く太陽光の強さと波長との関係を見ると、緑色の光に強さのピークがあるらしい。最強の緑色光を使えば、例え曇天の日でも光合成が可能となるんじゃないか? その方が明らかに効率的ではないか。

光のエネルギーを利用して光合成を行う植物が、最も強い光を吸収しないで捨てる。そういうメカニズムになっている植物たちって、一体なんでやねん!?!

なんでそんな非効率的で訳のわからん選択をするのだろう?

単に、神様の御戯れかな???

数億年も前に植物が誕生してから、ずっとずっと緑で来たのだろう。だから、緑であることが何か非常に重要な合理性を持っているはず。

そして植物たちが選択して来たその合理性は、強いエネルギーの光を捨てて相対的に低いエネルギー利用を選択することの意味を納得させるだけの説得力を持っているはずである。(どなたか、知っている人がいたら是非教えて下さい!!!)

植物たちと付き合いはじめてから35年もの時間が流れてしまいました。

その間、ほとんど毎日目にしている彼らが「緑色」であることに対し、ほとんど意識をしなかった。ところがある日、ふと気になり出すと多いに気になり、その疑問を捨てられなくなってしまう。

35年も見続けて来ながら、そんな基本的なことすら解っていなかったのだなあ〜と、かなり凹んでいます。彼らが緑である理由はいまだに解りませんが、自分の無知さ加減は身にしみて解りました。

願わくば、「なあ〜るほど!!!」と納得してから神に召されたいと思います。



このコラムを書かれた方は、植物と35年も付き合ってきた方だということのようですが、それから4年経っていますから、お元気なら、植物と付き合って 40年ということになりそうです。

この方の持つ疑問とは、「太陽の光と色の関係」と「色はどうして、その色に見えるか」ということから考えてくと、わかりやすいと思います。


色の発生の原理

太陽光がその物質に当たったときに、光は、

・反射する光
・吸収された光


とにわかれます。

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生物史から、自然の摂理を読み解く


上の図にありますように、「目で見える色は、反射した太陽光」ということで、実は、私たちは物質の色を見ているのではなく、

「反射した光が目に入ったものを脳で感じているだけ」

だということになります。

たとえば、植物なら、その葉が緑色に見えるということは、植物が緑の光を「吸収しないで反射している」から緑に見えていることになるという理解でいいのではないかと思われます。

ところで、「見る」ことに関して、さらに言いますと、反射した光は意識しなくともこちらに向かってくるのですから、実は、

「物体を見ているというより、反射した光(電磁波)を脳が感じているだけ」

とも言えます。

これが「見る」という行為の実相ですが、さらに言いますと、これはちょっと別の話になってしまいますが、赤とか緑とか白とか様々な「色は存在する」と私たちは何となく思っていますが、実は、色は存在しません。

「どうしてその色をその色だと人間は感じるのか」は、これもまた永遠の謎

なのです。

下の図は色の分布で、図の下に「電波」とか「マイクロ波」とかが書かれてありますが、つまり、私たちは電波とかマイクロ波とかいう「波長に色を感じている」わけです。波長に色などはついているわけもないのに、私たちはそれを「色」と認識します。

光のスペクトル
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光とは


電波にもマイクロ波にも赤外線にも紫外線にもX線にも当然、色はついていません。
しかし、それらの波長を私たちは「色」と感じている。

過去記事の、

…数々のシンクロの中で、この世の存在は「音そのもの」であるかもしれないことに確信を持てそうな春の夜
 2015年03月22日

など、この春くらいから私は、「形は音(周波数)から作られているのではないか」と思い始めていることについて何度か記したことがありますが、色に関しては、上記のように、曖昧なことではなく、「本当に存在しない」のです。

単なる波長をなぜ人間が「色」として感じるのかは、永遠の謎とされています。

しかしまあ、このことは今回のこととは違う問題ですので、「この世は、色も形も存在しない」ということについては、置いておきます。

さて、「存在している色」としての緑の話に戻ります。

上の図の「色のスペクトル」を見てみると、真ん中に緑色があることがわかると思います。
つまり、緑の光は「強い光」なのです。

先ほどの「日本技術士会 北陸本部」のコラムの中に、

地球に届く太陽光の強さと波長との関係を見ると、緑色の光に強さのピークがある

という下りがありましたが、太陽光の中で最も強い緑の光を、植物は「吸収していない」ことになるのです。

ここから考えますと、光合成で生きる植物にとって、自分の体が緑色であるということは、非常にエネルギー効率の悪いことになっているのです。緑色の光は強いものですので、これを吸収するほうが良いはずです。

そして、体の色としては「黒」がベストです。

しかし、植物はそれを選ばないで、最も非効率で不適切とさえいえる緑色で生きている。





エネルギーを与えるために

ここまで書いたことは、簡単に書きますと、

光で生きる植物が効率よく生きるためには、緑色ではないい方がいいのに、現実は植物はほぼすべてが緑

ということで、これは一種の永遠の謎とされています。

ちなみに、「人間の血はどうして赤いのか」も同じように謎といえば謎です。

面白いのは、色には「反対色(補色)」という概念がありまして、互いの色を引き立て合う効果があります。

反対色は、下の色相環といわれる図で「円の反対に位置するのが反対色」で、その色同士がお互いの色を引き立て合います。

color_wheel.gif
補色 - Wikipedia

これを見ますと、「赤の反対にあるのは緑」であることがおわかりかと思います。

人間の血の色である赤は、植物の色である緑を引き立て、植物の緑は人間の血の赤を引き立てるという構図になっているのでした。

話を戻しますが、地球の植物の多くが「光で生きている」のに、その生存のために最も効率のいいはずの緑の光を「拒絶する色」である緑であることを植物は選んだということになります。

エネルギー生成の観点からは、本来は「植物の色は黒に近いほうが理想的」です。

なぜ、植物は黒にならなかったのか。

植物という存在は完全なもので、進化上の間違いなどということがその歴史の中で起きるわけがない。

効率だけ考えるのなら、植物は緑色など選ばなかったはずです。
なので、「効率」以上の理由がそこにあるはずです。

いわゆる進化論というものがあるのだとすれば(そういうものはないですが、仮にということで)、植物の多くは、黒っぽくなったはずです。

その方向で進化していけば、森や草原に行くと下のような風景の地球になっていたということですね。

植物が光合成に対して効率のいい色だった場合の世界
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きわめて味気ない風景となってしまいますが、この方が緑よりはるかに効率的に光合成がおこなえるだけではなく、曇りの日が続いても、弱い光しか入らない場所でも「黒いボディの植物」なら、効率的に体内に光を取り込めるので、植物自体の生存には優れているはずです。

しかし、そうはなりませんでした。

多くの地球の森などの色と光景は下のようになっています。

現実の植物の色
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DR.ODD


私たちの多くは、このような緑を見て「美しい」と思えますが、なぜ、このような美しい光景を保って、あるいは「自らの生存条件を弱くまでして」植物は緑色の存在として長い年月を地球で生きてきたのか。

もっとも光合成の効率の悪い色を選んでまで、植物が緑であり続ける理由は何なのか。

前回の植物での発電の記事でご紹介したものの中に下の文章があります。
実はこの部分を読んで、今回のことに気づいたのでした。


プラント- e 社は、植物が光合成をする際に、その 70パーセントが使われていないことを発見した。

根を通って排出されるその廃棄物は C6H12O6 (グルコース)の化学構造を持っており、それが微生物によって分解され、二酸化炭素(CO 2)、プロトン(H+)と電子(e - )になる。



なーんと、植物は、光合成において 70パーセントもの「無駄」を作り出していた。

ただでさえ効率の悪い「緑色」の体をしている上に、70パーセントもの無駄を出しているなんてのは、やはり植物は不完全なものだった?

しかし、植物の意志はどうであれ、これで助かる存在があります


それは人間です。


植物が無駄にした廃棄物があるからこそ、人間はそこから「エネルギー(電気)」を取り出すことができます。

電気はこの地球上で人間だけが使うものです。

その源となるエネルギーが、植物という人間の身近で自然発生している。

しかも「あえて植物が無駄な光合成の効率をとる」ことによって、初めてそこに電気というエネルギーが発生する条件が生まれている。

そして、植物が、光合成を「効率悪く」おこなえばおこなうほど、電気転換の効率は良くなる。「効率悪い光合成のため」に最も適した色は何か?

それはおそらく「緑色」です。

そして、その理由が「植物は人間と共生するために存在しているから」だと思うに至ったのです。

先に結論的なことを書きますと、植物と人間の関係は、エネルギー生成の合理的な理由を含めて、

人間のいる場所の植物は緑色でなければいけないという原則がある

というもので、そして、あとは

人間は植物の緑を美しいものだと感じるという原則がある

こともそれと同じことだと確信しました。

この原理は先ほど書きました「なぜ人間が色を感じるのかはいまだにわかっていない」ことと、色の正体が「音(波長)」であることと関係していると思われますが、とりあえずは、上のふたつの「原則」が地球には存在しているという「理屈のない断定」でも構わないと思います。




植物と人間の一体性

植物の緑色という色は効率の悪い光合成のためには最適で、そして、「歴史の中で、いつかは人間がそこからエネルギーをとることができる」ことを植物か、あるいは「誰か」がその時を待っていた

先ほども書きましたが「色は基本的に単なる波長」で、そこに色はありません。しかし、私たち人間は、原初から「その波長の電磁波を、それぞれの色だと感じるように」作られている。

それらに加えて、様々な物体にある「色」で様々な感情を持つことができるようになっている。

空の色、雲の色、太陽の色、土の色、植物の色……。

私たちは植物の葉の色を緑色だと感じていますが、しかし、先ほど書きましたように、そこには何もないかもしれないのですが、そのことは別としても、ほとんどの人は「緑の植物がたくさんある光景を美しい」と思うはずです。

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magic4walls


特に、都市部などに住んでいて、緑と離れた生活をしていればいるほど、この傾向は強いような気がします。

「なぜ緑が多い光景を美しく感じるのか」というのも根源的な謎としか言いようがないですが、「これが地球の原則」だと思いこんでしまえば、それで十分なのだと思います。

結局、植物が緑である理由は、植物サイドのことだけを考えていては、その答えは出ないものだったということに気づいたわけで、

「植物と人間の関係」という括りを考える中で始めてわかる

のだと思います。

それが間違いであっても構いません。

地球のすべての生物(細菌と、非生物のウイルスを含む)や鉱物が人間の味方であることは間違いないですが、今回書いていることを考えると、植物はちがうと思うようになりました。

植物は、味方とか仲間とか、そういうものではなく、

「植物と人間は一体のもの」

だと確信できます。

水と空気と気温がある地球という大前提があれば、実は、人間は植物だけを生活の糧(食料、建物、道具、衣服、電気・・・)として生きていけることに気づきます。

もっと言えば、「植物由来以外のものは、実は人間の生活では必要ないのではないか」という気さえします。

まあ、鉱物とかはちょっと必要ですかね。
石とか金とか鉄とか。

動物や鳥や魚や爬虫類や両生類や虫や微生物などの生き物やウイルスたちは、「私たち」の環境を作ってくれているとても重要な存在です。

そして、この「私たち」というのは「植物と人間のこと」だと思います。

それに加えて、少し前に書いていた「健康関連」の記事などを思い出しますと、植物は私たち人間の「心身の健康」とも関連している気もします。食べたり薬にする方の話ではなく、植物の存在そのものの話としてです。




植物とリラックスと白血球の状態の関係

多くの人は、緑の自然を見たり、それにふれるときに、リラックスしたり、美しいと感じたりすると思います。緑を見て怒り出したり恐怖したりする人はそんなにはいないはずです。そして、植物でリラックスを感じるならば、植物とふれる時間が多ければ多いほど、そのリラックス状態は長時間に及ぶといえると思います。

これほど簡単に人の心をリラックスさせるものは(見るだけや、そこにいるだけで、のような)、他にあまりないような気がするのですが、過去記事の、

「ガン発生のメカニズムも、また人間に与えられた優れた機能」だということをほんの少しだけ書かせていただきます
 2015年05月12日

などで、新潟大学名誉教授の安保徹さんという方を取り上げたことがあります。免疫学の権威である安保さんは、白血球中の顆粒球とリンパ球のバランスが崩れることで病気が発生するという説を確立しています。ガンもです。

安保さんの主張から考えますと、基本的には、緊張や感情が高ぶるような状態ばかりだと、白血球のバランスが崩れて病気が起きやすくなる(リラックスし過ぎるのも同様です)といってもいいかもしれません。これは、交感神経と副交感神経の働きとも関係することですが、詳しくは 日本自律神経免疫治療研究会のウェブサイトなどをご参照下さい。

緊張状態が過度に進むと、心だけではなく、実際に体の病気を引き起こすといってもいいのかもしれません。

そういう意味では、簡単に確実にリラックスできる「緑の中で過ごしたり、植物にふれること」そのものが健康法だと考えることに、それほど違和感はないように思います。

そして、実は「植物の健康」も人間が改善させてあげることができるのです。

過去記事の…これは自分で書いた記事の中で、最も自分の生活に役立っているもののひとつですが、

驚異の植物の防衛力アップ法が米国の生物学者の研究により判明:その方法は「さわること」
 2012年04月23日

という記事があります。

これは、米国ライス大学の生物学者たちが、植物が人間にさわられることで、「ジャスモン酸エステル」という植物のホルモンを多く分泌することを突き止め、そして、このジャスモン酸エステルこそが、植物を「強く美しくする」のです。

つまりは、

「植物は毎日さわるだけで強くなる」

のです。

下は「右」が毎日さわり続けた植物(ペンペン草)ですが、姿形が乱れることなく、茎も曲がらず、まっすぐ育っていることがわかります。また、ジャスモン酸エステルは虫の嫌う成分ですので、「さわればさわるほど、虫がつきにくくなる」とも言えます。

さわらない植物(左)と毎日さわり続けた植物(右)
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・Rice University


左のさわっていない方は、背丈こそ伸びていますが、茎も弱そうで、虫や病気にも弱いそうです。

私はこれをこの記事を書いた3年前からまめにおこなっていますが、今年は植物にアブラムシが、ほぼまったくつかない状態で春を乗り切りました。

人間が植物にふれると心身共に健康になるのと同じように、植物のほうにも人間にふれられると「健康になる」プログラムがあるのでした。

「植物は人間にふれられるために作られた」

とも言えるかもしれません。

このあたりにも植物と人間の「一体」を感じます。

人間が地球に存在する限り、植物は存在し続けるでしょうし、逆のこともいえるでしょう。

人間のいないところでは、おそらく「緑の」植物は育たない。

このことから、古代など、まだ人間が地球上にいない時に植物が繁栄していた時があるということに、やや違和感を感じてきました。

もしかすると、すべての時代において「人間」がいたのかもしれないと思えて仕方ないです。

それはともかく、植物は、発電法を含めた「エネルギーの人間との共有」をスムーズに行う意味で、緑「でなければならなかった」ということにもなり、また、植物の緑色は、人間が食べてその体を維持するすべての栄養素が含まれている意味も含むはずです。

植物の「人間との共存の中での完全性」を示す色が緑だったのでした。
植物が緑色以外であることは考えられないことなのです。

そして、今回のことで思ったのは、人間が植物と「完全に共生・共存」できた時に、地球の人間の生活システムが完成するのだという確信でした。



  

2015年07月04日



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植物を育てる過程の中で発電をおこなうという完全な再生可能なエネルギー生成



植物というのは、この地球上にある存在の中で、最も人間の生活と生命をサポートしてくれるもののひとつだと思います。

そして、「微生物」。

これも人間の生活を非常に大きく支えているもので、アメリカの著名な微生物学者カール・ウーズ博士は、

「この地球上から、多細胞生物が消滅しても、微生物たちはほとんど影響を受けないだろうが、もし地球上から微生物の生態系が消滅すれば、多細胞生物は絶滅することは明らかだ」

と言っていたことが Daily Galaxy で紹介されていました。

植物さえも、微生物がいなければ、おそらくは生きていけないはずです。

そして、その微生物も植物も含めて、地球上のほぼすべての生命に必要なものが「水」です。
水がなければ、現在のすべてに近い地球の生命が生き残ることはないと思われます。

この世の環境や生命がどのように整ってきたのかの現在の科学的な説はともかく、

完全なバランスの上にこの地球の生命体系は保たれていて、そして、人間がそこに生きている

ということになっているのがこの地球です。

その根幹を支える、

・水
・微生物
・植物


のうちの植物が人間生活に貢献してくれていることは、食べ物としての植物、建造物や道具などに使う植物、燃料に使われる植物、観賞に使われる植物、薬として使われる植物など、さまざまありますが、植物が満を持して

「俺の歴史にまた1ページ」

と述べる感じで登場したのが、「発電」なのでした。

しかも、この発電法は、植物も微生物も「生きたまま」でおこなう、あるいは「自然の状態のまま」での発電方法でもあります。

というか、植物も微生物も生きていないと発電できないのです。




完全自給自足への道すじも見えてくるような

これを知ったのは、先日、お知り合いから下の記事を教えてもらったことがキッカケでした。

そして、「ああ、こんなことがおこなわれているのか」と、やや感嘆したのです。


オランダでは、植物から電力を生み出している!?まったく新しい自然エネルギーに注目
TABI LABO

将来的には水田を発電所と呼ぶようになるのかもしれません。

オランダの企業「Plant-e」が開発したのは、植物を植えた湿地から電力を“収穫”する技術。

まさに、天然のソーラーパワーシステムとも言えるものです。植物から街灯やWi-Fiスポットの電気をまかなったり、スマホなどの電子機器を充電できるようにもなります。

このプロジェクトは「Starry Sky」とも呼ばれ、2014年の11月にアムステルダムで始まりました。すでに300以上のLED街灯に光を灯すことに成功しています。

光合成によって生成される有機物の中には、植物の成長を促す成分が含まれています。しかし、そのほとんどは使用されずに根っこから土へと排泄されてしまうのだとか。そのため、根っこの周りには、その有機物を食べようと自然と微生物が集まりますが、そこにヒントが隠されているようです。

微生物が有機物を消費する際には、電子が放出されているのだそう。そのため、そこに電極を設置することで電子を収集、電力を生み出す仕組みです。



今回、このことについて、もう少し具体的に説明しているインドネシアのメディア記事を見つけましたので、ご紹介したいと思います。

この発電のイメージとしては下のようなものです。

plant-e6.gif
Plant-e Technology


上の記事のタイトルには「植物から電力を生み出している」とありますが、

> 微生物が有機物を消費する際には、電子が放出されている

というように、実際に電力を作っているのは微生物なのですが、その電子を放出するためには、植物が必要ということになるようです。

これのすごいところは、「植物が生育しているそのままの環境でOK」ということです。

これまでにも、微生物を使った微生物燃料というものはありましたし、あるいは、過去記事、

宇宙のバクテリアを用いての強力な発電実験に成功した英国の研究チーム
 2012年02月29日

というような、微生物を用いる発電方法は存在していましたが、その多くが「自然の環境ではない」もので、しかも発電量も強いとは言えません。

この植物を利用した方法では、こちらによれば、

ノートパソコン1台を稼働させるために 15平方メートルの栽培面積で大丈夫

とあります。

15平方メートルというのは、9畳くらいですから、9畳の部屋分の水田で、ノートパソコン1台をまかなえる電力が発電できるなら、相当実用的ではないでしょうか。

そして、100平方メートルの面積(33坪くらい)があると、オランダでの一般的な家庭の電気量をまかなえる発電量になるそうです。

下は、実際にオランダで外灯に植物発電が使われている例です。

plant-e-02.jpg
Electricity from living plants


屋内での鉢植えなどでも発電できるようです。

下は、観葉植物で日本でもよく見られるグズマニアという鉢植えで発電している様子です。

ちなみに、この女性が、プラント - e 社の、CEO (最高経営責任者)のマージョレイン・ヘルダーさんという方です。

plant-guzmania.jpg
Wageningenur

何をしているかわかりづらいかもしれないですが、電気で回る地球の模型を回しているようです。ちなみに、これは、Plant - e 社内の様子だと思われます。

plant-rt.gif
YouTube


YouTube を見ますと、社内中の観葉植物に電極をつけていますので、あらゆる植物で発電しているようです。

屋内でも、ある程度、規模を大きくすれば、室内用のランプ( LED )での照明を照らせる程度の発電にはなるようです。

plant-light.jpg
Gelderlander


今回、この植物と微生物を利用した発電について紹介している記事のひとつをご紹介しようと思いますが、必要なものや、具体的な方法や費用については、よくわかりません。

これに関しては、「この知見が広まるかどうか」ということが、このテクノロジーが広がるかどうかの鍵となるとしか言いようがないかもしれません。

日本などでも、このテクノロジーが使えるようになれば、たとえば、農業をやりながら自給自足を目指している方などの生活スタイルにも影響する可能性はあるかもしれません。

大きな土地ではなくても、LED 電気と、最低限の通信手段(携帯など)と、情報ツール(ノートパソコンやタブレットなど)程度なら、30平米程度の水田か畑(ただし水がたっぶりあるものでなければいけないようです)があれば、フルでまかなえそうです。

さきほど書きましたように、100平米以上の水田なら、現在の普通の家庭で使われる程度の電気量を作り出すことができるようです。




植物は人間が気づくのを待っていた

私は今回のことで、とても考えたことというか、感動したこととしては、まずは、

「この地球で電気を必要としているのは、おそらく人間だけ」

だということです。

どういうことかというと、植物も微生物も電力なんか要らないわけで、それなら、植物は、微生物とのコラボレーションで「発電のメカニズム」なんてものをもつ必要はないわけですよ。

そんなものは地球で、人間以外は基本的に誰も必要としていないのです。


しかし、人間はそれを必要としている。


人間だけが電気を必要としていて、そして、電気を利用できるのも人間だけだと思います。
その電気を作り出すメカニズムを植物と微生物が持っていた・・・。

ちょっと偶然とは思えないですね。

そして、すごいのは、この発電法は、

「緑を増やせば増やすほど発電量が増え、また同時に、淡水の微生物の生態系も豊富になる」

ということです。

さらに、個人的に、すごいと思ったのは、このプラント-e 社は、「植物が光合成で、70パーセントほどを使わずに根から排出させていた」ということを発見したことにより、この発明が完成したらしいのですが、

「どうして 70パーセントも捨てる?」

と思ったのです。

完ぺきな作りであるはずの植物がどうして、そんな無駄なことを?

そして、この植物たちが「あえて」根から捨てている未使用分の部分が、細菌によって分解され、それが発電の源に至っている。

・・・これはつまり、「無駄」ではないですね。植物は、自分から排出される廃棄物が発電に使えることが「人間に発見されるのを待っていた」ように思えます。

19世紀のセルビアの偉大な予言者ミタール・タラビッチの予言を思い出します。

ミタール・タラビッチの予言より

人々は畑で働くのではなく、正しい場所や間違った場所などあらゆる場所を掘削する。だが、本物のエネルギー源は自らの周囲にある。エネルギー源は「見えないの?あなたの周囲にある。私をとって」などと言うことはできない。長い年月がたってからやっと人間はこのエネルギー源の存在を思い出し、地中に多くの穴を開けたことがいかに馬鹿げていたのか後悔するようになる。(ヤスの備忘録より)


ここから、プラント-e 社の活動をご紹介した記事です。

なお、このプロジェクトを開発したプラント-e 社は、CEOが、先ほどのマージョレイン・ヘルダーさんという女性で、 1983年生まれというので、まだ 32歳ですね。CMO (最高マーケティング責任者)も、ナンダ・シュラマさんという女性で、最高上層部は女性が占めています。

ceo-cmo.jpg

▲ 左から、マージョレイン・ヘルダー CEO と、ナンダ・シュラマ CMO。Plant-e




Plant-e: Menanam Tumbuhan, Memanen Listrik


プラント-e 社:植物を育てながら、電力を収穫する


植物が酸素を作り出すことができるのは広く知られている。

では、植物は電気を作り出すことができるだろうか?

そんなことは不可能に思えるかもしれないが、オランダに本社を置くプラント- e 社によって、それができることが証明されているのだ。

プラント- e 社は、植物を傷つけることも枯らすこともなく、「生きている植物から電気を収穫する」ことに成功した。

この、電気を作り出すために、自然の微生物を利用した画期的な方法は、「植物利用型微生物燃料電池( Plant-MFC )」と呼ばれる。

植物が光合成を行うと根から様々な有機化合物を生産するが、その有機化合物が微生物により無機物に分解される。

そのときに発生する余剰電子により発電が行われることを応用したものだ。

プラント- e 社は、植物が光合成をする際に、その 70パーセントが使われていないことを発見した。

根を通って排出されるその廃棄物は C6H12O6 (グルコース)の化学構造を持っており、それが微生物によって分解され、二酸化炭素(CO 2)、プロトン(H+)と電子(e - )になる。

この自然のプロセスを利用して、プラント- e 社はこれを電気エネルギーに変換できたのだ。
この電力は実際の電子機器に使うことができる。

現在、この Plant-MFC では、1平方メートル 0.4ワットの電気を発電させることができる。この発電量は、同じサイズのバイオガス発酵プロセスから発生した電気を超えている。

今後、本プロダクトは、1平方メートルあたり 3.2ワットの電気を作ることができるようになる。

ノートパソコンを駆動させるには、わずか 15平方メートルの植物の栽培面積があればいいということになる。

100平方メートルの土地の面積を持っている場合なら、発電量は年間 2,800キロワットに達する。この量は、オランダの家庭や他のヨーロッパ諸国の基本的な電力需要を満たすことができる量だ。

現在、プラント - e 社は、泥地や濡れた地面での活用に焦点を当てている。この条件が満たされれば、都市部では、建物の屋上などで発電ができる上に、都市部での生物の多様性を増加させることにも役に立つだろう。

この発電法は、さまざまな活用が考えられる。

暖かい地域では、稲作に応用できる。また、湿原、川のデルタ地域、マングローブ林や泥炭地などの湿地帯に位置する場所でも、効率よく発電ができる。

経済的な側面については、これらのプロダクトは、将来的には石油エネルギー、太陽電池パネルや風車からの電力より安くて貴重なものとなるだろう。

これは、再生可能で持続可能なエネルギー生成というだけではなく、「すべての人が利用可能」なものだ。

また、この方法はどのような遠隔地でも利用できるので、世界に 12億人以上いると思われる電気のない生活をしている人々の助けにもなる可能性がある。





(訳者注)ここまでです。

日本でも、どなたかこのビジネスやってくれないかなあ。

自給自足指向なども高まっている日本では、ビジネスとして成功すると思いますので、お金目的で全然いいですので、どなたか、日本にも紹介してくれると嬉しいですね。