2013年03月02日



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ガザ地区に打ち上げられた無数のマンタと、エジプトに現れたイナゴの大群に思う「第6の太陽の時代」



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▲ 2月28日に、パレスチナのガザ地区海岸に打ち上げられたエイ(マンタ)。報道では 400体はあったと伝えられています。下に動画もあります。






 


2013年3月の終わりの中東のふたつのできごと


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▲ 今回のできごとの位置関係を示した地図です。



昨日は記事を更新できなかったのですが、昨日知った中東の報道からいろいろ調べているうちに時間が過ぎてしまった次第です。そのニュースとは、今回のタイトルにもしていますが、下のふたつのニュースです。

文章は内容の概要です。


「ガザ地区に大量のエイの死体が打ち上げられる」

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Assabeel 2013.02.28

ガザ地区の沿岸で、大量のマンタの死体が発見された。翌朝、エイは地元の漁師たちによって解体された。エイは多くが血まみれだった。
正確な原因はまだわかっていない。




「エジプトにイナゴの大群が来襲」

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Farmers brace for locust invasion in Egypt's Nile Delta
Ahram 2013.02.26

エジプト南東部のナイル川デルタ地帯を異常な数のイナゴの大群が襲っており、農業地帯にダメージを与える可能性があると国連食糧農業機関(FAO)が報告した。

国際穀物理事会によると、エジプトは2012年に8.5万トンの小麦を生産しているアフリカ最大の小麦の産地であり、イナゴによって農作物が被害を受けることによる食糧供給への影響が懸念されている。それでなくとも、エジプトの財政は現在、不安定な状態で、そこにさらなる打撃が加えられる可能性がある。




前回の記事、

「空に太陽がふたつ見える時に法王はローマから逃げるだろう」と ノストラダムスは述べたのか述べなかったのか
 2013年02月28日

では、ノストラダムスの「百詩篇」の中からいくつかご紹介するようなことになっていました。

最近は偶然性だけで生きている私は、「昨日の今日だし、ノストラダムスにマンタとかイナゴとか出てるかも」と調べてみると、ノストラダムスの詩の中には「イナゴ」が出てくるものがありました。

訳はノストラダムス wiki から拝借したものです。


ノストラダムス 百詩篇第 3巻 82番

フレジュス、アンチーブといったニース周辺の諸都市は、
海と陸から鉄器によって荒廃させられる。
イナゴたちが海と陸とで順風に乗る。
戦争の掟なしに囚われ、死なされ、縛られ、掠奪される。



イナゴは聖書にも出てきます。

「ヨハネの黙示録」の9章です。


ヨハネの黙示録 / 9章 1節-6節

第五の天使がラッパを吹いた。

すると、一つの星が天から地上へ落ちて来るのが見えた。この星に、底なしの淵に通じる穴を開く鍵が与えられ、それが底なしの淵の穴を開くと、大きなかまどから出るような煙が穴から立ち上り、太陽も空も穴からの煙のために暗くなった。

そして、煙の中から、いなごの群れが地上へ出て来た。

このいなごには、地に住むさそりが持っているような力が与えられた。いなごは、地の草やどんな青物も、またどんな木も損なってはならないが、ただ、額に神の刻印を押されていない人には害を加えてもよい、と言い渡された。

殺してはいけないが、五か月の間、苦しめることは許されたのである。いなごが与える苦痛は、さそりが人を刺したときの苦痛のようであった。この人々は、その期間、死にたいと思っても死ぬことができず、切に死を望んでも、死の方が逃げて行く。



というくだりです。

また、「出エジプト記」の14章7説にも「神はイナゴ、カエル、地、そして死を送りつけた」という下りがあり、過去記事の「血の川の出現:原因不明の理由で真っ赤に染まったベイルートの川」に、その部分があります。




軽簡単旧約聖書「創世記 出エジプト」より。

モーセとアロンは、十の災いを示した。
杖でナイルの川の水を打つと川は、血の色に染まり飲めなくなった。
次に蛙の大群が押し寄せ エジプト人の体と家を覆い しらみとアブが大発生して 家畜や人を襲い疫病が蔓延した。
人と獣に膿をもつ腫れ物ができ 空からは雷鳴と供に激しく雹が降り 畑の作物と木々を打ち砕いた。
イナゴの猛威は、全てを食いつくし 最後は、伝染病により ファラオから奴隷、家畜に至るまでその初子は全て死に絶えたのであった。






この「出エジプト記」によると、モーセとアロンが示した災いの順番としては、

・川が赤くなる
・カエルの大群
・しらみの大発生
・アブの大発生
・疫病
・人と獣に腫れ物
・雷鳴と雹
・イナゴ
・伝染病
・すべての初子が死に絶える


などとなるようです。

上の中で、雷鳴や雹などは今では普通のことですし、伝染病も満ち溢れていますが、カエルとかしらみとかアブというのはどうなんですかね。まあ、しらみを「スーパーナンキンムシ」と言い換えれば・・・思い当たるフシも。

そんなわけで、上のそれぞれに合う In Deep の過去記事から、雷鳴と雹や、感染病などあまりにも多いものを除いて、他のものを照らしてみますと、




などのようになりそうです。


ところで、雹(ひょう)は最近の自然現象としては確かにありふれてはいますけど、最近の傾向としては「ものすごくデカイ」のですよ。数十センチとか1メートルとかの雹が降るのです。

最近も米国のミシガンで下みたいな雹が降っています。

ice-bolders.JPG

Ice boulders roll onto shores of Lake Michigan より。


下のは昨年4月の米国テキサス。

hail01-02.jpg

「直径1メートルの雹(ひょう)」を降らせた春のテキサスの「異常な嵐」より。


これらがもし、人や建物に直接当たった場合はどうなるかというのは想像できる部分があります。かつては「大きいことはいいことだ」と言われたりしたものですが、なんでも大きければいいというものでもなさそうです。


ここまで「イナゴ」から脱線してしまいましたが、昨晩何を調べて朝になってしまったのかというと、「エイ」なんです。



スマイルフェイスのまま海岸に広がる数百の死体


下の動画は、現地のテレビで放映された「打ち上げられたエイ」の動画です。


パレスチナのガザ地区に大量のマンタ(エイ)が打ち上げられる




ニュースの後半は、地元の漁師たちがエイを切り刻んで持って行く映像となって、なかなか凄惨ですので、そこは割愛しましたが、そこまで見たい方は、オリジナルのこちらに全編あります。

今回、ガザ地区に打ち上げられたエイは、英語の記事などを読むと、マンタ、あるいはオニイトマキエイというもののようなんですが、このマンタというものが、聖書やあるいは神話や伝説に出てくるかというと、それがどうもわからない。


調べていてわかったのは、そもそもこのマンタ、あるいはエイ全般というものの生態は謎が多いということだったのですけれど、まあ、しかし、そのあたりに踏み込むと無駄に長くなりますので、また「エイ」の出来事などがありました時に、ふれてみたいと思います。


ちなみに、マンタは、昨年の夏に私は実物を見ました。

過去記事の、

生物学者も識別できない大量の「謎の生き物」に侵略されているオアフ島の海岸
 2012年07月22日

で、江の島水族館に行った時のことを書いていますが、そこにマンタもいました。

マンタは裏から見ると、下みたいな顔(?)をしているんですよ。
裏という言い方でいいのかどうかわからないですけど。

manta-face-01.jpg

nique's AREA88 より。


なので、ガザの海岸で死んでいる 400体のマンタも砂にくっついているほう、つまり、裏側のほうは、上みたいな顔のままで死んでいると思うのです。スマイルで転がる死体たちというのか。

そのあたりを想像すると、迫力のあるニュースだという気もします。


今回の出来事は、ふたつとも中東で起きているということもありますが、特にイスラエルなどに関しては今年になって、何度か記事にしたこともあり、特に個人的に、この3月からはイスラエル周辺の動向を注目しているという部分はあります。


今年に入ってからのイスラエル関係の記事は下のものなどです。

イスラエルの「嘆きの壁」に中国人民解放軍の参謀総長が立つ姿を見た日
 2013年01月31日

daniel.jpg


ジョージ・ワシントンのビジョンと予言(1): オバマ大統領が初めてイスラエルに降り立ち、第112代ローマ法王が選出される3月を前に
 2013年02月24日


また、ここ1年くらいの間に、イスラエル周辺での中東で起きた中で印象的な現象としては、下のようなものがありました。

イスラエルの天気予報マークに出現した「虹」マーク(2012年11月)

rainbow-2012-12.jpg

▲ 記事「虹という「地獄の門」の彼方に」より。2012年11月20日の天気予報が「虹」と示されていました。



ベイルートで赤く染まった川(2012年2月)



▲ 記事「血の川の出現:原因不明の理由で真っ赤に染まったベイルートの川」より。





第6番目の太陽の時代は本当にやって来るのだろうか


それにしても、なんだかんだと、現在のいわゆる「第5の太陽の時代」では、やはり中東というものは、全世界の意識が向く場所なのかもしれないなあと思います。

この「第5の太陽の時代」というのはスピリチュアル的な話ではありますが、世界各地の古代文明に出てくる概念で、「今の時代の次は第6の太陽の時代になる」と言われていたりします。そして、それが始まるのは、2012年12月21日だという人もいますし、 2013年 3月28日と主張する人たちもいます。

解釈の正否はわかりませんが、しかし、この概念はマヤ文明やアステカ文明を含む古代メソアメリカ文明に共通した部分が多くあるようです。

その中で、アステカ文明では、現在の時代である「第5の太陽」までを下のように説明しています。過去記事「アステカ神話の過去4つの世界と太陽。そして、現在の太陽トナティウの時代の終わりは」からです。







第1の太陽 アトル 水の太陽

第2の太陽 オセロトル ジャガーの太陽

第3の太陽 キアウトル 雨の太陽

第4の太陽 エヘカトル 風の太陽

現在の太陽 オリン(トナティウ) 地震の太陽







時代区分の解釈はともかくとして、古代のマヤ文明やアステカ文明の人々は、その「第6の太陽の時代という完全に新しい時代」が来るとした未来感の中で生きていたようです。

そういう時代が本当に来るのかどうか、もはや私にはわからないところはあるのですけれど。



  

2012年12月05日



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india-australia.png

・インド・オーストラリアプレート周辺の地図。最近起こったことも記した地図を作成してみました。「2日間で400メートル海底が隆起したことが示された場所」というのが今回の記事の場所のひとつです。最近記事にした南太平洋のサンディ島などもインド・オーストラリアプレートの中にあります。
--



急激に700メートルも海底が上昇したインド洋の海域


この「インド洋深海の海底が急速に大幅な上昇を示している」ことは10月に知りました。隆起の規模も「数百メートル」という比較的大きなものだったのですが、その時はそんなに気に留めていませんでした。

しかし、その後、10月、11月と下のようなことをこのブログで取り上げ、同時に書いた私自身がこれらによって、いろいろなことが地球に起きている可能性を知りました。



上のそれぞれの過去記事は、地球の大陸の移動やポールシフトのようなことが進行している可能性についての過去記事です。

そして、最近では、今回ご紹介するオーストラリア近郊のインド洋と比較的近い南太平洋上で、「もしかしたら島が消えたかもしれない」というようなことをご紹介したこともありました。

地図から消滅した南太平洋のサンディ島: 古代の超大陸が分裂したと考えられる海域の異変
 2012年11月23日

という記事です。

その上の記事などの内容とこのインド洋での出来事に関係があるかどうかはわからないですが、そのインド洋のことを今回ご紹介したいと思います。

なお、どうして海底が隆起している(かもしれない)ことがわかったのかというと、NOAA (アメリカ海洋大気庁)では、世界の海の多くのポイントで「海の深さと海底の変化」というものを常に調査しています。これは、津波の早期発見のために設営されたもののようですが、同時に「海の深さ」を測定しています。

この調査で示される「海の深さが深くなったり浅くなったりする」という変化は、海底の上昇か、あるいは下降を意味する場合もあるということになるかと思われます。

その海洋調査の概念については、 NOAA で説明されていますので、いくつか日本語を注釈して下にその図を載せておきます。このようなシステムで、深海の調査を世界の多くのポイントでおこなっているようです。

noaa-deep-ocean.jpg
Deep-ocean Assessment and Reporting of Tsunamis (DART) Description より。


今回はこのデータを収集しているサイトの、

Tsunami Buoy 53046 - Evidence of Indo-Australian Plate Tilting?
津波ブイ 53046ポイントは、インド・オーストラリアプレートが隆起している証拠を示しているのか

という記事からいくつか抜粋します。

また、上に示した NOAA の観測ブイの中で、今回の「海底が隆起しているかもしれないポイント」で、作業員の謎の死が起きていることが、インドネシアのメディア「ボルネオ・ポスト」の報道でわかりましたので、その記事も最後に翻訳して掲載しておきます。




海底ポイント53046 の8月から10月までの「水深変化」の記録


この先にも同じようなデータが続きますので、まず、グラフの見方のようなものを簡単に記しておきます。データはすべて NOAA からのものです。

・2012年10月15日〜10月17日

左がメートルで、下が日付けです。

ndbc-53046-01.png


グラフが下降している場合は水深の値が小さくなったということで、(他の理由も考えられるでしょうが)、海底の隆起を意味することなのかもしれません。

もちろん、水深が変化する理由は他にもいろいろあるとは思います。

ただ、今回は、水深の変化の規模が最大で 700メートルに達していて、誤差の範疇とはいえない面もあります。



・2012年8月20日〜9月3日

n2-530466.png


上のグラフで 8月30日に数分間で100メートルの変化という、短い間に大きな変動があったことがわかります。



・2012年10月15日

n3-530465.png


上の例では、数十秒の間に数十メートルの幅で水深に変化があったことがわかります。

そして、上の不安定な状況が見られた翌日から、水深は急激な勢いで減少(多分、海底が上昇)を開始します。



・2012年10月16日〜10月18日

53046-1016.png


これで、この観測ポイントは、8月20日には水深が4650メートルあったものが、10月18日には 3900メートルの水深となったということになります

仮にこれが海底の隆起が原因の場合ですと「2ヶ月で700メートル海底が上昇(隆起した)」ということになると思われます。


そんなわけで、原因は「海底隆起」ではないかもしれないとしても、いずれにしても、2ヶ月ほどで数百メートルの水深の変化があったことは事実のようです。潮流などの関係でこういうことも起きるのかもしれないですし、そのあたりはよくわかりませんので、海流や潮流にお詳しい方などの研究を期待したいと思います。


ところで、最近は、たまに昔のウェブボットを引用することがありますが、今回も「ふと思い出した箇所」を抜粋しておきたいと思います。2009年3月7日配信のものからです。「インド洋に新しい陸地が出現するとのデータ」ということにふれた下りです。


ALTA レポート 1309 パート0
Web Bot 2012.03.07

・沿岸部の海面上昇の現象は、南極の海底火山の活動と深い関係がある。この海底火山の活動によって、アルゼンチンとチリの間にあるティエラ・デル・フエゴ群島で海底が隆起し、新しい島が出現する。

・インド洋にも新しい陸地が出現するとのデータがある。この陸地はいまはまだ海底だが、それは海中を航行するときに問題を引き起こす。

・海面上昇の一つの原因は地殻外皮の隆起である。隆起によって、海水がいわば押し上げられるのである。これにより食糧生産が大きな影響を受ける。それは漁業だけではなく農業にも影響する。この影響は10年間続く。

・一方、北極では氷が溶けるこれまでにない新しいパターンが見られるようになる。これは大きな危険を呼び起こし、主要なメディアで報道されるところとなる。

・さらに、北極では様々な地殻活動が活発化する。北極圏における環境変化は、世界の民衆に大きなショックを呼び起こす。これがきっかけとなり自給自足経済圏を構築する運動が興隆し、その成功例が数多く報告されるようになる。その報告は人々の意識の覚醒を即す。そして世界的な革命運動へとつながってゆく。




南太平洋のサンディ島の場合は出現せずに「消えた」(かもしれない)わけですが、仮に今回のインド洋ほどの数百メートル規模の海底の変動が繰り返し起きるのなら、「新しい島が隆起する」という可能性もあるのかもしれません。


そういえば、2年以上前の過去記事ですが、インドネシアで「新しい島が出現した」という現地の報道がありました。ホントに新しい島なのかどうかは不明ですが、現地の人々はそう言っていたそうです。

下の記事と写真です。
写真はイメージ写真の可能性もありますが、当時の報道にあったものをそのまま掲載しています。

インドネシアのバリ島海域に新しい島が突如隆起
 2010年11月14日



▲ 2010年11月に、インドネシアのバリ州ジュンブラナ県の海域に突然現れた山。


map-11-14-2012-12-02.gif

その時の場所を地図で見直してみましたら、上の「A」なんですが、今回の海底隆起の場所のすぐ近くだったようです。今回の場所には★をつけました、



そんなわけで、場合によっては今後いろいろとありそうなこのあたりですが、以下、この観測ポイントで作業員が謎の死を起こしたことに関しての記事です。



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2012年11月23日



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▲ 地図に記載されているサンディ島。しかし、科学者たちが「この島が存在しない」ことを発見。


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▲ グーグルアースで、上のサンディ島を「航空写真」にして見ると、このような島として撮影されています。
--


地図にある島に行ってみたら「その島は存在しなかった」

今回ご紹介する報道は、グーグルアーや昔からの地図にも載っているオーストラリア近くの海域の小さな島に行ってみたら、「その島はなかった」というものです。

これは AFP でも日本語記事になっています。


「グーグルアース」記載の島、行ってみたら存在しなかった
AFP 2012.11.22

オーストラリア北東沖の南太平洋上にあるとされるサンディ島( Sandy Island )が、実は存在しないことが分かった。

この小さな幻の島はグーグルアースやグーグルマップでは、オーストラリアとフランス領ニューカレドニアの中間のコーラル海上に存在することになっている。この島は、タイムズ世界地図帳でも「セーブルアイランド」と記載されている。

存在しない島が地図に記載された経緯も不明だが、謎を突き止めるため追跡調査を行うことにしているという。



このことが、正確な場所などを含めて、もう少し詳しく記載されている記事がありましたので、それをご紹介します。

なお、どうしてこの記事をご紹介しようかと思ったかというと、記事によりますと、このあたりの場所は、現在の地質科学では、「ゴンドワナ大陸」という場所だったそうです。以下は Wikipedia のゴンドワナ大陸より。


ゴンドワナ大陸

プレートテクトニクスにおいて、過去に存在したと考えられている超大陸。

現在のアフリカ大陸、南アメリカ大陸、インド亜大陸、南極大陸、オーストラリア大陸や、アラビア半島、マダガスカル島を含んだ、かなり大きな大陸であった。

ゴンドワナ大陸は、約6億年前に、ロディニア大陸が分裂して誕生した。



とのことです。

つまり、このサンディ島の「あった」海域あたりは「過去に大陸規模の地殻変動を起こした場所である可能性がある」ということがあります。

ただ、以前も書きましたが、このような古代の大陸理論というのは科学上の想像に近い部分があり、超大陸という発想そのものにしても、また、「6億年前に」というような年代設定などにしても、真実が含まれているかどうかはわかりません。もちろん、正しいかもしれないです。

なので、こういう知識にふれる際には、「学問が真実であると確信しない」ということを念頭に置かれてもよろしいかと思います(間違っているという意味でもないです)。新しい証拠や調査で次々と「地球や宇宙の過去」が変わっていくのが地質学や天文学ですので、あまりひとつの説に固執しない態度のほうが気楽かと思います。

いずれにしても、最近はこのブログでも、「真の極移動」を含めての大規模な地殻変動のことを書いていますので、その流れとも言えます。



オーストラリア周辺の南太平洋で何が起きている?


そういえば、この海域のあたりでは、今年の8月に「ベルギーの国土面積と同じほどの範囲に広がった軽石が海洋上を漂う」という出来事が報じられていました。

過去記事

世界の7つの超巨大火山のひとつが存在するニュージーランドで起きている巨大な徴候

に、下の CNN の報道を抜粋しています。


南太平洋上に白い巨大物体が浮遊、海底火山噴火が原因の「軽石」か
CNN 2012.08.11



ニュージーランド海軍は9日、南太平洋上に浮かぶ約2万6000平方キロメートル以上の巨大な軽石を発見した。

火山学者のヘレン・ボストック氏は、この軽石は海底火山の噴火でできたと見ており、今後噴火した火山を特定するための調査が行われるが、最近この付近では海底火山「モノワイ」の活動が確認されており、軽石はモノワイの噴火によって生成された可能性があるという。




上に出てくる「モノワイ」という海底火山と、今回「消えた」とされるサンディ島の位置をそれぞれ下に示してみました。

sandy-monowai.png


比較的近い場所でそれぞれに前代未聞な現象が起きていることがわかります。

水深の浅い海域で小さな島が消えたり現れたり(海面に見える)といった現象自体は、わりとよくあることだと思うのですが、現地を調査をしたシドニー大学の科学者らによると、島のある場所の水深は 1400メートルもあったということ(浅瀬の土地もないという意味)です。

グーグルアースでは現行の衛星写真を使っていますので、「衛星写真には何かが写っていた」ことは言えると思います。

結局、このミステリーの結論は2つしかないわけで、


1. 島が消えた

2. もともと何もなかった


のどちらかなのですが、どちらにしても、厄介な「謎」ではあります。

「1」なら水深 1400メートルの海底にまで地殻が下がっていったという、ありえない話になりますし、「2」でも、島くらいの大きさの物体がそこにあった(衛星で捕らえられているので何かが存在したことは多分確かなので)という、こちらは「別の意味でのミステリー」というようなことになりそうです。


場所はオーストラリア近くの海域なのですが、オーストラリアといえば、前回の記事の冒頭で動画をご紹介しました下の写真のような「スーパー竜巻」が発生したりしている場所でもあります。


twirter-2012.jpg

▲ 2012年11月18日にオーストラリアの海岸で観光客が撮影。「地球は「角度 50度以上の傾き」の大陸移動(真の極移動)を過去6度経験している」より。


ついでといっては何ですが、この2年間くらいの間に、オーストラリアで起きた様々な現象について振り返っておこうかなと思いました。過去記事からの写真が中心ですが、それぞれリンクを示しておきますので、ご興味のある方はご覧下さい。




17万回の落雷が一昼夜で記録される

来ているのは「宇宙人」じゃない: 世界各地から届く「考えられないほどの悪天候」の報道を見て
2012年11月07日



▲ 1月5日のオーストラリアの落雷の様子。
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シンクホール

オーストラリアの海岸に巨大な穴を開けたシンクホール
2011年06月27日



▲ クィーンズランド州南東部の海岸に出現した、幅 100メートル、深さ 50メートルのの巨大なシンクホール。
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オーストラリアの赤い朝

人々が「神の怒り」と口にしたほどのオーストラリアの悪天候
2012年01月22日



▲ 写真は、オーストラリアに出現した「地球最期の日」 (地球の記録 2009年09月23日)から。
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上空の巨大リング

オーストラリア上空に出現した巨大なリング
2011年01月18日



▲ 2010年1月15日のオーストラリア国立気象衛星サイトの画像。
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「クモの糸の洪水」

オーストラリアで繰り広げられるクモの大発生による驚異の光景
2012年03月08日



▲ クモが糸を空中に飛ばす「バルーニング」によって地区のほとんどがクモの糸で覆われた2012年3月のニューサウスウェールズ州のワガワガ地区の様子。
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などです。


では、ここから、「消えたサンディ島」に関しての報道です。



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2012年10月22日



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▲ 2006年6月21日にボリビアのティジュアナコ(Tijuanaco) を訪れた際のマヤ長老評議会のメンバー。長老評議会の代表ドン・アレハンドロさんは、右手前から2人目の茶色の服と羽根の帽子を被っている人。






 



今回の記事の内容は、前々回までの下ふたつの記事の続きとして「地球のポールシフトと、それに伴う変化」ということについて書きたいと思います。

ポールシフト、巨大火山の噴火、そして大彗星の衝突のそれぞれが同時に起きる可能性を考えてみる(1)
 2012年10月19日

ポールシフト、巨大火山の噴火、そして大彗星の衝突のそれぞれが同時に起きる可能性を考えてみる(2)
 2012年10月20日


内容的には上の続きですが、中心となる話題が少し違いますので、別のタイトルとしました。

上の2つの記事の、特に、「(2)」のほうにつけたサブタイトルの「1万3000年前に「北米大陸からすべての大型生物とその時代のすべての人類が消滅した理由」は何だったのか。」というものと関係します。

上のその記事では 2009年の米国ニューサイエンティストの記事をご紹介しましたが、それは以下のような記述で始まる記事でした。


今から1万3000年前、北米大陸の様々な大型生物が完全に消滅した。動物だけではなく、当時の北米大陸に移住した人間たちもすべて消えた。

この記録的な大絶滅に関係する推測のひとつとして、当時の北アメリカに巨大彗星が衝突したという説がある。

突如として、マンモスがいなくなり、マストドンもいなくなり、そして、クローヴィス文化を築き上げていた人類もすべて地上から「消えて」しまった。



記事では、その理由についての科学者たちの議論についてのものでしたが、この「1万3000年前」という時代で何か思い出すものがあります。

しばらく考えていたのですが、「ああ、マヤ」と思い出しました。

4年ほど前に読んだ米国のヒーラーのドランヴァロ・メルキゼデクという人のインタビューについての記事でしたが、その中に、その人がマヤ長老評議会の代表と会って話を聞いた時のくだりがあったのです。

簡単に書きますと、そこにマヤ長老評議会の言葉として、「マヤ族は、1万3千年前と2万6千年前の2度、ポールシフトを経験した」という言葉の記録があるのです。

そのあたりを少し抜粋させていただきます。




マヤ族の伝説の中の1万3000年前の地球


この「マヤ長老評議会」というのは、現在の中南米に住むマヤ族の部族の長老たちが構成するものです。現在、マヤ族はガテマラ、ベリーズ、メキシコの3地域に 440部族が暮らしています(2008年時点)。その 440の部族から、それぞれの部族を代表する長老が選出され、その議会が「マヤ長老評議会」というもののようです。

さらにその中からマヤ族全体の代表が選出されますが、その 2008年の時点では、そのマヤ長老評議会の代表者はドン・アレハンドロという人でした。一番上の写真に写っている人です。

以下はそのマヤ長老評議会の代表者のドン・アレハンドロ氏の2008年の話からです。
この人の立場を考えると、一応、「マヤ族全体を代表した意見」だと言っていいのだと思います。


まず、前提として、マヤ族には以下の伝説が部族的知識として根底に存在しているようです。



「かつてアトランティスにいたマヤ族は、1万3千年前と2万6千年前の2度、ポールシフトを経験した。この時の経験はマヤ族の部族的知識として蓄えられている」



という「部族的知識」を持つ彼らの未来観は次のようなものです。
下は長老の言葉そのものではなく、長老にインタビューした人の記述だと思います。


「マヤカレンダーのメッセージとは、ホピ族およびマヤ長老評議会が確定した終末期の開始時期(2007年10月26日)から7年間(2015年まで)に時間の窓が開き、この期間にポールシフトが起こるということだ

それは、すでに現在起こっている地球磁場のシフトのことではない。地球の南極と北極が逆転する物理的なポールシフトのことである。

地球の磁場は500年前よりもはるかに弱くなり、また磁場移動も頻繁に起こっている。14年前からは、旅客機が飛行するとき、いちいち北の位置を確認することが必要になっているくらいだ。

このような地場の変化は、北極と南極が逆転する物理的なポールシフトが発生する前兆現象である」



この言葉にある「1万3千年前と2万6千年前のポールシフト」については地質的な裏付けはありません。

ただ、上の言葉にある「地球の磁場は500年前よりもはるかに弱くなり、また磁場移動も頻繁に起こっている」というのは、こちらの記事に、1880年から現在までの「地球の地磁気」に関しての下のグラフを載せましたように、着実に弱くなっています。



▲ 1880年から2000年までの地球の地磁気の強度変化。ドイツの科学研究法人が「急速なポールシフトと気候変動と超巨大火山の噴火が同時に発生していた」ことを証明より。


このように現実に地球の磁場は極端に弱くなっていて、そして、現在のこの地磁気の減少が将来的な「磁場の逆転の前ぶれ」であることを考える科学者は決して少なくありません。


問題は、その「将来的に」の「将来」がいつなのかということです。


結論をいえば、それは誰にもわかりません。

そして、さらには、「磁場の逆転」、あるいは「急速な真の極移動」(大地が移動していく)が実際に起きた時にどのような現象が伴うかも誰にもわかりません。

今、生きている人でそれらを経験した人はいません。

その中で、マヤの長老評議会は、マヤカレンダーでは「終末期の開始時期(2007年10月26日)から7年間(2015年まで)に時間の窓が開き、この期間にポールシフトが起こる」と述べています。

この「2007年から」という時代区分は、現在の様々な環境の進行状況とリンクしている感じもしないでもないですが、ただ、私自身はこういう「時間的な予測や予言」というものをほとんど重視しません

特にマヤ文明に関しては。

というのも、西洋(日本や中国もですが)で盛んに言われてきた「マヤの予言」というものに当てはめているのは、古代ギリシャでいう、いわゆる「クロノス時間」というのか、つまり、「時計で表せる時間」なのですが、マヤカレンダーがそのような合理的なクロノス時間に支配されているとは考えづらいからです。

なぜなら、マヤ族は「文字を持たずに高度な文化を持続させた」人たちです。

そのような精神的な(でも現実の)文化を持った人たちが・・・つまり、「カイロス時間の世界で生きていたような人たちが、時計的な時間の概念を自分たちの宇宙の実際のサイクルに組み込むだろうか?」という疑問です。

あと、これは単なる個人的な理想ですが、古代文明で、文字と数字を持たずに高度な文化を保持した人たち(有史以前の日本人もそう)は、「宇宙の永遠のサイクル」の中で生きていたと考えたいと思っています。永遠のサイクルというものは変幻自在であるはずで、その世界に「規則的に進む時計」は似合わない。

しかし、このことはまた別の話であるという以上に、片手間で語ることのできるものでもありませんので、書ける機会があれば書きたいと思います。


ところで、最近、2008年にクリフ・ハイが発表した「ポールシフトの概念」についての大変長いページを久しぶりに見ました。クリフ・ハイはウェブボット・プロジェクトの代表者ですが、4年前に彼が書いたその記事での「ポールシフトの概念」というものを、図説したいと思います。

あくまでも、「クリフ・ハイが考えるポールシフトの発生理論」であり、なんらかの根拠を持つというたぐいのものとも違います。

とはいえ、現在の科学は、今現在、地球に起きている様々なことに対しての「なんらかの根拠」をそれほど示せていないということもまた事実です。なので、どんなものに対しても、現実には「真実」という言葉を使うことは難しいです。

「いろいろな意見がある」というしかないのが「真実」だと思います。


リンク先のオリジナル記事には膨大な量の文字と、数多くのイラストがありますが、そこから5枚のイラストをピックアップし、日本語を入れました。

極力わかりやすくしたいつもりですが、わかりにくい部分は申し訳ないです。

それではここからです。





Raven Weeps! Supplemental material for 2012

嘶くカラス - 2012年のための補足資料


太陽にはいくつかの興味深い性質がある。その一つは、太陽の極部と赤道部とでは太陽の自転の周期が異なるということである。これが原因で、太陽は1万1500年の周期のカオス的ともいえる変動を繰り返している。

太陽の質量は太陽系の惑星の全質量の合計の99%に相当する。一方で、回転運動の角運動量では他の惑星が圧倒的に大きく、太陽の角運動量は1%にすぎない。

このアンバランスの結果、太陽の赤道部は他の惑星によって引っ張られる格好となるため、赤道部の自転周期は極部のそれに比べて速くなる。

1-sun.png




この自転周期のズレが原因で、この動きに引きずられて南北方向の磁力線にはねじれが生じ、太陽に巻き付いたような状態となる。

2-sun.png




この状態を太陽の極から見ると、スヴァスティカ(まんじ)と似た形になる。多くの古代文明の神話では、スヴァスティカと同様のシンボルが出てきており、それはすべて世界の終わりのシンボルと理解されている。

3-sun-swastika.png




地球には太陽風や宇宙線など有害と思われる物質が太陽から降り注いでいるが、これらから地球を守っているのが地球の磁気圏の存在だ。しかし、磁気圏は過去1000年間で非常に弱まっている。磁気圏の弱体化の速度は特に1940年代から加速している。

一方、太陽は磁力線の巻き込みによるストレスが1万1500年続くと限界点に達し、蓄積したストレスが一気に発散される時期が来る。これにより、磁力線は外部へと一気に拡大する。

4-sun-mag.png




地球の磁気圏が弱まっていることもあり、太陽から放射された巨大な磁気波や、コロナ質量放射などによって地球の磁気圏は圧倒されてしまう。この放射された強力な磁気が引き金となり、地球の核が回転する。それにともない地殻全体の移動が起こる。これがポールシフトである。


5-EM-blasted.png




以上です。

上にスヴァスティカのことが出ていますが、ちょうど先頃、スワスティカのことを記事にしましたので、リンクしておきます。

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今回の記事と関連した過去記事:

「宇宙からやってきたブッダ」の胸に刻まれるマークで思い出すスヴァスティカの歴史
 



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[1年前の In Deep ]
2011年10月23日の記事

宗教的科学信念の崩壊に向けて: 「宇宙最初」の「最初」の起点とは



  

2012年10月18日



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reversal_images-01.png

▲ 完全な磁場の逆転(磁極のポールシフト)の際の磁場の移動のイメージ。






 



今回のタイトルに「重要」という文字を入れたのですが、今回の記事でご紹介する研究論文そのものが「今何かが起きている」ということを示した研究ではないのに、それを読んで私などは、

最近起きている何もかもが急速なポールシフトと関係した現象なのかもしれない

と思ったのです。

「何もかもが」というのはオーバーですが、簡単にいうと、

・急速な気候変動
・増加する火山噴火
・実際に加速しているポールシフト


などの、In Deep での環境テーマの主要部分に関して「何もかも」がポールシフトと関係しているのではないかと思ってしまったのです。

今回の研究発表自体は、4万年前のポールシフトに関しての新しい調査結果についてで、その際に「たった250年間で磁場が完全な逆転をし、その時代に急激な環境変動と超巨大火山の噴火が同時に起きていた」ことを証明したというものです。

この「超巨大火山」はイタリアにあったもので、過去 10万年の地球の北半球の火山噴火では最大の噴火だったと考えられているものだそうです。


ところで、少し前に、ポールシフトのことではなく、「地球の大地そのものの移動」ということが進行しているような発表があったことをご紹介したことがありました。

起きていることは「ポールシフトではなく地球の大陸移動」: 地球の極の物理的な移動が起きていることが地球物理学会で発表される
 In Deep 2012年10月03日

という記事です。

上の記事での内容は「真の極移動」というものが起きているというもので、こちらの図が示されていました。



▲ 真の極移動のために変化した地球の表面の位置を現した図。


なんだか、どちらも、仮に急速に起きているのならダブルパンチですが、まあ、この「真の極移動」のことは今回は置いておいて、この時の研究を発表したドイツのヘルムホルツ・センターと同じ研究機関の地質研究の部門が今回の研究発表をしました。ドイツ地球科学研究センター ( GFZ ) という機関で、これはヘルムホルツ・センターの中の機関のひとつのようです。

ヘルムホルツ・センターというものは、あまり私たちには馴染みがないですので、その説明を Wikipedia から抜粋しておきます。


ドイツ研究センターヘルムホルツ協会

ドイツを代表する科学研究組織。公益法人。16の研究センターから構成され、主に大型研究開発施設を利用した研究開発を実施している。



ということで、ドイツ地球科学研究センターは上の記述にある「16の研究センター」の中のひとつです。

その発表に関しての記事をご紹介いたしますが、太陽系全体を含む最近の「環境の急激な変動」は In Deep で重視するものでもありますので、少し長くなるかもしれないですが、過去に書いたものなどを少し振り返ってみたいと思います。



磁極の反転で起きうることは何か?


「ポールシフトが起きている」というような書き方は、何となくショッキングな響きがありますが、磁場の移動や反転に関して簡単に書けば、

ポールシフトは何百年も前からずっと起きていて、現在も進行している

としか言いようがありません。少なくとも、私たちは生まれてからずっとポールシフトが発生している中で生活しています。

たとえば、下の図は、2年前の記事に掲載したもので、「1831年から2001年までの北極の磁極の移動の距離」の図です。



加速するポールシフト: この100年間での極の移動の距離はすでに1100キロにより。


1831年から2001年の間に、北極の磁極は 1,100キロメートルもロシア方向に向かって移動しているのです。

特に、1970年以降は加速しており、それまで毎年 10キロ程度のポールシフトの進行だったものが、1970年からは約4倍の毎年 40キロずつの移動が確認されているということでした。

また、地球では、過去3億3千万年の間に(回数の誤差はともかく) 400回ほどのポールシフトが起きたとされていて、「地球の磁場の反転」が発生する間の平均的な期間は約 20万年に一度程度になるようです。

なので、ポールシフト自体が特別な現象ということではないですが、では、何が問題なのかというと、上に書いた「加速している」という点なのです。


以前から、急速なポールシフトが「地球の地磁気と磁場のシールドを破壊する」ということを懸念する説はあり、今回の論文にも 41,000年前のポールシフトの際にその現象が起きていたことが証明されたという部分ありますが、地球は自身の磁場によって、宇宙からの様々な放射線や宇宙線などから守られているとされるのが一般論ですが、その防御が失われてしまうのではないかという懸念です。

つまり、「磁場が崩壊すると、地表に有害な宇宙線が降り注ぐのではないか」というような説のことです。

この「ポールシフトの際の磁場シールドと地球の影響」については、過去記事「米国フロリダのタンパ国際空港が磁極の移動(ポールシフト)の影響で滑走路の閉鎖へ」の中で参考資料とし掲載させていただいた、秋田大学の地球資源学科のウェブサイトにあった図がとてもわかりやすいです。

その秋田大学の該当ページはなくなったか移動してしまって見当たらないですので、図を掲載しておきます。


1880年から2000年までの地球の地磁気の強度変化



▲ これは上の1800年代からのポールシフトの移動と比較するとわかりやすいと思います。磁場が移動するほど、地磁気が弱くなってきているように見えます。


西暦3525年には地球の磁場の強度がゼロになる予測



▲ これは「2004年までの曲線」をもとにしていますので、仮にポールシフトが「加速」していた場合は、もっと早い時期に磁場がゼロになると思います。



上の図が示された秋田大学の地球資源学科のページの最後には、以下の文章が記されていました。


磁極が入れかわるときに地磁気の強度はゼロになるとの予想があります。地磁気の減少は磁場逆転の前触れかもしれません。

地磁気がなくなると、影響を受けるのは鳥だけではありません。私たち人間にも大きな影響があります。今まで地球磁場が食い止めていた宇宙線が直接降り注いで人類は危機に直面することになります。目には見えない地磁気ですが、私たち、そして鳥たちにはなくてはならない存在なのです。



ただ、これに関しては「ポールシフトによる完全な磁場の逆転が発生してみないとわからない」としか言いようがないようにも思います。なぜなら、「地球の磁場がどんな種類のフィルターとして作用しているかよくわかっていない」と思われるからです。

宇宙からの「未知の光線」というようなものも含めて、地球には、宇宙線に総称される様々な光線が降り注いでいるわけですが、「どれが人間に対して有害でどれが無害か」という基準も今のところわからない。

なので、「有害な」ものだけではなく、「有益なもの」だって、そこ(宇宙から降り注ぐ光線)にはあるようにも思うのです。

その理由としては過去の報道などにあった「宇宙帰りの植物の成長」の報道などがあります。これは引用すると、長くなりますので、過去記事の、

放射線の中で生き返った植物
 2011年04月22日



私たち人類も他のあらゆる生命たちも「宇宙線にコントロールされている可能性」を感じて
 2012年06月13日

などをご覧下されば幸いです。
ともに、スペースシャトルなど「宇宙船に乗って帰ってきた植物の種」の話です。



▲ 読売新聞 2011年02月21日の「宇宙帰りのサクラ異変…なぜか発芽・急成長」より。


リンクの上の記事は、「発芽するはずのないサクラの種が宇宙から帰ってきた後に発芽して、さらに異常に早い成長をしている」という読売新聞の記事を抜粋したもので、下の記事は、「宇宙から帰ってきたアサガオの成長が通常より早い」ことが書かれた京都新聞の記事です。




太陽系のあちこちで始まっている磁場と環境の激変


また、「もし地球が太陽にならうのなら」という前提ですが、「地球の磁場も4極化するのでは」というような推測さえあり得ると私個人は考えたりすることもありました。

下の図は、過去記事の「奇妙な太陽のポールシフトは太陽系全体に影響を与えるか?」に載せたもので、今年4月に、日本の国立天文台が発表したイラストに私が注釈などをくわえたものです。



▲ 過去記事「奇妙な太陽のポールシフトは太陽系全体に影響を与えるか?: 国立天文台が発表した「4極化する太陽磁場」」より。


その記事で、「上の太陽の状態が地球も真似た場合」として、私が作ったのが下の図です。



まあ、ふざけた図といえばふざけた図ですが、「太陽系はみな兄弟」だと考えると、あながちないことでもないかなあと真面目に思います。


そういえば、昨日のニュースなんですが、「木星に大激変が起きている」という科学報道がありました。今日ふたつの報道をご紹介するのは無理ですので、木星のニュースのほうは明日にでもご紹介したいと思います。

木星のニュースソースは下にありますので、興味のある方はお読み下さると幸いです。

» Jupiter Undergoing Cataclysmic Changes (Daily Galaxy)
(木星で大変動が進行している)


というわけで、ポールシフト関係の記事は何だか興奮してしまって前振りが長くなりましたが、ここからドイツの地球科学研究センターの発表の記事です。





An extremely brief reversal of the geomagnetic field, climate variability and a super volcano
Science Codex 2012.10.16

極めて急速な磁場の反転と、気候変動・巨大火山との関係


41,000年前の地球で、磁場の完全で急速な逆転が発生した。

最後の氷河期の間であったこの期間中、黒海ではコンパスの針の位置は「現在の北方向は南方向を示していたであろう」ことを、ドイツ地球科学研究センター (GFZ)のチームが、黒海の堆積物のコアから分析した磁気に関しての研究論文は示す。

ドイツ地球科学研究センターの、ノルベルト・ノワクズィク博士と研究チームは、黒海の他、北大西洋、南太平洋、ハワイなど他の研究からのデータを加え、当時の両磁場の逆転が全世界的なイベントであったことを証明した。

この研究成果は、「アース・アンド・プラネタリー・サイエンス・レターズ ( Earth and Planetary Science Letters ) 」の最新号に掲載される。

今回の研究で注目に値するのは、地球の磁場の逆転のスピードだ。

研究者のノワクズィク博士は次のように言う。

「磁場の完全な反転はわずか 440年間の移動でなされましたが、そのうちの多くはわずかな移動であり、実際には、両磁場の極の変化はたった 250年でなされたことを示します。この 250年というのは地質学的な変化からみると非常に早いスピードです」。

結果として、地球は磁場を失い、また磁場による宇宙線からの防御を完全に失ったために地球上がほぼ完全な被爆状態に至ったことが、グリーンランドの氷床から回収されたその時代の放射性ベリリウム(10Be)の解析によって明らかになっている。

放射性炭素(14C)と同様に、 10Be は大気中の原子と宇宙からの高エネルギーの陽子の衝突によって引き起こされる。



突然の気候変動と巨大火山の噴火

41,000年前の地球磁場の逆転の証拠を示したと同時に、研究チームは黒海の堆積物の分析から、その当時、突然の気候変動が発生していたことを発見した。グリーンランドの氷芯でもこのことはすでに判明している。

グリーンランドの氷芯のデータと黒海のデータは時代が合致しており。この時代の気候変動に関しての記録として正確性が高い。

また、火山噴火との同時代性も発見した。

過去 10万年の地球の北半球で発生した最大の火山噴火は、イタリアのナポリの近くにあるフレグレイ平野( Phlegraean )の古代火山の噴火で、これは 39,400年前に噴火したとされる。この北半球最大の超巨大火山噴火も黒海の堆積物から判明した。

ここから見ると、この際の巨大噴火での火山灰は、すべての地中海東部と、そしてロシア中部にまで達したことがわかる。


地球の磁場の急速な逆転、そして、氷河期時代に終わりを告げた急激な気候変動、そして、イタリアの超巨大火山の噴火。この3つの地球環境上の大きな出来事の研究が今回初めてひとつの地質的調査の中でおこなわれ、そして、その正確な年代が示された。




  

2012年10月03日



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(訳者注) 今回は余計な前書きをなるべく書かずに翻訳に入ります。現在、「地球が大陸移動している」という研究発表に関しての報道です。


以前、 In Deep では地球のポールシフトに関しての記事をかなり取り上げていました。それらの過去のポールシフトの記事はページの一番下にリンクしておきますけれど、それらの記事では、「この数百年、地球の磁場はかなりのスピードで移動している」ということは事実だということがわかってきていた、ということを記していました。



▲ 過去 420年間の毎年の北極の磁場の移動距離のグラフ。過去記事「アメリカ大気局が発表した「驚異的」な近年のポールシフトの加速」より。


あるいは、

奇妙な太陽のポールシフトは太陽系全体に影響を与えるか?: 国立天文台が発表した「4極化する太陽磁場」
 In Deep 2012年04月21日

などということもあって、太陽のほうにも「異変」は起きているわけでした。



▲ 左が今までの太陽。右は国立天文台が発表した今後の太陽の磁場の予測。北極はポールシフトで磁場が反転したのに南極の磁場は移動せず、その結果、「4つの磁極」があらわれるという状態になることが予測されています。


しかし、今回の発表はいわゆるポールシフトとは違います。



磁場だけではなく、「大陸そのもの」が物理的に移動していた


ひらたくいうと、「現在、地球は大陸(外殻)が移動している」というものです。これは地質の科学用語で「真の極移動」と呼ばれる現象らしいですが、それが今現在の地球で起きているという発表です。

その記事にある図に、こちらで簡単な日本語を加えたものが下の図です。

True_polar_wander-2012.png


上の図の傾きは誇張されていますが、過去の真の極移動の際には「9度傾いた」とされているようです。

しかも、この発表がなされたのが、地球物理学分野での世界最大の学会であり、最高権威だと思われるアメリカ地球物理学会の発行する「ジャーナル・オブ・ジオフィジカル・リサーチ/ Journal of Geophysical Research (JGR) 」という学会誌に発表されたもので、いわゆる「発行元」としては大きなところです。

もちろん、だからといって、その内容が正しいかどうかはわからないことですが、しかし、「大陸が移動している」というフレーズは、やはりショッキングなニュアンスが含まれているのは事実ですので、ご紹介しようと思いました。

この「真の極移動」という単語に関しては、極移動 - Wikipediaからの説明を、わかりやすい概念ではないですが、抜粋しておきます。


真の極移動

大陸移動を補正すると、地殻全体に対する極の移動が残る。これを真の極移動 という。大陸移動、氷床の盛衰、大規模な火山活動、大規模な天体衝突、地球内部の質量分布の再編などにより、固体地球の質量分布が変化し、真の極移動が起こる。



これが「今」起きているということのようです。

本文中にもありますが、「真の極移動」とは、


・地球の磁場の反転(ポールシフト)のことではない。
・プレート・テクトニクス理論のことではない。
・地球の歳差運動のことではない。


ということです。

では、早速、翻訳に入ります。

記事に出てくる馴染みのない言葉として、ドイツ・ヘルムホルツセンターというのと、地学用語のホットスポットがありますので、それらの説明を先にそれぞれ Wikipedia から抜粋しておきます。


ドイツ研究センターヘルムホルツ協会

ドイツ研究センターヘルムホルツ協会はドイツを代表する科学研究組織。




ホットスポット (地学)

ホットスポットとは、プレートより下のマントルに生成源があると推定されるマグマが吹きあがってくる場所、若しくはマグマが吹きあがってくるために(海底)火山が生まれる場所のことをいう。

1990年代まではほとんど位置を変えることはないと考えられていたが、J・A・タルドゥーノらの天皇海山列に関する研究により「ハワイ・ホットスポット」が南へ移動していたことが発見され、それまでの常識が大きく覆った。以来、地球科学のさまざまな分野に大きく波紋を広げている。




それではここからです。



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2012年09月14日



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今日は、昨日までのカリフォルニアでの異臭に関しての記事の補足というか、異臭報道とは関係ない学術記事でソルトン湖に関してのものがありましたので、ご紹介します。

その前に今朝見て気になった記事をご紹介したいと思います。
光のタワーの話で、日本の話です。






 



伊勢の光の柱


米国のミステリー系の老舗ウェブサイトの今日の記事に「日本の聖地に巨大な光が出現」というタイトルの記事がありました。下のような写真が添えられていました。

ise.jpg


日本語のニュースなどで検索しても同じようなものがありませんでしたので、一応、ご紹介しておこうかと思います。これが掲載されていたブログの性質上、信憑性については何とも言えないですし、上の場所が本当に伊勢なのかどうかも私にはわからないです。

なお、アメリカ人のブログですが、報告のメールを書いたのは日本人のようです。

ところで、私は知らなかったのですが、記事では、伊勢神宮を「 Yamatohime - no - miya 」(ヤマトヒメノミヤ / 倭姫命の宮)と呼んでいましたので、原文通りに記載します。

なお、この光が目撃されたのは今年の 8月27日だと記されています。




Huge Light Anomaly at Grand Shrine of Ise, Japan
Phantoms and Monsters 2012.09.13

日本の聖地・伊勢で説明のつかない巨大な光の柱が出現

日本の仲間(読者)が以下のメッセージと写真を送ってくれた。
以下がそのメッセージだ


8月 27日の午前 8時頃、伊勢神宮の外部と聖地(境内)の中央で、厚い光のポール(柱)が立ち昇っている光景が目撃されました。その光は5分間以上にわたって目撃されました。

目撃者は神道の聖職者の家族で、とても長い期間、この地で暮らしています。

そして、彼はこの光の位置の説明で「倭姫命の宮の上に光が」という表現をしており、そのため、私は彼の情報が比較的正しいのではないかと考え、今回、この文章と写真を送ることにしました。私はこれが神の国大和の復活なのではないかと感じます。

ところで、光の柱が出現するという意味は、「この世界が変わる徴候」だとされています。それは、物質的な世界から、物質的でなはない世界へと価値観が移行していく徴候という意味です。

善意が評価される世界になり、世界の人びとは助け合うようになります。

もっとも、そのような「完全な世界」が見られるまでには何世紀もかかるかもしれないですが、しかし、0.1パーセントの変化でも見られれば、人類に巨大な変化を与えます。

物理の新しい法則と理論が発見され、科学が再検討されます。私たちは、最終的な平和世界に向けて多くの変化を見ていくことと思います。そして、最終的に私たち人類の未来は驚くべく場所に存在します。




ここまでです。

後半はなんだか壮大な展開になっていますが、世界が変わる徴候だとか何とかはともかく、この光の現象がもし仮に本当なら興味はあります。

数年前から様々な光の現象が世界中で起きていて、その多くが科学的に説明できると言われますが、説明がつくとかつかないというほうが問題なのではなく、「それまで見たことがないような現象が多発し始めた」ということが興味深かったです。

上のような「光のポール」の報道写真を最初に見たのはラトビアの光でした。
また、米国でも数年前の冬から見られるようになりました。


light-pole-.jpg

light-pole-01.jpg

▲ ラトビア。2009年1月17日。Daily Mail より。


light-pole-02.jpg

▲ 米国オクラホマ州。2009年1月26日。ナショナル・ジオグラフィックより。


あと、少し前に、マヤのピラミッドから光線が上に照らされたというニュースもありました。
撮影されたのは2009年。

maya-pyramid-light.jpg

GIZMODE より。


上のピラミッドの写真は写真そのものには細工されていないことがわかっていて、確かに光は写ったらしいのですが、レンズフレアか、あるいは機器の不調( iPhone で撮影)かどちらかではないかと言われています。


単なる光の現象とはいえ、実際のところ、「どうして人間が光の波長を識別しているのか」ということは未だにわかっていないわけで、あるいは光の形というのは人間の意志そのものかもしれないと思ったこともあります。

このあたりのことは、ずいぶん昔ですが、

ペアである自分(2) 宇宙の場所
 クレアなひととき 2011年01月28日

という記事の後半で、「メキシコの目のない魚が脳の松果体で直接、光を感知していたことがわかった」という米国メリーランド大学の研究論文から思ったことなどを少し書いています。

松果体は人間にもありますが、現在のところは、メラトニンという物質を作り出すこと以外は、役割のよくわからない器官とされています。


light-brain.jpg

体内時計より。


また一方で、東洋でも西洋でも「人間は松果体で光を見る」というような概念はあったようで、下の絵は中世の哲学者デカルトが描いたものです。これなどは「松果体で見る」ということをかなり直接的に表している図版のように見えます。

pineal-gland-02.jpg

b/Aより。


しかしまあ、難しいことを考えなくとも、「頭の中に(視覚を通して受けなくても)光はある」というのを自分で実感するのはわりと簡単で、残像を含めて、「目を閉じても光はそこに残っている」という事実があります。

私はわりとこれを眠りにつく時や、眠れない時などに観察しているのですが、まぶたの奥というか、暗闇の中央やや左に「光の発生場所」があります。これは誰でも目を閉じた時にある光の出所を辿っていけばわかると思います。

というわけで、余談でしたが、ここから、昨日までのふたつの記事、

赤く染まるユーラシア大陸最大の川と、カリフォルニアの周囲 100キロに漂う9月11日の腐臭
 In Deep 2012年09月12日

カリフォルニアの異臭は「アメリカのメッカ」から放たれたものか、あるいは違うのか
 In Deep 2012年09月13日

の補足のような記事です。

あの米国のメッカにあるソルトン湖は、古代の「巨大火山」が噴火した場所だったのでした。

その観測所についての短い記事がありましたので、ご紹介します。

何か特別な動きがあったというわけではなくこの記事が出ていたということは、やはり最近の異臭騒動を意識しているような部分はあるのかもしれません。






 

Salton Buttes California Volcano Observatory
Nano Patents and Innovations 2012.09.13

カリフォルニア・ソルトン火山観測所


ソルトン火山は、カリフォルニア州インペリアル・バレー(カリフォルニア州南東部からメキシコのバハ・カリフォルニアまで広がる乾燥した盆地)から、南東に 145キロメートルに位置するソルトン湖の地熱域にある。

Salton_Buttes.jpg


この地熱地帯の熱源は、地球表面の地下深くにある部分的に溶解した岩(マグマ)から放出されている熱だ。

このソルトンの火山は約 40万年前に噴火し、その後、 1万 8千年前まで小康状態だったと考えられている。最も最近の噴火は約 9,000年前で、大噴火で始まり、次第にガラス状(黒曜石)の溶岩ドームの比較的穏やかな放出の段階に進んだと見られる。


salton-sea-buttes.jpg


ソルトン山の地震活動の監視は 1930年代に始まった。そして、1970年代に、その管理は USGS (米国地質調査所)と、カリフォルニア工科大学がおこなうことになり、現在に至る。

ソルトン山の噴火の予測を立てるためのデータは現在のところはまだ不十分だ。しかし、この地域の高い熱放出と、このソルトン山の比較的若い年齢から見て、将来的な噴火が予測されている。





ここまでです。

このソルトン湖、あるいはメッカのあるあたりというのは、かなり広大な「巨大火山の一帯」ということのようです。

もちろん、このこととカリフォルニアの異臭が関係あるとは思いませんが(風向きの問題)、ここに加えて、米国の太平洋側の地下には「カスケード沈み込み帯」という地層がありまして、ここが西暦 1700年に大地震を起こしたことが、日本の資料でわかっています。

このあたりはまた別の話ですので、リンクを示すにとどめておきます。記事は 独立行政法人「産業技術総合研究所」の2003年のニュースリリースです。

北米西海岸で西暦1700年に発生した巨大地震の規模を日本の古文書から推定
 独立行政法人 産業技術総合研究所 活断層研究センター 2003年11月21日

上の記事にある下の図の「カスケード沈み込み帯」という場所が崩壊して、今から 312年前にマグニチュード9クラスの地震がアメリカ西海岸で起きたとされています。

cascade.png


当時、アメリカ合衆国はまだ存在せず、日本の古文書に記載のある「日本での1700年の津波被害」の原因を探る中で、その地震発生が明らかになったというような記事です。


まあ・・・何だか、いろいろなことが起こり得る昨今ですが、どんなことでも「起こってみなければわからない」というのが最大の事実で、そしてそう思っていれば、案外と起こった時もすんなり対応できるものかもしれません。



  

2012年09月12日



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red-river-01.jpg

▲ 9月6日に真っ赤に染まった中国の長江。原因は不明。中国の長江はユーラシア大陸のなかで最も長い河で、世界では水量と全長で第3位。






 



最近は時事ではない記事をたくさん書いていましたが、世の中ではいろいろなことがたくさん起きているのも事実で、その中でも気になっているふたつのニュースをご紹介しておきます。後回しにすると、「永遠に後回しにしたまま」ということにもなりかねないですので( In Deep ではよくあります)、書ける時に書いておきます。

ふたつともタイトルの通りのニュースですが、「カリフォルニアの腐臭」というのは比喩とかの話ではなく、本当の「腐臭がするニュース」で、何かが腐ったような匂いが南カリフォルニアの100キロくらいの距離の範囲に漂っているというニュースです。

米国ロサンゼルスタイムスで大きく報じられおり、それほど小さな話題ということでもなさそうですので、ご紹介します。

もうひとつが、中国の長江という大変に大きな川が真っ赤に変色したというニュースで、日本でも報道されていたようですので、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、 In Deep では「赤く変色したいろいろな光景」というものを掲載し続けていたので、流れとして記しておきます。

今回の長江は、過去最大の「赤色事変」だと思います。

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過去記事の「赤いシリーズ」は、以下のようなものがあります。

(赤く染まった黒海) 赤の意味(1): 再び現れた赤い海と赤い雨
 In Deep 2012年07月31日



▲ 2012年7月に赤く染まったウクライナのアゾフ海。


(赤い川) 血の川の出現:原因不明の理由で真っ赤に染まったベイルートの川
 In Deep 2012年02月17日



▲ 2012年2月に赤く染まったベイルートのフルン・アル・シュバク地区の川。


(赤く染まった空) 巨大な磁気嵐がもたらしたアメリカ全域での「赤い空」
 In Deep 2011年10月26日



▲ ミシガン州ロックフォード。2011年10月24日。



まずは、その「赤いニュース」の流れとして、中国の大河の話題です。
報道は米国の ABC ニュースより。
写真は英国のデイリーメールからです。






 

Yangtze River Turns Red and Turns Up a Mystery
ABC (米国) 2012.09.07

中国の長江が赤に変色。原因は謎のまま


red-02.jpg


絶景として観光的にも知られる中国の長江が奇妙な意味での「絶景」を見せている。

赤く染まってしまったのだ。

長江が赤くなってしまった理由については、中国当局も現在のところわからないという。長江はユーラシア大陸のなかで最も長い川で、世界の中でも、水量と全長で第3位という非常に大きな川だ。

赤くなってしまった長江を、住民たちは立ち止まって見つめる。

red-03.jpg


中には、赤い水を瓶に入れて保存する人たちもいる。

red-04.jpg


川が変色したにも関わらず、漁師たちは漁を続けているという。

当局は現在、原因を調査している。

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もうひとつは、とても興味深いニュースですが、カリフォルニアの「匂い」についての報道をロサンゼルスタイムスからご紹介します。「9月11日直前に腐臭がする」というのも何だかアレなんですが、すぐ本記事に入ります。

ただ、原因を魚の大量死としているのですが、どういう理由であるにしても、「160キロ」も匂いが運ばれるものなのですかね。

そのあたりはやや不思議です。
当日の天候と風向きなどを調べてみたい衝動に駆られます。




Rotten smell reeks havoc across Southern California
LA Times 2012.09.10

南カリフォルニア全域が「腐った匂い」により混乱している

匂いの正体は、ソルトン湖での魚の大量死ではないかと見られているが、この匂いをすぐに消すことはできないという。


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▲ 米国KTLA5のテレビ報道。下には「謎の匂い」と書かれてあります。


9月9日の朝、サンタクラリタ・メゾジスト教会周辺に漂う「卵の腐った匂い」を、周辺の人びとは教会の下水管が破裂したのかと思ったという。

そして、この教会から東へ 110キロの場所に住むクリス・テイタムさんも、同じ時に強烈な匂いに参っていた。クリスさんによると、「何かがドロドロに腐った匂いがしたんです」と言う。

その朝、結局、南カリフォルニアの多くの地域にこの「腐った匂い」が充満していることがその日のうちにわかった。

保健当局には、緊急電話の下水道調査の依頼のコールが大量に押し寄せた。

当局によると、匂いの原因の有力な説は 160キロ離れたロサンゼルスにある。ソルトン湖の魚の大量死によって引き起こされている可能性が高いという。

しかし、州の大気管理の当局者たちは、これまでこのような悪臭を経験したことがないという。
通常のソルトン湖での魚の大量死では、この地域まで匂いが来ることはない。

ソルトン湖では前日、非常に強い風が吹いており、ソルトン湖の管理担当者によれば、「風によって水が巻き上げられたのかもしれない」という。そして、ソルトン湖は浅い湖なので、湖の湖底にある腐った材質のものが水と共に巻き上げられ、風で運ばれた可能性があるという。







  

2012年08月14日



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相変わらずいろいろなニュースがこの世にはあって、下の写真は、ボスニアで発掘された2体の「巨人」の頭蓋骨だそうです。

giants-01.jpg

・・・・・というのはウソで、上の写真は 2009年に「写真エフェクト・コンテスト」に出品された合成写真作品の一枚です。






 


2009年に運営を停止した、米国の Worth1000 という会員制サイトで 2002年から2009年まで続けられていた写真やイラストレーションのコンテストがあり、この2009年の写真エフェクトのテーマは、「ジャイアント・マン」でした。今はログインしないと見られないですが、アーカイブに残されています。

上の写真の作者はケヴィン・アンダーソンさんという人によるフォトショップでの合成です。まあ、パッとみても、ふたつの頭蓋骨の下のマルの部分の「壊れ方」が同じで、フォトショップのコピペをベースに作っていることがわかります。

fk1.jpg


いずれにしても、このコンテストの「ジャイアント・マン」のテーマの際には数々の傑作が作られました。下の写真に添えられたストーリーは「1934年にニュージーランドで農民が巨人の頭蓋骨を発見」というもの。

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これは、ノリット(Norrit )というアーティストによるもので、ノリットさんは他にも、幻想的な光景を含む様々な合成写真作品を作っています。

下の「日本の観光地」の写真も、別の年にコンテストに出品されたノリットさんによる作品です。

matsushima.jpg


ちなみにインターネット上に「巨人の骨」として出回る写真の一部はこの時のコンテストの写真であるものが多いです。下のものなどはすべて2009年のコンテストの出品作品です。

giant-2009.jpg


何の関係もない前振りでしたが、写真というものは、映像も含めて今の時代ではすでにリアルとフェイクの差を見た目から判断することは難しくなっています。なのでまあ、自分の感性だけで見て判断するのもいいのではないかとも思います。


ところで、上で「ニュージーランド」という言葉が出て来ていますが、今回はこのニュージーランドのことを書いておきます。

火山噴火などに関係した話です。






 



ニュージーランドと「海底火山」の関係


ニュージーランドの最近の一連の出来事は 8月6日の火山の噴火から始まり、一昨日の「ニュージーランド近郊の太平洋上に、ベルギーの国土面積ほどもある「軽石が島のように群生した」巨大な漂流物が発見された」という報道に続きます。

どれも日本語の報道になっていますので、最初にその報道をそれぞれ短く抜粋しておきます。


ニュージーランドの火山が115年ぶり噴火、国内線が欠航
ロイター 2012.08.07

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▲ 噴火したトンガリロ火山。

ニュージーランド北島中部のトンガリロ山が6日夜、115年ぶりに噴火した。

トンガリロ山は標高1978メートルで、最後に噴火したのは1897年。ニュージーランド地質・核科学研究所のスティーブ・シャーバーン氏は、トンガリロ山の活動は断続的だったことから、噴火の規模が大きかったことは予想外だったと述べた。




南太平洋上に白い巨大物体が浮遊、海底火山噴火が原因の「軽石」か
CNN 2012.08.11

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ニュージーランド海軍は9日、南太平洋上に浮かぶ1万平方マイル(約2万6000平方キロメートル)以上の巨大な軽石を発見した。ちなみに米国ロードアイランド州の面積は約1200平方マイルだ。

軽石を目撃した水兵は「過去18年間に海でこれほど奇妙な物は見たことがない」と語った。

火山学者のヘレン・ボストック氏は、この軽石は海底火山の噴火でできたと見ており、今後噴火した火山を特定するための調査が行われるが、最近この付近では海底火山「モノワイ」の活動が確認されており、軽石はモノワイの噴火によって生成された可能性があるという。



というものです。

下の「軽石の島」についてのニュースはニュージーランドの報道では、その海上に広がる面積が「ほぼベルギーの国土面積と同じくらい」と表現されていました。
こちらの報道には映像もあります。

正直いって、写真を見ても映像を見ても、どのような状態なのか今ひとつわからないのですが、いずれにせよ、それだけ広大な面積を漂うほどの膨大な軽石が海底から噴出しているということは確かなようです。

そして、その「原因」。

上の CNN の報道の火山学者は、モノワイ(Monowai)という海底火山によって生成されたものではないかと言っていますが、だとすると、海底火山モノワイはそれまでも活動を続けていたわけですので、可能性としては次の二つとなるように思います。

・海底火山モノワイの活動が「突如」として活発化あるいは激化した

か、

・この軽石の原因は海底火山モノワイからのものではない

のどちらかになると思われます。

なぜなら、ひとつの国家ほどの面積を形成するほどの軽石の群生が、完全には散らばらずに集まって漂っているということは、海流(海面の流れ)が軽石を個体が散らされていく以上の速度と威力で「強烈な噴出」が起こっているという状態が起きているような気がします。


地震学者の言う海底火山ではなく、別のものである可能性もあるように思います。

何しろ、海底の火山というのは知られていないものが多く、深海などにあるものでは知られていないものの方が多いのではないでしょうか。

2年以上前に、北マリアナ諸島のサリガン島という島の近くで海底爆発が起きたのですが、その際に、米国気象局は「噴火した海底火山は、米国気象局の知らなかった新しい火山だった」と発表しています。

過去記事にあります。

北マリアナ諸島で噴火した海底火山は米国気象局の知らない未知の火山だった
 In Deep 2010年06月01日


この「海底爆発」のすごさは、2009年に爆発した、南太平洋で噴火した海底火山の動画などでおわかりかと思います。下の動画は、当時のAP通信の映像ニュースです。

2009年の南太平洋での海底火山噴火




しかし、今回のニュージーランドの軽石では、このように海上に向かって噴煙が上がっているわけでもないわけで、つまり、「海底で何が起きているのか」は実際には誰にもわかりません。


そして、現在、多くの地質学者たちがこの一連のニュースに注目しているようなのですが、どうして多くの科学者たちがこのニュージーランドに注目するかというと、ニュージーランドは「地球の中にいくつかある最大級のスーパー火山を持つ地帯」のひとつだということもあるように思います。

今回はこのことを振り返って記しておきます。



地球の7つの超巨大火山


2005年にオーストラリアにあるモナシュ大学という大学の教授、レイ・キャス( Ray Cas )博士が、大学のニュースリリースに、「超巨大火山の噴火での地球の壊滅的な被害」というタイトルの文章を掲載し、そして、「その時期が迫っているのではないか」と記しました。
下がオリジナルのページです。

Super-volcanoes greatest hazard on earth(英語)
 モナシュ大学 ニュースリリース 2005.03.31

この中でキャス教授は、


「スーパー火山の噴火が起こった場合、膨大な量の岩石と灰が放出され、有毒ガスが広範囲に拡散する。死者は数十万から数百万人に達し、気候や食料生産に深刻な影響を及ぼす。スーパー火山の噴火が起きる可能性がある地域としては、ナポリやニュージーランド、インドネシア、南米および北米。インドネシアではトバ山だ。スーパー火山の噴火を上回る地球の脅威は小惑星の地球衝突くらいだ」


と書いているのですが、まあ、やや大げさな部分はともかく、可能性として挙げている地域の中に「ニュージーランド」があるのがおわかりだと思います。

地球には「7大超巨大火山(スーパー・ボルケーノ)」というものがあり、教授はそれを指しているのだと思いますが、その世界7大超巨大火山は、


1.セージア渓谷 (イタリア)
2.イエローストーン (米国)
3.薩摩硫黄島 (日本)
4.トバ火山 (インドネシア)
5.ニュージーランド北島のカルデラ群 (ニュージーランド)
6.シャツキー海台 (太平洋の日本側)
7.オントンジャワ海台 (ソロモン諸島)


だそうです。

それぞれのわかっている部分は下のような感じです。




sv-02.jpg

1.イタリア・セージア渓谷
 
場所:イタリア・アルプス
最後の大噴火:約2億8000万年前
噴火の規模:セントヘレンズ山の大噴火のおよそ1000倍



2.米国イエローストーン

場所:米国
最後の大噴火:64万年前
噴火の規模:セントヘレンズ山の大噴火のおよそ1000倍



3.薩摩硫黄島

場所:日本・鹿児島
最後の大噴火:7300年前
噴火の規模:雲仙普賢岳の1回の火砕流噴の数十万倍



4.インドネシア・トバ火山

場所:インドネシア・スマトラ島
最後の大噴火:約7万4000年前
噴火の規模:セントヘレンズ山の大噴火のおよそ3000倍



5.ニュージーランド北島のカルデラ群(タウポ)

場所:ニュージーランド・北島
最後の大噴火:西暦150年頃
噴火の規模:不明





となっています。

6番目と7番目の「シャツキー海台」と「オントンジャワ海台」は今は海底なのですが、詳細はほとんどわかっていません。このうち、シャツキー海台というのは、日本とハワイの間あたりの太平洋上にあります。

そして、この場所は、日本の茨城大学の地質情報活用プロジェクトにより研究されています。

茨城大学地質情報活用プロジェクトの2009年9月27日の記事から抜粋します。


みなさんは大規模海台というものを御存知でしょうか?
今から約一億年くらい前の白亜紀、地球全体で火山活動が活発になり、様々な場所で火山活動が起こりました。(中略)

現在私たちは、白亜紀のはじめに太平洋の海底に噴出した大規模海台「シャツキー海台」を調査しています。この海台は日本の本州ほどの大きさがあり、玄武岩でできています。実は、このような大規模海台の形成メカニズムはまだ分かっていません。

シャツキー海台は水深が3000m以上ある海底にあるので一般的な地質調査のように野外を歩いて調査するわけには行きません。洋上の船からドリルを下ろして海底を掘り、その石を調べるのです。



要するに、「地球の地質活動が活発になる時期」というのは、地表だけではなく、海底でも活動が活発化するもののようで、特に1億年ほど前には、太平洋あたりは、とんでもなく激しい地層の活動を繰り返していたようです。

そして、地殻活動の変化と、「海水面の変化」などにより、地球の形というのはそれなりに変わっていく時もあるものなのかもしれません。


今回のニュージーランドの海底での異変がこのまま収まるのかどうかはよくわからないですが、地球の地殻変動の時期というのは、大きなスパンでは同じような時期に集中する傾向があるようですので、その意味もあって、ニュージーランドは注目を集めているのかもしれません。



いつの日かの地球

先日、「北極で嵐が起き、急速に氷が溶けている」ということがありました。

きわめて珍しい「北極での嵐」の発生により深刻な氷の溶解が進行中
 地球の記録 2012年08月13日


もしかすると、すべての環境の状況が相互に影響し合いつつ進行する「巨大な地球の変貌」というものの中に私たちが今いる可能性もないではないのかもしれません。


もちろん、そうではないかもしれないですが、地球の地層などは、「時間軸が存在している世界である限り、地質の大変化はいつかは起きる」ということを示しています。

そして、それは思いの他、早いペースで発生して進行すると私個人は思います。


地球の地質環境の変化の根幹は、下のようなものではないかと考えることがあります。
順番ではなく、これらが相互に影響するというような意味です。




・天候と海流の変化による「地球の氷の消滅」

・それによる海水面の上昇

・ポールシフトによる変化

・地熱(地下の放射性崩壊)の変化による地球の気温の変化

・地表と海底の大規模な地質活動







多分、私たちはある程度のその進行状況をリアルタイムで見ているような気がします。

近いうちに「全世界での氷の溶解」について書いてみたいと思います。



  

2012年06月20日



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本題は、数日前に北京の上空に現れた「雲」のニュースのご紹介なんですが、前振りが長くなってしまったことに気づきましたので、先にその「北京の雲」の写真を載せておきます。

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▲ 6月14日に北京上空に出た「雲」。この雲は、核爆発と同じような感じで拡がり、そして消えていったと報道にはあります。






 



というわけなんですが、「雲」絡みで今朝ちょっといいものを見たので、先に少し書いておきます。



台風明けの夜明けの空に


今朝起きてベランダに出てみると、やや風は強いもののすでに晴れていました。どうやら眠っている間に台風は去っていったようです。

家のベランダは真正面に小さく富士山が見えるのですが、ふと見ると、左上に巨大なレンズ雲が浮かんでいることに気づきました。

まあ、富士山の方向というだけで、実際に富士山の上にあるものというわけではないでしょうが、富士山とレンズ雲の組み合わせというのは、富士山の近くからだとわりと見られるもののようですが、このあたり(埼玉県の所沢と狭山の間あたり)からだと珍しいですので写真に撮りました。下の風景です。右下に「富士山」と書いた上にあるのが富士山。

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富士山というのは、その頂上にレンズ雲がかかりやすい山のようで、インターネットで検索するとたくさん写真があります。「富士山 レンズ雲」などのキーワードで検索されるとたくさん見られると思います。

山頂にレンズ雲がかかると、下のような幻想的な光景もよく見られるようです。


fuji-103.jpg

富士山のページより 2003年1月26日の山中湖畔からの富士山。


レンズ雲は日本では富士山が有名となるようですが、アメリカでは、カリフォルニア州にシャスタ山という山があり、ここが巨大なレンズ雲が頻繁に発生することで有名です。


shasta-02.jpg

▲ シャスタ山のレンズ雲。


このシャスタ山というのは、世界七大聖山というもののひとつだそうで、地下都市があるなどの伝説やオカルト・ストーリーがたくさんある場所のようです。



世界七大聖山の光景を支える宇宙線(雲)と太陽(夕陽)


ちなみに、世界七大聖山とは以下のことを言うのだそう。


・シャスタ山 (米国)
・富士山 (日本)
・マチュピチュ (ペルー)
・シナイ山 (エジプト)
・チョモランマ / 英名エベレスト (ネパール)
・キリマンジャロ (タンザニア)
・セドナ (米国)


とのことです。

・・・・・セドナ?

セドナってのは聞いたことがないです。

調べてみると、米国のアリゾナ州にある場所だそうで、 Wikipedia には下のようにあります。


セドナ (アリゾナ州)

Bell_Rock.JPG

1876年に白人が初めて入植。

古くからネイティブ・アメリカンの聖地とされ、近年ではボルテックスと呼ばれるパワースポットが点在する"癒しの町"として人気があり、年間に約400万人の観光客が訪れる観光地・保養地となっている。



という感じで、ネイティブアメリカンの聖地だそうです。

しかし、上の Wikipedia の写真を見ても、特に聖なる山という感じはしなく、どうも釈然としなかったので、セドナの写真を見続けていましたら、わかりました。

ここも「雲」なんです。

セドナも、富士山やシャスタ山同様、「雲の力」で神秘感が漂うようです。
特に、雲と夕焼けの組み合わせはものすごい。

下の写真は、こちらのページにあったセドナの夕陽の光景です。

sedona-sunset-colorful.jpg


そして、実は、これらの雲を作り出しているのは、「宇宙線」なんです。このことは、ほぼ確定していて、CERN などの研究はかなり進んでいることを過去記事でご紹介したことがあります。


「宇宙線が雲を作るメカニズム」の一部を欧州原子核研究機構 CERN が解明
 In Deep 2011年08月26日


なので、セドナやシャスタ山の光景などを見ていますと、宇宙線(雲)と太陽の組み合わせが、視覚として私たち人類に神秘体験(あるいは、夢やロマン)を与えてくれていることを感じます。


聖山といえば、1970年代の映画にアレハンドロ・ホドロフスキーという人が監督した『ホーリー・マウンテン』(聖なる山)というメキシコ映画化があります。私は好きで、今でもビデオを持っています。

この映画には、公開国によりいろいろなデザインのポスターがありましたが、下のようなものもありました。

holly_mountain_poster.gif


ポスターの後ろにあるのが聖なる山で、真ん中の黒い人が映画の主人公で、その心臓は燃えていて中に目玉があります。

そして、周囲で燃えているのは「お札」です。

これらはすべて映画に出てくるシーンでもあります。




▲ 映画「ホーリー・マウンテン」より。この映画の中の社会で作られているすべてのキリスト像が「自分をモデルにして作られていた」ことがわかり絶叫する主人公の青年。この後、この青年は一体のキリスト像と共に聖なる山を目指します。


というわけで、本題がわからなくなってきましたが、本当は今日は、昨日海外メディアで一斉に報道されていた「中国の雲」のニュースをご紹介しようと思ったのでした。

報道では「キノコ雲」と紹介されていましたが、何となく「終末感が強い雲」でしたので、タイトルで「終末雲」としてみました。


中国人は世界で一番「この世の終わり」を信じている国民ですので、この雲を見て、多くの人々がいろいろ感じたようです。この「中国人は世界で一番この世の終わりを信じている」というのは過去記事にそのデータがあります。

「この世の終わり」に関して米国の調査会社が21カ国で行った国際調査のデータ
 In Deep 2012年05月03日



▲ 上記 In Deep 記事に掲載したアメリカの調査会社イプソス社のデータ。


「終わる」と思っている人たちの上に「終わりそうな雰囲気のもの」が出るというようなことなんでしょうか。

それではここからです。
本文自体は短いです。






 

Awesome mushroom storm cloud dominates skyline over Beijing and sparks fresh 'end-of-the-world' fears
Daily Mail (英国) 2012.06.18


壮絶なキノコ雲が北京の空を支配し、『この世の終わり』的な恐怖が人々の間に伝わった


この時に「核戦争が起きた」と言われても、私たち素人には一瞬それがウソだとは気づかないかもしれない。

それほど、壮絶な形状のキノコ雲が中国の首都・北京の上空に出現したのだ。

幸いなことに、これは核戦争ではなく、単なる自然現象だった。



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▲ 6月14日に現れたこの雲を北京の住民たちは困惑した表情で眺めた。


しかし、核戦争ではなくとも、これが「アルマゲドンのシグナルなのでは」と考える中国人もいたという。さらに、時間の経過と共に、雲の中には落雷の光の閃光が走り、終末的な感覚をもたらした。


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▲ 左にある小さな黒い点は飛行機。


この雲は巨大な積乱雲がと垂直な雲と合わさっていると考えられるという。