2012年11月15日



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これが本当の地球の形・・・?



今回は、「真実の地球の形」を計測する理論が確定されたというような話の記事についてですが、かなり難しい内容なのですが、ご紹介しようと思ったのは、その記事に出ていた図に軽いショックを覚えたからです。

人工衛星などの計測からあらわされる「ジオイド」というものによる「地球の形」なのですが、それが下の形なのです。

earth-shape-2012.jpg

Daily Galaxy より。


「な・・・」と一瞬、絶句しました。
これじゃ丸く見えない

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「ジオイド」という言葉は、私も今回初めて知りましたので、もう少しきちんと説明文を記しますと、Wikipedia では、


ジオイドは、平均海水面を陸地にまで延長したと仮定した場合に全地球を覆う仮想的な海面のこと。



というものです。

少しネットを調べてみましたら、日本語のサイトがありました。

測位衛星による高精度測位技術の研究開発」というサイトの「2005年の日記」に下の図がありました。

earth-shape-2005.jpg


さらにデコボコな感じですが、日記には以下のように記されていました。


NASA GSFC/NIMA EGM96 全球ジオイドモデル。基準楕円WGS84。0.25度格子。凹凸を強調した全球表示を下に示す。こうして見ると地球は本当にジャガイモみたいだなあ。



「うーむ・・・」と私は唸りました。




完全な球体に囲まれた中で反逆する地球

宇宙などから撮影される地球はとても丸く見えるわけで、私などは、ほとんど何の疑いもなく「地球は丸い」と思いこんでいます。下のようなものだろうと。

maru-01.jpg

▲ ほとんどの人が想像するだろうと思われる「地球」の形。


しかし、少なくとも現在の衛星の観測と計測での計算からは「地球は丸くはない」ようです。
下のように。

earth-geoid.jpg

Earth’s True Shape Revealed for 1st Time (地球の形状が初めて明らかになる)より。


もっとも、今回ご紹介する記事は、原子時計というものを使って、「正しい地球の形」というものが明らかになるだろうというものですので、正しく計測すれば丸に収まっていくのだろうとも思いますが、もし仮に「正しく計測してもデコボコ」だったら、それはそれで何だか面白いなあ、と思います。

なぜなら、「地球と人類を取り囲むものは丸い」からです。

過去記事の、


私たちの太陽が「宇宙の中で最も完全な球体」であったことが判明してショックを受ける科学者たち
 2012年08月18日


では、太陽がこの世の中で最も正確な球体であることがわかり、また、それ以前の記事の、


電子は「宇宙に存在するものの中でもっとも丸い存在」だった
 2011年05月27日


では、この世の中で最も小さなもののひとつである電子がほぼ完ぺきな球体であることが突き止められたという記事でした。


地球をめぐる「最も大きなもの」と「最も小さなもの」は究極的にまん丸。

なのに、その真実を突き止めた人類の住む地球自体はジャガイモみたいにデッコボコの形ということも考えられる。

これは悪い意味で書いているのではなく、「完全な丸」という完ぺきしか作り出せなかった宇宙という存在に対しての何という自由な態度か! とむしろ感嘆します。


私は「完全」とか「完ぺき」という概念が好きではなく、「不完全」が大好きな人ですが、もしかすると、地球も同じかもしれません。「完全な球体なんてイヤだね」とボコボコの形で宇宙に浮かび続ける地球の意志というものもまた素敵だなと思ったりした次第です。





では、どうして地球は丸く見えるのか

ちなみに、上のようなものを見ても、「でも写真では地球って丸く見えるよなあ」と思うわけですが、同じことを思う人は多いらしく、Yahoo! 知恵袋の質問、「地球が丸く見えるのはなぜ?」というものがありました。

ベストアンサーは、


日常の経験からその様なものは球状であると脳が判断する為。 もしくは、学習により惑星は球状であるという固定観念からそう見てしまうのかもしれません。



とありましたが、しかしまあ、もっと単純に考えれば、私たちは宇宙から撮影した地球の写真を「大気圏」を通じている見ているわけで、大気が薄いとはいえ塵やエアロゾルなど「目に見える」微粒子がその大気圏には漂っているわけで、その層もかなり厚いはず。

下の写真のように地球の大気の層は目に見えるものです。

earth-upper-02.jpg


大気の層は地球の磁場などから考えると、デコボコのない円形(楕円として)になるはずで、なので、多分、私たちは「地球の大気が形作る丸」を地球の形として見ているのかもしれません。このあたりは科学的な裏付けなく書いていることで、想像ですけれど。

1961年に世界初の有人宇宙飛行をおこなったソ連の宇宙飛行士ガガーリンの「地球は青かった」という言葉は有名ですが、これは、上の写真の青い大気圏のことを指して言ったということが「ガガーリン7 / 交信記録を読んで」というページに書かれてあります。

ガガーリンには、この大気層の青さが非常に美しく映ったようです。


私たちの認識の中で変わりつつある「近隣宇宙の姿」

近隣の宇宙が「形や色」というもの自体からその概念を変えてきていることは、過去記事でも何度か取り上げました。たとえば、「月の色」は、


真実の月の色: NASA の公式資料から見える本当の月の光景
 2012年07月03日


という記事で、いろいろな可能性を考えてみたりしたことがあります。
下の写真は誇張されていますが、 NASA の発表した月の疑似カラー写真です。
月には色の差自体は存在するようです。



真実の月の色: NASA の公式資料から見える本当の月の光景より。


あるいは、「水星の色」というものもあります。



「水星は他の惑星とはまったく違う起源を持つ」可能性があることが無人探査機のデータによって明らかにより、NASA の水星探査機メッセンジャーが送信してきたデータから NASA が構築した「真実に近い色」の水星の疑似カラー写真。


そんなわけで、少なくとも、私の頭の中にある「近隣宇宙の概念」は地球を含めて、ずいぶんと変わり続けています。

もちろん、もともとの色や形がそうであっただけで、変化したのはこちら側の「認識」だけではあるのでしょうが、人間の認識というのは宇宙存在のすべてであり、その変化というのは現実の変化さえ示していると思っています。

それでは、ここから翻訳記事です。



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2012年11月13日



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van-gogh-starry_night.jpg

▲ ゴッホが 1889年に描いた作品『星月夜』。夜ですが、星と言うより「たくさんの太陽」 的なイメージを感じます。これは、ゴッホが修道院で療養中に描かれたものだそう。「共通の潜在意識下の出来事」なんて概念を思い出したりします。
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各地で起きる「原因の分かりづらい」大爆発

今回の本題とは違うのですが、気になったニュースがありましたので、それを最初に書こうと思います。

米国のインディアナポリスという街で、一昨日、「大きな爆発」が起きたということがありました。日本では NHK が報道しています。


米インディアナ州住宅街で爆発2人死亡
NHK 2012年11月12日

アメリカ中西部・インディアナ州の住宅街で、10日夜、大きな爆発があり、2人が死亡したほか、住宅2棟が跡形もなく吹き飛ぶなどの被害が出て、地元の消防が原因を調べています。

爆発があったのは、インディアナ州の州都インディアナポリスの近郊にある住宅街で、現地時間10日午後11時ごろ、大音響とともに爆発が起き、大きな炎が上がりました。

地元メディアによりますと、この爆発と火災で2人が死亡、7人がけがをしました。また、爆発の影響で住宅2軒が跡形もなく吹き飛んだほか、周囲の30軒余りの住宅の窓ガラスが割れたり壁が壊れるなどの被害が出て、これまでに住民200人以上が近くの学校に避難したということです。

消防と警察で、ガス爆発の可能性も含め原因を調べていますが、地元のガス会社によりますと、事前にガス漏れなどの通報はなかったということで、なぜこれほどの大きな爆発が起きたのか、今のところはっきりとした原因は分かっていません。



というもので、字面だけ見て私も最初は、「ガス漏れで爆発かなんか起きたんだろうなあ」と思っていました。

が、しかし、米国の報道での写真を見て「これは違うかも」と思いました。

下の写真は、米国 ABC ニュースで報道された消火後の写真です。

indianapolis_explosion.jpg


左のほうに写っている人や乗用車と比較すると、爆発の範囲のすごさがわかると思うのですが、これを見て、「通常のガス漏れじゃ無理だ」という気になりました。


米国では今日も大きく報道されていますが、その理由は「原因がわからないことによる不安」だと思われます。つまり、仮にパイプラインなどが原因ではなく、(天然ガスを含めての)自然現象だったとしたら、「原因が何であれ、どこででも起きうる」という可能性があるからです。

先月の終わり頃に書きました、

2012年の終わりまであと2ヶ月の中で狂乱の気候と共に過ぎていく地球
 2012年10月31日

という記事の一番最後に、オーストラリアのメルボルンの郊外で、水道管が破裂して、住宅地の中で突然、大量の水が噴き出したという出来事をご紹介したことがあります。

下の写真がその時のものですが、高さは 80メートルに達しました。

water-main-burst.jpg

オーストラリアの報道記事より。


上の現象は、確かに家庭用の水道管から噴き出ているのですが、「家庭用の水道管からこんな高さに水が噴き上がる?」と驚いたものでした。

何というか、最近は、起きること自体はそれまでと変わらないようなことでも、「現象の現れ方(見え方)が尋常ではない」ということが多いように思います。

昨年からの In Deep では下のような「謎の爆発」の事件をご紹介したことがありました。


・アメリカ / 2012年3月



▲ テレビの中継画面の後ろで何かが爆発。「海面上昇: 太平洋上のキリバスで「国民全員をフィジーに移住させる計画」が議会に提出される」より。
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・ロシア / 2012年2月

russia-explosion-2012-02.jpg

▲ ロシアで目撃された謎の大爆発。原因はいまだに不明だと思われます。「ロシアで発生した「謎の大爆発」は1908年のツングースカ大爆発の再来か?」より。
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・ハワイ / 2011年7月



▲ 「ハワイの天文台で観測された「泡のような」巨大な爆発の謎」より。ハワイの「カナダ・フランス・ハワイ望遠鏡」という国際的な天文台から撮影。
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・・・というように、いろいろな「爆発のようなこと」が起きてはいます。上のものはすべてにおいて、明確な理由はわかっていないですが、爆発(のように見えること)そのものが起きたことは事実です。

「爆発」というキーワードも今後の地球環境の中に入れてもいいものなのかもしれないですね。


というわけで、ここから今日の本題です。
彗星の話ですが、一昨日、目撃された流星群による火球などに関しての話です。
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2012年11月11日



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kuiper-belt.png

▲ この図で「太陽系外縁天体領域」と書かれてあるのが一般的に「カイパーベルト」と呼ばれている領域。現在の天文学では「彗星の生産場所」と考えられています。理科年表オフィシャルサイトより。
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彗星活動の変化がわりと急速に進んでいる

最近ということでもなく、このブログでは「彗星」というものについてよく取り上げます。古来から彗星は、「聖霊」のようなものと同一視されたり、あるいは、その爆撃(地球への衝突)で地球の様相を一変させたりしてきました。あるいは、地球に水と炭素(生命の素)を運んだのも彗星である可能性も広く言われています。

彗星に対しての現在の学問上での一般の認識はともかく、パンスペルミア説という「宇宙が生命(あるいは DNA やアミノ酸)をばらまいている」ような概念を普通に考えている私は、彗星は宇宙の生命領域の拡大と、「その惑星の生命の刷新」の役割を担う物や現象の中で最大級の存在だと考えています。

過去記事の、

「良い時代と悪い時代」: 500年ほど続いた「穏やかだけれど傲慢な時代」は終わろうとしているのかも
 2012年10月06日

の前後などに取り上げた「535年」に起きたことや、あるいは、最近では、

2013年の巨大彗星アイソンのこと。そして宇宙から地球に降り続ける生命のこと
 2012年10月11日

で取り上げたツングースカの大爆発などのような「大規模な事故」の意味は、事故ではなく、惑星(たとえば地球)の生態系に直接的な影響を与えるものだと思っています。

「直接」というのはウイルスやバクテリオファージのように「細胞そのものを変質させていまう」というような働きを含めたことです。あるいは、 DNA の構造自体を変質させる物質(そんなものがあるのかどうかはわからないですけれど)。

これらの作用により、「生命が完全に変化する」ことは可能で、いわゆる「進化」というものはこのような過程を経て発生していたことだと、少なくとも私は考えています。


そして、何億年に1度、何万年に1度、あるいは何百年に1度・・・など、その「間隔」については何とも言えないですが、地球が周期的に彗星の爆撃時代を経験していたのは事実で、現代人類の登場以降で、その最大の時期は1万3千年くらい前だったと考えられているようです。

そして、それらよりは小さなものとはいえ、最も近代の事例として、私個人は「西暦 535年に地球のどこか(多分、インドネシアから中国にかけての領域)の上空でこの2千年の間で最大の彗星の空中爆発が起きた」と考えています。

先日、「エンケ彗星の覚醒」という記事で最近の活発な流星群活動のことを書きましたが、今回は少し規模の大きな話で、 2011年に NASA が確認した「太陽系外の領域で、大規模な彗星の衝突活動が起きている」というようなものです。

地球で数十億年前に起きていた「後期重爆撃期」という「彗星による大爆撃時代」と同じうなことか、他の太陽系でも起きているというようなことだと思います。

今回はその記事をご紹介させていただきます。


ところで、「カイパーベルト」というのは聞き慣れないものですが、領域のことで、この記事の一番上に載せた図にある「太陽系外縁天体領域」と日本語で書かれてあるのがカイパーベルトで、今の天文学でどのように考えられているかを少し抜粋しておきます。 goo辞書からです。


カイパーベルト

海王星軌道の外にある、小惑星や氷・ちりなどが密集した領域。彗星の供給源であるとして、オランダ生まれの米国の天文学者カイパーが1950年代に提唱したもの。



というもので、そして、観測技術が進んだ現在は、このカイパーベルトには、彗星だけではなく、「どうも様々な奇妙なものがある」ことがわかってきています。

たとえば下のもの。



「カイパーベルト」の奇妙なやつ

下の写真は「 2001 QG298 」という名称がつけられている天体ですが、カイパーベルトにあるものです。

2001-QG298.jpg

Daily Galaxy より。


2004年にカナダのクイーンズ大学の科学者たちが発見したもので、「奇妙な形の物体」として報じられましたが、今でも「奇妙」なままの存在で、何なのかわかっていません。




将来の地球の状態に結びつく(かもしれない)現在の木星や土星の出来事

いろいろなものがありそうなカイパーベルトなんですが、仮にこのカイパーベルトや、あるいは今回の翻訳記事に出てくる場所( Eta Corvi )などが実際に彗星の生産場所だとすると、それらでの彗星活動が激しくなった時に太陽系内に影響を与えるとすると、太陽系の縁(へり)に近いところから衝突などの影響を受ける様子が目撃されるのではないかと思います。


下の図は、惑星間の距離は別として、太陽系の惑星の順序としての位置とその大きさを表したものです。


solar-system.jpg

太陽系図鑑より。


こう見てみると、太陽系の外側からどんどんと彗星が太陽系内に「投げつけられた」ように突入してきた場合、「縁(へり)に近くてサイズの大きな惑星」に最初に彗星群が衝突していくと思われます。

地球から観測できる範囲で、それらに該当する(最初に「異変」が目撃されるという意味)のは上の図からいって、観測の難しい海王星以外としては「土星」と「木星」、そして「天王星」ということになると考えられます。

その木星、土星、天王星は最近、どうやら「天体の猛爆撃」を受けているわけですが、下のような写真屋、あるいは記事というものは、十分に上に書いたような「太陽系の外側で起きているのかもしれないこと」を彷させるものがあります。

あくまで、それぞれの惑星で実際には何が起きたのかはわかっていないということを前提に写真を載せておきます。



木星



▲ 過去記事木星で巨大な光のフラッシュが観測されるより。これは2010年のものですが、この後、何度も何度も木星での「何らかの衝突によるもの」と見られる大爆発が観測されています。


土星



▲ 2010年12月から2011年8月までの土星で起きたスーパーストーム(大嵐)の変化の様子。「火星に何が起きた?: 太陽系の激変が続く中で「火星の大気から検出されなくなったメタン」」より。


天王星



▲ 過去記事太陽系が荒れているより。


この天王星の「白い点」については、気象現象だと考えられる一方で、「天王星のあちこちで天体の衝突が起きている」という可能性も言われます。




木星と太陽の間の惑星や天体(火星、地球、月、金星、水星など)は、サイズ的にそれよりかなり小さい上に、太陽系の縁からも遠いので、影響を受けにくい場所にある(すなわち、基本的には安全な場所にある)のだとは思います。

しかし、太陽系の縁や外側などの場所で、仮に「彗星の動き」の変化が起きているのならば、そのうち、上のそれぞれの惑星も影響を受けてくることになるのだろうとは思います。

その徴候としては、やはり木星などの観測での異変を見続けることかと思います。



位置的に「最も安全な場所」に配置されていた「水星」

それにしても、水星という惑星が観念的な意味では「人類にとって、もっとも重要な惑星」ということは何度かふれたことがありますが、その水星は「太陽系の中で最も彗星の爆撃を受けにくい天体」だということを上の太陽系の図で気づきました。

もう1度上の載せますね。彗星を主体に考えると、地球の位置の絶妙さを含めて、なんとなく太陽系の感慨深い惑星配列などを思います。

solar-system.jpg


その「水星が重要」ということにに関しては、過去記事の、

水星の真実(3): 「水星は他の惑星とはまったく違う起源を持つ」可能性があることが無人探査機のデータによって明らかに
 2012年09月21日

などをご参照していただれば幸いです。
長い記事なんですが、中段より下のほうに「この世は「水星」によって存在しているという中世神秘学の理論」から始まる段落があり、そこにいろいろと書いています。


ちなみに、太陽系の縁から最も遠い天体は太陽ですが、太陽はサイズが大きいですので頻繁に彗星の突入を受けています。



▲ 2011年7月5日に太陽に突入した彗星。この「彗星の太陽へのダイビング」はわり見られることらしいですが、ここ2年ほどは多いと思います。


というわけで、ここから NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡が発見した「最近の彗星の活動」の様子についての記事です。記事に出てくる「イータ・コルヴィ( Eta Corvi )」というのは NASA が名付けたもので、「彗星の嵐」が起きている領域を説明したもののようです。



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2012年11月08日



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milk-11.png

▲ 2011年に NASA のフェルミ線望遠鏡の観測により明らかとなった天の川銀河の中心の構造。中心から巨大なエネルギー(X線とガンマ線など)の泡が周辺宇宙に広がっています。記事「私たちの銀河系の中心から噴出する「強大なエネルギー」の存在を NASA が発表」より。
--


(訳者注) マヤ文明などが話題になっていた時に、「フナブ・クー」という単語を知ったことがあります。

概念は曖昧なものですが、 Wikipedia には下のようにあります。


フナブ・クー

マヤ神話において至高の創造神。
その名は「唯一なる神」を意味する。
自然の力、または運命や偶然といったもの全てを表し、そのため無形とされている。



というのが一般的に伝えられる概念ですが、いっぽうで、古代マヤ族は、「天の川銀河の中心をフナブクーと呼んでいた」という説も存在します。最近あまり名前を見かけなくなれましたが、マヤ暦を研究しているスウェーデンの カール・コールマン博士は、下のような説を持っていました。



ヤスの備忘録「マヤカレンダー(8)」より。

古代マヤでは、銀河中心はフナブ・クー(Hunab Ku)とよばれていた。フナブ・クーは、数あるマヤの神々の中の最高神である。それは地球や太陽を含むさまざまな惑星を形成したいわば「母の子宮」としての宇宙神であるのみならず、意識進化のパルスを送っている大本にあるものだとも考えた。

(中心)

これをマヤ人は、フナブ・クー(銀河中心)から発せられる光やパルスとしてとらえていたのではないかという。マヤ人は銀河中心が存在することを明らかに知っていた。フナブ・クーとしての銀河中心から発せられる光やパルスは地上の世界樹によって受信される。それがマヤカレンダーを回転させるケツァルコアトルの真の姿だ、ということだ。



上は「宇宙樹という概念について書かれてあるものですが、宇宙樹というのが何かというのは私にはうまく説明できませんので、ちょっと抜粋としてわかりにくいかと思われるのですが、要するに「古代マヤ人は、銀河中心から発せられる光や信号を「最高神(フナブクー)」だと考えていたのではないかと」というようなことだと思います。


In Deep の過去記事の中に、

私たちの銀河系の中心から噴出する「強大なエネルギー」の存在を NASA が発表
 2011年10月12日

というものがあります。

これは、


NASA の天文学者たちは、銀河の中心を軸として南北に 25,000光年の広さで広がる2つのガンマ線放出の巨大な丸い構造を認めた。



というもので、「銀河の中心」からの非常に大きなエネルギーが、銀河中心から周辺宇宙に発せられていることは事実のようです。


上の記事では放射線の一種であるX線やガンマ線というものが放出されているという記事だったのですが、今回ご紹介するのは、「フレア」です。フレアというのは、太陽フレアが「太陽の表面での爆発現象」という意味から、同じような「爆発的な光の現象」だと言えると思います。

ただし、その光の正体が何なのかはわかりません。

今回、観測されたエネルギーの大きさは、「太陽からのエネルギーの 400万倍」ということで、まあ、ちょっと規模がよくわからないですが、いずれにしても、銀河の中心付近からは相当なエネルギーが噴出して周辺宇宙へと影響を与えているようで、もしかすると、今回の「銀河中心のフレア」などは特に規模の大きなものだったかしもれません。

ちなみに、仮に銀河中心の光が地球に何らかの影響を及ぼすのならという前提ですが、「その光が地球で観測されている」ということは、基本的には、すでに地球は銀河中心のそのフレアの影響下にあるのだと思います。


まあ、太陽フレアでさえ、地球に対しての影響の完全な部分はほとんどわかっていないわけですので、どれだけ巨大なエネルギーであっても、その影響というものが、「本当にあるのか、それともないのか」ということまで含めて、何もかもわからないままというのが現状だと思います。

では、ここから記事です。


実際の記事は途中から、このフレアの発生原因の科学的「推測」が延々と続きますので、そのあたりは割愛しています。



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2012年11月04日



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(訳者注) 昨日(11月3日)の夜、子どもと奥さんがいる部屋を通ると、テレビを見ていて、そこには下のような風景が映し出されていました。

namib-01.jpg


私はそのなんとも迫力のある「赤い光景」を目にして立ち止まり、


「何?この一面の真っ赤は。・・・ってか、これどこ?」


と聞くと、奥さんは「どこかの砂漠みたい」とのことで、しばし立って、その番組を見ていると、「ナミブ砂漠」とのナレーションが。

そして、なんとこの赤いのはすべて花(ここは砂漠!)なのでした。

「すごいのやってるねえ」と感心していたのですが、それから5分ほど見たところで番組が終わってしまったので、部屋でネットで調べてみると、こちらの NHK の番組だったようで、NHK BSプレミアム「ナミブ 七色に輝く不思議な砂漠」というものだったようです。

上の花はナマクアランドデイジーというデイジーの種類で、近くから見ると下のような花だそう。

namib-02.jpg


ナミブ砂漠というのはアフリカの下の「A」」の場所にある砂漠です。

namap.jpg


まったくの不毛な大地かと思っていたので、この壮大に花が広がる光景にはちょっと驚きました。上の NHK のサイトの番組説明には次のようにありました。


アンゴラとナミビア、そして南アフリカにまたがり南北2000km続くナミブ砂漠。大地に積み上がった膨大な砂は、なんと、1兆立方メートル。“世界最古の砂漠地帯”とも言われている。そして、毎年春、砂漠に一瞬だけ姿を現す“世界最大級の花園”。その全貌にも迫る。



幸運にも番組の「その全貌」のラストの部分だけ私は目撃できたようですが、本当にものすごい「広大な真っ赤」でした。

ところで、どうして「ナミブ砂漠」という単語に反応したかというと、「ナミブ砂漠」なんて場所とその名前を知ったこと自体が今年の夏のことだったからです。そして、それは「火星」と関係して知ったものでした。




ナミブ砂漠と火星をつないだ地衣類

過去記事の、

NASA の火星無人探査計画が無駄な理由: 1976年にバイキングがおこなった火星地表の質量分析から 36年経って進化しない観念
 2012年08月12日


の中で、火星の表面で「緑色に見えるもの」の正体は、砂漠などで見られる「地衣類」と呼ばれるものと似たような感じのものなのではないかと思ったのです。

地衣類というのは植物ではなく、カビなどの仲間の真菌に近いものですが、しかし、生物の構造としては原始的なものではなく、「菌類とソウ類が合体したもので、バクテリアよりもよほど高級な生き物」ということです。

ナミブ砂漠のような不毛な土地でも生きられる強靱な真菌類。
上の記事では、ナミブ砂漠の地衣類の写真を載せました。下の写真です。



ナミブ沙漠の地衣類・多肉植物より。


緑っぽく見えるところや白っぽく見える部分が地衣類ですが、これは「生き物」です。

なので、私は火星に見える「緑の色」も、これらのような地衣類のようなタフな生物たち・・・などと思っていたのです・・・が、ちょっと雲行きが怪しくなってきました

今回はその記事です。


昨日の NHK の番組を目にして、「ナミブ砂漠」を久しぶりに思い出したのも偶然でもないかもしれないと思い、昨日の NASA が発表したことに関しての記事をご紹介しようと思います。


それは、「火星から生命の痕跡が消えた」ことを示唆できるたぐいの発表でした。


現在、 NASA のキュリオシティという無人火星探査機が探査をおこなっていますが、採取した大気のサンプルから「メタンが検出されなかった」という報道です。

これはどういうことかというと、大気からメタンが検出されれば、それは「そこに微生物などの生命の根拠」を示すもののひとつとも言えるかも知れないですが、「そのメタンを検出しなかった」のです。

そして、この問題にはかなり根の深いものがあります。

なぜかというと、「以前は火星の大気にメタンは観測されていた」からです。


どうやら、火星の大気からメタンが「消えた」ようなのです。
これについて、米国の科学系メディアの IIAI は、

What Happened To Mars' Atmosphere? Curiosity Finds No Methane
「火星の大気に何が起きた? キュリオシティがメタンを検出できなかった」

というタイトルの記事をリリースしています。
誰しも、火星の大気から、たとえ微量であってもメタンが検出されると考えていたのです。


この記事を読んで、「火星で何か起きた、あるいは起きている」・・・というようなことを私は思ってしまったのでした。


そんな中で、思い出すのは、今年の春に起きた「火星の異常現象」のこと。
下の過去記事でご紹介したものです。

火星の「超」異常現象: 地表から数百キロ上空まで吹き上がる現象は何か
 2012年03月26日

それは今年の3月に下のような写真が撮影されたという報道でした。火星で「 240キロメートルの高さのモヤ」が立ち上っているのが観測されたのです。




この「 240キロメートルの高さ」というのは、たとえば上の記事にも書きましたが、地球で実際に起きている噴火の規模として最大級に近いフィリピンのピナツボ火山の1991年の噴火での最大の火山灰の高さが約 34キロだったことを考えると、「まさに壮絶な自然現象」だと言えると思います。

上の記事で、米国アリゾナ州立大学の火星探査ミッション施設のジョナサン・ヒル博士という人は以下のように言っていました。

「この現象は私たちが予測するものから考えると、かなり大規模です。一体どんなことが火星で起きているのか見てみたいというのが正直な気持ちです」。



他にも、昨年の記事でご紹介した土星のスーパーストームが今年も起きていて、土星の表面の様相が変わってしまいました

下の写真が今年の土星のスーパーストームの様子です。
土星の上部に走っている雲がその嵐です。

saturn-2012.jpg

▲ 米国デイリーギャラクシーの「Saturn's Monster Storm - Bigger than Jupiter's Great Red Spot」 (土星のモンスターストーム。それは木星の大赤斑より巨大だ)より。


ちなみに、地球と土星の大きさの比較は下のようになります。

ed.jpg

▲ 地球と土星の大きさの比較。


いずれにしても、太陽系の数々の惑星で、非常に大きな変動が続いている中(地球もです)、もしかすると、火星でも何か起きていた、あるいは起きているのかもしれません。

生命の痕跡を一掃するような、何かが。


今回は、以前のローバーが火星でメタンを見つけた際のことを記事にしている米国のメッセージ・トゥ・イーグルの記事をご紹介します。

ここからです。



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2012年10月11日



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シリーズ:良い時代と悪い時代







 



comet-2013.jpeg

▲ 2013年11月頃に、「月くらいの大きさに光る」と考えられている、近代の天体観測史上で最も明るく見える可能性のある彗星アイソンが夜空に見える時の想像図。月よりも大きく輝く可能性が指摘されています。発見されたは今年の9月で、つい最近のことでした。


最近、彗星絡みの話やフレッド・ホイル博士のことなどを多く取り上げていました。

今回のメインの記事は、いわゆる「パンスペルミア説」と関係しているものですが、米国のプリンストン大学の科学者が「地球の生命は宇宙の微生物として地球にやってきたものかもしれない」という検証結果の論文を書いたことが報道になっていましたので、ご紹介したいと思います。

読んでみると、違和感のある内容ではありつつも、フレッド・ホイル博士も亡き今、多少なりともこういうことが継続的に報道されるのも悪いことではないかとも思います。

ところで、彗星絡みといえば、来年、つまり 2013年に今の時代の私たちが見るものとしては「史上最大の明るさと大きさで見える可能性のある彗星」がやってきます。



超巨大彗星アイソンが告げるのはどのよう時代の幕開けなのか

上に載せた写真は 2013年11月28日前後の、そのアイソンと名付けられた彗星が見えた時の想像図ですが、もっと明るく見える可能性もあるようです。

ここ数日、アイソンの報道を多く見かけますが、WIRED の記事から抜粋しておきます。記事中の図の日本語はこちらで入れたものです。

史上最高の明るさ? 彗星「ISON」が接近中
WIRED 2012.10.10

ison-03.png


1年後に地球と太陽の近くを通過し、史上最も明るい彗星になる可能性があるという「 ISON (アイソン、C/2012 S1 )」が発見された。

軌道から考えて、 ISONは太陽の極めて近くを通過し、2013年 11月には太陽面から 140万km以内に接近すると予想される。この時に高熱で表面が溶け、彗星からガスが放出されると考えられる。そして、2014年の1月までには、地球からの距離が約 6,000万kmになると見られる。

一部の推定では、こうした条件が重なって、 ISONは満月よりも明るく見え、史上最も明るい彗星になる可能性があるという。近日点通過前後の 2013年 11月28日には、視等級がマイナスになり、金星や満月の明るさを超える大彗星になる可能性が指摘されている。


こういうものが、うんと地球の近くに近づいて、彗星の分裂や爆発などの光景が見られれば、下の中世の絵画「最後の審判」のような光景も見られるのかもしれません。



▲ 十六世紀の「最後の審判」の図。ギリシャのアトス山にあるディオニシオン修道院のフレスコ画。過去記事「「良い時代と悪い時代」(1)」より。


もっとも、この巨大彗星アイソン自体の軌道は上のフレスコ画ほど地球の近くを通るわけではないようです。

あくまでも、「こういうものが」ということで、もしかすると、中にはアイソンほど巨大で、もっと地球に近づくような彗星だってあるかもしれません。上のアイソンだって発見されたのはほんの2週間ほど前。まだ、私たちが知らない彗星はたくさんあります。

巨大彗星の接近は、最近書いていた「良い自体と悪い時代」の中の、「悪い時代」では頻繁に起こっていたようです。彗星が地球表面に直接影響を与えなくとも、先日の記事、

「良い時代と悪い時代」: 500年ほど続いた「穏やかだけれど傲慢な時代」は終わろうとしているのかも
 2012年10月06日

で抜粋したフレッド・ホイル博士の『生命はどこからきたか』のエピローグに書かれていた下のようなことはあるのかもしれないです。

ツングースカ型の爆発は過去一万三〇〇〇年ほどのあいだに時折起こったに違いない。この時期の最初の頃は、元の彗星の分裂が激しく起こっていただろう。(中略)

実際、彗星がまき散らした塵が太陽光を錯乱するために、何年間も黄道帯全体が輝いたのが見られただろう。彗星の分裂や、彗星が長く美しい尾を引く姿は、古代の空ではごく普通に見られたことに違いない。神話、伝説、宗教がこのような経験を基にしていることは間違いない。

と、「何年間も黄道帯全体が輝いたのが見られただろう」とあるように、空の光り方が今とは当時は違ったという可能性があるようで、さらに「今後もそうなる可能性」は過去の歴史のサイクルを見ていると、多分(確実に)いつかはまたそういう時代になるのだと思います。

ところで、この「黄道帯」という言葉は馴染みがない場合もあるかもしれませんが、辞書的に書けば、「惑星から見て、天球上を恒星が1年かかって1周する大きな円の経路」となりますが、文字での説明より、占いなどで説明される「黄道十二宮」というような図を見たほうがわかりやすいかと思います。

koudou.gif

西洋占星術 黄道十二宮より。


「何々座の時代」とかの 2000年くらいずつ移動していく「新しい時代」の概念もこの黄道の概念と結びついているようです。

現在はこの概念では、上の図では下の右よりにある「うお座」の時代で、これはちょうどイエス・キリストが生まれた頃からはじまったようです。現在はその隣の「みずがめ座」へと移行してます。なので、あと何百年か経てば、「みずがめ座の時代に生きる地球の人々」というようなことになっているのだと思います。

そして、約2万6000年かかって、また元の位置に戻ってくる。

すなわち、今から2万6000年後には今と同じようなうお座の時代となっている。

キリストの誕生という「象徴」から始まった「うお座」の時代は男性性の時代(権利、所有、戦争、物質、金銭、技術などの時代)でしたが、みずがめ座の概念は「女性性」であって、具体的にはこの「女性性の時代」がどういうものかはわかりづらいですが、まあ・・・多分少なくとも 500年後くらいにはそういう時代が完成しているのではないかと思う部分もあります。

その頃の人はその世界を見られるのでしょう。

そして、今の時代の私たちはほぼ全員このうお座の時代(キリストの時代)に死んでいきます。


ところで、最近、ウェブボットのクリフ・ハイのエッセイを引用することも多かったですので、ついでというのもなんですが、ここでも、彼のエッセイを引用しておきます。2008年のもので、すでに4年前のものです。


地球での生活、そして、ユージュアルサスペクツ
2008.11.09 ALTA レポート 909 P1 のクリフ・ハイの巻頭エッセイ


2012年 12月 21日、午前 11時 11分に太陽系は天の川銀河の黄道平面を通過する。これにより、太陽と地球は銀河中心と一直線で並ぶことになる。このため、地球にはかつてないほどの量のエネルギーが宇宙から降り注ぐことになるはずだ。

現在の太陽は、われわれが知っている太陽とは根本的に異なってきていることに注意しなければならない。黒点が太陽から消え、そのため太陽活動の停滞が予想されるにもかかわらず、太陽から放出されるエックス線やその他のエネルギーは過去最大になっている。磁束管と太陽とは正しい角度になければならないとされているが、これがいったいどういうことであるかまだ分かっていない。

(中略)

ただ言えることは、最近の太陽の異変は、約 26000年周期の歳差運動のサイクルが 2012年に終りに来ていることの証左である可能性が大きいということだ。6000年周期を一日に見立てた場合、過去 13000年間は、太陽系にとって歳差運動のサイクルのちょうどよい期間だったといえる。

2012年12 月21日午前11時11分、夜の時期が終り、歳差運動の次のサイクルの夜明け、つまり 13000年間続くことになる昼の時期に入るのだ。

春分点歳差が 26000年であるというのは実に興味深い。
なぜなら銀河中心までの距離もちょうど26000光年だからである。

さらに、太陽系は天の川銀河の渦巻腕に対して動いているということも興味深い。太陽系はこの運動で、銀河の渦巻腕と渦巻腕の間に存在する暗帯を周期的に横断することを意味している。さらに中米の古代文字は、渦巻腕をめぐる運動が歳差運動と一致していることをも示している。

ecliptic.jpg


ただ、太陽系が天の川銀河を移動しているということは、太陽系が分解しつつあるいて座 B の一部であるかないかにかかわらず、太陽系は銀河系の固定した部分ではないということを表しているのではないかとの議論も成り立つかもしれない。

もし太陽系が銀河系の一部であるなら、太陽系は銀河系を移動するなどということはあり得ず、銀河のひとつの渦巻腕に永久にとどまっているはずなのである。



ここに出てくる「歳差運動」というのは、地球の軸に対しての傾きの回転のようなことを指しますが、文字で説明するより、上の黄道十二宮の図を見ていただくとわかりやすいかと思います。

さて、そんなわけで、彗星と直接関係した話ではないですが、米国のプリンストン大学の研究者たちが、「地球の生命は隕石によって地球にもたらされた」という可能性についての論文を科学誌に発表したという記事をご紹介します

ここからです。






 



Are we the extraterrestrials? Scientists back theory that life was brought to Earth by space microbes
Daily Mail 2012.09.25

我々は地球外生物なのか?


研究する科学者たちは、他の恒星システムの惑星からやってきた岩の断片が地球に生命を運んできたと確信していると述べた。

地球上の生物が微生物によって地球にもたらされたという理論を科学者たちが追求している。

研究者たちによると、地球外の微生物が何百万年ものあいだ、宇宙空間を旅し、地球にまで生命をもたらしたのかもしれないと言う。

この学説は、古代に他の恒星システム(太陽系外ということ)から地球に飛来した岩石の断片調査と計算により導き出されたものだ。

科学誌『アストロバイオロジー ( Astrobiology)』で執筆した科学者たちによると、宇宙から遠い昔にやってきた古代の岩石にはその内部に微生物が存在していることがわかった。

宇宙空間には高水準の宇宙放射線が存在するが、宇宙空間では微生物は活動を停止(休眠)しており、そのため長い宇宙の旅で生き残ることができた可能性を研究は示唆する。


この研究のプロセスの基本的な考え方でもある「パンスペルミア説 (pan spermia / 汎芽胞)」として知られる説は、私たちの宇宙はすべて生命で満ち溢れているとする理論のひとつだ。


今回の研究を主導する米国プリンストン大学のエドワード・ベルブルーノ博士 ( Edward Belbruno )は、以下のように述べる。

「私たちの研究によれば、パンスペルミアの可能性はとても高いことを示します。そして、今回の論文がパンスペルミアを学術的に示した最初の文書かもしれません。そして、もし仮にこのパンスペルミア説が真実であるならば、この宇宙全体に生命が存在する可能性があります」。


さらに博士はこのように述べた。

「これは宇宙のどこでも起きる(起きた)可能性があります。惑星の大きな火山噴火、隕石、他の天体との衝突、など、惑星の断片が宇宙空間に飛ぶ可能性となる原因は様々に存在します」。


博士は、太陽系が若かったころ、他の太陽系との間で断片(隕石など)が交換されていた可能性があるという。そして宇宙をゆっくりと旅行した惑星の断片は、接近した惑星などの引力に捕らえられたと考える。たとえば、地球の引力などによって。

また、研究チームは、太陽が生まれた頃の惑星の破片の数をコンピュータでシミュレーションしたところ、その数は、1000万年〜9000万年の間に、10キロ程度の重さの断片が、少なくとも 10 ,000 ,000 ,000 ,000(10の12乗)から 「3 ,000 ,000 ,000 ,000 ,000 (3千兆)の15乗」個ほどの膨大な数に上ると考えられることを示した。






(訳者注)記事では「岩石の断片」というような感じとなっていますが、いわゆる「断片」は、軌道周期などの「動力」を持たないので、遠い宇宙空間を移動できるのかどうかは疑問に思います。

しかし、「彗星」は違います。

彗星はそのほとんどが軌道周期を持っており、ある意味では、「自主的に移動」しています。

さらに、彗星の内部に微生物が存在していれば、仮に彗星が大気を持つ惑星に突入しても、大きさにもよりますが、衝突と摩擦による熱から「内部」が守られる可能性があります。

このあたりは何年か前にクレアなひとときの「宇宙はすべて生き物からできている」に書いたことがあります。

そこに英国カーディフ大学のチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士が、1986年に、シドニーのアングロ・オーストラリアン天文台にあるアングロ・オーストラリアン望遠鏡で観測した、「ハレー彗星の赤外線吸収スペクトル」のグラフを載せたことがあります。

下のグラフです。

fred-comet.jpg

この図が何を示しているかというと、「ハレー彗星と地球の大腸菌は、成分分析上で一致した」ということです。

この観測結果が「彗星は微生物の塊であるかもしれない」という推測につながっています。

また、隕石の場合にしても彗星の場合にしても、大気層に突入する際には表面は熱と衝撃によって、分子レベルで破壊されますので( DNA も残らないということ)、「守られる頑丈な外殻」は必要だと思います。そして、それが彗星の構造とメカニズムなのだと私は思っています。

あるいは、「摩擦熱の問題でそもそも微生物しか大気圏を突破できない」ということもあります。

このあたりも、上のクレアの記事に、フレッド・ホイル博士の『生命はどこからきたか』の中にある内容をまとめたものがありますので、そこから抜粋します。


彗星の破片は時速3万6千キロ(秒速10キロ)という超高速で移動しているものであり、また、地球はそれよりも早い公転スピードを持っている。そのスピードの中で、ある物質が惑星内に着陸するとなると、その摩擦で生じる衝撃によって、その物体は分子レベルでバラバラに破壊されてしまい、生物が生き残る可能性はない。

これは大気のない星では言えることで、かなり好条件でも、彗星に乗った微生物が生きたまま着地するのは不可能だと思われる。

しかし、一部の大気のある惑星、たとえば地球の高層圏などでは気体の密度が低いために、侵入した破片の速度は減速される。なので、分子レベルでの破壊は一応免れるので、「形」は残る。

しかし、それでも、「熱」の問題はある。

地球大気に秒速 10キロのスピードで物体が突っ込んできた場合、その摩擦熱は物体の大きさ(粒子の直径の4乗根)と比例する。その場合、物体が針の先くらいのものでも、摩擦温度は 3000度に達し、ほとんどの物質は残らない。あるいは生物なら生きられるものはいないはずだ。

可能性があるとすると、それより小さなものだ。

たとえば、細菌やウイルスくらいの大きさの粒子なら、突入した際の摩擦温度は約500度となる。

摩擦で加熱される時間は約1秒間と推定される。

この「1秒間の500度の状態」を生き残ることができない限り、生物は彗星に乗って地球に侵入してくることはできない。



そして、英国カーディフ大学で始まった実験では、大腸菌たちは、「1秒間の500度」をクリアしたのでした。

しかし、もっといえば、生命自体は「アミノ酸」が基幹となっています。

そういう意味では、微生物よりさらに根幹である「アミノ酸はどこから来たのか」ということも、ポイントだと思うのですが、これに関しては、国立天文台のページをリンクしておきます。

宇宙の特殊な光から地球上の生命の起源に新知見
 国立天文台 2010年4月6日

このページにある国立天文台の 2010年の発見は、現在の地球での天文学の中で最も大きな発見のひとつだと思います。

alanin-s.jpg

国立天文台 / 生命をかたちづくるアミノ酸の謎より。


上の図はその国立天文台のページにある「アラニン」というものの図ですが、地球の生命のアミノ酸は、すべて実は左側の「左型」だけで構成されていて、これは地球生命学の最大の謎でした。

というか、今でも謎です。
それがもしかしたらわかるかもしれない、という大発見でした。

確かに徐々にではあっても、「宇宙はそのすべてが生命である」という(多分)事実に向かって、少しずつ前進しているような気はします。

そして、彗星がたくさん飛来する時代は確かに「悪い時代」ではあるけれど、同時に生命の進化と刷新が行われるときでもあるのかもしれないと私は思っています。

--
[彗星とパンスペルミア]に関連した過去記事:

『宇宙が生命を作り出している』ことの証明に近づく新たな観測結果
2011年08月31日

宇宙塵自身が生命であることに言及した 100年前のノーベル賞学者の実験
2011年05月07日

銀河系で生命を運ぶ浮遊惑星に関しての「宇宙の概念を変える」研究発表
2012年02月28日



  

2012年10月07日



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シリーズ:良い時代と悪い時代





今朝、Google のトップページが下のようになっていました。

google-10-07.jpg

Google は著名人の誕生日などではこのように特別なロゴにすることがありますが、そういうイベントがあるのは相当な著名人だけです。なので、上のロゴを見てちょっと考えてみました。

「なんか物理っぽい数式があるし・・原子みたいのが描かれているし、アインシュタインかなあ」

とクリックしてみると、「ブー」でした。

1922年に「原子構造とその放射に関する研究」でノーベル物理学賞を受賞した、ニールス・ボーアという科学者の誕生日なのでした。知っているかなあと考えてみますが、「うーん・・・やっばり知らない」ということで、 Wikiepdia を読んでみました。以下のような人のようです。


ニールス・ボーア

bo.png

デンマークの理論物理学者。量子論の育ての親として、前期量子論の展開を指導、量子力学の確立に大いに貢献した。

20世紀初頭の物理学に対して様々な貢献を成しとげており、量子力学分野の確立において、相対性理論の確立者であるアインシュタインと双璧を成すと称される。



だそうです。

目を引いたのはその下にある記述でした。


後半生には量子物理学と東洋哲学に類似性があるとして東洋哲学を研究していた。



ということで、下のようなことを述べていたそうです。

「原子物理学論との類似性を認識するためには、われわれはブッダや老子といった思索家がかつて直面した認識上の問題にたち帰り、大いなる存在のドラマのなかで、観客でもあり演技者でもある我々の位置を調和あるものとするように努めねばならない。」

フレッド・ホイル博士も晩年は東洋思想に傾倒していたんですが、それは、多分、科学を突き詰めれば突き詰めるほど、科学者の人々は「無限」という問題と対峙せざるを得なくなるからのような気もします。

まあ、実際のところはわからないですが、いずれにしても、ニールス・ボーアという人は徹底的に東洋思想に傾倒していたようで、自身の物理学での功績により、デンマーク最高の勲章であるエレファント勲章というものを受けた時、その紋章に選んだのが、陰陽の東洋の図面である太極図であったとのことで、それが下の勲章。

boa-01.jpg


下の部分を拡大すると、こんなでした。

boa-02.png


昔、「インド人もビックリ」というフレーズがありましたが、そんな感じです。

上の紋章はデンマークのフレデリック城に、世界の王室・元首の紋章とともに飾られているのだそうです。


さて、今日は、上のような、心情的に好きな感じの上の科学者を知ったわけですけど、今日の記事の冒頭はもともと別の科学者の著作からの引用ではじめようと思っていました。

それは、スティーブン・ホーキング博士という科学者の言葉です。


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どうして私たちは「傲慢」になったのか


前回から「いい時代と悪い時代」ということについて書いていますが、ホーキング博士の「言葉」は、現在の「時代」のことをよく現していると思ったからです。


ホーキング博士は、著書『偉大な設計』の中で「神は宇宙を創造しなかった」と記し、続いて、 2010年9月10日の米国 CNN のテレビ番組のインタビューの中で以下のように述べています。


「科学は創造者の助けなしで宇宙を説明することができる」



この現代の科学者の言葉と並んで思い出したいのことは、ひとつは今回も前回に続いて抜粋するフレッド・ホイル博士の『生命はどこからきたか』のエピローグにある下の部分です。

「悪い時代には、空からやってくる天災に対して、どんなに強力な指導者であっても対抗できなかった。しかし天災がしばらくなかったときには、専制的な支配者に対抗するものは何もなかった。空には何も見えなかっただろう。そして天上の神々の地位は下がり、専制的支配者をも含めた神がとって代わった。」


と書いています。

つまり、「空からの天災がない時代は、人は神に対して尊大になる」ということが言えるかと思います。

ホーキング博士の生きている「今」という時代は、まさにこの「空からの天災がない時代」であり、「そして天上の神々の地位は下がり、専制的支配者をも含めた神がとって代わった」というホイル博士の言葉から見ると「専制的な支配者が新しい神になろう」している時代だと言えます。

さて、この「専制的な支配者が新しい神になろう」というフレーズ。

今年の7月に、

科学者たちの「神」の意味
 In Deep 2012年07月05日

というものを書いたのですが、上のホーキング博士の発言はこのことを端的に現している言葉だと思います。

「私たち(科学者)が神だ」と。

これは上の記事では、「現在の神は計算であり、それを司る者」だと書きました。

どうして、計算を司るものが神かというと、たとえば私を含めて多くの人には「宇宙論の計算はできない」のですが、それでも、現在の宇宙論はその計算がすべてとなっている。


もちろん、フレッド・ホイル博士もバリバリの「計算の頂点にいる科学者」なんですが、少なくとも私が読んでいるもので、自分たち科学者が新しい神であるというニュアンスを感じる部分はないです。また、晩年には「無限」ということを考えていたようで、埴谷雄高さんなんかもそうですが、一種、ゴールのない思想の中で亡くなっていったような感じがあります。

ここまで書いていて、ふと、昔のウェブボットのクリフ・ハイのエッセイで引用されていた古い西洋の詩を思い出しました。そこには古代エジプトで「新しい神になろうとしていた王たちの跡」が描かれています。全文ご紹介します。2009年7月20日にリリースされたウェブボット「来るべき未来の姿 0巻1号」の巻末エッセイにあるものです。


オジマンディアス
パーシー・B・シェリー作/高島康司訳

古代の国エジプトから来た旅人はいう
胴体のない巨大な石の足が二本
砂漠の中に立っている

その近くには半ば砂にうずもれた首がころがり
顔をしかめ 唇をゆがめ 高慢に嘲笑している

これを彫った彫師たちにはよく見えていたのだ
それらの表情は命のない石に刻み込まれ
本人が滅びた後も生き続けているのだ

台座には記されている

我が名はオジマンディアス
王の中の王
全能の神よ
我が業を見よ
そして絶望せよ

ほかには何も残っていない

この巨大な遺跡のまわりには


ここにある、

「全能の神よ 我が業をみよ そして絶望せよ」

という言葉。

これは古代エジプトの王が「私は神より偉大なのだ」と言ったことを示しているわけですが、現在の科学にある一部分の言葉には、上のニュアンスを感じます。

すなわち、

「宇宙よ 我々はお前などこわくない」

ということです。

前回も書きましたが、このような「宇宙を軽く考える時代」も、「今のように安全なときが永遠に続くのなら」こういう考え方でもいいのかもしれませんが、決して地球はそういうものではないことは、これもやはり科学(天文学や地質学など)が解明していることです。

前回記事の「良い時代と悪い時代: 500年ほど続いた「穏やかだけれど傲慢な時代」は終わろうとしているのかも」の抜粋の続きです。




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2012年10月06日



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シリーズ:良い時代と悪い時代







 


tunguska.jpg

▲ ロシアのツングースカで 1908年に起きた大爆発の際の想像図。Universe Todayより。


少し前に、

ウイルスの流入の繰り返しでDNAの進化をなし得てきた人類をサポートする「宇宙と火山」(1)
 In Deep 2012年09月23日

ウイルスの流入の繰り返しでDNAの進化をなし得てきた人類をサポートする「宇宙と火山」(2)
 In Deep 2012年09月23日

というふたつの記事を書きました。この「1」のほうで私は、火山噴火という自然現象の「意味」を考える上で、中世の一種のオカルトの概念である「エメラルド・タブレット(ヘルメスのエメラルド盤)」というものの中の次の一節を引用しました。


唯一となる奇跡の実現のためには、下のものが上のように、上のものが下のように。(中略)

それは地上から天へ昇り、また再び地へと戻り生まれ変わります。
そして、上のものと下のもの両方の力を身につけるのです。




上の記事を書いていた頃までは、「西暦535年に起きた自然災害」は、巨大な火山の噴火だろうと考えていたのですが、やはりそれだけではどうにも考えがたいこと特に疫病の流行)などもあり、次第に、上のエメラルド・タブレットの一節などを思い浮かべるうちに、

そういう時は、上も下も同時に来るのかもしれない

と、ふと思ったりしたのです。

簡単にいうと、「下は地球で上は宇宙」です。

そして、西暦535年にはクラカタウ火山などの巨大な火山噴火は確かにあったのでしょうが(噴火したこと自体は地質学的にもほぼ証明されています)、それと同時か前後して、「巨大な彗星が地球に衝突(空中爆発を含む)していたのではないか」と考えるようになりました。


昨日今日と、久しぶりにフレッド・ホイル博士の『生命はどこから来たか』という 20年くらいほど前に記された本を読み返していました。

何しろ、以前も書いたことがあるかもしれないですが、私は本の読み方というものが「なっていない」のです。最初から読み始めて最後まで読み終えたというほとんどないのです。

では、どういう読み方かというと、

・目次で気になるタイトルの見だしのところから読む。
・適当に開いたところを読む。

というどちらかです。

たとえば、最近また読んでいる他の本として、ジョルダーノ・ブルーノという16世紀の修道士の書いた『無限、宇宙および諸世界について』という本があります。これなどは大好きな本ですが、買って半年以上は経つのに、まだ 10分の 1くらいしか読んでいません。

それだけしか読んでいないのに「どうして大好きなのか」というと、「適当に開いたところに必ず感動する文章がある」のです。

だから好きなんです。

ちなみに、この『無限、宇宙および諸世界について』は、どの章でも「基本的に読者を笑わそうとしている」という部分に満ち溢れている点は注目に値します。このあたり、「笑う者、死すべし」というようなテーマだった『薔薇の名前』という中世の暗黒時代を描いた映画を思い出しますが、あるいは、ブルーノが火刑に処された理由には、案外とこういう「強い笑いの要素」もあったのかなあと思ったり。

なんとなく「16世紀の科学本なんて堅苦しそう」と思うかもしれないですが、たとえばこの本の「最初」はどのように始まるかというと、対話形式で書かれているこの本の「第1対話」の最初はこのように始まります。

フィロテオという人がジョルダーノ・ブルーノ自身という設定だと思います。


『無限、宇宙および諸世界について』 第1対話の冒頭より

 エルピーノ 宇宙が無限だなどということがどうしてありえましょうか?
 フィロテオ 宇宙が有限だなどということがどうしてありえましょうか?
 エルピーノ この無限が証明されると思うのですか?
 フィロテオ この有限が証明されると思うのですか?
 エルピーノ どのような拡がりなのだろう?
 フィロテオ どのようなへりに囲まれているのだろうか
 フラカストリオ 要点を、要点を、どうぞ。あなた方は気をもたせすぎますよ。
 ブルキオ  早くその要点を話したまえ、フィロテオ。君の言うおとぎ話やら空想やらを聞いて楽しみたいものだね。
 フラカストリオ 慎みなされ、ブルキオ。もしもその真実をあなたも認めざるをえなくなったら、何とされます?
 ブルキオ  たとえ真実であったとて信じたくないね。そんな無限なんて、私の頭では理解もできぬし、胃袋で消化するわけにもゆかぬからな。もっとも、フィロテオの言うとおりであってくれればよいとも思いますがね。さすれば、運悪くこの世界から墜落するようなことがあっても、どこかの土地には落ちつけようというものだ。




こんな感じで、次から次へと「皮肉屋」たちが、フィロテオ(ジョルダーノ・ブルーノ)の前に立ちはだかるという、ウルトラセブンとか鉄拳タッグトーナメントだとか新日本プロレスとか、そういう世界と同じなんです。

しかし、我らがブルーノはそのような相手たちに勝つ(説き伏せる)のです。そして、『無限、宇宙および諸世界について』の最後は上の冒頭に出てくるエルピーノのこの言葉で終わります。


エルピーノ では夕食を始めましょうか。




読んでいて普通に笑えるハッピーエンドで完結しているのです。

まあ、実際にはジョルダーノ・ブルーノは、西暦1600年に火刑に処されてしまうわけで、現実のほうは、「では夕食を始めましょうか」ではなく、「では、これからあなたを焼きますね」ということになってしまったのですが、しかし、本のほうでは全体的に明るい空気に満ちています。

ジョルダーノ・ブルーノについては、過去記事の、

参考過去記事:バチカンの希望の砦は「宇宙人という神」の登場(1)
 In Deep 2011年11月01日

など、何度か取り上げたことがあり、いろいろと書きたいこともあるのですが、あまり話が逸れるのも良くないですので、今回のタイトルと関連した話に進みます。

いずれにしても、上に書きましたように私は本の読み方がデタラメなのですが、それだけに思い出すために部分的に読み直すことも多いです。

今回、フレッド・ホイル博士の『生命はどこから来たか』も、読み返したい場所があり読んでいたのですが、この本のエピローグに「彗星の活動から見る地球の良い時代と悪い時代」という概念のことが書かれてあり、それが印象深かったのでご紹介したいと思ったのです。

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歴史の中で、人々が「宇宙」に意識を向けた時とは


この『生命はどこから来たか』という本は、全体としては難解な科学本で、ちょっと私には手が負えないものですが、しかし、ところどころにホイル博士の「宇宙観」などが出ていて、そこはどこも興味深いものです。

「良い時代と悪い時代」というのは、宇宙からの隕石や彗星などが多く降り注いだと天文学的に考えられる時代と、そうではない時代のことを指しています。

もちろん、宇宙からの隕石や彗星などが多く降り注いだ時代は地上でそれによる災害が数多く発生していたわけで、そういう意味では「悪い時」なのですが、しかし、その「悪い時」に、人々は「地球と宇宙が密接である」ことを意識するようになったことが書かれています。

人類が何をどうしようが、空から彗星や隕石が降り注ぐような時代。

人は自然と「人間は宇宙には勝てない」ということを知るようになります。

書かれてある時代は西暦後の時代のことであり、決して大昔ということでもないですし、また、「宇宙からの隕石や彗星の攻撃」の状態が変化する期間のスパンというのは思いの他、短いのです。

たとえば、下の表はその『生命はどこから来たか』の中にあるもので、中国の宋の時代に記録された 11世紀から 12世紀までの 10年ごとの隕石の数です。

met-02.png


「たかだか 200年間」のあいだに、その数がものすごく大きく変化していることがおわかりかと思います。

当時の中国には記録が残っているわけですけれど、記録のない他の場所でも、多くの国で同じように隕石の数の変化があったのだと思います。

上のグラフでいうと、西暦 1070年だとか、その前後あたりが最も隕石の「攻撃」が多かった時期のようですが、このような「悪い時」に地上の文化は一変したと、フレッド・ホイル博士は記しています。

ホイル博士によると、この1万3千年ほどの間で、最も彗星の衝突などの天体からの被害が多かった時期には、「ひとりの人間が 30年間で彗星によって死ぬ確率は15パーセント程度だったろう」と述べています。


しかし一方、「良い時」、つまり、隕石や彗星の地球への衝突による災害がほとんどないような時代に、人は「宇宙に対して傲慢になる」というようなこともあったようです。

ちなみに、最近のその「良い時代」とはいつか。

それは今です。

今現在です。


この 500年間というのは、地球への隕石や彗星の攻撃が、最も少ない時期のひとつです。

今の時代の人々に「宇宙に対しての傲慢」という言葉が当てはまるかどうかは私には何とも言えないですが、でも、やはり、少しそれを感じます。

ホーキング博士じゃないですが、

「宇宙なんて計算で何とでもなるから」

と考えるような人たちが世界中に満ち溢れている。


まあそれはともかく、ホイル博士は、この『生命はどこから来たか』のエピローグの最後を下の一文でしめています。


人類は過去五〇〇年以上にわたる記憶喪失の眠りから、そろそろ目覚めた方がよい頃である。



ホイル博士は「良い時」が過ぎようとしていることを感じていたように思います。

すなわち、次は「宇宙からの攻撃の時代」です。

そして、それは悪い時代であることは確かですが、しかし一方で、少なくとも過去の歴史では、その時代に人はやっと「宇宙のパワーの強さ」を認識します。そして、同時に「地球のパワーの強さ」も認識します。

人類がどうやっても対抗できない環境の変化と大災害。

なので、「悪い時代」は、人間が変化してきた節目でもあったようです。

「宇宙に傲慢なまま」で何万年も過ごせるのならそれでもいいのかもしれないですが、多分、そういうことは天文学的に見れば「ありえなーい」です。引越のサ・・・いや、そうではなく、ちょうど先日の記事の、

起きていることは「ポールシフトではなく地球の大陸移動」: 地球の極の物理的な移動が起きていることが地球物理学会で発表される
 In Deep 2012年10月03日

というようなこともあり、地球のほうでも「悪い時代」が始まっている可能性もあります。

「下なるは上なるのごとし、上なるは下なるのごとし」

をあてはめてみれば、宇宙と地球は同時に変化するものなのかもしれません。


というわけで、フレッド・ホイル博士の『生命はどこから来たか』のエピローグの部分から抜粋させていだたきます。

ちなみに、「彗星の大きさとその衝撃」の比較については、同書の下の表がわかりやすいと思います。

tnt-1.jpg


私は、個人的に西暦535年には上の表での「上から二番目あたり」の規模の彗星が(地表に激突しないで)空中爆発したのではないかと思っています。地表に激突すると、クレーターができますが、535年頃のそういうものは発見されていませんし、海の中だと世界中で壮絶な津波が起きたはずですが、当時の日本を含めてもそういう記録はないですので、空中爆発ならあり得るかと思います。

1908年にロシアで起きたツングースカ大爆発のような。

それでは、ここから抜粋です。
改行を適時入れています。





『生命はどこから来たか』 エピローグ
フレッド・ホイル著
大島泰郎(東京工業大学名誉教授)訳


 この本を通して、地球という惑星と地球上の全ての生物は、宇宙的な存在であることをみてきた。この点から考えると、彗星は解決の糸口となる。今日でも、地球は彗星のかけらを拾い続けており、その量は一日に何百トンにものぼる。当然彗星本体も地球に衝突することがあるだろう。その衝突の頻度と結果について考えてみたいと思う。

(※ エピローグの最初の部分は、45億年前から6500万年前くらいの間の地球の地質学的なはじまりの時代から古代までのことが長く書かれていますが、そこは割愛します。今回は、約1万3000年前からの比較的、近代の話に入ってからの部分を抜粋します。)


 ツングースカ型の爆発は過去一万三〇〇〇年ほどのあいだに時折起こったに違いない。この時期の最初の頃は、元の彗星の分裂が激しく起こっていただろう。もしツングースカ爆発を起こした彗星の破片が元の巨大彗星から分裂したものであるならば、今日最も明るい流星群である、牡牛座-牡羊座流星群の前に、六月と十一月の年二回、われわれの祖先がこの流星群を経験したときは、現在のように何の影響もないことはなかっただろう。

 実際、彗星がまき散らした塵が太陽光を錯乱するために、何年間も黄道帯全体が輝いたのが見られただろう。彗星の分裂や、彗星が長く美しい尾を引く姿は、古代の空ではごく普通に見られたことに違いない。神話、伝説、宗教がこのような経験を基にしていることは間違いない。そしてその経験は、地球上あちこちに分布した遊牧民の共通した経験であった。実際、彗星の分裂は神々が争った様子として神話のなかに自然に取り込まれただろう。現在まで残ったほとんどの宗教にも、それぞれ別々の場所にもかかわらず、共通性が見られるものである。

 最初の氷河期が終わってからしばらくの間は、人類は農作を始めていなかったが、その後狩猟生活から抜け出し始めた。そして定住を始めた頃、ツングースカや、もっと強力な宇宙からの爆撃が頻繁に起こったことだろう。

 人類の進歩のなかで、彗星が関与したおそらく最初の重要な段階は、金属の精錬であろう。その後、金属によって武器、道具、機器が作られるようになったことを考えると、これは大発明で、人類繁栄の分岐点だったといえよう。

(中略)

 氷河期が終わった紀元前八〇〇〇年(一万年前)頃からの地球の気温の変遷を調べてみると、約一〇〇〇年周期の変動があることがわかる。図3に示すように気温は三〜六度Fの間で変動している。地球だけ考えていてこのパターンを説明するのは難しいが、彗星の衝突を考えるときれいに説明できる。地球上空もしくは地球の近くでバラバラになった彗星は成層圏に塵をまき散らし、太陽光線を錯乱するようになる。その結果、太陽光線の届く量が減少し地表温度が下がる。計算によると温度を五〇度F(※ 摂氏で約10度)下げるために必要な塵の量は現在の一〇〇〇倍も必要ではなく、これは今まで述べてきた彗星の衝突を考えれば可能である。


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▲ 図3 ヨーロッパと北米における平均気温の変化。


 紀元前一万五〇〇年の彗星の衝突後の温度の低下は、ちょうど氷河期が終わる頃の温度の上昇段階にあったため、小さいものだった。これまで述べてきたことを認めるならば、旧約聖書の数多くの奇妙な記述部分も、事実に基づいたものであるのかもしれない。神の怒りによるとされる大洪水、ソドムとゴモラへの火の雨、飢饉などはツングースカおよびもっと強力な爆発の影響として説明できるだろう。

 火事、津波、洪水、作物に影響する気候変動、地震でさえも彗星の衝突によって起こった実際の出来事であったと考えることができる。超自然的な神秘的な説明は必要ないのである。また、ヨシュア(古代イスラエルの指導者でモーセの後継者)が太陽がずっと空にあったと言ったときに見たものは何だったのかも理解できるだろう。それは一九〇八年六月にツングースカで見られた巨大な火球と同じものであっただろう。古代都市エリコをヨシュアに率いられたユダヤ人が攻撃したときに壁が崩壊したのは、今までラッパの音によるものと信じられていたが、天体の破片がエリコの近くで爆発したための爆風によるものであった。

 今、衝突によって死ぬ範囲を五〇〇〇平方キロメートルとすれば、地球の全表面積は一億平方キロメートルなので、一回の爆発で死ぬ確率は二万分の一となる。一年に一または二回の割合で衝突があるとすれば、現在の交通事故と同じほどの確率となる。しかし彗星の群と遭遇する頃の、一年間に一〇〇回もの衝突があるとすれば、三〇年間に当たる確率は一五パーセントとかなり高くなる。

 もっとも古代では、他の理由で死ぬ確率も同じくらいあったであろう。さらに重要な結果は、三つの人口中心地帯のうち一つは完全に破壊されるであろということである。生き残った人は一〇〇キロメートル以上遠くから、空から火の雨が降るのを見ただろう。そう考えると、図4のような中世の描写もよく理解できよう。


jad-01.jpg

▲ 図4 十六世紀の「最後の審判」の図。ギリシャ・アトス山にあるディオニシオン修道院のフレスコ画。


 過去一万年にわたる人類の歴史における文明の盛衰は、周期的またはほぼ周期的な彗星の衝突で説明できるだろう。衰退はほんの短期間で劇的に起きるが、繁栄は長く続く。悪い時代は厳格な哲学や宗教が興り、途中の穏やかな時代になってそれらは円くなる。このことは西洋では事実であったが、東洋では後に述べるようにいささか異なっていた。





ここまでです。

書き始めてみましたら、予想以上に長いもので、実は今日は時間的にここまでしか無理でして、残りは明日、続きとして書かせていただきます。

中途半端ですみません。

しかし、上の最後のほうにある「衰退はほんの短期間で劇的に起きるが、繁栄は長く続く」という部分。

今は、この「長く続いている繁栄期」のひとつです。

それはもう 500年ほど彗星が地球に衝突していないからかもしれません。



  

2012年10月04日



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今日は、NASA のサイエンス・ニュースで今朝リリースされた、ちょっと興味深い「地球が歌を歌っている」という記事をご紹介します。






 


それにしても、昨日の記事、

起きていることは「ポールシフトではなく地球の大陸移動」: 地球の極の物理的な移動が起きていることが地球物理学会で発表される
2012年10月03日

で知った「極移動」についてはいろいろと考えるところはありました。

このことは、これまで環境変動のニュースとして取り上げたものの多くの理由というものの「合点」にも結びつくような気もいたします。

それはたとえば、

局地的な地質の大規模な崩壊
・世界中で頻発する巨大なシンクホール
・鳥や海洋生物の大量死
・魚介類の漁獲の種類の変動
・気候や気温の「移動」
・それまで起きなかった地域での洪水や干ばつ


といったようなことも、「もしかすると」関係あるのかもしれません。

「もしかすると」というのは、上の記事での「真の極移動」というものに関しても、移動が実際に起きているにしても、本当に上の記事での理論なのかどうかはわからないからです。

なぜなら、上の記事での研究チームの発表には、根底に「プレートテクトニクス」という地質の理論に準ずる部分があり、このあたりは確定した理論とも言えないからです。ちなみに、プレートテクトニクスとは簡単にいうと、下のような理論で、わりと現在の主流の考え方だと思います。


プレートテクトニクス - Wikipedia より)

プレートテクトニクスは、プレート理論ともいい、1960年代後半以降に発展した地球科学の学説。地球の表面が、下図に示したような何枚かの固い岩板(プレート)で構成されており、このプレートが、対流するマントルに乗って互いに動いていると説明される。

Plates-tect.png



まあ・・・個人的には、上のプレート理論などもそうですけど、現在の地質学理論というのは、「地球単体としての運動」という考え方だけであって、「宇宙と地球」という最も運動に関して大事だと思われる点が無視されているような気がしてならないということを考えてしまうところはあります。

とはいえ、「大陸が移動している」というほうの話は事実なのかもしれないですので、近いうちに、上に記しましたシンクホールなどを含めた様々な環境変動に関する過去記事を振り返ってみたいと思います。


いずれにしても、仮に本当に今後、数千万年前のように「地球の大陸の緯度がずれる」ということがあった場合、それは確かにいろいろな影響はあるでしょうし、多分、今もすでに「いろいろとおかしい」ということも事実ですので、個人的に、関係性を考えてみたいとは思います。

それにしても、もし、地球の極(軸の位置)が移動するなら、赤道線を含めた、緯度のラインそのものが変わるということになるのですかね。

たとえば、少し前に記事にしました、

フリーメイソンと高知に導かれて Google Earthe 上で北緯 33度の旅をする
 In Deep 2012年08月29日

に載せました下の地図、



などの「33度線」なども傾くのでしょうね。

下のように(角度などはいい加減です)。

33rd_parallel-after.png


では、ここから、「地球の歌」に関してです。

NASA の地球の磁気圏を探査する RBSP という観測衛星がキャッチした「地球の放射帯からの周波数が奏でる音」の話です。

これは、とりあえずその音そのものを聞いていただいたほうがいいと思いますので、NASA のニュースビデオから音を取り出したものを貼っておきます。


Earthsong



あるいは、NASA の音声ライブラリーのこちらにも MP3 ファイルがあります。

ちなみに、地球の放射帯といえば、

太陽嵐がヴァン・アレン帯から電子を消し去っていることが判明
In Deep 2012年02月02日

という過去記事がありましたが、そこに下の説明図を載せました。




上の図の地球の放射帯のどこかから(記事を読む限りは外側のほうだと思います)、このような「コーラス」の波が放出されているということのようです。

それでは、ここからです。





NASA Spacecraft Records 'Earthsong'
NASA サイエンスニュース 2012.10.01

NASA の宇宙艇が録音した『アースソング / 地球の歌』


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▲ NASA の観測衛星『地球磁気圏探査衛星 RBSP 』が、地球の「コーラス」をキャッチした。その音はこちらだ( MP3 )。


今まで「宇宙空間の歌声」についてなど誰も言及したことがなかった。そもそも宇宙空間では「声」は聞こえない。たとえば、あなたが叫んだとしても、その声は誰にも聞こえないのだ。

しかし、 NASA の宇宙艇は、まさに私たちが住んでいるこの惑星 -- つまり、地球自身によって歌われる美しい歌声を受け取り記録した。

米国アイオワ大学のクレイグ・クレッツィング博士「歌声」について以下のように述べた。

「私たちは、この音を " コーラス " と呼んでいます。それにしても、今回のこの " コーラス " は、私たちがこれまでに聞いた中でもっとも鮮明に捕らえられた音のひとつです」。

博士が「コーラス」と呼ぶこの現象は、地球の放射帯でのプラズマ波に起因する電磁気の現象だ。

長い間、地球上でも、ハム通信士(アマチュア無線家)たちが、遠くから聞こえるこの音を聞いていた。

現在、地球の磁気圏を探査するNASA の二機の観測衛星『地球磁気圏探査衛星 RBSP ( Radiation Belt Storm Probes ) 』がこの音の聞こえる宇宙空間を実際に飛行している。


rbsp-1.jpg

▲ 地球磁気圏探査衛星 RBSP の「A機」と「B機」の二機によって、地球の磁場が探査されている。


クレイグ・クレッツィング博士はこの現象について、「これは私たち人間が耳にアンテナを持っているならば、放射帯が人間の音のように聞こえるということです」と言う。博士は、信号の受信に関しての専門家で、「 EMFISIS 」という、電気と磁場の探査ツール(受信機)を開発した。

博士は、この「コーラス」は、地球の空間に存在する音響波とは違うものであるということを指摘する。

この地球のコーラスは、0 キロヘルツ から 10キロヘルツの間の周波数で構成されているという。地球磁気圏探査衛星の磁気探査のためのコイルアンテナは、これらの種類の周期波を見つけ出すように設計されている。

クレッツィング博士によると、この「コーラスの放出」の探査の任務は NASA の地球磁気圏探査の中でも大きなものだという。

その理由は、いわゆる宇宙衛星や宇宙飛行士たちを危険にさらす可能性のある、いわゆる「殺人電子 ( Killer Electrons )」と、このコーラスが関係あるかもしれないからだ。

放射帯にある多くの電子は、人間や電子機器に影響を与えるほどのエネルギーを持たず、ほぼ無害だが、電子の中には殺人電子も生まれる。

NASA の地球磁気圏探査プロジェクトのデイブ・シベック氏は「殺人電子の生成に関しては多くの議論があります」と言う。

そして、「この地球磁気圏探査でのデータにより、それらの謎を解明する手がかりを得たいと考えています」と述べた。

クレッツィング博士は「コーラス」をステレオ録音することを考えている。

「私たちは地球磁気圏探査衛星を2機もっており、それぞれにレシーバーがあるので、ステレオ録音は可能だと考えています。それらは大きな科学的価値があると同時に、この " コーラス " が発生している範囲がどのくらいの広さにわたっているのかを知りたいのです」。

と博士は語った。




ここまでです。

まあ、いろいろと難解な部分はあるようですが、少なくとも、私たち一般人の耳にも上のように、その「コーラス」は聞こえているということもあり、過去記事の、

宇宙空間に「強烈な匂い」が漂っていることを知った日: 「それは焼けたステーキと金属の匂い」と語る NASA の宇宙飛行士たち
In Deep 2012年07月24日

にある「におい」と共に、地球周辺の宇宙というのは「死んだ空間ではない」ということを実感したりします。

過去記事から、地球の放射帯や地球周辺で起きていたことを取り上げた過去記事をリンクしておきます。
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[地球の放射帯]に関連した過去記事:

太陽神ヘリオスの息子「ファエトン」がばらまく地球上空の35個の火球
2011年12月15日




衝撃のデータ: 3月11日の地震の前に観測された日本上空の赤外線と電子量の急激な変化
2011年05月20日



▲ 3月10日から3月12日までの赤外線のエネルギー量の変化

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[1年前の In Deep ]
2011年10月01日の記事

突如スポットを浴び始めた「水星」(西洋神秘学では最重要惑星)

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[2年前の In Deep ]
2010年10月04日の記事

アメリカを侵略している南京虫は DDT にも耐えられるスーパー南京虫(後編)



  

2012年08月31日



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毎朝、最初に天気予報というか、気温の予報を見ます。

そして、インドのグジャラート州かと見紛うような気温の予測に毎日、「うーむ」と唸ります。

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私の住んでいるあたりの小中学校は今週から学校が始まりましたが、むしろ気温は上昇気味で、

「夏本番で夏休み終わりかよ」

と思わざるを得ない気候変動の秋でありました。

今後、気候変動があまりに激しくなった場合には、「6月から11月まで夏休み」で、「12月から4月まで冬休み」とかになっても別にいいような(投げやり)。

あー毎日暑い。

昨年の夏はどんな夏だったっけと1年前の 8月31日の記事を見てみましたら、

消滅したエレニン彗星:そして、彗星の存在の意味
 In Deep 2011年08月31日

でした。
下がその消えていく様子の写真です。

elenin_2011-08.jpg


エレニン彗星が消えたのは昨年の今頃だったか・・・。

ちなみに、完全に消滅したのは、昨年の 9月11日頃でした。

エレニン彗星は 9月11日に太陽フレアの中でほぼ完全に消滅
 In Deep 2011年09月17日

このエレニン彗星は当時、ずいぶんと人間たちから嫌われていて、彗星好きな私は不憫に思ったものでしたが、上の記事に記したように、エレニン彗星は、「嫌われたことに悲しんで自殺するかのように」太陽フレアに突っ込んでから消滅しました。

それから1年。

何かが変わったのか変わらないのか。
よくわかりません。

しかし、今回は別の話題です。






 



解析が進む「地球の他の月」のこと

今年の4月に記した記事に、

地球の「隠された複数の月」の実態がスーパーコンピュータでのシミュレーションにより解明される
 In Deep 2012年04月02日

というものがありました。

もともとは、アメリカのマサチューセッツ工科大学が 2011年に、「地球は常時、複数の衛星(他の月という意味)を持っている」という発表をおこない、その後、他の研究チームなどがそれに関してさらに調査した結果に関してのものです。

下の図は、ハワイ大学の研究チームが、スーパーコンピュータを使用して計算した、「ミニムーン」の軌道のシミュレーション。




いわゆる「円形の軌道」ではなく、かなりムチャクチャな軌道を描いているように見え、それに個人的に興味を持っており、「続報はないのかな」と待っていましたら、このことに関しての新しい研究について、昨日の米国の科学系サイトで記事になっていました。

上の「ムチャクチャに見える軌道」についての話ですが、実際にクレージーな軌跡を描いているようで、しかも、こういうものが常に地球の周囲を(しかも、複数)「地球の衛星」として回っているらしいのです。

地球とその「直近宇宙にあるもの」との関係性だけでも、私たちが小さな頃から思い描いていた姿とはずいぶんと違うような感じで、太陽系の他の惑星のことも含めて、私たちの「頭の中の宇宙の姿」は変わろうとしているように思います。

もちろん、これは科学者の方々の地道な研究と、開発機器やコンピュータ解析が進んことによるものであることは確かで、テクノロジーというものにも私たちはちゃんと感謝しないとなあ、と思う次第です。


今回はそれをご紹介しようと思うのですが、その前に、最近の記事、

国際宇宙ステーションで行われている「宇宙空間での生物移送実験シミュレーション」
 In Deep 2012年08月21日

などとも関係するタイムリーなニュースをご紹介しておきます。



「宇宙の匂い」を体験している JAXA の日本人宇宙飛行士


過去記事の、

宇宙空間に「強烈な匂い」が漂っていることを知った日: 「それは焼けたステーキと金属の匂い」と語る NASA の宇宙飛行士たち
 In Deep 2012年07月24日

というものを知って以来、私個人は「宇宙の匂い」に非常に興味を持っているのですが、今まさに、その宇宙の匂いを、日本人が体験しています


国際宇宙ステーションの長期滞在クルーである日本人宇宙飛行士の星出彰彦さんが、昨日 2012年8月30日から「船外活動」、つまり宇宙遊泳を行っているのです(8月31日現在、ミッションは終了しています)。

上記の記事では、ロシア人宇宙飛行士の宇宙でのミッションを書きましたが、今回は米国側のミッションで、アメリカ人の女性宇宙飛行士であるサニータ・ウィリアムズさんと共に、星出さんは、電力切替え装置(MBSU)の交換、ロシアのモジュールへのケーブルの接続、ロボットアームカメラと照明の交換などの作業を行っています。



▲ 現在の国際宇宙ステーションに長期滞在クルーとして搭乗している3名の宇宙飛行士。左から、星出彰彦(日本)、ユーリ・マレンチェンコ(ロシア)、サニータ・ウィリアムズ(米国)の各宇宙飛行士。


このあたりの詳しいところは、 JAXA の「宇宙ステーション・きぼう 広報情報センター」のサイトに随時アップされています。

» JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在 - 星出宇宙飛行士最新情報


また、現在(8月31日)の NASA のトップページもこのニュースです。

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NASA ウェブサイトより。見出しは「ふたりの宇宙飛行士は宇宙遊泳でステーションの宇宙空間に包まれた」。写真は多分、サニータ・ウィリアムズさん。


ちなみに、サニータ・ウィリアムズさんは、これが「5度目」の宇宙遊泳だそうで、宇宙遊泳の総時間 29時間17分という記録を持っている宇宙遊泳のプロ。

星出さんは今回が初めての宇宙遊泳のはずです。

そして、このお二人が遊泳している宇宙空間の「匂い」は、過去記事「宇宙空間に強烈な匂いが漂っていることを知った日」でご紹介した NASA のドン・ペティット宇宙飛行士によると、下のように予想外の匂いがするようです。

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YouTube より。


いつか、星出さんご本人の口から日本語でその「匂いの話」を聞いてみたいです。

どうしてかというと、星出さんは日本の料理や食べ物も多く知っているはずで、アメリカ人たちより、具体的な匂いの記述になりそうで。

日本には納豆もクサヤもタクワンもあり、また、ナンプラーやパクチーや各種チーズなど海外の匂いのある食べ物も多く日常化しているという、日本は世界1の「匂いの多彩な食べ物」が多く存在する国のひとつであるので、そのあたりの比喩で聞いてみたいです。



それでは、ここから「地球のもうひとつの月」の話です。ハワイ大学と、フィンランド最古で最大の大学であるフィンランド大学、そして、パリ天文台の研究者との合同での研究のようです。

なお、関係する前記事の「地球の「隠された複数の月」の実態がスーパーコンピュータでのシミュレーションにより解明される」でご紹介した、現時点で判明している「ミニムーン」と呼ばれる複数の地球の「小さいな衛星」の特徴としては、


・地球のその小さな月(ミニ・ムーン)の数はひとつではない。
・ひとつの月が1年間、地球の周囲を旋回する。
・そして、その後はその月は太陽の軌道に移動して「太陽の衛星」となる。


というもので、一般的に驚くようなことかどうかはよくわからないですが、私個人としては、

地球の月になったり、太陽の月になったりする

というこれらの存在に驚きを覚えたものです。

それではここからです。






 


Earth’s Other Moons: The Crazy Paths Of Minimoons
Nano Patents and Innovations 2012.08.30


地球のもうひとつの月「ミニムーン」が示すクレイジーな軌道


ヘルシンキ大学(フィンランド)とパリ天文台、そしてハワイ大学の研究チームによると、地球は常に複数の月を持っているという。

私たちが通常「月」と呼んでいる約 3,500キロメートルの直径の月は、人類史の中で、詩人や芸術家にも愛され、また人々がロマンを持って眺める存在であり、そして、この月は 40億年以上のあいだ、地球の軌道に乗って回っている。

その月の「小さな親戚」と考えられる衛星は、「ミニムーン」と呼ばれていて、その直径は 50センチ〜1メートルほどの大きさしかない。ミニムーンは複数あり、彼らは、太陽の軌道で太陽の衛星として周回する前に、1年未満ほどの期間を地球の軌道上を回っていると考えられている。

ヘルシンキ大学のミカエル・グランヴィク教授と、パリ天文台のジェレミー・ヴォーバリオン氏、そして、ハワイ大学のロバート・ジェディック博士は、地球はいつでも複数の月を持っているという可能性についての計算をおこなった。

研究チームは、地球を通り過ぎた 1000万個単位の膨大な数の小惑星の通過に関して、スーパーコンピュータを用いて、その通過をシミュレートした。それから、チームは、地球の重力によって捕獲された 18,000個の物体の軌道を辿った。

その結果、地球の軌道には常に最低でも1個のミニムーンが回っていると結論づけた。

その直径は1メートル程度だ。もちろん、それよりもさらに小さな直径の物体で、地球の軌道を回っている物体もあるかもしれない。

さらに、シミュレーションでは、地球の重力によって捕獲されている小惑星の大部分は、「円の形」を描いて地球の軌道を回っているわけではないことがわかった。

そのルートは、複雑でねじれている経路を辿る。

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軌道が円を描かない理由は、ミニムーンが地球の重量だけにきつく制御されているわけではないことが考えられるという。地球の重力と月(いわゆる月のこと)の重力、そして、太陽の重力のそれぞれの重力による複雑な力の関係より、無軌道にも見える軌道を描くと考えられる。

そして、地球に捕らえられている重力の力が弱った後、「ミニムーン」は、太陽の重力によって支配され、ミニムーンは地球に引き続いて、太陽の軌道を回る。

典型的なミニムーンは、約9ヶ月間、地球の軌道に乗って回る。

しかし、ミニムーンの一部は、何十年も地球の軌道上を回っている。

ミニムーンは、地球の近くを通過する巨大な小惑星の重力にも捕獲される。
たとえば、 1999年に、米国の「リンカーン地球近傍小惑星探査」によって発見された 1999 JM8 という直径 3.5キロメートルの巨大な小惑星がある。これはミニムーンの1000倍以上の大きさがあるが、表面はミニムーンのように不規則な形をしており、凹凸が激しい。



1999-jm.jpg

▲ アレシボ天文台によってレーダー観測された1999 JM8の画像。直径は約3.5kmで、地球の脅威となる可能性を持つ小惑星の中では二番目に大きい。


この巨大小惑星とミニムーンの動きの関係の計算は、スーパーコンピュータでも、長くかかったという。

パリ天文台のヴォーバリオン氏が、「家庭のパソコンでこの計算をおこなうとすると、計算に6年ほどかかると思われます」というほど複雑な計算だったという。

ハワイ大学のジェディック博士はミニムーンについて以下のように言う。

「ミニムーンは科学的にもとても興味深いものです。ミニムーンは、46億年前に私たちの太陽系が始まった時の宇宙の材料を簡単に調べることのできる素材を提供してくれる可能性があります。そのような物体が地球に再び戻り、地球の周りを回っているのです」