2011年01月27日



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「 DNA はテレポーテーションしている」: HIVを発見したノーベル賞学者リュック・モンタニエ氏が発表



大変に興味深いタイトルの記事を発見しまして、それがタイトルにも書きましたが、2008年にノーベル賞を受賞した生物学者が、実験によって

DNA が量子性により空間をテレポーテーションしている可能性がある

という結果を発表したというものです。テレポーテーションは「空間の瞬間移動」というような意味でいいかと思いますが、このブログでも何度かご紹介している、量子テレポーテーションとの絡みもありそうなんですが、「それが生物学の範囲で発見されたかもしれない」という、ちょっと信じがたいニュースです。

一応ご紹介はしているのですが、基本的にタイトルには惹かれたものの、科学系の専門サイトに近いということもあり、内容の軸となっている「量子論」が私に理解できず、「何が科学者たちの争点となっているか」の部分が読みとれません。なので、中途半端なご紹介となり申し訳ないです。

試験の方法と結果を簡単に書くと、

2本の試験管を用意し、1本の試験管に DNA を入れて、もう1本にはただの水を入れる。十数時間後に調べると、水だけのほうの試験管からも DNA が検出された。

ということだと思います。

まあしかし・・・こんなことが本当なら、何だかよくわからないですが。

私たち生物の固体(人間とか)は基本的には瞬間移動などしていないし、できないと思うのですが、 DNA がそれをおこなっているというのであれば、基本的には DNA を持つ生き物すべては、「自らの力でテレポーテーションできる」可能性もあるということになるのでしょうか。

あるいは潜在的にその力を持っていると・・・?

もし本当ならすごい発見なのかもしれないけど、むしろ混乱いたします。
今後の研究に注視したいところです。


参考資料: リュック・モンタニエ - Wikipediaより。

time_montagnier.jpg

▲ リュック・モンタニエ氏。

リュック・モンタニエ(1932年8月18日-)は、フランスのウイルス学者である。パスツール研究所に在籍した。
1983年、HIVを発見した

2008年、フランソワーズ・バレ=シヌシ及びハラルド・ツア・ハウゼンと共にノーベル生理学・医学賞を授与された。





DNA molecules can 'teleport', Nobel Prize winner claims
Tech-World 2011.01.11


DNA 分子が「テレポーテーションをしているかもしれない」とノーベル賞受賞学者が主張


dna.jpg

2008年にノーベル賞を獲得した生物学者リュック・モンタニエ氏が、実験により、 DNA の断片が複数の試験管の間を「テレポート」したか、あるいはその痕跡が認められるという実験結果を発表し、科学界で大きな論争となっている。

今回のモンタニエ氏を中心とした研究チームは、かつて HIV とエイズの関係を突き止めたことで知られている。

研究チームの試験は以下のようなものだ。

2本の試験管のひとつに小さなバクテリアの DNA の断片を入れ、そして、もうひとつの試験管には真水を入れる。そして、この2本の試験管の周囲を 7Hz の弱い電磁界で囲む。

18時間後、ポリメラーゼ連鎖反応(※ DNA を増幅させるための方法のひとつ)を用いて DNA の遺伝子が増幅した後には、まるで手品でも行ったのように、最初に DNA を入れていない単なる真水が入れた試験管の中からも DNA が検出されたのだ。

奇妙なことに、元の DNA のサンプルは実験の作業の中で何倍にも薄まっていた。

この現象は、単に場所から場所へ DNA が単純移動していったというよりは、むしろ、空間を通って、自身を別の場所へ刻印を刻んだというニュアンスを感じさせ、その意味で、モンタニエ氏は「テレポーテーション」という表現を使ったのかもしれない。

生物学が、室温において自然界に内在する「量子性 ( quantumness ) 」を示しているかもしれないプロセスを明らかにしたことは、非常に驚くことだ。

このことを公式に疑っている科学者たちも多いが、モンタニエ氏の実験は、この問題が真面目に論じられるためにも、他者によってさらに何度も繰り返されされる必要があるだろう。


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2010年11月09日



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将来的に「自分の輸血を自分の皮膚で補う」ことも可能に。しかも、ES細胞などのような分化万能性の細胞を必要としない

mcma.jpg

・カナダのマックマスター大学。今回の実験のリーダーは、同校医学部のミック・バティア博士。
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Scientists turn human skin into blood!
Bio Scholar 2010.11.08

ヒトの皮膚を血液にした科学者たち

カナダのマックマスター大学の科学者たちは、大人の人間の皮膚から人間の血液を作り出す方法を発見した。

この大発見は、将来的には、たとえば、ガンなどの手術治療や、あるいは貧血症などの血液の症状に対しての治療など、輸血が必要となる治療の場合に、自分の皮膚から自分の血液を作ることができるということを意味する。
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2010年11月05日



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(訳者注) 大した重要ニュースでもないのですが、せっかく巨大化する生物というカテゴリーを作ったもので・・・。あと、個人的に、生物の巨大化に興味があるというのもあります(これまでの地球の歴史で、大量絶滅が発生する前には生物の巨大化の傾向があったように見受けられるため)。
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Alligator trapped by Orlando man sets state record for length
オーランド・センチネル 2010.11.01

オーランドの男性が捕獲したワニがフロリダ州の巨大ワニの記録を破る

gator3.jpg

フロリダ州ブレバード郡の湖でオーランドの男性が捕らえたワニは、フロリダ州のこれまでのワニの大きさの記録を破った。

ワニを捕まえるのが趣味のトレス・アメアマンさんは、ワシントン湖で、14フィート 3.5インチ( 4メートル 35センチ 47ミリ)のオスのワニを捕獲した。これまでの州の公認記録は、1997年にセミノール郡モンロー湖で捕らえられた、14フィート 5/8インチ ( 4メートル 28センチ 30ミリ)のオスのワニだった。

長さ(1997凝り固まっている)のための前の公認の州の記録は、セミノル族郡のモンロー湖からの14フィート、5/8インチ(4.3メートル)の雄のワニであった。

「14フィート(約 4.2メートル)以上のワニは、フロリダでは非常に珍しい」と、今回のワニを調べたフロリダ州の魚類野生生物保護事務局のアーノルド・ブルネル氏は言った。

「これは我々にとって前例のない何かだ」。
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2010年10月31日



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Russian bears treat graveyards as 'giant refrigerators'
ガーディアン(英国) 2010.10.26

ロシアのクマたちは墓地を「巨大な冷蔵庫」かわりにしている

地元住民によると、北極圏の近くのクマたちは、伝統的な食物の不足のために、墓を掘り起こして人間の死体を食べるしかなくなっているという。

Russian-bear-006.jpg

・ロシアの北極圏に近いコミ共和国では、食糧を探すために、クマが墓を掘り起こしていると報告されている。


二人のロシアの婦人が、お墓参りにロシアのヴェツーニャ・トゥチョバ村 ( Vezhnya Tchova ) の墓地を訪れた際に、愛する人の墓に毛皮を着た大きな人物がもたれかかっている光景を見つけた。

しかし、近づいてみると、それは毛皮を着た人間ではなく、クマであった。そして、ふたりの婦人は、そのクマが墓地を掘り起こして人間の死体を食べていることにすぐに気づいた。

今年の焼けるように暑かったロシアの夏が終わった後、ロシアのクマたちは、地方の墓地で死体を掘り起こして食べ始めたと、当局は当惑しながら話した。クマたちの伝統的な食べ物であるキノコやベリー類、カエルなどは消えてしまっている。

ヴェツーニャ・トゥチョバ村の事件は、10月23日に、北極圏近くのロシア連邦中北部のコミ共和国北部で起きた。

クマは女性たちが現れると森へと姿を消したが、目撃した女性たちは、そこで繰り広げられた猟奇的な光景に恐怖し、パニックに陥って泣き叫んだと地元新聞は報じた。


地元の住人たちによると、クマたちが町中を漁って歩き回っているという。ゴミ箱というゴミ箱を探し、畑の野菜を盗んで食べる。コミ共和国の首府スィクティフカルでは襲われて怪我をした青年もいる。
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タグ:コミ共和国

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2010年10月24日



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(訳者注) ほとんど文章のない「今日の写真コラム」的な中国の記事ですが、あまりにもデカい魚でしたので載せてみました。ちなみに、この魚の名前の Epinephelussp は、日本でのハタ科の魚ですが正確な魚名は不明です。同じ系統で、沖縄でいうミーバイ、中国での石斑魚、また、九州などで鍋に使われるアラなどがあります。

それにしても、最近は生き物の巨大化が加速している感じがします。私はほとんど記事にしていませんが、巨大な生き物の報道は多くの生物種で毎週のように報道があります。





Giant Epinephelussp attracts gastronomists in Fuzhou
東方IC 2010.10.21

福州で巨大な石斑魚が美食家たちを惹きつける

20101021_73201.jpg

この巨大な石斑魚は、長さ 2.7メートルに達し、およそ 800人に料理として振る舞うことのできる大きさだ。
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2010年10月05日



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Were Giant Panda Carnivores?
Polar Bear News (ブログ) 2010.10.04


パンダって肉食だったの?

ジャイアントパンダは、かつて肉食動物だったという調査結果がある。

なぜ、彼らは主に竹を食べるようににったのか?

2009年にパンダの全てのゲノム配列が解析された際の研究によると、研究者たちは、パンダが肉の旨みを感じる遺伝子を失ってしまった可能性を発見した。(訳者注/記事下にその際の報道記事)


panda_1726130c.jpg


ジャイアントパンダの体は、竹に含まれている少量の栄養を抽出することに適している。彼らの手の指には、5本の指とは別に持っている「第6の指」(訳者注/手首の根本にある橈側種子骨という骨。記事下に補足資料をリンクしました)があり、これが竹を持つことの助けとなる。

そして、重い頭と強い歯を持っており、硬い竹を噛みやすくなっている。また、パンダは腸に消化を助ける非常に強力な腸微生物を持っている。

他の研究では、ヤギの頭と豚の骨のトラップにつけた肉をパンダたちは嬉しそうに食べたとされる。

もし、今後、竹の不足が深刻化してしまった場合に、彼らジャイアントパンダたちは、生存していくためにふたたび肉食動物に戻っていくのだろうか。




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2010年08月24日



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Microbes and Mental Illness
アメリカ国立精神衛生研究所( NIMH ) 理事長のブログ 2010.08.13

微生物と精神病

精神病の中のいくつかが伝染性病原体や自己免疫プロセスと関連があるかもしれないという着想は、少なくとも20世紀前半にはあった。

21世紀には、人間の有機体の微生物環境をマッピングした微生物学 ( microbiomics ) が、人間の体と心の存在を考えることに関しての新しい道を造り出すかもしれない。すでに、我々人類の DNA の90パーセントは人間ではなく、微生物であることが明らかとなっている。 実際、我々人類は無数の生物種たちから構成されている「超固体」であり、それらの種には、初めて確認されたものが多い。そして、我々の微生物生態環境の中にある持続的な個体差は、年齢の早い段階で確立される。

肥満と糖尿病については最新の微生物学 ( microbiomics ) の観点からも重要なことが証明されているが、精神病の研究に関しては、まだ焦点にはなっていない。

それでも、細菌学と精神障害を結ぶ多くの手がかりがある。たとえば、出生前のインフルエンザ感染によって、統合失調症のリスクが増加するという疫学的な証拠などもそうだ。

このような関係性で、おそらくはもっとも説得力のある事例としては、強迫性障害(OCD)とチック障害になる子どもたちは、連鎖(レンサ)球菌感染症の後に発症しやすいというケースだ。その要因については継続的に議論されているが、レンサ球菌感染症と小児免疫神経精神疾患の間にも関連があるとされている。

先月、アメリカ国立精神衛生研究所の小児発達神経局では、症候群の定義を定めている科学的基準を更新するために、専門分野から多くの専門家を招集した。この会議が行われたという事実は、科学的な傾向が変化してきていることを示している。

これまで、突然に強迫性障害やチック障害を発症した子どもたちが連鎖球菌感染症と関係しているかどうかが調べられてきたわけでははないにしても、多くの町医者たちが読んでいる医学雑誌などによって、その関連性への関心度は変化してきている。

小児発達神経局での会議の参加者たちは、報告を臨床医たちから受けていた。彼らの報告は、1990年代の中頃、この関係性を最初に発見したアメリカ国立衛生研究所のスーザン・スウェドゥ博士の症候群の特徴を補強することになった。そこには、強迫性障害 ( OCD ) とチックに加え、気分のむら、衝動性、不安、筆記障害などが症状として突然始まることが含まれる。

スウェドゥ博士の研究では、連鎖球菌抗体がおこなう脳メカニズムを特定した。また、プラズマフェレシスや免疫グロブリン静脈内投与療法を通して抗体の血液をクリーニングすることによって症状が軽減することも証明された。

二度目の研究では、エール大学の研究チームが連鎖球菌感染症の後では、一部の子供たちの間で強迫性障害やチック障害がやや悪化することが報告された。さらに、連鎖球菌感染症は、社会心理的ストレスによる影響の増加による症状を悪化される要因となり得る。これらの調査結果は、これらの障害を持つ子供たちの一部で、連鎖球菌感染症によってリスクが増大することを示している。また、これは他の伝染性疾患や、自己免疫疾患でも見られる。


もちろん、仮にそうだとしても、これらの新しい調査報告はあくまで予備であり、反復して研究される必要がある。

スウェドゥ博士とその研究チームは、免疫グロブリン静脈内投与療法(IVIG)が、強迫性障害 ( OCD ) や、他の神経精神病学の症状を劇的に緩和することを予測している。特に高い濃度の連鎖球菌の抗体によって脳の誤ったポイントでの活動や攻撃が発生している子どもたちには高い効果があるとしている。


自閉症やうつ病、あるいは情緒障害なども感染性病原体の影響を受けているのだろうか?

これは、アメリカ国立精神衛生研究所でもいまだに未知の領域だ。

連鎖球菌感染症が、子どもたちの強迫性障害に関連している証拠が増えていっていることは、最新の微生物学が、精神障害を理解して治療するために重要な研究領域を証明していくことになるかもしれないことを示唆している。
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2010年06月01日



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ベニクラゲ6回目の若返り成功
紀伊民報 2010年05月20日

 和歌山県白浜町臨海、京都大学瀬戸臨海実験所の久保田信准教授(58)は、「不老不死」の研究材料として注目されるベニクラゲの若返り実験で、世界記録を更新する6回目の若返りをこのほど成功させた。久保田准教授は「若返りのメカニズム解明に向け、今後もどんどん回数を重ねていきたい」と話している。この結果は、近く学会などで発表する。

 クラゲは通常、有性生殖した成体は死を迎えて溶け去るが、ベニクラゲは溶けずに肉団子状になり、再び走根を延ばしポリプ(刺胞動物の基本形)へと若返る。このポリプがクラゲ芽を形成し、やがて若いクラゲとして分離して泳ぎ出す。この一連のサイクルを無限に繰り返すことから「不老不死」と言われる。ベニクラゲの若返り現象は、1992年にイタリアの研究者が地中海産で初確認した。その後、久保田准教授らが日本産で世界第2例目として成功して以来、その回数を更新し続けている。

 久保田准教授は、昨年5月15日に沖縄で4個体の若いベニクラゲを捕獲。全個体が捕獲直後に退化し、5月18日前後に若い世代のポリプに1回目の若返りをした。その後、最も素早く若返った雌に焦点を当てて飼育実験している。その結果、7月上旬に2回目、8月上旬に3回目、9月下旬に4回目に成功した。冬場の寒さを乗り越えるため、ヒーターで水温を20〜25度まで温め、水流を起こしかき回すようにして、12月上旬に5回目に成功。今年3月23日には6回目のポリプへの若返りをした。その後も元気に生き続けており、さらなる若返りが期待できるという。

 久保田准教授は「予想通り若返りが連続して起こっている。将来は、再生から若返りへという人類の夢に一歩でも近づく材料にしたい」と話している。

1899262.jpg

・6回目の若返りでポリプになったベニクラゲ(和歌山県白浜町の京都大学瀬戸臨海実験所で)


参考サイト:
ベニクラゲ研究室

タグ:ベニクラゲ

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2010年05月21日



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16km間隔での「量子テレポーテーション」に成功
WIRED VISION 2010年5月21日

元論文:Experimental free-space quantum teleportation (Nature Photonics 2010.05.16)

このほど、16キロメートルもの自由空間距離を隔てて、光子(フォトン)の間で情報をテレポーテーションさせる実験が成功した。

この距離は、過去の記録を塗り替えるものだ。この偉業を達成した研究チームは、これによって、従来の信号に頼らない情報のやり取りの実現に一歩近づいたと書いている。今回達成した16キロメートルという距離を、地表と宇宙空間の間隔まで広げることもできるだろうとチームは指摘する。[高度16kmは成層圏相当]

以前の記事(英文記事)にも書いた通り、「量子テレポーテーション」というのは、一般の人がテレポーテーションと聞いて想像するのとはかなり違った働きを指す。量子テレポーテーションでは、何かを別の場所に移すというのではなく、量子もつれの関係にある2つの粒子(光子やイオンなど)を利用する。量子もつれの関係では、互いが互いの状態に依存しており、相手の状態の影響を受ける。

この粒子の一方を遠くに送っても、量子もつれの関係のために、一方の状態を変えれば他方にも同じ変化が引き起こされることになり、量子の情報がテレポーテーションされたことになる。物質そのものがテレポーテーションされるというわけではない。しかしこれまでの実験は、粒子同士の間隔はメートル単位までに限られていた。

過去に数百メートルの距離のテレポーテーションが成功した唯一の例は、光子をファイバーチャネルを介して移動させ、その状態が保たれるようにした場合だ。今回の実験では、2つの光子を最大限にもつれた状態にさせた上で、うち一方に多くのエネルギーを与えて、長さ16キロメートルの自由空間チャネルに送り出した。実験では、この前例のない距離を隔ててもなお、遠くに行った光子を、残された光子の状態の変化に反応させることが可能だった。

しかし、光子の長距離テレポーテーションは、この手法の応用開発に向かう上では小さな一歩にすぎない。光子は情報の伝達には適しているが、操作の容易さではイオンのほうが優れており、暗号化のためにはこの分野の進歩が必要になる。

また今回の研究チームによる長距離テレポーテーションの成功精度は89%だ。これは情報の伝達には十分だが、人体を丸ごとテレポーテーションさせるという、われわれ全員の期待に対しては、まだ危険な数字と言わざるを得ない。

[論文は『Nature Photonics』5月16日付け。研究者らは中国科学技術大学所属。

量子テレポーテーション実験は、1997年に初めて成功した。2004年には東京大学の古澤明教授らが3者間での量子テレポーテーション実験に成功。さらに2009年には9者間での量子テレポーテーション実験を成功させたことにより、量子を用いた情報通信ネットワークを構成できることが実証されている。


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2010年04月21日



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皮膚組織に未知の細胞を発見
NHK 2010年04月20日

cell-0420.jpg

ヒトの体の表面を覆う皮膚の中に、神経や筋肉などさまざまな組織に変化する力を持った未知の細胞が存在するという研究報告を、東北大学などのグループが発表しました。病気などで失われた体の一部を作り出す「再生医療」の実現に近づく成果として注目されています。

この研究を行ったのは、東北大学の出澤真理教授と京都大学のグループです。研究グループでは、ヒトの皮膚の細胞に特殊な酵素をかけると、ほとんどの細胞が死ぬにもかかわらず、一部に成長を続ける細胞があることに注目し、詳しく調べました。その結果、この細胞は、あらゆる組織や臓器になるとされるiPS細胞と同じ遺伝子を複数持っていたほか、マウスに移植すると神経や筋肉、それに肝臓の細胞など、体のさまざまな細胞に変化することがわかったということです。

この細胞は、ヒトの皮膚のほか骨髄からも見つかり、研究グループでは、さまざまな組織や細胞になるという意味から「Muse(みゅーず)細胞」と名付けました。

事故や病気で失われた体の一部を人工的に作り出す再生医療の研究では、京都大学の山中伸弥教授のグループが開発したiPS細胞が中心となっていますが、特殊な遺伝子を組み込むなどの操作が必要なうえ、細胞ががん化しやすいことが実用化の大きな課題となっています。「Muse細胞」は、iPS細胞より増殖する力は弱いものの、マウスに移植してもがん化することはなかったということで、研究グループでは、もともとヒトの体の中にあるもので、安全性も高いと期待されるとしています。

東北大学の出澤教授は「この細胞がどれくらいの能力を持っているのか、ほんとうに安全なのかなど、まだ研究が必要な部分は多いが、がんになりにくいというのは大きい。安全性という点では再生医療の実現に近づけたと思う」と話しています。

今回の発見について、再生医療に詳しい慶応大学医学部の岡野栄之教授は「Muse細胞が体のさまざまな組織になる力はどのくらい強いものなのか、検証が必要だが、再生医療の実現に向けた大きな成果だ」と話しています。岡野教授のチームは、iPS細胞から神経を作り出す技術を開発し、せき髄損傷で動けなくなったマウスを再び歩けるようにすることに成功していますが、iPS細胞の実用化には、がん化をどう防ぐのか課題も多いといいます。

岡野教授は「さまざまな組織に変化する細胞が骨髄に含まれている可能性は以前から指摘されていたが、今回、骨髄で確認しただけではなく、皮膚からも見つかったのは非常に興味深い成果だ」と話しています。そしてMuse細胞が体のさまざまな細胞や組織に変化する力はどのくらい強いのか、今後さらに検証が必要だとしながらも「iPS細胞のように遺伝子を組み込む必要がなく、がんになりにくいということで、安全性の面では有利だ。体の中にあるので、体内でそのまま変化させる方法がわかれば、人体再生の技術にもつながるかもしれない」と今後の可能性を指摘しました。その一方で課題については、iPS細胞と比べて増殖力が弱いので、必要な細胞が大量に作れるかどうかが鍵になると話しています。


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