【疾病と大量死】 の記事一覧

2014年06月05日



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大量死の続報。そして、また始まった極端な天候。あるいは「地球の海が死んだらどうしよう」と思う梅雨入りの日



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▲ 2014年5月19日の米国のクリスチャン・サイエンス・モニターより。






 



水の惑星「地球」のほとんどは海の水

先日、

海で何が起きているのか : 5月から始まった全世界での数百万匹規模の海洋生物の大量死の理由は誰にも説明できない
 2014年06月02日

という記事で、世界規模での海や川などでの海洋生物の大量死が続いているかもしれないということについて書きました。

前回は、その数が多いこともあり、羅列しただけで終わってしまったのですが、今回は前回羅列した記事から、印象的なものについて個別にピックアップしてみたいと思います。

多分、アメリカの大量死ばかりになってしまいそうなのですが、他の国の大量死報道は、報道自体の記事が曖昧なものが多く、状況や、あるいは、数値も今ひとつ確証できない面もありますので、結局そのあたりが比較的、正確に記事に示されているアメリカの記事をご紹介することになると思います。


ところで、地球というのが、

・陸の比率 約 29パーセント
・海の比率 約 71パーセント


という水の惑星だということは何となく知っているのですけれど、さらに、「地球の水全体の割合」というものは下のようなことになるそうです。

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▲ 喜多方市水道課「地球上の水」より。


地球にある水のうち、97パーセント以上が海の水ということで、地球とは実に「海の惑星」であることにも気づきます。





極端な天候も「海」が要因を作っている部分がとても多いのです

先月の5月あたりから、日本を含めた東アジアでは、非常に極端な気候に見舞われ続けています。

韓国の猛暑 5月31日

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朝鮮日報より。


大邱(テグ)は韓国の首都ソウルより東南にある町ですが、上の通り。
記事の写真は、熱で曲がってしまった線路です。


中国の猛暑 5月29日

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iask より。


中国の暑さは、先日の

「気温 40度の5月」の光景が気になりつつ、聖書とクインビー博士と森田正馬博士の言葉から考える「この世」と「神の子である人間という概念」
 2014年05月31日

で、北京の気温が「 42度」に達したことを書きましたが、上の記事の見出しは、ついに「 500年」という数も出ています。ただ、この中国のほうの記事の「 500年」という数字は、500年ぶりという意味ではなく、


中国科学院の研究では、気候変動は 500年の変動サイクルを持っていて、地球温暖化は過去一世紀に及んで続いていたことが示されている。現在はその変動サイクルの 500年の最後に位置していると同研究は述べる。



と書かれてあります。

日本は、すでに各地で梅雨入りしていますけれど、ほんの少し前まで、観測史上1位の記録が続出する猛暑が、日本や中国や韓国で続いていました。6月 1日には、岐阜県で「36度」を超えていたことが、報道されています。

何よりもスゴイと思ったのは、下の「北海道」のニュースです。

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▲ 2014年6月2日の tenki.jp より。


さらには、6月 3日の次のニュースのタイトル。

美幌で気温37・2度 北海道内、観測史上最速の猛暑日
 北海道新聞 2014.06.03

そして、この日の全国の気温のランキングをご覧下さい。

気象庁発表 - 全国観測値ランキング(6月3日) 14時00分

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これを見て、私は思わず「あのなあ・・・」と呟きました。

30年前までとはいえ、20年近く北海道で過ごしましたけれど、北海道の夏というのは8月の真夏のほんの一時だけ、「 30度以上になる日が何日かあるかどうか」といったあたりが普通の北海道の夏というものなのです。

しかも、今はまだ夏じゃないというのに。

これを異常気象と言わずして何といったらいいのか。

また、下の気温分布は、その 6月 3日の 14:00 の全国の気温分布です。

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そして、今日 6月 5日には、


高知 6月雨量を超える大雨が一日で
ウェザーマップ 2014.06.05

5日午前、動きの遅い低気圧の影響で、太平洋側では局地的に激しい雨が降っている。高知県では降り始めからの雨量が500ミリを超えた所があり、6月の月降水量を大きく上回る記録的な大雨となった。



なお、中国でも5月下旬から南部で連日の豪雨により、激しい洪水が発生している州があります。

中国南部で繰り返す豪雨と洪水。数日前に洪水被害が出た貴州省でふたたび洪水により20万人が被災
 来たるべき地球のかたち 2014年06月05日

などに現在の中国の洪水について記していますので、ご参考下されば幸いです。

いずれにしても、世界の気候に影響を与えることで有名なエルニーニョ(南方振動)や、 NAO (北大西洋振動)なども「海と大気の相互作用」で発生するとされていて、やはり地球の表面の主は海なのだと実感します(地球の内部の主はわからないです)。

いずれにしても、今日( 6月 5日)あたりからは豪雨で荒れた天候になるところが多そうですので、重々お気をつけ下さい。過去の経験則を何もかも吹き飛ばすような天候の状態がいつ現れるかわからないのが「今」という時代だと思っています。

おばあちゃんの知恵袋が効かない地球となりつつあるようです。

長い前置きとなってしまいましたが、先日の記事、「海で何が起きているのか」の中から印象的な記事の概要を追記としてご紹介しておきます。





アメリカの「凶暴なアジア鯉」が死んだ理由

前回の記事でご紹介した、

50万匹のコイがケンタッキー州のカンバーランド川で腹を上にして浮いているのが発見

という報道ですが、この「 50万匹」という巨大な単位はやはり気になります。

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▲ 2014年5月18日の Columbus Dispatch より。


見出しに「アジアン・カープ( Asian carp )」とあり、直訳すると、「アジアの鯉」ということなのですが、単にアジアの鯉という意味ではなく、下のようなものを言うようです。


アジアンカープ

米国に人為的に移入された複数のコイ科の魚の、米国における総称。アジアンカープは外来種として移入先の生態系を撹乱しているほか、水面から高く飛び跳ねてボートの乗客などが怪我をする事例が多発していることも問題視されている。



ということで、アメリカにとっては外来種ということのようです。上にある「水面から高く飛び跳ねてボートの乗客などが怪我をする事例」というのは、意味がよくわからなかったのですが、調べると、下のような写真が次々と出てきました。

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irjci.blogspot より。


何だかスゴイ光景ですが、しかし、こんなに元気なアジアン・カープが、50万匹が一斉に死亡。原因については、上の記事のタイトルに「ウイルス」と書かれてありますが、記事には、以下のようにあり、実際には死因はわかっていないようです。


これらの原因について、ケンタッキー当局はまったく決定することができないでいる。この大量死は、たった1日か2日の間に発生した。疑われているウイルスは外来種のハクレンに感染することが知られているが、米国で自然に棲息する魚類には感染しない。

現在のところ、今回の大量死に対してのいかなる公式声明もケンタッキー州魚類野生生物局の調査関係者たちからは出されていない。




ウイルスだとしても、「謎のウイルス」ということなのかもしれないですが、50万匹もの数のほぼ同種の魚が「1日か2日の間に一気に死亡した」ということになりそうです。




カリフォルニア沖での大量の海洋生物の死

これは、前回の記事では、

5月中旬、カリフォルニア魚類野生動物管理局の局員が、アンチョビ、アカエイ、タコなど、何十万という魚が南カリフォルニア海岸沖で死んでいるのを発見。

としたニュースで、今回の記事の冒頭にその報道を貼りました。

ここにも「いったい何が起きているのか」というような単語が見えますが、このカリフォルニアの大量死では、

・アンチョビ
・アカエイ
・タコ


など種類も生態も違いそうな生物の大量死が発見されたのだそう。

全部で 35000匹程度死んでいたのではないかと地元の天然資源漁業省は語っているそうですが、沖合でのものですので、正確にはわからないようです。

これも正確な原因はわかっていません。「カリフォルニアの熱波による水中の酸素不足」が有力視されているそうですが、それなら他の魚類も死んでしまっていても不思議ではない気もします。

いずれにしても、この後のものも含めて、「明確に大量死の原因がわかった」というものは極めて少ないです。中国での魚の大量死では、工場の排水など、いわゆる公害が原因であることがほぼ確定できるものも多いですが、その他の多くは、「よくわからない」というものがほとんどです。


また、カリフォルニアでは、アザラシや若いアシカたちが記録破りの数で死にかけているということも報じられています。

Young seals, sea lions starving in record numbers
 SFGate 2014.05.03

上の記事を抜粋して翻訳しますと、下のような感じのようです。


モントレー獣医科学センターの局長は以下のように言う。

「私たちが今ここで見ている動物たちは、基本的に飢えて死ぬ間際にあるのです。しかし、原因がまったくわからない。ミステリーとしか言いようがない。私たちは、この現象が今後も普通に続いていくことだけはないと信じたい」

4月30日の時点で、429頭のアシカ、アザラシ、オットセイが獣医科学センターに運び込まれた。これは、1988年に記録された1年間の記録を、すでに4月で上回っているということになる。




というようなことになっているのだそうですが、原因として考えられているのは、

・藻の発生による赤潮

・ムール貝、アンチョビ、イワシやニシンなど、アシカなどのエサとなる海洋生物に神経毒のドウモイ酸が蓄積されているという可能性


などだそう。

ドウモイ酸というのは Wikipedia によれば、


天然由来のアミノ酸の一種で記憶喪失性貝毒の原因物質。神経毒であり、短期記憶の喪失や、脳障害を引き起こし、死に至る場合もある。



とのことですけれど・・・仮にこれが原因だとした場合は、ムール貝、イワシやニシンなんかは人間もよく食べるものですけど、うーむ。

しかし、それらの要因も考えられるというだけで、この原因も特定はされていません。





ミシシッピのウミガメの大量死

ミシシッピ州の海岸では、「数十匹の死んだウミガメが海岸に打ち上げら続けている」という出来事が起きています。

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▲ 2014年4月29日の米国 WSMV より。


打ち上げられたウミガメの数は、上の記事がリリースされた 4月 29日までほぼ 40体。そして、この「ほんの数日」のあいだにも 10匹の死んだウミガメが打ち上げられているそうですので、その後も続いている可能性も強いかもしれません。

正確な原因はわからないようですが、上の記事に出てくる「国際海洋鉱物学会( IMMS )」の環境学者であるアンディ・コールマン博士( Andy Coleman, Ph.D. )が挙げた「可能性」は下のようなものでした。

・2010年のメキシコ湾のディープウォーター・ホライズン原油流出事故の影響

・海水温の極度の低下

・海水温の低下のための水中の食べ物の不足


などです。

また、ミシシッピ州では、死亡したイルカも数十頭打ち上げられているそうで、何らかの海の異変が起きていることは間違いがないようです。

メキシコ湾の原油流出事故との関係は微妙ですが、事故後に、メキシコ湾で魚の大量死が常態化した時期があったのは事実です(参考記事:メキシコ湾に漂着し続ける大量のイルカの赤ちゃん)。


また、過去記事の、

鳥と魚の大量死をめぐる報道より(3) 世界に拡大する大量死と磁場変動説。そしてコレキシットの幻影
 2011年01月06日

の中で、ロシア天然資源環境省の言葉を引用したプレスTV の報道をご紹介したことがありました。


Oil spill threatens 'total destruction'
Press TV 2010.05.28

原油流出は「完全な破壊」をもたらす

ロシア天然資源環境省は、BP社の原油流出が北米大陸の東半分のすべてを 「完全な破壊」 に導くだろうと述べた。

不吉なこのレポートは、メキシコ湾で起きている BP の原油流出とガス漏れから生じる差し迫った災害を警告している。欧州の連合タイムズは、「人類史の中で最悪の環境大災害と呼ぶにふさわしい」と報じた。

ロシアの科学者たちは、BP社がメキシコ湾での原油の流出の規模を隠すために、何百万ガロンもの化学石油分散薬の「コレキシット9500 ( Corexit 9500 ) 」を海洋に注入していると確信している。

専門家によると、 コレキシット9500は、原油そのものより4倍以上有毒な溶剤だという。この 2.61ppm のレベルの毒性を持つ溶剤が、メキシコ湾の暖水と混ざることによって、その分子が「相転移」すると科学者たちは考えている。

この転移は、液体をガス状に変える作用があり、ガス化した後には雲に吸収される場合がある。そこから、地上に「毒性を持つ雨」が放たれ、あらゆる生き物たちの生態系を滅ぼす「想像もつかないような環境の破滅的災害」を引き起こすかもしれない、とレポートにはある。




この「相転移」という現象により、「毒性を持つ雨が現在実際に降っているのかどうか」はわからないですが、そのような可能性に関して、ロシアの科学者たちは 2010年に発表していました。


いずれにしましても、本当に思うのは、

海が死ねば私たちも死ぬ

ということなのかもしれないとは思います。

感覚的な話ではなく、現実的な話として。



  

2014年05月04日



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最近、世界中の報道で頻繁に「謎の病気」( Mysterious disease )という英語を見るようになりました。あまりにも多いです。今回はそういう中のいくつかをご紹介したいと思います。

パキスタン・バジャウル

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▲ 2014年5月2日のパキスタンの英字紙 DAWN オンライン版 Mysterious disease claims lives of 14 women in Bajaur より。


上の記事の要約です。


バジャウルで、この1週間のうちに、少なくとも 14人の女性が謎の感染症により死亡した。

バジャウルからカールバンまでの山岳地帯の十数キロメートルの範囲を中心にこの病気の大流行が起きており、地元の人の話によると、病気が発生したのは1週間前で、感染したのは女性ばかり。現在も、死亡した 14名の他に多くの人が感染しているという。死亡した女性たちは、すべて 40代から 50代で、病気に感染する前には、健康上に問題はなかった。

被災地を訪問したパキスタン保健省の外科医は、多数の女性がこの病気に感染していたことを述べた。外科医は、「病状は深刻で致命的だが、我々は過去にこのような病気を見たことがない」と語った。保健省は、現在、病気の原因を見つけるための努力を続けていると述べた。また、該当地域に医療キャンプの設置が求められている。







病気の時代 2014年

人間にしても、あるいは動物にしても、どうも「様々な病気の拡大がやや異常にも思えるほど続いている」という感じがあります。今回は動物のことには触れませんが、アメリカの PED という豚の感染症での豚の死亡数が「 700万頭」にも達していることがナショナルジオグラフィック・ニュースに出ていました。

2014年になって「病気の時代」とタイトルをつけた記事が2本ありました。

病気の時代 : 致死率が 20パーセント台となっている中国の H7N9 の真相の謎。そして、カザフスタンで感染が拡大する謎の眠り病にタラビッチの予言した「未来」を思う
 2014年01月30日

病気の時代 : 太陽活動での地磁気の乱れが誘発するもの。そして「新種」の病気の出現に震え上がるアメリカ国民
 2014年02月27日


そういえば、最近は日本でも「再流行していることが奇妙に聞こえる病気」の報道を見ます。

たとえば、「くる病」です。

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▲ 2014年5月2日の毎日新聞「くる病:乳幼児に増える 母乳、日光浴不足、食事が要因」より。


くる病は、ビタミンDが極端に不足することで血中のカルシウム濃度が下がり、骨の変形などを引き起こすものですが、しかし、くる病など 50代の私の子どもの頃でさえ「過去の病気」でした

上の毎日新聞の記事によると、


1990年代はほとんどみられなかったが、2000年ごろから学会報告が目立ち始め、最近は臨床現場で珍しくなくなった。東大病院ではこの10年ほどで、診断したり他施設からの相談を受けたりしたケースが約100件に上る。



とのこと。

原因としては、上の記事では、

・母乳栄養の推進
・日光浴不足
・偏った食事

とありますが、どうもしっくりと来ません。母乳が出るお母さんなら母乳で赤ちゃんを育てるのは当たり前ですし、赤ちゃんの免疫そのものも母乳から得ている部分があります。

人類は何万年もの間、赤ちゃんを母乳で育ててきたわけで、「母乳で育て過ぎるのが良くない」というのはどうもわからないですし、何となく間違った意見だと感じます。

そもそも、後に書きますが、ビタミンDは「口からとらなくてもいいもの」です。

そして、「偏った食事」とありますが、これも離乳前に当てはめられる概念ではないように思いますし、基本的には食事とビタミンD不足はそれほど関係があるとは思えないです。

というのも、ビタミンDは基本的に「太陽に当たることで人間の体内で作られる」もので、食べ物にも含まれますが、食べ物からの摂取はなくても十分な量が体内で作られます。

となると、残る「日光浴の不足」が原因ということになってしまいますが、これもどうも合点がいかないです。

ビタミンDを体内で作るために必要な日光浴の時間は、ビタミンD 生合成 - Wikipedia によりますと、


ヒトにおいては、午前10時から午後3時の日光で、少なくとも週に2回、5分から30分の間、日焼け止めクリームなしで、顔、手足、背中への日光浴で、十分な量のビタミンDが体内で生合成される。



とあり、週2回、5分〜 30分の顔と手の日光浴なら、普通にベビーカーで散歩をしたり、あるいは単に買い物などで外出しただけでもなし得るはずです。

どうもわからない。

実は、他の病気も含めて、私は太陽活動と最近の病気の蔓延についての関係を疑っている部分がありまして、この「くる病」も「日光浴不足」のほうに問題があるのではなく、

太陽光線そのものに問題があるのでは

というように思える部分もあります。

話がそれるかもしれないですが、なぜ、太陽と病気(そして、血液内の白血球)との関係があり得るかということを書きたいと思います。




太陽は血液をコントロールしている。そして、血液にある「好中球」

過去記事の、

太陽と暴動。そして、太陽と戦争
 2014年03月04日

には、嶋中雄二さんの『太陽活動と景気』に書かれてある、ロシアのチジェフスキー博士の論文と、イタリアのビッカルディ博士の実験、そして、日本の東邦医科大学の血液学者だった高田蒔教授のそれぞれの研究を掲載しています。


チジェフスキー博士(20世紀初頭)

「チジェフスキーは、動物の血液、リンパ液、原形質等のコロイド電気変化が、太陽活動の変化やバクテリアの成長と平行関係にあることを突きとめた。」





ビッカルディ博士(1985年)

「太陽活動の変化に伴って、コロイド溶液の沈殿物が変化することを突き止めた。」




このビッカルディ博士の実験の意味はわかりづらいのですけれど、要するに、人間の体液も基本的にはコロイド溶液だそうで、つまり、「太陽とコロイドとの相互作用が人間の体内でも起きている」と考えることもできるかもしれないということです。


高田蒔教授(1951年)

「血液中のアルブミン水準を検査する指標である「高田反応指標」が太陽活動の変化により変動することを発見した。アルブミンは、血液の凝固を促進する有機コロイドである。」




これは、要するに、太陽活動が活発な時は「血液が凝固しやすい」ということで、このことについては、1935年にも日本の学者たちが確認していました。


そして、ここで「人間の病気と密接に結びついている血液の中の物質」としての好中球の存在を思い浮かべます。

好中球とは何かというと、 Wikipedia によりますと、


好中球は、白血球の一種である。主に生体内に侵入してきた細菌や真菌類を貪食(飲み込む事)殺菌を行うことで、感染を防ぐ役割を果たす。



というもので、細菌などから私たちの体を守ってくれているものです。
文字の説明より下のイラストの方が私にはわかりやすかったです。

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▲ 東邦大学メディアネットセンターのマクロファージ・好中球・単球より。


この、人間をバクテリアなどから守ってくれている好中球は5種類ある白血球のうちのひとつですが、「白血球と太陽黒点の関係」については下のグラフがあります。

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▲ 1957年1月から8月までの「白血球減少症と太陽黒点数の相関」グラフ。アイゼンク&ナイアス『占星術 - 科学か迷信か』より。


上のグラフで示していることは「太陽活動が活発になると、白血球減少症の患者が増加する」ということです。この「白血球減少症」というのは、「好中球減少症」とも言われるようで、白血球の 50〜60%が好中球なので、このように言われるようです。

好中球減少症はコトバンクによりますと、


好中球は感染を防ぐ機能に重要な役割をになっているので、好中球が減ってくると、とくに細菌や真菌に感染しやすくなります。



というもので、上のコトバンクにはその原因として、「原因としてもっとも多いのは、薬剤の使用が引き金になるものです」とありますが、上の「白血球減少症と太陽黒点数の相関」のグラフを見ると、あまりにも正確な相関を描いていて、太陽活動も非常に強く関係しているように思います。

そして、太陽活動が活発になった時に、たとえば、下のグラフのように感染症が流行しやすい傾向が示されています。

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▲ 赤痢、天然痘、猩紅熱、ポリオのそれぞれの地磁気活動との関係を示した 1971年の研究論文。記事「太陽活動での地磁気の乱れが誘発するもの」より。


感染症が流行する原因は単純ではなく、いろいろとあるでしょうけれど、実際に太陽活動の増加にしたがって「白血球が減る」という傾向がある以上は、

感染を防ぐ役割を持つ好中球の増減に太陽活動が介入している

ということも言えるのかもしれません。

太陽活動の何が関与しているかというと、以前の「人類のボスは誰ですか?」という記事で書きましたが、血液のヘモグロビンは、ヘムとグロビンというものから成り立っているのですが、そのふたつは、


・ヘム → 鉄
・グロビン → 反磁性(物質が外部の磁場と反対の向きに磁化される性質)



ということで、「人間の血液」とは「鉄と反磁性」という組み合わせからできているもので、つまり、「血液は磁気に反応する性質を持っている」のです。

なので、地球の地磁気の多くをつかさどる太陽が人間の血液に干渉する原因がこのあたりにもありそうです。

もちろん、太陽は他に紫外線なども含めて、多くの光線を発していますし、それに「もし太陽が何か異常な状態だとすれば」ですが、その場合はこれまで知られていないような、太陽の人間への影響もあるかもしれません

ここから、最近の世界の報道で「謎の病気」という言葉がタイトルとなっているものをいくつかご紹介します。





様々な場所で蔓延している「謎」とされる病気

謎の病気の「謎」というのは、「原因や、あるいは菌やウイルスがわからない。あるいは特定されていない」ものですが、この、ベトナムで拡大している謎の皮膚疾患は、2011年から流行が始まっていて、つまり、何年も経っているのに「謎の病気」とされていて、原因も治療法もわかっていないようです。

ベトナム

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▲ 2014年4月18日の Thanhnien News Mysterious skin disease kills girl in Vietnam より。

上の報道を短く要約しますと、


ベトナム・クアンガイ州で 14歳の少女が謎の皮膚疾患で死亡した。同州では、2011年以来、26人がこの病気で死亡している。少女は、ホーチミン市の子ども病院で、4月 14日に容体が悪化し、複数の臓器の障害のために4日後に死亡した。

この病気は 2011年 4月に発見されたが、世界で他に症例は報告されていない。それ以来、231人がこの謎の病気にかかっている。症状は、食欲不振、手と足の水ぶくれから始まり、次に、最初に肝臓、そして次第に臓器全体にダメージを与えるという経過で進行する。

有効な治療法は確立されていない。




というものです。

これは感染症ではなく、中毒(土壌汚染など)やアレルギーなどの系統の病気ではないかとされているそうですが、原因はよくわかっていません。




アメリカ・バージニア州

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▲ 2014年4月25日の WDBJ7 Four hospitalized with mysterious illness discharged from hospital より。


記事の概要です。


ニューリバーバレーの小さな集団の中で、謎の病気が発生しており、2名が亡くなっている。

保健当局は、人から人に感染するような公衆衛生上の徴候はないと言い、原因はわからないながらも、孤立して発生したように見えると語った。

現在、患者から採取したサンプルの試験が進行している。この共同研究には、バージニア州保健省とアメリカ疾病管理予防センター( CDC )が加わっている。




とのことで、アメリカ疾病管理予防センターが調査に関わっているあたり、それなりに深刻な可能性を持って対応しているようです。

記事の後半によると、どうも、非常に致死性の高い「ハンタウイルス肺症候群」を懸念している部分もあるようです。ハンタウイルス肺症候群は、日本獣医学会のハンタウイルス感染症によると、


発症後急速に呼吸困難を起こして高い死亡率(当初は50%以上)を示す急性の熱性疾患として、1993年、米国南西部の砂漠地帯で突然出現した。



というもので、

> 突然出現した。

という言葉が含まれています。

こういう言葉を見ると、パンスペルミアにも絡んで書きたくなりますが、これ以上、話がややこしくなるのも良くないですので、今回はふれません。

これに関しては、過去記事の、

太陽と火山の噴火とパンスペルミアのハーモニーが人間ひとりひとりの生と死を決定していると気づいた日
 2014年04月08日

の中で、


人間の生と死、あるいは進化も含めて、人間の生命活動は、

・太陽活動(地磁気と宇宙線のコントロール)

・火山噴火(地中深くのあらゆる生命と細菌の要素を空中に戻して循環させる)

・パンスペルミア(宇宙から細菌・ウイルスを含む生命の要素を地球にもたらす)


この3つにより、ほぼすべてが決定されている。




というようなことを書いています。

まあ、冷静に考えれば「すべて」というのは書きすぎで、「大半が」というようなことになるでしょうけれど。

ずいぶんと記事が長くなってしまいましたが、中央アメリカで 20年にも渡り続いているのに「原因は謎のまま」で、しかも、若い人を中心に今でも人々が死亡し続けているという切ない記事をご紹介して締めようと思います。

中央アメリカの太平洋沿岸地域

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▲ 2014年4月30日の NEPR より。

記事の概要です。


中央アメリカで、謎の腎臓病が主に男性たちを攻撃している。この病気の発症者は、太平洋沿岸の地域の男性の農業従事者に多く、特にサトウキビの伐採をする人々に集中している。

世界中の長年の研究にもかかわらず、科学者たちは、まだ決定的原因を特定することができていない。

また、この病気は比較的若い男性を死に至らしめている。ボストン大学での研究によれば、中央アメリカの過去 20年間の腎不全のうち、約 20,000人の死亡数がこの謎の病気に起因しているという。

原因はまったくわかっていないが、農薬が原因ではないかと主張する研究者は多い。また、一部の研究者たちは、呼吸器系の疾患を引き起こすハンタウイルスと関係しているかもしれないという。あるいは、地元の医師は、市販品の薬品の使いすぎを指摘する。

いずれにしても、この病気の原因は不明で、予防や治療法も確立されていない。





そういえば、中東で 100人以上の死者を出しているMERSというウイルスが、はじめてアメリカで患者が出たことが伝えられています。また、マレーシア、フィリピンでも死者が出ています。

米、初のMERSウイルス感染を確認 サウジに渡航の男性
 CNN 2014.05.03

マレーシア、フィリピンでMERSによる死者2人―東南アジアで初
 ウォール・ストリート・ジャーナル 2014.04.18

ゴールデンウィークは、日本人が数多く海外に行く時期ですが・・・・・まあ、気をつけようがないとはいえ、東南アジアではデング熱も大流行していて、昨年は、東南アジアから帰国した日本人も多く発症しています( 230名以上)ので、お気をつけ下さい。デング熱は致死率は低いですが、大変に苦痛が持続する病気です。

デング熱といえば、サッカーのワールドカップで、日本代表などが拠点を置くブラジルのサンパウロ州でも大流行していて、1月から4月の感染者が 1万 7000人を超え、過去最悪を記録しているそう。

W杯キャンプ地でデング熱拡大=過去最悪、日本代表に影響も−ブラジル
 時事通信 2014.05.03

デング熱を防ぐには「蚊に刺されないこと」しかないですので、サッカー観戦等で当地に行かれるような方々は、お気をつけください。

世界のどこも病気だらけです。



  

2014年05月02日



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昨日のロイターの記事に、

米オクラホマ州で薬物注射の死刑失敗、「拷問死」との非難も
 ロイター 2014.05.01

というものがありました。

報道の内容はタイトル通りのもので、このこと自体はともかくとして、この記事の中で、「え?」と思ったのが以下の短いくだりでした。


死刑情報センターによると、米国では現在、薬物注射が死刑執行の主な方法となり、1976年以来、約1200万人が薬物注射によって死刑に処された。



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「 1200・・・万人?


1976年から 2014年までの年数は 38年間です。
人口3億人程度の国で、38年で 1200万人が薬物で死刑?


「・・・誤植?」


そこで、アメリカ合衆国における死刑 - Wikipedia を見てみると、1977年以降のアメリカでの「連邦と軍隊と50州」、そして、特別区や自治領、あるいは信託統治領を含め、アメリカ合衆国全体の合計は 1,320人(2013年4月1日時点)となっていまして、ロイターの「万」というのは誤植のようです。

正しくは、薬物注射によって死刑に処された数は約1200人ということになりそうです。

「そりゃそうだよなあ」

と思いながらも、たとえ一瞬でも、こんな考えられもしない数を「本当かも」と信じてしまいそうになる「負の力」が、アメリカという国には確かにあります。

これは、過去記事の、

アイソン彗星が死んだかもしれない
 2013年11月27日

の後半に、記事のテーマとは関係のない「アメリカでは毎日2300人が「消えて」いる」というセクションを書いたことがありまして、その時の記憶が消えないということもあります。

America's Missing という記事を翻訳したもので、抜粋しますと、以下のようなものでした。


アメリカの行方不明者


アメリカの行方不明者の報告は、この 25年間のあいだに6倍増加している。1980年には約 150,000人だったのが、今年は約 900,000人にのぼる。この増加の理由のひとつには、アメリカの人口増加が関係しているが、しかし、現実には社会から疎外された人々の深刻な問題が存在する。

この、現在のアメリカでの「毎日 2,300人」という驚くべき数の行方不明者には大人も子どもも含まれる。

連邦政府は 2001年に 840,279人の行方不明者の数を発表した。そして、その中の約 50,000人は 18歳未満の少年少女であった​​。

さらに複雑な事件の分類として、米連邦捜査局( FBI )は、成人と子どもの両方を含むいくつかの行方不明事件の中で最も悲惨な可能性が考えられるケースを「死亡が懸念される」、あるいは「自分の意志での失踪ではない」というカテゴリーとして指定している。

この「死亡が懸念される」と指定される行方不明の子供たちは、毎年 100,000人以上にのぼる。そのうちの約 30,000人は、自発的な失踪ではないとされている。




また、2013年10月22日の CNN の報道には下のようにあります。


推定で毎年約 800,000人の子供たちの行方不明が報告されている。 2002年にアメリカ司法省によって発表された調査では、この1年間だけで アメリカで 797,500人の子供たちの消息が途絶えたことが報告された。



下の表はアメリカ司法省が発表した 2002年の1年間のあいだにアメリカで起きた「子どもの行方不明物数」と、その理由の表を日本語にしたものです。

ここには大人の行方不明は含まれていません

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▲ 2013年11月28日の記事「アイソン彗星は死んでいなかったけれど、世界のほうはすっかり死んでるみたいな」より。


「理由が不明の行方不明」が、1年間で 34万人も発生している国。

上の数をすべて合わせると、80万人を越えます。

たとえば、さきほどのロイターの記事にある「38年間」を賭けると、たった 38年間で 3,000万人以上の子どもたちが行方不明になっているという凄まじいとしかいえない数が弾き出されます。

多分、このあたりのことを上の記事を書いた時に計算していたので、「 38年間で 1,200万人の死刑」という数も抵抗なく読めてしまったのかもしれません。


そして、このことを知って以来、アメリカと「大量の人間が消える」という概念が、どうも結びついてしまっています

もちろん、行方不明の件数は「発生件数」ですので、その後、家に戻ったり、発見されたりする子どもたちも数多くいる一方で、そうはならなかった子どもたちもたくさんいることも事実だと思います。

このアメリカの行方不明の数・・・・・今読み返してみても、やっぱり異常です。





「犠牲」というキーワード

そして、私は上の記事を書いた昨年は気づかなかったですが、最近の記事、

「神の意志、あるいは悪魔の輪郭」 : 北緯 33度線にある韓国の済州島。そして「血の月」の連続と共にユダヤ教では祭りに突入
 2014年04月18日

の後半の「神が与えようとした厄災を避けるための犠牲」というセクションで、ユダヤ教の重要な祭典である「過ぎ越し」について書いています。

この過ぎ越しは、 過越 - Wikipedia によると、


神は、エジプトに対して十の災いを臨ませる。その十番目の災いは、人間から家畜に至るまで、エジプトの「すべての初子を撃つ」というものであった。

神は、戸口に印のない家にその災いを臨ませることをモーセに伝える。つまり、この名称は、戸口に印のあった家にはその災厄が臨まなかった(過ぎ越された)ことに由来する。




というもので、「戸口の印」というのは、殺した子羊の血で、それを家の戸口の鴨居の上と左右に塗ります。

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Passover Lamb: A True Story より。


旧約聖書「出エジプト記」 12章 21節には、

「さあ、家族ごとに羊を取り、過越の犠牲を屠りなさい。」

というモーセの言葉があります。
23節には、

「主がエジプト人を撃つために巡るとき、鴨居と二本の柱に塗られた血を御覧になって、その入り口を過ぎ越される。」という、やはりモーセの言葉があります。


そんなわけで、過ぎ越しの祭というのは、もともとは、

初子を厄災から守るために子羊を犠牲にする

という「犠牲」の上に成り立っている宗教的式典でもあるわけです。


このことと、アメリカの子どもたちの行方不明が関係あるといっているわけではないですが、「ほんの一握り」は関係あるのかもしれないとも正直思うこともあります。

そして、最近の記事の、

赤い月と黒い太陽: 2014年から 2015年まで「4回連続する皆既月食」がすべてユダヤ教の重要宗教祭事の日とシンクロ。そして、過去の同じ現象の時に「イスラエルの建国」があった
 2014年04月06日

では、今年の 4月 15日から始まり、来年 2014年 9月 28日まで続く「ユダヤ教の宗教的祭事と4連続する皆既月食のシンクロ」のことを書きました。

過去に同じような出来事があった時に、

・イスラエル独立戦争(第一次中東戦争 / 1948-1949年)
・六日戦争の年(第三次中東戦争 / 1967年)


が起きて、イスラエルが建国されたことを書いています。


考えてみれば、戦争という出来事そのものが「大きな命の犠牲」を払っておこなわれるものですが、上のうちの第三次中東戦争での、

・イスラエル側の死者
・アラブ側の死者


について、第三次中東戦争 - Wikipedia に詳細に記されています。
それが下の表です。

arb-israel.gif

戦力の数そのものは、アラブ連合のほうがはるかに多く、航空機の数もアラブ側が圧倒しているのに、「その死者数」の差。アラブ連合が 21,000人、イスラエル側は 779人、という、とんでもない差となっています。

イスラエル側の奇襲と、電撃作戦によるものだそうですが、戦争は6日間でイスラエル側の勝利となり、 この戦争で、


イスラエルの占領地域は戦前の4倍以上までに拡大した。



という出来事でもありました。

いかなる戦争にしてもそこには「犠牲」が生じます。

そういえば、関係ないですけど、イスラエルのネタニヤフ首相が 5月 11日から、公式実務訪問賓客として来日すると、外務省のホームページに書かれてありました。まあ本当に全然関係ないですけど。

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▲ 2014年4月25日の外務省ホームページより。






抗生物質への耐性菌が跋扈している

最近はいろいろと疑い深くなっているということもあるのか、マレーシア機の失踪にしても、韓国での事故にしても、あるいは、つい先日の、格安航空会社の旅客機が那覇空港付近で海面に異常接近した「人為ミスの疑い強まる ピーチ機の海面異常接近、機体に異常なし(産経新聞 2014.04.30)なども含めて、どんなことにも「つながり」を感じてしまう次第です。

それは、「見えるつながり」だけではなく、「見えないつながり」といったような、書きようによっては完全にオカルト的な世界観も含みますが、今年 2014年から起きようとしていることの中に感じてしまう「犠牲」というキーワードの概念が頭から離れません。

病気で人が亡くなるのもウイルスやバクテリアによる「犠牲」ですが、先日、 WHO は、「世界中で抗生物質効かなくなっている」という報告を出しました。

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▲ 2014年5月1日の NHK 「WHO 耐性菌感染 世界で広がっている」より。

以下のような報道でした。


WHOは耐性菌の世界的な感染状況を調べるため、114の加盟国から提供されたデータを基に、黄色ブドウ球菌など7つの細菌について、従来は効果が見られた特定の抗生物質が効かなかった例を報告書としてまとめ、30日、発表しました。

それによりますと、黄色ブドウ球菌の場合、アフリカや南北アメリカの一部の国で、抗生物質のメチシリンを投与しても80%から90%の患者に効かなかったということです。

肺炎などを引き起こす肺炎かん菌でも、アフリカを中心に多くの国で50%以上の患者に抗生物質を投与しても効かなかったと報告されるなど、世界中で耐性菌の感染が広がっているとしています。




この


投与しても80%から90%の患者に効かなかった



というのは、この地では抗生物質が何の役にも立たないという状況を示しています。


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▲ その報告が発表された2014年4月30日の WHO ウェブサイト Antimicrobial resistance: a serious threat to public health より。


抗生物質はいろいろと悪者扱いされることが多いですけれど、確かに、現在の日本のように「風邪を引いただけで抗生剤を出す」などの気軽すぎる処方はいいとは思わないですけれど、現在でも、多くの重大な病気、あるいは怪我や手術の治癒などにとって、大変に重要なものです。

私は数年前に、胃潰瘍で胃の複数から同時に出血し、真夜中に吐血して緊急手術を受けたことがあります。橋本龍太郎さんが死亡した病院に遠くから緊急搬送されて、ちょっと違ったら死んでいたほどの吐血でした。

胃潰瘍になった原因は「ピロリ菌」というものが私の胃にあったということがあります。

これは日本人には特に多く、また、次の日経BPネットのタイトル、

50歳以上の日本人の8割がピロリ菌に感染、年間10万人が胃がんを発症 ― これからは「除菌」で胃潰瘍・胃がんを防ぐ
 日経BP 2013.05.17

とあるように、50代( 40代以上でも同じくらいの割合だと思います)のほとんど人が持つこの「ピロリ菌」というものが胃潰瘍と胃がんの大きな原因であることが確定していまして、このピロリ菌を除菌すると、胃潰瘍や胃がんになる確率が低くなります(胃潰瘍に関しては、直接的な原因としては、ピロリ菌の他に解熱鎮痛剤があります)。

上の記事には、


胃・十二指腸潰瘍の患者の約 90%がピロリ菌に感染しており、ピロリ菌が除菌できた場合は潰瘍の再発が著しく抑えられることがわかっている。



という部分がありますが、私も「除菌」をしたのですが、これに使うのは「非常に強力な抗生物質」です。ピロリ菌駆除 - 薬服用日記 というページにありますが、

・サワシリンカプセル250mg × 3錠 ペニシリン系の抗生物質
・クラリス錠200 × 2錠 マクロライド系の抗生物質


これだけの抗生物質を、朝晩、5錠ずつ飲むという治療です。

これだけ大量の抗生物質を服用し続けるので、人により強い副作用がありますが、胃潰瘍の再発防止と胃がんの予防には最も近道でもあり、私も行いました。


また、結核の薬であるストレプトマイシンも抗生物質ですが、作家の埴谷雄高さんは、若い頃から結核で、NHK のドキュメント『死霊の世界』の中で、埴谷さんは以下のように語っていました。

1950年頃、人生で四度目の結核を再発し、10年に及ぶ長い療養の中で「ストレプトマイシン」がこの世に出た後からの話です。


『埴谷雄高 独白 死霊の世界』よ

僕にしても、吉行淳之介にしても、それから探偵小説を書いている結城昌治にしても、結核で助かったのはみんなストレプトマイシンのお陰ですよ。ストレプトマイシンが出る前に発病したら、それは死んじゃっていますよ。だからストレプトマイシンというものが出た後に(結核に)なったやつはみんな幸い。吉行たちは幸いでしたよ。

だからストマイがなければ僕は死んでいたでしょうね。

ストマイはですね、1クールが 40本、1週間に2本打つわけですよ。だから、その 40本打つのもかなり時間がたつわけですけど、2クール打つと 80本打つわけです。そうすると、耐性菌といってストマイに抵抗する菌が出てくる。だから、2クール以上打てないのですよ。そうするとヒドラジッドというのがちょうどそのときできてですね。




というようなことを書いていて、とりあえずその世の中、あるいは現在の世の中でも、抗生物質以外では治すことが難しい(できないとは書きません)病気は数多くあります。それだけに、重大な病気のいくつかにおいて「抗生物質が効かなくなる」というのは非常に大変な事態ではあると思います。

過去記事の、

抗生物質に代わる物質がドイツの機関で特定される(短鎖ペプチド)
 2011年06月09日

という記事には、


2010年には抗生物質に耐性を持つ結核に50万人が感染し、その3分の1が死亡した。



という記述があり、耐性菌は様々な病気に広がっているのが現状です。

2014年で思う「犠牲」というキーワード。
その強迫観念を捨て去りたいですが、なかなか強い強迫観念となっています。



  

2014年02月27日



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▲ 2014年2月25日の Spaceweather より。






 



うちの子どもが行っている小学校で、6年、5年、4年、そして1年生のクラスでインフルエンザ(主にB型)による学級閉鎖が起きています。「学級」閉鎖とはいっても、今はどこでも子どもの数が少なく、この小学校も多くて3組、少ない学年では2組ですので(しかも1クラスが二十数人)、事実上は学年閉鎖みたいな感じのようです。

私の子どもの頃は、人口の多くもない北海道の片田舎の小学や中学でも1学年40人くらいで8クラス以上あったように記憶していますので、本当に今は子どもが少ないです。




今後の数日の地磁気の乱れに際して

それはともかく、上の写真は 2月 25日に太陽が放った「X級の太陽フレア(太陽面爆発)」の様子です。この規模のものは本当に久しぶりかと思います。フレアも CME (コロナ質量放出)も地球の方には面して発せられてはいないですが、爆発の規模が大きかったので、地球の磁気の乱れや影響はあると思います。影響があるとすれば今日(2月27日)くらいから始まると思われます。

そして、太陽活動で地球の地磁気が影響を受けると、体調と精神面にも影響を受ける人が非常に出やすいと個人的には思っています。

そのあたりを、過去記事、

「真実の太陽の時代」がやってくる(1):私たち人類は何もかも太陽活動に牛耳られている
 2013年07月11日

などでも取り上げたことがある嶋中雄二著『太陽活動と景気』から抜粋させていただきます。第6章「太陽活動と人間の生理」からです。適度に改行しています。


太陽活動と健康・精神

ロシアのペテルブルグ市とスヴェルドロフスク市における救急車の出動記録によれば、太陽活動が活発な日には、静穏な日に比べて、心筋梗塞と狭心症の発作が約 20%多い。

また、ロシアのいくつかの都市における多数のカルテを統計的に処理した結果、入院患者数は、太陽活動が盛んになる時期に増加していた。

フランスの医師サルドゥーと天文学者ヴァロの二人は 276日の期間をとり、心筋梗塞や卒中発作などが、黒点が太陽の中央子午線を通過したときに、84%の確率で起こることを明らかにした。

マリンとスリースターヴァは、1979年、こうした線に沿って、より長期間のデータの分析を行った。

彼らは、1967年から 1972年の6年間にわたって、二つの病院に入院した 5,000件の救急心臓症例を、毎日の地磁気活動指標と関連づけた。季節調整済みで月次データの比較を行った結果、彼らは、相関係数 0.4 から 0.8 の範囲の優位な相関を見いだした。下の図はその全般的結果を示したものである。


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▲ 上の線は6年全体にわたって平均化された1年の各月における地磁気活動を示している。下の線は心臓緊急事例で日々入院した数を示している。



この他に、以下のような例が『太陽活動と景気』に記されています。

・ロシアの研究 → 黒点の出現から2〜3日の自動車事故の件数が、黒点の少ない時の4倍に達したことを報告。

・ドイツの研究(1960年代) → 太陽嵐や磁気活動が活発になると、自殺数が8%増加することを見いだす。

・アメリカの研究(1963年) → 精神病院への入院数が太陽活動と地磁気の乱れと相関していることを発見。



他にも、産業事故との関係、また、感染症も地磁気活動と相関関係があることがわかっています。

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▲ 前田担著『生物は磁気を感じるか - 磁気生物学への招待』(1985年)より。


ところで、上のグラフに「ポリオ」というものがあります。

かつては「最悪の場合、手足が麻痺し、一生その症状が残ることもある」ということもあり、非常に怖れられた主に子どもの病気でしたが、予防接種の世界的な展開により、現在は日本はもちろん、多くの先進国では「根絶」されました。

しかし、今、アメリカで「新種のポリオのような症状の病気の発生」が起きており、アメリカ全土を震撼させています。






米国カリフォルニアで拡大する悪夢のような病

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▲ 2014年2月25日の英国インディペンデント Doctors fear return of ‘polio-like’ disease after 25 cases in California より。


この病気が発生しているのはカリフォルニア州だけで、現在、少なくとも 20名以上の子どもが、同じ病気に感染している疑いがもたれています。上の写真に写っている女の子は2年前に発症した現在4歳のソフィアちゃんという女の子と、その母親だと思います。

母親によれば、ソフィアちゃんは呼吸器疾患の後、左腕が麻痺し、2年後の今も動かないとのことで、

「ソフィアはオモチャを取りに行って、そのまま腕が動かなくなりました。今でもそのままです」

と述べています。

これらのカリフォルニアの症例が痛々しいのは、患者が全員、子どもだということで、しかも、「感染症であった場合、今後拡大する可能性がある」ということです。患者の子どもたちの様態は一様に深刻なようです。

なお、患者の子どもたちは全員、ポリオのワクチン接種を受けています。
何より、アメリカもポリオは根絶されています。

患者の子どもに接点がなく、また、渡航歴もないことなどから、「カリフォルニアで独自に発生した」という可能性もある模様。


カリフォルニアは、今年、インフルエンザの致死率も非常に高く、今シーズンのカリフォルニアだけで、278人が死亡していて、どうもアメリカ西部は病気の足音が大きく聞こえているというような感じはあります。

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▲ 2014年2月22日の UPI より。


しかも、今シーズンのアメリカのインフルエンザは、どうも「ややスペインかぜと似ている部分がある」という部分も感じられます。

そう思う理由は「高齢者より若い世代の方が多く死亡しているから」です。







カリフォルニアの「スペインかぜ」のようなインフルエンザ

CNN から抜粋します。


今年の米国のインフルエンザは「若い世代」を直撃
CNN 2014.02.24

米疾病対策センター(CDC)がこのほどまとめた統計で、今シーズンのインフルエンザは前年に比べて65歳未満の患者が大幅に増えていることが分かった。

それによると、今シーズンにインフルエンザ関連の症状で入院した患者は、18〜64歳の層が61%を占め、前年の約35%を大幅に上回った。

65歳未満の死者も例年以上に多く、死者の半数強は25〜64歳だった。昨年の死者に占めるこの世代の割合は25%未満だった。




というものだったのです。

スペインかぜの時も、幼児や高齢者ではなく、「元気な青年が中心で死んでいった」という特徴があります。

2006年の日経BP net に「多くの若者を殺した「パンデミック」の真実」という記事があり、その下の部分で、1918年に始まったスペインかぜのパンデミックの特徴がおわかりになるかと思います。


インフルエンザウイルスは毎年、慢性疾患や免疫力の低下している患者、小児やお年寄りを中心に数多くの命を奪っている。

だが、1918年の「スペイン風邪」のインフルエンザウイルスでは、20歳〜40歳代の若者たちが最も多く亡くなっていたことに大きな特徴があった。




これは1920年当時の日本での調査でもハッキリと数値にその傾向が現れています。

かつて、東京都健康安全研究センター年報で、「日本におけるスペインかぜの精密分析」という書類がネット上にありまして、下は5年くらい前にクレアに載せた、そのデータです。


1918年から1920年の日本でのスペインかぜの精密分析より

1918年の死のインフルエンザ(クレアなひととき 2009年04月27日)より。

死亡者数

1918年 男子34,488名,女子35,336名
1919年 男子21,415名,女子20,571名
1920年 男子53,555名,女子54,873名



死亡者年齢の分布

男子
1917-19年 21-23歳の年齢域で死亡者数のピーク
1920-22年 33-35歳の年齢域で死亡者数のピーク

女子
1917-19年 24-26歳の年齢域で死亡者数のピーク
1920-22年 24-26歳の年齢域で死亡者数のピーク




最も体力のある世代が集中的に亡くなっている状況がおわかりかと思います。

どうしてこのようなことになったのかの理由は今でも結論は出ていません。サイトカイン・ストームという過剰免疫を理由だとする主張もありますが、そのあたりも不明です。

今年のアメリカのインフルエンザも、「若い世代のほうが多く亡くなっている」ということがあり、ふと、スペインかぜを思い出したのでありました。


あと、最近の「病気関係」で気になるのは、マレーシアでの爆発的な「デング熱」の増加と、北朝鮮で拡大が続いている「口蹄疫」です。






デング熱の恐ろしさ

以前は「デング熱」なんて病気は知らなかったですし、致死率から見れば、そんなに恐ろしいものではないよなあ、とか思っていたのですが、だいぶ以前、海外の人の記事で「デング熱の症状」を読んだ時に寒気がするほどの恐ろしさを感じたものでした。

ありとあらゆる苦痛を人間にもたらす病気のひとつ」といえるかもしれません。


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Wikipedia より、デング熱の症状。


そのデング熱がマレーシアで爆発的に増加しています。

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▲ 2014年2月18日の Channel News Asia Malaysia wages all-out war against dengue outbreak より。


実は、現在、マレーシア、シンガポールなどの東南アジア地域では記録的な干ばつが続いています。その中でデング熱の感染例も急激に増大しているということで、今年だけでマレーシアでは 1万2000人が発症。これは平年の4倍の数字だそう。

そしてですね。

このデング熱の症状ですけど、日本人で発病経験のある方がいて、その治療の記録が書かれたブログを見つけたのでした。Travel Chopstick というサイトで、どうも世界中の食べ歩きをされている旅行人の片のようですが、その中の

デング熱の恐怖6 緊急処置

というページから文字を抜粋します。

インドで発症して、インドの病院で治療を受けたようです。


痛みはだんだん増してきた。歯が痛み、頭が痛み、肘、膝、骨、背中、皮膚の腫れぼったい痛みと痒み。

全てが同時に襲いかかってくる。

デング熱の別名は、「Break Bone Fever」。その名の通り、骨が折れるような痛みが続くのだ。出血熱になるとなおさら強まる。

右腕がだんだん真紫に変色していき、そのエリアがどんどんひろがっていくのだ。もののけ姫のアシタカ?のようだ。ぼーっとしながらそんな事を考えてたような気がする。

紫色への変色原因は、血圧計だった。毎朝、血圧が測定される。血圧計の圧迫だけで、腕の毛細血管や筋肉組織がことごとく切れてしまっていたのだ。





これが何日も何日も続くのです。

上の記事の下のほうには、このように書いてあります。


(自由にしてください、僕の体がどうなってもいいから、この今の辛い状況から早く逃げたい。)

生きたいとか、死にたい、とかじゃなかった。とにかく、この辛さからぬけだせればなんとでもよかった




以前読んだ海外の人のサイトにも同じような苦しい体験記が書かれてあり、デング熱がどれだけ苦痛をもたらす病気かということをその時に初めて知りました。

そして、このデング熱は、感染者数も、そして感染地域も拡大しています。

下は 2010年の分布図です。

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厚生労働省 FORTH より。


その前の 2004年に国立感染症研究所に掲載されていた地図では下のようになっていました。

den-2004.gif

感染症情報センター「デング熱」より。



数年前までは、アメリカも中国もオーストラリアの多くもデング熱の発生地域ではなかったものが、2010年には発生のリスクがある場所となっています。

地図を見ている限りは、朝鮮半島や日本に上陸するのも時間の問題のようにも見えます。

ちなみに、デング熱は「蚊」が媒介する病気ですので、蚊が住めないような環境なら病気が発生することもないですけどね。


そんなわけで、病気のニュースが多くて、それらを長々と記してしまいました。

ところで、上で書きました「北朝鮮の口蹄疫」ですが、17地域へ拡大しています。

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▲ 2014年2月21日の韓国 Daily VET より。


韓国政府は北朝鮮への支援を表明しましたが、北朝鮮からの返答はないようで、場合によっては、感染地域がさらに拡大するというようなこともあるのかもしれません。


いずれにしましても、最初のほうに書きましたように、Xクラスの太陽フレアのために数日間は地球の地磁気が乱れるとも思いますので、体調、精神面などにお気遣い下さい。



  

2014年01月30日



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▲ 2014年1月27日の 21CN 新聞より。






 


昨日の記事のテーマが「悪魔」で、今日は「病気」と暗い話題が続いてしまいますが、この病気というものの正体も「生き物のようで実際には生き物ではない存在」であるウイルスが主体となっているものが多く、ウイルスという存在自体はとても悪魔的でもあります。

それにくらべると、細菌(バクテリア)は我々と同じ「生き物」で、細菌もまたウイルスに「やられる」立場であるわけで、「神 vs 悪魔」の戦いになぞられれば、病気の世界は「生き物 vs 非生き物」の戦いだと言えそうです。

今回はまず実際問題として、私たち日本人にも脅威となりかねない中国の鳥インフルエンザの状況を記してみます。中国政府が上の記事のように、なかなか怪しい行動をとっていることもわかります。





致死率が 20パーセント台になっている中国の鳥インフルエンザ H7N9

最初に貼りました記事は 1月 27日の中国の報道で、「鳥インフルエンザの患者の治療にあたっていた医師が死亡した」というニセ情報を流したという理由で、男性が「逮捕」されたというニュースです。

この記事で逮捕された男性は、10日間勾留され、500元(日本円で約 8500円)の罰金の支払いを命じられ、釈放されたとのこと。この程度のことで逮捕にまで乗り出すというのは、中国当局が鳥インフルエンザの情報に敏感になっている状況が伺えます。


ただ、上の逮捕理由は多少怪しいのですね。


下のは上海市衛生当局の「公式」のウェブサイトで、 2014年 1月 20日の患者発生について記されています。

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▲ 2014年1月20日の上海市衛生局の鳥インフルエンザの患者数報告ウェブサイトより。


上に示しましたように、医師とは書かれてはいませんが、「 31歳の医療関係者の男性が死亡」とあります。このことはブルームバーグでも報じられています。

なので、逮捕されてしまった男性の「ウワサ」は、「医療関係者を医師としてしまった」部分だけとなるのですかね。いずれにしても、このような「ウワサのレベル」の出来事を大きく報じるのはウワサの拡散への抑止効果を狙っているのかもしれません。

何しろ、現在までの今年の中国全土の患者数と死亡者は以下の通り。

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▲ 2014年1月28日の人民網より。


患者数が 102人で、死亡者数 20人ということは、致死率が 20パーセント台となっていることがわかります。中国は鳥インフルエンザの治療に国家の威信をかけていると思いますので、国家の最高レベルの治療を受けてこの状態だと言っていいかと思います。

そして、これは多分ですが、実際の数字はもっと大きいはずです。なぜなら、患者が最も多い浙江省では、最初「1人」という報告が、あっという間に「 49人」となりましたので、1日単位で患者数や死亡者数は変動しているようです。報告も省によってはずさんな面もありそうですし。

ちなみに、その浙江省というところの状態を見ると、今回のインフルエンザの毒性の強さをうかがい知ることができます。 newsclip の「浙江省で H7N9 インフル猛威、患者数は累計49人に」という記事には下のようにあります。


中国沿海部の浙江省で、鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染が広がっている。

同省の衛生計画生育委員会は27日、「H7N9」感染の患者数について、これまでの累計で国内最多の49人に拡大したと発表。うち1人は健康回復後に退院したものの、12人が死亡し、36人がまだ入院治療を受けている実態を明らかにした。




49人のうち、12人の方が亡くなり、残る 37人のうち 36人はいまだに入院治療が続いているということで、これはつまり、現時点では完治した人は「たった1人だけ」という状態

ここから考えても、この「 H7N9 」というインフルエンザは、感染力は弱いながら、非常に毒性の強いインフルエンザである可能性があります。

仮にこんなインフルエンザが、「強い感染力を獲得した」場合は、かなり大変なことになりますけれど、今のところは大丈夫のようです。

ちなみに、浙江省というのは大都市上海のすぐ近くです。

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▲中国・浙江省の場所。





数億人の人々が移動する時期に

中国当局が情報に敏感になっているのは、今が、中国で最も大きなイベントである「旧正月」であることで、人々の移動がすでに始まっているということもあるかと思います。何しろ、旧正月で見込まれている移動数は下の通りの圧倒的なものです。

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▲ 2014年1月16日の大紀元「旧正月の大移動が始まる のべ36億人超」より。


仮にこんな大規模な移動の中で、人から人へ容易に感染したりする種に「変異」した場合は・・・まあ、とても厄介なことになる可能性はあります。

ただ実は・・・人から人への感染は数は少ないながら、すでに起きているようなのです。
下は朝日新聞デジタルの記事からの抜粋です。


鳥インフル、人から「限定的な感染」 中国、警戒強める
朝日新聞デジタル 2014.01.28

中国で感染が拡大している鳥インフルエンザ(H7N9)で、中国国営新華社通信が27日、「浙江省で人から人への限定的な感染が起きている」と報じた。

これまで中国政府は、H7N9型の診療指針で、「限定的で、持続的ではない」との条件付きながら、「人から人への感染は排除しない」との見解を示すなど可能性については認めていたが、今回は発生そのものを認めた。

ウイルスが変異して、人から人へ感染しやすくなれば、世界的大流行(パンデミック)につながる恐れがある。東北大の押谷仁教授は「十分な警戒が必要だ」と強調している。




とのことです。

まあ・・・しかしですね。

浙江省の「 49人のうち 1人しかサバイバルしていない」という状況を見ると、どうやら治療はあまり効果がない可能性もありまして、仮にパンデミックになってしまったら、あとは「」ですかね。

1918年のスペイン風邪(鳥インフルエンザのパンデミック)の時も、長崎大学名誉教授の松本慶蔵さんの書かれたこちらを読みますと、「全世界の2人に1人は感染して、4人に1人が発症した」とのことですが、「何がそれをわけたのか」はわからないです。免疫を持つ人は1人もいなかったのですから。

感染した人と感染しなかった人、あるいは、「発症した人と発症しなかった人」の差の理由はわからないです。

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▲ 上のサイトより、南北戦争や世界大戦などの戦争での死者と、スペイン風邪での死者の数を比べたグラフ。スペイン風邪の死者数は、「第一次世界大戦と第二次世界大戦と朝鮮戦争とベトナム戦争を合わせた死者数をすべて足した」よりも多いことがわかります。



というわけで、鳥インフルエンザの記事はそんなに多く書くつもりではなかったのですが、何だか長くなってしまいました。

今回はもともと、カザフスタンで流行しているという「眠り病」の報道のことを書こうと思っていたのですが、中国の鳥インフルエンザは身近でもありまして、そちらを長く書きました。

カザフスタンの「眠り病」の記事の翻訳をご紹介しておきます。





「歩きながら突然眠ってしまう」カザフスタンの謎の病

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▲ 2014年1月28日のロシアのメディア svodka より。


カザフスタンのアクモラ地域という場所にある小さな村で「突然、睡眠に落ちる」というような病気が流行していて、その原因がつかめないのだそうです。

「強い睡眠障害」というと、場所や状況を選ばず強い眠気の発作などが起きるナルコレプシーという病気を彷彿とさせますが、カザフスタンのは「感染症のように次々と人々がこの状態に陥る」ということで、ナルコレプシーのようなものとは関係ないようです。

しかも、感染症のようでも、「それぞれの患者に接触がない」ことがわかっているようです。

また空から何か病気がやってきたのかもしれないですし、他の原因なのかもしれませんが、短く記事をご紹介します。イタルタス通信の記事を短く紹介していたものです。




Una extraña enfermedad adormece a los habitantes de una aldea de Kazajistán
Entorno Inteligente 2014.01.27


奇妙な病気が、カザフスタンの村の住民を襲う


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▲ カザフスタンの「眠り病」を伝える現地の KTK ニュース。YouTube より。


カザフスタンの小さな村の住民たちは、日中、突然深い眠りに入ってしまう奇妙な病気の流行に直面している。医師たちもこの不思議な現象を説明することができないでいる。

この病気にかかると、文字通り「人々は歩きながら眠りに落ちる」というような状態になることをロシアのタス通信は伝えている。

この疾患は、14歳から70歳までの、少なくとも十数人が、医療センターに赴き、それぞれが同じ症状を訴えたことが昨年から報告されている。それぞれに接触はなかったという。

主症状は脱力感、部分的な記憶喪失、強い眠気と意識障害などだ。

医師たちは、当初はインフルエンザや呼吸器系の疾患だと考えていたが、その後、それらの原因は否定された。また、アルコール、薬物、水質などの原因も排除されている。この村の近くには、ソ連時代に爆発したウラン鉱山があり、そこからの放射を考慮する必要を主張する医者もいる。

村人たちはこの奇妙な現象について非常に懸念しており、早期の保健当局の調査を求めている。





というものです。

原因は今のところはわからないということで、確かに奇妙な病気ですが、私がこの病気を取り上げたのは、単に奇妙というだけではなく、ある予言者の言葉を思い出したのでした。






思い出すタラビッチの言葉

過去記事の、

私たちに残されたかすかな「破局の回避」の可能性のために(1): 「人類のひとりと宇宙は同一のもの」
 2013年03月24日

という長い記事の最後のほうで 19世紀のセルビアの予言者であるミタール・タラビッチの予言を載せたことがあります。

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▲ ミタール・タラビッチ( 1829 - 1899年)の写真。


その中に、


この戦争を戦う者たちは、科学者に命じて奇妙な大砲の弾を作らせる。それが爆発すると、人を殺すのではなく、まるで人間や動物に呪いをかけるようになる。その呪いで人々は戦うかわりに眠りに眠りこむ。



という奇妙な下りがあり、この「その呪いで人々は戦うかわりに眠りに眠りこむ」という部分を思い出しのでした。別に何かの関係があるわけではないでしょうが、参考までにこの部分の下りにいたるとこころから少し抜粋しておきます。




ミタール・タラビッチの「クレムナの予言」の後半


しかし、時はすでに遅い。悪意をもつものたちが全世界を荒らし回っており、巨大な数の人々が死に始めるからである。

人々は都市から逃げ出し、田舎に避難する。
人々は十字が三つ並んだ山を探す。
その中では人々は生きていくことができる。
その中に逃げ込んだものたちは、自分も家族も救うことができる。
しかし、それも長くは続かない。

なぜなら、次にものすごい飢饉が世界を襲うからだ。

この飢饉は通常の飢饉ではない。
町や村には十分に食べ物がある、だが、それらは汚染されている。
飢えた人々はそれを食べるが、食べると死んでしまう。

怒りくるったものたちによる攻撃が始まる。
戦争が始まるのだ。

この戦争を戦う者たちは、科学者に命じて奇妙な大砲の弾を作らせる。それが爆発すると、人を殺すのではなく、まるで人間や動物に呪いをかけるようになる。その呪いで人々は戦うかわりに眠りに眠りこむ。

三つの十字のある山に逃げ込んだ者たちだけが避難場所を見つけ、愛と幸福に満たされ、豊かに暮らすことができる。

そして、その後はもう戦争は起こらない。





百数十年前に上のようなことを言っていたミタール・タラビッチの予言のこの部分は、状況的な時間軸から見れば、現在あたりなのですよね。

そのことをふと思いました。

 > 悪意をもつものたちが全世界を荒らし回っており

なんてのも、昨日「悪魔 vs キリスト教の戦いが世界中でエスカレートしている」を思い出したり。

いろいろとどうなりますかね。

書いていて、自分で不安に突入してしまう輪廻に陥ったりしたわたくしであります。



  

2013年09月13日



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先日、地球の記録に、

米国ニューメキシコ州の牧草地で 100頭以上のエルク(ヘラジカ)が謎の大量死
 地球の記録 2013.09.06

という記事を書きました。

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▲ 上の記事より、ニューメキシコ州の牧草地に点々と転がるエルクの死体。






 


記事ではわかりやすくヘラジカとしたのですが、アメリカなどで「エルク( ELK ) 」という名称で親しまれている角のある動物は、日本でいうヘラジカとは違うもので、日本名では、アメリカアカシカという動物だそうで、下のように角も細くて、どちらかというと大型動物なのに可憐な感じのする動物です。東北アジアと北アメリカに住む動物とのこと。

elk-usa.jpg


現地の記事では、原因に関して EHD と呼ばれる伝染性の出血性疾患の可能性があると書かれていますが、確定しているわけではないようです。

いずれにしても、上の出来事が9月の始めでした。

その後の1週間ほどで、動物に関しての「大量死」などの報道が多いこと。




海でも川でも陸地でも「何かが進行している」雰囲気


今回は、報道の内容をそれぞれ短くご紹介するだけで終わってしまうと思いますが、最近、私は、動物とは違う話ではありますけれど、

・世界中で大発生する「虫」がいる

・その一方で(ミツバチのように)激しく現象している「虫」がいる


ということが気になっていました。

虫の大量発生に関しては過去記事で何度か取り上げましたが、減っているものもたくさんいる。

そういえば、日本では今年、スズメバチによる被害が非常に多いのですが、特徴として、スズメバチの数が多いと共に、「いつもより攻撃的である」ということがあるようです。スズメバチは確かに攻撃的ですが、何もしない人を意味なく襲うほど無分別な昆虫でもないはずです。

実は私も今年の夏、関東ではないある場所で、スズメバチに追いかけられた経験をしました。そこは家族連れの多い自然の中の公園なのですけれど、スズメバチの多いこと多いこと。そんなこととは知らずに、いつものように黒いシャツなど着ていきましたら大変なことに。ジッとしていても襲ってくる態勢をとっている。

まあしかし、個人的なことはともかく、今年はそういう事例が数多く起きています。

下のグラフは、熊本日日新聞の 8月 14日の記事に出ていた「ハチに刺されて来院した患者数」の昨年との比較グラフです。7月は昨年の5倍ほどになっています。「ハチ」とありますが、病院にまで行くというのは、多くがスズメバチによるものだと思われます。

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▲熊本日日新聞「 猛暑で興奮? ハチに刺される被害、阿蘇で急増」より。


この現象は他の国でもあって、たとえば、イギリスでも今年は同じようにスズメバチによる「無分別な襲撃」が数多く発生していたようで、イギリス中の新聞やメディアで理由について論争さえ起きていました。

下の記事は、英国のインディペンデント紙のサイトの記事ですが、この「酔っ払ったスズメバチに襲撃されるかもしれないと赤十字が警告」というタイトルのように、イギリスにおいても無分別に人を襲っているようなのです。

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英国インディペンデントより。





今年の夏の魚の大量死も奇妙に思える点もあり

さらに、そして、8月に書きました記事の、

異常事態 : 2013年 7月 18日から全世界で突如はじまった、かつてない広範囲での魚の大量死
 2013年08月13日

で取り上げました「この夏の異常なほどの海洋生物の大量死」も、むしろその後になってから気になっているということがあるのです。

というのも、最近ご紹介していました世界のこの夏の気温のことなども関係しますが、私は、「この夏の北半球はどこも海域を含めて暑かった」と思いこんでいたのですが、それは違ったようです。

アメリカをはじめとして、多くの地域で、むしろ通常より寒い夏だった場所も多く、そうなると、魚の大量死の原因も不思議に思えてきます。

あくまで一般論ですが、海や池や湖などでは水温が上昇すると藻類、あるいはプランクトン類などの異常発生がおこりやすくなり、それにより水中の酸素が減ったり、水質が悪化することにより魚の大量死が起きやすくなるというのが夏の魚の大量死の原因としては最も多いのではないでしょうか。

なので、「これだけ暑い夏なら大量死も増えるだろうな」と考えていたんですけれど、平年より寒い夏の場所だった地域も多く、その理屈だけでは合わない魚の大量死が上の過去記事の中に含まれていることがわかります。





アメリカのイルカの大量死の数はさらに上昇

海洋生物といえば、アメリカの東海岸で「異常な大量死の状態」と政府が認めたイルカの膨大な大量死のことを取り上げた記事がありました。

心地よい死の園からの帰還後に気付いたイルカの大量死と人間の大量死をつなぐ曖昧なライン
 2013年08月10日

そこでご紹介したロイターの記事では、


東海岸のニュージャージー州からバージニア州では、6月からだけでも 120頭以上の死んだ動物が打ち上げられているのが見つかっている。



とありましたが、その後どうなったかということをこちらの記事で取り上げました。下のグラフはそこからのものです。


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▲ 地球の記録「米国東海岸のイルカの大量死はさらに厳しい状況に」より。


7月1日からの2ヶ月だけで、 430頭のイルカが死亡して打ち上げられていて、中でも、ニューヨーク州の8月のイルカの座礁(死亡して打ち上げられる)数は、これは確かに「異常」といえるレベルになっていると言えるものではないでしょうか。


しかし、何が起きているのかわからない。
原因もわからない。


アメリカ連邦政府の科学者たちは、基本的にはイルカの大量死を「病気」の線で調査を進めていますが、大量死が始まって数ヶ月が経っても、いまだにその「病気」は確定されない。

なので、イルカたちへの対処もわからない。
その中で、イルカたちはさらにどんどん死んでいく。

そういうような循環となっています。


ここからごく最近の「動物や海洋生物の大量死」の出来事をいくつかご紹介したいと思います。

楽しいものではないでしょうが、世界中で「一気に」大型動物から小型の動物たちまでもが死んでいるという現実が確かにあります。






最近の動物の大量死に関しての報道


カザフスタンのアンテロープの大量死

最初は、アメリカの「エルクの大量死」と似た系統の動物に関しての記事で、サイガアンテロープという動物がカザフスタンで大量死を起こしているという報道です。

サイガアンテロープは、モンゴルやカザフスタンなどに住むカモシカの仲間で、下の写真のような動物です。

saiga-anterope.jpg

Japon Times より。


ここから報道です。

3,000 saiga antelopes die in Akmola and Karaganda oblasts
Tengri News 2013.09.11

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カザフスタンのアクモラ州とカラガンダ州で 3000 頭のサイガアンテロープが死亡していることがカザフスタン環境保護省により発表された。

その中の約 1500頭のサイガアンテロープの死体はテンギズ湖の南部と西部、そして北部の湖畔で発見された。

国家の担当機関と、関係するすべての地方自治体にこの大量死について知らせ、林業狩猟省はカラガンダ州にある獣医局の研究所と協力して原因の究明にあたっている。

関係する省庁は緊急のブリーフィングを開催し、調査チームを派遣した。このチームには、獣医局、緊急事態局、総務部門と疫学コントロール局の代表者が含まれる。

サイガアンテロープの大量死は 2012年 5月にコスタナイ州でも報告されたことがある。この時には 600頭以上のアンテロープが死亡した。





米国オハイオでの謎の犬の病気による死亡

Mystery Disease Killing Ohio Dogs
Live Science 2013.09.10

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獣医師、保健関係者、そして犬の所有者たちは、オハイオ州で謎の病気によって死亡した4頭の犬の死亡原因について警戒している。一部の専門家たちは、犬たちが通常は豚で見つかるウイルスへ感染して死亡した可能性があると考えている。シンシナティとアクロンの近郊で、4頭の犬が、嘔吐、下痢、体重減少や倦怠感などの症状を示した後、死亡した。

保険局は、今起きていることをペットの所有者たち、そして、畜産農家の人たちは広く認識するべきだと述べている。






米国ニュージャージーで異常な「狂犬病」の感染率に陥っているキツネたち

'Unusual' outbreak hits Stanhope: Four foxes test positive for rabies
nj.com 2013.09.12

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ニュージャージー州スタンホープの保健当局が、地元のキツネに狂犬病のテストをおこなったところ、5頭のうち4頭のキツネが陽性を示し、「考えられない感染率」だということがわかり、スタンホープでペットを飼っている人々に、今すぐ自分のペットに狂犬病の予防注射をすることを強く勧告した。

狂犬病に感染した4頭のキツネは、警察によって殺された5頭のキツネの中のものだった。これらのキツネたちは、マスコネットコング湖で近くで住人たちを襲ったのだ。

そのために、捕獲後、狂犬病のテストがおこなわれた。

そのうちの一人の女性は、散歩中に足首をキツネに噛まれた。連れていた犬も狐に噛まれた。噛まれた女性は予防措置として 45日間隔離されている。

現地の保健衛生担当員のハーブ・ヤードリー氏は「5頭のうち4頭のキツネが狂犬病だなんて異常な率です」と語った。そして、「住民の方々も、そして、ペットを飼ってる方はそのペットも、みな狂犬病の予防接種を受ける必要があります」と述べた。

スタンホープの動物制御官たちは、動物たちが以下の行動を示した場合、警察に知らせてほしいと訴えた。

・過度に攻撃的
・人間をまったく恐れない
・奇妙な行動
・立つ時や歩くと時に転倒する
・円を描くように歩く

狂犬病は発症すると、人間ではほぼ 100パーセントの致死率となる重大な病気だ。





原因不明のヒトデの大量死

Massive Starfish Die-Off Baffles Scientists
National Geographic 2013.09.09

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カナダのブリティッシュコロンビア州の沖に死んだヒトデが散らばっている。研究者たちはこの大量死を引き起こしている原因の見当がつかないという。

海洋生物学者たちが異常に気付いたのは8月の終わりだ。スキューバをしていて、大量のヒトデが死んでいることに気付いたのだ。

それはヒマワリヒトデ( Pycnopodia helianthoides ) と呼ばれるもので、この海域のウニと巻貝類の主要な捕食者だった。ヒマワリヒトデは、ほとんどのヒトデのように、失った手足を再生成することができ、最大1メートルにまで成長するヒトデだ。

スミソニアン研究所の無脊椎動物の専門家にも原因の調査を依頼したが、その死に方は収縮して、崩壊してしまうように見えるという。そしても腕だけ切りなされ、中央の円形の胴体部分が落ち、最終的に腕、胴体、生殖腺体などがバラバラになるという。これは急激に起きるようだ。

原因はまったくわからないという。寄生虫が原因である可能性を指摘する科学者もいるが、この大量死の原因は謎のままだ。





(訳者注) 報道を羅列しただけで、どうにも力尽きましたが、どれも不思議というのか何というのか、異常という言葉を使えるようなものも含まれていると思います。

特にアメリカのニュージャージー州でのキツネの間での「狂犬病の異常な感染率」というのは、何となく将来的な脅威を感じさせる報道でした。



  

2013年08月13日



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▲ 英国では全土に渡って魚の大量死が発生している模様。上は、英国のチェルトナムというところにある 1825年からの歴史を持つ古い公園の湖での大量死の報道。 Telegraph より。






 


7月中旬からの短い期間に魚の大量死報道のあった国や地域は、中国、メキシコ、米国、インドネシア、タイ、フィンランド、スウェーデン、フランス、ベルギー、デンマーク、ルーマニア、チェコ共和国、ロシア、台湾、韓国、カナダ、アラスカ、英国と北半球全域に


今朝、米国の人のブログでわりとショッキングな事実を知りました。

それがタイトルにした「世界中で起きている魚の大量死」なのですが、夏ということもあり、また、今年は猛暑や熱波の地域が多く、魚の大量死報道自体はそれほど驚かない面はあるのですが、「短期間であまりにも多くの地域で大量死が発生している」ということに驚きました。


後にすべて報道リンクを記して、見出しなどをご紹介しますが、 7月 18日から 8月 8日までの約 20日間だけで下のような魚の大量死が発生しています。


- 2013年7月18日:中国山東省

- 2013年7月18日:メキシコ・ベラクルス州

- 2013年7月18日:中国南京

- 2013年7月18日:米国ミズーリ州

- 2013年7月18日:米国ミシガン州

- 2013年7月19日:デンマーク・ウォルスモゼ

- 2013年7月19日:米国モンタナ州

- 2013年7月19日:インドネシア・トンダノ

- 2013年7月20日:米国オハイオ州

- 2013年7月21日:フランス・リール地方

- 2013年7月22日:米国マサチューセッツ州

- 2013年7月22日:米国オハイオ州

- 2013年7月23日:米国オハイオ州

- 2013年7月24日:イタリア・ヴェネツィア

- 2013年7月24日:英国ノッティンガム

- 2013年7月24日:タイ・ラチャブリー県

- 2013年7月24日:イギリス・リー川

- 2013年7月24日:米国ユタ州

- 2013年7月25日:英国バーミンガム

- 2013年7月26日:韓国・釜山など

- 2013年7月26日:ベルギー・アト市

- 2013年7月26日:ロシア・モスクワ市

- 2013年7月26日:英国グロスターシャー州

- 2013年7月26日:中国・江山

- 2013年7月27日:米国ペンシルベニア州

- 2013年7月27日:スウェーデン・スコーネ県

- 2013年7月27日:ルーマニア・バフルイ川

- 2013年7月28日:アラスカ・ピーターズバーグ

- 2013年7月29日:メキシコ・ベラクルス州

- 2013年7月29日:台湾・基隆河

- 2013年7月29日:英国バーミンガム

- 2013年7月31日:チェコ共和国・ピルゼン市

- 2013年8月2日:アラスカ全土

- 2013年8月6日:フィンランド・イレーン市

- 2013年8月6日:カナダ・ポートコクイトラム市

- 2013年8月6日:カナダ・トロント市

- 2013年8月6日:カナダ・アーカンソー川

- 2013年8月7日:中国・杭州

- 2013年8月8日:パキスタン・カラチ

- 2013年8月8日:英国全土



深刻なのは、英国とアラスカのようで、どちらも全土において魚の大量死が発生しているとのことです。昨日の記事「狂乱の北半球」でふれましたが、英国では全土に「藻の大発生」も広がっているようで、いろいろな環境の変化が見えるようになっているものとも思われます。




▲ 藻で覆われた英国ロンドンのパディントン船着き場


今回ご紹介するブログの作者の方は、このすべての大量死の報道をリンクしてくれていまして、その労力に敬意を表し、私も 40以上の大量死の記事すべてにアクセスして、内容を確認しました。

報道のリンクとタイトルはここでもすべて掲載しておきます。

なお、ブログにはありませんでしたが、この 7月 18日から 8月 8日の期間中は、日本でも、静岡、沖縄で魚の大量死が発生しています。

アユやアマゴ大量死 静岡・藁科川
 静岡新聞 2013.08.06

沖縄比謝川で魚大量死
 沖縄タイムス 2013.07.21


このように漏れている例や、あるいは報道が出ないような地域での大量死、あるいは無人の場所での大量死なども発生している可能性を考えると、この2〜3週間の間に発生した「魚の超大量死」は、ご紹介するリストの何倍もの数にのぼるのかもしれません。

大きな原因のひとつとして猛暑などはあると思いますが、記事には、「原因はわかっていない」と書かれてあるものが多く、そう単純に「夏の大量死」と片付けるわけにもいかない面もありそうです。

それでは、ここからです。





Why Are Millions Of Fish Suddenly Dying In Mass Death Events All Over The Planet?
The Truth 2013.08.11


なぜ、地球のすべての場所で突然のように大量の魚が死亡しはじめたのか?


世界中で、突然といっていもいいように、何百万匹、あるいは何百万匹以上の魚たちが大量に死亡している。そして、その理由は今のところ誰にも把握できていないように見える。

以下にリンクした報道の多くの文中には地元の人たちの言葉として、「このような光景を見たことがない」と言ったことが引用されている。

現在起きているこの世界中の魚の大量死のあいだに何かの接点はあるのだろうか? もし関連があるとすると、魚の大量死を食い止める術はあるのだろうか。

残念なことに、米国では主流のニュースネットワークでは、これらの現象について事実上沈黙されているため、ほとんどのアメリカ人は、この魚の大量死の事実について知らない。

下のリストの出来事はすべてこの1ヶ月未満に起きているという事実にも圧倒されるが、私たちは今、現実に進行している巨大な魚の大量死の現場を見ているとも言える。


中国

2013年7月18日:中国・山東省で20エーカーの広さの池が大量死した魚で埋め尽くされる。

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ソース : sohu (中国)




メキシコ

2013年7月18日:死んだアカエイ何百匹がメキシコ・ベラクルス州の海岸に打ち上げられる。

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ソース : Examiner (米国)




中国・南京

2013年7月18日:南京の湖で10,000匹以上の死んだ魚が見つかる

ソース : 新華社(中国)




米国ミズーリ州

2013年7月18日:ミズーリ州のシュガー湖で雨不足のため数千匹の魚が死亡

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ソース : KCTV (米国)




米国ミシガン州

2013年7月18日:ミシガン湖のほとりに大量の魚が打ち上げられる

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デンマーク

2013年7月19日:ウォルスモゼの湖で2000匹の死んだ魚が見つかる。





米国モンタナ州

2013年7月19日:モンタナ州ホルター湖で数百匹の魚が打ち上げられる。

ソース : KRTV (米国)




インドネシア

2013年7月19日:インドネシアのトンダノ湖で数千トンの魚が死亡。

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米国オハイオ州
-July 20, 2013: 3,000 fish found dead in a creek in Madison County, Ohio

2013年7月20日:オハイオ州マディソン郡の小川で 3,000匹の魚が大量死。





フランス・リール地方

2013年7月21日:フランス・リール地方の小川で数百匹の魚が死亡。




米国マサチューセッツ州

2013年7月22日:マサチューセッツ州ジョージレイクで、多数の死んだ魚が発見される。

ソース : WWLP (米国)



米国オハイオ州

2013年7月22日:オハイオ州セントメリーズのグランドレイクで魚の大量死。




米国オハイオ州

2013年7月23日:オハイオ州ヤングスタウンの公園の池で数百匹の魚が死亡。




イタリア・ベネツィア

2013年7月24日:イタリア・ヴェネツィアのラグーンで大規模な魚の大量死。

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英国ノッティンガム

2013年7月24日:英国ノッティンガムのブルウェル湖での魚の大量市は地元住民たちにショックを引き起こした。





タイ・ラチャブリー地方

2013年7月24日:タイのラチャブリ県の魚養殖場で30,000匹の魚が死亡。

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ソース : Manager (タイ)



英国・リー川

2013年7月24日:英国のリー川で魚が大量に死亡しているのが発見される。

ソース : Guardian (英国)




米国ユタ州

2013年7月24日:ユタ州のプロボ川で死んだ魚数百匹が見つかる。





英国バーミンガム

2013年7月25日:英国バーミンガムの公園の池で魚が大量に死亡していることが発見される。





韓国・釜山

2013年7月26日:韓国、赤潮で数万匹の魚が死亡。

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ベルギー・アト市

2013年7月26日:ベルギーのアト市のデンベル川で数千匹の魚が死亡。

ソース : RTBF (英国)




ロシア・モスクワ

2013年7月26日:モスクワの川で魚類の大量死。





英国グロスターシャー州

2013年7月26日:英国グロスターシャー州のピットヴィル湖で 25,000の魚が死亡したが、原因は不明。





中国・江山

2013年7月26日:中国・江山の川で、20,000匹の魚が、川沿い8キロメートルの長さに渡って死んでいることが発見される。

ソース : sohu (中国)




米国ペンシルヴァニア州

2013年7月27日:ペンシルベニア州アリエル湖で 10,000匹の魚が死亡。





スウェーデン・スコーネ県

2013年7月27日:スウェーデンのスコーネ県での魚の大量死の原因は謎のまま。

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ルーマニア

2013年7月27日:ルーマニアのバフルイ川で魚の大量死。原因は不明。





アラスカ・ピーターバーグ

2013年7月28日:アラスカのピーターズバーグの川で 1,100匹のキングサーモンが死んでいるのが発見される。





メキシコ・ベラクルス州

2013年7月29日:メキシコ・ベラクルス州のビーチで 、数百匹以上の魚が打ち上げられる。





台湾・基隆河

2013年7月29日:台湾の基隆河で7トンの死亡した魚が回収。

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英国バーミンガム

2013年7月29日:バーミンガムで暑さと嵐のために何千匹もの魚が死亡。





チェコ共和国・ピルセン

2013年7月31日:チェコのピルゼン市で、魚3トンが酸素不足のために死亡。





アラスカ全土

2013年8月2日:アラスカ全域において、数千匹の魚が死につつある。

ソース : Reuter 2013.08.02




フィンランド

2013年8月6日:フィンランドで500キログラムに及ぶ死亡した魚が漂着・





カナダ・ポートコキットラム市

2013年8月6日:カナダ・ポートコクイトラム市の河川で、840匹のサーモンが死亡しているのが発見される。





カナダ・トロント市

2013年8月6日:トロントの池に数百匹の魚が浮かび上がる。





カナダ・アーカンソー川

2013年8月6日:アーカンソー川で 100,000匹の魚が死亡。

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中国・杭州

2013年8月7日:中国・杭州で数千匹の死亡した魚が発見される。





パキスタン・カラチ

2013年8月8日:パキスタン・カラチで何トンにものぼる死亡した魚が海岸に打ち上げられる。





英国全土

2013年8月8日:英国全土にわたって、湖や川で数万の魚が死につつある。

ソース : Channel4 (米国)




  

2013年08月10日



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Hiroshima-0806.jpg

▲ 1945年8月6日。広島に原爆が投下される前(左)と、投下された後の写真。投下後はほぼ何もなくなっています。右上に残る方形の建物は広島城です。円の中心が爆心地。






 


死の園にて


この時期になると、戦争関係や原爆などに絡んだモニュメントの日が続きます。

「〇〇記念日」というように記念という言葉がつくことが多いですが、「記念」という言葉になんとなく微妙な違和感を受けるのは、この時期の記念日の多くが「死」と直結したモニュメントだからかもしれません。

この「死」。

先日、お墓参りに行った時、奇妙に「気持ちのいい空気」に包まれるという体験をしまして、まあ詳しく書くのも変なアレなんで書かないですが、いろいろな意味であまりにも心地よくて、しばらくその場に立ち尽くしてしまいました。

その後、並んでいるお墓の数々を眺めながら、いろいろと呟いたりしながら、それでもなお、「死と生」という違いを正確に把握することができているわけでもない自分に気づき、そして多分、ずっとわからないまま人生を終えるのだろうなあとも思います。まさに「死ぬまで」。


「死」といえば、米国の東海岸で 2013年 7月のイルカの死亡数の急上昇に対して「異常な事態」だということを連邦政府の科学者たちが公式に宣言したという報道がありました。



2013年にピークを迎えた米国のイルカの大量死


d-2013-2.jpg

ロイターより。


これは、アメリカ海洋大気庁( NOAA )が発表した下のグラフを見ると一目瞭然です。アメリカ東海岸の5州で座礁(死亡)して発見されたイルカの数の推移です。

us-dolphin.png

USA Today より。


「イルカの座礁」という表現となってますが、これは、ほとんどが死んで打ち上げられるという意味では、「イルカの死」という意味と同義に近いです。


上のグラフを見ると、ヴァージニア州での死亡数の上昇が図抜けている感がありますが、いずれにしても、アメリカの東海岸の海、あるいは大西洋という範囲にかけて「海で何か起きている」ということも言えるのかもしれません。

ちなみに、ヴァージニア州の場所は下の赤い場所です。

Map_of_USA_VA.png


「この位置は・・・・・」

上のヴァージニア州の位置を見ていて、今回はその前に原爆に関係することをちょっと書いたんですが、このふたつの事柄には微妙な「接点」があることに気付きました。

これは記事を書いている今、気付いたことです。
それは「北緯 33度線」との関係です。






イルカの大量死は北緯 33度線で発生している

それは、過去記事の下の地図などにも現れています。



▲ 過去記事「アメリカ大陸が「真っ二つに割れる日」: 12月初旬に全米を駆け抜けた謎の振動と爆発音」より。


今回の「イルカの大量死」が起きている海岸も、北緯33度線上か、そこに隣接していることに気付いたのでした。

この「 33度線」の問題はなかなか説明しにくいもので、「だからどうした」というように言われてしまえば、それまでの話ですので、過去記事をリンクしておくにとどめておきたいと思います。




などですが、他にも過去に何度も「33度線」が出てきました。


この 33度線が通る場所というのは、政治的混乱を象徴する場所が多く、33度線の代表的な国や場所として、


・トリポリ(リビア)
・ダマスカス(シリア)
・カシミール(インド)
・バグダッド(イラク)
・長崎(日本)
・ヨルダン川西域
・ベイルート
・エルサレム



などがあり、国家の中の複数の地域を通過する国としては、チベット、アフガニスタン、イランなどがあります。他にバミューダ海域や米国のソルトン湖も、この北緯33度上にあります。


なお、関係ないですが、アメリカ東海岸とバミューダ海域の間あたりに位置する「北緯 33度線上の海底」には、下のような構造物があることが Google Earth で示されています。自然の地形と考えるのが一般的ですが、実際には何かはわかりません。




上については、過去記事の、

アメリカ東海岸とバミューダ海域の間の海底にグーグルアースで確認できるピラミッド型の何か
 2012年12月19日

にあります。

また、下の文章は昨年のロシアのプラウダの記事からの抜粋ですが、「 33度」には下のような意味があるのだそう。


神秘主義と、北緯33度上の災い
プラウダ (ロシア) 2012.08.27

北緯 33度は、現代の社会の中で非常に大きな役割を演じている。(中略)

この「 33」の数字の意味は、フリーメーソンの階級の中で最も高い階層を示す。

これは 11と 22を足したものであり、そして、宇宙とスピリチュアルの王が満たされている「ダンテの神曲」の数でもある。これらのすべては歴史の中の新しい世界秩序(New World Order)のキーナンバーだ。




というようなことを考える人たちもいるということのよう。



いずれにしても、今度はその北緯 33度の周辺海域でイルカの大量死。

もちろん、イルカの大量の座礁には説明のつく合理的な理由は必ずあるはずです。

日本でも、それまで北海道では捕獲されていなかったクロマグロが数多く捕獲されたりしていますが、一番の原因は海水温の変化のようで、これをもたらす理由は様々でしょうが、「海流の世界的な変化」というものも関係しているはずです。


世界の海流はすべて循環しています。


なので、どこかの海域で起きた異変は、そこだけでとどまるということは通常はないもので、時間はかかっても、いつかは他の海域にも「異変」となって現れるものだと私は思っています。


何だか最初に書こうと思っていたことからどんどんとズレてきてしまいましたが、イルカの大量死というのも、ひとつの重要な環境の変化を告げる事柄かもしれませんので、イルカの大量死についての記事をロイターからご紹介しておきます。





U.S. declares 'unusual mortality event' as dolphin deaths rise
ロイター 2013.08.08


イルカの死亡数の上昇につき、米国は「異常な大量死の事象」と宣言


連邦政府所属の科学者たちは、アメリカの東海岸におけるバンドウイルカの異常に高い死亡数を調査した。海岸に打ち上げられたイルカの死体の数は、通常の7倍の率に上っている。

東海岸のニュージャージー州からバージニア州では、6月からだけでも 120頭以上の死んだ動物が打ち上げられているのが見つかっていると NOAA は述べる。連邦政府の科学者たちは、この出来事を「通常ではない大量死事象」だと宣言し、その原因を調査している。

NOAA によると、有毒な藻類の繁茂、感染性ウイルス、あるいは、船舶に衝突したことによる負傷などがイルカに死をもたらす原因となるという。

現在のところ原因は判明していないが、早期の組織分析では、一頭のイルカが感染性病原体のモルビリウイルスに陽性だったことを示した。

7月だけでも、東海岸では 28頭のイルカが死亡して海岸に打ち上げられている。

米国の海岸での海洋生物の大量死の記録としては、25年前、1987年にモルビリウイルスに感染した 740頭の動物がニュージャージー州からフロリダへの海岸に打ち上げられたことがある。

科学者たちは、死亡した動物たちが感染症にかかっている可能性を考慮し、米国民たちに、死んだイルカを見つけた場合でも触れないように警告している。




  

2013年04月24日



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関連記事:
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「インフルエンザウイルスはヒトからヒトへ感染していくものではなく、宇宙から個人に直接感染するものである」という説を今一度思い出し







 


WHO とネイチャーの「今後の感染拡大のルート」の見方


科学誌ネイチャーのウェブサイトの今日の記事に「H7N9 鳥インフルエンザの感染地図。そして、今後はどのようになっていくか」というようなタイトルの記事がありました。

それをご紹介しようと思いますが、その記事には、

・現在の感染者状況

・今後、患者数が拡大していくとした場合の拡がり方の予測

・航空機などでの拡がり方の予測


などの「図」が出ていました。


それらは「インフルエンザがヒトからヒトへと感染していく」という立場からのリスク予想マップなんですが、記事の図を先に載せておきます。

共にネイチャーの記事(英語)からです。

H7N9 患者の現在(2013年4月23日)の発生状況

h7n9-001.jpg

▲ 赤いところが H7N9 患者の発生地域。




H7N9 は次にどのように移動する?

h7n9-002.jpg

▲ 濃い茶色がリスクの高いとされた地域。黄色がリスクのある地域。それ以外はリスクが少ないとされた地域。



上図は「ヒトからヒトへと感染していく」としての予測図であるわけですけれど、先日、


「インフルエンザウイルスはヒトからヒトへ感染していくものではなく、宇宙から個人に直接感染するものである」という説を今一度思い出し
 2013年04月19日


という記事に書きましたように、私はインフルエンザ・ウイルスがヒトからヒトにうつるということを信じません

少なくとも、「空気感染」でのヒトからヒトへの感染はないと思います。

なぜなら風邪でさえヒトからヒトへの空気感染の確率は「0%」に近い可能性が高いからです。

この「風邪のヒトからヒトへの空気感染率が0%の可能性が高い」ことは、

「私たちはひとりではない」と語り続けるチャンドラ博士が隕石から見つけたエイリアンの化石
 2013年01月25日

という記事の中で、ちょっとだけふれていますが、 NHK の「ためしてガッテン」という番組の中で、「できるだけここは視聴者には忘れてほしい」というような感じで手短でしたが、アメリカでの実験結果を説明していました。

ただ、風邪はヒトからヒトへ「体液(接触)感染」はするということも同時に実験で確かめられていますので、インフルエンザもあるいは、ヒトからヒトへの接触感染というものはあり得るのかもしれません。


それでも、「「インフルエンザウイルスはヒトからヒトへ感染していくものではなく、宇宙から個人に直接感染するもの」という説を一義的に考えると、仮に今後インフルエンザが感染拡大していくにしても、上のネイチャーとは違うルートになっていくと思われます(最終的には世界全体に感染拡大した場合でも「最初のルート」という意味で)。

その予測を書いておきます。

ただ、私自身はこの H7N9 というものがパンデミックの「本番」とはあまり思っていません。「変異」も含めて、まだ親分級が控えているような気もいたします。





パンスペルミア説からのインフルエンザの拡大予測


感染ルートの予測のヒントは、こちらの記事で抜粋したフレッド・ホイル博士の記述の、


成層圏には弱い垂直方向の気流があり、これがウイルスの降下を助けている。

この気流を作り出しているのは、赤道と極地方との温度差であり、これが大きいほど気流は強くなる。したがって、緯度にして 40度から 60度の範囲では、冬に(北半球の中緯度地方では2月から3月にかけて、南半球では7月から9月にかけて)大規模な下降気流が発生することになる。

冬の下降気流にのったウイルス粒子は、雨や雪とともに地上に落ちてきて、動植物に出会うだろう。特に、ちょうど成層圏程度の高さのヒマラヤ山脈は、北緯 30度付近のウイルス流入の窓口となり、人口の多い中国や東南アジアで大きな被害を出す要因になっているはずだ。その後、ウイルスがどの地方に落ちるかは、大気の循環の季節的な要素によって変わってくると思われる。



という部分です。

今年は、この北半球の多くの地域で気温が低い状態が続いているので、例年の2月から3月の状態は今でも継続しているか、あるいは今後も続くと考えると、

 > 緯度にして 40度から 60度

には、しばらくの間、「大規模な下降気流」が発生し、つまり、「高層にあるウイルスが地上へ降りやすくなる状態が続く」と考えられます。

地図で説明しますと、下で赤丸で囲んだ地域に大規模な下降気流が現在もなお発生し続けているのではないかと思われます。

30-60-ryunyu.png



ウイルスはこの下降気流で下がってくると共に、ジェット気流や偏西風で東に運ばれます

現在のジェット気流と偏西風の状況をジェット解析図・偏西風蛇行図というサイトで確かめてみますと、下のような状況になっています。
この位置は日々変わります。

ジェット気流

jet-0422.gif



偏西風

imgout-hen-2013-04.gif

▲ オリジナルの図は、ジェット解析図・偏西風蛇行図より拝借させていただいています。



中国での感染拡大地域が、もう少し中国の北部(上)、あるいは北朝鮮などに拡大した場合、それはそこにすでにウイルスが存在するということを証明していると考えますと、ジェット気流はそのまま日本列島を通っていっていますので、ウイルスは「日本へも当日のうちに到達する」と思われます。

ただ、ホイル博士が記していますように、


> その後、ウイルスがどの地方に落ちるかは、大気の循環の季節的な要素によって変わってくると思われる。



ということで、いつ日本にウイルスが地表に落下してくるかはわかりませんし、そして、問題の「それがヒトに感染するかどうか」ということもまったくわかりません


まあしかし、中国の現状を見ている限り、感染力が強いとは思いませんので、現時点ではそれほど心配するものではないと思います。ただし、「ウイルスが強い感染力を持つもの」である場合は、中国の状況は、そのまま日本の状況となると考えてもいいのかもしれません。


そもそも、仮にパンスペルミア的な感染ではなくても、中国と日本も含めて、アジアは「空間を共有している」ようなものですので、拡大し始めたら早いとは思います。

また、いわゆるよく言われている「ウイルスが強力な感染力を獲得していく」というような進化をするのならば、ウイルスそのものも今後変わっていく可能性もあるのかもしれません。


それではここから、ネイチャーの記事より。今後の感染の予測ルートは、私には馴染めないものですが、現状のことはとてもわかりやすく書かれているので、読む価値はあります。





Mapping the H7N9 avian flu outbreaks
ネイチャー 2013.04.24


H7N9 鳥インフルエンザのマッピング

これまで報告された 104人の鳥インフルエンザの患者の報告された位置と、次にウイルスが行くかもしれないとしたらどこへ向かう?


中国で H7N9 鳥インフルエンザウイルスのヒトの感染例が拡大している。しかし、科学者たちは現在のところ、その感染ルートを解明していない。あるいは、なぜ散発的な地域でヒトの症例が出現しているのかをまだ理解していない。

しかし、リスクマッピングという鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染の地理的な広がりの可能性を示した地図が、何か手がかりを提供するかもしれない。

H7N9 患者のほとんどが上海周辺の中国東部沿岸地域に集中しているのは相変わらずだか、その後、北京でも検出され、さらに中国中央部の河南省でも鳥インフルエンザに感染した患者が見つかった。

H7N9 鳥インフルエンザウイルスのヒト感染が最初に報告されたのは 3月31日のことで、中国東部の安徽省とその隣の省から報告されたものだった。

そして 4月22日の時点で、世界保健機関( WHO )は 21人の死者を含む 104人の鳥インフルエンザの患者を確認した。ウイルスは中央だけでなく北京、河南省、近隣の江蘇省、浙江省へと地理的範囲を拡大させている。

4月23日の中国の国営新華社通信は、上海と北京の間の中間の都市で、山東省でも鳥インフルエンザが確認されたことを報告した。

鳥インフルエンザのヒト感染の連鎖を食い止めるためには、何より科学者たちは、ウイルスの感染源、および、それが人間に感染したルートを識別する必要がある。

世間では、鳥などの家禽類からの感染ルートが喧伝されているが、これまでのところ、家禽類においての動物テストでは、ウイルスの優位なレベルを検出することはできていないのが現状だ。

もちろん、中国には60億以上の数の家禽類がおり、それらのすべての数から見れば、現在までにおこなっているサンプルの試験数は効果的な方法とは程遠い。それに加えて、渡り鳥など野生の動物が数多くいる。

現在、 H7N9 の拡散の危険因子まだわかっていないが、2003年以来、622人の患者が確認されており、 371人が死亡した H5N1 ウイルスの分析が、H7N9の分析の手助けとなるかもしれない。これは、科学者や保健当局が監視と感染のコントロールをするために役立つと思われる。

H5N1の感染からマッピングした、家禽貿易ルート、輸送される鳥の数、鳥市場の分布とその供給ルート、水鳥の数字、土地の人口密度など多くの潜在的に重要な要因を組み合わせて作ったのが、リスクマップだ。


(訳者注) 上に載せたものですがこれだけ再掲します。

h7n9-002.jpg


濃い茶色の部分がリスクの高い地域で、黄色はそれに続く。
青い部分のリスクは少ない地域とされる。




他のウイルスの感染ルートも?

新種のウイルス H7N9 は変異により H5N1 より鳥から人間に感染拡大しやすい。鳥と哺乳類の集団と人間との距離の近さもあり、ヒトを含む哺乳動物へのさらなるウイルスの適応進化の可能性もある。

国際研究者チームは、中国やアジアの多くの地域で鶏、豚と人間の密度を示す地図をコンパイルした。そこには 1億 3,100万人の人間と、2億4,000万羽の鶏、そして、 4,700万羽のアヒルと 2,200万頭の豚が 4月16日までに発生していた H7N9 のヒトの感染者の 各50キロの半径内に住んでいる計算となった(下図)。


avian-0422.jpg




また、ヒト感染が発生した地域からは、飛行ルートにより、すぐにヨーロッパ、北米、アジアの巨大な人口密集地へヒト感染可能なウイルスを運ぶだろう。

flu-flight-routes-map.jpg

▲ 2時間以内での人の地域間の移動量を示した図。



現在までのところ H7N9 のヒトからヒトへの直接感染は確認されていない。しかし、何が起きた場合、ヒトからヒトへと感染するようになるのだろうか。

ベトナムのハノイにあるオックスフォード大学の臨床研究所( Oxford University Clinical Research Unit )の監督官であるジェレミー・ファーラー( Jeremy Farrar )博士は、「これは特別な努力によるものだが」として、 WHO を含む国際的な研究者たちが、過去数週間、中国の航空会社の乗客データを分析したことを述べた。

これにより、世界でリスクの高い地域が存在する可能性を示すかもしれないという考えによっての調査だ。

そして、オックスフォード大学臨床研究所のピーター・ホービー( Peter Horby )博士は以下のように記述している。

「中国以外の地域で H7N9 の感染例が出現するのは、おそらく時間の問題だと思われる。その場合に、その感染が動物からヒトに感染したものか、あるいは、ヒトからヒトに感染したものかを慎重に、なおかつ迅速に評価する必要がある」。





ここまでです。

このようなわけで、感染の考え方は私とは違うものではありますけれど、専門家たちも、「中国以外に広がるのは時間の問題」だとしています。


ジェット気流と下降気流の兼ね合いによるので何ともいえないですが、普通に考えれば、中国の次に最初に出現するとしたら、朝鮮半島と日本だと思います。


あるいは、上に載せた偏西風の流れに沿った形で考えるのもわかりやすい気もします。

imgout-hen-2013-04.gif


感染について注意のしようはないですが、そのような拡大の仕方はあり得ると考えてもいいのかもしれません。





  

2013年04月19日



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そして次は同緯度の日本列島にそれは来るはず






 

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21世紀のパンデミック(3): 次にヒトのインフルエンザ感染が発生するとしたらそれはどこか?




china-2013.png

▲ 先月以来、中国で起きている動物の大量死。種類は、豚、あらゆる鶏、そして犬です。「またも中国で豚の大量死: 河南省の村ですべての豚と犬が死亡」より。そして、下が大まかな「偏西風の流れ」です。

hensei.jpg


(※)今回は最初に本日付けの「ロシアの声」の「中国 鳥インフル患者87人に」という報道記事の最後の1行にある、


中国国内で、鳥インフルエンザ感染者は初めて報告されたのは、3月の末だった。なおこれまで、人から人に病気が感染した例は一例もない。



を念頭に読まれていただくと幸いです。





これから起きる「かもしれない」ことをパンスペルミア説から冷静に考えてみる


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▲ 2013年4月18日のロシアの声「中国の鳥インフルエンザ感染者 約半数が感染方法「謎」」より。
--

今年の春先には、今回書こうと思っていることを説明するのに、現象としてわかりやすい事例が起きました。それは、中国の大気汚染が日本にも影響を与えたというものです。

あの事例のように偏西風や、あるいはその他、大きな気流の流れによって、中国大陸で発生した「大気中の現象」の多くは、その後、日本へやってきます。

それも繰り返し繰り返しやってきます(大気の流れは基本的に止まることはないため)。


一番上に載せた図は最近の中国での動物の大量死で、世界保健機構( WHO )は、これらの大量死は鳥インフルエンザと「関係ない」としています。

なので、公的には関係ないということになりますが、公的にはどうであれ、私個人がどう考えてもいいのなら、「明らかに関係がある」と考えます。

そして、上の大量死のラインが偏西風、あるいはジェット気流に沿っていることを考えると、季節によって偏西風やジェット気流の位置が変われば、次は日本だと思います。もちろん具体的なことはわからないですが、中国の大気中にあるものは全部日本に来る(西から東に来る)と考えることはそれほど不自然ではないような気もいたします。



上のロシアの声の記事にある「インフルエンザの感染ルートがつかめない」という報道はロイターなどを含めて、世界中の報道で目にします。抜粋しておきます。


中国の鳥インフルエンザ感染者 約半数が感染方法「謎」
VOR 2013.04.18

中国の研究者らの調べによれば、鳥インフルエンザ(H7N9)の感染者の40%が最近トリとは接触していないことが分かった。中国ではすでに鳥インフルエンザで17名が死亡しているが、どのような方法で感染が広がっているのか、判明していないという。中国感染症管理予防センターのジェン・グアン専門家が明らかにした。

現在中国の研究者らはH7N9ウィルスの遺伝子構造の特徴を研究しており、武漢科技大学のシュエ・ユイ教授によれば、三種類のトリからウィルスを持つ遺伝サンプルが発見されたという。最新のデータによれば、中国では82名が感染し、そのうち17名が死亡した。多くは上海に集中している。







パンスペルミア説を今一度考える

今日は「パンスペルミア説」とは何かということを今一度書いておきたいと思いました。

いつも、この「パンスペルミア説」というものの言葉を出すわりには、最近ではきちんと説明したことがないような気もします。決して一般的な言葉ではないわけで、これをたとえば Wikipedia からの抜粋など、一般的な定義として今一度、ご紹介しておきます。

そして、

インフルエンザウイルスは、ヒトからヒトへ感染していくものではなく、宇宙から個人に直接感染するものである

という結論に至ったフレッド・ホイル博士とチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士の共著の中で、わかりやすく書かれてある部分を少し抜粋しようと思います。







パンスペルミア説の歴史とそのエンディングを飾る我々の時代まで


まず、パンスペルミア説というものの定義ですが、近代科学での歴史も含めて、「パンスペルミア仮説」から抜粋させていただきます。


パンスペルミア仮説

パンスペルミア仮説とは、「宇宙空間には生命の種が広がっている」「地球上の最初の生命は宇宙からやってきた」とする仮説である。



近代科学でのパンスペルミア説の歴史

1787年
ラザロ・スパランツァーニ(イタリアの博物学者。実験動物学の祖。生物の自然発生説を否定した実験で有名)によって唱えられる。

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▲ ラッザロ・スパッランツァーニ (Lazzaro Spallanzani / 1729年 - 1799年) 。

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1906年
スヴァンテ・アレニウス(スウェーデンの科学者。 1903年にノーベル化学賞を受賞)によって「 panspermia 」(パンスペルミア)という名前が与えられた

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▲ スヴァンテ・アレニウス(Svante Arrhenius / 1859年 – 1927年)物理化学の創始者の1人。

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アレニウスは以下のように述べています。


「生命の起源は地球本来のものではなく、他の天体で発生した微生物の芽胞が宇宙空間を飛来して地球に到達したものである」




DNA二重螺旋を発見し、 1962年にノーベル生理学・医学賞を受賞したフランシス・クリック博士もパンスペルミア説の強い支持者でした。

Francis_Crick.png
▲ フランシス・クリック。



また、2011年に、日本の独立行政法人海洋研究開発機構が、「生命の想像を絶する強さ」を証明する実験をおこないました。

以下は Wikipedia からです。


2011年、日本の海洋研究開発機構で、大腸菌など、5種類の細菌を超遠心機にかけ、超重力下での生物への影響を調べる実験が行われた。

その結果、5種とも数千から数万Gの重力の下でも正常に増殖することが確かめられ、中には 40万3627Gもの重力下でも生育した種もあった。地球に落下する隕石の加速度は最大 30万Gに達すると予測されており、この実験は、パンスペルミア仮説の証明とはならないが、このような環境を生き延びる可能性を示している。



私は以前から、大腸菌をはじめとする微生物の「異常な強さ」には感服していましたが、熱や真空状態だけではなく、「重力にも強い」。

「私たちはそう簡単には死なない」

という病原菌たちの一種の雄叫びをここに聞きます。

そして、このような微生物たちの異常な頑強さは、実は地球の私たちが今存在しているために必要な構造だったともいえます






身体は焼かれても信念は焼かれない


近代科学でのパンスペルミア説の歴史を簡単に書きましたが、歴代のノーベル賞受賞者が上に並んでいますが、「恒星内部での元素合成」という、天文学上の偉大な発見をしながら、ノーベル賞を「与えられなかった」学者のひとりがフレッド・ホイル博士でした。

このことについては Wikipedia にも書かれてあります。


フレッド・ホイルの共同研究者であるウィリアム・ファウラーは1983年にノーベル物理学賞を受賞したが、ホイルの元々の貢献は何らかの理由で見落とされた。

ホイルのような著名な天文学者の業績が受賞の対象とならなかったことに対して多くの人々が驚いた。



このことについては、ずいぶん以前の記事ですが、

現代のジョルダーノ・ブルーノを作り出さないために
 2012年03月01日

というものでも書いていますが、科学界は昔から「邪魔な意見の人間は焼いてしまえばいい」という方法で近代科学を確立してきました。


bruno.png


中世のジョルダーノ・ブルーノは実際に火刑という方法で焼かれてしまいましたが、ホイル博士は現代の人だったので、「身体ではなく人生を焼かれた」ということになります。彼の科学者人生を否定することで「ホイルを焼ける」と周囲は思っていたようです。ホイル焼きというやつですね(ここで駄洒落かよ)。

でも、ホイル博士の文章を読むと、賞とか名声とかよりも、人類文明の中で科学が「間違った方向に行くこと」について是正しようとして、ひたすらに実験を続ける一見地味な彼の姿だけが目にうつります。

そして今、残念ながら、科学の世界は「根元」が間違った方向の上(ビッグバン説と、いわゆる進化論)にありますが、やはり残念ながら、それはもう是正できないと私は思っています。少なくとも今の文明が滅びるまでは。 

もはや時間が足りないと思います。

なので、それはそれで仕方ないとしても、この先、何らかの理由で死んでいく私たちは、その死ぬ時に「なぜ私たちは死ぬのか」ということを認識してもいいと思ったりするのです。


たとえば、私たちがパンデミックなどの感染症で死ぬのだとすると、その理由は、ホイル博士によれば、


「人類全体の進化の可能性のため」


ということになります。

ホイル博士はこのような研究結果を素直に述べてしまう人で、つまり、一般受けしない人だったのですよ。大衆みんなが喜ぶようなことを言う科学者のほうがウケがいいですからね。でも、ホイル博士はそういうこと(大衆や全体の意見への迎合)は「科学には必要ないことだから」と、それはしなかった。


真実よりも「耳障りのいい方を選ぶ」というのは、私も含めて反省したいです。



そんなわけで、今回はホイル博士とその片腕的な存在であるチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士が「インフルエンザウイルスはどのように来るか」ということの研究を書いている部分の最初の概略の部分を抜粋します。『 DNA は宇宙を流れる』という著作の「宇宙から来た病原体」という章の中の部分です。

このセクションの前に「インフルエンザがヒトからヒトへと伝染しない」ことについて、大量のデータと研究結果を書いた章を記していて、その続きですので、最初が

インフルエンザがヒトからヒトへと伝染しないのなら、どうしてインフルエンザが大流行するのだろうか?

という部分から始まっています。

ここからです。

なお、文中に「瘴気(しょうき)」という単語が出てきますが、これは中世などに「熱病を起こさせるという山川の毒気」とされていたもののことだそうです。






インフルエンザウイルスはどこからくるか?
『 DNA は宇宙を流れる』第5章 宇宙から来た病原体 より

インフルエンザがヒトからヒトへと伝染しないのなら、どうしてインフルエンザが大流行するのだろうか?

1833年、1937年、1947年のインフルエンザの大流行の際に、これが広い範囲でほとんど同時に発生するのを目撃した 19世紀の伝染病学者チャールズ・クレイトンは、瘴気(しょうき)がイギリス全土を覆ったのだと確信した、クレイトンの「瘴気」という言葉を「ウイルスを運ぶ気流」という言葉に置き換えれば、われわれの見方と一致する。

すでに前章でも検証したように、彗星から放出された粒子は、秒速 10キロメートルという猛スピードで大気に侵入してくるが、高層大気によって減速され、その後は空気抵抗と重力のかねあいでゆっくりと落下するようになる。

バクテリアなどは比較的すみやかに落ちてくるが、ウイルスのように微小な粒子になると、空気抵抗が非常に強くきいてくる。成層圏の中で下向きの空気の流れがなかったら、ウイルス粒子がここを 10キロメートル落ちるのに、 30年はかかるだろう。実際には、成層圏には弱い垂直方向の気流があり、これがウイルスの降下を助けている。

この気流を作り出しているのは、赤道と極地方との温度差であり、これが大きいほど気流は強くなる。したがって、緯度にして 40度から 60度の範囲では、冬に(北半球の中緯度地方では2月から3月にかけて、南半球では7月から9月にかけて)大規模な下降気流が発生することになる。

冬の下降気流にのったウイルス粒子は、雨や雪とともに地上に落ちてきて、動植物に出会うだろう。特に、ちょうど成層圏程度の高さのヒマラヤ山脈は、北緯 30度付近のウイルス流入の窓口となり、人口の多い中国や東南アジアで大きな被害を出す要因になっているはずだ。その後、ウイルスがどの地方に落ちるかは、大気の循環の季節的な要素によって変わってくると思われる。

なお、同じ成層圏でも、東西方向の気流は強い。その最たるものがジェット気流だ、したがって、ウイルス粒子は東西方向ではほぼ一様に分布することになり、同一緯度の地域には、ほぼ同時にウイルスが落下するだろう





抜粋はここまでにしておきます。

上の最後に「同一緯度の地域には、ほぼ同時にウイルスが落下するだろう」とありますが、上のほうに載せた中国のほぼ同時期に起きた動物の大量死の地図をもう一度載せておきます。

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緯度として日本はやや北にありますが、ジェット気流など大気の流れは季節によって変わりますので、かなり広い(南北に太い範囲)部分で、同じようなことが今後起きる可能性は常にあると思います。

下の表は東京都健康安全研究センターにある「日本におけるスペインかぜの精密分析」という資料からのものです。1918年10から1920年5月までの死亡者数の変化を地域ごとに色分けしているものです。


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これを見た時、「当時のジェット気流の動きの変化がわかればなあ・・・」と思いました。多分この死亡数の地域ごとの変遷は気流の季節ごとの変化とリンクするはずです。

天候などに詳しい方なら、頭の中に偏西風とかジェット気流の季節ごとの変化と、上の分布を照らし合わせると、比較的すんなりと「気流とウイルスの関係」が、漠然とでも納得できる面はあるのではないでしょうか。

ただ、最近は大気の動きが荒い上に、唐突な感じの気流が常に発生していますので、予測できない出現の仕方もあり得るかもしれません。

幸いなのが、現在の中国の鳥インフルエンザは感染拡大の威力は弱いということです。

ただ、逆に「幸いではない」ことは、致死率の高さです。4月18日現在、中国では 82名が感染して、17名が死亡ということで、20パーセント近くの大変な致死率となっています。

なお、以前も書きましたが、予防法もワクチンも一切ありません

厳密には治療法も確立していません。

ワクチンを含めて、そういう(予防や治療できるという)情報があっても、現段階ではそれは多分真実ではないですので、冷静な判断で対応されて下さい。


今の状況ですと、パンデミックは「起きるか起きないか」という状況は完全に越えていて、「いつどの程度の感染力で起きるか」というだけになっている感じがいたします。もちろん、それは数年後になるかもしれないですが、パンデミックの回避は不可能だと感じます。