2013年04月08日



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21世紀のパンデミック: ウイルスが人を選ぶのか? 人がウイルスを選ぶのか?



関連記事:
21世紀のパンデミック(2): 中国当局がネット上での「噂」を厳しく取り締まる理由
21世紀のパンデミック(3): 次にヒトのインフルエンザ感染が発生するとしたらそれはどこか?
「インフルエンザウイルスはヒトからヒトへ感染していくものではなく、宇宙から個人に直接感染するものである」という説を今一度思い出し







 


昨日の記事、

中国で起きている真実を知りたい: 上海周辺の動物の大量死とパンデミックの「予兆」は関係があるのか?
 2013年04月07日

の中で最近の中国のヒトへの新型インフルエンザ[ H7N9 ]の感染についてのことと、最近中国で起きていた動物の大量死について書きました。

そうした中、今朝の中国の新聞で一斉に「南京でスズメの大量死。 H7N9 との関連はあるのか」といったようなタイトルの報道が出ていました。

ch-swarrow.jpg

中国新聞網より。


これに関しては、大紀元の日本語版に記事がありましたので、そちらから抜粋します。


南京市でスズメが突然死 当局、H7N9型ウイルス感染を否定
 大紀元 2013.04.08

南京市の住宅地で4日から5日にかけて、数十匹のスズメの死骸が街路樹から次々と落ちていた。死因について当局は、H7N9型ウイルスによるものではないとしている。

死骸が発見されたのは南京市の住宅団地。最初の死骸が発見されたのは4日夕方だったが、4、5匹であったため、住民らも気に留めなかった。5日の午後4時ごろ、「スズメが一匹、また一匹と落ちてきた」。1時間ほど続いた後、地面に20数匹の死骸が横たわっていたという。



ということで、まあ 20羽くらいの死亡で、大量死とは言えないですが、これと似た例で、さらに多い数の事例が、数年前の北海道などでよく起きていたことを思い出しました。下のは、その頃のニュースのまとめ記事からの抜粋です。


北海道でスズメ、東京でハトがそれぞれ大量死
ウィキニュース

【2006年4月13日】

4月に入ってから北海道の道央・道北地域でスズメの大量死が相次ぎ、12日までに上川支庁だけで計 760羽の死骸が発見された。一方、東京都の2つの公園ではハト計54羽の死骸が発見された。いずれもトリインフルエンザウイルスは確認されておらず、死因もまだ特定されていない。



このあと、北海道庁では「スズメの死亡に関する情報について」という特設ページを開設し、それによりますと、最後まで死因は不明だったようで、つまり「全体を通して見つかった同じウイルス等はなかった」ということのようでした。

固体のそれぞれで別の感染菌などは見つかっています。

2006年の北海道のスズメの大量死でスズメから見つかった症状や細菌等は、

・消化器官の炎症
・血液循環障害
・黄色ブドウ球菌
・サルモネラ
・アトキソプラズマ原虫


などだそうで、鳥インフルエンザなどは見つかりませんでした。いずれにしても、原因は不明のまま、総計で、2005年の12月から2006年の4月までに、

スズメの死骸の数 1,517羽

という結果となったようです。

このくらいの数となると、「大量死」といわざるを得ません。






病気になる「現象」を選んでいる主体は誰か?


ところで、昨日、メールをいただきまして、そこに書かれてあったことから、フレッド・ホイル博士の書いていた文章を思い出しました。そのメールは、過去の歴史の中でのウイルスや戦争などの歴史についてふれられていらっしゃるものでした。その中に下のようなくだりがありました。


昔読んだ本に、

「ウィルスは人を選んでいる。過去における大きな戦争の勝敗も、ウィルスによって決められたのだ」

というのがあり、すごく納得した記憶があります。




そういえば、1918年のスペイン風邪(鳥インフルエンザのパンデミック)に関しての詳細なデータがあまり残っていない理由のひとつが「第一次世界大戦」の時期とスペイン風邪の時期が重なっていたということがあります。

戦時中は、どこの国でも自分の国の軍人が何人くらい死亡したかというような情報は極秘情報なわけで、それが戦闘で死亡したものであろうと、病気の流行などで死亡したものであっても、明らかにはしませんでした。


たとえば、下のような話が合っているとか合っていないとか、そういう明確な部分はともかく、「たとえば」という話で、Yahoo! のQ&Aに次のような問答があります。


質問「スペイン風邪の事」

「スペイン風邪」の事ですけど、第一次世界大戦では「戦争を終わらせた」影の功労者(?)かもしれないと思いました。この大戦での一番の勝者はもしかしたらスペイン風邪かと。洋の東西を問わず戦史的に「伝染病」などで戦線が硬直・停戦・終結したものって、他に何かありますか。


ベストアンサーに選ばれた回答

第一世界大戦の終結とスペイン風邪とは関係ありません。逆に戦争のせいでアメリカで起こった第一波が軍隊の派遣とともにヨーロッパに波及し、第二波、第三波の大流行を引き起こしたわけですから、戦争がスペイン風邪の世界的大流行を引き起こしたと言えます。

伝染病で戦況が停滞したのは黒死病が最も有名でしょう。百年戦争時のことです。



まあ、上の問答はともかくとしても、スペイン風邪の明確な死者数がわかりにくくなったのは、当時の主要国が戦争で混乱していたことと、戦略的な意味で資料を公開しなかったことは関係あると思われます。



そして、スペイン風邪の当時、もっとも綿密にスペイン風邪による患者数と死亡者数の統計を残したのは実は「日本」でした。

特に、日本の資料は2年間にわたってきわめて正確に記録され続けたもので、スペイン風邪の様相がよくわかる資料の例だと思います。

資料は現在も、東京都健康安全研究センターに PDF として残されています。

日本におけるスペインかぜの精密分析:(東京都健康安全研究センター)

に内容と資料があります。

あまりご存じない方も多いかと思われますので、1918年のスペイン風邪で日本人がどのくらい感染して死亡したかについていくつか掲載しておきます。




1918年のスペイン風邪(鳥インフルエンザ)のパンデミックの中の日本

まず、死者数は下の表です。

1918-death-01.png


1918年が約7万人、1919年が約4万人、そして、1920年には鳥インフルエンザにより 10万人以上が死亡しています。そして全期間、つまり 1918年から1920年まで日本だけでも鳥インフルエンザのパンデミックで、約 22万人くらいの方が亡くなっていたことがわかります。


患者数は下の表です。

1918-death-02.png


日本でのスペイン風邪の流行期間は3回にわけられますが、1918年 8月から翌年 7月までの約1年間の流行がもっとも患者数が多く、日本人のうちの約 2,100万人が感染しました。そして、3年間で約 2,300万人が感染しました。


当時の日本の人口は 5,000万人以下ですので「日本人の約半分が鳥インフルエンザに感染した」という言い方でも、あながち間違っていないと思われます。


しかし、スペイン風邪は「おそろしいパンデミック」だとされていながらも、致死率自体は決して恐ろしく高いというものでもなかったのです。

下は「患者 100人あたりの死亡者数」です。

1918-death-03.png


上から1回目の流行、2回目の流行、3回目の流行となっていて、2回目の流行の時の死亡率が非常に高いのは、鳥インフルエンザの毒性がアップしたということが言えそうですが、いずれにしても、全期間を通しての感染者の致死率は2パーセント以下です。

これは今現在、中国で、あるいは流行しているかもしれない鳥インフルエンザの致死率の 10分の 1以下といってもいいかと思います。


だからこそ、現在の鳥インフルエンザは恐ろしい感じも漂うのです。


ちなみに、1918年当時のスペイン風邪の感染状況を、現在の日本の人口1億2千万人に照らし合わせると、大体ですが、

総患者数 5,000万人
死亡者数 70万人


という、非常に大きな厄災だったことがわかります。


1918年のスペイン風邪には致死率以上の「もっと大きな問題」がありました。


それは、「老人や幼児ではなく、青年から壮年期の人たちが多く死亡した」ということでした。


普通、「病気」というと、弱いものから死んでいくというようなイメージがあり、多くはそうなります。すなわち、ご老人や、小さな子供や赤ちゃんが犠牲になる。ところが、スペイン風邪では、まったく逆の現象が起きていて、「体の強い青年期の人たちが最も多く死んだ」のでした。

これはスペイン風邪では全世界共通でした。

詳しいことは上にリンクした東京都健康安全研究センターの資料にありますが、日本の場合ですと、死亡者年齢の分布は以下のようになっていました。男子と女子では若干違いますが、スペイン風邪ではこの年齢層が最も多く死亡したということです。




死亡者年齢の分布 / 男子

・1917-19年 21-23歳の年齢域で死亡者数のピーク
・1920-22年 33-35歳の年齢域で死亡者数のピーク



死亡者年齢の分布 / 女子

・1917-19年 24-26歳の年齢域で死亡者数のピーク
・1920-22年 24-26歳の年齢域で死亡者数のピーク





「元気な者からどんどん死んでいく」というのが、スペイン風邪の最も大きな特徴であり、また、その原因は今でもよくわかっていません。

免疫の異常反応(いわゆるサイトカイン・ストーム)ではないかという説もありますが、何とも言えません。



このあたりは、1971年のアメリカ映画『アンドロメダ病原体(アンドロメダ...)』を思い出します。

and.jpeg

▲ 1971年の映画「アンドロメダ…」より。未知の病原体により全滅した村で、生き残っていたのは、「生まれたばかりの赤ちゃん」と「村一番のアル中の老人」のたった二人だけ。このふたりに共通点はあるのか・・・というところから始まる映画です。





ウイルスが人を選んでいるのではなく、人間が取り込むウイルスを選んでいるという説


メールを下さった方の「ウィルスは人を選んでいる」というフレーズについては、私も以前からいろいろと思うことがありました。

たとえば単なる風邪でも、風邪は基本的に「全員がかかっても不思議ではない」のに、どうして、そうならないのか、ということは小学生の頃から疑問で、大人に聞いたりしたこともありましたけれど、結局それについては誰もわからないというのが現実のようでした。


何年か前にフレッド・ホイル博士の著作『 DNA は宇宙を流れる』という本を読んだ時に目からウナギが落ちるような記述を目にしたのです(ウナギかよ)。いやいや、ウナギではなく、ウサギです(巨大化するのかよ)。

いやいや、そういう冗談を言っている場合でもないのですが、その記述とは、


人間自身がウイルスを選んでいる


という説でした。


うまく説明できないですので、今回はその部分を抜粋しておきたいと思います。

フレッド・ホイル博士とチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士は、インフルエンザ・ウイルスも宇宙からやってきていることを調査するために、1975年に流行した百日ぜきと、1977年〜1978年に英国で大流行したインフルエンザに対して徹底的な検証をおこなっています。

なので、その「人間自身がウイルスを選んでいる」という部分だけを抜粋しても突飛な感じがしますので、少し前後を含めて抜粋しようと思います。1回だけでは無理そうですので、わけます。


今回はその「人間自身がウイルスを選んでいる」という部分を抜粋します。

改行はこちらで適時しています。

それでは、ここからです。






免疫と進化


フレッド・ホイル著『 DNA は宇宙を流れる』 第4章「進化のメカニズム」より


われわれが「ウイルスは宇宙から来た」と言うと、決まって、

「地球外からやってきたウイルスが、どうして地球の宿主を知っているのか?」

と反論される。

ウイルスが増殖するには宿主となる生きた細胞が必要不可欠だが、インフルエンザ・ウイルスをはじめとする一部のウイルスは、特定の動物の特定の細胞や器官にしか感染しないという、きわめて気難しいところがあるからだ。したがって、彼らが言っているのは、

「地球外からきたウイルスが、地球で見つけるべき生物、あるいはその細胞を知っているのは、なぜか?」

ということなのだ。

この問いに対しても、われわれは答えを用意している。ウイルスが宿主を選ぶという彼らの前提が間違っているのだ。

われわれは、宿主のほうがウイルスを選んでいるのだと考えている。

地球にはじめて落ちてくるウイルスが、あらかじめどんな宿主に遭遇するか知るよしもないことは当然だ。けれども、宿主たるわれわれは、もともと宇宙からやってきたバクテリアから進化した存在であり、このような事態に備えた機構を持っているはずなのだ。

それが免疫機構なのだとわれわれは考えている。

これは、ウイルスについての従来の見方を、根本からくつがえす考え方だ。

通常、ウイルスと免疫との関係と言えば、ウイルスがわれわれの細胞を騙して侵入し、それに気づいた免疫機構がウイルスを排除しようとして戦う、という説明がなされている。

けれども、まっすぐに伸ばすと全長 1.5メートルにもなり、 10万個もの遺伝子を持つヒトの DNA 分子が、全長わずか数ミクロンで、数個の遺伝子しか持たないウイルスの DNA 分子に「騙される」などということが、本当にありうるだろうか?

また、ウイルスが侵入してからの免疫システムの素晴らしい活躍ぶりを見ると、どうして、もっと早いうちに完全にブロックしておかないのだろうと疑問に思わないだろうか?

そこまで工夫している余裕が細胞になかったのだろうと言うことはできない。

なぜなら、宿主細胞の核酸には、ウイルスの核酸などお呼びもつかないような大量の情報を書き込むことができるからだ。この能力を総動員してかかれば、もっと早い段階でウイルスの侵入をブロックすることも、遺伝子のプログラムの二重書きをふせぐことも、わけもないはずなのだ。

したがって、そんな仕組がない理由はただひとつ。

それはウイルスの侵入が、われわれ生物にとって望ましいからだ。

ちっぽけなウイルスが大きな生物を騙すのではなく、生物が自らの利益のために ----- 進化するために ----- 進んでウイルスを招き入れるのだ。

われわれは、免疫機構に対する考えを改めなければならない。免疫機構は、常に新参者を探しているが、それはわれわれの遺伝システムがそれを取り込むことが進化論的立場から価値があると認められるような新参のウイルスを探すためなのだ。

明らかに価値がなさそうなものは門前払いをくらい、見込みがありそうなものだけが細胞との相互作用を奨励される。もちろん、その個体が死んでしまっては、ウイルスを感染させた意味がなくなるから、適度なところで病気を終息させる必要がある。そこで、ウイルスが感染し、目的の組織で増殖しはじめると、インターフェロンが作られはじめるのだ。

こういう考えはどうも腑に落ちないと思われる方もあるだろう。ウイルスに感染した人は苦しい目にあうから、どうしても「ウイルス=悪者」という先入観を持ってしまうからだ。

けれども、個体の苦しみは、種の利益とは関係ない。問題になるのは、100万の失敗のほうではなく、ときどきそれがうまく行くという事実の方なのだ。





ここのでです。

最後の「100万の失敗のほうではなく、ときどきそれがうまく行くという事実の方なのだ」くだりはちょっとわかりにくいですし、私も理解しているわけではないですが、その前に

> 個体の苦しみは、種の利益とは関係ない


とありますので、「生命の進化がたまに成功する」ことを書いているのだと思います。


そして、ここではヒトに感染するウイルスのことですので、

ウイルスの流入によって希に人類の進化が起きる

ということを示しているのだと思います。

このあたりは、昨年の記事、

西暦 541年の東ローマ帝国でのペスト襲来に関してのヨーアンネースの記録
 2012年09月20日

ウイルスの流入の繰り返しでDNAの進化をなし得てきた人類をサポートする「宇宙と火山」
 2012年09月23日

などもご参考いただければ幸いです。





  

2012年07月06日



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昨日、一昨日と、ヒッグス粒子のことについて少し書いていました。






 


昨日の記事は、

科学者たちの「神」の意味
 In Deep 2012年07月05日

というタイトルのものだったんですが、今朝、ロシアの「プラウダ」に、今回のヒッグス粒子の発表に関して「神を演じる科学者たち」というタイトルの記事がありました。

それは、「Congratulations」(おめでとう)で始まったあと、

「科学界の皆さん、神の粒子を発見されたそうで、おめでとう! でも、あなたたちは実際には何も発見していない」


という出だしで始まる過激なもので、その内容をご紹介したいとも思ったのですが、内容が専門的すぎて訳せないのです。粒子を計測するための「ギガ電子ボルト」( GeV / c2 )という数値などの計算や、何だかわからない物質の名前などから構成される内容で、実証的な科学批判のようなののですが、書いてあることがひとつもわかりません。

その記事をリンクしておきますので、科学にお詳しい方等お読みくださればと思います。
プラウダはロシアメディアですが、これは英語の記事です。

Scientists play God

pravda-07-05.png

▲ その記事より。なぜか「焼け野原の写真」が添えられています(笑)。



さて、今回は「病気」の話なんですが、私が「パンデミックや感染症の流行」といったものに興味がある理由などについて少し書いておきたいと思います。


インドに再び降った「赤い雨」


私が感染症などのウイルスなどによる病気に興味がある理由としては、フレッド・ホイル博士などによるパンスペルミア説(生命は宇宙から運ばれている)の存在があります。

パンスペルミア説を支持する科学者たちの間では、1960年代くらいから、

彗星が病原菌を運んでいる可能性

について、わりと長い間、実証的な研究が進められていたということがあります。

フレッド・ホイル博士に関しての Wikipedia から抜粋します。


ホイルは晩年、生命の起源を自然主義的に説明する化学進化の理論を頑強に批判した。チャンドラ・ウィクラマシンゲと共にホイルは、生命は宇宙で進化し、胚種 ( パンスペルミア / panspermia ) によって宇宙全体に広がったというパンスペルミア仮説を唱えた。

また地球上での生命の進化は彗星によってウイルスが絶えず流入することによって起こると主張した。



というものです。

フレッド・ホイル博士が亡くなった後、その弟子的な立場のチャンドラ・ウィクラマシンゲ博士が研究を続けていると思うのですが、新しいリリースの話をききませんので、どのようになっているのかよくわかりません。


それと関連して、最近、印象的な出来事がありました。

かなり前に In Deep の記事で、

インドに降った赤い雨の中の細胞が 121度の温度の下で繁殖し、銀河にある光と同じ光線スペクトルを発した
 In Deep 2010年09月07日

というものを書いたことがあります。

2001年に、インドのケララ州というところで「2ヵ月間に渡って赤い雨が降り続けた」という奇妙な現象がありました。各国の科学者たちがそれについて調べている中で、

赤い雨は生命だった

というひとつの結論に達したというものです。




▲ 2001年のインドの雨の顕微鏡写真。これらの生命には「 DNA 」がありませんでした。


その雨には、上の写真のような「生命」が含まれていることはすぐにわかったのですが、奇妙だったのは、「これらの生命が DNA を持たなかった」という点でした。

仮に、地上に降った後に微生物などの生命が混入したのであれば(地球上の微生物ならば)、それは必ず DNA を持つのですが、上のものには「 DNA がなかった」のです。


地球上にある生命や、その素材の中で「 DNAを持たないもの 」というのは限られているようで、その中のひとつが「人間の赤血球」です。

それらは

ヒトを含め哺乳類の赤血球は、成熟の途中で細胞核とミトコンドリア等の細胞器官を失っているので、正常ではない場合を除くと、DNAを持っていません。 (Yahoo! 知恵袋より)

ということなのだそうです。


つまり、上の写真の赤いものが「赤血球」であれば問題はなかったのですが、上記 In Deep の記事でご紹介した米国マサチューセッツ工科大学の記事によると、これらは赤血球ではなかったようなのです。

そこには、

これらの細胞が 121度の温度下で繁殖した

という驚くべき結果について載せられています。

そして・・・最近またインドで降ったのです。赤い雨が


これに関しては、Sudden Red Rain Shower Causes Panic In Kannur (インドで突然の赤い雨に人々はパニックに)という記事などありますが、もう少し詳しい状況がわかりましたら、ご紹介したいと思います。


いずれにしても、「いろいろと空から降っている」というような現状はあって、これに関しては、実は 1980年代に NASA は高層大気圏を調査していたのですよ。でも、理由を明らかにしないまま、調査は中止となったことが、フレッド・ホイル博士の著作に載っていました。「あの実験が続けられていれば」とホイル博士は残念がっていました。

しかし、たとえば、 In Deep の過去記事ですが、

宇宙のバクテリアを用いての強力な発電実験に成功した英国の研究チーム
 In Deep 2012年02月29日

というように、現在では実際に高層大気にいる「宇宙の微生物」を使っての発電なども進められていたりと、時代は少し変わってきましたけれど。これに成功したのは、英国の名門、ニューカッスル大学の研究チームです。


前置きが長くなりましたが、「病原菌」というのは上に書いた例と並べられるものだと私は考えていて、それだけに「病気の意味」など考えるところは多いです。


それでは、ここから本文です。







 



増え続けている子どもだけの「謎」の感染症


先日、日本語の報道で、「カンボジアの病気」のことが報道されていました。
下のは時事通信の記事です。


謎の病気で子供60人死亡=WHOが調査−カンボジア
時事通信 2012.07.03

世界保健機関(WHO)カンボジア事務所は3日、同国で4月以降の3カ月の間、謎の病気により子供60人が死亡したことを明らかにした。WHOは同国保健省と共に原因究明を急いでいる。

同事務所の公衆衛生専門家によると、死亡したのは全員、7歳以下。
発症が報告された61人のうち、一命を取り留めたのは1人だけだった。「高熱と共に胸部に重い症状が出るほか、神経障害の兆候が見られるケースもあった」という。



というものです。

私の知る限りですが、2010年以降、「子どもだけ」が感染する病気で、結局、その病気の何かわからなかったという事例が医療専門機関から発表されていたのは、

・フィジー
・インド
・ベトナム
・ウガンダ
・トルコ

などとなっています。

しかし、他にも、たとえば、アフリカや中東の紛争地域などでこういうことが起きていても、それはわからないままになっている可能性もあります。報道というのは、常に「世界の一部」のことしか取り上げられていないというのもまた事実だと思われます。



ロシアのメディアでいっせいに報道された「子どもだけの謎の病気」


子どもの謎の感染症で最も最近のものが「トルコ」で発生したものです。

turkish-virus.png

▲ ロシアのメディアでの「謎の病気」の報道。7月4日のものです。この子のように、全身に赤い発疹が出た後に発熱が始まる症状のよう。

トルコのベレクという町はロシア人たちの避暑地となっているのだそうですが、そのリゾート地で発生したものです。なので、現在、患者はロシア人だけのようです。

以下、そのトルコの病気、そして、ウガンダ、インドなど手元にあるいくつかの「最近の謎の子どもの病気」の報道を要約します。ベトナムの謎の病気は大人も感染しているようですが、他はすべて症状が「子どもだけ」に出ています。


トルコ

rus-vir.png
extrafast 2012.07.04

トルコのリゾート地で謎のウイルスに苦しむロシアの子どもたち

トルコのリゾート地の町ベレクのホテルで、このホテルに泊まっているロシア人宿泊客たちの子供たちの間に正体不明のウイルスが猛威を振るっていることが、現地のロシア人宿泊者からの連絡で判明した。すでに半月もの間、感染は続いているという。

このウイルスには子どもたちだけが感染し、はじめに湿疹が出たあと、3日間ほど熱が上がり、そして扁桃腺炎のようにのどが痛くなる。しかし、これは大人にはうつらないという。

なお、今回の旅行を企画した旅行代理店は、ベレクのホテルで伝染病が発生しているという情報は受け取っていないとしており、現地の実態は不明なままだ。




ベトナム


ベトナム 正体不明の病気との闘いに国際援助要請
ロシアの声 2012.04.22

ベトナム政府は、世界保健機関(WHO)とアメリカ疾病対策予防センター(CDC)に対し、正体不明の病気と闘うため援助を要請する意向だ。ベトナムではこの病気ですでに 19人が死亡している。

この病気は、今のところ自然界では知られていないもので、ベトナム中部のクアンガイ省で広がり始めた。

BBC放送によれば、すでに 270人の感染者がいる。この病気にかかると、まず高い熱が出、身体に発疹が生じ、その後肝臓などの器官に障害が起こる。初期段階ならば治療し直すこともできるが、症状が進んでしまうと治療が極めて難しいという。





ウガンダ


MYSTERIOUS DISEASE HAUNTS UGANDA
UT 2012.06.09

謎の病気がウガンダで多くの子どもたちを苦しめる

ウガンダ北部で流行している謎の病気は、現地のヒーラーにも治すことができない。

この病気は、子どもたちが突然、てんかんのような症状に陥り、成長と精神の発育に影響を与えるものだが、原因はわかっていない。当初は、これはウガンダの奇病「うなずき病」(激しく首を振り始め、意識を失い死に至るウガンダに存在する病気)かと思われていたのだが、そうではない可能性が出ている。

現在、アメリカ疾病対策予防センター(CDC)がこの病気の解明のために、ウガンダに専門家チームを派遣している。






インド


Mysterious disease in India kills 73
RIA 2012.06.09

インドで謎の病気により 73人の子どもの命が奪われている

謎の病気が、この2週間の間に、インド北部のビハール州で 73人の幼い子どもの命を奪った。

州の保健当局や治療にあたった医師によると、子どもたちは脳炎と似た症状を示していたという。しかし、保健当局は、死亡原因はいまだにつかめていないと述べる。



などです。


極めて正直に言えば、これが「大人ばかりが感染して死亡する病気」なら、それほど気にしなかったと思いますが、「子どもばかり」というのが気になります。

未来の世の中を作っていくのは、基本的に子どもであり、大人がいくら消滅しようとも未来は消えませんが、子どもが消滅すると「未来そのもの」が消えてしまう可能性があります。

今後もこれらに関しての報道がありましたら、ご紹介したいと思います。




  

2012年06月11日



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今回は、ヨーロッパからアジアにわたり広がる黒海で、イルカの大量死が続いているニュースをご紹介します。






 


黒海での正確なイルカの死亡数は地元の当局が数をカウントしていないのでわからないようですが、これまでに様々な動物300匹以上が死亡した状態で海岸に打ち上げられているようです。

報道記事を読むと、論調としては、黒海のイルカの大量死の原因は「海洋汚染ではないか」ということになっています。それが本当はどうかはともかくとして、私個人がこの報道を取り上げた理由は明確で、

・あまりにもイルカの大量死が世界中で続いている

ということからです。


それぞれの大量死の原因は多分同じ理由ではないでしょうし、しかも、今のところほとんど原因は不明ですけれど、原因はともかくとしても、この In Deep で今まで取り上げた記事などだけでも、この半年くらいだけで、世界中でイルカが 2,000頭に迫るような数で死亡して海岸に打ち上げられているように思います。




▲ ペルー北部では4月に、ほんの短い間に 1,000頭近くのイルカが打ち上げられました。記事「800頭以上の死亡したイルカが漂着したペルー北部で、今度は推計1,500羽以上のペリカンの大量死」より。


イルカに関しての過去記事は、記事下にリンクしておきます。

ちなみに、この「黒海」という内海に面している国は、トルコ、ブルガリア、ルーマニア、ウクライナ、ロシア、グルジアなどと大変多いのですが、今回の報道は、ロシア領土のソチという地域の海岸からのものです。

下の地図の星の部分です。

map-03.png


観光地としても有名な場所なようで、今回の記事にも観光客たちがイルカの死体を目にしてショックを受けている様子なども書かれてあります。

ところで、観光地とはいっても、ロシア領土内のビーチということで何となく閑散とした浜辺を想像していたのですが、写真をいろいろ見てみると大賑わいのビーチのようで、下の写真がソチの観光シーズンのものだそう。


sochi.jpg


そして、このソチは「 2014年の冬季オリンピック」の会場に選ばれた土地なのだそうで、現在、関係施設の建設が進んでいるとのこと。その汚染は結構ひどいようですが、しかし、それがイルカの大量死と関係あるのかどうかは決定づけられていないようです。


それにしても、イルカ・・・。

世界にどのくらいの数のイルカが生息しているのかわからないですが、死亡して海岸に打ち上げられているイルカがこれだけいるのら、「打ち上げられていないイルカの死体」も世界中の海の中に漂っていると考えるのが妥当で、いったい、どれくらいの数のイルカが毎日、世界で死んでいるのか、すでに見当がつかない状態になっているのかもしれません。

それでは、ここから記事です。

ロシアから中央アジアのニュースを主に扱うラジオ・フリー・ヨーロッパからです。






 


Black Sea Ecologists Alarmed By Dolphin Deaths
Radio Free Europe 2012.05.24


黒海でのイルカの大量死に警鐘を鳴らす環境保護活動家たち


sochi-dolphin.jpg


ロシアでも有数の観光地である黒海に面するソチに観光シーズンが訪れている。

しかし、そのソチで異変が起きている。
イルカの死体が連続して海岸に打ち上げられているのだ。

現在のところ、原因はわかっていないが、環境保護家たちはこの事態に対して警鐘を鳴らしている。

また、リゾートに訪れた観光客たちも、結果としてこの光景の目撃者となってしまっており、観光地としての問題も拡大している。


ロシアからやってきたアイダ・コブツさんは、先週、ソチの海岸でイルカの死骸の集団を見て、非常にショックを受けた。彼女は以下のように述べる。

「そこにいた人々は、みんなその小さなイルカの死体を見つめていました。そして、それはひとつではなく数体ありました。海岸に打ち上げられているイルカたち。そして、水の上にも死体が浮いていました。なんて悲惨な光景だったでしょう」。



関心を示さない地元の当局

イルカがソチの海岸に打ち上げられ始めたのは、数週間前のことだ。イルカは、ウクライナ側の黒海沿岸にも打ち上げられた。

環境保護団体によれば、現在までに、イルカなどの大型生物を含めて約3百匹の海洋生物の死体が見つかっているという。

地方当局は、これらの大量死に関しての詳細な調査をおこなわなかった。当局によると、水中から海岸に打ち上げられるまでに動物たちの死体の腐敗が進んでいて、原因を調べようがないということだった。

当局は、原因として、密猟者たちによる網が原因ではないかと考えているという。

今年の異常に寒かった冬の気温のために、イルカたちは冷たいアゾフ海から暖かい黒海まで移動してきたのだろうという。

また、一部の海洋生物の専門家は、ウイルス感染によって大量死が起きた可能性を指摘している。


地元の動物学者コンスタンチン・アンドラモノフ博士は以下のように言う。

「残念ながら、イルカの死亡数は日々増え続けています。現在、ウクライナでも同じことが起きています。私たちは原因として 20年ごとに発生するといわれている伝染病である可能性を考えています」。



生態系の危機

しかし、アンドラモノフ博士のような意見は少数で、多くの専門家たちは、原因が黒海の汚染にあると考えている。

また、当局の言う密猟者や、その漁の網であるという原因についても環境保護活動家たちは否定的だ。環境保護団体エコロジック・ウォッチのヴァレリー・ブリンク氏は以下のように語る。

「密漁や漁師の網などに引っかかることによってのイルカの死は毎年発生しますが、スケールが違います。今年のイルカの死の数はそのようにレベルでない。あまりにも大量なのです。これは、海洋汚染、あるいは、イルカの方向感覚などに何かが起きたということも考えられます」。


ソチは 2014年の冬季オリンピックの会場に選ばれているが、環境保護活動家たちによると、それ以来、ソチ周辺の汚染物質の濃度が高くなったという。ソチでは建設ラッシュに制限が設けられておらず、このままではソチ独自の生態系が回復できない状態にまで破壊されてしまうのではないかと懸念しているという。


地元の生態学者のオルガ・ノスコヴェッツ博士は、「当局は、大量死が汚染によるものだと気づいているはずです」と言う。ノスコヴィッツ博士によれば、最も多くイルカが死亡しているのがソチのラザレヴスキー地区という場所で、そこはサナトリウム濃度が高い川の水が大量に流れ込んでいる場所だという。


「悪名高いオリンピック建設用の廃棄場が近くにあるのです。そこには、廃棄物の処理システムが存在しません。現在、その近くの川は茶色く濁っており、水面は泡立っています。かつては地元で最も美しい地域だった、ソチのラザレヴスキー地区の浜辺に今その水が流れ込んでいるのです」と博士は言う。


そして、このように続けた。


「今回のイルカの大量死で当局は目を覚ましてほしいと思います。そして、この土地は観光地です。観光に訪れた多くの人々が海に入ります。これだけ大量の海洋生物が死亡している海が人間には何の影響も与えないと考えられますか? 黒海は汚染されています。当局はその真実を語るべきです」。




  

2012年05月10日



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Pelican.jpg

▲ 米国マサチューセッツ州にある教会のステンドグラスに描かれているペリカン。これは「親ペリカンが自らの胸に穴を開けて子に血を与えている」という様子を描いたもので、同様のデザインは世界各地で見られるのだそうです。
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(訳者注) この1ヶ月くらいでしょうか、「唐突に異常に眠くなる」というような状態にしばしば見舞われます。最初は「春だからかなあ」程度に思っていたのですが、その睡眠への欲求というか誘いにやや暴力的な感じがあり、「春眠」というような情緒のある意味を越えている感じがして、「ナルコレプシーにでもなったのかなあ」と心配になる部分もあります。

余談となりますが、そのことを少し書いておきたいです。


かつてない睡魔に襲われる最近

ナルコレプシーは、『麻雀放浪記』(私が自分の人生で唯一全部読んだ長編小説)の作者である阿佐田哲也さんの生涯の持病だったことで、その存在を若い時に知りましたが、要するに「原因不明の居眠り病」で、Wikipedia には、


ナルコレプシー(narcolepsy)とは、日中において場所や状況を選ばず起きる強い眠気の発作を主な症状とする脳疾患(睡眠障害)である。



と書かれています。しかし、実際、脳疾患であるのかどうかもよくわからない原因不明の病気ではあります。希な病気ですが、「日本では600人に1人程度」という発生率ですので、ものすごく希とも言えないのかもしれません。

そういえば、少し以前ですが、遠くに住む知り合いの人が、やはり同じように「最近突然眠くなることがある」と言っていたことがあります。

その人は車で生活することの多い地域に住んでいる人なんですが、「運転中に眠くなると危ないから、最近は車を運転していない」と言ってました。最近の世の中のいろいろを見ていますと、それは賢明かもしれません。

私自身は車の運転とは無縁ですが、このナルコレプシー風の唐突な「睡魔」は、あれに襲われたら、どんな状況でも通常の判断はできないかもしれないことが想像つきます。私の場合など、歩いていても眠ってしまいそうなものですので。


そういえば、ずいぶん以前のウェブボットに「世界的な睡眠障害が発生する」というくだりがありました。2009年頃のものだと思います。

探してみましたらありましたので、その部分を抜粋してみます。


ALTA(非対称型言語傾向分析)レポート 1309 Part5
ウェブボット 2009年04月11日配信

・世界的な規模で睡眠障害が発生する。最初は個人的な問題として見過ごされるが、多くの人々が同時に同じ問題に苦しんでいることが次第に明らかとなる。

・ この現象は宇宙関連のカテゴリーに出てくる宇宙からの未知のエネルギーと関連の深い現象である。

・ 集団的な睡眠障害の現象は「病気」のキーワードとの関連でも現れているが、これはいわゆる病気ではなく、その原因は太陽系にある。

・ 睡眠障害に対する薬物療法はほとんど役に立たない。むしろ睡眠障害を悪化させてしまう。

・ こうした現象により事故が多発する。交通機関の事故がもっとも多いが、その他に職場や工場での事故も多発する。こうした事故は、事故が発生した地域の人々に大変な影響を与える場合も多い。




最近の自分の「異常な睡眠への衝動」を考えてしまいました。

ちなみに、私の場合、ほんの僅かな仮眠をとるだけで回復しますので、仮に同じように「睡魔」に関しての問題がある方がいらっしゃいましたら、20分くらいでも休める環境を作るといいような気もします。まあ、一般の会社などではそうもいかないでしょうけれど・・・。



ペリカンのこと

さて、今回のテーマは、タイトルにした「ペリカン」なんですが、何度かペルーでの大量死に関して、現地の記事などをご紹介しています。



今度は、米国のフロリダでペリカンの大量死が発生しているニュースが報道されていましたので、その記事をご紹介したいと思います。


ところで、この「ペリカン」という生き物

前回などのペルーの記事を書いていた時に、「ペリカンってどんな生き物だったっけ?」ということをわりと普段は気にしていなかったことがわかります。何となく「想像できない」のです。


Whitepelican_edit_shadowlift.jpg

▲ 実際のペリカン。


今回のフロリダの大量死の記事を書くにあたって、Wikipedia のペリカン属 のページを見てみると、意外な意味を与えられている鳥であることがわかりました。

以下は 上記 Wikipedia からの抜粋です。


ペリカンは、胸に穴を開けてその血を与えて子を育てるという伝説があり、あらゆる動物のなかで最も子孫への強い愛をもっているとされる。

この伝説を基礎として、ペリカンは、全ての人間への愛によって十字架に身を捧げたキリストの象徴であるとされる。このようなペリカンをキリストのシンボルとみなす記述は、古くは中世の著作にも見つけることができる。

ペルーのモチェ文化において陶製のペリカン像が発見された。カッショクペリカンかそれに近い種をモデルにしている可能性がある。

220px-PelicanMocheLarcoMuseum.jpg

▲ ペルーのモチェ文化での陶製のペリカン。 ペルーのリマにあるラルコ博物館に収蔵されている。



なんと、ペリカンはキリストの象徴!
それが続々と死に初めているというのは何とも微妙な話にも感じます。

さて、他にもいろいろと思うところはありますが、上に出てくる「モチェ文化」という古代文明の元で作られたペリカンの像。その陶製の像は今は、ペルーのリマにあるのですが、このリマこそ、現在のペリカンの大量死の最前線なのです。

因果という言葉で表していいのかどうかわからないですが、何とも凄みがある話に思えます。このモチェ文化というものも私は知らなかったので、 同様に Wikipedia から抜粋いたします。


モチェ文化は、ペルー北海岸にそそぐモチェ川から名称をとられた紀元前後からA.D.700頃まで繁栄したインカに先行するプレ・インカと呼ばれる高度な文化のひとつである。

モチェは、美しく彩色され、写実的に人面、動物、作物などを象った鐙型注口土器と黄金やトゥンバガ(金と錫の合金)細工などのすばらしい副葬品で知られる。



この説明には、「太陽のワカ」「月のワカ」と呼ばれる神殿ピラミッドの建設というくだりも出ており、いろいろと最近の絡みとも思うところもありますが、前置きが長くなりましたので、ここから、本記事に入ります。

米国のフロリダのインディアン・リバーという川の周辺で数百羽のペリカンが死亡していることを報道した短い記事をご紹介しておきます。



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2012年05月09日



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地元の漁業組合によると、実際のイルカの死亡数は昨年11月から「3千頭以上」になるという話も
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(訳者注) 今回の記事は 5月1日の、

800頭以上の死亡したイルカが漂着したペルー北部で、今度は推計1,500羽以上のペリカンの大量死

の続きとなるものです。

ペルーのイルカとペリカンの大量死のニュースは、今では世界的なニュースとなっていて、今朝の米国のニューヨークタイムスでも非常に大きな報道として、現在の状況を報じていました。

今回はそのニューヨークタイムズの記事をご紹介します。

ちなみに、その前に、最近、世界でどのくらい「海洋生物の大量死」が発生しているかを並べてみたいと思います。
多くが魚です。

下のは5月に入ってからの最近1週間程度の間の大量死報道です。

例年、夏になると魚の大量死のニュースは多く出ますが、時期が例年より異常に早いと私は思います。また、クウェートですとか、今まであまり魚の大量死を聞いたことのない地域での大量死報道も目立ちます。

そのほとんどが「原因は調査中」となっていて、つまり原因はわかっていません。

見出しはすべて日本語にしました。
日付けは報道された日です。


2012年5月の主な魚の大量死報道

クウェート / 5月6日

クウェート湾沿岸での魚の大量死が漁師たちを怯えさせている
 Kuwait Times 2012.05.06

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米国アーカンソー州 / 5月8日

公園で連続して発生している魚の大量死
 Blytheville Courier News 2012.05.08
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フィリピン / 5月1日

レイテ島で続いている魚の大量死の調査が始まる
 Business Mirror 2012.05.01
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インド / 5月4日

コーチ市のムタール川で魚の大量死の発生がパニックを引き起こした
 Deccan Chronicle 2012.05.04

FISH-display.jpg
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米国テキサス州 / 5月3日

ヒューストン湖での魚の大量死に関連し、当局は周辺住民に注意を喚起
 ABC 2012.05.03

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ここから米国ニューヨークタイムスのペルーの大量死に関しての記事です。



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2012年05月01日



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[追記]続報として「ペルー続報: 政府により立ち入り禁止となったペルーのイルカ大量死現場周辺の海岸」という記事を記しました。
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(訳者注) ここ2年くらい、イルカやクジラや魚類などの海洋生物の大量死はあまりにも多く起きていますが、それでも、4月22日にペルーで「 877頭のイルカの死体が海岸に打ち上げられた」という報道がなされて、これにはやや驚きました。
今回はその時のニュースもご紹介します。

その前にも、In Deep の過去記事の、

イルカが伝えてくれること: 米国とペルーだけで 300頭以上の死亡したイルカが打ち上げられた 2012年2月
 2012年02月17日

の中で、ペルー北部の海岸で、たった3日間に 264頭のイルカが死亡して漂着しているのが発見されたことを取り上げたことがあります。

イルカは今年、私が目にしたニュースでの数だけでも、全世界で 1500頭以上は死んで海岸に打ち上げられているはずで、もちろん他に「人目につかないところで死んでいるたくさんのイルカ」というものもいるはずです。

そんなこともあり、今では「イルカの大量死は通常の現象」というようなことになった感さえあるのですが、昨日になって、同じペルー北部の海岸で、「ペリカン 500羽が死んでいるのが発見される」というニュースが英国の BBC ニュースで放映されていて、さすがにこう同じような場所で大型動物の大量死が続くと、気にならないというわけにもいかず、ご紹介します。

500羽というのはペルー政府が確認した数で、ローカルメディアの報道では、他の地区でも 1,200羽くらいのペリカンの死体が見つかっているようです。

イルカの大量死も、ペリカンの大量死も、共に場所は下の地図の「A」(リマ市)の北部にある海岸一帯の地域です。

lima.jpg


問題としては、大型生物の大量死が一度だけではなく、数ヶ月も続いているということで、これは、イルカにしてみても、一度の事故か何かで大量に死亡したと考えるよりも、ペルー沖から南太平洋で、「継続的に何か問題が起きている」ということを示唆しているような気もいたします。

まずは、イルカの報道からです。米国のインターナショナル・ビジネス・タイム紙からのものですが、写真はかなり凄惨です。



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2012年02月17日



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(訳者注) 米国のメディアで「マサチューセッツ州の海岸に次々とイルカが打ち上げられている」という報道があったのが今年 1月の終わりで、2月6日にはその数は 192頭に達しました。2月6日までにそのうちの 92頭が死亡し、それは今も続いており、 昨日 2月17日までに100頭以上のイルカの死亡が確認されています。

場所はマサチューセッツ州のケーブコッドという場所です。
下のほうに地図で示します。


cnn-2012-02-06-01.jpg

▲ 2月7日の CNN の報道「マサチューセッツで座礁したイルカの死亡数は 92頭にのぼっている」より。


In Deep は昔から動物の大量死の記事は比較的多いのですが、この時にこの報道を記事にしなかったのは、この記事の時点では原因が何もわかっていなかったことと、あと「まだ終わった事件ではない」ということでした。

ちなみに、イルカの海岸への漂着そのものは決して珍しいことではないです。上の記事によれば、米国での年間のイルカの座礁や、海岸への漂着などで死亡している例は、1年間の平均で 200件程度はあるそうです。ただ、その平均の半数近い数のイルカが1ヶ月以内に漂着して死亡するという事態は若干異常ではあるようで、現在調査が進められているようです。


今回、イルカのことを記事にしたのは、「ペルーでさらに短期間にもっとたくさんのイルカが死亡して打ち上げられていた」ことを今日知ったからです。

オーストラリアのメディアで昨日いっせいに報じられたもので、ペルー北部の海岸で、 たった3日間で 264頭にものぼる死亡したイルカが海岸に打ち上げられたそうで、これは「まったく異常事態」ということで、政府や環境団体が調査しているのだとか。

わりと短い記事ですが、今回はそれを翻訳いたします。

他に、最近のイルカ打ち上げの報道としては、



クロアチア

Series of dolphin deaths puzzles experts
(連続したイルカの死に困惑する専門家たち)
クロアチアタイムス 2012.02.06


ニュージーランド

ニュージーランドの海岸に約百頭のイルカ打ち上げられる
ボイス・オブ・ロシア 2012.01.24




などがあり、世界全体でみても、イルカの座礁と死亡例は、今年 2012年は非常に多いといえそうです。

原因はどれもまったくわかっていないと思いますが、これまでも、イルカやクジラの座礁の正確な理由というのは実はわかってきていないという部分はありそうです。

上に挙げたそれぞれのイルカの漂着場所を地図にポイントしておきます。


2012年2月のイルカの大量死報告のあった場所

d-2012-01.png



ちなみに、米国でイルカが打ち上げられたマサチューセッツ州のケープコッドという海岸は下のような面白い地形をしていることで有名なようです。

cape-cod.jpg

▲ ケープコッドの観光用の絵はがきより。

ここから翻訳記事です。



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2012年01月04日



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(訳者注) 2012年の新年の1月2日。北欧ノルウェーのメディアの一面は「魚の大量死」報道で始まりました。

norway-fishkill.jpg

▲ ノルウェーの報道メディア Dagblabet より。


ノルウェーでのこの魚の大量死は、最初、ノルウェー語だけの報道だったのですが、今日になり、英国のデイリーメールで「米国での別の大量死報道」と共に紹介されていました。

米国での大量死は「鳥」です。

しかも、昨年のこの In Deep でも取り上げた「大晦日の大量死」が発生した場所と同じ米国アーカンソーでの出来事でした。




▲ 2010年12月31日に鳥5000羽と魚10万匹という謎の大量死が発生した米国アーカンソー州。



関連の In Deep の過去記事は「米国アーカンソーの鳥と魚の大量死をめぐるブログより」というタイトルで下の3つの記事を連続して書きました。

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です。

同じ場所で、ほぼ1年後の大晦日である2011年の12月31日から2012年の新年にかけて、「空から鳥が落ちてきた」という報道が、米国などのあちこちでなされています。

デイリーメールでは、そのふたつの事件をまとめて紹介していましたので、今回ご紹介します。


ちなみに、あまり関係ないことですが、上の In Deep の過去記事の「(2)聖書の記述より 」で紹介している記事の中で、「聖書の中で鳥の死が描かれているもの」が抜粋されており、このようなものが紹介されています。

エゼキエル書 / 38章 20節

海の魚、空の鳥、野の獣、
地の上を這うすべてのもの、
および地上のすべての人間は、
わたしの前に震える。
山々は裂け、崖は崩れ、
すべての城壁は地に倒れる。
--

ゼファニヤ書 / 1章 3節

わたしは、人も獣も取り去り
空の鳥も海の魚も取り去る。

神に逆らう者をつまずかせ
人を地の面から絶つ、と主は言われる。



などがあるとのことでした。

何だか、最近は「新年の代名詞は大量死」という感じも定着してきています。



ところで、今回の「ノルウェーの海域」は、一昨年の BP の原油流出のことを思いださせます。ノルウェー沖は、米国のメキシコ湾から続いている「メキシコ湾流」の終点なのです。

そのことに少しだけふれておきます。
まあ、もちろんノルウェーの魚の大量死と関係がある話ではなく、そういうことを考えていた時が昔あったということです。



世界をめぐる海流


2010年の BP の原油流出の後、しばらくいろいろと調べていたことがありましたが、結局、個人的に「この原油流出の影響は数百年以上続くのでは」と感じて、それ以降は「なるようにしかならない」と考えるようになりました。

というか、世界各地で常に原油は流出していて、原油の流出そのものは日常のことのようなのです。

ただ、 BP の場合は、そこに「多量の原油分解剤(コレキシット)」を使用しており、やや事情は違う部分はありました。

当時の(私個人としての)懸念のポイントは、


・原油を分解するバクテリアの異常大量発生による生態系の劇的な変化

・原油分解剤コレキシットの全世界の海への拡散



でした。
コレキシットは曖昧ではない「劇薬」です。


そして、世界の海(海流)というものは「基本的にひとつ」です。
下の図は海流の流れを簡単に示したものです。

belt-02.jpg

▲ 赤の星が2010年の BP の原油流出現場。黒の星は、今回ノルウェーで20トンのニシンが打ち上げられたあたりの大体の場所です。米国のメキシコ湾からノルウェー北部まではメキシコ湾の海流で繋がっています。このメキシコ湾の海流があるお陰で、英国や北欧は「人間が住める程度の気温と暖かさ」で収まっています。


世界中に様々に存在する小さな海流もこの大きな海流のベルトに乗り、全世界の海を回ります。そして、海から蒸気として海中にあるものが大気へと昇華していきます。

相転移という難しい言葉がありますが、気化して別のものになることを含めて、最終的には、すべての地表にはある程度同じ「ような」ものが拡散していくというのが実際のところのように思います。



海の水に注目する時代となりそうな 2012年


なお、「生態系の劇的な変化」に関してですが、年末は慌ただしくて、ご紹介する時間がなかったのですが、昨年末の12月19日に、米国のテキサスA&M大学のニュースリリースに、「新種の魚とエビがメキシコ湾を侵略していることが調査で判明」というものがありました。

このあたりはまた、おいおいふれていくと思いますが、深海で起きていることは地表に住む私たちにはわからないことばかりで、何も知らないままに進行して変化していくという部分は多いと思います。


そして、大事なことは「地球の気温差を形成しているのは海流による」ということもあります。

海が変化すると、世界の天候が大きく変化します。

まあ、もう変化しているような気もしますが、昨日の記事の「龍の年」の中に書かれている水の変化には海が含まれていて、また、2009年のウェブボットにはこのような下りがあります。

その部分の抜粋です。




非対称型言語傾向分析報告書「来るべき未来の形」0 巻 0 号より
2009年6月17日配信

・「生物による熱の放射」というキーワードが存在するが、これは海流や気流との関連で出てくるキーワードである。このキーワードは、海流の文脈では新しい活火山や深海の開口部と深い関係がある。

・ さらに、「深海の開口部」というキーワードは太平洋に関係している。「深海の開口部」は海流の流れ全体に影響を及ぼし、その結果異常な海流が発生することになる。

・ これは、深海の開口部によって変化した海流が人間が居住する沿岸部のさまざまな異常現象を引き起こすということでもある。

・このパラダイムシフトは全世界の民衆の間で起こるが、それは特に「水」、それも特に「海」に関する意識の変化を呼び起こす。これは海の大切さに対する意識となって現れる。よい海洋環境なしには生物は生存し得ないからである。

・ 2009年の夏から数年間は海でびっくりするような異常現象が相次いで起こる。世界の民衆は海に注目するようになる。





などです。

「水」に関しての変化、災害などは豪雨、洪水、海洋の異常を含めて、すべて、すでに最近数年で顕著に出ているものですが、今年いきなりそれが収まるというような感じもしないわけで、水や海に注目して生きることにも意味はありそうです。

なんだか前置きが異常に長くなりましたが、ここから、ノルウェーの魚の大量死に関してのデイリーメールの記事です。




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2011年11月22日



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▲ 1918年10月25日付けの読売新聞。「毎日700名以上の死亡者」という見出しがみえます。

上の読売新聞の記事の冒頭です。

学校を襲い、寄宿舎を襲い工場を襲い、家庭を襲い、今や東京市中を始め各府県にわたりて大猖獗を極めつつある悪性感冒は単に日本のみならず、実に世界的に蔓延しつつある大々的流行病にして、その病勢の猛烈なる実にいまだかつて見ざるところなり試みに、外務省海軍省内務省等集まれる海外の状況を見るにその惨禍は想いはからずに過ぐるものあり。





(訳者注) タイトルの「死のインフルエンザ」というのは、当時流行した強毒性の鳥インフルエンザのことで「スペイン風邪」と呼ばれるものです。

そして、これが歴史上、人類が遭遇した最初のインフルエンザのパンデミックでした。


第一次大戦とかぶっていたこともあり、正確な死亡者数は今でもわかっていませんが、最大の見積もりでは当時の世界人口 12億人のうち 6億人が感染し、 6000万人が死亡した可能性があります。世界の人々のうちの「2人にひとりが感染」し、「 10人にひとりが亡くなった」というパンデミックでした。


世界の中でも、比較的正確に死亡数の記録が国家単位で残されている国には米国と日本がありますが、米国での死者数は 85万人。日本では、当時の日本の人口の3分の1の 2000万人が感染し、最大で 48万人が亡くなったとされています。

思えば、数年前から発生が懸念されている鳥インフルエンザのパンデミックというのは、この「スペイン風邪」の再来を恐れているということになります。

このスペイン風邪の時の「死者の年代の傾向」は私は昔から大変に興味があり、以前のブログなどで何度かふれていたことがあって、それは、

「子どもや弱った老人などより、健康そのもので体力が充実している若者から死んでいった」

ということが挙げられます。

最も健康な人が最初に息絶えていくという病気。
その点がそれまでの病気(あるいは以降の病気)と違う点のようにも思います。

その理由は今でもわかっていませんが、免疫過剰の一種ではないか(「サイトカイン」という物質が大量に(嵐のように)分泌されることから「サイトカイン・ストーム」と呼ばれることもあります)という説もあります。

いずれにしても、男女ともに、二十代から三十代が多く犠牲となりました。

なので、スペイン風邪自体は「世界で10人にひとりが亡くなった」ということであるとしても、年齢別では「二十代と三十代の数人にひとりは亡くなっていた」ということも言えるものだと思われます。そう考えると、「ものすごいもの」だったと、やはり思います。


いずれにしても、世界中で夥しい人々が亡くなったのですが、米国の診療所で「スペイン風邪による死者をひとりも出さなかった療養所」のことが後年話題となりました。それは、コーンフレークで有名な、ジョン・ハーヴェイ・ケロッグ博士(ケロッグ博士)が米国ミシガン州に開いていた富裕層向けの療養所でした。


私がその療養所の存在を知ったのは、20年くらい前の映画「ケロッグ博士」(原題: The Road to Wellville)でしたが、アンソニー・ホプキンス主演で、監督は「ミッドナイト・エクスプレス」や「ミシシッピ・バーニング」を撮ったバリバリの社会派演出家であるアラン・パーカーという豪華な組み合わせ・・・なのに、どういうわけだか、単なるカルト映画となってしまい、それだけに当時も今も私の好きな一本となっていて、元気がない時や、病気の時に見たりしています。


kellogg-1.jpg

▲ 映画『ケロッグ博士』では、ケロッグ博士の治療院にあった「治療設備」を忠実に再現しており、それはどれも奇妙で刺激的なものでした。


今、また寝込んだりしていて、ケロッグ博士のことを思い出している中で、3年くらい前にクレアで「スペイン風邪のときのケロッグ博士の治療法」をご紹介したことがあったなあと思い出しました。

私はとにかく感染症に弱くて、もし鳥インフルエンザのパンデミックが発生したら、真っ先に感染してしまうんだろうなあ、と昔から思っていました。

その頃調べている中で、1918年のスペイン風邪の記録を見る限り、「積極的な投薬治療がむしろ悪い方向に行く場合も多い」ということを知ります。そこで知ったのがケロッグ博士の治療法でした。治療法というか「対処法」というほうが正しそうです。


今回、そのことが書かれてある 2009年の海外記事をご紹介します。

ちなみに、ケロッグ博士のスペイン風邪の治療法の基本コンセプトは、

・汗をたくさん出して、うんことおしっこをたくさん出す


というだけです(苦笑)。

体の中の悪いものを次から次へと出していくという方法のようです。

なので、これが今後のパンデミック治療に役立つという意味ではないですが、かつてこういう方法があって、「その時は」ですが、誰も死ななかったという事実があったということです。

1918年だけではなく、今も今後も基本的には同じようなインフルエンザのパンデミックが発生した場合、それには「予防は無意味」で、そして、有効な治療法も少ないことは歴史が語っています。

タミフルやリレンザなどのインフルエンザ治療薬の有効性に関しての考え方は人それぞれで、否定も肯定もないですが、それらに頼ること自体も自己責任の世界だとは思います。



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2011年02月11日



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北京市衛生局が公表した「新型インフルエンザ(H1N1)の死亡率が2%に達していることを示していることに懸念を抱いた市民への質問に、当局が「死亡率はそんなに高くないし、爆発的流行の徴候もない」と述べたという記事です。

このニュースを紹介したのは「ちょっとしたこわさ」が文章の中に散りばめられていたからです。

私がこのニュースの中でもっとも怖かったのは、2%という数値ではなく(高いにしろ低いにしろ、いい加減であることは確かだと思いますので)、北京市の衛生局副主任が、市民を安心させるために言ったのだと思う、この言葉です。

「感染状況は昨年よりはるかに低い」

という言葉。

これを読んで、「ああ、これは1920年のスペイン風邪の時と似ている」と漠然と思ったのでした。
2年くらい前だったか、資料として記したことがあるスペイン風邪の記事からの「日本での」感染状況のデータの抜粋です。

1918年の第一回目の流行では、日本国民の約半分(人口 5500万人のうちの 2100万人)が新型インフルエンザに感染しました。


東京都健康安全研究センター年報の日本におけるスペインかぜの精密分析より

流行期間は1918年から1920年

死亡者数

流行期間は2年間で2回あり、それぞれの患者数と死亡者数(当時の日本の人口は約5500万人)。

1回目の流行(1918年8月から1919年7月)
患者数21,168,398名,死亡者数257,363名,対患者死亡率1.22%
(およそで患者数2100万人、死亡者数25万人)

2回目の流行(1919年8月から1920年7月)
患者数2,412,097名,死亡者数127,666名,対患者死亡率5.29%
(およそで患者数240万人、死亡者数12万人)

2回目の流行で死亡率が飛躍的にアップしていますが、「流行性感冒」というところからの引き合いでは「患者數ハ前流行ニ比シ約其ノ十分ノ一ニ過キサルモ其病性ハ遙ニ猛烈ニシテ」という記述があり、つまり「患者数は少なかったけれど、症状がはるかに重くなっていた」ということらしいです。




スペイン風邪の時は「次の年に毒性が大幅にアップして」戻ってきています。
ただ、感染者数は大幅に減っており、これは(推定では)前年に感染した人(症状が軽く済んだ等などの人)が免疫をつけたためだと思われます。

あと、こわいというか何というか、記事の

 > 昨年、北京市は約170万人に新型インフルエンザワクチンを接種した。

にも、いろいろと思うところはあります。
現在、北京では感染が拡大局面。
ワクチンの効果は・・・。

ただ、ワクチンに関しての効果は賛否いろいろありますので、ふれるつもりはありません。


上のクレアの記事は参考資料として記事の下に全文抜粋しておきます。

現時点では、新型はそんなに心配することではないと思うのですが(それもわからないですが)、先日、「エジプトの混乱でもっとも恐れること : H5N1患者の拡大の中での100万人集会 (2011年02月03日)」というもので記事にしました鳥インフルエンザ(H5N1)も決して遠い将来のことではないと考えていますので、複合でパンデミックが発生したら、ちょっと厄介かなと。

あ!  そういえば、1918年から1920年のスペイン風邪の大流行の時に、記録で残っている中では、ほぼ唯一、スペイン風邪による死者を出さなかった療養所があったんですよ。

いつだったか、書いたような、書こうとしてヤメたような・・・あやふやなんですが、それはコーンフレークで有名な米国の19世紀の医学博士のケロッグ博士(ウィキペディア)のサナトリウムです。彼のサナトリウムは、感染者多数の中で、死者を一名も出さなかったはずです。薬や対象治療をいっさい行わず、「ひたすら汗と便を出し続ける」療法でした。

もし書いたのが見つかったらアップしてみますね。
サイトカイン・ストーム(インフルエンザ治療で致死に至りやすい)なんかを考えると、ケロッグ博士の「治療しない」という治療法は興味深い療法です。




flu-china.png
中広網 2011年02月10日

北京当局は新型インフルエンザの死亡率が2%に達したことを否定し、大規模な流行にはならないと語った

2月9日、北京の衛生局は、インフルエンザに関しての数値を公表した。

今年の初めから、H1N1 新型インフルエンザの症例が 195例報告されており、このうち、4例が死亡したと発表した。

これを見た報道陣から質問が出た。

「この当局公表の数値を見る限りでは、北京での新型インフルエンザ死亡率は2%に近いのではないか?」と。

この点については、北京の伝染病管理局はこのように答えた。

「この患者の数値には、市の統計管理方法により、B型インフルエンザなどの患者で、新型インフルエンザの特定ができない場合が含まれており、実際の新型インフルエンザの患者数は195人よりかなり多いと思われる。なので、死亡率は2%より低くなるはずだ」。


死亡率の2%は「数え間違い」

北京市の衛生局が発表した2月8日のデータでは、今年の始めからの H1N1 の新型インフルエンザの確定診断が下された患者数を 195とし、そのうちの4名が亡くなったと報告している。

死亡したすべての患者は春節(中国の旧正月)の期間中に死亡した。

このデータを見て、恐怖を感じる読者の方もいるかもしれない。
何しろ、200人のうち4人が亡くなったというのは、「死亡率2%」という非常に高い致死率を示しているように見えるからだ。

「新型インフルエンザのパンデミックの新しいラウンドが始まるのではないのか」と思われる方もいるかもしれない。


これに関しては、北京市の衛生当局の副主任が、計算の表示上の問題を正式に述べており、現在のインフルエンザの統計の取り方では正確な死亡率を計算することはできないという。

新型と旧型のそれぞれのインフルエンザの症状と風邪などでの診断が混同する中で、今回の数値はひとつの小さな例に過ぎないという。

正確な死亡率は現時点では計算できないというが、しかし、インフルエンザの流行状況は昨年よりはるかに低いという。


新型インフルエンザの大規模な流行は考えられない

衛生当局は、「今年の北京市での新型の流行のメインは、 H1N1 と共に H3N2 がベースだが、市でインフルエンザの症状を訴える患者の数は、1月中旬以降、春節を契機に跳ね上がっている」と述べる。

患者の遺伝子配列から新型インフルエンザウイルスが確認されているが、ウイルスの突然変異はまだ発見されていない。

昨年、北京市は約170万人に新型インフルエンザワクチンを接種した。



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