2014年04月25日



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韓国フェリーの若者たちを「犠牲」に導いた正体…はわからないけれど何となく見えてきそうな「輪郭」



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▲ 韓国では事故からの生還を祈るために始められた「黄色いリボン運動」というものが拡大していて、各地でこのように黄色いリボンが結ばれているそうです。 2014年4月24日の biz.heraldcorp より。






 



韓国のフェリー事故が起きた後に書きました、

「神の意志、あるいは悪魔の輪郭」 : 北緯 33度線にある韓国の済州島。そして「血の月」の連続と共にユダヤ教では祭りに突入
 2014年04月18日

では、フェリーが向かおうとしていた済州島(チェジュ島)が北緯 33度線上にあることから話が拡大し、ユダヤ教の「過ぎ越しの祭」の話にまで至りました。

この祭りは、つまるところは、旧約聖書 出エジプト記 12章 21節にある、


さあ、家族ごとに羊を取り、過越の犠牲を屠りなさい。



という「羊の命と血を捧げることによって、自分たちの初子を守る」という意味の祭であることがその時、私も初めて知りました。

その記事の最後に私は、


(何かが)「大規模な犠牲」を捧げ続けようとしているのでは?



というようなことを書いていますけれど、さて、それはさておいて、韓国のフェリー事故が意外な方向に向かっていることをご存じでしょうか。




韓国の「救援派」が過去に関係していたかもしれないこと

以下の2つの日本と韓国の報道を見出しを覧下さい。

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▲ 2014年4月25日のレコードチャイナ「<韓国船沈没>船会社の背後に異端宗教団体、経営に関与し利益得る?―韓国メディア」より。


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▲ 2014年4月24日の asiae.co.kr より。


韓国の沈没事件は、これまでの「単にずさんで卑怯な船長と船員たち」という構図が少し崩れる気配を見せています。

しかも、さらにもうひとつ。

2014年4月24日の新華経済「<韓国旅客船沈没>修学旅行で乗船の高校、当初はセウォル号に乗る予定ではなかった」からの部分的な抜粋です。


中国国営新華社通信は24日、「韓国メディア:檀園高校、当初はセウォル号に乗る予定ではなかった」と題した記事を掲載した。

なぜ修学旅行生が乗るフェリーが変更されたのか、疑念が噴出している。

同校の修学旅行を担当した旅行会社はセウォル号に変更した理由について、「清海鎮海運の責任者に聞いてほしい」と話している。




そして、ここで、上のほうに載せました韓国の報道「キリスト教福音浸礼会(救援派)の教義を見ると……「彼らは罪を犯しても罪にならない」に出ているこちらの方についての話にうつります。

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この人は、ユ・ビョンオンという人で、沈没したセウォル号を持つ「清海鎮海運」の社長なんですが、それと共に、カルト宗教団体「キリスト教福音浸礼会」の代表でもあるのです。キリスト教福音浸礼会は一般的には、「救援派」と呼ばれているようで、いくつかの支部団体からなるようですが、下のような団体です。


救援派 - Wikipedia

救援派(クウォンパ)は、キリスト教系を自称している教団である。韓国の主要教団から異端カルトと認定されている。



というもので、その教義は、


(1)本当の救いは「救いを悟る」ことによってのみ得られる
(2)救いを悟っていない多くのクリスチャンは救われていない
(3)自分を罪人と思っている多くのクリスチャンは死後地獄に行く
(4)救われた者が犯す罪は成り立たないので悔い改める必要がない、悔い改める人は地獄の子だ




となっているとのこで、この「(4)」は、「盗み・殺人など何をやっても罪にならないし、悔い改める必要もない」というもので、なかなか激しいものです。

そして、この「救援派」が今から 27年前に関係した「かもしれない」事件が、下の事件でした。


五大洋集団自殺事件 - Wikipedia

五大洋集団自殺事件とは、1987年8月29日に大韓民国京畿道龍仁郡(現龍仁市処仁区)の、五大洋株式会社の工芸品工場で発生した集団自殺事件である。

1987年8月29日、朴順子を始めとする家族や従業員32人が工場の食堂天井裏で集団死しているのが発見された。

警察は、カルト教団特有の集団自殺事件であると結論付けた。しかし、集団自殺にしては疑問点が多いという意見もあり、真相は謎に包まれている。




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▲ 1987年の事件発生当時の韓国の朝鮮日報。


ちなみに、現在の韓国は、新聞などでも「漢字」をまったく使用しなくなりましたが、当時は、韓国の新聞では、少なくとも見出しなどには漢字を多用していまして、上の新聞の全体の意味はわからなくとも、「集団」とか「狂信」などがあり、起きたこと自体はなんとなくわからないでもないという雰囲気があります。

私がはじめて韓国に行った 1990年代の初め頃でも、スタンドなどで売られている新聞の見出しには漢字が多く使われていました。この 20年くらいで急速に韓国から「漢字が消えていった」ということのようです。

今の韓国の報道では、北朝鮮を「北」、アメリカを「美」と書く以外は、漢字を見ることはまったくなくなりました。


さて、この「救援派」のユ・ビョンオンという人は、この五大洋事件の時、 Wikipedia によれば、


1987年終末論を立てて信徒たちが集団自殺した 「五大洋事件」の背後にいる人物と目され検察捜査を受けたことがある。救援派関係者たちの間では 「清海鎭海運は救援派信徒たちが多数関わっている会社」という証言が出ている。



ということで、どうも「血」と「犠牲」の匂いが満ちている感じの人物ではありそうなのです。

この「五大洋事件」は韓国では、今回のフェリー沈没と「人物がリンクした」ことにより、また脚光というのか、話題になっているようで、 Google で「五大洋集団自殺事件」の韓国語の 오대양 집단 자살 사건 で検索などをすると、事件当時の生々しい資料などがたくさん表示されます。

そして、五大洋事件は、アメリカの人民寺院というカルト教団が 1978年に南米のガイアナで起こした集団自殺事件と比較されたりしましたが、規模も歴史もまったく違いますし、人民寺院の場合、代表のジム・ジョーンズ自身が死亡しています。

思えば・・・このガイアナの事件というのは、私が二十代の中盤くらいから、「人間の精神の善悪の彼岸」をよく考えるようになったキッカケでもありました。それは事件そのものというより、ある本を偶然手にしたことから始まったことでした。




人民寺院が教えてくれる混沌

それは、二十代の時に古本屋で見つけた『ガイアナの虐殺』という一冊の本がキッカケなんですが、今回、ご紹介したくて、 Amazon とかいろいろと探したのですが、まったく見つかりませんでしたので、古本での流通もほとんどないものなのかもしれません。

表紙を写真に撮りました。

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▲ チャールズ・A・クラウズ著『ガイアナの虐殺』(1979年)


この本は、何がすごいかというと、記した人自身が「集団自殺の時にガイアナの現場にいた」のです。

アメリカの議員と共にガイアナを取材に訪れたワシントン・ポスト紙のチャールズ・A・クラウスという記者が、現地を取材した直後に事件は起こり、議員は射殺され、クラウス記者はギリギリで助かった・・・という人が、「社からの命令で、アメリカに帰国後すぐに書き上げた本」なのです。

ガイアナの人民寺院の「ジョーンズタウン」集団生活の様子を細かく書き上げていて、そして、死の数時間前の人民寺院の代表たちとも会話をしていました。

そして、この本は、すでに事件は起きた後なのに、そして、自分も殺されそうになったのに、それでも、ジム・ジョーンズや人民寺院の人々とふれ合ったワシントンポストのクラウス記者が、

「どうしても人民寺院を一方的に悪だと決めつけることができない」

という混沌の中で締めくくられます。
ちなみに、人民寺院の集団自殺者の数は 914名でした。

人民寺院事件は、今にいたるまでもあまりにも大きな事件で、 Wikipedia には、


この事件の公文書の多くが現在でも非公開になっているが、「人民寺院」はその表向きには正義を標榜していたこと、影響力と資金力があったことから数多くの政治家や、有力政党と結びついており、公表することで多数の政治家が失脚するほどの影響力があったためだといわれている。



とありますが、非公開になっている理由はそれだけではないと思います。

いずれにしても、クラウス記者の『ガイアナ人民寺院の虐殺』という本は、私に、

「悪」と「善」

のそれぞれに「その区切りも、絶対性もない」ことを再確認させてくれた本でした。

興味のある方に読んでいただきたいと思いますけれど、ネットで調べた限りでは、 Amazon 、楽天、ヤフオクのどこにもありませんでした。




そして救援派からは

何だか、また妙な話の逸れ方となってしまいましたが、要は、今回の未曾有の大量死となってしまった韓国のフェリー沈没と、やはり、韓国の 1987年の大量死(集団自殺ではない可能性があるため)に共に、キリスト教系のカルトの代表者が絡んできている「かもしれない」という話となってきているということなのでした。

当事者である救援派は、昨日、「フェリーに乗船していた関係者の多くが救援派の信者だ」という報道を否定しました。

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▲ 2014年4月24日の韓国 yonhap news より。


韓国での上の報道を要約しますと、下のようなものです。


キリスト教福音浸礼会(救援派) 「イ・ジュンソク船長は信徒ではない」

キリスト教福音浸礼会の安城教会の代表が 4月 24日午後、ソウル龍山区クラウンホテルで緊急記者会見を開き、「私たちの教団は五大洋事件とは関係がなく、そして、生存している船員15人のうち信徒はただ1人だけで、多くは信徒ではない」と明らかにした。

沈没したセウォル号を保有する清海鎮海運の関連会社と巨額の資金をやりとりしたことで知られているキリスト教福音浸礼会( あるいは救援派)が、検察の捜査の過程で提起された疑惑を全面否定した。

キリスト教福音浸礼会は24日午後、記者会見を開き、「最近、マスコミでセウォル号の船長イ・ジュンソクが私たちの教団の信徒と報道されたが、教会に確認した結果、船長は信徒ではなかった」と明らかにした。

そして、「最近マスコミで、清海鎮海運の従業員の 90%がキリスト教福音浸礼会の信徒であるかのように報道しているが、確認した結果、信徒は全従業員の 10%あまりで、ごく一部であることが分かった」と釈明した。

また、「某放送局では、キリスト教福音浸礼会の教義について『救われれば、罪を犯してもいい』と教えていると報道したが、キリスト教ではそのような主義を持ったところはない」と報道内容を否定した。




ということのようです。

事実はどの方向にあるのかわからないにしても、

・テキトーな船長たち
・いい加減なフェリー運航

という図式は正しいものではなかった可能性があり、そして、

・なぜか急に乗船フェリーが変更されていた

ということまで加わっている韓国のフェリー事件。

私は、過去記事の、

赤い月と黒い太陽: 2014年から 2015年まで「4回連続する皆既月食」がすべてユダヤ教の重要宗教祭事の日とシンクロ。そして、過去の同じ現象の時に「イスラエルの建国」があった
 2014年04月06日

に貼りました下の皆既月食などと宗教的祭典の今後の流れを再確認してみようと思っています。

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上に「過越」がありますけれど、沈没したセウォル号は漢字では「世越」号なんです。

過越は「過ぎ越していくこと」。

では、世越は・・・この世を越えていく・・・? 
それはどこに行くのだろう。

そして、皆様。
注意深く・・・注意深く・・・。
生きている時には特に。



  

2013年03月20日



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▲ 3月20日、平壌での会議での後に撮影した記念写真。あまりにもたくさんの人が撮影に加わって、どれが金正恩書記かわからないと思いましたので、丸で示しました。 CRI より。






 


3月17日前後に地球に直撃していた、非常にパワフルな「磁気の嵐」

個人的な話なんですが、なんだかこの1週間くらいの私の精神的な調子の悪さは、私が過去数百年くらい生きていた中で(何歳だよ)最悪のもので、その調子の悪さが過去には比例できない「神経的に気持ちの悪い感じ」だったのですが、それとは関係ないとは思いますが、この1週間、地球は非常に強い磁気と磁場の嵐に見舞われていたことを知りました。

下の図は説明が曖昧で、今度またきちんと説明したいと思いますけれど、特に3月17日(日本では3月18日)の地球は、極めて強い磁場の影響下にあったとを示しています。

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▲ 共に、Strong CME Impact, G2 Geomagnetic Storm より。


もう少し他のデータなども調べて記事にしてみたいとも思っています。

太陽と宇宙からの強大な磁場(あるいは未知の宇宙線)の影響が人間にどのようにあるのかはわかっていませんが、私は「わりと大きく影響する」と思っています。


しかし、今回は北朝鮮の話題です。
「細かいこと」がいろいろと起きていますので、





いろいろと「作戦」を敢行している北朝鮮


今日(3月20日)、韓国でのテレビ局の社内ネットワークが一斉にシステムダウンを起こすというできごとがありました。


韓国放送3社 電子システム麻痺=サイバーテロか
聯合ニュース 2013.03.20

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▲ テレビ局のシステムダウンと同時に大手銀行の ATM もほぼ同じ時間帯から使えなくなった。


20日午後2時10分ごろ、韓国の放送局、KBSとMBC、YTNの社内電子システムが一斉に使用できなくなった。

KBSの関係者は、午後2時ごろから社内の電子システムが使えなくなり、一切の業務ができなくなったと話した。MBCとYTNでも同じ時間帯に異常が起こっている。MBCの関係者は「2時10分ごろに社内のパソコンの電源が落ち、再起動できない。原因を調べている」と話した。放送に影響はないという。

YTNの関係者は「2時10分から約10分間、社内の電子システムや放送機器がダウンした。放送に支障が出る可能性もある」と話した。韓国の通信会社はネットワークに異常はないと説明しており、サイバーテロの可能性が指摘されている。




そして、韓国と北朝鮮の軍事境界線付近では「韓国軍兵士が次々と殺されている」ようです。


南北軍事境界線付近 韓国兵士が相次ぐ謎の死
大紀元 2013.03.20

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韓国と北朝鮮の軍事境界線付近で、韓国兵士が銃撃されて死亡する事件が続いている。
韓国中央日報の報道によると、17日の午後2時頃、江原道(カンウォンド)鉄原(チョルウォン)郡の韓国と北朝鮮の国境にある歩哨所で、韓国兵士のキムさんが銃撃され死亡した。

当時、同じく警備任務にあたっていた兵士によると、キムさんはトイレに行くとして現場を離れた直後に銃声が聞こえた。駆けつけると、銃撃された金さんが倒れていたという。

この前では、同地区でもう一人の韓国軍少尉も行方不明になっている。37日間後に駐屯地から1キロ離れた場所で遺体で発見されたという。

現場は南北軍事境界線付近の最前線地帯。北朝鮮当局は最近、休戦協定と不可侵条約を破棄し、「国を守る聖戦」を示唆するなど強硬的な姿勢を見せている。

韓国兵士の死亡事件は南北の緊張感を高めている。



ちなみに、これね。「穴」調べたほうがいいですよ。地中の穴。
探知機で調べられますので。
昔から北朝鮮軍が完備し続けている「地下世界」ですけど、今の韓国兵士は忘れているかもしれないですので。

放っておくと、まだまだ撃たれるような気がします。

いずれにしても、のように、北朝鮮は、昨年の夏以来、確かにこのような「小さな攻撃」は数限りなく続けているのですが、やはりどうも子どものすることのような雰囲気さえうけます。ただし、その子どもは EMP 攻撃をおこなえる兵器を持っていますが。

数日前のラジオ・フリーアジアの韓国語版の記事をご紹介いたします。

全面戦争は多分起こらないだろう」という内容の記事です。

この記事からは、基本的に「ナメられまくった金正恩」という人物像が浮かび上がっています。
彼の父親の時のような脅威感は諸外国にまったく持たれていないようです。

私もこちらに書きましたように、キム・ジョンウンさんの秘密口座の凍結さえしなければ、何にも起こらないと思います。ただし、お金をとられたらボタンを押しそうですけれど。

ただ、あとはその記事でも書きましたが、北朝鮮の一般の人々の「飢え」のレベルがどの程度にまで達しているのかということも関係してくるかもしれないですけれど。


ここからラジオ・フリー・アジアの記事です。





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ラジオ・フリーアジア 2013.03.15


北朝鮮が全面戦争をすることは難しい"


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▲ 前哨基地を訪問して、弊紙たちを激励する北朝鮮のキム・ジョンウン第1書記。


北朝鮮は、韓国との全面戦争は避けられないと連日のように脅しているが、韓国では北朝鮮が全面戦争を行う可能性は低いという雰囲気が広まっている。


停戦協定が完全に白紙にされた 3月11日から

北朝鮮は最近、 「停戦協定白紙化」を宣言し、戦争の脅威を韓国や諸外国にしかけている。 これに対抗して韓国は、北朝鮮が先制攻撃をしてきたら、 「挑発に対しての応戦はもちろん、その根本の勢力にも報復する」と警告した。

韓国のこのような決然とした意志と、北朝鮮が置かれた対内外的な状況を考慮すると、北朝鮮が全面戦争を行うには無理があるという分析が韓国では支配的となっている。

韓国のキム・ミンソク国防部のスポークスマンは次のように言う。

「局地的挑発から全面戦争に進むには相当な準備と時間が必要になる。 そのような過程は、国防部はよく把握しているので、それに合わせての準備を整えている。 そのようなこともあり、北朝鮮が全面戦争を行うことは容易ではないだろう」。


実際、北朝鮮は、韓米連合軍事訓練「キー・リゾルブ」が開始された場合には全面戦争を仕掛けることになるだろうと発表したが、キー・リゾルブ開始から4日が過ぎた今も脅しを継続しているだけで、全面戦争の動きはない。

これを踏まえて、韓国では 「吠える犬はかまない」とし、北朝鮮の相次ぐ脅威は実は大したものではないという雰囲気となっている。 専門家らは、北朝鮮内部の体制の脆弱さを見せてくれるという評価もある。

朝鮮戦争が起きると宣伝して、北朝鮮での危機感を作り出し、国家のシステムを強固なものしようという戦略であるとも考えられている。


英国の国際戦略問題研究所が 3月14日に発表した世界の軍事情勢に関する年次報告書でも、北朝鮮の全面戦争の可能性については懐疑的な見方が示された。

北朝鮮が全面戦争をすれば、体制崩壊につながることが明らかなだけに、北朝鮮は自らが全面戦争を望んでいないとある。 しかし核実験や長距離ロケット発射のような局地的な挑発はするだろうと予想した。

仮に、南北間に全面戦争が発生した場合、強大な火力と戦争遂行能力を持った韓米連合軍が勝利をおさめるということに異議はない。

しかし、全面戦争による人命被害は大きくなるというという予測もある。

韓米両国軍が 2004年に実施した韓半島の戦争シミュレーションによると、戦争勃発から 24時間以内に韓国の人命被害が 230万人に達するものと試算された。




  

2012年06月12日



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「サイバー攻撃」という言葉自体は、報道でも頻繁に出て来ますし、ハッカーとかハッキングというような言葉もよく出てくる単語だと思います。

通常の場合、特定の対象(サーバ)に攻撃を仕掛ける場合は、「 DDoS 攻撃」という方法でおこなわれるのが一般的です。 DDoS 攻撃とは「大量のアクセスをターゲットのサーバに集中させて機能を停止させてしまう」というたぐいのもので、たまに各国の政府関係などのウェブサイトが「一時的に閲覧できない状態」などにさせられるのは多くがこの方法です。

しかし、今回、韓国の中央日報のサーバが受けたサイバー攻撃はそのようなものとは次元が違うものでした。






 



これは日本語でも報道されていますが、たとえば、読売新聞の見出しは、「韓国・中央日報、サイバー攻撃でシステムに被害」というもので、その内容は以下のようなものです。


韓国大手紙・中央日報は11日付紙面で、同紙の新聞制作電算システムが9日にサイバー攻撃を受け、ニュースサイトが一時、閲覧できなくなったと明らかにした。

同紙によると、同日夜、ニュースサイトに手で口元を押さえて笑う猫の写真と、「『イズワン』がハッキングした」とのメッセージが表示され、閲覧できなくなった。間もなく復旧したが、新聞制作に必要なサーバーが被害を受けたという。



ちなみに、上の記事にある「手で口元を押さえて笑う猫の写真」はこちらです。

cat-korea.jpg

ハッキングされた中央日報のトップページは、上のページと差し替えられていました。

実行者の名前は、画面右下に「 IsOne 」と書かれています。


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▲ ハッキングされた画面の右下に書かれてある「 IsOne 」の文字。


そして、画面が差し替えられていただけではなく、実際の意図は「新聞の発行機能と情報データベースを破壊しようとしていた」というものだったようで、このあたりに通常のハッカー攻撃には見られない「ドライな悪意(感情的ではないという意味)」が見られるものですが、しかし、上の読売新聞だけ読むと、よくある通常のサイバー攻撃だと思えるのですが、被害者当人である「中央日報」の怒りはすさまじいものです。

中央日報の見出しは、<報道機関サイバー攻撃>DDoSとは次元が違う悪意的手法」というもので、翻訳記事のほうでご紹介しますが、新聞版でもオンライン版でも強い口調で警告の言葉を記していました。

その中央日報の韓国語版の解説では、専門家たちの談話を交えていて、そこには、


中央日報のサーバへの攻撃は、一般的なハッキングのレベルを超え、強力で悪意のある手法だと専門家は口を揃える。中央日報への攻撃は、(一般的なハッキングのように)個人情報を取り出してお金を儲けようとする意図ではなく、中央日報のメインサーバを破壊し、新聞発行に打撃を与えようとする意図であると専門家は見ている。



とあります。

猫が笑う写真の持つふざけたニュアンスとは違い、極めて悪質で強力で、高い技術力を持つ「破壊工作」だった可能性があることがわかります。

そして、記事の内には、暗黙の中に「北朝鮮の仕業」という言葉が出てきています。


このサイバー攻撃があった「後」に、韓国ではこのような報道もされています。


「韓国保守系メディアに悲鳴が響く日近い」北朝鮮が威嚇
 韓国聯合ニュース 2012.06.11

北朝鮮が、朝鮮日報、中央日報、東亜日報など韓国の保守系メディアに対する威嚇を強めている。

北朝鮮の対外向けラジオ放送「平壌放送」は、6月11日「われわれの革命的武装力は新たな悪行を演出している朝鮮日報、中央日報、東亜日報だけではなく、KBS、CBS、MBC、SBSなどの放送局の座標も把握しており、集中射撃の命令を待っている。これらメディアビルで悲鳴が響く日は遠くない」と威嚇した。

さらに、「北朝鮮の最高尊厳である金正恩(キム・ジョンウン)第1書記を冒瀆した大逆罪がどれだけ悲惨な結末をもたらすのかを韓国の保守系メディアは痛感することになるだろう」と脅した。




中央日報がサイバー攻撃を受けたのは6月9日です。

ちなみに、 In Deep の過去記事「朝鮮人民軍総参謀長が述べる「米国を一撃で破壊できる移動式兵器」の真意 (2012年04月26日)」では、後半に韓国統一部長官だったイ・ジョンソクという人へのインタビューを掲載しましたが、そこで、イ・ジョンソクさんはこのように述べています。4月24日のことです。




イ・ジョンソク: これは推測ですが、サイバー攻撃や、あるいは、通常の兵器や武力を使わない挑発ではないかと。何らかの形での挑発を北朝鮮は予告したわけで、実際に挑発してくる可能性は高いと思っています。

記者: たとえば、 DDoS 攻撃などのサイバーテロの形になる可能性があるということですか?

イ・ジョンソク: サイバーテロの形やハッキングなどの形をとるのかはとともかく、それらにより、制御装置やコントロール装置を機能麻痺をさせるような攻撃をおこなうなど、もちろん、それは分からないですが、今までよく話されているような古来からある軍事的な挑発のような形ではない様相でおこなわれるのではないかと考えています。






まだ何ともいえないですが、このイ・ジョンソク元韓国統一部長官の不安は、あるいは少しずつ的中していってしまっているのかもしれません。


何しろ、これからも続くようなら「結構厄介」だからです。

韓国のセキュリティー会社の関係者、は以下のように述べています。


「今回のようなAPT(長期間にわたり緻密に準備するクラッキング攻撃)の場合、攻撃者は、サーバー管理者の動きを長期間にわたり監視しながら侵入の機会を狙うため、ファイヤーウォールやワクチンのような一般的な方法では防げない。また、防御の壁をいくら構築しても、電算担当者や内部使用者のセキュリティー意識が弱ければ意味がない」。



以前の記事、「EMP 攻撃シミュレーションだったとすると完全な成功を収めたように見える北朝鮮のミサイル実験」などから始まる今の北朝鮮の「やり方」は、以前と比べても、韓国側にとって「本当に困る」ようなことが多い気がします。

北朝鮮の指導体制が、金正日(キム・ジョンイル)元国防委員長から、現在の体制に移動してからのニュースは何度か取り上げましたが、私個人としての感想としては、このキム・ジョンウンという人からは、父親よりも「アグレッシブで狡猾な感じ」を受けます。

仮にそれが若気の至りではあっても、しかし、一昨日の記事の

地球文明を破壊する威力を持つウイルス「フレーム」が歩き始めた

と関係しますが、たとえ、若気の至りであろうとなんであろうと、「ひとつの国家を全滅させることなどわりと簡単にできる」時代になっていることもまた事実です。


というわけで、今回の中央日報攻撃事件をわかりやすくまとめていた韓国のニュースメディアの記事を紹介しておきます。






 


중앙일보 고양이 해킹에 강력 대응 경고
Media Today 2012.06.11


中央日報、『猫ハッキング』に重大な警告


「これは単純なハッキングではなく、破壊を意図するクラッキングだ。北朝鮮の可能性を排除できない」:中央日報紙面より。


6月9日、中央日報のホームページがハッキングされたことに中央日報は激怒した。

中央日報紙は 6月11日の紙面の1面で、「マスコミが攻撃される」と題する記事を掲載し、3面には、「DDoSとは次元が違う悪意的手法」と題する記事を掲載し、今回のハッキングが単なるハッキングではなく、破壊を意図するクラッキングだとして強く非難した。



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▲ 6月11日の中央日報紙面の3面。


3面の記事では、中央日報のサーバへの攻撃は、一般的なハッキングのレベルを越えており、強力で悪意のある手法だと専門家たちは口を揃えたとし、中央日報への攻撃は、個人情報を取り出してお金を儲けようとする意図からではなく、中央日報のメインサーバを破壊し、新聞発行に打撃を与えようとする意図であると専門家たちは見ている。

今回の攻撃は、一般的な DDoS 攻撃によってホームページを麻痺させる方法ではなく、サーバを直接攻撃して完全にメインページを変更したというものだけに、中央日報側も強力な対応を警告している。

中央日報の関係者は 、「最近、韓国メディアのホームページが頻繁に攻撃を受けているが、(普通は読者に知られないが)、今回はトップページを猫の写真と差し替えられてしまい、攻撃を受けたことを知られてしまうことになった」と語る。

「今回の機会を通じて、万全の点検をし、攻撃者へのより徹底した措置を取る」と明らかにした。 中央日報は 6月10日に韓国警察庁のサイバー捜査局に申告した。


問題は、「誰が何を意図してハッキングしたのか」だ。 ハッキングされた時、画面には「 Hacked by IsOne 」と出ており、「 IsOne (イズ・ワン)」というものによりハッキングされたということがわかるが、この IsOne が個人なのか団体かどうかもわかってはいない。

また、もうひとつの問題は、今回の攻撃をおこなったハッカーは、「今後、さらに多くのハッキングをおこなう」ことを警告している点だ。

一部では最近、北朝鮮が、韓国の保守系メディア(朝鮮日報、中央日報、東亜日報、KBS、CBS、MBC、SBS )などの放送局へ警告していることから、北朝鮮の仕業ではないかという疑惑も提起されている。各メディアによると、警察庁サイバー捜査局も、「北の可能性を排除してはいない」と述べた。


しかし、猫が笑う写真を載せるなど、いたずら心がある上、ハッキングを予告した点から北朝鮮とは考えにくいという専門家たちの見解も報じられている。

中央日報サイドは、3面に「検察は、昨年の韓国農協のコンピュータのシャットダウンは北朝鮮の仕業と規定している」という記事を掲示することにより、今回の件も北朝鮮の仕業だというニュアンスを紙面に漂わせた。




  

2012年04月26日



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(訳者注) 昨日、ロシアニュースの「ロシアの声」の日本語版を見ていましたら、「北朝鮮:米国を一撃で破壊できる (2012.04.25)」という見出しがありました。

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これだけではあまりよくわからなかったので、韓国の国内メディアを調べてみると、4月25日に北朝鮮の国軍(人民軍)の総参謀長が朝鮮人民軍創建80周年を記念した式典で述べたものだということがわかりました。

すなわち、個人的な談話ではなく、国内でとはいえ、公的な発表といえます。
このことが掲載された韓国の記事をご紹介します。


さて、北朝鮮軍は、先日の記事、

北朝鮮が攻撃開始3分で目的地を焦土化させるという「特別行動」の正体
 2012年04月23日

でご紹介しましたように、これまでの北朝鮮軍にはなかった表現で、韓国に対しての挑発予告をしました。それは、

・今まで誰も見たことがないような特異な手段で

・目的地を3〜4分間以内に焦土化させる


という表現でした。

今回も先日の「特別行動」と同様に「移動式兵器」などの具体的な表現が出ています。

確かに最近の北朝鮮軍の演説は以前とは変わった感じを強く受けます。

これに関して、韓国のメディアは、韓国統一部の元長官のイ・ジョンソクという人に「特別行動の意味」に関して、インタビューしたものがあります。先日、訳していたんですが、紹介する機会がなかったですので、今回の記事の後に抜粋して載せておきます。「統一部」とは、韓国と北朝鮮の南北統一に関して担当する韓国の国政機関です。


ところで、韓国のネット住民たちの間では、こういう軍事的な問題よりも、1枚の写真が話題となっています。



ピョンヤン 2012年4月15日の人文字

その写真は 4月15日の金日成元主席の生誕100周年行事の日の平壌(ピョンヤン)の光景を、人工衛星から撮影したものです。下の写真です。

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右下に「赤地の中の黄色い文字」がある場所がありますが、これはピョンヤンの中央広場(金日成広場)のようで、そして、これは「人文字」なんです。つまり、赤いカードと黄色いカードを持った人たちが作っている。


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広場の面積は相当なもので、どのくらいの人が動員されてこの文字が描かれたのかわからないですが、ここまで大きな人文字だと、ナスカの地上絵みたいなもので、地上からはほとんど誰も見えないですので、「空から撮影されることが前提となっているイベント」だというのが興味深いです。


ちなみに、黄色で書かれてある文字は「平和」。


では、ここから本記事です。

ちなみに、今回記事の総参謀長の発言からも、この「移動式兵器」が EMP 兵器を念頭に置いているというように思えて仕方ありません。

かつて米国のヘリテージ財団という保守系シンクタンクが「イランが民間船を装って EMP を米国上空に放つシミュレーション」について米国議会に提出した意見書には次のようにありました。


過去記事「米国の保守系シンクタンクが米国は電磁パルス攻撃で壊滅すると報告 (2010年11月30日)」より。

「EMP 攻撃は、それほど高いレベルの技術を持たなくとも可能なものなのだ。たとえば、敵が米国へ EMP 攻撃を実行しようとする場合、その敵は長距離弾道ミサイルを持つ必要はない。 EMP 攻撃は、高高度に核弾頭を高く打ち上げればいいため、たとえば、米国の海岸沖で貨物船を使って、短距離か中距離のミサイルを使えばできてしまうのだ」



イランは Shahab-III というミサイル実験で EMP 攻撃と一致する高度で高高度爆発させていますが、その状態は今回の北朝鮮のミサイル実験の「失敗」と同じ様相でした。

では、ここからソウル新聞の記事です。



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2012年04月23日



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(訳者注) また北朝鮮関係ですが、報道そのものは日本語報道でもすでに多く記事になっているものです。下は時事通信の記事です。

李明博政権に「聖戦」通告=「特別行動で焦土化」−北朝鮮軍
 時事通信 2012.04.23


上の「特別行動」という単語が気になりました。今まで北朝鮮の使用する単語としては聞いたことのないものだったからです。しかし、日本語の報道はどれも短いもので、その説明がありませんでしたので、朝鮮日報の韓国語版を見てみると、朝鮮中央放送の発表では以下のように表現されていたようです。



「われわれの革命武力の特別行動は、いったん開始されると、3〜4分間、いや、それよりもっと短い瞬間に、今まで誰も見た事がないような珍しい手段と我々流の方法により(攻撃目的地を)焦土化してしまうことになるだろう」



3〜4分という具体的な数字が気になります。
「今まで見た事がないような珍しい手段」もです。

こういう表現も今までの北朝鮮軍の発表ではほとんど見ないものです。

ちなみに、「3〜4分」という数字は、たとえば北朝鮮が先日ミサイル発射実験をおこなった北朝鮮のトンチャリ(東倉里)という場所にある「西海衛星発射場」から日本の中心部の位置にある名古屋上空まで大体3〜4分程度でミサイルが到達します。

先日、「失敗」したミサイル実験は発射後 81秒で空中分解・爆発しており、つまり1分20秒程度の飛行でしたが、衛星写真を分析シミュレーションした下の写真でその距離がわかります。




下の図は、上の衛星シミュレーションを参考にして即席で作ったものですので、不正確ですが、おおまかの位置や距離関係がわかるかと思います。

map-04-23.png

これ・・・図を作ってみて初めてわかったのですけど、先日のミサイル実験の失敗って、ちょうどソウル上空で爆発させるのと同じ程度の距離で「失敗」していますね。


まあ、今回北朝鮮が発表した「特別行動」というのが何なのかは私には推定もできないですが、資料的な意味として、朝鮮日報を翻訳して載せておきます。



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2012年04月17日



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air-robot.jpg

▲4月15日にピョンヤン(平壌)で行われた「金日成元北朝鮮国家主席生誕100周年記念軍事パレード」に登場した「無人飛行機」。
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先日まで、北朝鮮のミサイルの訓練とかに全然興味なかったんですよ。軍事国家にとって、ミサイル訓練や核実験を定期的におこなうのは当たり前のことですので、報道も見なかったし、一昨日までどういう結果だったのかもよく知らなかったです。

ところが、ふとに目にした韓国のニュースにこういう短い記事があったのです。

北朝鮮ミサイル 発射から1〜2分後に空中爆発
 Yonhap News 2012年 04月 13日

この記事の冒頭はこうでした。

> 北朝鮮の東倉里発射基地で午前7時39分に発射された長距離ミサイルは1〜2分程度飛行して空中で爆発した。


これを読んで、私は「ああこれは・・・」と思いました。


In Deep の過去記事で、次の2つのものがあります。



タイトルの EMP 攻撃 (電磁パルス攻撃)とは、高高度電磁波兵器とも呼ばれ、Wikipedia の説明では、

高高度核爆発は、高層大気圏における核爆発。強力な電磁パルス(EMP)を攻撃手段として利用するものである。核兵器の種類や爆発規模などは問わない。

というものです。

これは、いわゆる爆破などで人や建物を殺傷する兵器ではありません。
それどころか、EMP 攻撃での爆発自体は一人も殺さないですし、何も破壊しません。

しかし、攻撃された地域の「あらゆる近代文明が消滅していく」というタイプの、現代社会で最強(というより、最悪)の兵器のひとつです。


この攻撃の特徴としては、大まかには、今回の北朝鮮の実験の「失敗」と同じような感じで攻撃をします。つまり、高度の空中で爆発させます。

今回の北朝鮮のミサイル実験が「 もし、EMP 攻撃を念頭に置いたもの」だった場合、非常に残念ながら、これは完全な成功だったと感じます。もちろん、EMP 攻撃を念頭に置いている場合に限りますけれど。


何となく、私たちは「核攻撃」とか「ミサイル攻撃」というと、下のような感じを想定します。
それぞれ速効で作った図で、適当ですみません。

emp-01.png


しかし、EMP 攻撃は下のようなイメージで、方向も目標もアバウトで大丈夫です。

emp-02.png

爆発した時は、いわゆるよく見る核爆発のようには見えず、「太陽が爆発した」ように見えると思います。


いずれにしても、「とにかく目的地あたりの上空のほうへ飛んでいけばそれでいい」といってもいいものです。あるいは、無人飛行機などで、アバウトに近づければいいという感じ。

どのくらいアバウトでいいかというと、たとえば、日本を攻撃するなら「仙台か東京か大阪か名古屋か福岡あたりの上で爆発すればいいや」というくらいテキトーでOKなんですよ。

どうしてかというと、その影響範囲がものすごいため、正確に狙う必要がないのです。


上の過去記事で翻訳してご紹介した 2011年6月27日の韓国統一ニュースの中の記述を抜粋します。



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2011年06月27日



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In Deep では以前から、現在の文明生活上で使用された場合に、もっとも厄介な武器として、「EMP爆弾」のことを何度か取り上げていました。


これは平たく言うと、高高度で核爆弾を爆発させて、対象地域のインフラ(電気・通信など)を全滅させる武器で、「超巨大な太陽フレアやCME=コロナ質量放出」とほぼ同じ効果を武器で達成することができるものです。

これはもう使われてしまった場合はほとんどその国はどうにもならず、対策の取られていない国では一時的に(数十年)文明がストップする可能性さえあります。そして、これを防衛する手段は現在まったくありません。そして、どうやら北朝鮮はもしかしたら、「ついにその完成」を成し遂げている可能性が出て来ました。

6月25日に、産経ニュースの日本語記事に「北朝鮮の小型核、電磁パルス兵器用か? 元CIA専門家が「ロシアから技術流出」」というものがあり、そこには、

北朝鮮が、核爆発による強力電磁波で通信や兵器運用コンピューター網を破壊する電磁パルス(EMP)爆弾の開発に成功した可能性が浮上してきた。米中央情報局で核問題の専門家として勤務したピーター・フライ氏が24日、米ラジオ「ボイス・オブ・アメリカ」に明らかにした。


とありました。

この場合、とりあえずもっとも脅威を抱くと思われる韓国ではどのように報道されているのか興味を持って、韓国語の記事を探してみましたところ、今朝の韓国統一ニュースというところに、統一学研究所所長のハンホソクさんという人が、見解を述べていました。

それをご紹介します。

論文は大変長いもので、前半は南北朝鮮と米国の間の軍事的関係の一般論でしたので、後半の「米国を青銅器時代に戻す巨大な電子雲」という部分をご紹介します。


タイトルにありますように、 EMP 爆弾の特徴は、北朝鮮のような小さな国家でも米国を相手に対等に戦える武器である点があります。

この文章では、EMP爆弾が「米国に使用された場合」を非常に細かく書いていて、その被害想定を、「回復に約 160兆円の費用がかかり、送電網の回復だけでも最短 3年から最長 10年かかる」としています。大げさに聞こえますが、これは米国政府自らの試算からのもののようです。

また、「日本が攻撃された場合」の想定も書かれています。
日本は国土面積が狭いですので、名古屋上空が狙われた場合、ほぼ全土のインフラが麻痺します。ちなみに、その場合は、攻撃開始から爆発までは4分間です。戦争としてもっとも短い時間で終結するもののひとつと言えます。

対処できる時間はありません。そして、その方法もありませんし、そもそも攻撃後にはすべての日本の軍事力が消えています(現代の兵器はほとんどが電気と電子部品と通信が必要。それが破壊される)。

こういうようなことが使われる戦争になった場合、私たち民間人にはほとんど対処の仕様がありませんので、CME の直撃を受けた場合や、停電時、通信停止時の基本的に対処法に従って乗り切っていくということになりそうです。


参考記事: 太陽フレア等による電磁パルス(EMP)に見舞われた際の通信手段 (2010年12月13日)

基本的には、
・電磁パルスのループを断つ。
・簡易ファラデーケージを用意しておく。
・食糧と飲料水を確保しておく。
などです。



通常の核兵器と違い、EMP 攻撃は、攻撃自体で人が死ぬわけではありませんが、国家のダメージは通常の核兵器よりかなり大きいように思われます。

何しろ、太陽黒点最大期ではあるわけで、どんなに世の中が全体的には良いほうに進んでいったとしても、戦争を止められるわけでも、この世から武器が消えるわけでもないですので、「攻撃は多分ある」と思って生活していたほうが気楽なような気がします。

なお、この EMP 武器の最大の特徴である「インフラの完全破壊」は、3月の日本震災と発電施設等の関連のことを考えいただくと、それがどれだけの大惨事を招きかねないことかは容易に想定できるかと思います。

ここから翻訳です。



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2011年03月10日



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終末戦争として米国が恐れている小国からの「電磁パルス攻撃」




(訳者注) いろいろなジャンルで、まったくいろいろなことが早いペースで起こり過ぎていて、興味のあるもののごく一部しか紹介できないようなことになっているように思います。今日もしアップできれば、後にでも、最近の数日で気になっている記事の報道リンクと、その概要などをピックアップしてみたいと思います。


今回は、戦争関連の中では個人的にもっとも懸念している「 EMP 」(電磁パルス)兵器を北朝鮮が開発したかもしれないという報道のご紹介です。この EPM は、一般人が受ける被害規模の大きさでいえば、戦争での攻撃での最大級だと思われます。「武器により殺されるのではなく、国のインフラの停止によって人が生活できなくなる」という感じでしょうか。

意味は違いますが、その効果としては「超巨大な太陽フレアや CME のような状態を人為的に発生させる」という言い方でもいいのかと思われます。これは起こり得ることとして、たとえば、過去記事の「NASA が発表した「2013年 太陽フレアの脅威」の波紋 (2010年09月23日)」という記事にあるようなことを「起こせる武器」ということになります。

たとえば、太陽フレアの直撃の最悪の場合の想定としてですが(いくら何でもここまでは起こらないだろうと思いますが)、


・電力送電網のクラッシュによる完全な停電
・通信システムの崩壊
・放送網(テレビ、ラジオ)の崩壊
・飛行機の墜落
・コンピュータシステムの停止
・移動手段(車、電車等)の停止
・コンピュータに依存する軍事システムの停止
・コンピュータに依存する政治システムの停止
・コンピュータに依存する医療システムの停止
・あらゆる物流の停止
・食料供給へのダメージ
・インターネットシステムのシャットダウン
・電気システムに頼るインフラ(上下水道、ガスなど)の停止



などです。

その電磁パルス兵器を北朝鮮が完成しつつあると、昨日の米国 ABC ニュースで報道されました。報道自体はタイトルに「北朝鮮、EMP兵器完成間近か」とあるだけで、内容的には先日、米韓連合軍と北朝鮮軍の間でおこなわれた「GPS 撹乱戦」のことについてなのですが、この EMP という響きが米国のいろいろなブログで一斉に取り上げられました。

なぜ、遠い北朝鮮でのことが米国でそんなに話題かというと、EMP 攻撃なら北朝鮮が米国を狙うことも可能だからです。北朝鮮のような小さな国が他の方法で米国のように離れている上に高度な防御システムを持つ国家を狙うことは、ほぼ不可能ですが、EMP 攻撃なら可能だと言われています(米国はイランがそれをおこなう可能性を想定していたようです)。漁船か民間船が一隻から数隻あれば、北米大陸の一部の文明機能をシャットダウンさせられるとされています。

その感心の高さは、たとえば、Google ニュースで「North Korea EMP weapon (北朝鮮の EMP 兵器)」という検索では、下の通り、関連記事 1122件などと表示されます。

nk-weapons.gif

関係ないニュースも含まれているでしょうが、少ない関連項目数とは思えません。

今回はその ABC ニュースをご紹介します。

なお、EMP に関しては以前、このブログでも何度か翻訳記事として取り上げておりますので、記事下にそちらのリンクを記しておきます。

EMP 攻撃による文明の崩壊からの復旧までの日数(規模により数日から、場合によって数ヶ月)の間がサバイバルになると想定しているアメリカ人が多いです。

ちなみに、軍事については「北朝鮮にはそれほどの軍事的威力はない」とか「飢えなどによる人民の造反が始まっている」というようなことを目にすることもありますが、「だからこそ」 EMP の存在がクローズアップされるのだと思います。

昨年の5月に韓国紙ニューデイリーの「北朝鮮は初めから水素爆弾を研究してきた」という記事をご紹介したことがありますが、そこで、故ファン・ジャンヨプ元北朝鮮労働党秘書はこう言ってました。



「北朝鮮の実態を知らない人々は水爆を作ることを不可能と指摘しているが、その人々は北朝鮮の技術力をどれだけ知っているというのか? 北朝鮮は初めから水素爆弾を研究していた」



たとえば・・・もし、私自身が、食糧も燃料もない今の北朝鮮のトップの立場だったとしたら・・・ひたすらに EMP 兵器の開発だけに軍部の開発班を専念させるはずです。ロケットや核実験などで国際社会の目をそちらに向けて、でも、実際はそんなことはどうでもよく、ひたすら、EMP の完成を目指す。

それだけで、北朝鮮のような小国が、米国とも中国ともロシアとも台頭に戦える国家になり得ます。それらの大国が信じないなら、周辺国家(韓国とか日本とか)に EMP 攻撃を行い、国家機能を麻痺させる光景を見せつければいいだけです。

EMP 攻撃を防御する方法は「まったくない」(高高度での核爆発なので防げない)とのことです。

ここから翻訳記事です。




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タグ:電磁パルス



  

2010年05月05日



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朝鮮戦争当時の最高の狙撃手
Yahoo! Korea Funny Blog 2008.01.15

(訳者注) 韓国のブログの記事の翻訳です。




朝鮮戦争当時の最高の狙撃手は誰?

朝鮮戦争当時、敵を少なくとも214人も射殺した狙撃手がいます。残念なことにその犠牲にならなければならなかったのは、私たち韓国軍をはじめとするUN連合軍でした。

その狙撃手とは?

それは当時、北朝鮮を支援するために「人海戦術」でやって来た中国軍の軍人で、名前は Zhang Taofang 。 彼こそが32日間で214人を射殺した朝鮮戦争での最高のスナイパーです。


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2010年01月04日



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ソウルで41年ぶりの豪雪 交通はまひ状態

時事通信 2010年1月4日

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大雪に見舞われたソウルの中心街=4日


 韓国は4日、全国的に大雪に見舞われ、聯合ニュースによるとソウルの午前11時半現在(日本時間同)の降雪量は25・2センチとなり、41年ぶりの豪雪を記録した。

 韓国メディアによると、幹線道路は大渋滞し、地下鉄の運行も大幅に遅れるなど交通はまひ状態。金浦空港発着の便は国内線のほか、羽田空港行きなど日本路線も午前中の便は全便欠航した。

 ソウルや同国北西部の京畿道、北東部の江原道に大雪警報が、中部地域には大雪注意報が出た。北西部の仁川港と各地を結ぶ旅客船も運航が中止されているという。