2013年06月22日



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黙示録的な洪水(2): 川のない山間にある「インド有数の聖地」が鉄砲水に飲み込まれる時




「水」の被害による言葉を失う光景の数々







 

先日の記事、

世界中で止まらない「黙示録的な洪水」の連鎖
 2013年06月20日

では、インド北部で起きている大洪水についてふれたのですが、その後の報道などを見ていますと、この洪水は、地域によっては、いわゆる通常の洪水とは違う原因の被害があったことがわかってきます。

このインドのウッタラーカンド州という中で、特に大きな被害を受けた集落のひとつに Kedarnath という村があります。正確な読み方はわからないですので、便宜上、ケダールナスと読ませていただきます。下が鉄砲水に襲われた後のその村の光景の写真です。

Kedarnath_temple_flood_landslide_photo.jpg


ke-02.jpg

Kedarnath floods 他より。


このケダールナスという村の場所は地図では下の場所になります。

Kedarnath-map-1.jpg

▲ ウッタラーカンド州 ケダールナス( Kedarnath )位置。チベットの国境に近く、ほとんど山岳地帯と言えます。


チベット自治区との国境に近い場所で、このあたりはほとんど山岳地帯のはずです。

「そんな場所で上のような激しい洪水が?」

と思い、グーグルアースの写真で、この村のあたりを見てみました。

それが下の写真です。

keda-ge.jpg


写真は冬の季節のもののようで雪がありますが、いずれにしても、見た感じでは完全な山岳地帯で、周囲にも「洪水を起こすような川の存在」というようなものも見えません、。


それなのに、どうしてこんな村を壊滅させたようなすさまじい鉄砲水が起きたのかを調べてみますと、インドのメディア PTI の記事を引用したサイトがありまして、そこに以下のように説明されていました。


今回のケダールナスの洪水は「ケダルドーム」の破壊によって引き起こされたと考えられている。ケダルドームとは、決壊したチャルバリ湖 ( Charbari ) の貯水池につながっている氷河状態のドームだ。

今回の記録的な豪雨は、インド北部の特にウッタラーカンド州とヒマーチャルプラデーシュ州の州で壊滅的な洪水を引き起こした。また、北インド全域に渡って地滑りが発生している。現在、インド陸軍、国境保安部隊(BSF)、国家災害対応部隊(NDRF)などが救助活動をおこなっている。

被害の大きかったケダールナスはウッタラーカンド州でも神聖なヒンズー寺院のある場所のひとつとして知られている。



詳細はわからないですが、山中の「氷河」あるいは「万年雪」のような状態のようなドームが、豪雨によって破裂、あるは溶解して、それが貯水地の大きな決壊に結びついたというような感じが伺えます。


ちなみに、ウッタラーカンド州では、 6月 20日から 22日までの3日間、州による「喪に服する期間の宣言」が出されました。被害の甚大さを印象づける出来事だと思います。

この記事をインドのメディアからご紹介します。


Three-day state mourning declared in Uttarakhand
oneindia (インド) 2013.06.20

ウッタラーカンド州は3日間の喪に服すことを宣言

uttarakhand-3-mourning.jpg


ウッタラーカンドの州政府は 6月 20日、絶え間ない豪雨によって引き起こされた洪水災害に対し、 6月 22日までの3日間を州として喪に服する期間とすることを宣言した。

州政府長官のSSネギー氏は、「鉄砲水と豪雨による洪水により、多くの人々の生命と財産に大規模な被害が生じたことに対して 6月 20日からの3日間を喪に服する状態とする」と述べた。

この期間、州政府の建物や施設ではすべて半旗が掲げられ、また、この期間での冠婚葬祭等は行われないこととする。







自然に対しての経験則が通用しなくなっていく時代に


最近、過去のウェブボットの抜粋などをしていることが多かったのですが、上のような「高高度での洪水」という言葉も何度も出てきていたものでした。

大きな被害が実際に出ている中で、それを書くのは心苦しいですのですけれど、そこに書かれている状況が非常によく今回の災害と似ている以上は、それはつまり、「今後も同じような原因での洪水が起きる可能性もあるものかもしれない」というようなこともあり、短く抜粋しておきます。

その「同じような原因」とは、経験したことのないほどの豪雨と共に、「氷河や万年雪などが溶けることによる洪水」も含まれます。

今から4年以上前のウェブボットからです。


ALTA レポート 1109 パート1
ウェブボット 2009年1月31日配信

・ 地獄の夏の期間には地球環境も大きく変化する。それは洪水の発生である。しかしこの洪水はおもに平地が水浸しになる一般的な洪水とはかなり異なっている。それは降雨量がほとんどない高地の谷あいの地域などで発生する大雨による洪水である。大雨はものすごい水流となって高地の谷を下り、洪水を引き起こすのだ。これにより、高高度の地域に突然と湖が出現する現象が相次ぐ。

・ さらに、高高度の山間の降雨量の増大は、山間部の万年雪を溶かしてしまう。これによる予期せぬ雪崩が相次ぐ。この現象の影響は深刻である。万年雪は水の供給源ともなっているため、これが溶解することで供給源が失われてしまうのだ。




ちなみに、大規模な洪水は、現在、カナダのカルガリーでも起きています。

ca-floods-01.jpg

CNN 「カナダ・カルガリーで洪水、住民10万人が避難も」 より。



今に始まったことではないかもしれないですが、「経験が通用しない」というようなことがいろいろな自然と関係する現象などの中に見受けられます。

雨の量。
その降る地方や季節。
気温や風。

いろいろな自然での出来事が、「ほんの数年前と違う」ということは、毎日の生活の中でも感じられます。

最近、日本では、登山される方の遭難が大変に多いことがよく報道されます。



これも「高齢者が増えたため」というようなことでまとめているものもありますが、その一方で、経験則が通じない「天候の変化」というものも少なからず含まれているような気はします。


まあ・・・・・実は・・・私自身は、「人間はあまり山に上らないほうがいいのでは」というようなことを思う人なんですが(山が神様なら、神様を足で踏んづけている)、しかし、登山を否定しても仕方ないわけで、これからは富士山の登山者なども増えるのでしょうけれど、ベテランの方も含めて、経験則以外の出来事によっての事故は起きるようにも思います。

特に、富士山に関しては噴火の可能性もそれなりにあるわけですし。
これもまあ・・・最近の富士山とそれを取り囲む日本人との関係に関しては、過去記事の、

富士山はもう日本人を守らない
 2013年05月08日

正直な気持ちを書いてしまったこともありますが、しかし、地元の人たちは喜んでいるわけですし、そのことに水を差す気もないですので、今後もうまく富士山と共存でききる日々が続けばいいなとは思います・・・。


いずれにしても、山にお上りになる方はお気をつけください。



ところで、台風4号というものがありました。

天気図などをよく見ている方は、あれが途中から「妙なこと」になっていたことに
お気づきだったのではないかと思います。

下は 6月 21日午前 5時の気象庁の天気図の雲の様子ですが、まだ台風4号は「勢力を保っている」と報道されていた時です。

t4.png


天気予報などでは上の丸の場所に「台風4号」と書かれていたのですが、雲の様子を見ると、上の通り「そこには何にもない」のでした。

勢力が弱まったとはいえ、ここまでまったく何もない状態で台風の進路を説明していた予報士の方々というのもちょっとこう、形而上的な感じさえするものでした。


私たちが初めて目にする「そこに何も存在しない台風」・・・。


なかなか気象の説明も脈絡がつかなくなっているのかもしれません。






  

2013年06月20日



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holly-statue.jpg

▲ インド北部で早いモンスーン到来による歴史的な洪水が発生しています。洪水に飲み込まれたウッタラーカンド州にある聖地リシケシのシヴァ神の巨大な像。6月18日の BBC より。






 


洪水という言葉の意味


4年ほど前にクレアなひとときに「大洪水と向き合うこと」というタイトルの記事を書いたことがあります。

その 2009年も大変に洪水が多い年で、何百年に一度、というような形容がつけられる洪水が多く発生していたのですけれど、しかし、昨年2012年の、

洪水...洪水...洪水.. 世界中で異常な数と規模で発生し続ける洪水
 2012年08月26日

という記事では、それをさらに上回るような洪水が、2009年よりもはるかに多くの地域で、あるいは「世界の至るところ」で起きていました。それには、日本の九州での洪水も含まれます。


そして今年 2013年。

さらに洪水の規模は拡大しているように見えます。

先日の、

「夜光雲の様子がおかしい」と科学者たちが語るその下の地球は未曾有の洪水に覆われ
 2013年06月11日

では、ヨーロッパの大洪水の様子を取り上げていますが、ヨーロッパの最近数百年で最悪だったと考えられるこの洪水は、下の地域を壊滅的な状態にしました。

eu-floods.jpg


今、ヨーロッパの洪水の舞台は、フランスに移っています。

fr-floods.jpg

▲ この洪水は現在まだ進行しているものです。Channelnews Asiaより。


ドイツやノルウェーの洪水でもそうでしたが、このフランス南部でも「それまで経験したことのないような豪雨が短時間に降った」とされています。

そして、今現在、世界でもっとも激しい洪水に見舞われているのがインド北部なのですが、そのことは最後に報道の翻訳を含めてご紹介します。


その前に、日本のことを少し。

上に書きました「それまで経験したことのないような豪雨」。
これが日本でも昨日から起きています。

ちょっと前の記事までは「水不足が深刻化している」ことを書いていたのですが、西日本ではこの水不足は現在の雨で相当解消しそうなので、それはいいことだと思いますが、しかし、それだけでは済まない被害や影響なども起きそうな感じとなっています。今の気候は、どちらの方向に向いても「極端」に向かうということを感じます。

下の記事は今朝のウェザーマップからの抜粋です。


記録的な大雨続く 各地で観測史上1位
ウェザーマップ 2013.06.20

活発化した梅雨前線に伴い、西日本から東日本を中心に発達した雨雲がかかっている。和歌山県古座川町では午前3時頃に1時間降水量が73ミリの非常に激しい雨が降り、6月としては1位の降水量を記録した。

また、各地で記録的な大雨となっており、24時間降水量は、きのう6月19日までに石川県七尾市で219.0ミリ、島根県大田市で195.0ミリと観測史上最多となったが、20日午前5時40分現在、山口県萩市で310.0ミリなど、観測史上1位の降水量となり、記録を更新している。



上のようにいろいろな場所で、観測史上の雨量の記録を更新している状況で、しかも、地域によっては、雨の本番はこれからだと思いますので、いろいろとご留意されていただきたいと思います。


とにかく、世界のどこでも、「ほどほど」という部分があまりないのです。


そういえば、最近、4年前ほどのウェブボットを取り上げることが何度かありましたが、上のほうでふれました4年前のクレアの記事にも、ウェブボットからの抜粋がありました。


ALTA1109 パート3
ウェブボット 2009.01.24

数年前からの現象だが、2009年頃に「洪水」という言葉がピラミッドの頂点に来るようになった。

これは自然災害としての「洪水」だけではなく、「家の差し押さえの洪水」「破産の洪水」「通貨の洪水」「ハイパーインフレーションの洪水」などというように、「洪水」の言葉で形容できる様々な現象を指している。

このように、「洪水」は幅広い現象を説明できるキーワードなので言葉のピラミッドの頂点にくるのだ。




今回は最後に、インドで起きている壊滅的ともいえる洪水についての記事をご紹介しておきたいと思います。





インドの洪水


下の動画は、インドでの現地のテレビ報道からの抜粋です。




報道そのものはロシアの声から、写真は AP などのからご紹介いたします。このインドの洪水は、報道により犠牲者数はかなり違い、また、時間と共に増え続けていますので、被害状況は暫定的なものです。

ところで、このインドの洪水も上のほうに書きました「ほどほどという部分がない」ということを感じさせるもののひとつではあります。

どうしてかというと、ほんの少し前までインドの一部では「極端な水不足で人々が苦しんでいた」からです。

下は、日本のサンケイビズの6月1日の記事です。
リンク先に記事がありますので、興味のある方はお読み下さい。

india_water_shortage.jpg

▲ サンケイビズ インド 水不足が招く悲劇より。


インドは広いですので、洪水も干ばつもインドの全体にあてはまるものではないですが、それでも「中庸が存在しない現在の気候」というものを感じます。

では、ここからインドの洪水の記事です。





インド北部 土砂崩れと洪水で少なくとも 130人死亡
VOR 2013.06.19

写真: Nation


1-monsoon.jpg


大雨による洪水と土砂崩れにより、インド北部のウッタラカンド州、ヒマチャルプラデシュ州、ウッタルプラデシュ州の3つの州では、少なくとも 130人が洪水により亡くなった。

なお、行方不明者は、数百名に上っている。



monsoon-2.jpg


首都ニューデリーを含めて、インド北部では今年、雨季のモンスーンが例年よりも早く始まった。その大雨により、ガンジス川をはじめ一連の河川が氾濫し、何百もの家や橋が被害を受けた。現在インド当局は、被災者を地元の学校やカレッジに収容している。


monsoon-3.jpg


またインド空軍は約 20機のヘリコプターを使って、洪水により屋根の上や水没した道路に取り残された人々の救助作業を続けている。

こうした救助作戦には、約 5千人の軍人が投入されている。インド当局は、市内を流れているヤヌナ川の氾濫を警戒し、沿岸に住む市民 1万 5千人を避難させた。





ここまでです。

世界中で起きているこのような大洪水は、どこの国にとっても人ごとではなくなっているはずで、もともとが雨の多い日本でも、その雨の記録さえ次々と更新されているわけですので、今後もどんなことが起きるかわからない面はありそうです。

何もかも気をつけることは無理ですけれど、特にお子さんたちが水場の近くに行くことはご注意されてほしいように思います。




  

2013年06月09日



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昨日の、

「穏やかな地獄の夏」へ向かう気配の中で : 噴出する様々な異常気象の原因
 2013年06月08日

という記事で「水不足」の話を書いたすぐ後に、今度は「台風が発生した」というということを気象庁が発表していました。

yagi-01.jpg


台風3号が発生
tenki.jp 2013.06.08

気象衛星画像を見ると、日本のはるか南の海上にある雲が渦を巻いています。
この熱帯低気圧の雲は、8日21時に台風3号になりました。
今年は1月と2月に台風が1個ずつ発生しましたが、今回はそれ以来のことです。



とのことです。
この台風3号の英語名は YAGI (ヤギ)ですが、意味はわかりません。






 


台風とは関係ないですが、今日なども九州や四国などでは相当の雨が降っているようで、水不足どころか、地域的には逆の心配が出てきているようです。

台風が日本に近づくとしても、あと3日後くらいで、しかも大した勢力の台風でもないので、普通なら何の心配もないような話なのですが、やはり、昨日の記事にも書きました「最近の自然の出来事はなんでも前代未聞」というような面は確かにありますので、簡単に「何の心配もない」とは言い切れない面はあります。

なぜか知らないですけど、米国の Accu Weather という天気予報サイトでは下のような図を載せて、なんだか煽っていました。

acc-ttf.png

アメリカは日本について、政治や経済のことはあまり報道しないですが、日本の災害のことについては一生懸命報道します(苦笑)。自然災害や熱帯低気圧は、アメリカのほうが今、深刻なはずなんですけれど。






「 30分で1ヶ月分の雨」が降った例も


台風そのものの威力はどうであれ、梅雨前線などと結びつくと昨年の7月に九州であったような、とんでもない量の雨が降る可能性もないではないかもしれないですので、どんな自然現象でも今は侮らないのがよろしいかとは思います。

昨年の九州の豪雨は海外でも大きく報道されていました。お忘れの方もいらっしゃるかもしれないですので、その時の海外での報道の動画をはっておきます。

2012年7月の九州の豪雨




ちなみに、「最近の前代未聞の降雨の例」としては、5月31日に、ロシアのヤロスラヴリという街で、「30分間で1ヶ月の降水量と同じ量の雨が降った」という例があります。

vor-61.jpg

ロシアの声より。


ロシアのヤロスラヴリというのは下の場所にあります。
モスクワに比較的近い場所です。

yarosraburi.jpg


ロシアでは、昨年も南部のクバン地方という場所で「1昼夜で6ヶ月分の降雨量に相当する雨が降った」ということがありました。それに関しては、昨年の7月の記事、

私たちが経験している現在の気候変動は次の数万年の人類史への扉かもしれない
 2012年07月13日

でふれていますが、その中で私は下のように記していました。


最近の日本や世界各地の自然災害を見ていますと、「もはや今までと同じような気候や天候が繰り返される時代ではない」ということが今年は特に明らかになってきている気がします。

「今まで」というのは、この 2000年とかそういう区切りですが、文化、生活、そして農作なども今までは違う形に変貌させていかなければならない時期の始まりということなのかもしません。もちろん、先のことはわからないですが、しかし今後、突然、穏やかな気候に戻るというような気はあまりしません。



この1年前に記した感想は今でも同じか、あるいは確信めいてきている感じがあります。

それでも、どんなに気候が変動したり激しいものとなっても、人間はある程度は順応してきた歴史があるわけで、今までも人類はそうやって変化の中で生きてきたものでもあります。

なので、環境の変動に過度の心配をする必要もないとは思いますが、しかし環境の変動が「ある程度を越える」と、順応できる人の数も減ってくるということは言えそうで、上の「私たちが経験している現在の気候変動は次の数万年の人類史への扉かもしれない」という記事には、2008年に米国スタンフォード大学の研究として、「人類は7万年前に人口が 2000人にまで減少していた」という可能性を発表した記事を抜粋しています。

このことはいつも私が思い出す出来事でもありますので、再度、一部抜粋しておきます。


Study says near extinction threatened people 70,000 years ago
AP 2008.04.24

人類は7万年前に全世界でわずか2000人にまで減少し、絶滅しかけていたことが研究で判明

遺伝学研究によると、ミトコンドリア DNA の追跡により、現在の人類は約 20万年前にアフリカに住んでいたミトコンドリア・イブと呼ばれる単一の母親の子孫であることがわかっている。そして約6万年前から全世界へ人類の分散が始まった。

しかし、この「人類の全世界への分散までの間に何が起きていたか」については今までほとんどわかっていなかった。

最近のスタンフォード大学の研究によると、今から7万年前に極端な気候変動によって、人類の数は一時 2000人にまで減少し、絶滅の危機に瀕していた可能性があることがわかった。



多少の誤差はあるだろうにしても、この研究の数値がある程度信頼できるものなら、この 2000人がその後の7万年で 70億人にまで増えたということになるわけです。 350万倍?(計算違うかもしれません)。いずれにしても、比較的短い期間にものすごい増え方をした人類なわけですが、急激に上がったものというのは、落ちる時はストンと落ちるものが多いです。


今がその「落ちる時期」なのかどうかわからないですが(後になってわかることだと思いますので)、イメージ的には「近い」感じもします。




雲が描く龍の顔

ところで、今回の記事のタイトルに「龍の顔」と書きまして、まあ大した意味はないんですが、気象庁の天気図などを見ていた時に、現在(2013年6月9日午前)の雲の形を見ていると、日本付近の雲が「龍のかたち」に見えたんです。

dragon.jpg

▲ 6月9日午前10時の日本付近の雲。


北海道のほうにあるのが尻尾で、西日本のほうにあるのが頭。

そして、東北の太平洋上の沖の上でグルッと尾が円を描いているような感じ。


ちなみに、戦時中の海外のイラストには下のような日本の描かれ方もありますし、「龍 vs 龍」といった感じですかね。


j-dragon-576.jpeg

▲ 過去記事「土星を周回する月の龍」より。



さらに記事のタイトルには「日本で最強の火山:薩摩硫黄島」と入れたのですが、このことに関して少し書いておきます。薩摩硫黄島は上の「龍の雲」では顔の中心あたりにある火山です。





日本で最大規模の火山は鹿児島の海底にある


日本最大の火山というと、どうしても「富士山」というものを筆頭に考えますが、象徴としてはそれは非常にわかりやすいし、正しいようにも思います。

しかし、単純に「大噴火の比較」としては、日本の過去数万年で、他と比較できないほどの最大の大噴火をしたことが確実となっているのは、鹿児島の薩摩硫黄島、あるいはそこにある海底の火山なのです。

地球には「7大超巨大火山(スーパー・ボルケーノ)」と呼ばれているものがあり、それは、


1.セージア渓谷 (イタリア)
2.イエローストーン (米国)
3.薩摩硫黄島 (日本)
4.トバ火山 (インドネシア)
5.ニュージーランド北島のカルデラ群 (ニュージーランド)
6.シャツキー海台 (太平洋の日本側)
7.オントンジャワ海台 (ソロモン諸島)


とされています(7つの超巨大火山より)。


現存している火山の中で、スーパー・ボルケーノとされる火山は日本では、薩摩硫黄島と、あるいはそれを含む海底にある「鬼界カルデラ」だけのようです。

この火山が噴火したのは、放射性炭素年代測定法では今から約 6300年前ほど。その規模は、巨大噴火に埋もれていた幻の縄文文化というサイトによりますと、


爆発規模は、フィリピン・ピナツボ火山の 10〜 15倍ぐらい、雲仙普賢岳のおよそ 100倍と驚異的で、過去一万年の日本火山史のなかで最大の噴火だった。

上空 3万mの成層圏にまで達した大量の火山灰は、遠く東北地方にまで飛散したほどで、南九州一帯は 60cm以上の厚さで埋め尽くされた。



という噴火でした。

そういう超巨大火山であるというせいもあるのでしょうが、少しでも噴火活動があると、わりと海外のサイトなどでも取り上げられます。今、薩摩硫黄島は小規模な噴火を起こしているのですが、海外のサイトでは、早速、下のような図入りで説明されていました。

kikai.jpg

New activity reported at Japan’s Satsuma-Iwo-jima (Kikai) volcano (日本の薩摩硫黄島(鬼界)で新たな火山活動) より。



ちなみに、今、薩摩硫黄島で起きている噴火は小さなものです。
日経新聞の記事を抜粋しておきます。


薩摩硫黄島の警戒上げ、小規模噴火
日本経済新聞 2013.06.04

気象庁は4日、薩摩硫黄島(鹿児島県三島村)の噴火警戒レベルを1(平常)から2(火口周辺規制)に引き上げた。火山灰の状況から小規模な噴火があったと判断した。噴火の発生は2004年10月以来。

今後も小規模な噴火の恐れがあり、火口から約1キロ以内で警戒が必要としている。ただ火山性地震は少ない状態が続いており、地殻変動もないという。



ということで、現時点では何の心配もない薩摩硫黄島ですが、この薩摩硫黄島とその下にある巨大な「火山の母体」である海底火山が、縄文時代以来の日本での最大の噴火を起こしたエネルギーを持つ火山であるということは事実のようです。

ちなみに、この噴火のせいかどうかはわからないですが、九州の縄文文化が、この噴火を境に忽然と姿を消したことが上記の巨大噴火に埋もれていた幻の縄文文化に書かれてあります。

薩摩硫黄島の噴火前までは、南九州の縄文文化は、他の地域と比べて並外れて進んだ文明の発展を見せていたようです。それが「瞬時」に途絶えてしまった。

確かに巨大な火山の噴火は文明に大きく影響する可能性が常にあります。そういう意味では、富士山も日本を変化させる可能性を持っているのかもしれません。



  

2013年06月08日



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すでに始まっていた日本の深刻な水不足







 


先日の記事、

太陽系で惑星が直列と六芒星をかたち作る 2013年 7月からの地球の行方
 2013年06月05日

の中で、梅雨入り以降、ほとんど雨が降っていない現状について、

> 今後の状況によっては、深刻な水不足になる可能性が存在している雰囲気が漂います。


などと悠長なことを書いていたのですが、すでに水不足は深刻であることが国内の多くのニュースで知ることができます。

下の長野県のニュースはあくまで、そのうちのひとつで、本州から九州までの各地ですでにかなり深刻な水不足となっているようです。


空梅雨、農業用水不足深刻に 東御など「収穫に影響も」
信濃毎日新聞 2013.06.06

w-s-1.jpg梅雨入りした県内で少雨傾向が続き、農業用水の不足が深刻化している。東御市八重原(やえはら)では、多数のため池の一部が空になり、田植えを終えたばかりの水田で干上がる場所が出始め、地元農家でつくる八重原土地改良区は5日、「このままでは農作物の収穫に大きな影響が出る」として市に対策本部設置など支援を申し入れた。

長野地方気象台によると、東御市の5月の降水量は38・5ミリで、平年の4割強にとどまる。県内は梅雨入り直後の5月29、30日に全域で雨が降ったが、6月は降水を観測する45地点のうち40地点で降水を観測していない。



取水制限が始まった地域も多く、中国新聞には「梅雨なのに…取水制限の方針」というタイトルの記事があったりしました。

どうして、梅雨入りしてからこんなことになってしまっているかというと、気象庁の説明によると、「日本列島にかかるはずだった梅雨前線が南の太平洋上にあるから」ということのようです。

まあ、下の図は私が適当に作ったものですので、正しい説明にはなっていないと思いますが、大まかにはこのような状況によって雨が降っていないということのようです。

ts-2013.jpg


では・・・もし・・・上の気候の配置が今後もずっと続いたら?・・・というようなことをつい考えてしまいます。

そうなると雨が極端に少ない日々が続いていくということになるわけですけれど、まあ、そんなことにはならないとは思いますが、それでもそんなことを考えてしまうのは、やはり最近の世界での異常な気象状況を見ているからということも言えるかもしれません。

先日の記事でも、ヨーロッパでの前例のない大洪水について少しふれていますが、今、「この洪水はなぜ起きたのか」ということが、科学者たちの間で討論されています。




地球のジェット気流は北半球すべてで「変化しながら共鳴」している


g-floods.jpg

▲ ドナウ川の洪水で多くが水没したドイツ南部のデッゲンドルフ。6月6日。AFP より。


昨日の AFP に、「中欧の大洪水、温暖化と土地利用が背景に」という記事がありました。

このタイトルだと、洪水の理由がわかったかのような見出しにも見えますが、読みますと、「いろいろな科学者がいろいろな説を述べている」というのが現状です。

ただ、「地球の大きな気流の流れが変わったことが原因のひとつ」ということは言えそうで、たとえば、さきほどの日本の気候の配置が予測とはズレてしまっていることなどもそうですが、これまでと同じ予測は通用しないという部分がありそうなのです。

上の AFP の記事にドイツの気候変動ポツダム研究所という施設の科学者が出ていまして、下のようなことを言っています。


気候変動ポツダム研究所は、地球上空のジェット気流が乱れたことによって、豪雨をもたらした低気圧が移動せず1か所に停滞してしまったと指摘している。

同研究所は、現在ロシアで起きている干ばつも、この気流の乱れに関連しているとの見方を明かした。



そして、上の研究所の科学者によれば、ジェット気流の「共鳴」というのは、北半球全体に広がっているものだそう。つまり、仮に異常気象がジェット気流に起因しているとするならば、それは「北半球全体の異常気象と関連する」ということも言えそうです。


いっぽうで、正式な科学の世界「ではない」方面でも、現在の異常な気象について、他のいろいろな説なども言われています。

たとえば、米国の「アースチェンジ・メディア」の最近の無料メールマガジンには、「何が地球の激しい気候を作り出しているのか」というタイトルの配信があり、そこには、「地球のコアが過熱しているため」というようなことが書かれてありました。

そこには、太陽フレア、CME、太陽のコロナホール、放射線、そして宇宙線などすべてとの相関関係があるというようなことが書かれてあります。

galaxly-sun.png

▲ アースチェンジ・メディアの記事にあったイラスト。


まあ、上の図のような相関関係を科学的に説明することは無理でしょうが、そういえば、「地球のコアは知られている以上に高温だった」という報道が4月にありました。

earthcore.jpg

▲ ロシアのプラウダより。


上の見出しの意味は、実際の温度が上がっているということではなく、「計測上」での話で、地球のコアの温度は従来 4500度から 5000度の範囲だと考えられていたのが、フランスの研究グループたちによって、測定のエラーが修正され、地球のコアの温度は 6000度であると決定されたというものです。

日本語の記事も AFP にあります。





地球内部のこと

ちなみに、この「地球の内部」というものに関しては、以前よく書いていましたが、私自身は、地球の内部というものは現在の科学で説明されているようなものだとはあまり思っていない部分があるのです。

しかし、それに関してここでふれてしまうと、話が混乱してしまいますので、過去記事をリンクすることに留めたいと思います。関係した記事は主に、地球の内なる太陽というカテゴリーにあります。

地球からのニュートリノと地球内部からの膨大な熱の源は何か
 2011年08月27日

米国海軍少将バード提督のすばらしき北極旅行日誌
 2012年06月02日

「地球の年齢がわからない」: ミシガン工科大学の調査が地質学に与えるショック
 2011年11月26日

などの記事ですが、科学的なものからオカルトやスピリチュアルな記事まで含めて、他にも数多くの地球の内部に監視の手過去記事があります。


いわゆる「地球空洞説」という言葉がありますが、それと似たような感じのイメージを想定しているのですけれど、しかし、それをそのまま信じるほど素直なわけでもなく、地球の内部に関しては、「謎」という言葉が本当に合うと思います。



ところで、上にリンクした「地球の年齢がわからない」という記事にありますけれど、地球の年齢というのも実はよくわからないものである可能性があるのです。

私たちは「地球の年齢は 46億歳」というように教えられてきましたが、この説も「仮説」であるということは言えそうです。

上の「地球の年齢がわからない」という記事に書きました「地球の様々な年齢」につしいて、再度掲載しておきます。科学的であるものと、あまり科学的でもないものも含まれていると思いますが、まあ、こういう説もあるということです。


計測されて判明している地球の年齢の候補

・46億年と出るもの → 炭素、ルビジウム、カリウム

・200億年以上と出るもの → ウラン

・17万 5000年と出るもの → ヘリウム

・10万年と出るもの → 宇宙塵(ポインティング=ロバートソン効果

・炭素14では地球の歴史は 6000年

・宇宙塵の月と地球の堆積量での比較で、地球の歴史は 5000年から 6000年

・彗星の存在から考えると太陽系自身の寿命が 10万年以内

・放射能崩壊を大気中のヘリウムとの関係で考えると、地球の年齢は長くて1万年

・海の炭酸塩の存在の最大の上限が 10万年




というように混乱した計測結果があるようですが、まあ、私は上すべてに異議があったりします。何しろ、私は「地球は生まれていない」という説の持ち主であるわけで(苦笑)、年齢という概念も存在しないと考えています。

フレッド・ホイル博士などが唱えていた「宇宙は膨張しているにもかかわらず時間とともに変化しない」という「定常宇宙論」とような感じのイメージを地球にも想定していたりします。





私たちは穏やかな地獄」へ向かっているのか、そうではないのか


話が混乱してきていますが、気候に話を戻しますと、現在の異常な気象の理由について、はっきりとした説はないものの、「地球の気流が大きく変化している」ということはある程度は言えそうで、そして、そのジェット気流の速度自体も低下していることもハッキリしているようです。

Star Tribuneというニュースサイトに「1979年以来、ジェット気流の速度が 14パーセント低下しており、これがアメリカの洪水や干ばつなどを招いている可能性がある」ということが書かれてありました。

jet-1979-2013.jpg

Star Tribune より。



それにしても、ここ数日は、雨が降らないせいで確かに穏やかです。

春まで吹いていた強風も最近はなく、「のんびりとした初夏」というような感じの日々が続いています。

しかし、この穏やかさは「歓迎すべき心地よさ」なのかどうかはわかりません。このまま穏やかにずっと雨が降らなければ・・・それは穏やかは穏やかだけれど、「穏やかな地獄」に向かって進んでいるということにもなります。

ロシアやアメリカなど北半球では、すでに干ばつが大きな問題となっていますが、日本もその懸念は今のところは拭えないように思われます。

楽観的な部分では「そのうちバーッと雨が降って何とかなる」ということもあるでしょうけれど、世界を見ていますと、どうしても楽観できない面も大きいです。

かつて、ウェブボットに「地獄の夏」というキーワードがありました。

その言葉を思い出します。




  

2013年03月28日



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▲ 3月26日にアメリカのワシントン州で発生した米国史上でも希に見る巨大な地崩れ。この報道を後でご紹介します。






 

今回はタイトルの通り、世界各地で大地が崩壊しまくっていることについてです。2日前には中国の新セン市というかなりの都会のど真ん中で、シンクホールというより、地崩れが発生しました。その様子が動画におさめられているので貼っておきます。

中国深セン市の大地の崩壊 2013年3月26日





このような「世界中で起きている地崩れとシンクホール」のことを、全部は無理ですので、少しだけご紹介しようと思っている・・・のですが、その前に2つほど余談がありまして・・・。ひとつは「お詫び」で、もうひとつは25年間かかって辿り着いた「聖クリストファーと私の関係」についての話です。


「お詫び」というのは、イタズラ心の関係の話になってしまうんですけど、昨日の、

苦痛の「ない」アルマゲドンへ: ヒッグス粒子の確定と共に確定した宇宙のカタストロフ
 2013年03月27日

という記事の最初に、デイリーギャラクシーの下の写真を載せました。




この写真自体は、確かにデイリーギャラクシーに載っていたもので、銀河の写真であることは確かなのですが、「少しだけ細工」していたんです。

下の赤丸の部分は私がこっそりコピーで加えたものでした。
拡大したものも下に載せてあります。

saibo.jpg

▲ Newton Web版 「動物細胞(真核細胞)の全体像と,その中に含まれる細胞小器官について」より。



上の図はもともとは、ずいぶん昔の記事ですけれど、

[地球の内なる太陽] Vol.1 - その意味
 2011年08月19日

という記事の中で、

宇宙があり > 銀河系があり > 太陽系があり > 地球があり > 人間がいて > 細胞があり > 遺伝子があり > アミノ酸があり > 分子があり


ということを図説した中の「細胞」の部分の図として使ったものです。イラストは科学雑誌ニュートンに掲載されていたもので、ほぼ正確な人間の細胞の描写になっています。そして、昨日の記事を書いている途中で銀河の写真に「ふと」人間の細胞を入れたくなってしまったのでした。


なので、お断りなく入れたのですが、そのまま「間違った宇宙の図」を放置しておくのもあれかなあと思いまして、お詫びすることにしました。


さて、しかしまだ今回のことには続きというのか、つながりはあるのです。そのつながりとは記事そのもののことで、上の細胞の写真は、[地球の内なる太陽] Vol.1 - その意味 という記事に載せたものでした。

その記事に 1785年、つまり 230年くらい前に薔薇十字という秘密結社により発行された「薔薇十字の秘密のシンボル」という発行物の内容にふれています。さて・・・まだ余談が長くなりそうですけど、お許し下さい。

話は今朝のことになります。





夜中に目覚めて最初に目に入ってきたのは「エメラルド・タブレット」の最重要シンボルだった


この「地球の内なる太陽」というシリーズには、

ヘルメスのエメラルド版(エメラルド・タブレット)
 2011年09月02日

という記事があります。
エメラルド・タブレットは中世の錬金術というか、「この世の存在のすべての成り立ち」をあらわしたものとされていますが、それを表した図がしたのものです。




いろいろなマークやシンボルがあるのがおわかりかと思いますが、この中で最も重要なシンボルは何かというと、それは VITRIOL という言葉で現されるシンボルで、上の絵の中央のやや下にあるマークです。

vit-02.jpg


「これがこの世のすべて」らしいのです。
ただ、今でも正直、意味がわからないです。

なので、それはまあそれとして、そういうものがあると。


そして、話は飛びますが(でも話はつながっています)、震災の後、「120年の前の日本の風景」の写真をご紹介したことがあります。

日本人自らが撮影した 120年前の日本の光景
 2011年09月17日

120年前の日本の光景に見る「私の中のパラダイス」
 2012年03月28日

です。



▲ 上の記事より 1897年の富士山。絵のように見えますが、絵ではなく、モノクロの写真に彩色しているものです。撮影も彩色も当時の日本人によるものでした


上のような昔の素晴らしい絵画などを紹介してくれるCHICC MANCHESTERという学術サイトがあります。学術系サイトですので、あまり更新されないのですが、昨日記事が更新されておりまして、そこには、「聖(セント)クリストファー」という人の絵画が紹介されていました。

1423年に描かれたものだそう。
下の絵です。

st-christopher.jpg


これを見た途端、「おっ!」と思いました。

多分、このヒゲのオッサンが聖クリストファーという人だと思うのですが、上に座っている子どもか、あるいは天使「的」な人が左手に持っているもの


em-2013.jpg


これはまさしく薔薇十字の VITRIOLという概念で表されるアルケミーの重要なシンボルと同じものです。

「おお」と私は軽く叫びましたが、しかし、考えてみれば、私はそもそもこの聖クリストファーという人が誰だか知らないのでした


そこで調べてみると下のような人のようです。
聖クリストファーとメダイというページから抜粋させていただいています。


聖クリストファーという名前はギリシア語で「キリストを運ぶ人」という意味で、本来は人名ではありません。そのため歴史上実在した人物とみなされず、人気がある聖人であるにもかかわらず、ローマ・カトリックの教会暦では祝日を持ちません。

クリストファーが誰であるのか、古来学者の間で議論が為されてきましたが、現在ではコプト教徒のあいだで崇敬されている殉教者、聖メナス (285 - c. 309) のことではないかと考えられています。

最も古い伝説によると、聖クリストファーは現在のリビアにあたる地域に住んでいた人肉嗜食の野蛮人で、犬の頭を持った巨漢でした。ローマ軍と戦って捕虜になったクリストファーはアンティオキアでキリスト教に改宗し、死刑宣告を受けますが、数々の奇跡によって死を免れて多数の人々をキリスト教に導いた後にようやく殉教しました。



という人で、詳しいところはわからないですが、キリスト教では人気のある人のよう。


さて、しかし、このように「キリストとの関係があるような感じの人」が、エメラルド・タブレットのような一種の「双璧にありそうな感じのもの」と共に描かれているということは興味深いことでした。

そして、さらには私は 25年くらい前によく聴いていた米国のブルース歌手の音楽に「聖クリストファーを吊せ」という曲があったことを思い出しまして、今日は夜中から先ほどまでずっと、この聖クリストファーと関わっていた感じです。

音楽のことについてはここには書かないですが、私の音楽サイトの中の、

25年前に聴いたトム・ウェイツの「セント・クリストファーを吊るせ」を思い出した今日

にそのあたりのことを書いていますので、もともと反逆音楽であるという意味でのブルースを好きな方はお読みいただいてもよろしいかもしれません。



▲ トム・ウェイツのHang On St.Christopher 。1987年頃の曲です。




というわけで。長い長い余談となってしまって、本当に申し訳ありません。

今回は大地が割れるニュースなのですが、本当に数が多い中で、このように前振りをしてしまったので、とりあえず、一番上に載せました3月26日のワシントン近郊での巨大な地崩れについてご紹介します。

しかし、個人的には他にもたくさんの「地球が割れていく」たぐいの報道が手元にありますので、順次ご紹介したいとは思っています。


たまに書くことがありますが、


上(宇宙)からの作用


そして、


下(地球)からの作用


はどちらも同じだということを思い出したいために、それが書かれているエメラルド・タブレットのことにふれたのかもしれないと今ふと思いました。

それでは、ここから本記事です。

アメリカの abc ニュースの報道です。





Landslide on Washington Island Forces Evacuation of 34 Homes
ABC ニュース (米国) 2013.03.27

ワシントン州の島での巨大な地滑りにより 34世帯が避難している


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ワシントン州のウィッビー島に消防とレスキューが到着したのは、3月26日の午前4時のことだった。レスキューに同行した abc の取材班は、すでに崖下の水面にまでかなり近い距離にまで崩落を始めている住宅を目撃した。

地滑りは 400〜500メートルの幅にわたって起きており、また、崩落しているその深さは 600メートルから 700メートルあるものと見られる。しかし、幸いなことにこの巨大な地滑りでの怪我人は報告されていない。



abc-news-2013-03-26-02.jpg


崩落した現場に住むハーティンさんによると、建物が崖から落ちていく前に人々は脱出したと語る。現在、この地域では 34世帯が避難しており、17世帯の住居はすでに崖下に崩落している。また、その地帯は地形自体が島から切り離され、電気や水道や道路なども一掃されてしまった。

ウィッビー島はワシントン州にある2つの島のうちのひとつで、定住者もいれば、別荘地として家を構える人たちも多い。

ハーティンさんによれば、「この島では地滑りそのものは珍しいことではない」と言う。また、この島に 14年間住んでいるスーザン・ベルタさんによれば、この島は地質的に常に地殻が移動しているためにスローペースでの地滑りは起きるのだという。

そして、ベルタさんは、

「なので、私は驚いてはいないです。いつかはこのような巨大な地滑りが起きるのではないかと思っていました。しかし・・・ただ、こんなスピードで、そして、こんなに大規模に突然起きたことにはショックを受けています」。

と語った。






ここまでです。アメリカでは、アリゾナ州の広範囲の地域でも原因不明の地割れ」が発生していて、そちらもよく報道されています。

arizona-crack-2013.jpg

▲ アリゾナの地割れがついに、道路も崩落させてしまったことを伝えるニュース。NavajoPost より。


いろいろなことが・・・・・もう本当にいろいろなことが起きています。


でもですね。

私は最近決めてますけれど、「最後の最後まで楽しんで死んでやる」と思っています。

もともと、小児ぜんそくで生まれて6年も寝たきりだった子どもだった私は、「生まれた時から苦しめやがって」と思って赤ちゃん時代を過ごしていたので、もともとも「神も宇宙も大嫌い」なところが立脚点なわけなんですけけど、それでも、その後、私は人生を楽しむことを楽しむことを「人間から」教わりました

そういう意味では、やはり人間が神様だと心底思う時も多いです。



  

2013年02月05日



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▲ 過去記事「奇妙な太陽のポールシフトは太陽系全体に影響を与えるか?」より。2012年4月19日の国立天文台のニュースリリースから作成し直した「太陽の変化の予測」のシミュレーション。






 

太陽の磁場の異常はさらに大きくなり


昨年の4月に、下の記事で国立天文台が発表した「太陽の磁場が4極になる」というニュースリリースをご紹介しました。

奇妙な太陽のポールシフトは太陽系全体に影響を与えるか?: 国立天文台が発表した「4極化する太陽磁場」
 2012年04月21日


この内容は、その当時、私個人も衝撃を受けたものでした。


その後、この件に関しての発表は特になかったのですが、つい数日前、この太陽異変についての「続報」がありました。

そのうち、2月2日のマイナビニュースから、抜粋いたします。


太陽両極の磁場異変を確認
マイナビニュース 2013.02.02

国立天文台と理化学研究所などの研究チームは、太陽観測衛星「ひので」が昨年9月に行った太陽極域の磁場観測の分析結果を発表した。太陽の北極域では磁場がマイナス極からプラス極へ反転する現象が急速に進んでいる一方、南極域の磁場は依然としてプラス極のまま変化が少ないことを確認した。

solar-4-magnetics.jpg

(中略)

次の太陽活動の極大期は半年ほど後ろにずれ込んで、今年秋ごろになるとみられ、その時の平均相対黒点数は69と予想される。これは、過去100年で最低の極大期黒点数であり、当面、太陽活動は低調に推移するものと考えられるという。

こうした太陽活動の異変は、地球が寒冷期となった「マウンダー極小期」(1645-1715年ごろ)や「ダルトン極小期」(1790-1820年ごろ)に似ているとも言われる。国立天文台などは今後も集中的な太陽極域の観測を継続していく。



これは、 NASA の科学者などを含めて予測する人たちもいた、「太陽活動の低下」ということが事実となって現れてきていることを示しているようにも思います。


参考までに、それに関しての過去記事を貼っておきます。

これは NASA マーシャル宇宙飛行センターの太陽物理学者デイビッド・ハザウェイ博士という人のインタビューから、「これから地球は小氷河期入りしていくのではないか」ということを5回に渡って書いた記事で、下のリンクが一回目のものです。

あらかじめ予測されていた小氷河期の到来(1)
 2011年11月07日

他の4回はすべてそのページからリンクされています。

お読みになられたことのない方は、今回の国立天文台の発表の補足的な資料としてもお読みいただければ幸いに存じます。




▲ デイビッド・ハザウェイ博士。



上のシリーズでのハザウェイ博士の話のポイントとしましては、

強い太陽活動は 1800年代に終わっていた可能性
あらかじめ予測されていた小氷河期の到来(3)より。)



▲ 西暦 1600年から 2000年までの黒点活動の推移。


黒点だけではなく「太陽の磁場の数値」も一貫して減り続けている
あらかじめ予測されていた小氷河期の到来(4)より。)



▲ アメリカ国立太陽観測所の科学者であるビル・リヴィングストン博士とマット・ベン博士が集計した1992年から2009年までの太陽磁場の推移。1992年以来、減少していることがわかります。


また、

太陽活動の弱い時期は世界の火山活動が活発だった
あらかじめ予測されていた小氷河期の到来(2)より。)



▲ 1707年の「宝永の富士山噴火」の様子を記した伊東志摩守日記の写本。この前回の富士山の噴火の時も太陽活動の弱いマウンダー極小期という時期でした。


というようなこともあると個人的には思います。

これらはすべて「地球の天候」に結びついてくると考えられることでもあります。




太陽活動が弱くなると、どのようなことが起きると考えられるのか


上記のうちで、火山活動と太陽活動の関係はまったく何も実証されているわけではないのですが、「宇宙線と火山活動に関係があるかもしれない」と考えている科学者や地質学者は決して少なくありません。

太陽活動が弱くなると、地球に到達する宇宙線の量は増えますので(太陽磁場等に遮られなくなるため)、それが火山や地震活動、あるいは雷などの多発と何らかの関係があるのではないかと考える「仮説」は存在します。


短い期間でわかりやすい例としては、2012月1月22日から26日くらいにかけて、太陽フレアの影響で強い太陽風(磁気のエネルギー)を地球は受けましたが、その間の「宇宙線の到達量」を示したのが下のグラフです。赤で囲んだ部分が「太陽エネルギーを強く受けた時」です。



▲ 記事「太陽活動で急減を見せた宇宙線と「ハートのコロナ質量放出」 (2012年01月27日)」より。


上では「太陽からのエネルギーが強いと宇宙線の量が減る」ことが示されていますが、逆に、「太陽からのエネルギーが弱い」と、「宇宙線が大量に地球に到達しやすくなる」ということになると思われます。


そして、多分ですが「太陽からの磁場やエネルギーが弱い状態が何十年間という長い期間続く」ということによっての影響は意外な部分に出てくるものではないかとは考えます。


いずれにいたしましても、昨年の国立天文台の発表により、太陽の異変がその後も進んでいることがわかったわけで、仮に国立天文台が言うように、「この状態が過去のマウンダー小氷期などの寒冷期と似ている」のだとすると、今後、数十年から場合によっては数百年、地球はその過去と同じようなことになるのかもしれません。

ただ、過去のマウンダー小氷期もそうだったと思いますが、時間軸として一直線に寒くなる、というような単純なものではないと思われます。

キーワードは「不安定」ということではないでしょうか。

不安定な気候や気温や天候現象が、数年から、あるいは十数年続いた後、次第に平均気温が下がっていくというような。

そして、気温の低下には、巨大火山の噴火などによる「火山灰などによる太陽光線の遮断」も関係します。

また、最近は天体活動も活発ですので、彗星や小惑星の衝突や大気圏での爆発、あるいは地球に近い磁場帯やヴァン・アレン帯などを乱して、磁場の異常による「極めて不安定な空や大気の状況」というものも起きないとは言えないような気もします。


いずれにしても、地球と太陽の関係性は今までの数百年とは違うものになったということは言えそうです。


何が起きるのかは起きてみないとわかりませんけれど。




太陽電波バーストの発生


そういえば、スペースウェザーに「太陽電波バースト」というものが地球に放射されたことが記事になっていましたので、その記事を翻訳してご紹介しておきます。また、その太陽電波バーストに干渉されたと思われる短波の音声も掲載されていましたので、記事中に乗せておきます。

太陽電波バーストの「影響」については、名古屋大学太陽地球環境研究所の説明から抜粋しておきます。


太陽電波バーストはそのエネルギーが少ないので、通信や電波伝搬に対して直接的な影響は少ないと考えられてきました。しかし、 2006 年 12 月 6 日におきた太陽フレアに伴って、かつてない強度の 太陽電波バーストが発生し、その電波が原因で GPS 衛星の電波が正しく受信できないという障害が報告されました。

そのため、太陽電波バーストを宇宙嵐の前兆現象として監視するだけではなく、電波バーストが通信に及ぼす影響についての関心も高まってきています。



ということで、何らかの影響のあるもののようです。
特に GPS 等への影響は大きなものかもしれないです。

では、ここからスペースウェザーの記事です。





LOUD SOLAR RADIO BURST
Space Weather 2013.02.03

太陽電波バースト

2月2日の太陽活動の予測は「きわめて静か」というものだったが、一方で、アマチュア天文家のトーマス・アッシュクラフト氏のように「それはとても強い活動でした」と言う人がいた。

何が強い活動だったかというと、その日、「タイプ3(Type III)」という大変強いカテゴリーにわけられる太陽電波の放出が観測されていたのだ。

この太陽電波バーストは、短波や天馬ラジオの音声をすべてかき消してしまったが、下は、アッシュクラフト氏が短波の 28 MHz と 21.1 MHzの周波数で、太陽電波バーストによって音声が掻き消された時の録音だ。





この太陽電波バーストを作り出したのは、太陽黒点群 AR 1667 だった。
上の電波バーストが発生する前に、 C2.9 クラスの太陽フレアを発生させていた。


AR1667.gif


太陽面爆発の高いエネルギーに速められる電子によって、規模の大きな電波バーストが生み出される。電子が太陽の外へ流れ、太陽の大気中でプラズマ振動と電波を発生させる。これらの電波が、地球に向かった時に、自信のバーストの音が短波ラジオのスピーカーから発生する。




  

2013年01月20日



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shimla_snowfall.jpg

▲ この雪の風景はどこか・・・というと、インドなんです。シムラーという地域の 1月18日の様子。もう2週間、雪が降り続けているのだそう。高原にあるシムラーはインドの中では冬は寒い場所ですが、こんなに長く雪が降り続けるのは記録的とか。気温もあと 0.2度下がれば、40年前の低温記録を抜き、観測史上最低気温を更新するそうです。 INDIA TV NEWS より。






 


地球の天候が「カオス化し始めた」といくつかの意見


今朝、北海道の実家から電話があり、話していましたところ、今年も北海道は大変に雪が多いのだそうです。ふと、「1年前の In Deep の記事」を見てみると、ちょぅど1年前の2012年1月20日の記事は、

岩見沢の大雪。そして、サハラ砂漠の雪
 2012年01月20日

というものでした。

昨冬も北海道は大雪で、特に私の実家のある岩見沢という町は、もともと雪の多い町なのに「観測史上最深の雪」が降り続け、あちらこちらで建物が倒壊するという事態に陥っていたのでした。

それが昨冬ですが、北海道では今年も雪が多い上に、ふだんなら北海道の中でもあまり雪が降らないような地域でも記録的な大雪が降っているのだそうです。

そして、母親が言っていた中で印象的だったのが、

「雪もだけど、とにかく今年は寒くてね。北海道がイヤになっちゃったっていう人も多いのよ」

という話でした。

この「冬はいつも寒い地方が、いつもの冬よりさらに寒い」という現象は実は、今年、世界のいろいろな場所に出現しています。


そして、一方で、南半球は夏ですが、「暑すぎる」状態が続いています。


sydney-46-2.jpg

▲ オーストラリアのシドニーでは 1月 18日に、最高気温が観測史上最高の 46.5度まで上昇しました。オーストラリアのシドニーで観測開始以来の最高気温の記録となる「 46度」を記録 (地球の記録 2013.01.19)より。


その後、シドニーでは「46.5度」まで気温が上がったそうです。

しかし、上のブログ「地球の記録」の前日の記事は、ベトナムでの異常な寒波について書いたものでした。

vi-03.JPG

▲ ベトナムの首都ハノイで病院に入りきれず、病院の庭に寝かされる人たち。ベトナム北部では、寒波のために体調を崩す人が続出していて、病院でも、すでに運ばれてくる人々を収容する場所も、診察する時間もなくなってきているとのこと。異例の寒波と戦うベトナム北部の人々: 増え続ける患者を収容しきれない病院 (地球の記録 2013.01.18)より。



アジアの寒波では、

死んでいない太陽。そして、「地獄の猛暑」に困惑する南半球
 2013年01月06日

という記事で、下のような北インドの状況を記しました。

india-cold-03.jpg


そして、今、この極端な気候が北半球、南半球共に、その地域が拡大してきているような感じがあります。「感じ」というか、現時点では、明らかに極端に気候に世界の多くの地域が「襲われている」といえると思えます。

その原因が何かはわかっていませんが、今朝、目にした米国の災害系ブログの下のタイトルが目をひきました。


Russia: record snow, Sydney: record heat. Is the magnetic field reversal throwing the planet’s weather into chaos?
「ロシアは記録的大雪、シドニーでは記録的熱波。これは、地球の磁場の逆転が天候をカオスに導いているのか?」
The Extinction Protocol 201301.19


というものです。

このブログはニュースをそのまま転載するものですので、タイトルにブログ作者の私感が入っているということになるのですが、しかし確かに、少しずつ規模が拡大していた「気候の異変」がここにきて、一気にバーストする予兆を見せているように見えます。



地図上で「天候でふたつにわけられる」地球

上のブログに下の地図が掲載されていました。
日本語はこちらで入れたのですが、もともと小さい図ですので、読みにくいかもしれません。すみません。

chaos-map-2013.png


上を図を非常に大ざっぱに区切れば、下のように気候が「二分」している感じがあります。

chaos-map-02.jpg


実際には地球はその形と共に、高低の温度差もありますので、このように単純に分けられるものではないですけれど、まあ、わかりやすくはあります。

ところで、上の地図の左上に「カムチャッカでは記録的な火山活動」とありますが、これもずっと気になっていることではあります。

カムチャッカだけではないですが、最近、世界の火山活動がものすごいのですよ。

特にカムチャッカは非常に活発です。ボルケーノ・ディスカバリーによりますと、最近新たに活動を始めた火山を含めて、現在、カムチャッカでは以下の火山が噴火しています。


・シベラハ山(Shiveluch)
・クリュチェフスカヤ山( Kliuchevskoi )
・ベシミアニ山(Bezymianny )
・キジメン山(Kizimen )
・カリムスキー山(Karymsky )
・トルバチック火山(Tolbachik )



そして、カムチャッカには下の地図ほど火山が存在するのです。

赤い三角()はすべて火山です。

kamchatkaMap.gif


海外の記事では、「世界の火山活動が覚醒した」という表現を見たことさえありますが、この「火山」についてはまた今度書きたいと思います。

以下、気候に関して、いくつかの報道を掲載します。





極端な寒波と大雪に見舞われる北半球と、極端に暑い南半球


まず、イギリス。

イギリスだけではなく欧州の多くで雪が多いですが、特にイギリスでは、現在、大雪で生活が一部麻痺するほどの影響が出ています。


英各地で大雪、市民の生活にも影響
AFP 通信 2013.01.19

uk-2013-01.jpg


イギリスでは今週、警戒警報が出されたウェールズ南部をはじめ、各地で大雪となった。空の便で欠航が相次いだほか、ロンドンとベルギーのブリュッセルを結ぶユーロスターでも運休が出るなど、雪の影響で交通網に大きな混乱が生じた。

また、休校した学校は 3000を超えた。



次はロシアです。
ほぼ全域でまったく記録的な大雪が続いています。

ご紹介するロシアタイムスの見出しが注目に値します。
それは「 Snowpocalypse 」(スノウポカリプス?)。

「雪」の snow と「黙示録」の apocalypse を合わせた造語だと思います。

日本語風にいえば「雪マゲドン」。

とはいえ、実際にはどう訳していいのかわからないので、「雪の黙示録」と、つまらない訳にさせていただきました。


Snowpocalypse Russia: 'Snow tsunami' swallows streets, cars, buildings
RT 2013.01.19

ロシアの雪の黙示録:「雪の津波」が道路を飲み込み、車も家も飲み込んだ

rt-01.jpg


前例のない豪雪がロシアを見舞っている。容赦ない大雪は、交通機関を麻痺させ、いくつかの村や町は現在、雪により分断され孤立してしまっている。

1月18日、首都モスクワでは、1月の1ヶ月分の降雪量に相当する雪が降り、交通機関が完全にストップするという危機に瀕した。空港も同様だ。 12,000台の除雪車が四六時中、道路の除雪作業にあたったが、交通麻痺を解消することはできなかった。


rt-snow.jpg

▲ 出動する除雪車。24時間体制で除雪を続けたが、道路を正常に戻すことはできなかった。


また、アルタイ共和国では 12の村落が雪で孤立している。現在、救急隊と物資の運搬者が現地に向かっているが、道路事情は良くない。

今年のロシアは 1938年以来の大雪となっており、また気温も極端に低い。シベリアでは昨年 12月にマイナス50度を記録し、多くの人たちが避難した。

現在までに寒さによって、ロシア全土で 90人が凍死しており、また、事故を含めて、寒波と大雪が原因による死亡者数が 200人以上にのぼっていると公式に発表された。



というように大変なことになっているようなんですが、ヨーロッパでは、他の多くの地域で同じような状況となっている場所も多いようです。

シベリアといえば、マイナス50度を記録した際に、「沸騰したお湯が一瞬で凍る」という様子が YouTube にアップされていました。

沸騰させたお湯が瞬時に凍結するマイナス50度のシベリア




ここまでで結構長くなってしまいましたので、それらを総括して短くまとめていた米国の報道をご紹介して今回の記事を括ろうとと思います。

ちなみに、後日取り上げるかもしれないですが、 米国も実は天候がおかしいのです。毎年雪が降る州では今年は雪がまったく積もらないなどの一方、例年は雪の降らない多くの州が雪に見舞われています。

では、ここからです。





Wild Weather Strikes Across the Globe
newser (米国) 2013.01.18

ワイルドな天候が世界中を直撃している

us-2013.jpg

▲ 雪の直撃を受けた米国テネシー州のノックスビル。2013年1月18日。


オーストラリアで記録的な暑さを記録している一方で、米国の南東部とイギリスでは例年にはない記録的な大雪に見舞われている。

このような「ワイルド」な天候の例が世界各地で見られる。

米国では、ミシシッピー州で 4〜6センチの積雪があり、バージニア州では、雪が 20センチ積もった。これにより多くの交通機関が影響を受け、事故で少なくとも一名が死亡した。

英国では、ヒースロー空港が雪のために閉鎖され、180便の運行が停止された。ロンドンの積雪は最大で 20センチ程度になると見られている。

しかし、オーストラリアでは、シドニーで 1939年に記録された高温の記録を破る歴史的な熱波に見舞われており、その気温は 46度に達している。

現在、オーストラリアでは全土の 70パーセントが熱波に見舞われていて、特に大陸の中心部は、「熱のドーム」と言われている。これはオーストラリアの観測史上でも前例のないことだと政府の報告で述べられた。





ここまでです。

上の記事の「熱のドーム」というのは、過去記事の、

「一線」を越え始めた世界の気候: オーストラリアでは摂氏 50度を見据え、中東では過去最大級のスーパーストーム
 2013年01月10日

に載せましたオーストラリアの気温分布図でその意味がおわかりになるかと思います。




オーストラリア大陸の中心がとんでもない高温となっており、火山の火口のような「熱のドーム」の形を形成しているかのように見えるのです。

今後の気候の動向にもよりますが、「カオス化した気候」は、農業生産などを含めて、生活に密接に関係してくることでもありますので、今後も取り上げることもあるかと思います。

今の(為替などを含めて)状況を見ていますと、今後、日本は食糧価格を含めて急激にアップする危険もないではなさそうですので、気候で農業生産がダメージを受けた際のいろいろな可能性はあると思います。中国政府が前例のない規模で食糧備蓄を続けているソース(英語))ことも、戦争の準備というだけではなく、あるいは気候の予測などとも関係があるのかもしれません。

この中国政府の前例のない、ものすごい量の食糧輸入と食料備蓄の現実については、後日、時間があれば、記事にしたいとも思います。



  

2012年08月26日



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現在、日曜(8月26日)の午後で、今日の夜から沖縄を台風15号(英名:BOLAVEN / ボラヴェン)というものが通過していくのですが、これがとんでもない大きさのようです。そして、沖縄通過後に朝鮮半島を完全に縦断していく模様です。

台風の威力は、「何とかヘクトパスカル」と数字でいわれてもわくわからない感じで、個人的には海外での、カテゴリーわけのほうが何となくわかりやすいです。下のは、RSOE EDISというハンガリーの自然災害リアルタイム情報サイトにある予想進路図ですが、海外では、米国などのハリケーンの威力に準じて表記されていて、その「強さ」がわかります。

米国でのハリケーンの強さの指標は下のようになっています。
上の熱帯低気圧から、最大はカテゴリー5となり、色分けでは薄いピンクとなります。
威力は風速を基準にしているようです。

storm-c.png


一番下のカテゴリー5というのが最大で、このクラスの台風やハリケーンは、どこの国であっても、滅多に上陸するものではありません。

たとえば、2005年に米国に壊滅的な被害を与えたカトリーナというハリケーンでさえ、上陸時にはカテゴリー3でした(海上でカテゴリー5の時があった)。

それで、今回の台風の進路と勢力の予測。

edis.jpg


沖縄を通過する際にすべてカテゴリー5が示されています。
これはもう、いわゆる「スーパー台風」と呼ばれるものに近いもののような感じがします。


これまで、日本の領域内をこのような威力の台風が通過していくという予測を見たことがないですので、もしかしたら、「日本の観測史上最大の台風が近づいてきている」ということなのかもしれません。何というか・・・ご注意下さいとしか言いようがないのですが、ただ、沖縄の方は台風に慣れてらっしゃるので、被害も最小限で収まってくれるのではと・・・・・。


ちなみに、この台風の進路予測では、沖縄を通過した後は、カテゴリー4という強力な勢力を保って韓国に上陸して、そのまま北朝鮮へと北上していく予測です。後で書きますが、北朝鮮は最近、幾度も洪水に見舞われています。韓国も北朝鮮も、日本と比べるとこのようなクラスの台風の直撃を受ける経験は少ないはずですので、やや心配な面もあります。


そんな時に洪水の話題というのもどうかと思いますが、しかし、これは昨日あたりから書こうと決めていたことで、つまり、「なんだか世界中で大きな洪水が異常に多い」のです。

今日はそのことを少し書いてみたいと思います。

その前に、今朝見かけたニュースのこと。



消えていく氷と関連して


8月の中旬頃、「熱波地帯での言い訳」という、暑くて記事を書けません、という言い訳を書いたりしていましたが、そこで、「地球の氷が消える日というタイトルで記事を書いていた」と記しています。

その後、すぐに記事をアップしていない理由なんですが、毎日のように「氷関係」の報道があるのです。

今朝は NHK ニュースで、氷の報道がありました。

日本のJAXAの観測衛星「しずく」の撮影で明らかになった「事実」の報道でした。
下に抜粋します。


北極海の氷 観測史上最小に
NHK 2012年08月26日

shizuku.jpg

北極海に浮かぶ氷の面積が、観測史上最も小さくなったことが、JAXA=宇宙航空研究開発機構の調査で分かりました。これは、JAXAがことし5月に鹿児島県の種子島から打ち上げた、水観測衛星「しずく」を使った調査によって明らかにしたものです。

それによりますと、地球の北の端、北極海に浮かぶ氷の面積は、24日の時点で421万平方キロメートルとなっていることが分かりました。これは、アメリカの衛星などによる記録が残る1978年以降、最も小さかった2007年9月の425万平方キロメートルを下回り、観測史上最小となりました。

JAXAによりますと、北極海の氷は毎年、9月中旬から下旬にかけて最も小さくなるため、ことしはさらに小さくなることが見込まれるということです。原因について、JAXAは、北極海の温度の上昇により、氷が薄くなっていることがあるとみていて、引き続き水観測衛星による監視を続けていくことにしています。



1週間ほど前に、同じ「しずく」の観測によって、「史上最速のペースで北極の氷が溶けている」という報道がありました。

そして今回、その結果とも関連して、北極海の氷が観測史上で最も少なくなっていることがわかったということのようです。

これら「消えていく氷」については、この夏、まだまだ報道や発見がありそうですので、いろいろとはっきりとしてきた頃にまとめてみたいと思います。

また、あくまでも個人的な思いこみですが、私は最近、太陽などと共に「地熱(地下から噴出している放射性崩壊による膨大な熱)」も関係しているような気がしていて、もしそうなら、この先、海の上の氷だけではなく、永久凍土など含めた「あらゆる地球の氷が溶ける」ということもあるのかも、などと思うこともあります。

まあ、そういうことは素人の私の予測を書いても仕方ないですので、何らかの「事実」が起きることがありましたら書かせていただきます。

ちなみに、この「地球の地下の熱」に関しては、

地球からのニュートリノと地球内部からの膨大な熱の源は何か
 In Deep 2011年08月27日

という過去記事にあります。

実は、地球の内部からは、「44兆ワット」という原発何千基分にも相当する膨大な熱が絶えず噴出していることがわかっています。エネルギーの半分は、放射性崩壊という反応によるものだそうですが、あとの半分は原因がわかっていません。日本の東北大学大学院の研究者の方々などが中心となって、この現象の解明を進めています。


さて、ここから洪水に関しての記事です。




圧倒的な規模と発生件数の2012年の洪水


洪水は、季節になれば世界各地で起きるもので、洪水そのものは珍しいことではないですし、日本でも頻繁に発生します。

しかし、近年、「大きな規模での洪水発生が多くなっている」という事実があります。

洪水の被害の規模を線で引くことは難しいですが、たとえば、世界の災害や犯罪などの中で、特に大きく報道されたものなどを 2001年頃からウェブ上に記録している World News Atlas というサイトの中に、「洪水」という項目があります。

その数を下に並べてみます。


2000年から2011年までの大規模洪水報道の件数

World Flood Timeline より。

2011年 ( 37件)
2010年 ( 23件)
2009年 ( 7件)
2008年 ( 6件)
2007年 ( 13件)
2006年 ( 3件)
2005年 ( 4件)
2002年 ( 3件)
2000年 ( 1件)




2010年頃から、世界的に報道される洪水の数が飛躍的に増えていることがおわかりかと思います。

このサイトが、どの規模で洪水に線引きをしているのかはわからないですが、どういう線引きでも、ある程度は同じ基準でおこなっていると思います。なので、年ごとの「比較の目安」程度にはなると思います。

また、上のサイトでは「英語での報道」だけを取り扱っているはずですので、たとえば、日本や韓国やタイ、あるいは中東などのように、英語から遠く離れた言語を使う国で「現地語だけで報道されたもの」は含まれていないはずで、実際の報道数よりかなり少ないとは思います。


今年も、この夏前後から加速度的に多くの報道を目にします。

たとえば、この1週間ばかりの間に洪水に関して、どんな報道があったのかをご紹介したいと思います。

繰り返しますが、「この1週間の間」だけの期間の報道です。

ご紹介する国は、ミャンマー、台湾、北朝鮮、ハイチ、パキスタン、ロシア南部等です。
それぞれ要約です。

私は、世界の洪水のニュースをわりとチェックし続けていましたが、こんなに短い期間にこんなに大洪水(の報道)が集中するのは見たことがありません。今の8月ってなんか特別な時なんですかね・・・とかさえ思ったりするほどでした。

ここからです






 


ミャンマー大洪水(8月25日報道)

Myanmar flooding forces 85,000 people to flee
AP通信 2012.08.25

ミャンマーの大洪水で住民8万5千人に避難命令が出される

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▲ 市場でボートに乗りお布施を受けるミャンマーの僧侶。


ミャンマー当局によると、ミャンマーでの洪水により、8万5000人が避難しており、また、数万ヘクタールの田んぼが水没した。洪水として過去最悪の被害となるおそれがあるという。

ミャンマーの主に南部では数週間にわたり豪雨が降り続け、これが洪水の原因となったと見られている。現在、約7万人が緊急支援センターに収容されている。

洪水が発生しているデルタ地帯は、2008年に 13万人の死者を出したサイクロン・ナルギスによって荒廃していた。今回の洪水では死傷者は確認されていない。







台湾の洪水(8月24日報道)

Typhoon soaks southern Taiwan, but wind damage and floods spare its most populated areas
National Post 2012.08.24

台湾「テンビン」の影響で、離れた人口密集地が暴風雨の被害を受ける

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▲ 水が引いた後、通りを歩く人々。 台湾屏東県。2012年8月24日。


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▲ 台風の豪雨で水没した台湾屏東県の恒春鎮市。2012年8月24日。


8月24日に台湾南部を通過した台風「テンビン」(天秤/ Tembin/台風14号)により、屏東県の恒春市などで洪水が発生し、その水位は3メートルに達した。軍とレスキューが装甲車などで浸水した家々から数十人の住民を救助した。

高雄県では、時速155キロの強風が測定され、木々がなぎ倒された。

また一方では、非常に勢力の強い台風ボラヴェン(台風15号)が日本の沖縄に接近しており、こちらの台湾への影響も気になるところだ。






ここまでです。

なお、台湾は今現在(8月26日)も、台風14号の渦中にいて、さらに台風15号の影響を受ける可能性もあり、大変な状況はこの時と同じかもしれません。

taiwan-2012-0826.jpg

▲ 現在の台湾の状況。

台湾では、3年前にも壊滅的な台風モーラック(莫拉克)での洪水に見舞われていて、その際には 700名が死亡しています。


2009-morak.jpg

▲ 2009年の台湾大洪水の時の台湾のテレビ報道。上の見出しは「台風モーラック直撃。南台湾で大洪水」。下の見出しは「過去50年で最も大きな惨事」とあります。YouTube に報道の映像が残っています。



北朝鮮で繰り返す洪水(8月23日報道)

北朝鮮は、7月の終わりに、死者行方不明 600名近くという大洪水に見舞われましたが、そのことについては、8月のはじめの「日常にある天体の奇跡」という過去記事でふれていましたが、また北朝鮮で洪水が発生しているという報道がありました。

北朝鮮でまた洪水による深刻な被害 6人死亡
 VOR 2012.08.23

前回の洪水の北朝鮮のメディア朝鮮中央通信の映像は下のものです。








ハイチのハリケーンによる洪水(8月25日報道)

Tropical Storm Isaac hugs Cuba coast, expected to be Cat 2 hurricane in Gulf
NBC 2012.08.25

熱帯低気圧アイザックがキューバ沿岸を襲った。メキシコ湾でカテゴリー2のハリケーンに発達する見込み

photoblog600.jpg

▲ ハイチの首都ポルトープランス。8月24日の街の様子。

熱帯ストームのアイザック(Isaac)により、ハイチで4名が死亡し、現在、イサークはキューバの海岸線に進んでいる。この後、アイザックは、メキシコ湾を米国のフロリダに向かって、カテゴリー1のハリケーンに発達させながら進んでくる可能性が高い。

ハイチの首都ポルトープランスでは、今なお 2010年のハイチ地震で家を失った人々がテントや避難所で生活をしており、避難所で生活する人々の数は 35万人に上る。今回の洪水は、その人たちを再び苦境に陥れた。

カリブ海諸国では、多くの国と地域で、現在、停電と洪水が報告されている。

週明け(8月27日)にはフロリダ全域で暴風雨を伴う悪天候、及び、竜巻の危険性がある。








パキスタンの洪水(8月23日報道)

Heavy torrential rain, landslides, and floods kill 26 in Pakistan
AFP 2012.08.23

パキスタンで極めて激しい豪雨により地滑りと大洪水が発生し、現在まで26名の死亡が確認

pakaistan-flood-thatta-aug10-afp-lg.jpg

豪雨による洪水と鉄砲水、そして地滑りのために、パキスタン北部で少なくとも 26名の方が亡くなり、多数の家屋が破壊された。また、至るところで、道路が流され寸断しているという。

パキスタンでは、2010年に記録的な大洪水が発生しており、その際には、家畜を含む農作物に甚大な被害を与え、建物やインフラにも大きな被害が出た。その際には 580万人が洪水の影響を受けた。








ロシア南部の洪水(8月22日報道)

Fresh flood kills four in southern Russia
AFP 2012.08.22

ロシア南部で洪水と鉄砲水により4名が死亡

ru-floods.JPG


ロシア南部のクラスノダール州の非常事態省は、同地方で発生した洪水と鉄砲水により、 4名の住民が死亡したと発表した。一晩中降り続いた大雨により河川が氾濫し、洪水が発生した。

この地帯の近くでは、先月にも大洪水が発生して、172名が亡くなっている。
そして、3万5千人の住人が洪水の被害を受けた。







(訳者注) 上の報道の中にある「7月のロシア南部での洪水」については、過去記事の、

私たちが経験している現在の気候変動は次の数万年の人類史への扉かもしれない
 In Deep 2012年07月13日

という記事の中で書いたことがあるのですが、このロシア南部というのは、本来は乾燥した地帯で、上の7月の洪水は、「同地の半年分の雨が一昼夜で降った」ということによって発生した洪水でした。

上の記事に書きました、モスクワ国立大学の気象学者であるパーヴェル・コンスタンチノフという人の言葉を抜粋しておきます。


「今回洪水が起きたクバン地方ゲレンジク地域は乾燥した亜熱帯地方に属す。ところが今回ゲレンジクでは1昼夜に300ミリの降雨量を記録した。これは7月としては6ヶ月分の降雨量に相当する。300ミリがどれほど多いものであるかを理解するためには、1平方メートルあたりの面積に10リットルのバケツの水を30回注いでみれば想像がつくだろう。

(中略)

同地方で過去100年にこうした集中豪雨がなかったことから、近い将来に同じ事態が繰り返される危険性が全くないとは言い切れない。これは気候変動に端を発する異常気象が多くなったことと関連する。われわれはいかなる事態が起こってもおかしくないと準備を怠ってはならない」



このコンスタンチノフ博士のいう「将来に同じ事態が繰り返される危険性が全くないとは言い切れない」という杞憂は、まったく杞憂でなかったわけで、また同じような場所で、洪水が発生して死者が出てしまっています。

そして、このコンスタンチノフ博士の言う、


> われわれはいかなる事態が起こってもおかしくないと準備を怠ってはならない


というのは、今では全世界のどんな現象にでも言えることなのかもしれないです。

というか、今日明日もまさにそうなのかもしれません。

最近、妙に全体が長くなってしまいますが、暑さで頭の中が混沌としていて、的確にまとめることができないのが原因です。どうも気づくとダラダラと長くなってしまっていて、すみません。



  

2012年07月13日



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洪水被害の報道が「ない日がない」日々の中で







 


昨日の記事、

「太陽が消えたスウェーデン」を含む「経験したことがない」と人々が語る東欧と北欧の異常気象

の中で、「現在の九州などの大雨被害も海外では報道されていない」というようなことを書いたのですが、その後、被害が拡大するにつれて、海外でも取り上げられています。

海外の人たちが最初にこの洪水被害を知ることになった報道は、多分、米国の NBC の報道で、そこにヤマモト・アラタ(Arata Yamamoto / 漢字は不明)という記者の方がいるようで、この名前だと日本人の方だと思うのですが、その人が NBC でリポートした記事が数々のサイトやブログに引用されています。

下はそういうもののひとつですが、「想像もできないほどの大雨により地図から消えた日本の町」というようなタイトルがつけられています。

j-floods.jpg

下の映像は 米国 NBC の報道 に部分的に字幕を入れたものです。あまり時間がなく、ナレーションと字幕の内容は同期していませんが、大体の内容としていただければ幸いです。




数日前に書いた「「アメリカとイギリスで「対極の気候」を迎えた2012年の夏」」という記事の中で、世界各地で起きている洪水のことに少しふれたのですが、正直な思いを書けば、今後も、この「洪水」というものとは向き合い続けなければならないことのように感じています。

その理由は、たとえば、九州の「前例のない雨量の雨」というものを見てもそうですが、「もはや天候は過去とは違う」ということがあるからです。

また、上の記事では、先日発生したロシアの洪水についてふれたのですが、そのロシアの洪水の状況も「異常」だったことが続報で明らかになっています。下は、ロシアのメディア「ロシアの声」の記事で引用されていた、モスクワ国立大学の気象学者の言葉です。


「今回洪水が起きたクバン地方ゲレンジク地域は乾燥した亜熱帯地方に属す。ところが今回ゲレンジクでは1昼夜に300ミリの降雨量を記録した。これは7月としては6ヶ月分の降雨量に相当する。300ミリがどれほど多いものであるかを理解するためには、1平方メートルあたりの面積に10リットルのバケツの水を30回注いでみれば想像がつくだろう」。



つまり、ロシアの洪水の被害があれほどひどいものとなったのは「それまで誰もそんな雨を経験したことがない乾燥した土地」だったからで、洪水に対しての対策や心構えといったものが存在しない土地だったようです。そのような乾燥した地域に「6ヶ月分の雨が一昼夜で降った」という異常中の異常といえる雨だったようなのです。


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▲ 豪雨で水没したロシアのクバン地方西部。本来は雨が少ない乾燥地帯だそうです。


最近の日本や世界各地の自然災害を見ていますと、「もはや今までと同じような気候や天候が繰り返される時代ではない」ということが今年は特に明らかになってきている気がします。

「今まで」というのは、この 2000年とかそういう区切りですが、文化、生活、そして農作なども今までは違う形に変貌させていかなければならない時期の始まりということなのかもしません。もちろん、先のことはわからないですが、しかし今後、突然、穏やかな気候に戻るというような気はあまりしません


上のモスクワ国立大学の気象学者はこのようにも言っています。


「同地方で過去100年にこうした集中豪雨がなかったことから、近い将来に同じ事態が繰り返される危険性が全くないとは言い切れない。これは気候変動に端を発する異常気象が多くなったことと関連する。われわれはいかなる事態が起こってもおかしくないと準備を怠ってはならない」。



九州の大雨でも、雨に関しての表現を変えた気象庁は、

「かつて経験したことがないような雨」

という表現を使いましたが、これは上のロシアの気象学者と同じような表現ともいえます。


これから先、私たちはどのくらいこの「かつて経験したことがない」という現象と遭遇していくのかわからないですが、しかし、それも紛れもない今後の私たちの生活の現実であるわけです。



次の新しい十数万年に向けて


地球上に、通称ミトコンドリアイブなどと呼ばれる私たちの母「みたいな」人が現れたのは 20万年前くらいだと言われています。

その後の十数万年というのが、現代の私たちの人類文明のひとつのスパンだと考えることができると思うのですが、文献や記録といったもので残る私たちの生活は、せいぜい数千年です。日本に関しては 2000年前も正確にはわかりません。

そして、人類が本格的に「世界に広がった」のは、ほんの6万年くらい前のことであることも、遺伝子学でわかってきています。そこから現在の地球の人類文明は事実上スタートしたようです。

そして、その後に「記録としての文明」が生まれるまでの数万年の間、人類がどの程度の気候変動を経験してきていたのかも実は誰にもまったくわかりません。7万年前に人類は「 2000人程度まで減ったかもしれない」ということが、ミトコンドリアDNA の解析によって判明したという発表が 2008年に米国スタンフォード大学から発表されました。

下のニュースは要約ですが、それに関しての 2008年の報道です。


Study says near extinction threatened people 70,000 years ago
AP通信 2008.04.24

人類は7万年前に全世界でわずか2000人にまで減少し、絶滅しかけていたことが研究で判明

遺伝学研究によると、ミトコンドリアDNAの追跡により、現在の人類は約 20万年前にアフリカに住んでいたミトコンドリア・イブと呼ばれる単一の母親の子孫であることがわかっている。そして約6万年前から全世界へ人類の分散が始まった。しかし、この「人類の全世界への分散までの間に何が起きていたか」については今までほとんどわかっていなかった。

最近のスタンフォード大学の研究によると、南アフリカのコイ族とサン族が 9万年前と15万年前にほかの人々から分岐した形跡がミトコンドリアDNAの解析で判明した。

そして、今から7万年前には極端な気候変動によって人類の数は一時 2000人にまで減少し、絶滅の危機に瀕していた可能性があることがわかった。



この研究が完全に正しいかどうかはともかく、「極端な気候変動によって人類は絶滅の危機に瀕した」ということがある程度はわかりはじめています。

ちなみに、上のくだりで大事なのは「絶滅の危機に瀕した」という「瀕した」という部分です。

つまり、人類は絶滅しなかったということです。


もちろん、いつかまた人類は2000人になってしまうのかもしれないですが、それは懸念や心配するような話ではなく、単なる地球の循環でありサイクルです。


幸いなことに、人間は過去も未来も見えません。知ることもできません

このあたりは、震災後に何度も書いていたことと重なりますので、ふれないですが、とりあえず人間が体験できるのは「瞬間の現実」だけです。

なので、過去や未来を心配するより、目の前に起きることにとにかく対処しながら、そして、あとは普通に生活できれば、それでいいのだと思います。
できれば楽しく。


私たちが将来、化石や遺跡として発見される頃、それを見つけたその未来の人々が「この時代の文明は素晴らしい」と思えるようなものが残ればいいのだと思うし、少なくとも日本には多少そういう「素晴らしかった文明」が存在しているとも思います。

そして、私たちが遺跡になっていく時代がこの夏から始まるのかもしれません。
それは同時に次の新しい数万年の時代のはじまりかもしれないです。


上に書いた「人間は過去も未来も見えません。知ることもできません」ということに関しての関係記事をリンクしておきます。

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[予言から離脱した人類]の関連記事:

アカシックレコードからの脱却と独立を果たした奇跡の生命
2011年03月17日

予言から離脱していく人類
2011年04月11日

もはや神も大地も怒らない
2011年04月08日



  

2012年06月03日



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hachi.jpg

▲ ユリのはざまを飛ぶハチドリ。






 


今回は、米国のハチドリ(のいくつかの種)が消えてしまうかもしれないというもので、わりと地味な報道ではあるのですが、この数年間、様々な身近な動物たちが「この世から消えていっている」ということを私たちは知りました。

それらのことは、以前のブログなどから続けて断片的に記事にしていますので、一応リンクしておきます。





ミツバチ(世界的に大量失踪が発生。原因は未確定)

 関連記事: 植物の終局とミツバチの大量失踪
 クレアなひととき 2009年03月26日

コウモリ(白い鼻症候群というカビの病気による大量死。どうして流行したのかは不明)

 関連記事:全米に拡大を始めたカビによるコウモリの大量死
 In Deep 2010年02月17日

スズメ (1900年代より、全世界で、地域により90パーセント以上減少。原因は不明)

 関連記事: 日本のスズメの数が 50 年で 10 分の 1 に激減
 In Deep 2010年03月12日



▲ 2010年03月02日の東京新聞より。





スズメやミツバチというのは、その有益性という意味以上に「常に私たちの生活と共にいた生物」であり、それが消えていくということは、農業危機などに現れている実際の問題を越えて、なんとなく希望を失うタイプの話題ではあります。

今、私が住んでいるあたり(埼玉県の所沢近辺)は、以前住んでいた東京の杉並区に比べると、鳥がものすごく多く、「最近の鳥と私の関係」というものに関しては日記的な、あるいは情緒的な話もたくさんあるのですが、そういう個人的な話は最近は自粛するようにしていますので、また今世紀にでも機会があれば書きたいと思っています。

それにしても、毎日、「ホトトギスの鳴き声で目覚める」というのは生まれてはじめてかもしれません。ホトトギス・・・正直にいうと、うるせーくらいに鳴き声がデカイです。


話を戻すと、スズメの減少に関しては英国のインディペンデント紙が 2006年に掲載した記事があります。これは、「 動物の大量死の2011年1月分のリストアップ」という過去記事に参考資料として載せたものですが、わりと長いですので、今回の本記事の下に載せておきます。


スズメやミツバチが消滅していっている「完全な理由」というものはわかっていません。ミツバチに関しては、ニコチン系の農薬(ネオニコチノイド)が、昆虫の中枢神経を破壊することから、それが原因ではないかと言われていますが、ニコチン系の農薬を使用していない国でもミツバチの消滅は起きていて、なかなか原因の確定というのは難しいもののようです。

ニコチン系農薬と昆虫の神経の話は2年くらい前に書いたことがあります。

合理化に殺されていく昆虫
 地球の記録 2010年04月01日


今回の米国のハチドリの消滅というのは、「その地域が暖かくなったため」というハッキリとした理由があるものです。


高地にあるユリを食料として中米から移動してくる種類のハチドリが米国にいるようなんですが、そのハチドリたちは「氷河ユリ」という山野草の一種の花の蜜をエサにします。

しかし、その地方(今回の調査はロッキー山脈)がこの40年間で暖かくなったために、「ハチドリが到着した時にはユリの開花が終わっていて、食べるものがない」という事態に直面しそうだという話です。

それでは、ここからです。






 


Where Have All The Hummingbirds Gone?
Nano Patents and Innovations 2012.06.02

ハチドリたちはどこへ行った?


lily-01.jpg

▲ 春の短い期間に開花する「氷河ユリ」はマルハナバチとハチドリたちにとって重要な栄養源。


氷河ユリは、北米大陸の西部の高地域に育つ野草だ。このしなやかで、優雅な風情を持つ氷河ユリは、春の雪解けの日から数日間、花を咲かせる。そして、花が咲いている間の花の蜜は、マルハナバチとハチドリたちにとって重要な栄養源となる。

というより、「かつてはそうだった」と言ったほうがいいかもしれない。

このユリは、現在ではこの地域の気温の上昇によって、もっと早くに開花する温帯植物となっているのだ。

メリーランド大学のデイビッド・イノウエ博士と、エイミー・マックニー博士の研究によると、地域の気温上昇により、この氷河ユリは 1970年代より約 17日早く開花していることがわかった。

これの何が問題なのかというと、生物学者たちによると、現在の開花の時期が、ハチドリの到着の時期と同期していないということだ。つまり、かつては、氷河ユリの開花の時期とシンクロしてこの地に到着していたハチドリたちだが、現在では、かつてと同じタイミングで到着すると、その時期にはすでに開花は終わりを迎えていて、ハチドリたちは彼らの栄養源である花の蜜と出会えないのだ。



rocky-01.jpg

▲ この研究は、米国のロッキー山脈にある研究所で続けられている。


広い尾を持つハチドリたちは、春を迎えると、中米からアメリカ合衆国の西部地域のへと移動してくる。ハチドリたちは短い夏をこの北米大陸のこの山岳地帯で過ごす。

まず、オスのハチドリたちがユリが咲く前にその地域でユリを探す。かつては、そのようにハチドリたちはユリの花の蜜を摂取していた。

しかし、この40年間で、その時間的周期が13日間ほど崩れてしまったと研究者たちは言う。


「特に、この数年では、最初のハチドリが米国に到着する頃にはユリの開花は、すでに終わっているのです」と、マックニー博士は言う。

現在の傾向がこのまま続くとすると、あと 20年で、ハチドリたちは完全にユリの開花との時期がずれてしまうと生物学者たちは計算している。この研究結果は、科学専門誌「エコロジー」の最新号で発表される。


アリゾナ大学のデイビッド・バーテルセン博士は、今回の研究発表について以下のように述べる。

「ハチドリたちが、ユリからの栄養資源がもはや利用できないとなると、広い尾のハチドリたちのような種はこの地に到着すること自体が生存の危機であるという可能性に接触するのです。到着しても食べ物がない。生物学者たちは、気候の温暖に伴いハチドリたちは今より北部に移動していくだろうと予測していますが」。

しかし、もし、ハチドリたちが生きるための適当な場所を見つけられない場合に備えて、アメリカ国立科学財団は、研究に資金を提供した。

南の地域で孵化するハチドリたちは、あまり挑戦的な行動をしない傾向がある。なので、生息地を見いだせない可能性があるのだ。


イノウエ博士は以下のように言う。

「たとえば、アリゾナ州の場合、蜜の供給源となるカステラ草の開花している時期と、ハチドリがこの地に到着する時期が明らかに短くなってきているのです。あるいは・・・いずれ、山の雪が今より早く溶けるようなことになれば、ハチドリたちがやってくるより前に、氷河ユリの開花が終わってしまうという自体も考えられなくもないのです」。


そして、イノウエ博士はこう続けた。

「ハチドリがこの地に着いた時、『花はどこにいったんだ?』と思うようになった後、私たちは、『ハチドリたちはどこに行ったんだ?』と思うことになるのかもしれません」。





ここから2006年のインディペンデント紙の記事です。


First they disappeared from Britain. Now Europe's house sparrows have vanished
インディペンデント (英国) 2006.04.19

スズメは最初、英国で消え始め、今ではヨーロッパ全域でその姿を消している

スズメは、フランスや他の欧州諸国ではもはやありふれた鳥ではなくなっている。

かつてはいくらでも飛び回っていたスズメだが、今ではパリを始めとするフランスの都市部で急激に減少しており、また、ドイツ、チェコ、ベルギー、オランダ、イタリア、フィンランドの都市部ではさらに減っている。

イギリスでは、過去 15年間でスズメの数が 90%減ったとされているが、鳥類学者たちは突然のスズメの激減に対しての合理的な理由を見出すことができていない。また、フランスのパリでは、20万羽のスズメが消滅したとされるが、これは謎としか言いようがない。

ひとつの理由として、「他の種類の鳥が増えて、スズメの生活域が浸食されたのではないか」というものがある。また、車の移動電話や携帯電話の電磁波に原因を求める人たちもいる。

ただ、どんな理由にしても、なぜ、その影響が「鳥」全般ではなく、「スズメ」に限定されるのか。

類似パターンは、ヨーロッパの各地で報告されている。ハンブルクでは、過去30年間でイエスズメの50パーセント、プラハでは、60パーセントのスズメが消滅したと見られている。

フランスの専門家は「危険信号だ」と述べる。

「イエスズメは、この1万年のあいだ、人間と共に暮らしてきたわけで、人間にとって非常にシンボリックな鳥なのだ」と、生態系への懸念を表している。

私たちにとって最も身近な鳥の衰退の問題は6年前から議題に載せられており、様々な原因が検討されている。それには、カササギや猫による捕殺、殺虫剤、ピーナッツ、あるいは気候変動、または住居の構造の変化などの原因などが挙げられているが、それでもスズメの減少の原因の謎は残っていると言わざるを得ない。






  
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