2011年05月21日



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地震のトリガーについて



昨日、地震に関しての記事をご紹介して(3月11日の地震の前に観測された日本上空の赤外線と電子量の急激な変化)、そこで「地震の発生のメカニズムについての推測に関しては書くつもりはないです」と書いたのですが、仮に今後、このような電離層や赤外線、あるいは超低周波などと地震が密接に関連しているというようなデータや、あるいは研究が出てきた場合に、いろいろな話と結びついていくようなことがあると思っていますので、私の地震に対しての考え方をこの際、書いておこうと思います。

これは最近思いついたということでもなく、2年くらい前から考えていたことに対して、最近、様々なデータで補強されてきているというような部分があります。

まず、世の中にはいろいろな話や意見があり、人工地震などの存在についてもかなり話題となっているものだと思います。

最初に書いておくと、私自身は人工地震、特に巨大地震を人為的に起こすということの現実性については対しては懐疑的ですが、しかし、この「人工地震か、そうではないか」ということに関しては、地震の発生システムそのものと関係のある話でもないので、ここでは、そういう問題とは別に、「そもそも地震とは何か」ということを、あくまで私の考えですが、書いてみたいと思います。



地球上の統一した物理の法則

まず、いきなり科学とは逸れた話となりそうですが、最初にひとつの言葉をご紹介したいと思います。

錬金術の祖師であるヘルメスの「エメラルド板」にある言葉です。

ニュートン力学を確立し、古典力学や近代物理学の祖となったアイザック・ニュートンもまたエメラルド板を研究していた人物でしたが、下の文章はそのニュートンが 1680年に解釈したものの日本語訳からの抜粋です。


・唯一なるものの奇跡の実現にあたっては、下なるは上なるのごとし、上なるは下なるのごとし。

・そして、万物は一者の適合により一者より来る。

・万物は適合によってこの一者に起因す。「太陽」はその父、「月」はその母、「風」はそれを胎内に宿し、「大地」はその乳母である。



med05.jpg

この中の「万物は一者の適合により一者より来る」という言葉は、以前の私は何のことだかわからなかったですが、まあ、今も基本的にはわからないですが、ここ1年くらい、植物や微生物の生態を見ているうちに、そして、有機物と無機物、そして、(ほとんど理解できないといえ)物理の様々などを見ていると、つまり、

・世の中の法則は基本的にひとつ

ということを思うようになりました。小さなものに適応できる物理の法則は大きなものにも適用でき、その理論性、整合性には基本的に例外はないと。


これを最初に書いておきたいと思いました。

つまり、「地震は巨大な物理現象だけれど、基本的な地殻の崩壊のシステムは小さなモノの崩壊と同じ原理のはずだ」という前提条件があるという感じです。



物質の崩壊とは

私は物理をよく知らないので、学術的には書けません。
例えとして書くことしかできないですが、「モノが壊れる」ということに関しては、感覚的には力学的な感じがすると思います。

つまり、何かを壊そうとする時に「力を入れていけばいつかは壊れる」と。

確かにそういうこともあるかもしれないですが、しかし、その崩壊を「爆発的な崩壊の場合」とした時には、爆発的な崩壊には「力を入れていけばいつかは壊れる」という図式は成り立たないというのが、物理的な事実のようです。

たとえば・・・まあ、何でもいいですが・・・古い家のコンクリート塀がボロボロになっていたりといったような、「少しずつ崩壊していっている物体」というようなものは至るところで見ることができると思います。

こういう壊れ方が地震的かというと、そうではないはずで、これらは「穏やかな崩壊」、すなわち、「穏やかなエネルギーの解放」で、あり、自然に力を込めていって壊れる場合には、大体がこのように穏やかに物体は崩壊していくと思われます。

地震というのは、瞬間的に起きる爆発的な破壊によって放たれる巨大なエネルギーの解放であるわけですが、このような「瞬間的に起きる巨大なエネルギーの解放」というものは、実は小さな物理現象でも、「化学(ばけがく=ケミストリー)」的な刺激が加わらないと発生しません。

たとえば、ごく普通程度の力の持ち主が、「石を万力で壊したい」とします。

万力に石を挟んで渾身の力でグリグリと石に力を加えていっても、通常ではなかなか壊れません。あるいは、腕力のある人なら、石の周囲からボロボロと崩れていって、崩壊させることは可能かもしれないですが、その壊れ方は穏やかな崩壊であり、爆発的なエネルギーの解放である地震的ではないといえそうです。

石を「地震でのエネルギーでの解放」のように崩壊するには、「パーン!」と一気に石が崩壊するようなアクションが必要となるはずです。

どうしたら、「石はパーン」と行くのか。

ここで化学(ばけがく)的な反応が登場します。

何でもいいと思いますが、たとえば水。

万力で力を加えていった石に水を一滴垂らすと、石は一気に崩壊します。


あるいは、「過冷却」という状態。

冷凍庫に入れて零度以下ではあるけれど、まだ凍っていない水。
それに「ちょっとした刺激」を与えただけで瞬時に凍る現象です。
下の動画では氷を入れていますが、これは何でもいいのです。米粒を一粒入れただけで水は一瞬で凍ります。



「過冷却」で YouTube で探すとたくさん出てくると思います。

これら化学的反応による現象は、徐々に起きる現象というものとは違う劇的な反応を見せます。

「爆発的なモノの変化や崩壊」というものは、ほとんどがこのような「何らかの化学的な反応を伴うもの」だと考えられていて、つまり、だとすると、世の中の法則は基本的にひとつだという前提に立つと、地震も同じように「化学(ばけがく)的な反応現象」である可能性が高いと考えられます。


また、「化学的な反応を伴わない地震」というものも存在していて、それはいわゆるスロースリップ等と呼ばれる地震です。これは断層等が爆発的なエネルギーの解放を伴わずに移動する現象で、この地震は揺れません。

非常に大きな断層のズレでもまったく揺れません。

それは、そこに「瞬間的で爆発的なエネルギーの解放が伴わない」からです。

要するに、地質的なこととは別に、

・爆発的な反応現象である地震には化学的な刺激が必要

だということだと思います。

地震に至るまでの地質的な要因は存在しながらも、最終的に地震発生のトリガーを引くのはその「化学的刺激」ということになるはずです。



人工地震の可否

結局、この「化学的な刺激」というものが何かということなんでしょうが、それに対してのいろいろな意見はいろいろとあるのだと思います。人工地震という人もいるでしょうし、そうではないという人もいると思います。

ちなみに、私自身は全部ではなくとも、「多くの」地震に関しては、宇宙線が化学的な刺激となっていると考えています。

その理由は、たとえば、海底の地中深くが震源となるような地震というのはよく起きます。先日の東北の巨大地震もそうでしたし、日本には他にも海底に多くの震源域を持ちます。そして一方で、「海底ではない震源」もあります。

そして、震源の深さというのは、10キロ以内のごく浅いものから、深いものになると、500キロ以上の深い場所で発生する地震もあります。

それらの場所すべて(海、大地、浅いところ、深いところ)に対して化学的刺激を与えられる可能性のある物質というのは(現在の科学で考えられる範疇では)宇宙線しか存在しないからです。地球を通り抜けて進行するほどの透過力と、そして非常に高いエネルギーを合わせ持つ物質は宇宙線以外には今のところは考えられないように思います。

HAARP 等による地震という説もとても根強いと思います。そして、これはそれによる地震を否定するという意味ではないですが、 HAARP 、あるいは今、地球上に多くある電離層へ刺激を与えるシステムの多くが、「超低周波」のたぐいを発信させているというところに、「トリガー」としては難しい面を感じます。

一般論ですが、同じ種類の低周波が大地も海も越えて進むということは無理で、たとえば、水で止まるもの、大地で止まるもの、といろいろですが、すべてを伝導していくことは難しいものです。

なので、空中へ放射した超低周波が地上にリフレクトして戻ってきても、そこが海の場合、海底まで届かせるということは現在の地球の技術では大変に難しい(ほぼ不可能)ように感じます。

もちろん、「それを越えた科学を持っている」ということになるとわからないですが、私自身は現在の地球の公表されている科学しか知らないですので、その点だけから見ると、上のような考え方にはなります。


ただ、昨日の記事に載せました「地震前の電離層での電子数の変化」が、実際に観測されていますので、仮にこの「電離層での電子数」というものが地震発生と関係するのなら、何かの関わりを考えることもできるのかもしれません。

3-11-tec.gif

▲昨日の記事に載せた2011年3月08日の電離層の電子数の分布図。赤いほど電子数が多い。


ちなみに、過去に人工的な地震の刺激を発生させることに成功した化学的物質としては、

・水
・核爆弾

などがあります。



大雑把な書き方でしたが、地震発生のメカニズムの研究というのは、つまり「トリガーの研究」という方向に現在は移行してきています。上でいうところの「化学的反応を起こしているものは何なのか」ということです。

現在のところ地球上のすべてを透過する物質は宇宙線だけで、また宇宙線というのは、とてつもない高エネルギーの物質であり、最近いくつか記事にしましたが、地球の天候を牛耳っている可能性も指摘され始めていて、これが原因だとすることにはそれほど違和感は感じないというのが現状です。


ちなみに、私自身は地震予知というものの是非はわからないですが(現在の方向にしても、衛星などの設備のある国でないと予測できないから)、前回の記事や、 DEMETER 衛星観測の観測結果などから見ても、実は現在、「地震の真実」に近い位置まで人類は来たと感じています。


タグ:地震



  

2011年05月20日



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個人的にかなり強烈な報道記事で、日本の地震と関係した海外の報道記事としては、今まで見たものの中で個人的に最も興味深いものです。

米国の科学技術系サイトのテクノロジー・レビューの5月18日の記事として掲載されていたもので、その内容は、

マグニチュード9の地震があった前日までに日本上空の赤外線量と電離層の電子量が増大したことがデータ上で確かめられた

という記事です。

今回紹介するのはその報道記事ですが、元となったカーネル大学のライブラリーにある学術論文(英語)はこちらにあります。


私はずいぶん以前から「地震の直前に地球の高層圏(地上から非常に高くて宇宙から観測するような場所)で発生事象の数々が起きる」ことに興味を持っていました。


下の図は今回の報道のもととなった研究発表文書にある図の中の「3月10日から3月12日」までのOLRと呼ばれる赤外線のエネルギー量の変化です。

・3月10日から3月12日までの赤外線のエネルギー量の変化

3-11-orl.gif


また、下の図は、3月8日の TEC値と呼ばれる、GPSでの解析による「電離層全電子数」の分布です。

・3月8日の電離層全電子数

3-11-tec.gif


赤い部分が電離層中の電子の数の多い場所です。日本周辺の真っ赤ぶりがおわかりでしょうか。これと、上の赤外線のエネルギー量の変化を見ると、ここから地震に関しての何らかの研究が導き出される可能性は「非常に高い」と感じます。


うーむ・・・。

ところで、翻訳記事に出てくる DEMETER衛星観測 とは、こちらのサイトによると、

DEMETERは地震電磁気観測と地球電磁環境観測を目的としたフランス宇宙研究センター(CNES)の小型衛星プロジェクトで、2004年6月29日に打上げられ、マグニチュード4.8以上の地震 9000回との統計解析の結果、地震4時間前に夜間VLF帯電波強度が顕著に減少することを報告しています。

とのこと。


ところで、ずいぶんと昔ですが、こちらのブログの記事で、銀雲というものについてふれたことがありました。

これは「地球の表面の地平線の上の高度およそ60kmないし70kmでしか見ることができない雲」で、つまり宇宙からしか見えないのですが、ロシアの宇宙飛行士たちは「これが見えると必ず地上で地震が起きる」と言っていて、宇宙飛行士たちはこの高高度にある雲と地震の関係を確信していたという話があります。

私は地震の発生の原則についての推測に関しては今後も含めて書くつもりはないですが、地球で起こる多くのことに関して、宇宙線の関与が大きいとは考えています。書くとしたら日記で「娯楽として」書くと思います。

それでは、ここから記事の翻訳です。






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2011年04月29日



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アメリカでは、今月4月の中旬から延々と悪天候が続いているようで、昨日は竜巻などによって1日だけで 300人近い死者が出てしまったようです。米国の悪天候はこの2週間くらいの間で日本語の報道となっているものだけでも、

などとなっていて、特に最近の1週間はひどく、 こちらによれば、4月22日から昨日までの6日間で、全米(主に南部)の各地で 329の竜巻が発生したことが確認されているそう。

その惨状は写真や映像からも想像できます。

これは、昨日のナショナルジオグラフィック・ニュースに載せられていたアラバマ州の竜巻被害地の写真です。

why-alabama-tornado-april-2011_35155_600x450.jpg

この記事のタイトルには「パーフェクト・ストーム」という単語さえ入っていました( Monster Alabama Tornado Spawned by Rare "Perfect Storm" )。


国も事情も違えど、米国も被災者の方々のご苦労はかなりのものだと思います。
家を失った方だけでも相当な数に上るようですし。


そして、実際に自然災害が現実に増えている中、どこの国だとかは関係なく、私たちは自然と向き合う姿勢が今まで以上に大事に思います。

最近、日本全体でも天候は不安定で、特に、震災以降、「天候や雲との自分」が以前とは違う関係性で感じる部分はあって、雲と語ったり風と語ったりと浮き世じみた行動をしているのも事実ですが、しかし、語る一方で、再度「頭でも考えたい」とも思っています。


そもそも、昨年までにすでに全世界では異常な気象が数多く観測されていて、今年の米国や日本の状況を見ると、赤道より上の部分の「太平洋を中心とした横のベルト」が荒れ狂っている感じがしています。
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2011年03月12日



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押し入れにしまっていたテレビを出してニュースを見ています。津波の被害の壮絶さには本当に「何も」言えないものがあります。


被害が比較的少なかった、たとえば私のいるような東京は今どうかということを書いておきます。
昨日からのことと、さきほど周辺を歩き回ったりした描写です。

私のいるのは東京西部の吉祥寺という街に近いところです。
吉祥寺そのものではないですが、吉祥寺の名前が有名ですので、そのほうが通りやすいと思います。

kichijoji-map.jpg


電話、携帯

かける先が被災地の場合は相変わらずつながらないですが、東京内では、ほぼすべて問題なく通じています。インターネットは昨日の地震発生以来、ずっと通じています。


インフラ

すべて通じています。ただ、区の防災放送で、「電力不足が発生する可能性があるので、節電して下さい」と頻繁に流されています。

また、アパートやマンションなどの集合住宅などでは、都市ガスに安全停止装置がついており、これはたいてい外にあるのですが、この安全装置の存在を知らない方もいて、ガスが使えなくなっている家もあるようです。わたしの家でも、昨日は、ガスが停止しました。

とても簡単に書くと、下の機器(たいていは外のどこかにあります)の「復帰ボタン」というところのキャップを外し、ボタンを押すだけです。

gasmeter.gif

詳しくは、各地のガス会社のページなどでご確認下さい。


食糧

食糧にはやや問題が生じています。
物流の問題だと思うのですが、コンビニ等から弁当とパンなどのすぐ食べられるもはすべて消えています。

また、カップ麺などもコンビニによっては消えかかっているようです。
大きな袋を持って買いだめしている人の姿を目にします。

この原因のひとつは、大手スーパーのたとえば西友が閉店していることもあるのだと思います。

これに関しては、ちょうど駅前に西友のレジのおばさんたちがいて、私はよく買い物をしてい顔見知りなので、話しましたが、店の中の被害はほとんどなかったらしいのですが、こういう場合、業者のチェックを受けてからでないと開店できないのだそう。
今回は広範囲の地域でのチェックとなるので、手が回っておらず「開店は未定」と言っていました。

関係ないですが、その数人のおばさんの中のひとりは、親戚が宮城県の海岸沿い(昨日繰り返しテレビで映されていた、すべて流されていた場所)にいるのだそうで、泣きながら、私にそのことを話しており、しかし、

「でもね、私たちもあんたたちもね、こうやって今、生きているんだし、住むところも食べ物も今はあるんだから頑張りましょう」

と気丈に言っていました。


ちなみに、東京湾の近くに住んでいる知り合いによると、「近所のダイエーには食べものが(カップ麺等を含めて)何もない状況」らしいです。


飲料水

水は水道が通じているので問題ないですが、今後のことを考えて、うちでは、風呂と、他に10リットルくらいの飲料水を用意しました。


その他

何人かの知り合いなどと話した時に、とりあえず私個人が考えている今後の地震の状況を言って、まあ・・・とりあえず、「どうしようもない時には、どうしようもないから、できる範囲で準備したほうがいい」という感じになりました。その「私個人の今後の予想」というのは、要するに、「震源の南下」ということ(現時点ですでに起きていますが)を、やや心配している感じですが、しかし、まだ震災が進行している中で、そんなことを詳しく書く気に気にはなれません。


とにかく、東北から東海あたりまでに住まれている方は、一般的な震災対策を確認されるといいと思います。家具の倒壊の防止などです。あと、現在手に入るのでしたら、食べ物や飲料水はある程度用意していいと思います。
場合によって、さらに物流が止まる可能性も捨てきれません。


気持ちの持ち方

ちなみに、さきほど書いたものに、幼稚園のことを書きました。

私が駆けつけた時は最初の揺れの直後でしたが、幼稚園の先生たちは冗談を言ったりして、子どもたちと笑ったりしていました。

最初はその雰囲気に意外感があったのですが、しかし、だからこそ、子どもたちは揺れを感じてはいるものの「自分たちが大きな困難の下にいる」ことを気付かずに地震をやり過ごすことができたのだと気付きました。

幼稚園の先生には若い女性も多いのですが、そのとっさの雰囲気作りの気転には頭が下がりました。うちの子も、気が弱いほうなのですが、「ぜーんぜんこわくなかったよ」と言っていました。
感謝しています。

仮に今後、何かあっても、なるべくこのことを思い出していきたいと思います。



  


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昨日のブログを更新した後、街に出ている時に地震に遭いました。

子どもが幼稚園にいたので、とにかく走って幼稚園にまで駆けつけると、幼稚園では先生方がホールの真ん中で懸命に子どもたちを守ってくれていました。初めて知ったのですが、その幼稚園の建物はかなり強度の耐震設計をしているとかで、たしかに花瓶ひとつ倒れておらず、耐震設計というもののすごさを知りました。このあたりの普通の家では家具などが軒並み倒壊していました。


少し安心したのは子どもたちの多くが意外と元気だったことです。

不安げな顔をしている子はいたものの、泣いている子はひとりもおらず、それどころが私のところに何人かの男の子たちがやってきて、「船に乗ってるみたいだったよ」と、みんなで揺れているところの真似をしたりしていました。


私自身が PTSD (トラウマのキツイやつ)の人でしたが、地震などの災害でもここまで大きなものだと、子どもたちの心の傷は「心の傷」などという軽い言い方では住まないほど長く続きます。あるいは、落ちついてから出てきます。数週間後や数ヶ月後から始まることがあります。不眠、鬱、パニック障害、症状は様々ですが、それは非常に長く本人を苦しませることになります。


被害を受けてしまった方々には今回はまだ被害の全容もわからず、またあまりにもひどい災害で、半端なお見舞いの言葉は書けません。


ちなみに、私の奥さんの姉の夫婦が福島にいて、まだ連絡はとれておらず、私の妹の家族も千葉に住んでおり、避難したようですが、現時点ではどうなったかよくわかりません。


そして、これは書くべきかどうかを考えのたのですが、大災害が起きたからといって、書くのをやめれば、それもまた良くないことですので、関連項目を一言で書かせていただきます。

それは要するに、最近の地質異常の記事で、私は執拗にプレートが出ている地図を載せていましたが、今回のこの大きな地震が他のプレートに影響を与えたかもしれないという可能性を考えざるを得ないということです。

これは近いうちに地震が起きるという意味ではなく、以前も書きましたが、また、今回の地震でもわかることですが、「超巨大地震は想定されている場所以外のどこでも起こり得る」ということで、先月記しましたこちらの資料を示しておきます。

(資料) 1700 年前に日本列島を襲ったかもしれない超巨大地震の再来の可能性の検討



極めて遺憾ながら、簡単に示しますと、

1700.gif

この 1700年前の震源域のプレートが刺激された可能性はないのだろうか? ということを考えざるを得ないということです。「そんなことはない」とは言えない可能性が確かに内在します。



今回、被害に遭われている方には、お見舞いの言葉よりも今はとにかく頑張って下さいとしか言いようがありません。余震、防寒、そして、数日後からは食糧と飲料水、排泄処理などの問題、さらにその後は(日本全域に関わる)経済や政治機能の問題になってくるかもしれません。

でも、何がどうあっても、がんばってくださいとしか言えないですし、そして、この言葉は自分にも言っていくしかないと思います。


人間は生きていくだけが目的ではなくても、ギリギリまで生きることに頑張ることも生命のひとつの宿命だと思います。そして、多分、ある程度は私も含めて、くまなく多くの人たちがこれから経験することとなるかもしれません。今の地球を見ていると、それは誰にも否定できないのではないでしょうか。


でも、その際、ただ恐怖に見舞われて過ごすという考え方ではなく、たとえば、昨日の幼稚園の男の子たちのように、「ぜーんぜん怖くなかったよ。船に乗ってる時みたいにこうやってやりすごせばいいんだよ」と、私に踊って見せてくれていたように乗り切れれば、そこに可能性もあるのかもしれません。


中途半端に経験豊富な私たち大人より、経験のない子どもたちはまだ「何が恐怖か」の知識を持っていないことが昨日の幼稚園で少しわかりました。

だから、そこに少しだけ希望はあるように感じます。

子どもたちを守りつつも、大人たちはその子どもたちに多くを教わりながらがんばっていくしかないのだと思っています。




  

2011年03月09日



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▲ コロンビアの町グラマロテで 2010年12月に突如始まった地殻変動による町の破壊を伝える地元テレビ。



What is It All Cracking Up to be ? ... the earth is splitting all over the place
地球があちこちで割れている
Before It's News 2011.03.08
--

(訳者注) 上記とおりの物騒なタイトルの記事があり、読んでみると、昨年くらいからこれまでこのブログでも何度か取り上げている「様々な場所で起きている地割れ」のことを書いているものでした。

内容的にはそれぞれの概要を書いているだけのものでしたので、私のほうで地図なども含めて、もう少しわかりやすくまとめてみました。記事で取り上げられていたもの以外にも、コロンビアやエチオピアの大規模な地割れがありますので、それらも付記しておきます。

なお、今回記事の引用元のブログのコメントに、「地球の地表は、ふたたび拡大と収縮のプロセスに突入している」というようなものがありました。こんなことが本当はどうかわからないですが、ただ、最近の地殻変動を見ると、規模がダイナミックですので、私たちがかつて教わってきたような「何千万年かかって大陸は移動する」というようなことではなく、数ヶ月から数年で地球の大陸の形が変わる可能性はあるのではないか、と、その移動距離の大きさから考えざるを得ません。

このことは、2005年のエチオピアでの大規模な地割れを研究した英国王立協会の科学者たちの発表を記事にした BBC の報道の以下の部分にも表れます。




Africa 'witnessing birth of a new ocean' (BBC 2010.06.25)より。

何百万年というような長い単位で地球の変化を理解してきたライト博士を含む研究チームにとって、エチオピアのアファー三角帯での変化の規模とスピードは驚くべきものだった。あっという間に大陸に断裂が走り、大地がこじ開けられたのだ。2005年に、この地ではたった10日間の間に、60kmの長さに渡って8メートルの幅の断裂が開いた。

2005vent_royalsociety.jpg

地球内部の奥からの溶融状態の岩石が表面に上がって、大陸の分断を促しているのだ。地下での爆発は今も続いている。





例によって、記事で取り上げた場所を世界地図に示してみました。

crack-list-1.gif

▲ 元地図は、地学(地震)入門 第2回 プレートテクトニクスより。番号は下の記事のタイトルにつけた番号となっています。

1 - 米国ミシガン州
2 - ボリビア・ラパス
3 - パキスタン・グリスタン
4 インド・バルッダマーン
5 ペルー・プノ
6 コロンビア・グラマロテ
★ エチオピア



過去に記事にしたものはリンクも記しておきます。
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1 - 米国ミシガン州 2010年10月



過去記事:米国ミシガン州で突如フットボール場2個分の範囲で地面に巨大な地割れが開く (2010年10月08日)

以下は記事より抜粋。

フットボール場が2入るほどの大きな割れ目が、突然、バーチクリークの近くの森に現れた。

割れ目は150ヤード(137メートル)ほどあり、場所によっては、深さが5フィート(1.5メートル)ほどのところもあり、割れ目の幅は2〜3フィート(60〜90センチメートル)ある。



場所:米国ミシガン州メノミニー市


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2 - ボリビア・ラパス 2010年03月

lapas.jpg

過去記事:ボリビアの首都ラパスで地殻変動による壊滅的な被害 (2010年03月01日)

記事より抜粋。

巨大な地滑りがボリビアの中心都市を襲う

突然発生した地震活動が、2月28日にボリビアの中心地ラパスで「巨大な地滑り」を引き起こしたことがボリビアの国営通信社によって報じられた。

ABI 通信社のレポートによると、泥流は少なくとも 800世帯から住居を奪った。
しかし、建物に莫大な被害が出たものの、人的被害は報告されていない。


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3 - パキスタン・グリスタン 2010年03月

pakistan-1.jpg

YouTube より。かなりの広範囲に渡っての地割れが発生したようです。


pakistan_gulistan_203map.gif

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4 インド・バルッダマーン 2011年02月

india-1.jpg

Land cracks set off panic in Burdwan
バルッダマーンで地割れが発生し、パニックに
インドエクスプレス 2011.02.02


記事の概要。

バルッダマーン地区で、数百キロメートルの範囲にわたって、突如、地盤沈下が発生した。深さは、2メートルから3メートル。原因は不明だが、当局は、同地で大規模な採掘作業などが行われていなかったかを調査している。


india-map1.png

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5 ペルー・プノ 2011年02月

peru-earth-crack-puno.jpg


Large crack opens in the earth in southern Peru
ペルー南部のプノで大規模な地割れが発生
Living in Peru 2011.02.25


記事の概要。

2月25日の朝、プノにおいて、突然、巨大な地割れが発生した。地割れは、幅 100メートルほどで、長さは数キロに渡る。原因はわかっていない。

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6 コロンビア・グラマロテ



過去記事:原因不明の地割れと地滑りで破壊され「7日間で地図から消えた」コロンビアの町 (2011年01月19日)




以下は記事より抜粋。

異変が起きているのはグラマロテという町で、コロンビア北部のサンタンデール州にある。この町での変動は 2010年12月に始まった。

コロンビアの地質学者たちは、何らかの地質学的な活動がこの町の下で起きていることによって今回の大規模な破壊が発生したと結論付けた。その地質学的な活動がどういうものであるかは特定されていない。


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以上です。

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2011年03月01日



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南米プレート周辺で続く大規模な地殻変動

top-bolivia2.jpg

BBCの報道より。



(訳者注) 以前、コロンビアのグラマロテという町が原因不明の大規模な地殻変動で被害を受け、「地図から町が消えた」というような報道タイトルが見られるような被害となってしまった自然災害がありました。

(関連記事)

原因不明の地割れと地滑りで破壊され「7日間で地図から消えた」コロンビアの町 (2011年01月19日)
災害現場の空に浮かび上がる「欠けた五芒星」と、完全に廃虚と化したコロンビアの町 (2011年01月23日)
--

これに関しては、「欠けた五芒星」だとかいろいろなことも絡んできていたのですが、それはともかく、今回、コロンビアから比較的近いボリビアの首都ラパスで、この地域では経験したことのない地殻変動による地滑り(報道では断層が動いたとなっています)で大変な被害が出ています。

今回の地滑りも、コロンビアの地滑りの時と同様に、最初は「豪雨で」という報道だったのですが、最新の CNN の報道では「突然の地震で」に変わっていますので、地震を含めた何らかの地殻の変動があったようです。

それと、これは上の2つと関係ないことですが、南米プレート絡みであるということもあり、太平洋のイースター島の海域でのマグニチュード 6 の地震のことも記しておきます。

その3つの地点を地図にしました。


star-america.png


ラパスの惨状

文字の記事の前に写真を何枚かご紹介しておきます。
上のトップの写真もそうです。
写真だけでも、その激しさがおわかりになるかと思います。

そして、もっとすごいのは、これだけの災害にも関わらず、「怪我人、死者」共にゼロ(報道では)という点です。コロンビアの災害でも町が消滅したほどの地殻変動だったのに、死者や怪我人については記事になかったように思います。このことのほうがすごいような気も・・・。

P1.jpg



2-b164763704.jpg



bolivia-3.jpg


ちなみに、このボリビアという国は、Wikipedia によると、国教はローマ・カトリックで、国民の95%がローマ・カトリックを信仰。南米最大の救世主像はこのボリビアにあるようです(下)。

170px-Cristo_de_la_Concordia_02.jpg


あと、この国の標語に目が行きます。
スペイン語で「 Morir antes que esclavos vivir 」。
意味は、「奴隷として生きる前に死ぬこと」



ここから CNN の記事をご紹介しますが、記事自体はとても短いものです。




Massive landslide hits Bolivian capital
CNN 2011.02.28

巨大な地滑りがボリビアの中心都市を襲う

突然発生した地震活動が、2月28日にボリビアの中心地ラパスで「巨大な地滑り」を引き起こしたことがボリビアの国営通信社によって報じられた。


ABI 通信社のレポートによると、泥流は少なくとも 800世帯から住居を奪った。
しかし、建物に莫大な被害が出たものの、人的被害は報告されていない。

断層が 80〜100ヘクタール(80万〜100万平方メートル)に渡って変動したことが原因だと ABI 通信は伝えている。

ボリビアの大統領はこの地滑りでの被害の状況把握のため、この日の遅く、政府の大臣クラスの緊急会議を招集した。
そして、地域に非常事態を宣言した。




(追加の記事)
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タグ:ボリビア



  

2011年02月28日



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いろいろなことが起きすぎていて、頭の中で整理するのが難しいです。


3月4日のアメリカ連邦政府の閉鎖は回避されるか?

世界的には、アメリカ政府の閉鎖危機という話題は大きそうです。
これは日本語メディアでもすでに報道されています。

連邦政府機関が閉鎖の危機、予算めぐる対立で (CNN 2011.02.22)より。

議会で今年度予算案をめぐる与野党の対立が続き、連邦政府機関が一時的に閉鎖される可能性が出てきた。ホワイトハウスでは閉鎖を回避するための議論が続いている。


とはいえ、何となく一大事に見える「アメリカ連邦政府の閉鎖」というイベントも、前回は 1995年にあったというものらしく(連邦政府の閉鎖が何度も繰り返される?)、また、閉鎖された場合も、どのようなるかは予測できるものらしいです。
基本的には直前に回避されると思われますが・・・。

ちなみに、前回 1995年の時の連邦政府の閉鎖の際は1995年のデジャブによりますと、

1995年の出来事で忘れてはならないことは、ドル/円レ−トで円がドルに対して最高値を更新し、4月に東京外為市場で79円台が示されたことでしょう。年初には100円を付けていたレ−トが4月には80円を割った。20円以上ものドル安円高であった。


ということらしいですので、 FX などをされている方はお気をつけて下さい。売り買いどちらの立場でも短期間での 10円20円変動の地獄に付き合っていては、アルマゲドンの前に命が尽きてしまいます。投資のことはすでにわからないですが。


あと、アメリカでは、群発地震が続いていたアーカンソー州でついにマグニチュード 4.7 の地震が発生しています。

arkansas-02-27.png

USGSより。左の数値から「マグニチュード」、「発生した日付と時間」、「緯度と経度」、「震源の深さ(km)」となっています。震源の深さはかなり浅いです。


このアーカンソー州というのは、昨年の大晦日に「空から鳥が一斉に落ちてきた」あたりの場所で、2011年の動物大量死の話題の口火を切った場所です。「ニューマドリッド断層地震帯が活発化している?」という懸念の記事をご紹介したことがあります。

米国アーカンソーの鳥と魚の大量死をめぐるブログより(1)ニューマドリッド断層地震帯 (2011年01月05日)



(参考資料) ニューマドリッド地震帯

ニューマドリッド地震帯は、アメリカ合衆国中西部にある地震帯で、イリノイ州、ミズーリ州、アーカンソー州、ケンタッキー州、テネシー州、ミシシッピ州の6つの州にまたがる活断層帯である。ニューマドリッド断層ともいう。約300年から500年間隔で大地震を引き起こすと考えられており、近年発生した地震では1811年から1812年の冬季に連続して発生したニューマドリッド地震である。



さて、そういうアメリカ政府とかアメリカの地震のこともあるのですが、今回は火山の話題です。

これまで、

・アイスランドの火山の噴火
・イエローストーンの噴火
・北朝鮮の白頭山の噴火


などを何度か取り上げたことがありますが、今回はアイスランドで「新しい群発地震」が起きていることと、「白頭山の噴火情報の混乱」についてです。

ふたつまとめてですので、多少長くなるかもしれないです。
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2011年02月20日



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先日の記事「太陽活動と地震・噴火の活動に関しての2つの考え方」で「日本の地震に関しての興味深い資料」として記した記事がこれです。少し日時が開いてしまいました。

オリジナルでは図などが別添となっていたりしていますので、改行と図の位置等編集していますが、文章の内容自体はそのままです。

内容の大まかな要点は、

・2004年のスマトラ地震は、それまでのプレート境界型地震での考え方からは、超巨大地震は起き得ない場所であった。

・これによりすべての地域で大地震の可能性についての再考を検討する必要が生じている。

・日本地域においては、西南日本から琉球にかけての地域を震源域とする超巨大地震の可能性がその中に含まれる。

・その領域の過去の地質から見ると、巨大な隆起は過去数千年に4度発生しており、これがマグニチュード9クラスの地震だった可能性がある。

・そのイベントの平均間隔は大雑把ながら2000年程度。前回は約 1700 年前にマグニチュード9クラスの地震が、西南日本から琉球にかけての地域を震源域として起きた可能性がある。


というよう感じだと思います。
周期があるなら、起きてもおかしないという話ですが、根拠的にはまだ曖昧な部分が多いという感じです。

これは「そういう恐ろしい可能性がある」という考え方を提示したいというよりは、「従来から言われている地震予知が部分的に無効になる(かもしれない)」ことと、あとは、スマトラの地震や四川の地震など、そこで巨大地震が起きる可能性は言われていなかった地震の例などを見ても、「大きな地震はどこでもいつでも起こる可能性がある」ということを再認識してもいいのかなと思って掲載してみました。怖さを感じたならごめんなさい。



東海から琉球にかけての超巨大地震の可能性
名古屋大学大学院環境学研究科 古本宗充

2004 年のスマトラ・アンダマン地震は、震源付近のみならずインド洋の対岸にも大きな災害をもたらした。

そのモーメントマグニチュードは Mw=9.3 と推定され、1960 年代のチリ地震やアラスカ地震と並ぶ規模の地震である。このような大きな地震がスマトラからアンダマンにかけて発生した事は、これまで の地震学の常識を覆した。

・第1図

z-1.gif


従来、第1図で描かれているように、沈み込み帯におけるプレート境界型地震の最大規模は、沈み込むプレートの相対速度と年齢で決まると考えられてきた。そしてこれらのパラメータで最大規模が決まるとするならば、Mw が 9 を越えるような地震(以下超巨大地震と呼ぶ)がスマトラ付近で発生するとは想定されないというのが従来の常識であった。

さらにアンダマン海域は拡大軸を持つ海盆であり、こうした面からもこの沈み込み帯背後に大きな逆断層運動を引き起こす応力蓄積をすることはないと考えられてきた。

しかし、スマトラ・アンダマン地震が発生した事で、こうした見方の変更が余儀なくされ、すべての地域でその可能性を検討する必要が生じたと考えられる。つまりどの沈み込み帯でも同様の超巨大地震が発生するのであるが、その間隔が非常に長いためにこれまで気づかれていなかった可能性が出てきた。

日本付近で言えば、ここで取り上げる西南日本から琉球にかけての地域はもちろん、東北日本弧や千島弧、場合によっては伊豆――小笠原弧ですら対象とするべきであると考える。

最も強調したい点は、この「すべての地域で超巨大地震の可能性を検討する必要がある」ということにつきるが、ここでは今後研究が必要であるという議論を補強する目的で、第2図に描かれたような西南日本から琉球にかけての地域を震源域とする超巨大地震の可能性を検討する。

・第2図

z-2.gif


この領域で注目すべきは、この付近のテクトニックセッティングが、スマトラ島からアンダマン諸島にかけてのテクトニックセッティングと非常に似ているという事である。

比較的速度が遅い斜め沈み込みが起きている沈み込み帯であり、島中部に大きな横ずれ断層が発達している、そして領域の半分ほどは拡大軸を持つ背弧海盆をもっていることなどである。もちろん、こうした類似性が即同様の超巨大地震を引き起こすことの証拠ではないが、従来の観点では超巨大地震を起こしにくい地域の特徴と考えられてきた事は注意する必要がある。

今考えている領域のほぼ中央部の、四国室戸岬では多くの海岸段丘が発達している。これらは、南海地震などの巨大地震(約 100 年)よりも間隔が一桁長い、大きな変動によって形成されたと推定されている。同様の隆起地形は奄美諸島の喜界島でも明瞭に見る事ができる。中田等 編者注/中田高、高橋達郎、木庭元晴の各氏) は化石の年代決定から段丘を形成した地殻の隆起年代を決定している。それによれば、隆起は過去数千年に4度発生している。
平均的間隔は2千年程度になる。

さらに、御前崎でも同程度の間隔で大きな隆起があったと推定されている。
これらの変動が超巨大地震に伴った可能性はないであろうか。

第3図に示されているの は、喜界島と御前崎で観察される隆起イベントの推定年代の対応である。

・第3図

z-3.gif


ただし特に御前崎のイベント 年代はおおざっぱな幅しか与えられていないので、この図はかなり大まかなものである。年代推定誤差や範囲を考慮した領域は、両年代が同時である事を示す直線に掛かっている。

もしこれらが「同時」で ある事を示しているならば、少なくとも御前崎から喜界島にかけての、距離 1000km を越える、領域を大きく変位させるような Mw =9クラスのイベントが起きた事を意味する。

大雑把であるが、平均して約 1700 年の間隔で発生しているとすれば、図に示したような傾向を説明できる。ただし年代データの精度はこうした議論には不十分であり、今後の研究が是非とも必要である。なお、この図から読み取れるように、もしこのような超巨大地震が起きているとすると、その最終イベントの発生時期が、おおよそ 1700 年前という可能性がある。

さらに、もしこのような超巨大地震が起きたとすれば、沈み込み帯付近の応力や地震活動度を大きく変化させた可能性がある。

・第4図

z-4-1.gif


第4図に示したのは、南海・東海地域で発生したとされる巨大地震の発生間隔の時間変化である。j-1 番目の巨大地震から j 番目までの巨大地震までの間隔(南海と東海セグメント が別々に破壊した場合には、早いほうの発生年を使用)を、j 番目の巨大地震の発生年にプロットしてある。

図で明らかなように、年代が進むにつれて間隔が短くなっている様に見える。

もちろんこの図は、単に古いデータほど欠測しやすいことを示しているだけかも知れない。しかしながら、間隔が徐々に短くなっている可能性も否定できず、超巨大地震の1サイクル間の現象である可能性もある。

上で述べたのは、いずれも不確かなデータを利用したものであり、超巨大地震の存在の積極的な証拠ではない。しかしながら始めに述べたように、作業仮説として東海から琉球にかけての超巨大地震の発生を考えることは必要である。

タグ:超巨大地震



  

2011年02月09日



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地質学者たちがアイスランドで2番目に大きな火山「バールダンブンガ」の噴火の可能性を発表。

(訳者注) アイスランドはさすがに火山国で、私などは昨年のエイヤフィヤトラヨークトルの噴火で、はじめて「アイスランドに火山があるんだねえ」などと言っていたのですが、それからすぐに「歴史上の記録に見るカトラ火山、ラキ火山の噴火のヤバさ」などを知ることになり、そればかり気にしていたのですが、今回、アイスランドの地質学者と、アイスランド気象庁から共に警告が出されたのは全然違う火山でした。

その名はバールダンブンガ(Bárdarbunga)火山。カタカナの当て字は適当ですので、便宜上だとお考え下さい。

さて、その警告が出されているバールダンブンガ火山の位置ですが、このような感じになります。

iceland-volcano-2011.png


このあたりは、バトナ氷河という名前の広大な氷河地帯のようです。

実は昨年の4月頃にも、このバールダンブンガ火山では群発地震が急に増加し、「噴火するのでは?」というようなことが言われていました。英語ですが、 Iceland’s Bárdarbunga May Be Erupting (feww 2010.04.20) などに記事があります。


ところで、上の記事の中に面白い図があり、それを改めて見ていて、興味深いことに気付きました。
この図です。日本語はこちらで入れたものです。

iceland-on-mid-atlantic-ridge.png


上のアイスランドの火山の図と合わせて見ていただきたいのですが、今回、噴火するかもしれないというバールダンブンガ火山から、昨年噴火したエイヤフィヤトラヨークトルまでの間には「噴火が懸念されている」たくさんの火山が並んでいます。
ラキ火山、カトラ火山など。

上の図を見ますと、それらはすべて「大西洋中央海嶺」という海嶺に沿って位置しているようです。この大西洋中央海嶺はも北米プレートとユーラシアプレートを隔てているもので、つまり、「地球の表面がバラバラになる時は、ここも離れていく」と思うのですが、その離れていくボイントにこれらのすべての火山があるというのは興味深いです。
また、この大西洋中央海嶺は一昨年、「深さ10キロメートル地震」が相次いだ海嶺でもあるのですが、これに関しては、話がそれますので、ふれないことにします。

火山の噴火そのものにも懸念はありますが、地球表面全体の先行きとも絡んで、経緯を見ていたいと思うところです。

ちなみに、今回の記事によりますと、このバールダンブンガ火山というのはアイスランドで二番目の規模の火山で、1447年の噴火では、「地球の過去1万年の歴史の中で最大の溶岩流を発生させた」のだそうで、規模も大きいようです。

それでは、記事はここからです。





Icelandic volcano 'set to erupt'
テレグラフ(英国) 2011.02.09

アイスランドの火山が噴火の段階に入った

アイスランドの科学者たちはアイスランドの「もうひとつ」の火山の噴火を警告している。もし、それが噴火して噴煙を上げた場合、昨年のイベント(エイヤフィヤトラヨークトルの噴火)が小さな出来事に見えるだろうと言う。

volcano_1821537c.jpg

・溶岩と火山灰を噴き出すアイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル火山。


地質学者たちは、アイスランドで2番目に大きな火山の周辺で群発地震が増加していることを確認し、新たな噴火への大きな懸念を表明した。


アイスランド大学の地球物理学者、ポール・エイナルソン教授によると、現在、バールダンブンガ(Bárdarbunga)火山の周辺の地域で、火山活動が増加しており、そして、これは「懸念するに十分にな理由に当たる」と教授は言う。

教授はアイスランドの国立テレビ番組で、この地域には地震計測装置の設置数が少なく、そのために、地質変化の正確な状況を把握することが難しいという。

しかし、教授は、火山地帯の北東部で記録された震動の記録を見る限り、「懸念する多くの理由がある」と述べ、また、この記録は近年でもっとも強いもので、「間違いなく、溶岩が上昇している」と語った。

また、教授は、計測でカバーできる範囲が狭く、地質の動きの正確な位置と深さを把握することができないと不満も述べた。


「アイスランド全土を見てみても、この(バールダンブンガ火山)の地帯が、国でもっとも活発な活動地域といえる」と、教授はテレビ局に言った。

「溶岩の規模がゆっくりと成長していることは間違いない。この数日での地震活動はそれを示唆している」。


「我々は、より正確な観測数値を知りたいと思っている。しかし、この地域はアイスランド中央部にあり、周辺は広く氷河で覆われているために地震の深さを正確に計測することが難しいのだ」と、火山観測者のジョン・フリマン氏は自身のブログに書いている。


アイスランド気象庁は、2月6日に、バトナ氷河(Vatnajökul)の北東部での火山噴火の危険性が増大していることを警告した。


「噴火するかしないかは時間の経過を見るしかないのだろうが・・・」と、フリマン氏は言う

記録に残るバールダンブンガ火山の最後の噴火は 1910年だったが、火山学者たちが、この火山が近年の最大の噴火を起こしたのは、1477年だと確信している。その時には、周辺に大量の火山灰と岩石を振りまいたとされている。

そして、その 1477年の噴火の際には、過去 10,000年間の間の地球上で最大規模の溶岩流を発生させたとしている。

この火山は、アイスランドで二番目に大きな火山で、昨年、アイスランドで噴火し、空の便を混乱させたエイヤフィヤトラヨークトルなどは、このバールダンブンガ火山に比べると、はるかに規模が小さい。
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